JP4470439B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、プリンタ、複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に係り、特に現像方式として湿式現像を採用した画像形成技術に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、次のようなものがある。帯電している感光体を露光手段により露光して当該感光体に静電潜像を形成し、現像手段によりトナーを感光体に付着させて静電潜像を顕像化してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写媒体上に1次転写する。そして、この中間転写媒体上のトナー像を2次転写位置に搬送して転写紙などの記録媒体に2次転写している。ここで、現像手段の現像方式として、液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いる湿式現像方式が知られている。この湿式現像方式は、トナーの平均粒子径が0.1〜2μmと小さいので高解像度の画像が得られる、液体のため流動性が高いことから均一な画像が得られる、などの利点を有しているため、種々の画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この装置は、現像された顕像(トナー像)を転写紙などの記録媒体に転写する前に、トナー層電位より高く感光体(非画像部)電位より低いバイアス電圧を印加したローラ等の除去部材を現像位置から転写位置までの間に設けて感光体から余剰なトナーを除去することにより画像のカブリを防いで画質を向上するようにしたものである。
特開2001−228717号公報(段落[0031]、[0032]、図1)
しかしながら、上記特許文献1の記載にあるような装置構成をとっても、転写位置において転写されなかったトナーについては除去することができず、感光体から中間転写媒体への転写(1次転写)後にも感光体上の非画像部及び画像部に転写残りのトナーが残る場合がある。また同様に、中間転写媒体から転写紙などの記録媒体への転写(2次転写)後にも中間転写媒体上に転写残りのトナーが残る場合がある。そして、このような転写残りのトナーは、1次転写後では感光体上に、2次転写後では中間転写体上に固着する場合が多く、クリーニング部で除去するのは困難であった。その結果、転写残りのトナーが画像に悪影響を及ぼし、画質劣化の原因となっていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、第1像担持体上のトナー像を第2像担持体に転写した後に第1像担持体上に残る転写残りのトナーをクリーニングにより完全に除去して、良好な画像品質を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成装置は、液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いて形成されたトナー像を担持しながら所定の回転方向に回転することで前記トナー像を転写位置に搬送する第1像担持体と、前記転写位置で前記第1像担持体上のトナー像を第2像担持体に転写する転写手段と、前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に設けられ、前記第1像担持体上の現像液を前記第1像担持体から除去するクリーニング手段と、前記クリーニング手段により前記第1像担持体上の現像液を除去するクリーニング位置と前記転写位置との間に設けられ、前記第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態を調整する分散状態調整手段とを備え、前記分散状態調整手段は、前記第1像担持体上の現像液に接触する接触部材を備え、前記接触部材の表面速度を前記第1像担持体により搬送される現像液の表面速度と異ならせることにより前記分散状態を調整することを特徴としている。
この構成によれば、クリーニングの実行前に転写後の第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態が調整されることにより、転写残りのトナーの分散状態をクリーニングに適した状態にすることができる。これにより、転写残りのトナーをクリーニングにより完全に除去して、良好な画像品質を得ることができる。また、転写後の第1像担持体上の現像液に含まれるトナーを攪拌することにより、トナーの分散状態に乱れを生じさせることができる。これにより、転写後にトナーが第1像担持体の表面に凝集している場合でも、トナーを現像液の表層側に移動させることにより、掻き取り等のクリーニングを容易にすることができる。
上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成装置は、液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いて形成されたトナー像を担持しながら所定の回転方向に回転することで前記トナー像を転写位置に搬送する第1像担持体と、前記転写位置で前記第1像担持体上のトナー像を第2像担持体に転写する転写手段と、前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に設けられ、前記第1像担持体上の現像液を前記第1像担持体から除去するクリーニング手段と、前記クリーニング手段により前記第1像担持体上の現像液を除去するクリーニング位置と前記転写位置との間に設けられ、前記第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態を調整する分散状態調整手段と、前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整するトナー濃度調整手段とを備え、前記分散状態を調整する前に前記トナー濃度調整手段により前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整することを特徴としている。
この構成によれば、クリーニングの実行前に転写後の第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態が調整されることにより、転写残りのトナーの分散状態をクリーニングに適した状態にすることができる。これにより、転写残りのトナーをクリーニングにより完全に除去して、良好な画像品質を得ることができる。また、分散状態が調整される前に第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率(トナー濃度)が調整されることにより、第1像担持体上のトナー濃度を分散状態調整手段による調整に適したトナー濃度にすることができる。その結果、クリーニングを容易にすることができ、転写残りのトナーをクリーニングにより完全に除去して良好な画像品質を得ることができる。
また、前記トナー濃度調整手段は、前記第1像担持体上の現像液に接触する接触位置に配置可能に構成され、当該現像液の表層の液体キャリアを剥ぎ取る剥ぎ取り部材を備え、
前記剥ぎ取り部材による液体キャリアの剥ぎ取り量を制御することにより前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整してもよい。この構成によれば、転写後の第1像担持体上の現像液に含まれる液体キャリアの剥ぎ取り量を制御することで、第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率(トナー濃度)が調整されることとなる。これにより、第1像担持体上のトナー濃度を分散状態調整手段による調整に適したトナー濃度にすることができる。また、剥ぎ取った液体キャリアを再利用することで、液体キャリアの消費の無駄を防止して、液体キャリアの有効利用を図ることができる。
上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成装置は、液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いて形成されたトナー像を担持しながら所定の回転方向に回転することで前記トナー像を転写位置に搬送する第1像担持体と、前記転写位置で前記第1像担持体上のトナー像を第2像担持体に転写する転写手段と、前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に設けられ、前記第1像担持体上の現像液を前記第1像担持体から除去するクリーニング手段と、前記クリーニング手段により前記第1像担持体上の現像液を除去するクリーニング位置と前記転写位置との間に設けられ、前記第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態を調整する分散状態調整手段とを備え、前記分散状態調整手段は、前記第1像担持体上の現像液に接触する接触部材と、前記第1像担持体と前記接触部材との間にバイアス電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記接触部材は、前記第1像担持体上の現像液に接触して当該現像液の表層の液体キャリアを剥ぎ取る剥ぎ取り部材であって、前記電圧印加手段により印加するバイアス電圧を制御することで、前記剥ぎ取り部材による液体キャリアの剥ぎ取り量を制御することにより前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整するとともに、前記分散状態を調整することを特徴としている。
この構成によれば、クリーニングの実行前に転写後の第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態が調整されることにより、転写残りのトナーの分散状態をクリーニングに適した状態にすることができる。これにより、転写残りのトナーをクリーニングにより完全に除去して、良好な画像品質を得ることができる。また、第1像担持体と接触部材との間にバイアス電圧を印加するバイアス電圧を制御することで、現像液に含まれるトナーを接触部材側(現像液の表層側)に移動させたり、第1像担持体側に移動させることができる。これにより、例えばトナーを現像液の表層側に移動させることにより、掻き取り等のクリーニングを容易にすることができる。また、接触部材のみで転写後の第1像担持体上のトナー濃度を調整するとともに、トナーの分散状態を調整することができるため、装置の簡素化および小型化を図ることができる。
<第1実施形態>
図1は本発明に係る画像形成装置の第1実施形態であるプリンタの内部構成を示す図、図2は同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。このプリンタは、ブラック(K)のトナーを含む現像液を用いて単色画像を形成する湿式現像方式の画像形成装置であり、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部を制御して、装置本体2の下部に配設された給紙カセット3から搬送した転写紙、複写紙および用紙(以下「転写紙」という)4に上記画像信号に対応する画像を印字出力する。
上記エンジン部1は、感光体ユニット10、露光ユニット20、現像ユニット30、転写ユニット40などを備えている。これらのユニットのうち、感光体ユニット10は感光体11、帯電部12、除電部13およびクリーニング部14を備えている。また、現像ユニット30は現像ローラ31などを備えている。さらに、転写ユニット40は中間転写ローラ41などを備えている。
感光体ユニット10では、感光体11が図1の矢印方向15(図中、時計回り方向)に回転自在に設けられている。そして、この感光体11の周りには、その回転方向15に沿って、帯電部12、現像ローラ31、中間転写ローラ41、除電部13およびクリーニング部14が配設されている。また、帯電部12と現像位置16(後述)との間の表面領域が露光ユニット20からの光ビーム21の照射領域となっている。帯電部12は、本実施形態では帯電ローラからなり、帯電バイアス発生部111から帯電バイアスが印加されて、感光体11の外周面を所定の表面電位Vd(例えばVd=DC+600V)に均一に帯電するもので、帯電手段としての機能を有する。
この帯電部12によって均一に帯電された感光体11の外周面に向けて露光ユニット20から例えばレーザで形成される光ビーム21が照射される。この露光ユニット20は、露光制御部112から与えられる制御指令に応じて光ビーム21により感光体11を露光して、感光体11上に画像信号に対応する静電潜像を形成するもので、露光手段としての機能を有する。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース102を介して主制御部100のCPU101に画像信号を含む印字指令信号が与えられると、主制御部100のCPU101からの指令に応じてCPU113が露光制御部112に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。そして、この露光制御部112からの制御指令に応じて露光ユニット20から光ビーム21が感光体11に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体11上に形成される。このように、この実施形態では、感光体11が本発明の「第1像担持体」に相当する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット30の現像ローラ31から供給されるトナーによって顕像化される(現像工程)。現像ユニット30は、現像ローラ31に加えて、現像液32を貯留するタンク33、タンク33に貯留された現像液32を汲み上げて現像ローラ31に塗布する塗布ローラ34、塗布ローラ34上の現像液層の厚さを均一に規制する規制ブレード35、感光体11へのトナー供給後に現像ローラ31上に残留した現像液を除去するクリーニングブレード36および後述するメモリ37(図2)を備えている。現像ローラ31は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11とほぼ等しい周速で回転する。塗布ローラ34は現像ローラ31と同一方向(同図中、反時計回り)に約2倍の周速で回転する。
現像液32は、本実施形態では、着色顔料、この着色顔料を接着するエポキシ樹脂などの接着剤、トナーに所定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料を均一に分散させる分散剤等からなるトナーが、液体キャリア中に分散されてなる。本実施形態では、液体キャリアとして例えばポリジメチルシロキサンオイルなどのシリコーンオイルを用いており、トナー濃度を5〜40重量%として、湿式現像方式で多く用いられる低濃度現像液(トナー濃度が1〜2重量%)に比べて高濃度にしている。なお、液体キャリアの種類はシリコーンオイルに限定されるものではなく、また、現像液32の粘度は、使用する液体キャリアやトナーを構成する各材料、トナー濃度などによって決まるが、本実施形態では、例えば粘度を50〜6000mPa・sとしている。
感光体11と現像ローラ31との間隔(現像ギャップ=現像液層の厚さ)は、本実施形態では例えば5〜40μmに設定し、現像ニップ距離(現像液層が感光体11および現像ローラ31の双方に接触している周方向の距離)は、本実施形態では例えば5mmに設定している。上述した低濃度現像液の場合にはトナー量を稼ぐべく100〜200μmの現像ギャップを必要とするのに比べて、高濃度現像液を用いる本実施形態では現像ギャップを短縮することができる。従って、現像液中を電気泳動によって移動するトナーの移動距離が短縮するとともに、同一の現像バイアスを印加してもより高い電界が発生するので、現像効率を向上することができ、現像を高速に行えることとなる。
このような構成の現像ユニット30において、タンク33に貯留された現像液32が塗布ローラ34により汲み上げられ、規制ブレード35により塗布ローラ34上の現像液層の厚さが均一に規制され、この均一な現像液32が現像ローラ31の表面に付着し、現像ローラ31の回転に伴って感光体11に対向する現像位置16に搬送される。現像液中のトナーは、荷電制御剤などの作用によって例えば正に帯電している。
そして、現像位置16において現像ローラ31に担持されている現像液32が現像ローラ31から供給されて感光体11に付着し、現像バイアス発生部114から現像ローラ31に印加される現像バイアスVb(例えばVb=DC+400V)によってトナーが現像液中を現像ローラ31から感光体11に移動して、静電潜像が顕像化される。また、感光体11に付着せずに現像ローラ31上に残った現像液は、クリーニングブレード36により掻き落とされ、自重でタンク33に戻る。
上記のようにして感光体11上に形成されたトナー像は、感光体11の回転に伴って中間転写ローラ41に対向する1次転写位置44(本発明の「転写位置」に相当)に搬送される。中間転写ローラ41は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11とほぼ等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から1次転写バイアス(例えばDC−400V)が印加されると、感光体11上のトナー像が中間転写ローラ41に1次転写される(1次転写工程)。1次転写後における感光体11上の残留電荷はLEDなどからなる除電部13により除去され、残留現像液はクリーニング位置18においてクリーニング部14により除去される(クリーニング工程)。ここで、クリーニング部14は、例えばクリーニングブレードなどの掻き取り手段により構成される。このように、この実施形態では、クリーニング部14が本発明の「クリーニング手段」に、中間転写ローラ41が本発明の「第2像担持体」に、転写バイアス発生部115が本発明の「転写バイアス発生手段」に相当する。
さらに、1次転写位置44とクリーニング位置18との間には、分散状態調整ローラ58が感光体11に対向配置されている。分散状態調整ローラ58は、感光体11に対して接離方向に移動可能に支持されている。すなわち、例えばソレノイドまたはモータなどからなるアクチュエータ71(図2)が接離駆動部118(図2)によって駆動されると、分散状態調整ローラ58は、接触位置と離間位置との間で往復移動する。接触位置は、感光体11上に担持されている現像液に分散状態調整ローラ58が接触する位置であり、離間位置は、上記現像液に分散状態調整ローラ58が接触しない位置である。そして、分散状態調整ローラ58が接触位置に配置されると感光体11に従動する方向に回転する。この分散状態調整ローラ58は、感光体11上の現像液32に含まれるトナーの分散状態を調整するもので、その動作については後に詳述する。
中間転写ローラ41の適所(図1では中間転写ローラ41の鉛直下方)に2次転写ローラ42が対向配置されており、中間転写ローラ41に1次転写された1次転写トナー像は中間転写ローラ41の回転に伴って2次転写ローラ42に対向する2次転写位置45に搬送される。一方、給紙カセット3に収容されている転写紙4は、1次転写トナー像の搬送に同期して搬送駆動部(図示省略)により2次転写位置45に搬送される。そして、2次転写ローラ42は中間転写ローラ41に従動する方向(図1中、時計回り)に中間転写ローラ41と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から2次転写バイアス(例えば定電流制御で−100μA)が印加されると、中間転写ローラ41上のトナー像が転写紙4に2次転写される(2次転写工程)。2次転写後における中間転写ローラ41上の残留現像液はクリーニング部43により除去される。こうしてトナー像が2次転写された転写紙4は、所定の転写紙搬送経路5(図1中、一点鎖線)に沿って搬送され、定着ユニット6によってトナー像が定着され、装置本体2の上部に設けられた排出トレイに排出される。また、装置本体2の上面には、例えば液晶ディスプレイおよびタッチパネルからなる操作表示パネル7が配設されており、使用者による操作指示を受け付けるとともに、所定の情報を表示して使用者に報知する。
図2において、主制御部100は、インターフェース102を介して外部装置から与えられた画像信号を記憶するための画像メモリ103を備えており、CPU101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号をインターフェース102を介して受信すると、エンジン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジン制御部110に送出する。
エンジン制御部110のメモリ116は、予め設定された固定データを含むCPU113の制御プログラムを記憶するROMや、エンジン部1の制御データやCPU113による演算結果などを一時的に記憶するRAMなどからなる。CPU113はCPU101を介して外部装置から送られた画像信号に関するデータをメモリ116に格納する。
現像ユニット30のメモリ37は、当該現像ユニット30の製造ロット、使用履歴、内蔵トナーの特性、現像液32の残量やトナー濃度などに関するデータを記憶するものである。このメモリ37は通信部38と電気的に接続されており、通信部38は例えばタンク33に取り付けられている。そして、現像ユニット30が装置本体2に装着されると、通信部38がエンジン制御部110の通信部117と所定距離以内、例えば10mm以内に対向配置されるように構成されており、赤外線などの無線通信により互いに非接触状態でデータを送受信可能となっている。これによって、CPU113により現像ユニット30に関する消耗品管理等の各種情報の管理が行われる。
なお、この実施形態では無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受信を行うようにしているが、例えば装置本体2および現像ユニット30にそれぞれコネクタを設けておき、装置本体2に現像ユニット30を装着すると、両コネクタが機械的に嵌合することで相互にデータ送受信を行うようにしてもよい。また、メモリ37は、電源オフ状態や現像ユニット30が装置本体2から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリなどのEEPROMや強誘電体メモリなどを用いることができる。
図3は分散状態調整ローラ58による感光体11上の現像液32に含まれるトナーの分散状態の調整動作を説明する図である。図3(A)は、1次転写後であって分散状態調整ローラ58による調整前における感光体11上のトナーの状態を表し、図3(B)は、分散状態調整ローラ58によるトナーの分散状態の調整動作を表している。なお、説明の便宜上、感光体11を平板状にしている。
図3(A)では、感光体11から中間転写ローラ41に転写(1次転写)しなかったトナー322(転写残りトナー)が、液体キャリア321とともに感光体11上に残っている。同図に示すように、このような転写残りのトナー322は、感光体11側に凝集ないしは感光体11に固着しており、このままではクリーニング部14における掻き取り等のクリーニングによりトナー322を完全に除去することができずに、クリーニング後もトナー322が残ってしまう。
そこで、図3(B)に示すように、分散状態調整ローラ58を感光体11上の現像液32と接触させて、感光体11と分散状態調整ローラ58との間に接続された調整バイアス発生部121によりバイアスを印加する。ここでバイアス電圧として、転写バイアス発生部115から印加される1次転写バイアスと同極性、すなわち正帯電トナーを使用した場合にはトナー322が下方(感光体11)から上方(ここでは分散状態調整ローラ58)に移動する向きのバイアスを印加する。なお、分散状態調整ローラ58は感光体11上の現像液32と接触することで、感光体11上の現像液32の移動方向(図中、右方向)に従動する方向に回転する。これにより、感光体11側に凝集していたトナー322は、感光体11と分散状態調整ローラ58との間に形成された電界によって、分散状態調整ローラ58側(現像液32の表層側)に移動する。その結果、クリーニング部14による掻き取り等のクリーニングを容易にすることができる。ここで、調整バイアス発生部121から印加されるバイアス電圧は直流バイアスに限らず、交流バイアスでもよいが、交流バイアスの場合には交流サイクルのデューティ比を変更するなどして、トナーをどちらか一方のローラ(ここでは分散状態調整ローラ58)に引き寄せるように収束させるバイアスであることが必要である。このように、この実施形態では、分散状態調整ローラ58が本発明の「接触部材」に相当し、調整バイアス発生部121が本発明の「電圧印加手段」に相当する。
また、調整バイアス発生部121が印加する電圧は、転写バイアス発生部115から印加される1次転写バイアス電圧により形成される電界に比べてより大きな電界を感光体11と分散状態調整ローラ58との間に生じさせるバイアス電圧であることが望ましい。このようなバイアス電圧を印加することで、感光体11から中間転写ローラ41への1次転写時に転写しなかった転写残りのトナー322であっても、1次転写時に比べてより大きな引力(ここでは分散状態調整ローラ58側に移動する力)をトナー322に働かせることにより、転写残りのトナー322を確実に現像液32の表層側に移動させることができる。これにより、クリーニング実行前に感光体11上の転写残りのトナー322がすべて現像液32の表層側に移動するので、クリーニングを容易に行うことができる。
さらに、調整バイアス発生部121に新たに交流バイアス電源(図示省略)を追加して構成すると、既存の直流(または交流)バイアスに新たに交流バイアスを重畳することが可能になる。そのため、既存のバイアスによる引力(分散状態調整ローラ58側に移動する力)に加えて、さらに交流バイアスの周波数に応じた交互の引、斥力をトナー322に働かせることにより、現像液32中のトナー322の分散状態に乱れを生じさせることができる。その結果、例えばトナー322が感光体11に固着している場合であっても、トナー322の移動を促すことでトナー322を感光体11から剥離し、液体キャリア321中に移動させることにより、転写残りのトナー322を完全にクリーニングにより除去することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、分散状態調整ローラ58を感光体11上の現像液32に接触させてトナー322を現像液32の表層側に移動させるように調整バイアス発生部121を制御しているので、クリーニング部14で掻き取り等のクリーニングを容易にすることができる。これにより、転写残りのトナー322をクリーニングにより完全に除去して、良好な画像品質を得ることができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、感光体11上のトナー像を中間転写ローラ41に転写(1次転写)した後に感光体11上に残る現像液に含まれるトナーの分散状態を調整するように構成しているが、中間転写ローラ41上のトナー像を転写紙4などの記録媒体に転写(2次転写)した後に中間転写ローラ41上に残る現像液に含まれるトナーの分散状態を調整するようにしてもよい。この場合は、2次転写後に中間転写ローラ41上に残る転写残りのトナーのクリーニングを容易にすることができる。
図4は本発明に係る画像形成装置の第2実施形態であるプリンタの内部構成を示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、分散状態調整ローラ58を感光体11に対向配置することに代えて、中間転写ローラ41上の2次転写位置45(本発明の「転写位置」に相当)とクリーニング部43におけるクリーニング位置19との間に対向配置している点であり、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様である。したがって、同一構成については同一符号を付して説明を省略し、以下のおいては相違点を中心に本実施形態の特徴について説明する。
第2実施形態において、分散状態調整ローラ58は2次転写後の中間転写ローラ41上の現像液32に接触して、現像液32に含まれるトナーの分散状態を調整している。その調整動作については基本的に第1実施形態と同一である。すなわち、分散状態調整ローラ58を中間転写ローラ41上の現像液32と接触させて、中間転写ローラ41と分散状態調整ローラ58との間に接続された調整バイアス発生部121によりバイアスを印加する。ここでバイアス電圧として、転写バイアス発生部115から印加される2次転写バイアスと同極性、すなわち正帯電トナーを使用した場合にはトナー322が中間転写ローラ41から分散状態調整ローラ58に移動する向きのバイアス電圧を印加する。これにより、中間転写ローラ41の表面側に凝集していたトナー322は、中間転写ローラ41と分散状態調整ローラ58との間に形成された電界によって、分散状態調整ローラ58側(現像液32の表層側)に移動する。その結果、クリーニング部43による掻き取り等のクリーニングを容易にすることができる。
また、調整バイアス発生部121が印加する電圧は、第1実施形態と同様に転写バイアス発生部115から印加される2次転写バイアス電圧により形成される電界に比べてより大きな電界を中間転写ローラ41と分散状態調整ローラ58との間に生じさせるバイアス電圧であることが望ましい。このようなバイアス電圧を印加することで、中間転写ローラ41から転写紙4への2次転写時に転写しなかった転写残りのトナー322であっても、2次転写時に比べてより大きな引力(ここでは分散状態調整ローラ58側に移動する力)をトナー322に働かせることにより、転写残りのトナー322を確実に移動させることができる。これにより、クリーニング実行前に中間転写ローラ41上の転写残りのトナー322がすべて現像液32の表層側に移動するので、クリーニングを容易に行うことができる。このように、この実施形態では、クリーニング部43が本発明の「クリーニング手段」に、中間転写ローラ41が本発明の「第1像担持体」に、転写紙4が本発明の「第2像担持体」に相当する。
さらに、この実施形態においても第1実施形態と同様に調整バイアス発生部121に新たに交流バイアス電源を追加して構成してもよい。これにより、例えばトナー322が中間転写ローラ41に固着している場合であっても、トナー322の移動を促すことでトナー322を中間転写ローラ41から剥離し、液体キャリア321中に移動させることにより、転写残りのトナー322を完全にクリーニングにより除去することができる。
なお、本実施形態では中間転写ローラ41上の現像液32に含まれるトナーの分散状態を調整しているが、第1実施形態における感光体11上の現像液32に含まれるトナーの分散状態の調整も併せて行うように構成してもよい。
<第3実施形態>
図5は本発明に係る画像形成装置の第3実施形態であるプリンタの内部構成を示す図、図6は図5の要部拡大図、図7は同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。この第3実施形態が第2実施形態と相違する点は、中間転写ローラ41上の2次転写位置45とクリーニング部43におけるクリーニング位置19との間に、新たにトナー濃度調整ローラ59が対向配置されている点であり、その他の構成は基本的に第2実施形態と同様である。したがって、同一構成については同一符号を付して説明を省略し、以下においては相違点を中心に本実施形態の特徴について説明する。
トナー濃度調整ローラ59は、2次転写位置45より中間転写ローラ41の回転方向46の下流側であって、分散状態調整ローラ58より上流側に対向配置されている。トナー濃度調整ローラ59は、中間転写ローラ41に対して接離方向に移動可能に支持されている。すなわち、例えばソレノイドまたはモータなどからなるアクチュエータ72(図7)が接離駆動部118(図7)によって駆動されると、トナー濃度調整ローラ59は、接触位置と離間位置との間で往復移動する。接触位置は、中間転写ローラ41上に担持されている現像液にトナー濃度調整ローラ59が接触する位置であり、離間位置は、上記現像液にトナー濃度調整ローラ59が接触しない位置である。
また、トナー濃度調整ローラ59は、接触位置においてローラ駆動モータ73(図7)がモータ駆動部119(図7)によって回転駆動されると、中間転写ローラ41に従動する方向(図6中、時計回り)に中間転写ローラ41とほぼ等しい周速で回転する。トナー濃度調整ローラ59は、接触位置に配置されて中間転写ローラ41の表面に担持されている現像液32の表層の液体キャリアに接触することにより中間転写ローラ41から液体キャリアを剥ぎ取るものである。トナー濃度調整ローラ59による液体キャリアの剥ぎ取り動作については後に詳述する。
また、図6に示すように、トナー濃度調整ローラ59にはクリーニングブレード60が当接しており、トナー濃度調整ローラ59により中間転写ローラ41から剥ぎ取られた液体キャリアは、クリーニングブレード60により掻き取られてトナー濃度調整ローラ59から除去される。ここで、クリーニングブレード60のトナー濃度調整ローラ59への当接位置の下方には、液体キャリア回収用の受け皿65が設置されており、クリーニングブレード60によりトナー濃度調整ローラ59から除去された液体キャリアは、自然落下して受け皿65に回収される。そして、この受け皿65を配管(図示省略)を介してタンク33と連通して、回収された液体キャリアを自然落下あるいはポンプ(図示省略)などのキャリア送給駆動部を駆動させることにより、配管を経由してタンク33に戻すことも可能である。
図8はトナー濃度調整ローラ59による中間転写ローラ41からの液体キャリアの剥ぎ取り動作を説明する図である。より具体的には、トナー濃度調整ローラ59の接触位置として、中間転写ローラ41との距離が異なる3箇所の接触位置を設けた場合の各接触位置における液体キャリアの剥ぎ取り量を説明する図である。なお、図8では、説明の便宜上、中間転写ローラ41を平板状にしている。
この形態は、アクチュエータ72(図7)を例えばモータで構成し、トナー濃度調整ローラ59の接触位置として、中間転写ローラ41からの距離が互いに異なる複数の接触位置にトナー濃度調整ローラ59を配置可能にしたものである。図8(A)は、図6における領域A、すなわち中間転写ローラ41の回転方向46におけるトナー濃度調整ローラ59の上流側であって、中間転写ローラ41上のトナー像が転写紙4などの記録媒体に転写(2次転写)された後の転写残りのトナー322と液体キャリア321を表している。なお、転写残りのトナー322の平均的な厚さをt1、液体キャリア321の厚さをt2としている。また、トナー濃度調整ローラ59の半径をRとしている。
同図(B)では、接触位置をトナー濃度調整ローラ59の表面がかろうじて中間転写ローラ41上の現像液32に接触する位置に設定している。すなわち、トナー濃度調整ローラ59の中心と現像液32の表面との距離L1を、L1≒RかつL1≦Rに設定している。これによって、中間転写ローラ41上に残る液体キャリア321の厚さがt3になり、中間転写ローラ41上の現像液32の表層の液体キャリア321が少量だけ剥ぎ取られることとなる。
同図(C)では、接触位置を同図(B)より中間転写ローラ41に近接した位置に設定している。すなわち、トナー濃度調整ローラ59の中心と現像液32の表面との距離L2を、L2<L1に設定している。これによって、中間転写ローラ41上に残る液体キャリア321の厚さがt4(<t3)になり、中間転写ローラ41上の現像液32の表層の液体キャリア321が同図(B)の場合より多く剥ぎ取られる。
同図(D)では、接触位置を同図(C)よりさらに中間転写ローラ41に近接した位置に設定している。すなわち、トナー濃度調整ローラ59の中心と現像液32の表面との距離L3を、L3<L2に設定している。これによって、中間転写ローラ41上に残る液体キャリア321の厚さがt5(<t4)になり、中間転写ローラ41上の現像液32の表層の液体キャリア321が同図(C)の場合よりさらに多く剥ぎ取られる。
このように、図8の形態によれば、トナー濃度調整ローラ59の接触位置として、中間転写ローラ41からの距離が互いに異なる複数の接触位置にトナー濃度調整ローラ59を配置可能にしているので、トナー濃度調整ローラ59の接触位置を変更することにより、中間転写ローラ41からの液体キャリア321の剥ぎ取り量を制御することができる。これによって、中間転写ローラ41上の現像液32に含まれる液体キャリア量を調整することができる。すなわち、液体キャリア321の剥ぎ取り量を制御することにより、中間転写ローラ41に付着する現像液のトナー濃度(つまりトナーと液体キャリアの比率)を調整することができる。このように、本実施形態では、トナー濃度調整ローラ59が、本発明の「トナー濃度調整手段」、「剥ぎ取り部材」に相当する。
なお、本実施形態ではトナー濃度調整ローラ59の接触位置を変更することにより、中間転写ローラ41からの剥ぎ取り量を制御しているが、これに限定されない。例えば、ローラ駆動モータ73によりトナー濃度調整ローラ59の周速を変更可能にして、中間転写ローラ41により搬送される現像液に対するトナー濃度調整ローラ59の接触面の相対速度を変更するようにしてもよい。この形態によれば、中間転写ローラ41の周速に対してトナー濃度調整ローラ59の周速を増減することにより、液体キャリア321の剥ぎ取り量を増減することができ、これによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、中間転写ローラ41上の現像液32に含まれるトナー322の分散状態が調整される前に中間転写ローラ41上のトナー322と液体キャリア321の比率(トナー濃度)が調整されることにより、中間転写ローラ41上のトナー濃度を分散状態調整ローラ58によるトナー322の分散状態の調整に適したトナー濃度にすることができる。その結果、クリーニング部43におけるクリーニングをさらに容易にすることができ、転写残りのトナー322を完全に除去して良好な画像品質を得ることができる。
また、本実施形態によれば、クリーニングブレード60によりトナー濃度調整ローラ59から掻き取られた液体キャリア321は、自然落下して受け皿65に回収され、タンク33に戻されるため、別途、液体キャリア321をトナー濃度調整ローラ59から受け皿65に回収する装置を設ける必要がなく、装置構成の簡素化を図ることができる。また、剥ぎ取った液体キャリア321をタンク33に戻すことにより、液体キャリア321の消費の無駄を防止して有効利用することができる。これにより、液体キャリア321の補給量を必要最小限にすることができる。
なお、本実施形態は、第2実施形態を基礎として新たにトナー濃度調整ローラ59を中間転写ローラ41上の2次転写位置45とクリーニング部43におけるクリーニング位置19との間に新たに追加配置しているが、同様に、これに代えてあるいはこれと併せて第1実施形態を基礎として新たにトナー濃度調整ローラ59を感光体11上の1次転写位置44とクリーニング部14におけるクリーニング位置18との間に追加配置することも可能である。この場合においても、上記第3実施形態と同様な効果が得られる。すなわち、感光体11上のトナー濃度を分散状態調整ローラ58によるトナーの分散状態の調整に適したトナー濃度にすることにより、クリーニング部14におけるクリーニングをさらに容易にすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能であり、例えば以下の変形形態(1)〜(9)を採用することができる。
(1)上記第1実施形態では、分散状態調整ローラ58と感光体11との間にバイアス電圧を印加することにより、感光体11上の現像液32に含まれるトナーの分散状態を調整しているが、これに限定されず、例えば以下の調整形態を採用することも可能である。
図9は分散状態調整ローラ58による感光体11上の現像液32に含まれるトナーの分散状態の別の調整動作を説明する図である。なお、図9では説明の便宜上、感光体11を平板上にしている。この調整動作においては、分散状態調整ローラ58は感光体11との間隔が感光体11上の現像液32の厚みよりも小さい位置に配置される。図9に示すように、1次転写後に感光体11上に残っている現像液32(分散状態調整ローラ58の手前部分の現像液)は、感光体11の回転(回転方向15)に伴い、感光体11と分散状態調整ローラ58との間でニップされる。その結果、例えば画像パターンの違いや感光体11と中間転写ローラ41との間の転写部における圧力むらなどにより、現像液の転写残り量が幅方向で不均一となっていても、現像液中で厚みのある部分(転写残り量の多い部分)は周辺部分に流れて幅方向に平滑化されるとともに、感光体11上の各部の現像液32に含まれるトナーの分散状態が変化することとなる。これにより、1次転写後にトナーが感光体11側に凝集している場合でも、トナーを現像液32の表層側に移動させることで、クリーニングブレード等のクリーニング部14による転写残りトナーの掻き取りを容易にすることができる。なお、この調整形態においては、「接触部材」として、ローラ形状の分散状態調整ローラ58に限らず、ブレード形状のものを用いてもよい。
(2)また、さらに別の調整形態として、例えばローラ駆動モータなどのローラ駆動手段を設けて、ローラ駆動モータにより分散状態調整ローラ58の周速を変更可能にすることにより、分散状態調整ローラ58の表面速度を感光体11により搬送される現像液の表面速度と異なるように分散状態調整ローラ58の周速を制御してもよい。この調整動作によれば、感光体11の周速に対して分散状態調整ローラ58の周速を増減することにより、感光体11上の現像液に含まれるトナーが攪拌され、トナーの分散状態に乱れを生じさせることができる。これにより、1次転写後にトナーが感光体11側に凝集している場合でも、トナーを現像液32の表層側に移動させることで、クリーニングを容易にすることができる。
(3)なお、トナーの分散状態の調整形態は、上記第1実施形態に示す調整形態、上記(1)および(2)に示す調整形態のうちいずれか1つの形態に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて分散状態の調整を行うことも可能である。例えば、すべての調整形態を併せて採用してもよい。すなわち、上記(1)に示す調整形態において、分散状態調整ローラ58と感光体11との間にバイアス電圧を印加(上記第1実施形態に示す調整形態)するとともに、感光体11により搬送される現像液の表面速度と異なるように分散状態調整ローラ58の周速を制御(上記(2)に示す調整形態)してもよい。この場合は、夫々の調整形態の効果が重畳して得られることになる。
(4)また、上記第2、第3実施形態においても、分散状態調整ローラ58と中間転写ローラ41との間にバイアス電圧を印加することにより、中間転写ローラ41上の現像液32に含まれるトナーの分散状態を調整しているが、調整形態はこれに限定されず、上記第1実施形態と同様に上記(1)〜(3)に示す調整形態を採用することができる。
(5)上記第3実施形態では、分散状態調整ローラ58とトナー濃度調整ローラ59を別個独立に構成しているが、これらを1つのローラで構成してもよい。例えば、分散状態調整ローラ58を削除して、トナー濃度調整ローラ59にバイアス電圧を印加したり、トナー濃度調整ローラ59の周速を中間転写ローラ41と異ならせるようにしてもよい。このように構成することで、装置の簡素化および小型化を図ることができる。
(6)上記第3実施形態では、1つのトナー濃度調整ローラ59により液体キャリアの剥ぎ取り量を制御しているが、複数のトナー濃度調整ローラ59を備えるようにして、複数のトナー濃度調整ローラ59のうち、中間転写ローラ41上の現像液に接触する接触位置に配置するトナー濃度調整ローラ59の組合せを制御することで、剥ぎ取り量を制御するようにしてもよい。
(7)上記第3実施形態では、剥ぎ取り部材として、ローラ状のトナー濃度調整ローラ59を用いているが、これに限られず、例えばベルト状のものを用いてもよい。
(8)上記実施形態では、中間転写ローラ41を備え、感光体11のトナー像を1次転写位置44において中間転写ローラ41に1次転写した後、2次転写位置45において2次転写ローラ42により転写紙4に2次転写するようにしているが、これに限られず、例えば中間転写ローラ41を省いて2次転写ローラ42を1次転写位置44に配置し、感光体11のトナー像を直接転写紙4(記録媒体)に転写する構成でもよい。この形態では、感光体11が本発明の「第1像担持体」に相当し、転写紙4が本発明の「第2像担持体」に相当する。
(9)上記実施形態では、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。また、上記実施形態は単色印字の画像形成装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されず、カラー画像形成装置にも本発明を適用することができる。要は、液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いて現像したトナー像を記録媒体に転写する、あるいは中間転写ローラ、中間転写ベルト、中間転写ドラムなどの中間転写媒体に一時的に担持した後、該トナー像を記録媒体に2次転写する画像形成装置全般に本発明を適用することができる。
本発明の第1実施形態であるプリンタの内部構成を示す図。 同プリンタの電気的構成を示すブロック図。 トナーの分散状態の調整動作を説明する図。 本発明の第2実施形態であるプリンタの内部構成を示す図。 本発明の第3実施形態であるプリンタの内部構成を示す図。 図5の要部拡大図。 同プリンタの電気的構成を示すブロック図。 液体キャリアの剥ぎ取り動作を説明する図。 トナーの分散状態の別の調整動作を説明する図。
符号の説明
4…転写紙(第2像担持体)、11…感光体(第1担持体)、14…クリーニング部(クリーニング手段)、41…中間転写ローラ(第1または第2担持体)、43…クリーニング部(クリーニング手段)、58…分散状態調整ローラ(接触部材、分散状態調整手段)、59…トナー濃度調整ローラ(剥ぎ取り部材、トナー濃度調整手段)、115…転写バイアス発生部(転写バイアス発生手段、転写手段)、121…調整バイアス発生部(電圧印加手段、分散状態調整手段)

Claims (4)

  1. 液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いて形成されたトナー像を担持しながら所定の回転方向に回転することで前記トナー像を転写位置に搬送する第1像担持体と、
    前記転写位置で前記第1像担持体上のトナー像を第2像担持体に転写する転写手段と、
    前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に設けられ、前記第1像担持体上の現像液を前記第1像担持体から除去するクリーニング手段と、
    前記クリーニング手段により前記第1像担持体上の現像液を除去するクリーニング位置と前記転写位置との間に設けられ、前記第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態を調整する分散状態調整手段と
    を備え
    前記分散状態調整手段は、前記第1像担持体上の現像液に接触する接触部材を備え、
    前記接触部材の表面速度を前記第1像担持体により搬送される現像液の表面速度と異ならせることにより前記分散状態を調整することを特徴とする画像形成装置。
  2. 液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いて形成されたトナー像を担持しながら所定の回転方向に回転することで前記トナー像を転写位置に搬送する第1像担持体と、
    前記転写位置で前記第1像担持体上のトナー像を第2像担持体に転写する転写手段と、
    前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に設けられ、前記第1像担持体上の現像液を前記第1像担持体から除去するクリーニング手段と、
    前記クリーニング手段により前記第1像担持体上の現像液を除去するクリーニング位置と前記転写位置との間に設けられ、前記第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態を調整する分散状態調整手段と
    前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整するトナー濃度調整手段と
    を備え
    前記分散状態を調整する前に前記トナー濃度調整手段により前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記トナー濃度調整手段は、前記第1像担持体上の現像液に接触する接触位置に配置可能に構成され、当該現像液の表層の液体キャリアを剥ぎ取る剥ぎ取り部材を備え、
    前記剥ぎ取り部材による液体キャリアの剥ぎ取り量を制御することにより前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整する請求項記載の画像形成装置。
  4. 液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いて形成されたトナー像を担持しながら所定の回転方向に回転することで前記トナー像を転写位置に搬送する第1像担持体と、
    前記転写位置で前記第1像担持体上のトナー像を第2像担持体に転写する転写手段と、
    前記転写位置より前記第1像担持体の回転方向の下流側に設けられ、前記第1像担持体上の現像液を前記第1像担持体から除去するクリーニング手段と、
    前記クリーニング手段により前記第1像担持体上の現像液を除去するクリーニング位置と前記転写位置との間に設けられ、前記第1像担持体上の現像液に含まれるトナーの分散状態を調整する分散状態調整手段と
    を備え
    前記分散状態調整手段は、前記第1像担持体上の現像液に接触する接触部材と、前記第1像担持体と前記接触部材との間にバイアス電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    前記接触部材は、前記第1像担持体上の現像液に接触して当該現像液の表層の液体キャリアを剥ぎ取る剥ぎ取り部材であって、
    前記電圧印加手段により印加するバイアス電圧を制御することで、前記剥ぎ取り部材による液体キャリアの剥ぎ取り量を制御することにより前記第1像担持体上のトナーと液体キャリアの比率を調整するとともに、前記分散状態を調整することを特徴とする画像形成装置。
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