JP5751970B2 - モータアクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、モータアクチュエータに関し、さらに詳しくは、被駆動体に対して、モータの駆動力を伝達するか否かを切り替えるクラッチ手段を備えたモータアクチュエータに関する。
以前から、モータを駆動源とし、例えば洗濯機などの排水弁を動作させるモータアクチュエータが知られている。この種のモータアクチュエータでは、モータの動力は、歯車などの動力伝達部材から構成される伝達列を介して被駆動体に伝達される。
特許文献1には、このようなモータアクチュエータであって、被駆動体に対して、モータの駆動力を伝達するか否かを切り替えるクラッチを備えたものが記載されている。モータアクチュエータは、このようなクラッチにより、伝達列によるモータの動力の伝達を「継」状態(伝達列によってモータの動力が被駆動体に伝達される状態をいう。以下同じ。)もしくは「断」状態(伝達列によってモータの動力が被駆動体に伝達されない(遮断された)状態をいう。以下同じ。)に切り替え、被駆動体を動作させる。
特許文献1では、以下のように磁気誘導を用いてクラッチを動作させている。クラッチによって動力の伝達を「継」状態とする場合、モータによって回転する誘導リングが磁気誘導によって永久磁石を同じ方向に回転させる。永久磁石が所定位置まで回転すると、差動歯車機構(遊星歯車機構)を構成する一の歯車の回転が阻止され、モータの動力は伝達列を構成する入力側の歯車から出力側の歯車へ伝達される。
特開平3−198638号公報
しかし、このような磁気誘導を利用してクラッチを動作させる場合、非磁性導電体からなる誘導リングや、誘導リングが磁気誘導されるための永久磁石など、高価な部品が必要となり、モータアクチュエータのコスト増加の要因となっていた。また、一般的に磁気誘導によって生ずるトルクは小さいため、クラッチを動作させるために減速輪列を必要とする。その他の構成として、例えばソレノイドなどによってクラッチを動作させるものなども知られているが、ソレノイドを動作させるための配線が必要となるとともに、上記問題も解消できない。
上記問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、モータの駆動力を被駆動体に伝達するか否かを切り替えるクラッチ手段を備えたモータアクチュエータであって、かかるクラッチ手段を動作させる機構を簡単で安価に構成できるモータアクチュエータを提供することである。
上記課題を解決するために本発明にかかるモータアクチュエータは、一方向に回転するモータと、前記モータの動力を被駆動体に伝達する一または複数の動力伝達部材を有する第一の伝達列と、前記第一の伝達列による動力の伝達を「継」状態もしくは「断」状態に切り替えるクラッチ手段と、前記モータの動力を前記クラッチ手段に伝達する伝達列であって、はす歯である第一の歯部が形成された駆動側歯車、および、付勢部材によって軸線方向の一方側に付勢された状態で軸線方向に移動可能に支持され、前記第一の歯部に噛合するはす歯である第二の歯部が形成された従動側歯車を有する第二の伝達列と、前記従動側歯車の回転に負荷を与える負荷付与手段と、を備え、前記モータの駆動時には、前記従動側歯車は、前記駆動側歯車とのはす歯同士の噛合および前記負荷付与手段の負荷により、回転しつつ前記付勢部材の付勢力に抗して前記軸線方向の他方側に移動し、前記クラッチ手段を介して前記第一の伝達列による動力の伝達を「継」状態とする一方、前記モータが駆動状態から停止すると、前記従動側歯車は、前記付勢部材の付勢力により、前記負荷付与手段の負荷に逆らって回転しつつ前記軸線方向の一方側に移動し、前記クラッチ手段を介して前記第一の伝達列による動力の伝達を「断」状態とすることを要旨とするものである。
かかる構成を備えるモータアクチュエータは、モータの動力を第一の伝達列を介して被駆動体に伝達する。また、その第一の伝達列による動力の伝達の「継」状態と「断」状態を切り替えるクラッチ手段を有し、そのクラッチ手段を動作させる動力源として、モータの動力の一部を利用する。具体的には、モータによって回転する駆動側歯車と、負荷付与手段によって回転方向とは反対の負荷を受けた従動側歯車とを「はす歯」によって噛合させ、それによって発生するスラスト荷重により従動側歯車を軸線方向に移動させる。この移動によって、クラッチ手段は第一の伝達列を「継」状態とするものである。したがって、従来型の磁気誘導を用いてクラッチ手段を動作させる方式のような高価な部材(非磁性導電体からなる誘導リングや誘導リングが磁気誘導されるための永久磁石など)を必要としない。つまり、一般的なはす歯歯車など、安価な部材のみでクラッチ手段を動作させることができる。
この場合、前記負荷付与手段は、前記従動側歯車の回転速度が大きくなると前記従動側歯車の回転に与える負荷が大きくなる負荷部を有するものであればよい。
このように、クラッチ手段を動作させるための負荷付与手段が有する負荷部を、従動側歯車の回転速度が大きくなると従動側歯車の回転に与える負荷が大きくなるものとすれば、従動側歯車の回転速度が大きい状態で従動側歯車に生ずるスラスト荷重が大きくなるので、クラッチ手段により第一の伝達列を「継」状態とする際、確実に従動側歯車を軸線方向の他方側に移動させることができる。また、クラッチ手段により第一の伝達列を「断」状態とする際には、付勢部材によって回転しながら軸線方向の一方側に移動する従動側歯車の回転や移動を妨げる負荷が小さくなる。つまり、付勢部材による従動側歯車を原位置に戻そうとする力は小さいから、従動側歯車および負荷部の回転速度は低い。そのため、負荷部から発生する負荷は大きくならず、従動側歯車がスムーズに原位置に戻る。すなわち、クラッチ手段によりスムーズに第一の伝達列を「断」状態とすることができる。
また、前記従動側歯車には、前記従動側歯車には、前記第二の歯部と一体的に回転するウォームホイール部が形成され、前記負荷付与手段は、前記負荷部と一体的に回転する、前記ウォームホイール部と噛合するウォーム部を有していればよい。
かかる構成によれば、一段で大きな変速(増速)比が得られるから、負荷付与手段の負荷部を高速で動作させるために従動側歯車と負荷付与手段の間に複数段の伝達列を介在させるなどの措置が不要となる。したがって、従動側歯車と負荷付与手段の間の動力伝達時における抵抗を小さくできる。そのため、クラッチ手段により第一の伝達列を「断」状態とする際、従動側歯車を軸線方向の一方側(原位置)に移動させる付勢部材の付勢力を小さくできる。付勢部材の付勢力が小さければ、第一の伝達列を「継」状態とする動力伝達動作の際に軸線方向の他方側に移動する従動側歯車に抗する力が小さいということであるから、動作時のエネルギロスが小さくなる。
また、前記従動側歯車には、前記第二の歯部と一体的に回転する第三の歯部が形成され、前記負荷付与手段には、前記第三の歯部と噛合する第四の歯部が設けられ、前記第三の歯部と前記第四の歯部の少なくともいずれか一方は、ねじれ歯車であればよい。
この場合、前記第三の歯部は、ウォームホイール部であり、前記第四の歯部は、前記ウォームホイール部と噛合するウォーム部であればよい。なお、本発明における「ねじれ歯車」には、はす歯歯車やウォーム(ねじ歯車)など、歯すじが螺旋状(回転軸に対して斜め)に形成され、トルクを受けるとスラスト荷重(回転軸方向の荷重)が発生する歯の形態すべてを含む。
このように、従動側歯車の第三の歯部(ウォームホイール部)と負荷付与手段の第四の歯部(ウォーム部)が噛合し、少なくとも何れか一方がねじれ歯車である構成であれば、クラッチ手段により第一の伝達列を「継」状態とする際において従動側歯車に軸線方向の他方側のスラスト荷重を発生させる要素として、駆動側歯車の第一の歯部と従動側歯車の第二の歯部の噛合だけでなく、上記第三の歯部と第四の歯部の噛合も利用した構成となる。よって、確実に従動側歯車を軸線方向の他方側に移動させることができる。
また、前記被駆動体は、常に原位置に戻ろうとする方向の負荷が作用するものであり、前記第一の伝達列は、一の前記動力伝達部材である入力側歯車と、この入力側歯車に噛合する一の前記動力伝達部材である出力側歯車とを有し、前記クラッチ手段は、前記入力側歯車と、前記出力側歯車と、これら入力側歯車および出力側歯車に噛合する固定歯車とを有する差動歯車機構を備え、前記差動歯車機構は、前記従動側歯車の前記軸線方向の他方側への移動により前記固定歯車の回転が阻止されることで、前記入力側歯車から前記出力側歯車への間の動力の伝達を「継」状態とするものであればよい。
仮に、クラッチ手段の「継」「断」動作が、入力側歯車と出力側歯車の噛合の継断によってなされる構成であれば、出力側歯車には被駆動体から伝わる負荷が常に作用しているため、入力側歯車や出力側歯車の歯車部が損傷するおそれが高い。本発明では、クラッチ手段は、入力側歯車と出力側歯車の噛合を継断させるものではなく、入力側歯車と出力側歯車が常に噛合しており、固定歯車の回転が阻止されているか否かで、第一の伝達列の「継」状態、「断」状態を切り替えるものである。このように、入力側歯車と出力側歯車が常に噛合しているため、入力側歯車や出力側歯車の歯車部の損傷が確実に防止される。
本発明にかかるモータアクチュエータによれば、磁気誘導を用いてクラッチ手段を動作させる方式のような高価な部材(非磁性導電体からなる誘導リングや誘導リングが磁気誘導されるための永久磁石など)を必要とせず、安価な部材のみでクラッチ手段を動作させることができる。
本実施形態にかかるモータアクチュエータの全体(ケースを取り外した状態)を示した図である。 図1に示したモータアクチュエータの動力系統(第一の伝達列および第二の伝達列)を上方から見た図である。 図1に示したモータアクチュエータの第一の伝達列を一方向から見た図である(ケースおよび下モータ歯車以外の第二の伝達列の構成などは削除してある)。 図1に示したモータアクチュエータの第一の伝達列を図3とは異なる方向から見た図である(ケースおよび下モータ歯車以外の第二の伝達列の構成などは削除してある)。 図1に示したモータアクチュエータが備えるクラッチ手段(遊星歯車機構)を分解して上方から見た図である。 図1に示したモータアクチュエータが備えるクラッチ手段(遊星歯車機構)を分解して下方から見た図である。 図1に示したモータアクチュエータの第二の伝達列を一方向から見た図である(ケースおよび第一の伝達列の構成などは削除してある)。 図1に示したモータアクチュエータの第二の伝達列を図7とは異なる方向から見た図である(ケースおよび第一の伝達列の構成などは削除してある)。 本実施形態にかかるモータアクチュエータの動力系統を説明するための系統図である。 本実施形態にかかるモータアクチュエータが有する負荷付与手段におけるドラムの回転速度とブレーキ力の関係を示した図である。 負荷付与手段の変形例を示した図である。 変形例にかかるモータアクチュエータにおける従動側歯車の第三の歯部(ウォームホイール部)を拡大して示した図である。 変形例にかかるモータアクチュエータにおける従動側歯車の第三の歯部(ウォームホイール部)と第四の歯部(ウォーム部)の噛合している部分を拡大して示した図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明における上下とは、図1における上下をいうものとする。また、「原位置」とは、モータ10が駆動していない状態における各構成部材の位置をいう。
本実施形態にかかるモータアクチュエータ1の各構成を説明する前に、モータアクチュエータ1の概略を図9の系統図を参照して簡単に説明する。図9に示すようにモータアクチュエータ1の動力系統は、モータ10の動力を被駆動体90に伝達する出力系統(第一の伝達列)と、クラッチ手段30を動作させるクラッチ作動系統(第二の伝達列)とからなる。クラッチ手段30は、出力系統による動力の伝達を「継」状態もしくは「断」状態に切り替える。つまり、クラッチ手段30が「継」状態であれば、モータ10の動力は出力系統を通じて被駆動体90に伝達される。クラッチ手段30が「断」状態であれば、出力系統は遮断され、モータ10の動力は被駆動体90に伝達されない。図示されるように、本実施形態では、このようにクラッチ手段30を動作させる(第一の伝達列による動力の伝達を「継」状態とする)ためのクラッチ作動系統の動力として、被駆動体90を駆動させるためのモータ10の動力の一部を利用するものである。
本実施形態にかかるモータアクチュエータ1は、駆動源であるモータ10と、モータ10の動力を被駆動体90に伝達する第一の伝達列と、第一の伝達列による動力の伝達を「継」状態もしくは「断」状態に切り替えるクラッチ手段30と、モータ10の動力をクラッチ手段30に伝達する第二の伝達列と、従動側歯車43に負荷を与える負荷付与手段50と、を備える。これらは上ケース81および下ケース82から構成されるケース80内に収容されている(ただしプーリ26およびワイヤ27を除く)。以下、各構成について具体的に説明する。
(モータ10)
被駆動体90の駆動源であるモータ10は、AC同期モータである。なお、AC同期モータ以外のモータを適用することも可能である。モータ10は、その上端面から突出した回転軸を有する。
(第一の伝達列)
第一の伝達列は、モータ10の動力を被駆動体90まで伝達する出力系統を構成する。図3から6に示すように、かかる第一の伝達列は、複数の動力伝達部材を有する。詳しくは、上モータ歯車21と、上モータ歯車21に噛合する入力側歯車22と、クラッチ手段30が「継」の状態のとき入力側歯車22の回転に伴って回転する出力側歯車23と、出力側歯車23に噛合する複合歯車24と、複合歯車24に噛合するカム歯車25と、カム歯車25と一体的に回転するプーリ26と、プーリ26の回転によって巻き上げられるワイヤ27と、を有する。なお、入力側歯車22および出力側歯車23は、詳細を後述するクラッチ手段30(遊星歯車列に基づく差動歯車機構)を構成する歯車でもある。
上モータ歯車21は、モータ10と同軸線上で回転可能かつ軸線方向に移動可能に支持された平歯車である。後述する下モータ歯車41の上(回転軸の先端側)に支持されている。上モータ歯車21の上面には、被ロック突起211が形成されている。かかる被ロック突起211には、後述する扇形レバー60の上モータ歯車ロック突起62が作用する。また、上モータ歯車21は、図示されないコイルばねで軸線方向上向きに付勢されている。上モータ歯車21の下面には、下モータ歯車41と係合する上係合部(図示せず)が形成されている。
上モータ歯車21には、入力側歯車22が噛合している。入力側歯車22は、遊星歯車列を構成する一の歯車であっていわゆる太陽歯車である。入力側歯車22は、相対的に大径の大径歯部221と相対的に小径の小径歯部222とを有する。入力側歯車22の大径歯部221が上モータ歯車21と噛合しており、上モータ歯車21の回転に伴って入力側歯車22が回転する。
モータ10の動力は上モータ歯車21を介して、出力側歯車23に伝達される。本実施形態における出力側歯車23には、遊星歯車列を構成する歯車である、三つの遊星歯車231および遊星支持歯車232が該当する。遊星歯車231は、遊星支持歯車232の上端面から突出して周方向等間隔に設けられた三つの遊星歯車支持軸にそれぞれが回転自在に支持されている。遊星歯車支持軸の上端には、抜け止めリング233が固定され、遊星歯車231の脱落が防止されている。遊星支持歯車232は、遊星歯車231が取り付けられた面とは反対側に歯車部2321を有する。遊星歯車231は、入力側歯車22の小径歯部222と噛合している。詳細は後述するが、クラッチ手段30が「継」状態にある場合、入力側歯車22の回転に伴って遊星歯車231は入力側歯車22の小径歯部222の周りを公転する。かかる遊星歯車231の公転に伴って、遊星歯車231を支持している遊星支持歯車232が回転する。このようにして、入力側歯車22から出力側歯車23へ動力が伝達される。
遊星支持歯車232(出力側歯車23)には、複合歯車24が噛合している。詳しくは、複合歯車24は、相対的に小径の小径歯部241および相対的に大径の大径歯部242を有し、この大径歯部242が遊星支持歯車232の歯車部2321と噛合している。これにより、遊星支持歯車232の回転に伴って複合歯車24が回転する。
複合歯車24には、カム歯車25が噛合している。詳しくは、カム歯車25の歯車部251が、複合歯車24の小径歯部241に噛合している。これにより、複合歯車24の回転に伴ってカム歯車25が回転する。外周に歯車部251が形成された部分の上端面には、カム溝252が形成されている。かかるカム溝252には扇形レバー60が係合している。かかる構成ならびにその作用については後述する。
図1に示すように、カム歯車25には、プーリ26が固定されている。カム歯車25と一体的にプーリ26が回転するものであれば、その固定方法は特に限定されない。これにより、カム歯車25の回転に伴ってプーリ26が回転する。また、プーリ26は、ケース外側に露出している。また、プーリ26の外周には、ワイヤ溝261が形成されている。
プーリ26には、ワイヤ27の一端が固定されている。ワイヤ27の脱落を確実に防止することができるものであれば、その固定方法は特に限定されない。プーリ26がワイヤ27を引き込む方向に回転すると、ワイヤ27はプーリ26のワイヤ溝261にはまり込むように巻き上げられる。ワイヤ27の他端側には、被駆動体90(例えば排水口を開閉する弁体)が固定されており、被駆動体90には、常に原位置(弁体が閉となる位置)に戻ろうとする方向、つまりワイヤ27を引き出す方向の負荷が作用している。ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられることによって、被駆動体90が所定の動作を行う。つまり、ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられることにより、モータ10の動力が第一の伝達列を介して被駆動体90まで伝達されることになる。なお、被駆動体90を正確に動作させるため、ワイヤ27は伸縮性のない材料で形成されている。
(クラッチ手段30)
クラッチ手段30は、第一の伝達列による動力の伝達(出力系統)を「継」状態もしくは「断」状態に切り替える役割を果たす。本実施形態におけるクラッチ手段30の動作は、入力側歯車22(太陽歯車)、出力側歯車23(遊星歯車231および遊星支持歯車232)、および、固定歯車31(リング歯車)を有する遊星歯車列(図5および図6参照)に基づく差動歯車機構を利用したものである。
既に説明したように、入力側歯車22は、上モータ歯車21に噛合し、上モータ歯車21の回転に伴って回転する。入力側歯車22の小径歯部222には、周方向等間隔に配された三つの遊星歯車231が噛合している。遊星歯車231は、遊星支持歯車232上に支持されている。遊星支持歯車232は、遊星歯車231の公転に伴って回転する。
遊星歯車列を構成するリング歯車である固定歯車31は、外歯部311および内歯部312を有する。固定歯車31の外歯部311は、入力側歯車22の大径歯部221の下側に位置し、後述する第二の伝達列を構成する一の歯車であるロック歯車46と噛合している。つまり、ロック歯車46の回転が阻止されている場合、固定歯車31の回転は阻止される。固定歯車31の内歯部312は、三つの遊星歯車231と噛合している。
かかる構成を備えるクラッチ手段30において、遊星歯車231が公転し、遊星支持歯車232が回転するか否かは、固定歯車31の回転が阻止されているか否かによって決まる。固定歯車31の回転が阻止されている場合、入力側歯車22が回転すると、固定歯車31の内歯部312が動くことはないから、かかる内歯部312に沿って入力側歯車22の小径歯部222に噛合する遊星歯車231が公転し、遊星支持歯車232が回転する。一方、固定歯車31の回転が阻止されていない場合、入力側歯車22が回転し、遊星歯車231が公転しようとしても、固定歯車31が空回りするため、遊星支持歯車232が回転することはない。
つまり、固定歯車31の回転が阻止されていれば、第一の伝達列が「継」状態となり、固定歯車31の回転が阻止されていなければ、第一の伝達列が「断」状態となる。クラッチ手段30によって第一の伝達列が「継」状態、すなわち出力系統が「継」状態にあれば、モータ10の動力は、第一の伝達列を介して被駆動体90まで伝達される。一方、クラッチ手段30によって第一の伝達列が「断」状態、すなわち出力系統が「断」状態にあれば、モータ10の動力はクラッチ手段30で切断(入力側歯車22と出力側歯車23との間で切断)され、被駆動体90まで伝達されることはない。
(第二の伝達列)
第二の伝達列は、モータ10の動力をクラッチ手段30まで伝達するクラッチ作動系統を構成する。図7および図8に示すように、第二の伝達列は、下モータ歯車41と、下モータ歯車41に噛合する駆動側歯車42と、駆動側歯車42に噛合する従動側歯車43と、従動側歯車43が軸線方向下向きに移動すると押し下げられるロックレバー44と、押し下げられたロックレバー44によってロックされるロック歯車46と、を有する。
下モータ歯車41は、モータ10のロータと一体的に形成された平歯車である。上述した上モータ歯車21の下(モータ10の本体側)に設けられている。下モータ歯車41の上面には、上述した上モータ歯車21の下面に形成された上係合部と係合する下係合部(図示せず)が形成されている。後述する扇形レバー60の傾斜カムによって上モータ歯車21が最下に位置し、上モータ歯車21の上係合部と下モータ歯車41の下係合部とが係合した状態にあるとき、上モータ歯車21と下モータ歯車41は一体的に回転する。すなわち、モータ10の動力が上モータ歯車21にも伝達される。
下モータ歯車41には、駆動側歯車42が噛合している。駆動側歯車42は、従動側歯車支持軸に回転自在、かつ、軸線方向に移動可能に支持されており、大径歯部421とこの大径歯部421よりも相対的に小径の第一の歯部422とを有する。第一の歯部422は、歯すじが螺旋状である「はす歯」に形成された部分である。駆動側歯車42は、その大径歯部421が下モータ歯車41と噛合している。したがって、駆動側歯車42は、下モータ歯車41の回転に伴って回転する。
駆動側歯車42には、従動側歯車43が噛合している。従動側歯車43は、相対的に大径の第二の歯部431と、相対的に小径の第三の歯部432を有する。第二の歯部431および第三の歯部432は、ともに、歯すじが螺旋状である「はす歯」に形成された部分である。特に、第三の歯部432は、後述する負荷付与手段50が有するウォーム部である第四の歯部51と噛合する、いわゆるウォームホイール部である。
なお、第三の歯部432(ウォームホイール部)は「はす歯」でなくてもよい。例えば、第三の歯部432の歯幅が十分小さければ、「はす歯」でなくとも負荷付与手段50の第四の歯部51(ウォーム部)と点接触で噛合させることができる(例えば、平歯車であっても歯幅を細くすれば、はす歯に噛合させることができる)からである。すなわち、第三の歯部432と第四の歯部51の少なくともいずれか一方が「はす歯」であれば、後述する第三の歯部432と第四の歯部51の噛合による作用効果が奏される。
従動側歯車43は、その第二の歯部431が、駆動側歯車42の第一の歯部422と噛合している。したがって、従動側歯車43は、駆動側歯車42の回転に伴って回転する。このとき、従動側歯車43には、詳細を後述する負荷付与手段50により、その回転方向と反対方向の負荷が掛かるため、軸線方向下向き(本発明における線方向の他方側に相当する)のスラスト荷重が発生する。よって、駆動側歯車42が回転すると、従動側歯車43は回転しつつ軸線方向下向きに移動する。
ロックレバー44は、平板状の部材であり、従動側歯車43の下に配されている。詳しくは、軸線方向に移動可能な状態で、従動側歯車43と同じ従動側歯車支持軸に支持されている。ロックレバー44には、凹部442が形成されており、この凹部442が下ケース82の側壁の内側に軸線方向に沿って形成された図示されない凸部に係合されている。かかる凸部と凹部の係合により、ロックレバー44は、回転が阻止されるとともに軸線方向に移動可能な状態で従動側歯車支持軸に支持されている。ロックレバー44の一方の端部には、他の部分に比べて肉厚に形成されたロック部441が形成されている。ロックレバー44の下には、ロックレバー44を上向きに付勢する付勢部材45(コイルばね)が配されている。この付勢部材45により、通常時(モータ10が駆動していないとき)には、ロックレバー44はロック歯車46の被ロック部461より上に位置する。また、ロックレバー44の上には従動側歯車43が配されているため、従動側歯車43も軸線方向上向き(本発明における軸線方向の一方側に相当する)に付勢された状態にある。付勢部材45の付勢力は、駆動側歯車42の回転に伴って従動側歯車43が回転する際に、従動側歯車43に発生する軸線方向下向きのスラスト荷重より小さい。つまり、従動側歯車43が回転すると、付勢部材45の付勢力に抗して、従動側歯車43は軸線方向下向きに移動する。従動側歯車43が軸線方向下向きに移動すると、その下にあるロックレバー44も下向きに移動する。下向きに移動したロックレバー44のロック部441は、ロック歯車46の被ロック部461と略同じ高さに位置する。
ロック歯車46は、被ロック部461と、その被ロック部461が形成された平板上のロック歯部462とを有する。被ロック部461は、円形の平板から外向きに突出するように形成されている。ロックレバー44が下向きに移動すると、ロックレバー44のロック部441とロック歯車46の被ロック部461とが向かい合うように位置するため、ロック歯車46の回転が所定位置(ロック部441と被ロック部461とが当接する位置)で阻止される。一方、ロック歯部462は、固定歯車31の外歯部311と噛合している。したがって、ロック歯車46の回転が阻止されると、それに噛合する固定歯車31の回転も阻止される。なお、本実施形態では、ロック歯車46はブレーキ部463を有する。ブレーキ部463は、本実施形態では、いわゆる遠心ブレーキ(遠心調速機)を用いており、ロック歯車46の回転を妨げる方向に負荷を掛け、ロック歯車46が必要以上に高速で回転しないようにする。かかるブレーキ部463の作用については後述する。
(負荷付与手段50)
負荷付与手段50は、従動側歯車43に対し、その回転方向と反対方向の負荷を与える構成であり、第四の歯部51と、負荷部52を有する。
第四の歯部51は、いわゆるウォーム(ギヤ)部である。従動側歯車43の軸線方向と直交する方向に延びる第四の歯部51は、第三の歯部432(ウォームホイール部)と噛合している。第三の歯部432と第四の歯部51とは、増速歯車機構を構成する(第三の歯部432の方が第四の歯部51より歯数が多い)。よって、従動側歯車43の回転は増速されて第四の歯部51に伝達される。
負荷部52は、回転速度が大きくなると回転を止める方向に生じる負荷が増大する調速機である。本実施形態では、いわゆる遠心ブレーキ(遠心調速機)を用いている。一般的な遠心ブレーキは、第四の歯部51の先端に固定された回転する円板上で径方向に移動可能に設けられたおもりが、遠心力によって径方向外向きに移動し、回転速度が一定以上になるとケース80に構成されるドラム83(図1において83aで示す部分と83bで示す部分とが一体となってドラム83を構成する)の内周面と接触するというものである。回転速度が大きくなるほどおもりにかかる遠心力が大きくなり、おもりとドラム83の摩擦による回転を停止させようとするブレーキ力も大きくなるという構成を備える。具体的には、図10に示すように、ドラム83の回転速度が増加し、おもりとドラム83が接触してから急激に回転を停止させようとするブレーキ力が大きくなる構成である。
なお、図11に変形例にかかる負荷付与手段50′として示すように、ドラム83とケース80と別部材とし、ドラム83がケース80に固定された構成を採用してもよい。この場合、ドラム83を第四の歯部(ウォーム部)51を回転可能に支持する支持部材84と一体に構成すれば、第四の歯部51に一体的に保持されたおもりと、ドラム83の同軸度が向上する。このため、ドラム83とおもりの接触によって発生するノイズが低減する。さらに、おもりが周方向に等間隔で複数構成される場合、ドラム83と複数のおもりがバランスよく接触し、第四の歯部51の径方向にかかる力が低減する。ただし、ドラム83をケース80によって構成した場合の方が、ドラム83をケース80と別部材で構成した場合よりも製造コストを低く抑えられるという利点がある。
なお、負荷部52には、回転速度が大きくなると回転を止める方向に生じる負荷が増大する、という作用が生ずるものであれば、遠心ブレーキ以外のものを用いてもよい。例えば、回転速度が大きくなると回転を止める方向に生じる負荷が増大する、流体内で回転するプロペラを用いてもよい。
かかる負荷部52により、回転する従動側歯車43は、その回転速度が大きくなると、その回転を止める方向に受ける負荷が増大する。負荷部52の負荷が大きくなればなるほど、駆動側歯車42の第一の歯部422と噛合する第二の歯部431を有する従動側歯車43は、その軸線方向下向きのスラスト荷重を受ける。また、第三の歯部432(ウォームホイール部)と第四の歯部51(ウォーム部)との噛合によっても、従動側歯車43は軸線方向下向きのスラスト荷重を受ける。従動側歯車43が軸線方向下向きに受けるスラスト荷重が、付勢部材45の軸線方向上向きの付勢力より大きくなると、回転する従動側歯車43は、負荷部52による回転方向とは反対方向の負荷、および、はす歯の噛合によって、軸線方向下向きに移動する。
(その他の構成)
複合歯車24の上には、扇形レバー60が配されている。扇形レバー60は、複合歯車24が回転自在に支持された軸と同じ軸に回転自在に支持されている。扇形レバー60の下面には、係合突起61が形成されている。かかる係合突起61は、カム歯車25の上面に形成されたカム溝252に係合している。また、同じく扇形レバー60の下面からは、上モータ歯車ロック突起62と図示されない傾斜カムが形成されている。かかる係合突起61、カム溝252、上モータ歯車ロック突起62、および、傾斜カムの詳細については省略するが、各部材の機能は次の通りである。カム溝252に係合する係合突起61によってカム歯車25の動作に連動して扇形レバー60が動く。扇形レバー60が所定位置まで動く(ワイヤ27を所定位置まで巻き上げる)と、上モータ歯車ロック突起62が上モータ歯車21の被ロック突起211に作用し、上モータ歯車21の回転を阻止する。これと同時に傾斜カムによって軸線方向下向きに押さえつけられていた上モータ歯車21が解放され、コイルばねによって軸線方向上向きに移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部と、下モータ歯車41の下係合部の係合が解かれる。つまり、モータ10の動力が上モータ歯車21に伝達されない状態となる。(後述の動作説明参照)。
(モータアクチュエータ1の動作)
以上の構成を備えるモータアクチュエータ1の動作について、一部上記説明と重複するが以下詳細に説明する。以下の説明では、原位置にある被駆動体90に対しモータ10の動力を伝達する1)動力伝達動作と、モータ10の動力の伝達を遮断し被駆動体90を原位置に戻す2)動力遮断動作に分けて説明する。
1)動力伝達動作
被駆動体90が原位置にある状態(ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられていない状態、すなわち、モータ10の動力が被駆動体90に作用していない状態)からモータ10を一方向に駆動させると、上モータ歯車21および下モータ歯車41が回転する。下モータ歯車41の回転により、そのモータ歯車に噛合する大径歯部421を有する駆動側歯車42が回転する。
駆動側歯車42が回転すると、駆動側歯車42の第一の歯部422と噛合する第二の歯部431を有する従動側歯車43が回転する。この従動側歯車43は、その第三の歯部432(ウォームホイール部)に、負荷付与手段50の第四の歯部51(ウォーム部)が噛合しており、従動側歯車43の回転によって負荷付与手段50の負荷部52も回転する。負荷部52が回転し、その速度が大きくなると、回転を停止させようとする方向に負荷(トルク)が生ずる。かかる負荷は、第四の歯部51から第三の歯部432を有する従動側歯車43に伝達される。このようにして、従動側歯車43は、その回転方向とは反対の負荷を受ける。
上述のように、駆動側歯車42と従動側歯車43の間の動力の伝達は、「はす歯」の噛合によるものである。したがって、負荷付与手段50から回転方向とは反対の負荷を受けた従動側歯車43は、駆動側歯車42の回転により、軸線方向下向きのスラスト荷重を受ける。つまり、従動側歯車43は、「はす歯」の噛合および回転方向とは反対の負荷により、回転しながら軸線方向下向きに移動する。
また、本実施形態では、従動側歯車43と負荷付与手段50の噛合も「はす歯」によるものであるため、従動側歯車43に対し大きな軸線方向下向きのスラスト荷重が発生する。つまり、負荷部52によって発生した負荷は、第四の歯部51と第三の歯部432の噛合によって従動側歯車43に伝達されるものであるため、当該負荷の伝達による軸線方向下向きのスラスト荷重も従動側歯車43に発生する。
このように、従動側歯車43は、第一の歯部422と第二の歯部431の噛合による駆動側歯車42からの動力の伝達のみならず、第四の歯部51と第三の歯部432の噛合による負荷部52からの力(負荷)の伝達を受けるため、従動側歯車43に発生する軸線方向下向きのスラスト荷重は非常に大きい。
従動側歯車43が軸線方向下向きに移動すると、その下に配されたロックレバー44が付勢部材45の付勢力に抗して軸線方向下向きに移動する。このようにしてロックレバー44が押し下げられると、ロックレバー44に設けられたロック部441は、ロック歯車46の被ロック部461と略同じ高さで、ロック歯車46の周方向で対向するように位置する。したがって、この状態になると、ロック歯車46の回転はロックレバー44のロック部441によって妨げられる。つまり、ロック歯車46の回転が阻止された状態となる。
ロック歯車46は、そのロック歯部462が、クラッチ手段30の遊星歯車列を構成する固定歯車31の外歯部311に噛合している。したがって、ロック歯車46の回転が阻止されると、固定歯車31の回転も阻止される。これにより、クラッチ手段30によって第一の伝達列による動力の伝達が「継」状態となり、モータ10の動力が第一の伝達列を介して被駆動体90まで伝達可能な状態となる。このように、従動側歯車43は、その軸線方向下向きに移動することで、クラッチ手段30を介して、第一の伝達列による動力の伝達を「継」状態とする。
一方、モータ10の駆動によって下モータ歯車41とともに回転する上モータ歯車21は、遊星歯車列を構成する入力側歯車22(太陽歯車)の大径歯部221と噛合している。したがって、上モータ歯車21の回転に伴い、入力側歯車22が回転する。
入力側歯車22の小径歯部222の外側には、出力側歯車23を構成する三つの遊星歯車231が噛合している。周方向に等間隔に並んだ遊星歯車231の外側には、固定歯車31の内歯部312が噛合している。上述のように、固定歯車31は、ロック歯車46によって回転が阻止された状態にある。したがって、入力側歯車22が回転すると、その小径歯部222の周りを遊星歯車231が公転する。遊星歯車231が公転すると、遊星歯車231を支持する遊星支持歯車232が回転する。つまり、入力側歯車22の回転動力が、全て出力側歯車23に伝達される。
なお、仮に、固定歯車31の回転が阻止された状態にない場合に入力側歯車22が回転すると、遊星歯車231を介して固定歯車31が空回りする。遊星支持歯車232以降の動力伝達列には、伝達列自体の負荷や、被駆動体90にかかる負荷が存在するため、入力側歯車22の回転動力が全て固定歯車31側に伝達されてしまうからである。このように本実施形態では、遊星歯車列を利用した差動歯車機構により、クラッチ手段30による第一の伝達列の「継」状態と「断」状態を切り替えている。
遊星支持歯車232の歯車部2321には、複合歯車24の大径歯部242が噛合している。したがって、遊星支持歯車232の回転に伴い、複合歯車24が回転する。
複合歯車24の小径歯部241には、カム歯車25の歯車部251が噛合している。したがって、複合歯車24の回転に伴い、カム歯車25が回転する。
カム歯車25が回転すると、カム歯車25の上端に固定されたプーリ26が回転する。プーリ26が回転すると、プーリ26に固定されたワイヤ27がワイヤ溝261に沿って巻き上げられる。ワイヤ27の先端には、被駆動体90が固定されているため、被駆動体90はワイヤ27に引き上げられるように動作する。例えば、被駆動体90が洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、ワイヤ27によって弁体が引き上げられることで排水口が開放され、排水が開始される。
このように、モータ10の回転動力は、第一の伝達列を介して被駆動体90に伝達される。第一の伝達列はクラッチ手段30によって「継」状態とされるが、そのクラッチ手段30を「継」状態とする動力にもモータ10の回転動力の一部が利用される。
なお、プーリ26によるワイヤ27の巻き上げは次のように停止する。カム歯車25が所定位置まで回転すると(ワイヤ27が所定量巻き上げられると)、カム溝252に係合する係合突起61を有する扇形レバー60がカム歯車25から離れる方向に回動する。このように扇形レバー60が回動すると、扇形レバー60が有する上モータ歯車ロック突起62が、上モータ歯車21の被ロック突起211に周方向から当接する。これにより、上モータ歯車21の回転が阻止された状態となる。また、扇形レバー60の傾斜カムによって軸線方向下向きに押さえつけられていた上モータ歯車21が解放され、コイルばねによって軸線方向上向きに移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部と、下モータ歯車41の下係合部の係合が解かれ、モータ10の動力が上モータ歯車21に伝達されない状態となる。上モータ歯車21の回転が阻止されると、第一の伝達列を構成する各部材の動作も停止する。すなわち、プーリ26によるワイヤ27の巻き上げが停止し、当該巻き上げ位置でプーリ26が保持された状態(被駆動体90が洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、排水口の開放が維持される状態)となる。
このようにして、被駆動体90に対しモータ10の動力を伝達する動力伝達動作が完了する。
2)動力遮断動作
上記動力伝達動作が完了した状態から被駆動体90を原位置に戻す場合、モータ10の駆動を停止(モータ10への通電を停止)する。そうすると、下モータ歯車41、駆動側歯車42の回転が停止するため、従動側歯車43の回転も停止する。従動側歯車43の回転が停止すると、「はす歯」の噛合および負荷付与手段50が与える負荷によって生じていた、従動側歯車43に対する軸線方向下向きのスラスト荷重が消滅する。従動側歯車43は、その下に配されたロックレバー44とともに付勢部材45によって軸線方向上向きに付勢されているから、当該スラスト荷重が消滅すると従動側歯車43は回転しながら軸線方向上向きに移動し、原位置に戻る。当然ロックレバー44も当該方向に移動し、原位置に戻る。なお、付勢部材45による従動側歯車43を原位置に戻そうとする力は小さいから、従動側歯車43および負荷部52の回転速度は低く、負荷部52のおもりはドラム83に接触しない。そのため、負荷付与手段50によって従動側歯車43に作用する負荷の大きさは大きくならず、従動側歯車43がスムーズに原位置に戻る。
ロックレバー44が付勢部材45によって上向きに移動すると、ロックレバー44のロック部441の高さ方向位置は、ロック歯車46の被ロック部461の高さ方向位置より高くなる。具体的には、ロック部441と被ロック部461とは周方向で重ならないように位置する。したがって、ロック歯車46の回転が阻止された状態は解消され、ロック歯車46は自在に回転することができる状態となる。つまり、クラッチ手段30(遊星歯車列)の固定歯車31が自在に回転することができる状態、すなわちクラッチ手段30が「断」状態となる。このように、従動側歯車43は、その軸線方向上向きに移動することで、クラッチ手段30を介して、第一の伝達列による動力の伝達を「断」状態とする。
被駆動体90は、自身に作用する外部負荷により、常に原位置に戻ろうとしている。例えば、被駆動体90が洗濯機の排水口を開閉する弁体であって、モータアクチュエータ1の駆動により排水口を開放する方向に弁体を動作させる場合には、弁体は常に排水口を閉鎖する方向に付勢されている。したがって、固定歯車31が自在に回転することができるクラッチ手段30が「断」状態となると、被駆動体90にかかる負荷は、第一の伝達列を逆行するようにして出力側歯車23(遊星支持歯車232)まで伝達される。このようにして伝達された被駆動体90にかかる負荷に基づくエネルギは、クラッチ手段30が「断」状態となっているため、出力側歯車23の空転によって出力(消費)される。これにより、被駆動体90は原位置に戻る。
さらに、カム歯車25が原位置に戻ると、カム溝252に係合する係合突起61を有する扇形レバー60がカム歯車25に近づく方向に回動する。このように扇形レバー60が回動すると、扇形レバー60が有する上モータ歯車ロック突起62が、上モータ歯車21の被ロック突起211から離れる。これにより、上モータ歯車21の回転が許容された状態となる。また、コイルばねで軸線方向上向きに付勢されていた上モータ歯車21は、傾斜カムに押さえつけられ、軸線方向下向き移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部と、下モータ歯車41の下係合部が係合し、モータ10の動力が上モータ歯車21にも伝達される状態となる。
この際、ロック歯車46のブレーキ部463は、被駆動体90が原位置に戻ろうとする動作にブレーキをかけ、第一の伝達列にかかる衝撃をやわらげる。そのため、第一の伝達列を構成する動力伝達部材の破損を防ぐことができる。また、被駆動体90が原位置に戻る際、度当たりに衝突する衝撃音(被駆動体90が、洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、かかる弁体が排水口の周囲に衝突する衝撃音)を低減することができる。
このように、モータ10を停止すれば、付勢部材45の作用によって遊星歯車列を構成する固定歯車31のロックが解除され、クラッチ手段30が第一の伝達列を「断」状態とする。これにより、被駆動体90は原位置に戻る。
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態にかかるモータアクチュエータ1は、モータ10の動力を第一の伝達列(出力系統)を介して被駆動体90に伝達する。また、その第一の伝達列による動力の伝達の「継」状態と「断」状態を切り替えるクラッチ手段30を有し、そのクラッチ手段30を動作させる動力源として、モータ10の動力の一部を利用する。具体的には、モータ10によって回転する駆動側歯車42と、負荷付与手段50によって回転方向とは反対の負荷を受けた従動側歯車43とを「はす歯」によって噛合させ、それによって発生するスラスト荷重により従動側歯車43を軸線方向に移動させる。この移動によって、クラッチ手段30(遊星歯車列による差動歯車機構)を構成する一の歯車(固定歯車31)の回転が阻止され、クラッチ手段30は第一の伝達列を「継」状態とする。したがって、従来型の磁気誘導を用いてクラッチ手段30を動作させる方式のような高価な部材(非磁性導電体からなる誘導リングや誘導リングが磁気誘導されるための永久磁石など)を必要としない。つまり、一般的なはす歯歯車や、遠心ブレーキなどを用いた負荷付与手段50など、安価な部材のみでクラッチを動作させる第二の伝達列(クラッチ作動系統)を構成することができる。
また、クラッチ手段30を動作させるための負荷付与手段50が有する負荷部52は、従動側歯車43の回転速度が大きくなると従動側歯車43の回転に与える負荷が大きくなるものである。このような負荷部52を用いれば、動力伝達動作の際、確実に従動側歯車43を軸線方向下向きに移動させることができる。また、動力遮断動作の際には、付勢部材45によって回転しながら軸線方向上向きに移動する従動側歯車43の回転や上向きの移動を妨げる負荷が小さくなる。つまり、付勢部材45による従動側歯車43を原位置に戻そうとする力は小さいから、負荷部52から発生する負荷は大きくならず、従動側歯車43が歯車がスムーズに原位置に戻る。すなわち、スムーズな動力遮断動作が実現できる。特に、本実施形態のような遠心ブレーキを用いる場合、付勢部材45による付勢力を調整することによって、遠心ブレーキのドラム83とおもりが接触しないくらいの低速で従動側歯車43を原位置に戻すようにすることもできる。このようにすれば、さらにスムーズな動力遮断動作が実現できる。
また、従動側歯車43と負荷付与手段50は、ウォームホイール部である第三の歯部432とウォーム部である第四の歯部51によって噛合した状態にある。このようなウォームホイール部とウォーム部との噛合による動力の伝達を採用すれば、一段で大きな減速比が得られるから、負荷付与手段50の負荷部52(遠心ブレーキなどの調速機)を動作させるために従動側歯車43と負荷付与手段50の間に複数段の伝達列を介在させるなどの措置が不要となる。したがって、従動側歯車43と負荷付与手段50の間の動力伝達時における抵抗を小さくできる。そのため、動力遮断動作の際、従動側歯車43を軸線方向上向き(原位置)に移動させる付勢部材45の付勢力を小さくできる。付勢部材45の付勢力が小さければ、動力伝達動作の際に軸線方向下向きに移動する従動側歯車43に抗する力が小さいということであるから、動作時のエネルギロスが小さくなる。
また、従動側歯車43の第三の歯部432(ウォームホイール部)と負荷付与手段50の第四の歯部51(ウォーム部)が噛合している。つまり、従動側歯車43と負荷付与手段50も「はす歯」によって噛合している。このように、動力伝達動作の際において従動側歯車43に軸線方向下向きのスラスト荷重を発生させる要素として、駆動側歯車42の第一の歯部422と従動側歯車43の第二の歯部431の噛合だけでなく、上記第三の歯部432と第四の歯部51の噛合も利用した構成であるため、確実に従動側歯車43を軸線方向下向きに移動させることができる。
また、クラッチ手段30による第一の伝達列の「継」「断」動作は、遊星歯車列を用いた差動歯車機構を利用したものである。具体的には、クラッチ手段30を構成する入力側歯車22(太陽歯車)と出力側歯車23(遊星歯車231および遊星支持歯車232)は、常に噛合しており、固定歯車31の回転が阻止されているか否かによって、入力側歯車22から出力側歯車23に動力が伝達されるか否かが決まる。つまり、入力側歯車22と出力側歯車23の噛合を継断させる構成ではなく、入力側歯車22と出力側歯車23が常に噛合している構成であるため、入力側歯車22や出力側歯車23の歯車部の損傷が確実に防止される。仮に、クラッチ手段30の「継」「断」動作が、入力側歯車22と出力側歯車23の噛合の継断によってなされる構成であれば、出力側歯車23には被駆動体90から伝わる外部負荷が常に作用しているため、入力側歯車22や出力側歯車23の歯車部が損傷するおそれが高いが、本実施形態ではこのようなおそれはない。
また、このような被駆動体90に作用する外部負荷は、第一の伝達列のみに作用し、第二の伝達列に作用することはない。したがって、従動側歯車43を軸線方向上向きに付勢する付勢部材45や、負荷付与手段50によって生じさせる負荷の大きさを小さく設定することができる。
(上記実施形態の変形例)
以下、上記実施形態にかかるモータアクチュエータの変形例について説明する。変形例にかかるモータアクチュエータは、従動側歯車43aの構成のみ上記実施形態(従動側歯車43)と異なるため、それ以外の構成については説明を省略する。
図12に拡大して示すように、本変形例において、従動側歯車43aの第三の歯部432a(ウォームホイール部)の歯は、モータ10が一方向に回転したときにおける従動側歯車43aの回転方向側の面が、歯先と従動側歯車43aの回転中心を結ぶ直線より従動側歯車43aの回転方向の反対側に凹んだ形状(鉤型)である。具体的には次の通りである。従動側歯車43aは、モータ10が一方向に回転すると、図12において右回り(時計回り)に回転する。したがって、モータ10が一方向に回転したときにおける「従動側歯車43aの回転方向側の面」とは、図12においてSで示す面である。「歯先と従動側歯車43aの回転中心を結ぶ直線」とは、図12においてDで示す直線である。つまり、第三の歯部432aを構成する各歯には、それぞれ対応する直線Dが存在する。そして、図12分かるように、モータ10が一方向に回転したときにおける「従動側歯車43aの回転方向側の面」Sは、「歯先と従動側歯車43aの回転中心を結ぶ直線」である直線Dより従動側歯車43aの回転方向の反対側に凹んでいる。換言すれば、モータ10が一方向に回転したときにおける「従動側歯車43aの回転方向側の面」Sは、「歯先と従動側歯車43aの回転中心を結ぶ直線」である直線Dより回転方向に突出していないということである。また、本変形例において第三の歯部432aは、歯すじが従動側歯車43aの軸線方向に真っ直ぐ延びる平歯車である(はす歯ではない)。
このように、第三の歯部432aを構成する各歯の歯先は、モータ10が一方向に回転したときにおける回転方向を向くような形状となっているため、図13に示すように、第三の歯部432a(ウォームホイール部)とそれに噛合する第四の歯部51(ウォーム部)との接触面積が小さい(点接触に近い状態となる)。したがって、本変形例にかかるモータアクチュエータによれば、第三の歯部432aと第四の歯部51との噛合によるエネルギロス(摩擦によるエネルギロス)を小さくすることができる。このように第三の歯部432aと第四の歯部51との噛合によるエネルギロスが小さくなれば、動力遮断動作時に従動側歯車43aを回転させながら軸線方向上向きに移動させる付勢部材45の付勢力を小さくすることができる。そして、このように付勢部材45の付勢力を小さくすることができれば、動力伝達動作時に従動側歯車43aを軸線方向下向きに移動させるのに必要なスラスト力を小さくすることができる。このスラスト力が小さくすることができれば、クラッチ手段30を動作させるために消費されるモータ10の動力(エネルギ)を小さくすることができる。つまり、モータアクチュエータ1本来の目的である被駆動体90を動作させるために使用されるモータ10の動力を大きくすることができる(あるいはクラッチ手段30を動作させるために消費される動力が小さくなる分、モータ10の動力(トルク)を小さくすることができる)。また、上記スラスト力を大きくするため、歯車を大きくしたり、輪列を構成する歯車の数を増やしたりする必要もない。
さらに、モータ10は一方向のみに回転するものであるから、そのモータ10の動力が伝達されることによって従動側歯車43aが回転する方向も一方向である。すなわち、従動側歯車43aが他方向に回転する際(回転しつつ付勢部材45の付勢力によって軸線方向上向きに移動する際)には、従動側歯車43aの回転動力が他の歯車に伝達される必要はない。したがって、第三の歯部432aを構成する各歯に、他方向を向くような歯先を形成しなくともよい。つまり、従動側歯車43aが一方向および他方向のどちらに回転する際においても第三の歯部432aと第四の歯部51とが点接触に近い状態となるようにする必要がなく、一方向に回転する際にのみ点接触に近い状態となればよい。よって、第三の歯部432aの歯先は細くなるため、モータアクチュエータ1の組立時に、第三の歯部432aと第四の歯部51とを噛合させやすい。
また、従動側歯車43aの第二の歯部431aは、駆動側歯車42の第一の歯部422に噛合しており、第三の歯部432a(ウォームホイール部)は第二の歯部431aよりも小径であるため、駆動側歯車42や従動側歯車43aが回転軸方向に移動したとしても第三の歯部432a(ウォームホイール部)の歯部が第一の歯部422と干渉することはない。
また、本変形例において、従動側歯車43aは合成樹脂により一体成型されている。すなわち、平歯車である第三の歯部432a(ウォームホイール部)は、はす歯である第二の歯部431aと一体に樹脂成型されてなる。ここで、第二の歯部431aと第三の歯部432aが両方ともはす歯であると、一方の金型と他方の金型の両方に、はす歯形状の部分(第二の歯部431aおよび第三の歯部432a)が成型されるキャビティが形成されることになるため、当該はす歯形状の部分を金型から押し出す機構が複雑となるところ、本変形例によれば第三の歯部432aが平歯車であるためより簡易な形状とすることができる。
また、従動側歯車43aにおいて、はす歯である第二の歯部431aと平歯車である第三の歯部432a(ウォームホイール部)とは、従動側歯車43aの回転軸方向に隙間なく並設されている。これにより、従動側歯車43aを軸線方向に小さくすることができる。また、このように、第二の歯部431aと第三の歯部432aが、従動側歯車43aの回転軸方向に隙間なく並設されていれば、第二の歯部431aと第三の歯部432aの境界が金型の割面(パーティング面)に位置することになる。そのため、例えば第二の歯部431aと第三の歯部432aの両方がはす歯である場合に比べ、金型の構造を簡易にすることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 モータアクチュエータ
20 モータ
22 入力側歯車
23 出力側歯車
30 クラッチ手段
31 固定歯車
42 駆動側歯車
422 第一の歯部
43(43a) 従動側歯車
431(431a) 第二の歯部
432(432a) 第三の歯部(ウォームホイール部)
44 ロックレバー
45 付勢部材
46 ロック歯車
50 負荷付与手段
51 第四の歯部(ウォーム部)
90 被駆動体

Claims (9)

  1. 一方向に回転するモータと、
    前記モータの動力を被駆動体に伝達する一または複数の動力伝達部材を有する第一の伝達列と、
    前記第一の伝達列による動力の伝達を「継」状態もしくは「断」状態に切り替えるクラッチ手段と、
    前記モータの動力を前記クラッチ手段に伝達する伝達列であって、はす歯である第一の歯部が形成された駆動側歯車、および、付勢部材によって軸線方向の一方側に付勢された状態で軸線方向に移動可能に支持され、前記第一の歯部に噛合するはす歯である第二の歯部が形成された従動側歯車を有する第二の伝達列と、
    前記従動側歯車の回転に負荷を与える負荷付与手段と、を備え、
    前記モータの駆動時には、前記従動側歯車は、前記駆動側歯車とのはす歯同士の噛合および前記負荷付与手段の負荷により、回転しつつ前記付勢部材の付勢力に抗して前記軸線方向の他方側に移動し、前記クラッチ手段を介して前記第一の伝達列による動力の伝達を「継」状態とする一方、
    前記モータが駆動状態から停止すると、前記従動側歯車は、前記付勢部材の付勢力により、前記負荷付与手段の負荷に逆らって回転しつつ前記軸線方向の一方側に移動し、前記クラッチ手段を介して前記第一の伝達列による動力の伝達を「断」状態とすることを特徴とするモータアクチュエータ。
  2. 前記負荷付与手段は、前記従動側歯車の回転速度が大きくなると前記従動側歯車の回転に与える負荷が大きくなる負荷部を有することを特徴とする請求項1に記載のモータアクチュエータ。
  3. 前記従動側歯車には、前記第二の歯部と一体的に回転するウォームホイール部が形成され、
    前記負荷付与手段は、前記負荷部と一体的に回転する、前記ウォームホイール部と噛合するウォーム部を有することを特徴とする請求項2に記載のモータアクチュエータ。
  4. 前記従動側歯車には、前記第二の歯部と一体的に回転する第三の歯部が形成され、
    前記負荷付与手段には、前記第三の歯部と噛合する第四の歯部が設けられ、
    前記第三の歯部と前記第四の歯部の少なくともいずれか一方は、ねじれ歯車であることを特徴とする請求項1または2に記載のモータアクチュエータ。
  5. 前記第三の歯部は、ウォームホイール部であり、
    前記第四の歯部は、前記ウォームホイール部と噛合するウォーム部であることを特徴とする請求項4に記載のモータアクチュエータ。
  6. 前記被駆動体は、常に原位置に戻ろうとする方向の負荷が作用するものであり、
    前記第一の伝達列は、一の前記動力伝達部材である入力側歯車と、この入力側歯車に噛合する一の前記動力伝達部材である出力側歯車とを有し、
    前記クラッチ手段は、前記入力側歯車と、前記出力側歯車と、これら入力側歯車および出力側歯車に噛合する固定歯車とを有する差動歯車機構を備え、
    前記差動歯車機構は、前記従動側歯車の前記軸線方向の他方側への移動により前記固定歯車の回転が阻止されることで、前記入力側歯車から前記出力側歯車への間の動力の伝達を「継」状態とするものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のモータアクチュエータ。
  7. 前記ウォームホイール部の歯は、前記モータが一方向に回転したときにおける前記従動側歯車の回転方向側の面が、歯先と前記従動側歯車の回転中心を結ぶ直線より前記従動側歯車の回転方向の反対側に凹んでいることを特徴とする請求項3に記載のモータアクチュエータ。
  8. 前記ウォームホイール部は平歯車であるとともに、前記第二の歯部と一体に樹脂成型されることを特徴とする請求項7に記載のモータアクチュエータ。
  9. 前記ウォームホイール部と前記第二の歯部は、前記従動側歯車の回転軸方向に隙間なく並設されていることを特徴とする請求項8に記載のモータアクチュエータ。
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