JP3850845B2 - 整流子電動機 - Google Patents

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Description

この発明は、固定子に巻かれた界磁巻線をブラシおよび整流子を介して回転子に巻かれた回転子巻線と結線し、界磁巻線および回転子巻線に交流電源を接続した整流子電動機に関するものである。
一般的に、電動機において速度制御を行う場合、例えば、可変抵抗器による抵抗変化を用いて速度制御を行う方法や、サーボ制御、スライダック、導通角制御等で電圧を変化させて速度制御を行う方法、VVVFなどインバータによる周波数を変化させて速度制御を行う方法、極数切替えにより速度制御を行う方法等、種々の方法が採られている。
しかしながら、上記従来の技術によれば、いずれの方法を採用しても、電動機の速度制御を行うためには制御用外部装置が必要であるため、装置構成が複雑となり、コストアップを招来するという問題点や、抵抗値や電圧値を広範囲に変化できないとか、数段階の速度変化のみに限ってしまうため、速度制御範囲が限定されるという問題点があった。また、抵抗、トライアックなどを使用した電流制限による回転速度制御では、低電流時、トルクが極端に弱くなり回転が不安定になる。
また、上記従来の技術において、回転子の回転方向を切り替える場合には、固定子巻線の極性を切替えるとか、または回転磁界の位相を反転させるようにしているので、装置構成が複雑になるという問題点もあった。
特許文献1においては、ブラシを動かすことで速度制御を行う手法が開示されている。すなわち、この特許文献1においては、ブラシを、通常の場合、界磁の磁極に対して90度の角度、つまり位相が90度ずれた位置に、電機子の磁極が形成される位置に配置し、この位置からブラシの位置を制御することで、電機子の速度制御および回転方向の切り替え制御を行うようにしている。
特開2000−270529号公報
しかしながら、特許文献1においては、電源投入時、界磁の磁極に対して90度の角度をなす位置に電機子の磁極が形成される位置に、ブラシを配置しているので、電源投入時には、界磁巻線及び電機子巻線のリアクタンスが小さな値となり、大きな突入電流が流れ、界磁巻線、電機子巻線が焼けたり、整流子やブラシが故障するなどの問題がある。これを解消するためには、始動抵抗を入れたり、電源周波数の位相制御を行う必要があり、装置構成が複雑かつ高価となる。
この発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、簡単かつ安価な構成で電源投入時の突入電流を小さく抑制するとともに、大電力の大型機への対応も容易であり、さらに、電流消費の少ない整流子電動機を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は、固定子に巻かれた界磁巻線をブラシおよび整流子を介して回転子に巻かれた回転子巻線と結線し、界磁巻線および回転子巻線に交流電源を接続した整流子電動機において、前記ブラシを整流子の周方向に回動可能に構成するとともに、前記交流電源投入時に前記ブラシが電気角略0度に対応する基点位置に位置しているようにブラシを保持するブラシ保持手段と、前記交流電源投入後、前記ブラシの回動位置を制御して前記回転子に正転トルクおよび/または逆転トルクを発生させるブラシ回動駆動手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、整流子に対するブラシの回動位置を制御することによって回転子の回転方向の切り替えおよびトルク制御を行うとともに、交流電源投入時にはブラシが電気角略0度に対応する基点位置に位置させる。
この発明によれば、整流子に対するブラシの回動位置を制御することによって回転子の回転方向の切り替えおよびトルク制御を行うとともに、交流電源投入時にはブラシが電気角略0度に対応する基点位置に位置させるようにしているので、電源投入時には、界磁巻線及び電機子巻線のリアクタンスが最大となり、これにより突入電流を微小な値に抑えることができる。これにより、装置構成を簡単かつ安価なものとすることができ、大電力の大型機にも容易に対応可能である。さらに、ブラシは基本的には0度位置近辺に位置しているので、電流消費も少なくて済む。また、この発明の電動機では、ブラシが電気角略0度に対応する基点位置において電動機の電源が投入され、その後ブラシ位置を、この基点位置から除々に正または負方向に電気角が増大する方向に進める(回動)ことができるので、回転始動時に必要とするトルクに応じた必要十分の電流を与えることが可能である。このため、電源投入時のみならず、回転始動時においても大電流が流れず不要な電力消費がない。このとき、外部装置により電動機の電流制限をしないため、充分なトルクを発生する。
以下に、本発明にかかる整流子電動機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、この発明の実施例1を説明するための交流整流子電動機の概念的な分解構成図を示すものである。交流整流子電動機は、誘導電動機の固定子と直流電動機の回転子を組み合わせた構造を有し、交流機でありながら整流子とブラシを持っている。図1の場合は、界磁巻線1と回転子巻線4とが直列接続された直巻電動機を示している。
図1において、界磁巻線1が巻かれた固定子鉄心2を有する固定子3に対して、回転子巻線4が巻かれた回転子鉄心5を有する回転子6が回転自在に配置されている。回転子6には整流子7および一対のブラシ8が備えられており、整流子7および一対のブラシ8は回転子巻線4と電気的に接続されている。整流子7は複数の整流子片71を有する。界磁巻線1はその一端が交流電源(図示省略)に接続され、他端は一方のブラシ8に接続されている。他方のブラシ8は交流電源に接続されている。交流電源経路には、本交流整流子電動機に対する電源スイッチ9が設けられている。
ここで、図1に示す交流整流子電動機においては、ブラシ8は、整流子7の周方向に回動(移動)可能な構造となっている。すなわち、一対のブラシ8は、ブラシ相互の位置関係を保ったままで、整流子7の回転または停止に関係なく、整流子7の周方向に回動できるように構成されている。
図2を用いてブラシ8の回動位置と発生トルクとの関係について説明する。図2では、固定子鉄心2の界磁極をN,Sの2極とする。回転子鉄心5には2層巻きのコイル辺72を有する4本の回転子巻線4が備えられ、この回転子巻線4から引き出し線73を介して4本の整流子片71が接続されている。図2−1では、図中左右の整流子片a,a’にブラシ8が接触している状態(90度のブラシ位置という)を示し、図2−2では、図中上下の整流子片b,b’にブラシ8が接触している状態(0度のブラシ位置という)を示す。したがって、図2−1と図2−2のブラシ位置は、90度異なる位置関係となり、2極の界磁極では90度の電気角の変異となっている。
ここで、電気角0度のブラシ位置とは、請求の範囲でいうところの基点位置に対応し、界磁巻線1によって作られる磁束と、回転子巻線4によって作られる磁束との相互角度が略平行であり、かつ界磁巻線1によって作られる磁束によって発生する磁極と回転子巻線4によって作られる磁束によって発生する磁極とが吸引関係にある状態をいう。電気角90度のブラシ位置とは、界磁巻線1によって作られる磁束と、回転子巻線4によって作られる磁束との相互角度が略垂直である状態をいう。
このような構成において、ブラシ8によって接続された回転子巻線4間には、電機子電流(回転子電流)が流れる結果、コイル辺72上での電機子電流の方向を示す二種の記号、すなわち図面の表面から裏面に向かう方向の記号と、図面の裏面から表面に向かう方向の記号とによって定まる電機子電流と界磁極による磁束とによりトルクを発生する。
図2−1に示す90度のブラシ位置において、左右の二層をなす2本のコイル辺72には、それぞれ同じ方向の電流が流れ、上下の二層をなす2本のコイル辺72には、それぞれ反対方向の電流が流れる。したがって、この場合は、界磁磁束の磁極直近の左右のコイル辺72に流れる電流によって回転子6には矢印Kで示すように、反時計方向のトルクが発生する。
一方、図2−2に示す0度のブラシ位置において、左右の二層をなす2本のコイル辺72には、それぞれ反対方向の電流が流れ、上下の二層をなす2本のコイル辺72には、それぞれ同じ方向の電流が流れる。したがって、この場合には、界磁磁束および磁極直近の左右のコイル辺72に流れる電流によって発生するトルクは相殺し回転は生じない。
このように、図2−1に示す90度のブラシ位置では、回転力が発生し、図2−2に示す0度のブラシ位置では、回転力は発生しない。また、ブラシ8が0度位置と90度位置との間に位置する場合は、ブラシ8が90度位置に近づくに従い回転力が大きくなり、ブラシ8が0度位置に近づくに従い回転力は0に近くなる。さらに、実際上は、ブラシ位置を90度以上の120度〜150度の角度位置にしたときに、回転子6に最大トルクが発生する。90度をどのくらい過ぎた位置にて最大トルクが得られるかは、界磁巻線1のインダクタンスなどに依存する。
また、図2では図示していないが、ブラシ8を図2−2に示す0度の状態から図2−1と逆の反時計方向に動かしてブラシを−90度位置に位置させるとき、回転子6には矢印Kとは逆の時計方向の回転力が生じる。
このように、ブラシ8の回動位置を変化させることにより、回転子をトルクなしの状態、正転状態、あるいは逆転状態のいずれかに制御することができる。すなわち、ブラシ位置0度においては回転子6に回転力が発生せず、ブラシを0度位置からプラス90度さらには120度や150度に回動するに従い正転方向のトルクが増大し、ブラシを0度位置から−90度さらには−120度や−150度に回動するに従い逆転方向のトルクが増大する。
図3は、ブラシ位置と回転子の回転方向との関係、及びこれに関連する固定子巻線及び回転子巻線のリアクタンスと回転子の回転トルク,励磁電流との関係を説明するものである。
界磁巻線1に通電することで固定子3に磁束が生じ、同様に回転子巻線4に通電することにより回転子6に電磁石が生ずる。図3−1に示すように、ブラシ8が電気角0度に位置する場合は、固定子3と回転子6からなる磁気回路は安定した吸引状態を保つ。このとき、リアクタンスが最大となり、トルクを発生させる励磁電流値は極めて少なく、回転子には回転トルクが発生しない。
ところが、図3−2または図3−3に示すように、ブラシ8が例えば、電気角90度または−90度に位置する場合は、磁気回路が開き界磁極と電磁石とが引き合う。このときには、リアクタンスが小さくなり、磁気回路の磁気ギャップに応じた励磁電流が流れその励磁電流に応じたトルクが発生することになる。
ところで、電動機においては周知のとおり、ブラシの電気角90°は効率上、最大のトルクを発生する電気角である。しかしながら、ブラシの電気角を、例えば図3−4に示すように、90°を超えて進めると、電気角90°の場合に比較し、更にトルクが増大し、回転速度が上昇する。この原因は、以下のとおりである。
第1の原因;
電気角を90°を超えて進めることは、図3−4のように、S極対S極、N極対N極と、同極性の磁極を接近させることとなり、この結果、コイルのリアクタンスが大幅に減少する。すなわち、ブラシの電気角を90°を超えて進めると、電気角に相関して、コイルのリアクタンスが減少し(電気角180°の場合は極端に)、コイルに流れる電流が増大する。したがって、電気角を90°を超えてブラシを進めることは、電気角90°以外を選択することによって理論上のトルク効率は低下するものの、コイルの電流が増大することにより、トルク自体が増大し、回転速度が上昇することになる。
第2の原因;
電動機の低速回転域では顕在化されなかった回転子コイルのリアクタンスが、高速回転域では無視できなくなり、このリアクタンスの増大により電流が遅れ、有効実効磁束が遅れる。したがって、理論上効率が最大の電気角90°でブラシが回転子コイルに電流を供給していても、発生する磁束が遅れるため、トルクに寄与する有効実効磁束は、電気角90°に満たない状態で回転子コイルに給電されて発生する磁束に相当することになる。このためトルクが減少し、回転が上昇しない。
これを解決するため、電気角を90°を超えて給電する。これにより、遅れて発生する有効実効磁束は、トルク効率の良い電気角で回転子コイルに給電したものと同等になり、トルク効率の低下を防止できる。したがって、トルクが増大し、回転速度が上昇する。
以上、第2の原因において、電気角を進めて磁束の遅れを相殺するかたちで給電することができる別側面からの理由は、ブラシにおける整流子の回転方向に対する幅が、ある程度確保できていることで、回転する整流子片に一定時間給電を継続できるからである。したがって、進めた電気角により回転子コイルに給電し、遅れて発生する磁束が有効実効磁束に成長する時間を確保できるためである。
なお、実際に実験した一例では、電気角を90°から進めて行くと、電気角に比例して回転速度が上昇し、電気角150°近傍まで回転が上昇した。この、電気角を90°を進めて、回転が上昇する原因は、第1の原因による寄与が大きく、トルク効率を犠牲にしても、電気角を進めることによるコイルのリアクタンスの大幅減少に伴うコイルの電流の大幅増に起因し、極めて大きなトルクが発生するためである。
つぎに、図4を用いて本発明の要部であるブラシ8の回動位置決めのための構成について説明する。
図4に示すように、一対のブラシ8,8はブラシ支持体10によって支持されている。ブラシ支持体10は、整流子7の周方向に回動可能な構造となっており、ブラシ支持体10が回動することにより、ブラシ8は整流子7の周方向に回動される。符号11は当該整流子電動機の回転軸である。
図4に黒塗りで示すブラシ位置は、先の図2−2に示す0度位置に対応しており、この状態では回転子6すなわち整流子7が停止している。ブラシ支持体10を矢印S1方向に回動させることにより右側のブラシ8を例えば電気角90°(符号Caで示す)に位置させると(このとき左側のブラシ8は符号Cbで示す位置に位置される)、整流子7ひいては回転子6にブラシ角度に応じた矢印D1で示す正転方向の駆動トルクを生じさせて、回転子6をD1方向に正転させることができる。一方、ブラシ支持体10を矢印S2方向に回動させることにより右側のブラシ8を例えば電気角−90°(符号Cbで示す)に位置させると(このとき左側のブラシ8は符号Caで示す位置に位置される)、整流子7ひいては回転子6にブラシ角度に応じた矢印D2で示す逆転方向の駆動トルクを生じさせて、回転子6をD2方向に逆転させることができる。
ブラシ支持体10の外周には複数の歯が形成されており、このブラシ支持体10の外周に歯車12が連結されている。歯車12は正逆転可能なブラシ駆動用の電動機としてのサーボモータ13の回動軸14に固定されている。サーボモータ13は、当該整流子電動機の電源スイッチ9(図1参照)とは別の電源スイッチによって起動されるもので、サーボモータ13は、当該整流子電動機の電源スイッチ9が投入される時点では、既に起動されている。この時、サーボモータ13はブラシが8が電気角0度に対応する基点位置になるように制御されている。すなわち、実施例1では、当該整流子電動機とは別の電動機13によって、ブラシ8の回動位置を基点位置(電気角0°)からプラスマイナス任意の電気角度位置に制御している。
ここで、前述したように、電源スイッチ9が投入される当該整流子電動機の電源投入時の初期状態では、サーボモータ13は既に起動されており、このサーボモータ13による制御によって電源スイッチ9が投入される時点ではブラシ8が図4に黒塗りで示す電気角0°位置に保持されるようにブラシ支持体10の回動位置が位置決めされている。このため、このときには、先の図3−1を用いて説明したように、固定子巻線及び回転子巻線のリアクタンスが最大となり、励磁電流値は極めて小さな値となる。したがって、起動時の突入電流を極めて小さな値に抑えることができる。
そして、電源スイッチ9が投入された後は、サーボモータ13によってブラシ支持体10を回動駆動することで、ブラシ8の回動位置を基点位置(電気角0°)からプラスマイナス任意の電気角度位置に制御することで、回転子6にブラシ角度位置に応じた正転または逆転トルクを発生させて、当該整流子電動機の速度制御を実行する。
このように実施例1では、整流子電動機の電源投入時の初期状態では、別の電動機による制御によってブラシ8が電気角0°位置に保持されるようにしているので、電源投入時の突入電流を極めて小さな値に抑えることができる。
なお、電動機13からブラシ支持体10へ回転を伝達する機構は任意であり、例えば、ギアではなく摩擦を利用した機構を採用するようにしてもよい。また正逆転可能なサーボモータを用いるのではなく、電動機13とブラシ支持体10との間に適宜の正転反転切り替え機構を挿入するようにしてもよい。
つぎに、図5を用いてこの発明の実施例2について説明する。実施例2においては、この発明の整流子電動機を自動車のアクセル機構に適用している。
実施例2の電動機においても、一対のブラシ8はブラシ支持体10によって支持されている。ブラシ支持体10は、整流子7の周方向に回動可能な構造となっており、ブラシ支持体10が回動することにより、ブラシ8は整流子7の周方向に回動される。また、図5に黒塗りで示すブラシ位置は、先の図2−2に示す電気角0度位置に対応しており、この状態では回転子6すなわち整流子7が停止している。ブラシ支持体10を矢印S1方向に回動させることによりブラシ8を適宜の電気角θに位置させると、回転子6を矢印D1方向に正転させることができる。一方、ブラシ支持体10を矢印S2方向に回動させることによりブラシ8を電気角−θに位置させると、回転子6を矢印D2方向に逆転させることができる。
ブラシ支持体10には、弾性部材としての一対のバネ15が接続されており、これらバネ15の付勢力によって、外力が加わらない状態では、ブラシ8が電気角0°位置に保持されるようになっている。したがって、電源投入時の初期状態では、ブラシ8が電気角0°位置に保持されており、電源投入時の突入電流を極めて小さな値に抑えることができる。
つぎに、ブラシ支持体10を、バネ15による保持力に抗して回動させるための構成について説明する。ブラシ支持体10には、前進ロッド20aおよび後進ロッド20bが、ブラシ支持体10の例えば接線方向に延在するように、固定されている。したがって、前進ロッド20aに対しその延在方向(矢印E方向)に外力が加わると、ブラシ支持体10(ブラシ8)が矢印S1方向に回動され、これにより整流子7を矢印D1方向に正転(前進に対応)させることができる。また、後進ロッド20bに対し矢印E方向に外力が加わると、ブラシ支持体10(ブラシ8)が矢印S2方向に回動され、これにより整流子7を矢印D2方向に逆転(後進に対応)させることができる。
前進ロッド20aおよび後進ロッド20bの各端部には、押圧ロッド21の押圧力を受けるためのプレート22が設けられている。押圧ロッド21は回動軸24を介してアクセル連結ロッド23に連結されており、押圧ロッド21およびアクセル連結ロッド23は一体的に矢印Fa,Fbで示す方向に移動可能なように構成されている。アクセル連結ロッド23は、図示しない適宜の機構を介してアクセルペダル30に連結されている。押圧ロッド21には、前後切替ロッド25が固定されている。前後切替ロッド25は、自動車の前後進のギアチェンジに連動して矢印Ra,Rbで示す方向に移動可能となっている。
かかる構成において、図示しない前後進ギアが中立に位置しているときは、押圧ロッド21は実線で示す位置にある。前後進ギアが前進側にギアチェンジされると、前後切替ロッド25がRa方向に移動し、これにより押圧ロッド21は回動軸24を支点に前進ロッド20aのプレート22に正対する位置まで回動される。この状態で、アクセルペダル30が踏まれると、アクセル連結ロッド23および押圧ロッド21は屈曲された状態で矢印Faで示す方向に移動する。この移動により押圧ロッド21が前進ロッド20aのプレート22を押圧し、この結果、ブラシ支持体10すなわちブラシ8をアクセルペダル30の踏み込み量に応じた位置まで矢印S1方向に回動する。したがって、整流子7および回転子6にブラシ角度位置に応じた正転トルクを発生させて、回転子6を矢印D1で示す方向に正転させて、自動車を前進させる。
一方、前後進ギアが後進側にギアチェンジされると、前後切替ロッド25がRb方向に移動し、これにより押圧ロッド21は回動軸24を支点に後進ロッド20bのプレート22に正対する位置まで回動される。アクセルペダル30が踏まれると、アクセル連結ロッド23および押圧ロッド21は屈曲された状態で矢印Faで示す方向に移動する。この移動により押圧ロッド21が後進ロッド20bのプレート22を押圧し、この結果、ブラシ支持体10すなわちブラシ8をアクセルペダルの踏み込み量に応じた位置まで矢印S2方向に回動する。したがって、整流子7および回転子6にブラシ角度位置に応じた逆転トルクを発生させて、回転子6を矢印D2で示す方向に逆転させて、自動車を後進させる。
このように実施例2では、整流子電動機の電源投入時の初期状態では、バネ15によってブラシ8が電気角0°位置に保持されるようにしているので、電源投入時の突入電流を極めて小さな値に抑えることができる。
つぎに、図6および図7を用いてこの発明の実施例3について説明する。実施例3においては、ブラシ支持体10をバネ15による保持力に抗して回動させるための構成として別の構成を採用している。それ以外の構成は、図5に示す実施例2と同様であり、重複する説明は省略する。
従動車40はブラシ支持体10と同じ軸に固定されている。従って従動車40が回動されれば、ブラシ支持体10(ブラシ8)が回動する。従動車40は無端ベルト41によって駆動車42に連結されている。
押圧ロッド43は回動軸44を介してアクセル連結ロッド45に連結されており、押圧ロッド43およびアクセル連結ロッド45は一体的に矢印Fa,Fbで示す方向に移動可能なように構成されている。アクセル連結ロッド45は、図示しない適宜の機構を介してアクセルペダル30に連結されている。押圧ロッド43は、図7に示すように、前後切替ロッド46に形成された孔47に挿通されている。前後切替ロッド46は、前記同様、自動車の前後進のギアチェンジに連動して矢印Ra,Rbで示す方向に移動可能となっている。
かかる構成において、図示しない前後進ギアが中立に位置しているときは、押圧ロッド43は図6に示す位置にある。前後進ギアが前進側にギアチェンジされると、前後切替ロッド25がRa方向に移動し、これにより押圧ロッド43は回動軸44を支点にRa方向に回動される。アクセルペダル30が踏まれると、アクセル連結ロッド45および押圧ロッド43は屈曲された状態で矢印Faで示す方向に移動する。この移動により押圧ロッド43が駆動車42の外周を押圧し、この結果駆動車42が矢印S1で示す方向に回動する。これにより、従動車40が矢印S1方向に回動し、ブラシ支持体10すなわちブラシ8もアクセルペダル30の踏み込み量に応じた位置まで矢印S1方向に回動される。したがって、整流子7および回転子6にブラシ角度位置に応じた正転トルクが発生されて、回転子6が矢印D1で示す方向に正転され、自動車が前進される。
一方、前後進ギアが後進側にギアチェンジされると、前後切替ロッド25がRb方向に移動し、これにより押圧ロッド43は回動軸44を支点にRb方向に回動される。アクセルペダル30が踏まれると、アクセル連結ロッド45および押圧ロッド43は屈曲された状態で矢印Faで示す方向に移動する。この移動により押圧ロッド43が駆動車42の外周を押圧し、この結果駆動車42が矢印S2で示す方向に回動する。これにより、従動車40が矢印S2方向に回動し、ブラシ支持体10すなわちブラシ8もアクセルペダル30の踏み込み量に応じた位置まで矢印S2方向に回動される。したがって、整流子7および回転子6にブラシ角度位置に応じた逆転トルクが発生されて、回転子6が矢印D2で示す方向に逆転され、自動車が後進される。
このように実施例3でも、整流子電動機の電源投入時の初期状態では、バネ15によってブラシ8が電気角0°位置に保持されるようにしているので、電源投入時の突入電流を極めて小さな値に抑えることができる。
図8は、図6に示す実施例3の変形であり、ブラシ支持体10と同じ軸に固定される従動車40を歯車としている。また、従動車40に駆動歯車50を歯合させて、歯車機構によって駆動歯車50の回動を従動車40に伝達するようにしている。他の構成は、図6と同様である。なお、各外周が摩擦係数が大きくなるように形成された従動車40および駆動車50を採用し、摩擦によって駆動車50の回動を従動車40に伝達するようにしてもよい。
なお、上記実施例では、直巻の電動機について説明したが、本発明は界磁巻線1と回転子巻線4とが並列接続された分巻の電動機にも適用することができる。
この発明にかかる整流子電動機の実施例を示す概念的な分解構成図である。 ブラシ回動による回転子回動の原理説明図であり、ブラシが電気角90度に位置する状態を示す図である。 ブラシ回動による回転子回動の原理説明図であり、ブラシが電気角0度に位置する状態を示す図である。 ブラシが電気角0度のときの回転子の状態などを説明するための図である。 ブラシが電気角+90度のときの回転子の状態などを説明するための図である。 ブラシが電気角−90度のときの回転子の状態などを説明するための図である。 ブラシが電気角+120度のときの回転子の状態などを説明するための図である。 実施例1によるブラシ回動のための機構を示す図である。 実施例2によるブラシ回動のための機構を示す図である。 実施例3によるブラシ回動のための機構を示す図である。 実施例3で用いる押圧ロッド43および前後切替ロッド46の詳細を示す図である。 実施例3の変形例によるブラシ回動のための機構を示す図である。
符号の説明
1 界磁巻線
2 固定子鉄心
3 固定子
4 回転子巻線
5 回転子鉄心
6 回転子
7 整流子
8 ブラシ
9 電源スイッチ
10 ブラシ支持体
11 モータ軸
12 歯車
13 サーボモータ(電動機)
14 回動軸
15 バネ
20a 前進ロッド
20b 後進ロッド
21 押圧ロッド
22 プレート
23 アクセル連結ロッド
24 回動軸
25 前後切替ロッド
30 アクセルペダル
40 従動車
41 無端ベルト
42 駆動車
43 押圧ロッド
44 回動軸
45 アクセル連結ロッド
46 前後切替ロッド
47 孔
50 駆動歯車(駆動車)
71 整流子片
72 コイル辺
73 引き出し線


Claims (3)

  1. 固定子に巻かれた界磁巻線をブラシおよび整流子を介して回転子に巻かれた回転子巻線と結線し、界磁巻線および回転子巻線に交流電源を接続した整流子電動機において、
    前記ブラシを整流子の周方向に回動可能に構成するとともに、
    前記交流電源投入時に前記ブラシが電気角略0度に対応する基点位置に位置しているようにブラシを保持するブラシ保持手段と、
    前記交流電源投入後、前記ブラシの回動位置を制御して前記回転子に正転トルクおよび/または逆転トルクを発生させるブラシ回動駆動手段と、
    を備えることを特徴とする整流子電動機。
  2. 前記ブラシ保持手段およびブラシ回動駆動手段は、当該整流子電動機とは別のブラシ駆動用の電動機を有し、このブラシ駆動用の電動機によってブラシが前記交流電源投入時には前記基点位置に保持されかつ交流電源投入後に任意の回動位置に回動制御されるようブラシを支持するブラシ支持体を駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の整流子電動機。
  3. 前記ブラシ保持手段は、前記ブラシを基点位置に保持させるための弾性部材を有し、
    前記ブラシ回動駆動手段は、前記弾性部材の弾性保持力に抗して前記ブラシの回動位置を制御する機構を有することを特徴とする請求項1に記載の整流子電動機。

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