JP2015084083A - 湿式現像装置および湿式画像形成装置 - Google Patents

湿式現像装置および湿式画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】現像後に現像剤担持体上に残留したに含まれるトナー粒子が除去部に堆積することを抑制することができる湿式現像装置を提供する。【解決手段】湿式現像装置4は、帯電したトナー粒子とキャリア液とを含む湿式現像剤12を担持して、静電潜像が形成された像担持体1に湿式現像剤12を供給する現像剤担持体9と、湿式現像剤12を像担持体1に供給した後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子を除電する除電部19と、除電部19によって除電された湿式現像剤12に含まれるトナー粒子に作用してトナー粒子をキャリア液中に分散させる分散部20と、分散部20によって分散されたトナー粒子を含む湿式現像剤12を現像剤担持体9から除去する除去部18とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、トナー粒子とキャリア液とを含む湿式現像剤を用いる湿式現像装置およびこれを具備する湿式画像形成装置に関する。
近年、オンデマンドに高画質な印刷を行なうことができる湿式電子写真方式を用いた湿式画像形成装置が種々提案されている。湿式電子写真方式では、キャリア液とトナー粒子とを含む液体トナー(湿式湿式現像剤)を用いて画像形成を行なう。
この種の湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置においては、現像剤担持体に担持された湿式現像剤を静電潜像が形成された像担持体に供給することにより、静電潜像を現像する。現像後においては、次の現像に向けて、現像剤担持体上に残留した湿式現像剤をクリーニングブレード等の除去部によって現像剤担持体の表面から除去する。
現像剤担持体上に残留した湿式現像剤を除去する構成を有する湿式現像装置が開示された文献として、たとえば特開2006−30719号公報(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1に開示の湿式現像装置は、湿式現像剤を担持して像担持体上に形成された潜像を現像するための現像剤担持体と、当該現像剤担持体上に現像後に残留する湿式現像剤を除去するための除去部と、当該除去部の上流側に配置され現像剤担持体上に残留する湿式現像剤に含まれるトナー粒子の凝集力を弱める除去補助手段とを備える。
このような構成とすることにより、現像後に残留した湿式現像剤に含まれるトナー粒子が、除去部としてのクリーニングブレードと現像剤担持体との間に挟まることを抑制することができ、現像剤担持体表面を傷つけることなく湿式現像剤を除去することができる。
また、現像剤担持体から湿式現像剤を除去する構成ではないが、静電潜像が湿式現像剤によって現像されることによって形成されたトナー像が転写部材に転写された後に、次の転写に向けて、転写後に残留した湿式現像剤を像担持体から除去する構成を有する湿式画像形成装置が開示された文献として、たとえば特開2005−121816号公報(特許文献2)が挙げられる。
特許文献2に開示の湿式画像形成装置は、トナー粒子とキャリア液を含む湿式現像剤が供給されることによって形成されたトナー像を担持しながら当該トナー像を転写位置まで搬送する像担持体と、当該転写位置の下流側に配置され、転写後に残留した像担持体上の湿式現像剤を像担持体から除去する除去部と、転写位置と除去部による除去位置との間に配置され、像担持体上の湿式現像剤に含まれるトナー粒子を分散させる分散部とを備える。
このような構成とすることにより、像担持体に残留した湿式現像剤に含まれるトナー粒子が当該像担持体上に固着することが抑制でき、転写後のトナー粒子が画像に悪影響を及ぼして画質が劣化することを抑制できる。
特開2006−30719号公報 特開2005−121816号公報
ここで、特許文献1に開示の湿式現像装置にあっては、現像剤担持体上に残留した湿式現像剤を除去部によって除去する前に、除去補助手段がトナー層を除電する場合、交流電界を形成する場合、およびトナー層に機械的に外力を付与する場合が記載されている。
除去部によってトナー粒子を除去する前に除去補助手段によって現像剤担持体上のトナー層を除電するだけでは、トナー層の荷電分布が二層状態となり、トナー層に対する現像剤担持体の静電気的な拘束力を解消することができない。
また、除電に代えて除去補助手段によって交流電界を発生させる場合も、これだけでは、トナー層に対する現像剤担持体の静電気的な拘束力を十分に解消することはできない。
さらに、除電および交流電界の発生に代えて除去補助手段によって機械的に外力をトナー粒子に付与する場合にあっても、これだけでは、トナー層に対する現像剤担持体の静電気的な拘束力を解消することができない。
このため、いずれの場合においても一旦、現像剤担持体から離間したトナー粒子の一部は、除去部によって除去されるまでの間に静電気力によって再度、現像剤担持体の表面に付着してしまう。
したがって、特許文献1に開示の湿式現像装置にあっては、静電気的な拘束力を十分に解消することができないことにより、トナー粒子を湿式現像剤内で十分に分散させることができず、除去部にトナー粒子が堆積することが懸念される。
特許文献2においては、像担持体上に残留する湿式現像剤を除去する構成が開示されているが、像担持体とは異なる現像剤担持体の除去部に対して当該構成を取り出して直ちに適用させることは困難である。
仮に当該構成を現像剤担持体の除去部に適用した場合であっても、分散部によって交流電界を発生するのみでは、トナー層に対する現像剤担持体の静電気的な拘束力を十分に解消することはできない。また、トナー層が有する電荷が十分にキャンセルされていない状態で交流電界を発生させることにより、分散部にトナー粒子が付着してしまい、この結果、十分な分散効果が得られなくなる。
このように、特許文献2に開示の像担持体上の湿式現像剤を除去する構成を現像剤担持体上の湿式現像剤を除去する構成に適用させることができた場合においても、トナー層に対する現像剤担持体の静電気的な拘束力を十分に解消することができず、除去部にトナー粒子が堆積することが懸念される。
以上のように湿式現像装置においては、除去部としてクリーニングブレードを用いて現像剤担持体から現像後に残留した湿式現像剤を除去する際に、クリーニングブレードが現像剤担持体に当接する当接部にトナー粒子が堆積する場合がある。
トナー粒子の堆積は、現像剤担持体に残留する湿式現像剤のうち現像剤担持体の表面近傍に位置する湿式現像剤の粘度と、現像剤担持体の表面から離れて位置する湿式現像剤の粘度とが異なることによって生じる。
具体的には、現像剤担持体の表面近傍に位置する湿式現像剤では、トナー粒子が凝集することによって現像剤担持体の表面近傍に層状態で偏在しているため、湿式現像剤のトナー濃度が非常に高くなる。これにより、現像剤担持体の表面近傍に位置する湿式現像剤の粘度が非常に高くなる。
一方、現像剤担持体の表面から離れて位置する湿式現像剤では、キャリア液が多く含まれることにより、湿式現像剤のトナー濃度が低くなる。これにより、現像剤担持体の表面から離れて位置する湿式現像剤の粘度は低くなる。
粘度の低い湿式現像剤は、粘度の高い湿式現像剤の上を流れて排出される。一方、粘度の高い湿式現像剤は、クリーニングブレードの当接部に粘度の高い湿式現像剤が滞留することとなり、この結果、トナー粒子がクリーニングブレードに堆積する。
一旦、トナー粒子が堆積すると現像剤担持体によって連続的に湿式現像剤が搬送されることにより、トナー粒子がさらに堆積して、これらを現像剤回収槽にて回収できなくなる。
除去部によって除去されて現像剤回収槽に回収された湿式現像剤は、コスト削減の観点から再度、現像剤槽に搬送して繰り返し現像に使用することが望ましい。しかしながら、トナー粒子が堆積した場合にはトナー粒子の回収が困難となり、メンテナンス時に堆積したトナー粒子を廃棄する必要が生じる。これにより、廃棄するトナー粒子の量が増えてしまい、効率よくトナー粒子を再利用できなくなるという問題が起こる。
また、繰り返し現像を行なうことによってトナー粒子が過剰に堆積した場合には、トナー粒子の堆積が、除去部周辺の汚染につながり、メンテナンス性の悪化や画像ノイズの原因ともなっていた。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、現像後に現像剤担持体上に残留した湿式現像剤に含まれるトナー粒子が除去部に堆積することを抑制することができる湿式現像装置およびこれを具備する湿式画像形成装置を提供することにある。
本発明に基づく湿式現像装置は、帯電したトナー粒子とキャリア液とを含む湿式現像剤を担持して、静電潜像が形成された像担持体に上記湿式現像剤を供給する現像剤担持体と、上記湿式現像剤を上記像担持体に供給した後に上記現像剤担持体上に残留した上記湿式現像剤に含まれる上記トナー粒子を除電する除電部と、上記除電部によって除電された上記湿式現像剤に含まれる上記トナー粒子に作用して上記トナー粒子を上記キャリア液中に分散させる分散部と、上記分散部によって分散された上記トナー粒子を含む上記湿式現像剤を上記現像剤担持体から除去する除去部とを備える。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記除電部が、上記現像剤担持体の表面に吸着した複数の上記トナー粒子によって形成されるトナー層の表面電位の極性が上記トナー粒子の正規帯電極性と反対の極性となるように除電することが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置は、上記現像剤担持体が上記湿式現像剤を上記像担持体に供給する前に上記トナー粒子を帯電させる帯電部をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記除電部による上記トナー粒子の除電量が、上記帯電部によって帯電された上記トナー粒子の帯電量以下であることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記分散部が、上記現像剤担持体との間に交流バイアスが印加されるように上記現像剤担持体と対向して配置される導電性部材を含むことが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記導電性部材が、上記除電部によって除電された上記湿式現像剤に接触するように配置されることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記導電性部材と上記現像剤担持体との間に印加される交流バイアスの平均電位が、上記現像剤担持体と同電位であることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記導電性部材が、上記除電部によって除電された上記湿式現像剤に接触しないように当該湿式現像剤から離間して配置されることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記導電性部材と上記現像剤担持体との間に印加される交流バイアスの平均電位が、上記現像剤担持体側から上記導電性部材側に上記トナー粒子を引き付ける方向の電位であることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記分散部が、上記除電部によって除電された上記湿式現像剤に含まれる上記トナー粒子に超音波振動を付与する振動付与部材を含むことが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記分散部が、上記現像剤担持体に摺接することにより上記除電部によって除電された上記湿式現像剤に含まれる上記トナー粒子を拡散させるブラシ部材を含むことが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記現像剤担持体の回転方向において、上記分散部の下流側であって、上記除去部の上流側に上記現像剤担持体上の表面電位を測定する表面電位測定手段と、上記除電部の除電量を制御する制御手段とをさらに備え、上記制御手段は、上記表面電位測定手段により測定した上記現像剤担持体上の表面電位に基づいて、上記除電部の除電量を制御することが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記現像剤担持体に現像バイアスを印加する手段を有し、上記制御手段は、上記現像剤担持体上の表面電位の値を現像バイアスに近づけるように上記除電部の除電量を制御することが好ましい。
上記本発明に基づく湿式現像装置にあっては、上記制御手段は、上記除電部の除電量の制御を、スタートシーケンスにおいて実行することが好ましい。
本発明に基づく湿式画像形成装置は、上述のいずれかに記載の湿式現像装置と、上記静電潜像が上記湿式現像剤によって現像されることにより上記像担持体上に形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写部とを備えることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置にあっては、上記除電部の除電量の制御を行なうパッチ画像を上記像担持体上に形成し、上記制御手段は、上記パッチ画像の上記像担持体への現像後の上記現像剤担持体上の表面電位に基づいて上記除電部の除電量を制御することが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置にあっては、上記パッチ画像は、複数の上記トナー画像の間の領域に形成されていることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置にあっては、上記パッチ画像は、上記トナー画像の範囲外の領域に形成されていることが好ましい。
上記本発明に基づく湿式画像形成装置にあっては、上記パッチ画像は、ドットハーフパターンであることが好ましい。
本発明によれば、現像後に現像剤担持体上に残留した湿式現像剤に含まれるトナー粒子が除去部に堆積することを抑制することができる湿式現像装置およびこれを具備する湿式画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る湿式画像形成装置の全体構成を示す模式図である。 図1に示す湿式現像装置において現像後の湿式現像剤に含まれるトナー粒子の状態を示す模式図である。 図1に示す湿式現像装置において除電部によって除電された後の湿式現像剤に含まれるトナー粒子の状態を示す模式図である。 図1に示す湿式現像装置において分散部によって分散された後の湿式現像剤に含まれるトナー粒子の状態を示す模式図である。 図1に示す湿式現像装置において除去部によって分散後の湿式現像剤を除去する様子を示す模式図である。 図1に示す除電部によるトナー粒子の除電量と除電後のトナー層の表面電位との関係を示す図である。 図1に示す除電部によるトナー粒子の除電量と除去部に堆積するトナー粒子の堆積量との関係を示す図である。 変形例1に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す模式図である。 変形例2に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す模式図である。 変形例3に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す図である。 図13に示す除電部によるトナー粒子の除電量と除電後のトナー層の表面電位との関係を示す図である。 図13に示す除電部によるトナー粒子の除電量と除去部に堆積するトナー粒子の堆積量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る湿式画像形成装置における画像形成のフローを示す図である。 本発明の実施の形態5に係る湿式画像形成装置における画像形成のフローを示す図である。 本発明の実施の形態5に係る湿式画像形成装置における画像形成の変形例におけるフローを示す図である。 感光体ドラムに現像されるトナー画像によって最適な除電量は変化することを説明するための第1模式断面図である。 感光体ドラムに現像されるトナー画像によって最適な除電量は変化することを説明するための第2模式断面図である。 感光体ドラムに現像されるトナー画像によって最適な除電量は変化することを説明するための第3模式断面図である。 本発明の効果を検証するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態および変形例について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態および変形例においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
(湿式画像形成装置の全体構成および動作)
図1は、本実施の形態に係る湿式画像形成装置の全体構成を示す図である。図1を参照して、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100の全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100は、像担持体としての感光体ドラム1と、帯電装置2と、露光装置3と、湿式現像装置4と、転写部としての中間転写部材5および2次転写部材6と、像担持体クリーニング装置7と、中間転写部材クリーニング装置8とを備える。
感光体ドラム1は、表面に感光体層(不図示)が形成された円筒形状である。感光体ドラム1は、図1中の矢印A方向に回転駆動する。感光体ドラム1の外周には、帯電装置2、露光装置3、湿式現像装置4、中間転写部材5、像担持体クリーニング装置7が、感光体ドラム1の回転方向(A方向)に沿って順次配置されている。
帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を所定電位に帯電させる。露光装置3は、感光体ドラム1の表面に光を照射し照射領域内の帯電レベルを低下させて静電潜像を形成する。湿式現像装置4は、感光体ドラム1上に形成された静電潜像を現像する。具体的には、感光体ドラム1の現像領域へ湿式現像剤を搬送し、当該湿式現像剤に含まれるトナー粒子を感光体ドラム1の表面の静電潜像に供給してトナー像を形成する。
現像プロセスにおいては、後述する湿式現像装置4の現像剤担持体9に電源(不図示)から現像バイアス電圧が印加される。感光体ドラム1上の静電潜像の電位と現像剤担持体9の電位とのバランスで生じた電界に従って湿式現像剤中のトナー粒子が感光体ドラム1の静電潜像部分に静電吸着され、感光体ドラム1上の静電潜像が現像される。
中間転写部材5は、感光体ドラム1と対向するように配置されており、感光体ドラム1と接触しながら図中の矢印B方向に回転する。中間転写部材5と感光体ドラム1とのニップ部で、感光体ドラム1から中間転写部材5への一次転写が行なわれる。
一次転写プロセスにおいては、中間転写部材5に電源(不図示)から転写バイアス電圧が印加される。これにより、一次転写位置における中間転写部材5と感光体ドラム1との間に電界が形成され、感光体ドラム1上のトナー像が、中間転写部材5に静電吸着される。この結果、感光体ドラム1上のトナー像が、中間転写部材5上に転写される。
感光体ドラム1上のトナー像が中間転写部材5に転写されると、像担持体クリーニング装置7が感光体ドラム1上の残存トナー像を除去し、次の画像形成が行なわれる。必要に応じて、像担持体クリーニング装置7と帯電装置2との間にはイレーサーランプ10が設置される。
中間転写部材5と2次転写部材6とは、記録材としての記録媒体11を挟んで対向するように配置されており、記録媒体11を介して接触回転する。中間転写部材5と2次転写部材6とのニップ部で、中間転写部材5から記録媒体11への二次転写が行なわれる。記録媒体11は、二次転写のタイミングに合わせて二次転写位置へ図中の矢印C方向に搬送される。
二次転写プロセスにおいては、2次転写部材6に、電源(不図示)から転写バイアス電圧が印加される。これにより、中間転写部材5と2次転写部材6との間に電界が形成され、中間転写部材5と2次転写部材6との間を通過させた記録媒体11上へ中間転写部材5上のトナー像が静電吸着される。この結果、中間転写部材5上のトナー像が記録媒体11上に転写される。
トナー像が記録媒体11上に転写されると、中間転写部材クリーニング装置8が中間転写部材5上の残存トナー像を除去し、次の一次転写が行なわれる。記録媒体11はその後図示しない定着装置へと搬送され、記録媒体11上のトナー粒子を加熱溶融することによりトナー粒子を記録媒体11に定着させる。
なお、図1では、感光体ドラム1と湿式現像装置4とを1組として、単色の湿式画像形成装置100を示しているが、感光体ドラム1と湿式現像装置4とを合計4組用意し、それぞれにCMYK(シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、黒(Black))の各色の画像形成をさせ、中間転写部材5上で重ね合わせる構成にしたカラーの画像形成装置に対しても本発明は適用可能である。また、中間転写部材5を省略して感光体ドラム1から直接記録媒体にトナー像を転写させる直接転写方式に対しても本発明は適用可能である。その他、従来から用いられる電子写真各プロセス技術は、画像形成装置の目的に応じて任意の構成と組み合わせることができる。
(湿式現像剤の構成)
現像に用いる湿式現像剤について説明する。湿式現像剤は、溶媒であるキャリア液体中に着色されたトナー粒子を高濃度で分散している。湿式現像剤には、分散剤、荷電制御剤などの添加剤を適宜、選んで添加してもよい。
キャリア液としては、絶縁性の溶媒が用いられる。トナー粒子は、主として樹脂と着色のための顔料または染料からなる。樹脂には、顔料または染料をその樹脂中に均一に分散させる機能と、記録媒体11に定着される際のバインダとしての機能がある。
トナー粒子としては、一般に電子写真方式の湿式現像剤に用いるものであれば、特に制限することなく使用することができる。トナー粒子用結着樹脂としては、たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、その他熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの樹脂を複数、混合して用いることも可能である。トナー粒子の着色に用いられる顔料および染料も一般に市販されているものを用いることができる。
トナー粒子の体積平均粒子径は、0.1μm以上、5μm以下の範囲が適当である。トナー粒子の平均粒子径が0.1μmを下回ると現像性が大きく低下する。一方、平均粒子径が5μmを超えるとドット、ベタを含めた画像の品質が低下する。トナー粒子の体積平均粒子径は、1μm以上2μm以下の範囲がさらに好ましい。トナー粒子の平均粒子径が1μm以上の場合には、クリーニング性がさらに良好となり、トナー粒子の平均粒子径が2μm以下の場合には、画像においてベタ部の均一性が安定する。
湿式現像剤の調製方法としては、一般に用いられる技法に基づいて調製することができる。たとえば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ローラーミルなどを用いて溶融混練して均一に分散させ、得られた分散体をたとえばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末をたとえば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナー粒子を得ることができる。得られたトナー粒子をキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段によって均一に分散させることにより湿式現像剤を得ることができる。
湿式現像剤の質量に対するトナー粒子の質量の割合は、10%以上50%以下であることが好ましい。湿式現像剤の質量に対するトナー粒子の質量の割合が10%以上である場合には、トナー粒子の沈降が生じにくく、長期保管時においてトナー粒子が経時的に高いい安定性を有し、また、所望の画像濃度を得るために必要な湿式現像剤の量を低減することができる。これにより、トナー粒子を定着させる際に多くのキャリア液を乾燥させる必要がなくなり、キャリア液から多くの蒸気が発生することを防止できる。液体現像剤の質量に対するトナー粒子の質量の割合が50%以下である場合には、液体現像剤の粘度が適切な値となり、製造時における取扱いが良好となる。
(湿式現像装置の構成および現像プロセス)
図1に示すように、湿式現像装置4は、現像剤槽13、汲み上げ部材14、供給部材16、現像剤担持体9、規制ブレード15、帯電部としてのトナー帯電装置17、除電部19、導電性ローラー20および除去部18を含む。
現像剤槽13には、上述の湿式現像剤12が貯留されている。汲み上げ部材14は、現像剤槽13内の湿式現像剤に一部が浸漬するように設けられている。また、汲み上げ部材14は、図中矢印D方向に回転する。汲み上げ部材14としては、ウレタン製またはNBR製のゴムローラー、または、表面に凹部を設けたアニロックスローラーを採用することができる。
供給部材16は、汲み上げ部材14および現像剤担持体9の両方に当接するように、汲み上げ部材14と現像剤担持体9との間に配置されている。供給部材16は、図中矢印E方向に回転する。供給部材16としては、ウレタン製またはNBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴムローラーを採用することができる。
現像剤担持体9は、感光体ドラム1および供給部材16の両方に当接するように、感光体ドラム1と供給部材16との間に配置されている。現像剤担持体9は、図中矢印F方向に回転する。現像剤担持体9の周辺においては、供給部材16、トナー帯電装置17、感光体ドラム1、除電部19、導電性ローラー20および除去部18が、現像剤担持体9の回転方向に沿ってこの順に配置されている。
なお、汲み上げ部材14、供給部材16および現像剤担持体9の相対的な回転方向は、上述の回転方向と異なっていてもよい。また、供給部材16を省略して、汲み上げ部材14が後述する供給部材16としての役割を兼ねてもよい。
トナー帯電装置17としては、コロトロン、スコロトロンおよび放電ローラー等を採用することができる。除去部18としては、クリーニングブレード等を採用することができる。
除電部19としては、DCコロトロンを採用することができる。DCコロトロンは、湿式現像剤12の表面近傍にグリッド電極を備える構成ではないため、キャリア液等によって汚染されることが少ない。これにより、現像後の湿式現像剤12を安定して除電することができる。
導電性ローラー20は、現像剤担持体9とのニップ部において、現像剤担持体9の移動方向と同一の方向に回転することが好ましい。また、導電性ローラー20の周速は、現像剤担持体9の周速と同一となることが好ましい。
導電性ローラー20としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の材料によって構成される金属ローラー、当該金属ローラーの基体の外周面を導電性の樹脂や弾性部材で被覆したローラー、さらには導電性の樹脂や弾性部材で被覆したローラーの表面に電界形成可能な程度に薄く絶縁性材料をコーティングしたローラー等の電子写真装置においてバイアス電界形成に使用される公知の各種のローラーを使用することができる。
現像を行なうに際して、まず、汲み上げ部材14が図中に示す矢印D方向に回転することによって、湿式現像剤12が汲み上げ部材14の表面に汲み上げられる。汲み上げ部材14の表面に汲み上げられた湿式現像剤は、汲み上げ部材14に当接して設けられた規制ブレード15によって一定の膜厚に規制される。
湿式現像剤12が規制された後、汲み上げ部材14は、供給部材16に当接して湿式現像剤12を供給部材16に受け渡す。供給部材16は、現像剤担持体9との当接部(ニップ部)において回転方向が逆方向となるように回転しており、受け渡された湿式現像剤12をその方向に搬送する。湿式現像剤12は、その後供給部材16と現像剤担持体9との対向部にて現像剤担持体9上に受け渡される。
現像剤担持体9上に受け渡された湿式現像剤12は、トナー帯電装置17によって湿式現像剤12中のトナー粒子がその正規帯電極性に帯電される。トナー帯電装置17は、印加する電圧に応じてトナー粒子に付与する帯電量を変更することができる。なお、正規帯電極性は、負極性または正極性のいずれか一方である。
トナー粒子が帯電された湿式現像剤12は、現像剤担持体9が図中矢印F方向に回転することにより、感光体ドラム1と現像剤担持体9との対向部である現像ニップ部に移動する。現像ニップ部において、現像剤担持体9上に担持された現像剤に含まれるトナー粒子の一部が、感光体ドラム1に当接して感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。
現像に使用されず現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子は、除電部19によって除電される。除電されたトナー粒子は、導電性ローラー20と現像剤担持体9との間に交流バイアスが印加されることにより形成された交流電界中を通過することでキャリア液中に分散される。導電性ローラー20と現像剤担持体9とがトナー粒子をキャリア液中に分散させる分散部として機能する。
トナー粒子が分散された湿式現像剤12は、除去部18によって現像剤担持体9上から除去される。このような湿式現像剤12の除去プロセスの詳細については後述する。
除去部18により除去された湿式現像剤12は、現像槽13内の湿式現像剤12とトナー濃度が異なるため、現像剤槽13とは別の現像剤回収槽(図示せず)に回収される。回収された湿式現像剤12は、トナー濃度を調整後、再び現像剤槽13に戻される。
(湿式現像剤の除去プロセス)
図2から図4は、図1に示す湿式現像装置において現像後の湿式現像剤に含まれるトナー粒子の状態、除電部によって除電された後の湿式現像剤に含まれるトナー粒子の状態および分散部によって分散された後の湿式現像剤に含まれるトナー粒子の状態を示す模式図である。図5は、図1に示す湿式現像装置において除去部によって分散後の湿式現像剤を除去する様子を示す模式図である。図2から図5を参照して、現像剤担持体9上の湿式現像剤12の除去プロセスについて説明する。
除去プロセスにおいては、現像後の湿式現像剤12に含まれるトナー粒子が現像剤担持体9の表面9a上に層状に吸着することによって形成されるトナー層123に対して、まず、除電部19によって除電を行なう。続いて、除電されたトナー層123に含まれるトナー粒子を分散部としての導電性ローラー20と現像剤担持体9との間に交流バイアスを印加することによって分散させる。除電と分散とをこの順で行なうことにより、トナー粒子に対する現像剤担持体9の静電気的な拘束力を十分に解消して、現像剤担持体9上の湿式現像剤12を除去部18によって確実に除去することが可能となる。以下、その理由について説明する。
図2に示すように、感光体ドラム1と現像剤担持体9との現像ニップ部を通過してきたトナー粒子121aは、正規帯電極性(たとえば正極)に帯電している。帯電したトナー粒子は鏡像力によって導電性部材へと引き寄せられることに加えて、静電潜像の領域外であり非画像となる領域では、現像ニップ部において感光体ドラム1と現像剤担持体9との間に印加されるバイアスによって、トナー粒子121aが現像剤担持体9側へ押し付けられることから、現像後のトナー粒子121aは、現像剤担持体9表面にトナー層123を形成して存在している。さらに、トナー粒子121aは、静電気力によって、図中矢印に示すように現像剤担持体9に強く拘束されている。
図3に示すように、現像剤担持体9の表面9aに静電吸着しているトナー層123に対して、まず、除電部19によって除電を行なう。これにより、トナー層123の上層側にトナーの反正規荷電(マイナス荷電)を付与することによって現像時にトナー層123(トナー粒子121a)が持っていた電荷を平均的にキャンセルすることができる。除電部19によるトナー粒子の除電量の詳細については後述する。
除電直後のトナー層123内においては、現像前にトナーの正規荷電(正荷電)を付与されて正極性に帯電したトナー粒子121aが現像剤担持体9の表面9a側に局在し、反正規荷電(負荷電)を付与されて負極性に帯電したトナー粒子121bが現像剤担持体9の表面9a側とは反対側のトナー層123の表層側に局在している。このため、図中矢印にて示すように、現像剤担持体9の表面9a側に局在しているトナー粒子121aと現像剤担持体9の表面9aとの間に作用する静電気的な拘束力は、完全に解消されずに一定程度残存したままになる。これにより、湿式現像剤12中においてトナー層123が現像剤担持体9の表面9a側に偏在している状態は、除電のみでは解消することができない。
続いて、現像剤担持体9に湿式現像剤12を介して当接する導電性ローラー20と現像剤担持体9との間に交流バイアスを印加して、上記の状態のトナー層123に含まれるトナー粒子121a,121bを分散させる。
印加する交流バイアスとしては、矩形波、サイン波、三角波、のこぎり波、ブランク波などの波形を使用することができる。交流バイアスの周波数としては、1000Hz以上100000Hz以下が好ましい。周波数が1000Hz未満である場合には、交流バイアスの印加状態に場所ムラが生じ、分散作用が不十分な領域が生じる。一方、周波数が100000Hzを超えるとトナー粒子が、交流電界の変動に追従することができず分散作用が十分に得られない場合が生じる。
また、交流電圧の振幅は、放電の発生を抑制するために1000V程度までとすることが好ましい。現像剤担持体9の表面9aあるいは導電性ローラー20の表面に絶縁性部材をコーティングしている場合には、さらに高電圧まで印加することが可能である。なお、交流バイアスに直流バイアスを重畳してもよい。
交流バイアスを印加することによって導電性ローラー20と現像剤担持体9との間に交流電界が形成される。トナー層123内に存在する正極性のトナー粒子121aと負極性のトナー粒子121bとが、交流電界に基づき現像剤担持体9と導電性ローラー20との間のニップ部において現像剤担持体9の表面9aから離脱し、互い違いの方向に動かされる。互いに異なる極性を有するトナー粒子をより均一に移動させるため、交流バイアスの平均電位は、現像剤担持体9の表面電位と同電位であることが好ましい。
現像剤担持体9と導電性ローラー20との間のニップ部の出口付近において交流電界が徐々に弱まっていく間に、正極性のトナー粒子121aと負極性のトナー粒子121bとがキャリア液122中を浮遊するとともに正極性のトナー粒子121aと負極性のトナー粒子121bとが互いに引き付け合う状態となる。
この結果、図4に示すように、除電後に上層側(表層側)と下層側(現像剤担持体9の表面9a側)とで極性が異なるようにトナー層123内に局在していた正極性のトナー粒子121aと負極性のトナー粒子121bとがペアになってキャリア液122中を浮遊する。
正負のペアになったトナー粒子121a,121bは、実質的に現像剤担持体9に対して静電気力が作用せずに、現像剤担持体による静電気的な拘束力から開放される。このため、複数の正負のペアになったトナー粒子121a,121bは、キャリア液122中に分散される。
現像剤担持体9の表面9a側に偏在していたトナー粒子121a,121bがキャリア液122中に分散されることにより、湿式現像剤12中でトナー濃度の高い部分と低い部分とに分離することを防止することができる。これにより、湿式現像剤12の粘度も略均一になり、現像剤担持体9の表面9a側において粘度が高くなることを防止することができる。
次に、トナー粒子121a,121bが分散された湿式現像剤12を除去部18によって現像剤担持体9上から回収する。この際、トナー粒子121a,121bは、キャリア液122中にほぼ均一に分散している。このため、図5に示すように、トナー粒子121a,121bは、除去部18の端面18aと現像剤担持体9の表面9aとの間に堆積することなく図中二点鎖線に示すようにキャリア液122と一緒に除去部18の上面18bを伝って現像剤回収槽(不図示)に回収される。
(除電部による除電量について)
導電性ローラー20による分散後のトナー粒子121a,121bの状態は、除電部19によるトナー粒子の除電量が適切であるほど良好になる。図6は、図1に示す除電部によるトナー粒子の除電量と除電後のトナー層の表面電位との関係を示す図である。図7は、図1に示す除電部によるトナー粒子の除電量と除去部に堆積するトナー粒子の堆積量との関係を示す図である。図6および図7を参照して、除電部による除電量について説明する。
図6に示すように、除電部19によるトナー粒子の除電量が増加するにつれて、トナー層123の表面電位は、正の電位から負の電位にシフトする。トナー層123の表面電位は、除電部からの除電量が図中に示すX点においてゼロになる。すなわち、除電量が0.2[mA/m]となる場合にトナー層123の表面電位はゼロになる。
ここで、除電部19によるトナー粒子の除電量は、除電部19として用いたコロトロンからトナー層123に向けて放出された電流量I(除電装置から現像剤担持体に流れる長手方向単位長さあたりの電流量)に比例する。この電流量Iは、コロトロンのワイヤに流れた電流量からコロトロンのケーシングに流れた電流量を差し引くことによって算出することができる。
図7に示すトナー粒子の堆積量の測定は、湿式現像装置4を1分間駆動させた後、除去部18と現像剤担持体9の当接部近傍に位置する湿式現像剤12を長手方向(現像剤担持体の延在方向)に沿って10cm幅分すくって回収し、キャリア液122を乾燥させることにより得られるトナー粒子の重量を測定することで行なった。
図7に示すように、除電部19によるトナー粒子の除電量が図中に示すX点からY点までの範囲において、トナー粒子の堆積量がほぼゼロになる。すなわち、除電量が0.2[mA/m]以上0.3[mA/m]以下となる場合にトナー粒子の堆積量がほぼゼロになる。ここで、Y点は、除電部19によるトナー粒子の除電量が現像前にトナー帯電装置17によって帯電されたトナー粒子の帯電量と等しくなる点を示す。
また、除電量がX点からY点までの範囲から離れるにつれてトナー粒子の堆積量が増加する。トナー粒子の堆積がほとんど発生しない範囲は、除電によってトナー層123の表面電位がゼロになるX点を中心として存在するのではなく、X点よりも除電によって付与する電荷の極性側(負極性側)にシフトして存在する。
トナー粒子に対する現像剤担持体9の静電気的な拘束力を解消するための理想的な除電状態は、現像直後に現像剤担持体9上に残留する湿式現像剤12に含まれているトナー粒子121aの帯電量と、除電部19によるトナー粒子の除電量とが略等量で釣り合う状態である。
このような除電状態においては、図3に示すように、トナー層123において現像剤担持体9の表面9aと反対側の表層側に除電によって付与された負極性の電荷が局在する。これにより、理想的な除電状態におけるトナー層123の表面電位はゼロではなく負極性側にシフトすることになる。
除電後のトナー層123の表面電位が正極性側である場合には、除電量が不足しているため、トナー層123は、現像剤担持体9の表面9aに静電気力によって拘束されることになる。この結果、現像剤担持体9の表面9a側において湿式現像剤の粘度が高くなり、除去時にトナー粒子が除電部19に堆積する。
除電不足となる状態を防止し、トナー粒子の堆積を抑制するために、除電部19によるトナー粒子の除電量は、除電後のトナー層123の表面電位がゼロまたはゼロよりも除電によって付与する電荷の極性側にわずかにシフトした値となるようにX点以上に設定することが好ましい。
一方、除電量が過剰になりトナー層123の帯電量に対して除電過多となる場合にも、トナー層123は、現像剤担持体9の表面9aに静電気力によって拘束されることになる。この結果、現像剤担持体9の表面9a側において湿式現像剤の粘度が高くなり、除去時にトナー粒子が除電部19に堆積する。
ここで、除電過多となる場合とは、トナー帯電装置17によって帯電された直後のトナー粒子の帯電量よりも除電量が大きくなる場合のことを指す。トナー粒子の有する帯電量は時間に従って少しずつ減衰する場合があるため、トナー帯電装置17に帯電された直後のトナー粒子の帯電量が除電時までそのまま保持されるとは限らない。しかしながら、現像直後のトナー層123の帯電量が、トナー帯電装置17によって帯電された直後のトナー粒子の帯電量を超えることはない。これにより、除電部19によるトナー粒子の除電量が、トナー帯電装置17によって帯電された直後のトナー粒子の帯電量と等しくなるY点を超える場合に除電過多になると言える。
除電過多となる状態を防止し、トナー粒子の堆積を抑制するために、除電部19によるトナー粒子の除電量は、上記のY点以下に設定することが好ましい。
除電量をY点以下に設定するに際して、除電部19によってトナー粒子を除電する際の現像剤担持体9の有効単位面積当たりの除電量およびトナー帯電装置17によって帯電したトナー粒子の現像剤担持体9の有効単位面積当たりの帯電量を参照することができる。
除電部19によるトナー粒子の除電量は除電部19として用いたコロトロンからトナー層123に向けて放出された電流量Iに比例することから、1秒間あたりの除電部19によるトナー粒子の除電量も電流量Iに比例する。1秒間あたりの除電部19によるトナー粒子の除電量は、定数nを用いて電流量n×Iとして表すことができる。
1秒間あたりの除電量は、除電部19を通過する1秒間あたりの現像剤担持体9の有効表面積Sに対してほぼ均一に与えられる。
ここで、長手方向に沿った除電部19の荷電可能幅をW[m]、現像剤担持体9の表面9aの周速をv[m/s]とすると、1秒あたりに除電部19の下を通過する現像剤担持体9の有効表面積Sは次式(1)によって求めることができる。
S=W×v・・・式(1)
以上より、除電部19による現像剤担持体9の単位面積当たりの除電量ρは、以下の式(2)によって求めることができる。
ρ=n×I/(W×v)・・・式(2)
トナー帯電装置17としてコロトロンを用いる場合には、上記と同様の考えに基づき、トナー帯電装置17によってトナー粒子が帯電する際の現像剤担持体9の単位面積当たりの帯電量を算出することができる。
除電部19による現像剤担持体9の単位面積当たりの除電量をトナー帯電装置17による現像剤担持体9の単位面積当たりの帯電量以下にすることにより、除電部19によるトナー粒子の除電量をY点以下に設定することができる。
以上のように除電部19によるトナー粒子の除電量を適正な範囲に設定することにより、トナー堆積をさらに抑制することができる。
本実施の形態に係る湿式現像装置4およびこれを具備する湿式画像形成装置100にあっては、以上のような構成とすることにより、現像後のトナー粒子が有する電荷を除電部によってキャンセルした状態でトナー粒子をキャリア液中に分散させることによって除去部による除去までにトナー粒子が現像剤担持体9に再度付着することを防止することができる。これにより、現像後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子が除去部18に堆積することを抑制することができる。
また、トナー粒子が除去部18に堆積しないことにより、除去されて現像剤回収槽に回収された湿式現像剤をトナー濃度調整後に現像剤槽に搬送して繰り返し使用することができる。これにより、トナー粒子の再利用を効率よく行なうことができる。
さらに、トナー粒子が除去部18に堆積しないことにより、除去部18周辺の汚染を防止することができ、メンテナンス性が向上する。加えて、画像ノイズの発生を抑制することができる。
(変形例1)
図8は、変形例1に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す模式図である。図8を参照して、本変形例に係る湿式画像形成装置100Aについて説明する。
図8に示すように、本変形例に係る湿式画像形成装置100Aは、実施の形態1に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、湿式現像装置4Aの構成が相違し、その他の構成については、ほぼ同様である。
湿式現像装置4Aは、湿式現像装置4と比較して、除電部19AとしてDCコロトロンに代えてDCスコロトロン、ACスコロトロンを用いる点において相違する。
除電部19Aは、シールドケース191と、放電電極としての放電ワイヤ192と、グリッド電極193と、放電ワイヤに電圧を印加するための電源(不図示)とを含む。
放電ワイヤに印加する電圧は、トナーを除電する方向の電圧を印加する。グリッド電極193の電位は、除電後のトナー層123の表面電位に応じて決定することが好ましい。除電後のトナー層123の表面電位は除電で与える電荷の極性側の電位になるため、グリッド電極193の電位はこれに対応してトナーの正規帯電極性と反対の極性にすることが好ましい。
除電部19Aとして、DCスコロトロンを使用する場合には、ワイヤ電圧は、3kV〜10kV程度とすることが好ましく、シールドケース191に印加するケース電圧は、0Vとすることが好ましく、グリッド電極193の電位は、0V〜−10V程度とすることが好ましい。
除電部19Aとして、ACスコロトロンを使用する場合には、ワイヤ電圧として交流電圧Vppを6kV〜20kV程度、放電ワイヤ192に印加することが好ましく、直流電圧Vdcを0Vとし、直流電圧は重畳させないことが好ましい。シールドケース191に印加するケース電圧は、0Vとすることが好ましく、グリッド電極193の電位は、0V〜−10V程度とすることが好ましい。
除電部19Aとして、スコロトロンを用いる場合にあっては、現像パターンに対応して、現像後の湿式現像剤のトナー層の量や帯電量が現像剤担持体9上の場所に応じて変動する場合であっても除電後のトナー層の表面電位をより確実に一定にすることができる。
このような構成によっても、現像後の湿式現像剤12中のトナー粒子が有する電荷を除電部19Aによってキャンセルした状態でトナー粒子をキャリア液中に分散させることによって除去部による除去までにトナー粒子が現像剤担持体9に再度付着することを防止することができる。
このため、本変形例に係る湿式現像装置4Aおよびこれを具備する湿式画像形成装置100Aも、実施の形態1に係る湿式現像装置4およびこれを具備する湿式画像形成装置100とほぼ同様の効果が得られる。
(変形例2)
図9は、変形例2に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す模式図である。図9を参照して、本変形例に係る湿式画像形成装置100Bについて説明する。
図9に示すように、本変形例に係る湿式画像形成装置100Bは、実施の形態1に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、湿式現像装置4Bの構成が相違し、その他の構成については、ほぼ同様である。
湿式現像装置4Bは、湿式現像装置4と比較して、分散部が導電性ローラーではなく、導電性の固定部材20Bである点において相違する。
導電性の固定部材20Bは、現像剤担持体9上の湿式現像剤12に接触するように配置されている。固定部材20Bの形状は、円柱状、板状形状、周面が湿式現像剤12を介して現像剤担持体9と当接するように断面視円弧状に湾曲した形状等を適宜選択することができる。また、固定部材20Bの材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の材料を採用することができる。
このような構成においても、固定部材20Bと現像剤担持体9との間に交流バイアスを印加することにより、交流電界を形成することができる。これにより、互いに異なる極性を有するトナー粒子を互い違いに移動させることができ、現像後に除電されたトナー粒子をキャリア液中に分散させることができる。この結果、現像後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子が除去部18に堆積することを抑制することができる。
本変形例に係る湿式現像装置4Bおよびこれを具備する湿式画像形成装置100Bも実施の形態1に係る湿式現像装置4およびこれを具備する湿式画像形成装置100とほぼ同様の効果が得られる。
(変形例3)
図10は、変形例3に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す模式図である。図10を参照して、本変形例に係る湿式画像形成装置100Cについて説明する。
図10に示すように、本変形例に係る湿式画像形成装置100Cは、変形例2に係る湿式画像形成装置100Bと比較した場合に、湿式現像装置4Cにおける分散部としての導電性の固定部材20Bが、現像剤担持体9上の湿式現像剤12に接触しないように湿式現像剤から離間して配置されている点において相違する。
本変形例においては、固定部材20Bと現像剤担持体9との間に印加される交流バイアスの平均電位は、現像剤担持体9からトナー粒子を固定部材20B側に引き付ける方向の電位であることが好ましい。これにより、固定部材20Bが湿式現像剤12に非接触となる場合であっても、互いに異なる極性を有するトナー粒子を互い違いに移動させるための交流電界をより確実に形成することができる。
このような構成においても、固定部材20Bと現像剤担持体9との間に交流バイアスを印加できる限り、現像後に除電されたトナー粒子をキャリア液中に分散させることができる。この結果、現像後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子が除去部18に堆積することを抑制することができる。
本変形例に係る湿式現像装置4Cおよびこれを具備する湿式画像形成装置100Cにあっても変形例2に係る湿式現像装置4Bおよびこれを具備する湿式画像形成装置100Bとほぼ同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す図である。図11を参照して、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100Dについて説明する。
図11に示すように、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100Dは、実施の形態1に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、湿式現像装置4Dの構成が相違し、その他の構成については、ほぼ同様である。
湿式現像装置4Dは、実施の形態1に係る湿式現像装置4と比較して、分散部が導電性ローラー20ではなく、湿式現像剤12を介してトナー層123に超音波振動等の機械的振動を付与する振動付与部材20Cである点において相違する。
振動付与部材20Cは、現像剤担持体9上の湿式現像剤12を介して現像剤担持体9に当接している。振動付与部材20Cは、たとえば超音波振動子によって構成されている。超音波振動子が画像形成中に振動することにより、超音波振動が湿式現像剤12およびトナー層123に伝達される。これにより、トナー層123が湿式現像剤12中において現像剤担持体9の表面9aから浮き上がり、かつ、浮上したトナー層123に含まれるトナー粒子が拡散される。
この結果、実施の形態1と同様に、除電後に上層側(表層側)と下層側(現像剤担持体9の表面9a側)とで極性が異なるようにトナー層123内に局在していた正極性のトナー粒子121aと負極性のトナー粒子121bとがペアとなってキャリア液122中を浮遊する。ペアとなり静電気力によって現像剤担持体に拘束されない複数のトナー粒子は、キャリア液122中に分散される。
このような構成とすることにより、本実施の形態にあっても、現像後のトナー粒子が有する電荷を除電部によってキャンセルした状態でトナー粒子をキャリア液中に分散させることによって除去部による除去までにトナー粒子が現像剤担持体9に再度付着することを防止することができる。これにより、現像後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子が除去部18に堆積することを抑制することができる。
本変形例に係る湿式現像装置4Dおよびこれを具備する湿式画像形成装置100Dは、実施の形態1に係る湿式現像装置4およびこれを具備する湿式画像形成装置100とほぼ同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す図である。図12を参照して、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100Eについて説明する。
図12に示すように、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100Eは、実施の形態1に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、湿式現像装置4Eの構成が相違し、その他の構成については、ほぼ同様である。
湿式現像装置4Eは、実施の形態1に係る湿式現像装置4と比較して、分散部が導電性ローラー20ではなく、現像剤担持体9に摺接することにより湿式現像剤12に含まれるトナー粒子を拡散させるブラシ部材20Dである点において相違する。
ブラシ部材20Dは、トナーとの接触確率の高い材料でトナーを直接拡散させるためのブラシローラーを採用することができる。トナーとの接触確率の高い材料としては、金属繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等を採用することができる。なお、ブラシローラーに代えて、表面を発泡させて可撓性を持たせた材料で構成したスポンジローラーを使用してもよい。
ブラシ部材20Dをこのように構成することにより、表面が面形状を有する金属ローラーやゴムローラーと比較して、層状に凝集しているトナー粒子に対して部分的に接触することができる。これにより、凝集するトナー粒子を分離させるような摩擦力をトナー層に付与することができ、確実に分散効果を発揮させることができる。
また、ブラシ部材の回転方向およびその速度は適宜選択することができる。たとえば、ブラシ部材は、現像剤担持体9とのニップ部において、現像剤担持体9の移動方向と逆方向になるように回転させてもよいし、同一方向となるように回転させてもよい。この際、ブラシ部材の回転速度は、現像剤担持体9の回転速度と同一にしてもよいし、現像剤担持体9の回転速度に対して速度差が設けられるように設定してもよい。
ブラシ部材の回転方向を現像剤担持体9とのニップ部において現像剤担持体9の移動方向と同一方向となるように設定した場合には、発熱や現像剤の飛び散り等の副作用を生じない範囲内で速度範囲を設けることが好ましい。これにより、トナー粒子のキャリア液中への分散効果が補助される。
ブラシ部材20Dは、現像剤担持体9上の湿式現像剤12を介して現像剤担持体9に当接している。ブラシローラーが画像形成中に摺接して回転することにより、ブラシがトナー層123と接触して機械的に摩擦力をトナー層123に付与する。これにより、トナー層123が湿式現像剤12中において現像剤担持体9の表面9aから浮き上がり、かつ、浮上したトナー層123に含まれるトナー粒子が拡散される。
この結果、実施の形態1と同様に、除電後に上層側(表層側)と下層側(現像剤担持体9の表面9a側)とで極性が異なるようにトナー層123内に局在していた正極性のトナー粒子121aと負極性のトナー粒子121bとがペアとなってキャリア液122中を浮遊する。ペアとなり静電気力によって現像剤担持体に拘束されない複数のトナー粒子は、キャリア液122中に分散される。
このような構成とすることにより、本実施の形態にあっても、現像後のトナー粒子が有する電荷を除電部によってキャンセルした状態でトナー粒子をキャリア液中に分散させることによって除去部による除去までにトナー粒子が現像剤担持体9に再度付着することを防止することができる。これにより、現像後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子が除去部18に堆積することを抑制することができる。
本変形例に係る湿式現像装置4Eおよびこれを具備する湿式画像形成装置100Eは、実施の形態1に係る湿式現像装置4およびこれを具備する湿式画像形成装置100とほぼ同様の効果が得られる。
(実施の形態4:表面電位測定による最適な除電量の設定)
図13は、本発明の実施の形態4に係る湿式画像形成装置に具備される湿式現像装置の構成を示す図である。図13を参照して、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100Fについて説明する。
図13に示すように、本実施の形態に係る湿式画像形成装置100Fは、実施の形態1に係る湿式画像形成装置100と比較した場合に、湿式現像装置4Fの構成が相違し、その他の構成については、ほぼ同様である。
湿式現像装置4Fは、実施の形態1にて説明した除電量の設定において、更に精度を高める機構を設けた場合について説明する。実施の形態1においては、理想的な除電状態は、現像後の湿式現像剤12に残留していた初めのトナー荷電量(本実施の形態ではプラス極性)と、除電部19によって与えられた除電荷電量(マイナス極性)が略等量で釣り合う状態であることを説明した。
さらに、除電部19を通過した後の湿式現像剤12中において除電の極性の電荷が現像剤担持体9から離れて位置するため(図3参照)、最適な除電出力が設定された場合、表面電位はゼロではなく除電の極性側(マイナス側)にシフトすることも説明し、除電出力の設定範囲について説明した。
ここで、実施の形態1で説明したように、除電部19を通過した後の現像剤担持体9の表面電位からは、その値の範囲は推測できるものの、最適な除電量は一意には定まらない。最適な除電量の範囲は、現像後の湿式現像剤12の状態や湿式現像装置環境によっても変化するため、常に精度よく最適な除電量に制御することが望ましい。
そこで、図13に示すように、本実施の形態においては、現像剤担持体9上であって、現像剤担持体9の回転方向において、分散部としての導電性ローラー20より下流側、除去部18より上流側に、現像剤担持体9上の表面電位を測定する表面電位測定手段30を設けている。さらに、制御装置500により、表面電位測定手段30によって得られた表面電位に基づき、除電部19の除電量を制御する。この場合、最適な除電量は、湿式現像剤12の表面電位が0となる(現像剤担持体9にバイアスを印加している場合、バイアスの値)量になる。この理由を以下に説明する。なお、制御装置500は専用の制御装置であってもよいし、湿式画像形成装置の制御装置の中に付加してもよい。
実施の形態1にて説明した通り、除電部19を通過後の現像後のトナー層123は、正に荷電したものと負に荷電したものとが、現像剤担持体9近傍と反対側に局在した状態となっている(図3参照)。ここで、導電性ローラー20を通過することにより、局在していた両極性のトナー層123が浮遊状態となり、正負のペアリング状態を形成する。この状態においては、導電性ローラー20通過前の電荷の偏在が解消されている(図4参照)。
よって、理想的な除電状態、すなわち正規極性の荷電量と略同等の電荷量が付与された状態においては、表面電位は0(現像バイアスが印加されている場合は現像バイアスの値)となるのである。
実際に、導電性ローラー20の通過後の現像剤担持体9上の表面電位と堆積トナー量との関係を示した一例を、図14および図15に示す。図6および図7と比較して、適正除電量の表面電位範囲が、0を中心とする近傍にシフトしていることが分かる。上記より、導電性ローラー20通過後の現像剤担持体9上の表面電位を測定し、0(現像バイアスが印加されている場合は現像バイアスの値)となるように除電量を制御する(図14中における矢印のように制御する)。言い換えれば、正負のペアリング状態で分散している理想的な状態になるように制御することにより、精度良くトナー堆積を抑制できることとなる。
また、測定位置が除去部18の直前であるため、たとえば、導電性ローラー20を通過することによるトナー帯電量の変化、および、帯電〜除電に至るまでの荷電量の減衰の影響を受けず、より正確にトナー堆積の抑制に対して最適な除電量に設定できることとなる。
さらに、本実施の形態の構成においては、環境および現像後の湿式現像剤12の状態によらず、一意に最適な除電量が求まるため、感光体ドラム1への画像形成中であっても表面電位測定手段30による測定結果に基づいて、正確な現像剤担持体9上の表面電位の制御を行なうことが可能となる。
具体的に、画像形成中に、図16に示すシーケンスを例にとって説明する。感光体ドラム1へのトナー画像形成が行なわれた後(S1)、予め設定された除電出力によって、感光体ドラム1へ形成されたトナー画像に対応する現像後の湿式現像剤12が除電され(S2)、さらに、現像後の湿式現像剤12が導電性ローラー20を通過した後(S3)、表面電位が計測される(S4)。その表面電位が0(現像バイアスが印加されている場合は現像バイアスの値)近傍の目的範囲に近づくように、逐次除電量を制御する(S5,S6,S7)。この操作を感光体ドラム1への画像形成が終了するまで逐次遂行する(S6)。このことによって、精度よくトナー堆積を抑制することができる。
除電量の範囲であるが、導電性ローラー20の通過後の表面電位をVts、表面にトナーが無い場合の現像剤担持体9の表面電位をVrsとすると、以下の式(3)を満足するとよい。
|5|≧Vts−Vrs(V)・・・式(3)
また、現像バイアスが印加されている場合、Vrsは現像バイアスの値となる。
様々な種類の湿式現像剤12に対して実験を行なった結果、経験的にこの範囲に収まるように除電量を制御することにより、精度良くトナー堆積を抑制できる。
(実施の形態5)
上述の実施の形態4では、現像後の湿式現像剤12が導電性ローラー20を通過した後の表面電位を元に、除電部19の制御を行なうことにより、精度良く除電量を最適に設定する方法について説明した。また、感光体ドラム1への画像形成中に制御を行なうことにより、環境や湿式現像剤12の変化に対しても対応できる方法を示した。
本実施の形態では、感光体ドラム1への画像形成領域とは別の領域に、パッチ画像によって除電量を制御する方法を説明する。実施の形態4においては、除電部19〜除去部18に突入するトナー像は、感光体ドラム1への出力画像によって都度変化する。後述するが、最適な除電量は画像によっても変化しうるため、画像の変化によって除電電流を都度制御することとなる。本実施の形態では、予め決まった画像のパッチ画像の現像後の湿式現像剤12によって除電量を制御することによって、除電量の制御頻度を減らし、より安定して除電を行なえるようになる。
具体的には、画像形成装置が作動開始するスタートシーケンス時であれば任意の領域に、作動開始後の画像形成時であればトナー画像の画像間の領域、または、トナー画像の範囲外の領域等においてパッチ画像を画像形成し、パッチ画像の現像後の現像剤担持体9の表面電位に基づいて除電量を制御する。これによって、安定して最適な除電量を得ることができる。図17に本実施の形態における制御シーケンス例のフローチャートを示す。
まず、除電量調整シーケンスを開始する。画像形成条件(帯電量、現像バイアス、露光量等)としては、紙種や色種に対応した、事前に決定した条件を用いる。調整シーケンスが始まると、まず、除電量調整に用いるパッチ画像を出力し、感光体ドラム1への現像が行なわれる(S11)。パッチ画像が感光体ドラム1へ現像された後、予め設定された除電量にて現像後の湿式現像剤12に対して除電が行なわれる(S12)。
次に、導電性ローラー20により現像後の湿式現像剤12に対して分散が行なわれ(S13)、現像後の湿式現像剤12の表面電位の計測が行なわれる(S14)。その際、現像後の湿式現像剤12の表面電位が現像バイアス近傍にて目標範囲内に入っていれば(S15)、調整モードの終了が行なわれる。また、現像後の湿式現像剤12の表面電位が目標の範囲に入っていない場合、除電量の調整が行なわれ(S16)、再度調整パッチの出力が行なわれる。
(実施の形態5の変形例)
上記は予め除電量が設定されている状態について記述したが、湿式画像形成装置の立ち上げ時や紙種変更時等、トナー堆積抑制に対して設定された除電量の精度が悪い場合も想定される。そのような場合、パッチ画像の現像後の湿式現像剤12に対して離散的または連続的に除電量を変化させ、パッチ画像に対応する現像後の湿式現像剤12の位置毎の表面電位から最適な除電量の設定を行なってもよい。
図18に、変形例におけるシーケンスのフローチャートを示す。まず、除電量調整シーケンスを始める。画像形成条件(帯電量、現像バイアス、露光量等)としては、紙種や色種に対応した、事前に決定した条件を用いる。調整シーケンスが始まると、まず除電量調整に用いるパッチ画像を出力し、感光体ドラム1への現像が行なわれる(S21)。パッチ画像が感光体ドラム1へ現像された後、除電量を離散的あるいは連続的に変化させながら、現像後の湿式現像剤12に対して除電を行なう(S22)。
次に、導電性ローラー20により現像後の湿式現像剤12に対して分散が行なわれ(S23)、現像後の湿式現像剤12の表面電位の計測が行なわれる(S24)。その際、現像後の湿式現像剤12のパッチ画像の位置に対応する領域毎の表面電位から最適な除電量の設定を行なう。その後、再度パッチの出力を行ない(S26)、現像後の湿式現像剤12の表面電位が現像バイアス近傍にて目標範囲内に入っていれば(S28)、調整モードの終了が行なわれる。また、現像後の湿式現像剤12の表面電位が目標の範囲に入っていない場合、除電量の調整が行なわれ(S29)、再度調整パッチの出力が行なわれる(S26)。
また、感光体ドラム1に現像される画像パターンによっても最適な除電量は変化しうる。これを図19から図21を参照して説明する。現像後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12においては、感光体ドラム1に現像されるトナー画像の画像部(黒ベタ)に対応する領域では、湿式現像剤12が感光体ドラム1に転写されて感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。その結果、図19に示すように、領域12aにおいては、湿式現像剤12は現像剤担持体9上にはほとんど残存しない。一方、画像パターンの背景部(白ベタ)に対応する領域では、湿式現像剤12は感光体ドラム1に転写されない。その結果、図19に示すように、領域12bにおいては、湿式現像剤12は現像剤担持体9上に残存する。
図20を参照して、たとえば、領域12bに対しては、最適な除電量に設定されていたとすると、領域12bにおいては荷電量と略同等の除電荷電量が供給される。一方で、領域12aの保持している荷電量は領域12bよりも少ないため、除電過多となってしまう。このように、感光体ドラム1に現像される画像パターンに応じて最適な除電出力は変化する。
上記のように感光体ドラム1に現像されるパッチ画像に基づいて除電量調整を行なう場合、このことも考慮して調整を行なうことが望ましい。具体的には、上記のシーケンスにおけるパッチ画像の画像パターンに、系に応じた最適なものを選択する。多くの場合、図21に示すような、ドットハーフパターンが好適である。なぜならば、現像後の湿式現像剤12において、保持帯電量の最大値となるには領域12bであり、最小値となる領域は領域12aとなり、それらが混在した系においては、その中間に合わせることによって最適な除電量に設定できるためである。
上記制御であるが、例えば湿式画像形成装置の立ち上げ時や、像間に除電量調整シーケンスを設けて上記の制御シーケンスを実行すれば、種々の誤差に依らず除電量を最適に保つことができる。また、軸方向端部等、画像形成範囲外において、感光体ドラム1へのパッチ画像を形成すれば、感光体ドラム1へ画像形成時においても同様のシーケンスを行なうことができる。
図22は、本発明の効果を検証するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。図22を参照して、各実施例および各比較例について行なった検証実験について説明する。
図22に示す比較例1から比較例6については、実施の形態1に係る湿式現像装置4を基本構成として、その構成の一部を変更したものを実験機として使用した。具体的には、除電部19および分散部の設置または非設置を選択するとともに、除電部19および分散部の配置を変更し、分散部に印加するバイアスを切り替えることにより湿式現像装置4の構成を変更した。
比較例7,8については、実施の形態2係る湿式現像装置4Dを基本構成として、その構成の一部を変更したものを実験機として使用した。具体的には、除電部の設置または非設置を選択するとともに、除電部19および分散部の配置を変更することにより湿式現像装置4Dの構成を変更した。実施例1については、実施の形態1に係る湿式現像装置4を用いた。実施例2については、実施の形態2に係る湿式現像装置4Dを用いた。
除電部を用いる場合には、DCコロトロンを用い、除電電流の電流量は、除電後のトナー層の表面電位がゼロになる電流量(0.2[mA/m])とトナー帯電装置の電流量(0.3[mA/m])との中間の電流量(0.25[mA/m])に設定した。
分散部を用いる場合には、超音波振動付与部材を用いる場合を除き、ステンレス製の金属ローラーを用いた。金属ローラーを用いる場合には、現像剤担持体9と回転方向が同一で周速も同一となるようにローラーの回転数を設定した。
実施例1,2および比較例1から比較例6における湿式現像装置を1時間連続して駆動させ、除去部18へのトナー粒子の堆積状態を観察した。この際、トナー粒子が急速に堆積したものを「C」と判定し、トナー粒子が徐々に堆積したものを「B」と判定し、トナー粒子の堆積が発生しなかったものを「A」と判定した。
(比較例1)
比較例1においては、湿式現像装置として、除電部19、分散部ともに非設置としたものを用い、現像後の湿式現像剤に対して除去部18による除去のみを行なった。この場合には、トナー粒子堆積結果は「C」と判定された。
(比較例2)
比較例2においては、湿式現像装置として、除電部19を非設置としたものを用い、現像後の湿式現像剤に対して分散部による分散と除去部18による除去を行なった。分散部にはバイアスを印加せず、分散部の電位を現像剤担持体9と同電位とした。この場合には、トナー粒子堆積結果は「C」と判定された。
(比較例3)
比較例3においては、湿式現像装置として、除電部19を非設置としたものを用い、現像後の湿式現像剤に対して分散部による分散と除去部18による除去を行なった。分散部には交流バイアスを印加した。交流バイアスは、周波数10000Hz、振幅300V(Peak-to-valley 600V)のサイン波形とした。この場合には、トナー粒子堆積結果は「C」と判定された。
(比較例4)
比較例4においては、湿式現像装置として、分散部を非設置としたものを用い、現像後の湿式現像剤に対して除電部による除電と除去部18による除去を行なった。この場合には、トナー粒子堆積結果は「B」と判定された。
(比較例5)
比較例5においては、湿式現像装置として、除電部19、分散部を現像剤担持体9の回転方向に沿ってこの順に設置したものを用い、現像後の湿式現像剤に対して除電部による除電、分散部による分散、除去部18による除去をこの順で行なった。分散部にはバイアスを印加せず、分散部の電位を現像剤担持体9と同電位とした。この場合には、トナー粒子堆積結果は「B」と判定された。
(比較例6)
比較例6においては、湿式現像装置として、分散部、除電部19を現像剤担持体9の回転方向に沿ってこの順に設置したものを用い、現像後の湿式現像剤に対して分散部による分散、除電部による除電、除去部18による除去をこの順で行なった。分散部には交流バイアスを印加した。交流バイアスは、周波数10000Hz、振幅300V(Peak-to-valley 600V)のサイン波形とした。この場合には、トナー粒子堆積結果は「B」と判定された。
(比較例7)
比較例7においては、湿式現像装置として、分散部を非設置としたものを用い、現像後の湿式現像剤に対して分散部による分散と除去部18による除去を行なった。分散部としては超音波振動付与部材を用いた。この場合には、トナー粒子堆積結果は「C」と判定された。
(比較例8)
比較例8においては、湿式現像装置として、分散部、除電部19を現像剤担持体9の回転方向に沿ってこの順に設置したものを用い、現像後の湿式現像剤に対して分散部による分散、除電部による除電および除去部18による除去をこの順で行なった。分散部としては超音波振動付与部材を用いた。この場合には、トナー粒子堆積結果は「B」と判定された。
(実施例1)
実施例1においては、湿式現像装置として、除電部19、分散部を現像剤担持体9の回転方向に沿ってこの順に設置したものを用い、現像後の湿式現像剤に対して除電部による除電、分散部による分散および除去部18による除去をこの順で行なった。分散部には交流バイアスを印加した。交流バイアスは、周波数10000Hz、振幅300V(Peak-to-valley 600V)のサイン波形とした。この場合には、トナー粒子堆積結果は「A」と判定された。
(実施例2)
実施例2においては、湿式現像装置として、除電部19、分散部を現像剤担持体9の回転方向に沿ってこの順に設置したものを用い、現像後の湿式現像剤に対して除電部による除電、分散部による分散、除去部18による除去をこの順で行なった。分散部としては超音波振動付与部材を用いた。この場合には、トナー粒子堆積結果は「A」と判定された。
(実験結果および考察)
比較例1においては、除電部、分散部ともに設置していないため、除去部18による除去時においても湿式現像剤に含まれるトナー粒子が現像剤担持体9に強く拘束されている。このため、急速にトナー粒子が堆積したものと考えられる。
比較例2においては、分散部を設置しているものの除電部が設置されておらず、分散部にもバイアスを印加していない。このため、トナー粒子に作用する現像剤担持体9への静電気的な拘束力を解消することおよび十分な分散効果を得ることができず、急速にトナー粒子が堆積したものと考えられる。
比較例3においては、分散部を設置しこれに交流バイアスを印加しているものの、除電部を設置していないため、トナー粒子に作用する現像剤担持体9の静電気的な拘束力が分散の際に十分に解消されていない。これにより、分散部を通過してトナー粒子の一部が分散された後であっても、現像時の帯電量を保持したままのトナー粒子が、除去部18による除去までに現像剤担持体9の表面9aに再度付着する。このため、除去部18による除去時においても湿式現像剤に含まれるトナー粒子が現像剤担持体9に強く拘束されており、急速にトナー粒子が堆積したものと考えられる。
比較例4においては、除電部を設置しているため、比較例1から比較例3と比較して除去部18による除去時にトナー粒子に作用する現像剤担持体9の静電気的な拘束力が弱まっているものの、分散部が設置されていないため、キャリア液中にトナー粒子を十分に分散させることができない。このため、トナー粒子が徐々に堆積したものと考えられる。
比較例5においては、除電部、分散部ともに設置しているものの、分散部には交流バイアスを印加していないため十分な分散効果が得られず、キャリア液中にトナー粒子を十分に分散させることができない。このため、トナー粒子が徐々に堆積したものと考えられる。
比較例6においては、除電部、分散部ともに設置し、分散部に交流バイアスを印加しているものの、除電部による除電よりも分散部による分散が先に行なわれている。このため、分散部を通過してトナー粒子が分散された後であっても、現像時の荷電量を保持したままのトナー粒子が、除電部による除電までに現像剤担持体9の表面9aに静電気力によって再度付着してしまう。
トナー粒子が再度付着した状態で除電を行なうことにより、トナー粒子に作用する現像剤担持体9への静電気的な拘束力が弱まるが、完全には静電気的な拘束力を解消することはできない。このため、トナー粒子が徐々に堆積したものと考えられる。
比較例7においては、分散部からの超音波振動によりトナー粒子を分散しているものの、除電部を設置していないため、トナー粒子に作用する現像剤担持体9の静電気的な拘束力が分散の際に十分に解消されていない。このため、比較例3とほぼ同様の現象が生じ、比較例3とほぼ同様の結果が得られたものと考えられる。
比較例8においては、除電部、分散部ともに設置し、分散部からの超音波振動によりトナー粒子を分散しているものの、除電部による除電よりも分散部による分散が先に行なわれている。このため、比較例6とほぼ同様の現象が生じ、比較例6とほぼ同様の結果が得られたものと考えられる。
実施例1においては、除電部にて現像後のトナー粒子が有する電荷を平均してキャンセルした後に、分散部にて交流電界を形成してトナー粒子を分散させることにより、トナー粒子が除去部18による除去までに現像剤担持体9の表面9aに再度付着することを防止できる。これにより、トナー粒子の堆積が発生せず、実施例1にあっては比較例1から比較例8と比較して顕著な改善効果が得られたものと考えられる。
実施例2においては、除電部にて現像後のトナー粒子が有する電荷を平均してキャンセルした後に、分散部からの超音波振動によってトナー粒子を分散させることにより、トナー粒子が除去部18による除去までに現像剤担持体9の表面9aに再度付着することを防止できる。これにより、トナー粒子の堆積が発生せず、実施例2にあっても比較例1から比較例8と比較して顕著な改善効果が得られたものと考えられる。
以上より、現像後のトナー粒子が有する電荷を除電部によってキャンセルした状態でトナー粒子をキャリア液中に分散させることによって除去部18による除去までにトナー粒子が現像剤担持体9に再度付着することを防止することができ、これにより、現像後に現像剤担持体9上に残留した湿式現像剤12に含まれるトナー粒子が除去部18に堆積することを抑制できることが実験的にも証明されたと言える。
以上、本発明の実施の形態、変形例および実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および変形例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 感光体ドラム、2 帯電装置、3 露光装置、4 湿式現像装置、5 中間転写部材、6 2次転写部材、7 像担持体クリーニング装置、8 中間転写部材クリーニング装置、9 現像剤担持体、10 イレーサーランプ、11 記録媒体、12 湿式現像剤、13 現像剤槽、14 汲み上げ部材、15 規制ブレード、16 供給部材、17 トナー帯電装置、18 除去部、19,19A 除電部、20 導電性ローラー、20B 固定部材、20C 振動付与部材、20D ブラシ部材、30 表面電位測定手段、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F 湿式画像形成装置、121a,121b トナー粒子、122 キャリア液、123 トナー層、500 制御装置。

Claims (18)

  1. 帯電したトナー粒子とキャリア液とを含む湿式現像剤を担持して、静電潜像が形成された像担持体に前記湿式現像剤を供給する現像剤担持体と、
    前記湿式現像剤を前記像担持体に供給した後に前記現像剤担持体上に残留した前記湿式現像剤に含まれる前記トナー粒子を除電する除電部と、
    前記除電部によって除電された前記湿式現像剤に含まれる前記トナー粒子に作用して前記トナー粒子を前記キャリア液中に分散させる分散部と、
    前記分散部によって分散された前記トナー粒子を含む前記湿式現像剤を前記現像剤担持体から除去する除去部とを備える、湿式現像装置。
  2. 前記除電部は、前記現像剤担持体の表面に吸着した複数の前記トナー粒子によって形成されるトナー層の表面電位の極性が前記トナー粒子の正規帯電極性と反対の極性となるように除電する、請求項1に記載の湿式現像装置。
  3. 前記現像剤担持体が前記湿式現像剤を前記像担持体に供給する前に前記トナー粒子を帯電させる帯電部をさらに備え、
    前記除電部による前記トナー粒子の除電量が、前記帯電部によって帯電された前記トナー粒子の帯電量以下である、請求項1または請求項2に記載の湿式現像装置。
  4. 前記分散部は、前記現像剤担持体との間に交流バイアスが印加されるように前記現像剤担持体と対向して配置される導電性部材を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の湿式現像装置。
  5. 前記導電性部材は、前記除電部によって除電された前記湿式現像剤に接触するように配置される、請求項4に記載の湿式現像装置。
  6. 前記導電性部材と前記現像剤担持体との間に印加される交流バイアスの平均電位が、前記現像剤担持体と同電位である、請求項4または請求項5に記載の湿式現像装置。
  7. 前記導電性部材は、前記除電部によって除電された前記湿式現像剤に接触しないように当該湿式現像剤から離間して配置される、請求項4に記載の湿式現像装置。
  8. 前記導電性部材と前記現像剤担持体との間に印加される交流バイアスの平均電位が、前記現像剤担持体側から前記導電性部材側に前記トナー粒子を引き付ける方向の電位である、請求項7に記載の湿式現像装置。
  9. 前記分散部は、前記除電部によって除電された前記湿式現像剤に含まれる前記トナー粒子に超音波振動を付与する振動付与部材を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の湿式現像装置。
  10. 前記分散部は、前記現像剤担持体に摺接することにより前記除電部によって除電された前記湿式現像剤に含まれる前記トナー粒子を拡散させるブラシ部材を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の湿式現像装置。
  11. 前記現像剤担持体の回転方向において、前記分散部の下流側であって、前記除去部の上流側に前記現像剤担持体上の表面電位を測定する表面電位測定手段と、
    前記除電部の除電量を制御する制御手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記表面電位測定手段により測定した前記現像剤担持体上の表面電位に基づいて、前記除電部の除電量を制御する、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の湿式現像装置。
  12. 前記現像剤担持体に現像バイアスを印加する手段を有し、
    前記制御手段は、前記現像剤担持体上の表面電位の値を現像バイアスに近づけるように前記除電部の除電量を制御する、請求項11に記載の湿式現像装置。
  13. 前記制御手段は、前記除電部の除電量の制御を、スタートシーケンスにおいて実行する、請求項11または請求項12に記載の湿式現像装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の湿式現像装置と、
    前記静電潜像が前記湿式現像剤によって現像されることにより前記像担持体上に形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写部と、
    を備える、湿式画像形成装置。
  15. 前記除電部の除電量の制御を行なうパッチ画像を前記像担持体上に形成し、
    前記制御手段は、前記パッチ画像の前記像担持体への現像後の前記現像剤担持体上の表面電位に基づいて前記除電部の除電量を制御する、請求項14に記載の湿式画像形成装置。
  16. 前記パッチ画像は、複数の前記トナー画像の間の領域に形成されている、請求項15に記載の湿式画像形成装置。
  17. 前記パッチ画像は、前記トナー画像の範囲外の領域に形成されている、請求項15に記載の湿式画像形成装置。
  18. 前記パッチ画像は、ドットハーフパターンである、請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の湿式画像形成装置。
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