JP2015085292A - 臭気発生物質の臭気抑制方法及び臭気抑制用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】臭気発生物質に、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に添加することによって、臭気発生物質から発生する臭気を抑制する。
【選択図】なし
Description
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ
本実施の形態の臭気発生物質の臭気抑制方法は、臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気発生物質の臭気抑制方法であって、臭気発生物質に、硝酸又はその塩(以下、硝酸系物質ということがある)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(以下、殺菌剤系物質ということがある)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に添加することを特徴とするものである。以下、構成要素ごとに説明する。
以下に、本発明が適用される臭気発生物質について、下水処理の工程の一例を用いて説明する。処理すべき下水の原水は、最初沈殿池で初沈生汚泥として分離された後、汚泥濃縮槽で濃縮される(ここでの初沈生汚泥及び濃縮物が臭気発生物質となる)。最初沈殿池の上澄水は、必要に応じて凝集剤を添加したのち曝気槽へ送られ、活性汚泥法により微生物的処理が行われる。曝気槽の処理水は、必要に応じて凝集剤を添加した後、最終沈殿池で汚泥として分離された後、汚泥濃縮槽で濃縮される(ここでの汚泥及び濃縮物が臭気発生物質となる)。分離された汚泥及び汚泥濃縮槽で濃縮された汚泥は、最初沈澱池で発生するものと最終沈澱池で発生するものとを別個に(上述のように、最初沈澱池及び最終沈澱池での汚泥及び濃縮物が臭気発生物質となる)又はその混合物(この混合物が臭気発生物質となる)として、汚泥貯留槽に送られ、脱水機により脱水され、脱水ケーキ(この脱水ケーキが臭気発生物質となる)として搬出される。
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ
上述の臭気発生物質から発生する臭気としては、例えば、微生物の活動によって生成する硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気を挙げることができる。これらの臭気が、環境や人間生活に及ぼす影響が大きいため、臭気の抑制が必要となる。特に、脱水ケーキは、開放系で運搬、保管される場合が多いので、その臭気の抑制が重要となる。
本実施の形態の臭気発生物質の臭気抑制方法において、臭気発生物質から発生する臭気を抑制するために用いられる、臭気発生物質に添加される物質は、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)である。
硝酸系物質のうち、硝酸は、例えば、廃酸として安価に入手可能なものを好適に用いることができるが、特に制限はない。硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸第1鉄、硝酸第2鉄、硝酸アンモニウム、硝酸亜鉛、硝酸グアニジニウムを挙げることができる。中でも、硝酸ナトリウム及び硝酸カルシウムが好ましい。
殺菌剤系物質は、上述のように、イミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つであるが、具体的に、イミダゾールの塩としては、例えば、イミダゾール塩酸塩、イミダゾール硫酸塩、イミダゾールリン酸塩等を挙げることができ、ヒドロキシルアミンの塩としては、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、リン酸ヒドロキシルアミン等を挙げることができ、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムの塩としては、例えば、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェイト、塩化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド等を挙げることができる。中でも、塩酸塩が好ましい。
本実施の形態の臭気抑制用組成物は、臭気発生物質中に添加されて、その臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気抑制用組成物であって、硝酸又はその塩(以下、硝酸系物質ということがある)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩(以下、殺菌剤系物質ということがある)からなる群から選ばれる少なくとも1つを、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に含有させることを特徴とするものである。
容量500mLの蓋つきのポリプロピレン製の容器に、下水処理場より採取した最初沈澱池汚泥(SS濃度=12,000mg/L)と余剰汚泥(SS=10,000mg/L)とを等量混合した混合汚泥を200mL添加した後に、硝酸系物質として、硝酸ナトリウム(以下、硝酸Naということがある)を添加濃度が300mg/Lとなるように、また、殺菌剤系物質として、イミダゾールを添加濃度が50mg/Lとなるように、それぞれ一括して同時に添加し、密封して20℃で静置した。24時間又は48時間後、容器を開封して、直ちに、ガステック社製の検知管を用いて容器内の気相中の硫化水素濃度を測定した。その結果を表1に示す。
殺菌剤系物質の種類と添加濃度を表1に示すものに変えたこと以外は、実施例1と同様にした。硫化水素濃度を測定した結果を表1に示す。
殺菌剤系物質の種類と添加濃度を表1に示すものに変えたこと以外は、実施例1と同様にした。硫化水素濃度を測定した結果を表1に示す。
Claims (7)
- 臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気発生物質の臭気抑制方法であって、
臭気発生物質に、硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に添加することを特徴とする臭気発生物質の臭気抑制方法。 - 前記臭気発生物質は、下水処理場における以下の(1)〜(4)のいずれかである請求項1に記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ - 前記臭気発生物質から発生する臭気は、硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気である請求項1又は2に記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
- 前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中に、一括して同時に添加される請求項1〜3のいずれかに記載の臭気発生物質の臭気抑制方法。
- 臭気発生物質中に添加されて、その臭気発生物質から発生する臭気を抑制する臭気抑制用組成物であって、
硝酸又はその塩(硝酸系物質)、並びにイミダゾール又はその塩、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、ヒドロキシルアミン又はその塩、及びテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ(殺菌剤系物質)を、前記硝酸系物質及び前記殺菌剤系物質は、前記臭気発生物質中における前記硝酸系物質の濃度が、硝酸イオン濃度として50〜1000mg/Lとなるように、また、前記臭気発生物質中における前記殺菌剤系物質の濃度が、5〜300mg/Lとなるように、前記臭気発生物質中に含有させることを特徴とする臭気抑制用組成物。 - 前記臭気発生物質は、下水処理場における以下の(1)〜(4)のいずれかである請求項5に記載の臭気抑制用組成物。
(1)最初沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(2)最終沈澱池で発生する汚泥及びその濃縮物
(3)(1)及び(2)の混合物
(4)脱水ケーキ - 前記臭気発生物質から発生する臭気は、硫化水素又はメチルメルカプタン由来の臭気である請求項5又は6に記載の臭気抑制用組成物。
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