JP2015089194A - 鉄道車両の制御システム、制御方法、及び電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電制、力行、惰行のいずれの運転状態でデッドセクションに進入しても、急激な電流変動なくデッドセクションを通過することを可能とする。
【解決手段】電力変換装置1は、集電装置4から入力される電流値を検出する電流検出器10と、集電装置4から入力される電圧値を検出する電圧検出器16と、集電装置4により集電した電力を変換するインバータ21と、インバータ21に並列接続されるフィルタコンデンサ18とを備える。制御装置2は、電流検出器10にて検出された電流値に基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知し、その後、電圧検出器16にて検出された電圧値に基づき、デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知すると、フィルタコンデンサ18の電圧値が第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する。
【選択図】図1
【解決手段】電力変換装置1は、集電装置4から入力される電流値を検出する電流検出器10と、集電装置4から入力される電圧値を検出する電圧検出器16と、集電装置4により集電した電力を変換するインバータ21と、インバータ21に並列接続されるフィルタコンデンサ18とを備える。制御装置2は、電流検出器10にて検出された電流値に基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知し、その後、電圧検出器16にて検出された電圧値に基づき、デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知すると、フィルタコンデンサ18の電圧値が第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両(複電圧車)の制御システム、制御方法、及び電力変換装置に関するものである。
き電電圧の異なる電化区間が存在する場合、デッドセクション(無電圧区間)を設けて異電位の電化区間を電気的に絶縁している。なお、デッドセクションはアースからも絶縁される。
鉄道車両の電力変換装置には、フィルタコンデンサが一般的に搭載されている。フィルタコンデンサは主回路の高速度遮断器及び単位スイッチを介して架線又は第三軌条(以下、単に架線という)に接続される。フィルタコンデンサは、電力変換装置の起動時には充電抵抗を経由して突入電流が発生しないように充電され、通常動作時には架線電圧と同電圧に充電されている。
ここで、フィルタコンデンサが架線電圧で充電され、かつ架線に接続された状態で、鉄道車両がデッドセクションを通過して異電位の電化区間に進入した場合について考える。フィルタコンデンサと架線は異なる電位であるため、フィルタコンデンサの電位が架線の電位よりも高い場合は、架線側へ急激に電流が流れる。すると、架線側では急激な負荷電流変化により変電所のトリップが発生し、架線への電力供給が停止してしまう。一方、架線の電位がフィルタコンデンサの電位よりも高い場合は、フィルタコンデンサ側へ急激に電流が流れる。すると、電力変換装置は高速度遮断器のトリップにより動作を停止させてしまう。
このため、鉄道車両がデッドセクションを通過する場合、惰行運転し、フィルタコンデンサと架線を単位スイッチにより切り離す。これにより、電力変換装置の電圧検出器がデッドセクションの無電圧を検知する。電力変換装置は、無電圧を検知後、フィルタコンデンサの電荷を放電し、デッドセクションを通過後に再度充電抵抗を介してフィルタコンデンサに充電することにより、急激な電流変動を防止する。
しかし、回生ブレーキ、あるいは回生ブレーキ及び発電ブレーキを併用する回生・発電ブレンディングブレーキを行う鉄道車両の場合、電制(回生ブレーキ又は発電ブレーキ)状態でデッドセクションに進入すると、電気車は電力を架線に回生させるためフィルタコンデンサと架線の間を接続したままの状態となる。そのため、電圧検出器はフィルタコンデンサの電圧を検出してしまい、デッドセクションによる無電圧を検知できない。その結果、デッドセクション進入前の架線の電圧をフィルタコンデンサが保持したままデッドセクションを通過し、次の異電位の電化区間に進入した瞬間に急激な電流変動が発生する。
また、鉄道車両が力行運転でデッドセクションに進入した場合には、電力変換装置はフィルタコンデンサの電荷を消費し、電圧検出器により検出されるフィルタコンデンサの電圧は低下する。すると、保護動作により電力変換装置の動作は停止し、惰行運転となる。あるいは、力行による消費電力が少なくフィルタコンデンサの電圧が保護検知レベルまで低下しない場合は、電制時と同様にフィルタコンデンサと架線の間が接続された状態で異電位の電化区間に進入するため、急激な電流変動が生じる。
したがって、鉄道車両が電制運転又は力行運転のいずれの状態でデッドセクションに進入した場合でも、急激な電流変動が発生しないようにする必要がある。
そこで、インバータの前段に昇降圧チョッパ装置を設け、昇降圧チョッパ装置によって電圧を昇圧又は降圧することにより、インバータに印加される電圧を一定とし、2つの異なるき電電圧を有する電化区間でスムーズな相互の乗り入れを可能とする方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、新たに昇降圧チョッパ装置を追加するため、装置の構成や制御が複雑化し、装置規模やコストが増大するという問題があった。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、電制、力行、惰行のいずれの運転状態でデッドセクションに進入しても、デッドセクションを自動的に検知し、急激な電流変動なく、つまり、高速遮断器及び変電所がトリップすることなく、デッドセクションを通過することが可能な鉄道車両の制御システム、制御方法、及び電力変換装置を特別な装置を追加することなく提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る鉄道車両の制御システムは、複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両の制御システムであって、集電装置から入力される電流値を検出する電流検出器と、前記集電装置から入力される電圧値を検出する電圧検出器と、前記集電装置により集電した電力を変換するインバータと、前記インバータに並列接続されるフィルタコンデンサと、を備える電力変換装置と、前記電流検出器にて検出された電流値に基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知し、その後、前記電圧検出器にて検出された電圧値に基づき、前記デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記フィルタコンデンサの電圧値が前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する制御装置と、を備える。
さらに、本発明に係る鉄道車両の制御システムにおいて、前記電力変換装置は、前記集電装置と前記インバータの間に、充電抵抗が並列接続された第1のスイッチと、前記第1のスイッチに直列接続された第2のスイッチと、を備え、前記制御装置は、前記デッドセクションに進入したことを検知すると、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開放し、前記フィルタコンデンサを放電させ、前記第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記第2のスイッチを投入し、前記フィルタコンデンサを前記充電抵抗を介して充電させて前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る鉄道車両の電力変換装置は、複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両の電力変換装置であって、集電装置から入力される電流値を検出する電流検出器と、前記集電装置から入力される電圧値を検出する電圧検出器と、前記集電装置により集電した電力を変換するインバータと、前記インバータに並列接続され、第1の電化区間からデッドセクションを経て第2の電化区間に進入したときに前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御されるフィルタコンデンサと、を備える。
さらに、本発明に係る鉄道車両の電力変換装置において、前記集電装置と前記インバータとの間、充電抵抗が並列接続された第1のスイッチと、前記第1のスイッチに直列接続された第2のスイッチと、を備え、前記フィルタコンデンサは、前記デッドセクションに進入したときに、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開放することによって放電され、前記第2の電化区間に進入したときに、前記第2のスイッチを投入することによって前記充電抵抗を介して充電される。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る鉄道車両の制御方法は、複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両の制御方法であって、電力変換装置に入力される電流値に基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知するステップと、前記電力変換装置に入力される電圧値に基づき、前記デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知するステップと、前記第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記電力変換装置のフィルタコンデンサの電圧値が前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御するステップと、を含む。
さらに、本発明に係る鉄道車両の制御方法において、前記デッドセクションに進入したことを検知すると、前記フィルタコンデンサを放電させるステップを含み、前記制御するステップは、前記第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記フィルタコンデンサを充電抵抗を介して充電させて前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する。
本発明によれば、電制、力行、惰行のいずれの運転状態でデッドセクションに進入しても、デッドセクションを自動的に検知し、急激な電流変動なく、つまり、高速遮断器及び変電所がトリップすることなく、デッドセクションを通過することができるようになる。また、本発明によれば、特別な装置の追加することなく、装置の規模やコストを増大させずに、上記を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る、複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両の制御システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す例では、制御システムは、電力変換装置1と、制御装置2とを備える。電力変換装置1は、電流検出器(CT)10と、高速度遮断器(HB)11と、単位スイッチ12(LB1)と、単位スイッチ(LB2)13と、充電抵抗(CHR)14と、フィルタリアクトル(FL)15と、電圧検出器(DCPT1)16と、電圧検出器(DCPT2)17と、フィルタコンデンサ(FC)18と、放電用スイッチ19と、放電抵抗(DCHR)20と、インバータ21とを備える。
図1に示す本実施形態では、集電装置4としてパンタグラフを用いて架線3から集電する架空電車線方式(架線集電方式)を示しているが、本発明は集電装置4として集電靴を用いて第三軌条から集電する第三軌条方式においても適用することができる。
電力変換装置1は、架空電車線方式又は第三軌条方式により集電した直流電力を三相交流電力に変換し、主電動機5に出力する。なお、電力変換装置1は、き電電圧の高い電化区間の絶縁クラスを有し、かつ、き電電圧の低い電化区間で使用される電流値に耐えられるものとする。
集電装置4には直列に、電流検出器10、高速度遮断器11、単位スイッチ12,13、及びフィルタリアクトル15が接続され、単位スイッチ12には並列に充電抵抗14が接続される。
電流検出器10は、集電装置4に直列接続され、集電装置4から電力変換装置1に入力される入力電流値ILを検出し、検出した電流値を制御装置2に通知する。本発明に係る電力変換装置1は電流検出器10を備えているため、入力電流値ILが所定の閾値以下(例えば0A)になったときに、デッドセクションに進入したと判断することができる。
高速度遮断器11は、過電流が流れた場合に、電力変換装置1を保護するために自動的に開放し、過電流を遮断する。なお、制御装置2の制御により高速度遮断器11の投入(通電)及び開放(遮断)を制御するようにしてもよい。
単位スイッチ12は、充電抵抗14と並列接続され、制御装置2の制御により、集電装置4にて集電した電力の投入及び開放を行う。単位スイッチ13は、単位スイッチ12と直列接続され、制御装置2の制御により、集電装置4にて集電した電力の投入及び開放を行う。
単位スイッチ12及び単位スイッチ13を開放すると、集電装置4にて集電した電力はフィルタコンデンサ18及びインバータ21に入力されなくなる。単位スイッチ12のみ開放した場合には、集電装置4にて集電した電力は充電抵抗14を介してフィルタコンデンサ18及びインバータ21に入力される。
電圧検出器16は、電流検出器10及び高速度遮断器11の接続点と、接地点との間に設けられ、集電装置4をから電力変換装置1に入力される入力電圧値VLを検出し、検出した電圧値を制御装置2に通知する。
電圧検出器17は、フィルタコンデンサ18の端子間に並列して設けられ、フィルタコンデンサ18の電圧値VCを検出し、検出した電圧値を制御装置2に通知する。フィルタコンデンサ18は、インバータ21に並列接続される。
放電用スイッチ19は、制御装置2により投入及び開放が制御され、放電抵抗20を介してフィルタコンデンサ18に蓄積された電荷を放電させる。
インバータ21は、制御装置2の制御により、IGBTやGTOなどの電力用半導体素子をスイッチングして、集電した直流電力を三相交流電力に変換し、主電動機5に出力する。インバータ21は一般的には、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)制御により、三相交流電力の電圧及び周波数を変化させる。
制御装置2は、電流検出器10にて検出された電流値に基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知し、その後、電圧検出器16にて検出された電圧値に基づき、前記デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知すると、フィルタコンデンサ18の電圧値が第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する。以下に、制御装置2による鉄道車両の制御方法について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る鉄道車両の制御方法を説明するタイミングチャートであり、第1の電化区間からデッドセクションを経由して第2の電化区間を走行する際の制御方法を示している。ここでは、第1の電化区間の電圧値を750V、第2の電化区間の電圧値を1500Vとして説明するが、この電圧値に限定されるものではない。
第1の電化区間では、電圧検出器16により検出される入力電圧値VLは750Vであり、電圧検出器17により検出されるコンデンサ電圧値VCも750Vである。また、電流検出器10により検出される入力電流値ILは電制状態では負の値、力行状態では正の値である。
デッドセクションは完全に他の電化区間と絶縁されているため、電制状態で鉄道車両がデッドセクションに進入した場合、デッドセクション側に電流は流れず、入力電流値ILは0Aとなる(タイミングa)。また、力行運転状態でデッドセクションに進入した場合も、デッドセクション側からは電流が流れず、入力電流値ILは0Aとなる(タイミングb)。そのため、制御装置2は、電制時又は力行時に電流検出器10に検出される入力電流値ILが所定の閾値以下(例えば0A)になると、鉄道車両がデッドセクションに進入したと判断する。そして、制御装置2は単位スイッチ12及び単位スイッチ13を開放する(タイミングc)。
すると、電圧検出器16により検出される入力電圧値VLは0Vとなる(タイミングd)。制御装置2は電圧検出器16により検出される入力電圧値VLが所定の閾値以下(例えば0V)になると、放電用スイッチ19を投入し、放電抵抗20を介してフィルタコンデンサ18に蓄積された電荷を放電させる(タイミングe)。また、制御装置2は、入力電圧値VLが所定の閾値以下(例えば0V)になると、インバータ21を制御して電制状態又は力行状態から惰行状態に切替え、鉄道車両はデッドセクションを惰行により通過する(タイミングf)。
その後、鉄道車両が第2の電化区間に進入すると、電圧検出器16により検出される入力電圧値VLは1500Vとなる(タイミングg)。制御装置2は、入力電圧値VLが所定の閾値以上(例えば1500V)になると、第2の電化区間に進入したと判断する。
その後、制御装置2は、ノッチオン(力行又は電制)の指令をマスターコントローラーから受けると(タイミングh)、単位スイッチ13を投入する(タイミングi)。すると、単位スイッチ12は開放されているため、フィルタコンデンサ18は充電抵抗14を介して1500Vまで、つまり第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように充電される(タイミングj)。このようにして、フィルタコンデンサ18は充電する際に充電抵抗14を経由するため、入力電流ILの急激な電流変化を防止することができる。
制御装置2は、単位スイッチ13を投入後、所定のタイミングで単位スイッチ12を投入する(タイミングk)。制御装置2は、フィルタコンデンサ18が1500Vに充電されるまで待ってから単位スイッチ12を投入してもよいし、図2に示すように1500Vに近づいた段階で単位スイッチ12を投入してもよい。
このように、本発明では、電力変換装置1は、集電装置4から入力される電流値ILを検出する電流検出器10と、集電装置4から入力される電圧値VCを検出する電圧検出器16と、集電装置4により集電した電力を変換するインバータ21と、インバータ21に並列接続されるフィルタコンデンサ18とを備える。制御装置2は、電流検出器10にて検出された電流値ILに基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知し、その後、電圧検出器16にて検出された電圧値VCに基づき、デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知すると、フィルタコンデンサ18の電圧値が第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する。
電力変換装置1は電流検出器10を備えているため、電制、力行、惰行のいずれの運転状態でデッドセクションに進入しても、制御装置2はデッドセクションを自動的に検知可能となる。そのため、急激な電流変動なく、つまり、高速遮断器及び変電所がトリップすることなく、デッドセクションを通過することができるようになる。また、電力変換装置1の構成は従来の電力変換装置に標準的に搭載されている構成に電流検出器10のみを追加したものであるため、装置の規模やコストを増大させたりすることなく、複電圧車を実現することができる。
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
本発明によれば、電制、力行、惰行のいずれの運転状態でデッドセクションに進入しても、急激な電流変動なくデッドセクションを通過することが可能になるため、複電圧車の制御に有用である。
1 電力変換装置
2 制御装置
3 架線
4 集電装置
5 主電動機
10 電流検出器
11 高速度遮断器
12,13 単位スイッチ
14 充電抵抗
15 フィルタリアクトル
16,17 電圧検出器
18 フィルタコンデンサ
19 放電用スイッチ
20 放電抵抗
21 インバータ
2 制御装置
3 架線
4 集電装置
5 主電動機
10 電流検出器
11 高速度遮断器
12,13 単位スイッチ
14 充電抵抗
15 フィルタリアクトル
16,17 電圧検出器
18 フィルタコンデンサ
19 放電用スイッチ
20 放電抵抗
21 インバータ
Claims (6)
- 複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両の制御システムであって、
集電装置から入力される電流値を検出する電流検出器と、
前記集電装置から入力される電圧値を検出する電圧検出器と、
前記集電装置により集電した電力を変換するインバータと、
前記インバータに並列接続されるフィルタコンデンサと、
を備える電力変換装置と、
前記電流検出器にて検出された電流値に基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知し、その後、前記電圧検出器にて検出された電圧値に基づき、前記デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記フィルタコンデンサの電圧値が前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する制御装置と、
を備える制御システム。 - 前記電力変換装置は、前記集電装置と前記インバータの間に、充電抵抗が並列接続された第1のスイッチと、前記第1のスイッチに直列接続された第2のスイッチと、を備え、
前記制御装置は、前記デッドセクションに進入したことを検知すると、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開放し、前記フィルタコンデンサを放電させ、前記第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記第2のスイッチを投入し、前記フィルタコンデンサを前記充電抵抗を介して充電させて前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する、請求項1に記載の制御システム。 - 複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両の電力変換装置であって、
集電装置から入力される電流値を検出する電流検出器と、
前記集電装置から入力される電圧値を検出する電圧検出器と、
前記集電装置により集電した電力を変換するインバータと、
前記インバータに並列接続され、第1の電化区間からデッドセクションを経て第2の電化区間に進入したときに前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御されるフィルタコンデンサと、
を備える電力変換装置。 - 前記集電装置と前記インバータの間に、充電抵抗が並列接続された第1のスイッチと、前記第1のスイッチに直列接続された第2のスイッチと、を備え、
前記フィルタコンデンサは、前記デッドセクションに進入したときに、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開放することによって放電され、前記第2の電化区間に進入したときに、前記第2のスイッチを投入することによって前記充電抵抗を介して充電される、請求項3に記載の電力変換装置。 - 複数のき電電圧を有する電化区間を走行可能な鉄道車両の制御方法であって、
電力変換装置に入力される電流値に基づき、第1の電化区間からデッドセクションに進入したことを検知するステップと、
前記電力変換装置に入力される電圧値に基づき、前記デッドセクションから第2の電化区間に進入したことを検知するステップと、
前記第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記電力変換装置のフィルタコンデンサの電圧値が前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御するステップと、
を含む制御方法。 - 前記デッドセクションに進入したことを検知すると、前記フィルタコンデンサを放電させるステップを含み、
前記制御するステップは、前記第2の電化区間に進入したことを検知すると、前記フィルタコンデンサを充電抵抗を介して充電させて前記第2の電化区間のき電電圧値と等しくなるように制御する、請求項5に記載の制御方法。
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