JP2015085292A - 臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物の活動によって生成する硫化水素やメチルメルカプタン等に由来する臭気を長期間にわたって抑制することが可能で、比較的毒性が低く、かつ安価な臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物を提供する。
【解決手段】臭気発生物質に、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に添加することによって、臭気発生物質から発生する臭気を抑制する。
【選択図】なし

Description

本発明は、臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、例えば、下水処理場の脱水ケーキ等から微生物の活動によって発生する硫化水素やメチルメルカプタン等に由来する臭気を長期間にわたって抑制することが可能で、比較的毒性が低く、かつ安価な臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物に関する。
下水処理場、し尿処理場、食品工場、紙パルプ工場等において、脱水ケーキ等から発生する硫化水素やメチルメルカプタン等に由来する臭気を抑制する方法として、下水処理場で発生した汚泥を濃縮したのち、この濃縮汚泥スラリーに過酸化物を除く酸化剤と、所定量の亜硝酸塩とを併用して添加し、さらに脱水機により脱水する脱臭(臭気の抑制)方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3674939号公報
上述の特許文献1に記載された脱水ケーキの脱臭方法は、開放系に保管される脱水ケーキを含めた下水処理工程全般における脱臭手段として、消臭能力の高い亜硝酸塩を有効に利用したもので、一定の脱臭効果を発揮するものであるが、亜硝酸塩が残留して環境問題となったり、発がん性物質の原因物質となる等、比較的毒性が高いという問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みて、なされたもので、微生物の活動によって生成する硫化水素やメチルメルカプタン等に由来する臭気を長期間にわたって抑制することが可能で、比較的毒性が低く、かつ安価な臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、工業生産量が大きく安価に入手可能で、亜硝酸塩よりも環境毒性等の低い硝酸または硝酸塩と、所定の殺菌剤とを、臭気発生物質に添加することによって、臭気発生物質から生成される硫化水素やメチルメルカプタン等に由来する臭気を長期間にわたって抑制することが可能なことを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明によれば、以下の臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物が提供される。
[1]臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気発生物質の臭気抑制方法であって、臭気発生物質に、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に添加することを特徴とする臭気発生物質の臭気抑制方法。
[2]前記臭気発生物質は、下水処理場における以下の(1)〜(4)のいずれかである前記[1]に記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ
[3]前記臭気発生物質から発生する臭気は、硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気である前記[1]又は[2]に記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
[4]前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中に、一括して同時に添加される前記[1]〜[3]のいずれかに記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
[5]臭気発生物質中に添加されて、その臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気抑制用組成物であって、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に含有させることを特徴とする臭気抑制用組成物。
[6]前記臭気発生物質は、下水処理場における以下の(1)〜(4)のいずれかである前記[5]に記載の臭気抑制用組成物。
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ
[7]前記臭気発生物質から発生する臭気は、硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気である前記[5]又は[6]に記載の臭気抑制用組成物。
本発明によって、微生物の活動によって生成する硫化水素やメチルメルカプタン等に由来する臭気を長期間にわたって抑制することが可能で、比較的毒性が低く、かつ安価な臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物が提供される。
1.臭気発生物質の臭気抑制方法
本実施の形態の臭気発生物質の臭気抑制方法は、臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気発生物質の臭気抑制方法であって、臭気発生物質に、硝酸又はその塩(以下、硝酸系物質ということがある)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(以下、殺菌剤系物質ということがある)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に添加することを特徴とするものである。以下、構成要素ごとに説明する。
(1−1:臭気発生物質)
以下に、本発明が適用される臭気発生物質について、下水処理の工程の一例を用いて説明する。処理すべき下水の原水は、最初沈殿池で初沈生汚泥として分離された後、汚泥濃縮槽で濃縮される(ここでの初沈生汚泥及び濃縮物が臭気発生物質となる)。最初沈殿池の上澄水は、必要に応じて凝集剤を添加したのち曝気槽へ送られ、活性汚泥法により微生物的処理が行われる。曝気槽の処理水は、必要に応じて凝集剤を添加した後、最終沈殿池で汚泥として分離された後、汚泥濃縮槽で濃縮される(ここでの汚泥及び濃縮物が臭気発生物質となる)。分離された汚泥及び汚泥濃縮槽で濃縮された汚泥は、最初沈澱池で発生するものと最終沈澱池で発生するものとを別個に(上述のように、最初沈澱池及び最終沈澱池での汚泥及び濃縮物が臭気発生物質となる)又はその混合物(この混合物が臭気発生物質となる)として、汚泥貯留槽に送られ、脱水機により脱水され、脱水ケーキ(この脱水ケーキが臭気発生物質となる)として搬出される。
すなわち、本発明が適用される臭気発生物質としては、例えば、下水処理場の処理工程等において発生する以下の(1)〜(4)のいずれかを挙げることができる。
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ
(1−2:臭気)
上述の臭気発生物質から発生する臭気としては、例えば、微生物の活動によって生成する硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気を挙げることができる。これらの臭気が、環境や人間生活に及ぼす影響が大きいため、臭気の抑制が必要となる。特に、脱水ケーキは、開放系で運搬、保管される場合が多いので、その臭気の抑制が重要となる。
(1−3:添加物質)
本実施の形態の臭気発生物質の臭気抑制方法において、臭気発生物質から発生する臭気を抑制するために用いられる、臭気発生物質に添加される物質は、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)である。
このように、硝酸系物質と殺菌剤系物質との組み合わせが臭気発生物質から発生する臭気の抑制に効果的であるメカニズムについては、必ずしも定かではないが、臭気発生物質に添加された硝酸系物質が硝酸還元菌の「硝酸還元」作用によって、硝酸から亜硝酸に還元されて、その亜硝酸の臭気の抑制(脱臭)作用によって、例えば、硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気の抑制が実現されるとともに、亜硝酸還元菌の「脱窒」作用の次段階への進行、すなわち亜硝酸から窒素への還元反応の進行が殺菌剤系物質によって適度に抑えられて、臭気の抑制が長時間維持されるものと推定される。
(1−3−1:硝酸系物質)
硝酸系物質のうち、硝酸は、例えば、廃酸として安価に入手可能なものを好適に用いることができるが、特に制限はない。硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸第1鉄、硝酸第2鉄、硝酸アンモニウム、硝酸亜鉛、硝酸グアニジニウムを挙げることができる。中でも、硝酸ナトリウム及び硝酸カルシウムが好ましい。
添加時期としては、特に制限はなく、例えば、後述する殺菌剤系物質と一括して同時に添加してもよく、別々に添加してもよい。中でも、後述する殺菌剤系物質と一括して同時に添加することが添加のための労力の面から好ましい。
添加量は、臭気発生物質中における硝酸系物質の濃度が、通常、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、臭気発生物質中に添加され、硝酸イオン濃度として100〜500mg/Lとなるように添加されることが好ましい。1000mg/Lを超えると、費用が大になりすぎ、50mg/L未満であると、十分な臭気発生の抑制効果が得られない。
添加方法としては、特に制限はないが、例えば、水溶液としてポンプを用いて添加することを挙げることができる。
(1−3−2:殺菌剤系物質)
殺菌剤系物質は、上述のように、イミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つであるが、具体的に、イミダゾールの塩としては、例えば、イミダゾール塩酸塩、イミダゾール硫酸塩、イミダゾールリン酸塩等を挙げることができ、ヒドロキシルアミンの塩としては、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、リン酸ヒドロキシルアミン等を挙げることができ、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムの塩としては、例えば、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェイト、塩化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド等を挙げることができる。中でも、塩酸塩が好ましい。
添加時期としては、特に制限はなく、上述の硝酸系物質と一括して同時に添加してもよく、別々に添加してもよい。中でも、硝酸系物質との混合水溶液とすることが添加の容易さの面から好ましい。
添加量は、臭気発生物質中における殺菌剤系物質の濃度が、通常、5〜300mg/Lとなるように、臭気発生物質中に添加され、7.5〜200mg/Lとなるように添加されることが好ましい。300mg/Lを超えると、費用が大になりすぎ、5mg/L未満であると、十分な臭気発生の抑制効果が得られない。
添加方法としては、特に制限はないが、例えば、硝酸系物質との混合水溶液としてポンプを用いて添加することを挙げることができる。
2.臭気抑制用組成物
本実施の形態の臭気抑制用組成物は、臭気発生物質中に添加されて、その臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気抑制用組成物であって、硝酸又はその塩(以下、硝酸系物質ということがある)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩(以下、殺菌剤系物質ということがある)からなる群から選ばれる少なくとも1つを、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に含有させることを特徴とするものである。
本実施の形態の臭気抑制用組成物で用いられる臭気発生物質及び臭気、並びに本実施の形態の臭気抑制用組成物を構成する硝酸系物質及び殺菌剤系物質としては、上述の臭気発生物質の臭気抑制方法で用いられるものと同様のものを用いることができる。
ただし、硝酸系物質の含有量は、臭気発生物質中における硝酸系物質の濃度が、通常、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように臭気発生物質中に含有され、硝酸イオン濃度として100〜500mg/Lとなるように含有されることが好ましい。1000mg/Lを超えると、費用が大になりすぎ、50mg/L未満であると、十分な臭気発生の抑制効果が得られない。
また、殺菌剤系物質の含有量は、臭気発生物質中における殺菌剤系物質の濃度が、通常、5〜300mg/Lとなるように、臭気発生物質中に含有され、7.5〜200mg/Lとなるように含有されることが好ましい。300mg/Lを超えると、費用が大になりすぎ、5mg/L未満であると、十分な臭気発生の抑制効果が得られない。
含有させる方法としては、特に制限はないが、例えば、水溶液とすることを挙げることができる。
本実施の形態の臭気抑制用組成物には、上述の硝酸系物質及び殺菌剤系物質に加えて、例えば、酸性物質を、殺菌剤系物質の保存性の観点から、含有させることができる。
以下に、本発明の臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物を、実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって、いかなる制限を受けるものではない。
(実施例1)
容量500mLの蓋つきのポリプロピレン製の容器に、下水処理場より採取した最初沈澱池汚泥(SS濃度=12,000mg/L)と余剰汚泥(SS=10,000mg/L)とを等量混合した混合汚泥を200mL添加した後に、硝酸系物質として、硝酸ナトリウム(以下、硝酸Naということがある)を添加濃度が300mg/Lとなるように、また、殺菌剤系物質として、イミダゾールを添加濃度が50mg/Lとなるように、それぞれ一括して同時に添加し、密封して20℃で静置した。24時間又は48時間後、容器を開封して、直ちに、ガステック社製の検知管を用いて容器内の気相中の硫化水素濃度を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1中、THPSは、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェイトを、表す。
Figure 2015085292
(実施例2〜4)
殺菌剤系物質の種類と添加濃度を表1に示すものに変えたこと以外は、実施例1と同様にした。硫化水素濃度を測定した結果を表1に示す。
(比較例1〜6)
殺菌剤系物質の種類と添加濃度を表1に示すものに変えたこと以外は、実施例1と同様にした。硫化水素濃度を測定した結果を表1に示す。
表1に示す測定結果から、以下のことが分かる。すなわち、実施例1〜4の硝酸Na濃度が300mg/Lの場合、殺菌剤系物質を含有せずに硝酸Naだけを含有する場合(比較例6)では、24時間という短期間のうちに硫化水素が発生した。これに対して、実施例1〜4のイミダゾール、2−ブロモ−2−ニトロ_プロパン−1,3−ジオール、塩酸ヒドロキシルアミン、THPSを添加した場合には、48時間以上の長期間にわたって硫化水素の発生が完全に抑えられたことが分かる。しかし、比較例1の硝酸系物質及び殺菌剤系物質のいずれをも含有しない場合、比較例2〜5の硝酸Naを含有せずに殺菌剤系物質だけを含有する場合、比較例7〜10の硝酸Na又は殺菌剤系物質のいずれかが規定量未満である場合、顕著な硫化水素発生の抑制は認められなかった。また、実施例1〜4と比較して、対応する硝酸Na又は殺菌剤系物質濃度のいずれかが低い実施例5〜12では、48時間後には硫化水素の発生が認められたものの、24時間では硫化水素の発生が認められず、比較例1〜10(硝酸Na又は/及び殺菌剤系物質の濃度が規定量未満である場合)と比較して顕著に硫化水素の発生が抑制されていることがわかる。
本発明は、下水処理場、し尿処理場や、食品工場、紙パルプ工場等の有機物を含有する産業排水の処理に、有効に利用される。

Claims (7)

  1. 臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気発生物質の臭気抑制方法であって、
    臭気発生物質に、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に添加することを特徴とする臭気発生物質の臭気抑制方法。
  2. 前記臭気発生物質は、下水処理場における以下の(1)〜(4)のいずれかである請求項1に記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
    (1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
    (2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
    (3)(1)及び(2)の混合物
    (4)脱水ケーキ
  3. 前記臭気発生物質から発生する臭気は、硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気である請求項1又は2に記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
  4. 前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中に、一括して同時に添加される請求項1〜3のいずれかに記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
  5. 臭気発生物質中に添加されて、その臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気抑制用組成物であって、
    硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に含有させることを特徴とする臭気抑制用組成物。
  6. 前記臭気発生物質は、下水処理場における以下の(1)〜(4)のいずれかである請求項5に記載の臭気抑制用組成物。
    (1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
    (2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
    (3)(1)及び(2)の混合物
    (4)脱水ケーキ
  7. 前記臭気発生物質から発生する臭気は、硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気である請求項5又は6に記載の臭気抑制用組成物。
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