JP2015086115A - 単結晶成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】坩堝の温度制御の精度向上を図ることが可能な単結晶製造装置を提供する。
【解決手段】単結晶製造装置1は、原料2を収容する容器本体11と、容器本体11の上部開口113を覆うと共に原料2に対向するように種結晶5を保持する蓋体12と、を有する坩堝10と、坩堝10を覆い、第1の開口215を有する第1の断熱材21と、第1の断熱材21の上部に設けられ、第2の開口223を有する第2の断熱材22と、坩堝10及び断熱材21,22を収容し、窓部34を有する結晶成長炉30と、結晶成長炉30の外側に設けられ、開口215,223及び窓部34を介して坩堝10の温度を計測する温度計72と、を備えており、蓋体12と第1の断熱材21との間に第1の空間216が形成され、第1の断熱材21と第2の断熱材22との間に第2の空間224が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇華再結晶法(改良レーリー法)によって、窒化アルミニウム(AlN)体結晶や炭化珪素(SiC)単結晶を製造する単結晶製造装置に関するものである。
昇華再結晶法によって単結晶を製造する製造装置として、坩堝蓋部と断熱材との間に空間を設けることで、坩堝内の等温線を最適な形状に維持しつつ種結晶と原料との間の温度勾配を大きくする装置が知られている。この製造装置では、石英管に設けられた温度測定用窓と、断熱材に設けられた温度測定用の穴を通して、放射温度計によって坩堝の温度を測定している(例えば特許文献1(段落0019〜0020及び0028、図1)参照)。
特開2007−204309号公報
上記の単結晶製造装置では、昇華ガスの大部分は種結晶中に取り込まれるが、一部の昇華ガスは、坩堝蓋部と断熱材の間の空間と断熱材の温度測定用の穴を介して、断熱材の外部に漏洩し、石英管の温度測定用窓に析出してしまう場合がある。この場合には、放射温度計が実際の温度よりも低い温度を計測してしまうこととなり、坩堝の正確な温度制御が困難になるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、坩堝の温度制御の精度向上を図ることが可能な単結晶製造装置を提供することである。
[1]本発明に係る単結晶製造装置は、昇華再結晶法によって単結晶を製造する単結晶製造装置であって、原料を収容する容器本体と、前記容器本体の上部開口を覆うと共に前記原料に対向するように種結晶を保持する蓋体と、を有する坩堝と、前記坩堝を覆うと共に、第1の開口を有する第1の断熱材と、前記第1の断熱材の上部に設けられていると共に、第2の開口を有する第2の断熱材と、前記坩堝、前記第1の断熱材、及び前記第2の断熱材を収容すると共に、温度計測用の窓部を有する結晶成長炉と、前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記第1の開口、前記第2の開口、及び前記窓部を介して、前記坩堝の温度を計測する温度計測手段と、を備えており、前記蓋体と前記第1の断熱材との間に第1の空間が形成され、前記第1の断熱材と前記第2の断熱材との間に第2の空間が形成されていることを特徴とする。
[2]上記発明において、前記第2の空間の高さは、20[mm]以上であってもよい。
[3]上記発明において、前記第2の断熱材は、前記第1の断熱材の上部から上方に向かって延在する円筒形状の筒部と、前記筒部の上端に設けられ、前記第2の開口が形成された蓋部と、を有してもよい。
本発明によれば、第1の断熱材と第2の断熱材との間に設けた第2の空間で、坩堝から漏洩した昇華ガスを冷却して析出させることができる。このため、結晶成長炉の窓部への昇華ガスの析出を抑制することができ、坩堝の温度制御の精度向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態における坩堝及び断熱材を示す断面図である。 図3は、本発明の実施形態における坩堝の変形例を示す断面図である。 図4は、本発明の実施形態における昇華ガスの流れを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図、図2は本実施形態における坩堝及び断熱材を示す断面図、図3は本実施形態における坩堝の変形例を示す断面図、図4は本実施形態における昇華ガスの流れを示す図である。
本実施形態における単結晶製造装置1は、昇華再結晶法(改良レーリー法)によって窒化アルミニウム単結晶6を製造する装置である。具体的には、高温領域で原料2を加熱して昇華させ、低温領域に設けられた種結晶5上で当該昇華ガスを再凝縮させることにより窒化アルミニウム単結晶6を製造する。
図1に示すように、この単結晶製造装置1は、原料2を収容すると共に種結晶5を保持する坩堝10と、当該坩堝10を覆う断熱材20と、断熱材20に覆われた坩堝10を収容する結晶成長炉30と、結晶成長炉30内に窒素ガスを供給するガス供給装置40と、結晶成長炉30内を減圧する減圧装置50と、結晶成長炉30の外側に配置された誘導コイル60と、坩堝10の温度を計測する第1及び第2の温度計71,72と、を備えている。
坩堝10は、図2に示すように、容器本体11と蓋体12を有している。
容器本体11は、円筒状の筒部111と、当該筒部111の下端を塞ぐ円板形状の底部112と、を有しており、当該筒部111はその上端に上部開口113を有している。この容器本体11の内部には原料2が収容されている。原料2の具体例としては、例えば、窒化アルミニウムの粉末や焼結体等を例示することができる。
蓋体12は、種結晶5の外径よりも大きな外径の円板形状を有しており、上部開口113を覆うように容器本体11上に載置されている。この蓋体12の下面には接着剤を介して種結晶5が貼り付けられており、当該種結晶5は容器本体11内に収容された原料2に対向している。なお、この蓋体12は、容器本体11に載置されているだけであり、この坩堝10内は流体の出入りが容易な準密閉的な構造となっているので、結晶成長炉30内に導入された窒素ガス等が坩堝10内に流入することが可能となっている。
種結晶5の具体例としては、例えば、SiC単結晶、AlN単結晶、AlN/SiC単結晶(SiC単結晶上に膜厚200〜500[μm]程度のAlN単結晶膜をヘテロ成長させた単結晶)等から構成される板状又は円板状の基板を例示することができる。また、種結晶5を蓋体12に貼り付ける接着剤の具体例としては、例えば、樹脂、無機化合物系セラミックス、或いは、黒鉛を主成分とした高温用接着剤を例示することができる。
なお、図3に示すように、蓋体12が2つの蓋部材13,14を備えてもよく、この場合には、上述した接着剤が不要となる。具体的には、第1の蓋部材13は、種結晶5の外径よりも小さな内径の貫通開口131を有するリング状の部材であり、この第1の蓋部材13は、容器本体11の上部開口113を覆うように当該容器本体11上に載置されている。種結晶5は、貫通開口131を塞ぐように第1の蓋部材13に載置されており、第1の蓋部材13によって種結晶5の外周部分が保持されている。一方、第2の蓋部材14は、種結晶5の外径よりも大きな外径を有する円板状の部材であり、第1の蓋部材13に保持されている種結晶5の上に載置されており、種結晶5は第1の蓋部材13と第2の蓋部材14の間に挟まれている。
図2に戻り、この坩堝10は、窒化アルミニウム単結晶の結晶成長時(2000℃程度)での耐熱性を有する材料から構成されている。具体的には、この坩堝10の容器本体11及び蓋体12は、黒鉛、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、炭化珪素、窒化珪素、モリブデン、タングステン、タンタル、炭化モリブデン、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化モリブデン、窒化ジルコニウム、窒化タングステン、及び、窒化タンタルからなる群から選択される少なくとも一種類の材料から構成されている。
この坩堝10の周囲は、図1及び図2に示すように、外部への放熱を抑制するために断熱材20が設けられており、本実施形態では、この断熱材20が2つの断熱材21,22から構成されている。いずれの第1及び第2の断熱材21,22も、例えば、炭素繊維を用いた成形断熱材等から構成されている。
第1の断熱材21は、第1の筒部211、第1の底部212、及び、第1の蓋部214を有しており、坩堝10の全体を覆っている。具体的には、円筒形状の第1の筒部211は、坩堝10の容器本体11の筒部111を直接覆っている。また、円板形状の第1の底部212は、当該第1の筒部211の下端を塞いでおり、坩堝10の容器本体11の底部112を直接覆っている。
この第1の底部212には、後述する第1の温度計71の視路を確保するための円形の開口213が形成されている。この開口213は、外部への放熱を抑制するためにできる限り小さな内径(例えば10[mm]程度)を有している。
一方、円板形状の第1の蓋部214も、第1の筒部211の上端を塞いでいるが、坩堝10の蓋体12から離れて設けられており、第1の断熱材20の第1の蓋部214と坩堝10の蓋体12との間には第1の空間216が形成されている。この第1の空間216の鉛直方向の高さhは例えば10[mm]程度となっている。こうした第1の空間216を坩堝10の上部と第1の断熱材21の間に設けることで、種結晶5の放熱の均一化を図ることができる。
この第1の蓋部214にも、後述する第2の温度計72の視路を確保するための円形の第1の開口215が形成されている。この第1の開口215は、坩堝10の蓋体12に保持されている種結晶5の中心と同一の軸線CL上に配置されている。この第2の開口215も、上述の第1の底部212の開口213と同様に、外部への放熱を抑制するためにできる限り小さな内径(例えば10[mm]程度)を有している。
第2の断熱材22は、第2の筒部221と、第2の蓋部222と、を有しており、第1の断熱材21の上部に設けられている。第2の筒部221は、第1の断熱材21の第1の蓋部214の外周部分の上面から上方に向かって延在している。この第2の筒部221は、第1の筒部211と実質的に同一の半径の円筒形状を有しており、当該第1の筒部211と実質的に同軸上に配置されている。
円板形状の第2の蓋部222は、この第2の筒部221の上端に設けられ、第2の筒部221の上端を塞いでいる。この第2の蓋部222にも、後述する第2の温度計72の視路を確保するための円形の第2の開口223が形成されている。この第2の開口223は、上述の第1の開口215と同様に、坩堝10の蓋体12に保持されている種結晶5の中心と同一の軸線CL上に配置されており、第1の開口215と実質的に同軸上に配置されている。この第2の開口223も、上述の第1の開口215と同様に、外部への放熱を抑制するためにできる限り小さな内径(例えば10[mm]程度)を有している。
第1の断熱材21の第1の蓋部214と、第2の断熱材22の第2の蓋部222との間には、第2の空間224が形成されており、この第2の空間224は、第2の断熱材22の第2の筒部221によって取り囲まれている。この第2の空間224は、第1の開口215を介して第1の空間216に連通していると共に、第2の開口223を介して断熱材20の外部空間(結晶成長炉30内の空間)に連通している。後に詳述するように、こうした第2の空間224を設けることで、坩堝10から漏洩した昇華ガスを冷却して析出させることができ、結晶成長炉30の第2の窓部34への昇華ガスの析出を抑制することができる。
この第2の空間224の鉛直方向の高さhは、例えば、20[mm]〜40[mm]程度となっている(20[mm]≦h≦40[mm])。第2の空間224の高さhを20[mm]未満とすると(h<20[mm])、坩堝10から漏洩した昇華ガスを第2の空間224内で十分に析出させることができない。一方、第2の空間224の高さhを40[mm]よりも高くすると(h>40[mm])、第2の窓部34への昇華ガスの析出抑制の効果を得ることはできるが、断熱材20全体が大型化してしまう。
図1に示すように、断熱材20に覆われた坩堝10は、不図示の固定手段を介して結晶成長炉30内に固定されている。この結晶成長炉30は、例えば二重構造の透明な石英管から構成されており、その上部にガス導入口31が設けられていると共に、その下部にガス排出口32が設けられている。ガス導入口31には、窒素(N)ガス等の不活性ガスを供給可能なガス供給装置40が接続されている。一方、ガス排出口32には、特に図示しない圧力調整弁を介して真空ポンプ等の減圧装置50が接続されている。このガス供給装置40や減圧装置50を駆動させることで、結晶成長炉30内の雰囲気を所定の圧力に調整することが可能となっている。
また、この結晶成長炉30は、外部の温度計71,72が坩堝10の温度を計測するための石英製の窓部33,34を備えている。第1の窓部33は、第1の断熱材21の下側の開口213に対向するように、結晶成長炉30の下部に設けられている。一方、第2の窓部34は、断熱材20の上側の2つの開口215,223に対向するように、結晶成長炉30の上部に設けられている。
誘導コイル60は、結晶成長炉30の周囲に配置されている。この誘導コイル60は、結晶成長炉30内の坩堝10を取り囲んでおり、この誘導コイル60に高周波電流を通電することで坩堝10が自己発熱し、これにより原料2及び単結晶5が所望の温度に加熱される。なお、誘導コイル60に代えて、抵抗加熱や赤外線加熱を利用した加熱手段を用いてもよい。
第1及び第2の温度計71,72は、結晶成長炉30の外側に配置されている。第1及び第2の温度計71,72の具体例としては、例えば放射温度計等を例示することができる。この第1及び第2の放射温度計71,72は、坩堝10から放射される赤外線や可視光線の強度を測定することで、坩堝10の温度を検出する。
具体的には、第1の温度計71は、結晶成長炉30の下部に設けられた第1の窓部33に対向するように配置されており、当該第1の窓部33と断熱材20の下側の開口213を介して、結晶成長炉30内の坩堝10の容器本体11の底面(坩堝10の下部)の温度を計測することが可能となっている。
一方、第2の温度計72は、結晶成長炉30の上部に設けられた第2の窓部34に対向するように配置されており、当該第2の窓部34、断熱材20の上側の2つの開口215,223を介して、結晶成長炉30内の坩堝10の蓋体12の上面(坩堝10の上部)の温度を計測することが可能となっている。
つまり、本実施形態では、第1の温度計71によって原料2の温度を測定し、第2の温度計72によって種結晶5の温度を測定する。
次に、以上に説明した単結晶製造装置1を用いた窒化アルミニウム単結晶6の製造方法について説明する。
先ず、窒化アルミニウム粉末等の原料2を坩堝10の容器本体11内にセットする。次いで、種結晶5が貼り付けられた蓋体12を容器本体11に載置する。これにより、原料2が坩堝10内に収容されると共に、当該原料2に対向するように種結晶5が坩堝10に保持される。
次いで、坩堝10を断熱材20で覆い当該坩堝10を結晶成長炉30内に設置した後、減圧装置50を駆動させてガス排出口32を介して結晶成長炉30内の大気を除去し、当該結晶成長炉30内を真空引きする。
次いで、ガス供給装置40を駆動させてガス導入口31を介して結晶成長炉30内に窒素ガスを導入して結晶成長炉30内を700[torr]程度まで昇圧する。次いで、誘導コイル60に高周波電流を通電して坩堝10を発熱させることで、原料2及び種結晶5を加熱する。
この際、坩堝10の上部と下部の温度は、上述の第1及び第2の温度計71,72によってそれぞれ測定されており、坩堝10の下部温度(すなわち原料2の温度)が1800[℃]〜2300[℃]となり、坩堝10の上部温度(すなわち種結晶5の温度)が1700[℃]〜2200[℃]となるまで、誘導コイル60によって坩堝10を加熱する。
坩堝10の温度が上記の設定温度に達したら、減圧装置50によって結晶成長炉30内を100〜600[torr]に減圧する。この減圧により、窒化アルミニウム単結晶6の成長が始まる。具体的には、下記の(1)及び(2)式に示すように、上述の坩堝10の上部と下部の間に設定された温度勾配によって、原料2から発生した昇華ガスが、種結晶5に向かって移送され、当該種結晶5上で再結晶化し窒化アルミニウム単結晶6が成長する。
2AlN(s) → 2Al(g)+N(g) …(1)
2Al(g)+N(g) → 2AlN(s) …(2)
この際、図4において実線矢印で示すように、原料2から発生した昇華ガスの一部が、準密閉な坩堝10の容器本体11と蓋体12の間の隙間から第1の空間216に漏洩する。この第1の空間216内には2000℃程度まで誘導加熱された坩堝10が存在しているため、昇華ガスは、種結晶5以外では容易に析出せずに、当該第1の断熱材21の第1の開口215を介してさらに外部に漏洩してしまう。
本実施形態では、第1の開口215のさらに上に第2の断熱材22によって第2の空間224が設けられており、第1の開口215を介して漏洩した昇華ガスを、この第2の空間224内で冷却して析出させることができる。このため、結晶成長炉30の第2の窓部34への昇華ガスの析出を抑制することができ、第2の放射温度計72によって坩堝10の上部の温度を正確に計測することが可能となるので、坩堝10の温度制御の精度向上を図ることができる。なお、この第2の空間22内には、誘導コイル60によって加熱される材料が配置されていないため、当該第2の空間22内の温度は、昇華ガスを十分に冷却できる温度に維持されている。
窒化アルミニウム単結晶6の成長を停止させる場合には、ガス導入口31から窒素ガスを結晶成長炉30内に供給して結晶成長炉30内を700[torr]程度まで昇圧させた後、誘導コイル60への通電を停止して原料2及び種結晶5を室温まで自然冷却する。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態では、窒化アルミニウム(AlN)の単結晶を製造する装置について説明したが、特にこれに限定されず、炭化珪素(SiC)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化亜鉛(ZnS)、窒化硼素(BN)の単結晶を製造する装置に本発明を適用してもよい。
また、坩堝10を第2の坩堝内に収容した二重坩堝構造を採用してもよいし、坩堝10を第2及び第3の坩堝内に収容した三重坩堝構造を採用してもよい。
以下に、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例及び比較例は、上述した実施形態における結晶成長炉の窓部への昇華ガスの析出の抑制効果を確認するためのものである。
<実施例1>
実施例1では、実施形態において説明した図1及び図2に示す製造装置1を用いて種結晶5上に窒化アルミニウム単結晶6を成長させた。
坩堝10の容器本体11としては、外径80[mm]、内径60[mm]、深さ60[mm]の黒鉛製の有底円筒体を用いた。この容器本体11の内部に、原料2として、直径60[mm]、厚さ5[mm]の窒化アルミニウムの焼結体を収容した。
また、坩堝10の蓋体12として、直径80[mm]、厚さ10[mm]の黒鉛製の円板体を用いた。この蓋体12の下面に、種結晶5として、面方位(0001)を有する円板状の4H−SiC単結晶(直径50[mm]、厚さ600[μm])を貼り付けた。
断熱材20として、厚さ10[mm]の成形断熱材(SGLカーボンジャパン株式会社社製のR6510)を使用した。第1の底部212と第1の蓋部214に直径10[mm]の開口213,215をそれぞれ形成し、第1の空間216の高さhは10[mm]とした。また、第2の蓋部222に直径10[mm]の開口223を形成し、第2の空間224の高さhは20[mm]とした。
断熱材20で覆った坩堝10を結晶成長炉30内に設置し、結晶成長炉30内の圧力を5×10−6[torr]まで一旦減圧した後、ガス供給装置40により窒素ガスを結晶成長炉30内に供給して、結晶成長炉30内の圧力を700[torr]程度まで昇圧した後、誘導コイル60に高周波電流を通電して坩堝10を発熱させ、坩堝10の上部温度が2000[℃]となり、坩堝10の下部温度が2100[℃]となるまで、原料2及び種結晶5を加熱した。坩堝10の温度が上記温度に達したら、結晶成長炉30内を100[torr]に減圧することで、窒化アルミニウム単結晶6の成長を開始させた。
そして、成長開始から500時間が経過したところで、結晶成長炉30内の圧力を700[torr]まで昇圧した後に、原料2及び種結晶5を自然冷却により室温まで冷却することで、結晶成長を終了させた。
以上のようにして窒化アルミニウム単結晶6の製造を行った製造装置1の結晶成長炉30の第2の窓部34への昇華ガスの析出の有無を確認することで、昇華ガスの漏洩の有無の判定を行った。具体的には、目視により当該第2の窓部34の白濁が確認され、且つ、エタノールを塗布した不織布で第2の窓部34を拭き、当該不織布が薄茶色となった場合に、第2の窓部34に昇華ガスが析出したと判断した。一方、目視により第2の窓部34の白濁が確認されない場合、或いは、不織布の着色が確認されない場合には、第2の窓部34に昇華ガスが析出していないと判断した。
この実施例1では、表1に示すように、第2の開口223を介した第2の空間224から外部への昇華ガスの漏洩がなかった。
なお、表1の「昇華ガスの漏洩の有無」の欄において、「○」は、第2の開口223を介した第2の空間224から外部への昇華ガスの漏洩がなかったことを示し、「×」は、昇華ガスが第2の開口223を介して第2の空間224から外部に漏洩したことを示す。
Figure 2015086115
<実施例2〜5>
実施例2〜5では、第2の空間224の高さhをそれぞれ25[mm],30[mm],35[mm],40[mm]としたことを除いて、実施例1と同様の条件で窒化アルミニウム単結晶を製造し、当該製造装置1の第2の窓部34への昇華ガスの析出の有無を確認することで、昇華ガスの漏洩の有無の判定を行った。表1に示すように、実施例2〜5においても、第2の開口223を介した第2の空間224から外部への昇華ガスの漏洩がなかった
<比較例1〜3>
比較例1〜3では、第2の空間224の高さhをそれぞれ5[mm],10[mm],15[mm]としたことを除いて、実施例1と同様の条件で窒化アルミニウム単結晶を製造し、当該製造装置1の第2の窓部34への昇華ガスの析出の有無を確認することで、昇華ガスの漏洩の有無の判定を行った。表1に示すように、この比較例1〜3では、昇華ガスが第2の開口223を介して第2の空間224から外部に漏洩していた。
以上のように、第2の空間224の高さhを20[mm]以上とした実施例1〜5では、第2の空間224から外部への昇華ガスの漏洩を抑制することができた。これに対し、第2の空間224の高さhを20[mm]未満とした比較例1〜3では、昇華ガスが第2の空間224から外部に漏洩した。
1…単結晶製造装置
2…原料
5…種結晶
6…窒化アルミニウム単結晶
10…坩堝
11…容器本体
12…蓋体
20…断熱材
21…第1の断熱材
211…第1の筒部
212…第1の底部
213…開口
214…第1の蓋部
215…第1の開口
216…第1の空間
22…第2の断熱材
221…第2の筒部
222…第2の蓋部
223…第2の開口
224…第2の空間
30…結晶成長炉
33,34…窓部
40…ガス供給装置
50…減圧装置
60…誘導コイル
71,72…温度計

Claims (3)

  1. 昇華再結晶法によって単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
    原料を収容する容器本体と、前記容器本体の上部開口を覆うと共に前記原料に対向するように種結晶を保持する蓋体と、を有する坩堝と、
    前記坩堝を覆うと共に、第1の開口を有する第1の断熱材と、
    前記第1の断熱材の上部に設けられていると共に、第2の開口を有する第2の断熱材と、
    前記坩堝、前記第1の断熱材、及び前記第2の断熱材を収容すると共に、温度計測用の窓部を有する結晶成長炉と、
    前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記第1の開口、前記第2の開口、及び前記窓部を介して、前記坩堝の温度を計測する温度計測手段と、を備えており、
    前記蓋体と前記第1の断熱材との間に第1の空間が形成され、
    前記第1の断熱材と前記第2の断熱材との間に第2の空間が形成されていることを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 請求項1に記載の単結晶製造装置であって、
    前記第2の空間の高さは、20[mm]以上であることを特徴とする単結晶製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載の単結晶製造装置であって、
    前記第2の断熱材は、
    前記第1の断熱材の上部から上方に向かって延在する円筒形状の筒部と、
    前記筒部の上端に設けられ、前記第2の開口が形成された蓋部と、を有することを特徴とする単結晶製造装置。
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