JP4193457B2 - 液体現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に係り、特に現像方式として湿式現像を採用した液体現像技術およびそれを含む画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電している感光体(像担持体)を露光手段により露光して当該感光体に静電潜像を形成し、現像手段によりトナーを感光体に付着させて静電潜像を顕像化してトナー像を形成し、このトナー像を転写紙に転写して所定の画像を得るようにした電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。ここで、現像手段の現像方式として、液体キャリアにトナーを分散した現像液を用いる湿式現像方式が知られている。この湿式現像方式は、トナーの粒子径が0.1〜2μmと小さいので高解像度の画像が得られる、液体のため流動性が高いことから均一な画像が得られる、などの利点を有している。
【0003】
このような湿式現像方式の画像形成装置では、現像液中のトナー濃度が変化すると、静電潜像を顕像化したときのトナー像の濃度が変化する。すなわち、現像液のトナー濃度変化が濃度不足や画像むらなどの画質低下の主要因の一つとなっている。従って、安定した画像を得るためには、現像液のトナー濃度を管理する必要がある。そこで、現像手段から回収した現像液を貯蔵するタンク内の現像液の粘度を検出し、その検出結果に応じてタンク内の現像液のトナー濃度を調整する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この装置は、現像ベルトに現像液を塗布する現像液を貯蔵する現像液貯蔵部とは別に現像ベルトから回収した現像液を貯蔵する現像液貯蔵タンクを備えている。そして、そのタンク内の現像液の粘度を粘度計によって検出し、その検出結果が許容範囲を超えると高濃度または低濃度の現像液をタンクに供給することでタンク内の粘度を常に許容範囲に保持し、その濃度調整された現像液をタンクから上記現像液貯蔵部に供給するようにしている。
【0004】
また、現像液担持体上に塗布する現像液のトナー濃度を高めるようにした装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。この装置は、装置構成を簡素化するために、現像液担持体に現像液を塗布する際に、そのトナー濃度を可能な限り高めるようにしたものである。さらに、現像液担持体上において高いトナー濃度の現像剤層を薄層化するようにした装置が提案されている(例えば特許文献3参照)。この装置は、画質を向上するために、現像ベルト上においてトナー濃度の高い高固形分領域とトナー濃度の希薄な表層部とからなる現像剤層を形成し、その表層部を除去して高濃度の現像剤層を薄層化するようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−065300号公報(【0027】、図2、図3)
【特許文献2】
米国特許第5,596,396号明細書(第6コラム、図3A)
【特許文献3】
特開平10−339990号公報(【0058】、図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば静電潜像に占める画像部の比率である画占率が高い画像を連続して形成するとトナーが多く消費され、逆に、画占率が低い画像を連続して形成すると液体キャリアが多く消費される。従って、これらの場合には、特に、トナー濃度管理の必要性が高い。
【0007】
ところが、上記従来の特許文献1に記載の装置では、現像ベルトに塗布する現像液を貯蔵する現像液貯蔵部とは別に回収用の現像液貯蔵タンクを設けているので、装置の大型化を招いてしまう。また、その回収用の現像液貯蔵タンクにおけるトナー濃度を調整し、その濃度調整された現像液を当該タンクから上記貯蔵部に供給しているので、濃度調整の画像形成に対する応答性が良好ではない。
【0008】
また、上記従来の特許文献2に記載の装置は装置構成の簡素化のために現像液担持体上に塗布する現像液のトナー濃度を可能な限り高めるものである。また、上記従来の特許文献3に記載の装置は高画質を得るために高濃度の現像剤層の厚さを薄くするものである。このように、これらの文献は、いずれも現像液のトナー濃度を管理するという技術思想に関するものではない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、装置構成が小型で、かつ画像形成に対する応答性が良好なトナー濃度調整を行うことができる液体現像装置、方法および湿式現像方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる液体現像装置は、液体キャリアにトナーを分散した現像液により像担持体上に形成された静電潜像を現像する液体現像装置において、前記現像液をその表面に担持しながら前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体と、前記現像液担持体上の前記現像液のトナー濃度を調整する濃度調整手段とを備え、前記濃度調整手段は、前記現像液担持体の前記現像終了後に対応する領域に対向配置され、前記現像終了後に前記現像液担持体上に残留している現像液に接触してその一部を剥ぎ取る少なくとも1つの剥ぎ取り部材を備え、前記剥ぎ取り部材が剥ぎ取る一部の現像液に含まれるトナー量を制御することで前記調整を行うもので、前記剥ぎ取り部材により剥ぎ取られた前記一部の現像液を前記容器に戻すように構成したことを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、現像液が現像液担持体の表面に担持されながら像担持体と対向する現像位置に搬送され、静電潜像の現像が行われる。ここで、現像液担持体上の現像液のトナー濃度が調整されることにより、装置構成が小型で、かつ像形成に対する応答性が良好なトナー濃度調整を行うことができる。
【0047】
また、外部から容器への現像液の補給を必要最小限にすることができる。また、剥ぎ取り部材が剥ぎ取る上記一部の現像液に含まれるトナー量が制御されているので、そのトナー量の増減制御により、容器の現像液のトナー濃度を一定に保持することが可能になる。
【0048】
また、液体キャリアにトナーを分散した現像液により像担持体上に形成された静電潜像を現像する液体現像装置において、前記現像液をその表面に担持しながら前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体と、前記現像液担持体上の前記現像液のトナー濃度を調整する濃度調整手段と、前記静電潜像の現像終了後に前記現像液担持体上に残留している現像液を除去するクリーニング部材とを備え、前記濃度調整手段は、前記現像液担持体上であって前記現像終了後に対応する領域に対向配置され、前記現像終了後に前記現像液担持体上に残留している現像液に接触してその一部を剥ぎ取る少なくとも1つの剥ぎ取り部材を備え、前記剥ぎ取り部材が剥ぎ取る一部の現像液に含まれるトナー量を制御することで前記調整を行うもので、前記クリーニング部材は、前記剥ぎ取り部材により前記一部の現像液が剥ぎ取られた後に前記現像液担持体上に残留している現像液を除去するもので、前記クリーニング部材により除去された前記残留現像液を前記容器に戻すように構成したことを特徴としている。
【0049】
この構成によれば、現像液が現像液担持体の表面に担持されながら像担持体と対向する現像位置に搬送され、静電潜像の現像が行われる。ここで、現像液担持体上の現像液のトナー濃度が調整されることにより、装置構成が小型で、かつ像形成に対する応答性が良好なトナー濃度調整を行うことができる。また、外部から容器への現像液の補給を必要最小限にすることができる。また、剥ぎ取り部材が剥ぎ取る一部の現像液に含まれるトナー量が制御されているので、結果的に、クリーニング部材によって除去される、剥ぎ取り部材により剥ぎ取られた後に現像液担持体上に残留している現像液に含まれるトナー量が制御されることとなる。従って、そのトナー量の増減制御により、容器の現像液のトナー濃度を一定に保持することが可能になる。
【0053】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、請求項1記載の液体現像装置からなり、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する液体現像手段と、形成された前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段とを備えたことを特徴としている。
【0054】
この構成によれば、現像液が現像液担持体の表面に担持されながら像担持体と対向する現像位置に搬送され、静電潜像の現像が行われる。ここで、現像液担持体上の現像液のトナー濃度が調整されることにより、装置構成が小型で、かつ画像形成に対する応答性が良好なトナー濃度調整を行うことができる。また、外部から容器への現像液の補給を必要最小限にすることができる。また、剥ぎ取り部材が剥ぎ取る上記一部の現像液に含まれるトナー量が制御されているので、そのトナー量の増減制御により、容器の現像液のトナー濃度を一定に保持することが可能になる。
【0055】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、請求項2記載の液体現像装置からなり、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する液体現像手段と、形成された前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段とを備えたことを特徴としている。
【0056】
この構成によれば、現像液が現像液担持体の表面に担持されながら像担持体と対向する現像位置に搬送され、静電潜像の現像が行われる。ここで、現像液担持体上の現像液のトナー濃度が調整されることにより、装置構成が小型で、かつ画像形成に対する応答性が良好なトナー濃度調整を行うことができる。また、外部から容器への現像液の補給を必要最小限にすることができる。また、剥ぎ取り部材が剥ぎ取る一部の現像液に含まれるトナー量が制御されているので、結果的に、クリーニング部材によって除去される、剥ぎ取り部材により剥ぎ取られた後に現像液担持体上に残留している現像液に含まれるトナー量が制御されることとなる。従って、そのトナー量の増減制御により、容器の現像液のトナー濃度を一定に保持することが可能になる。
【0057】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る画像形成装置の第1実施形態であるプリンタの内部構成を示す図、図2は同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。このプリンタは、ブラック(K)のトナーを含む現像液を用いて単色画像を形成する湿式現像方式の画像形成装置であり、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部を制御して、装置本体2の下部に配設された給紙カセット3から搬送した転写紙、複写紙および用紙(以下「転写紙」という)4に上記画像信号に対応する画像を印字出力する。
【0058】
上記エンジン部1は、感光体ユニット10、露光ユニット20、現像ユニット30、転写ユニット40などを備えている。これらのユニットのうち、感光体ユニット10は感光体11、帯電部12、除電部13およびクリーニング部14を備えている。また、現像ユニット30は現像ローラ31などを備えている。さらに、転写ユニット40は中間転写ローラ41などを備えている。
【0059】
感光体ユニット10では、感光体11が図1の矢印方向15(図中、時計回り方向)に回転自在に設けられている。そして、この感光体11の周りには、その回転方向15に沿って、帯電部12、現像ローラ31、中間転写ローラ41、除電部13およびクリーニング部14が配設されている。また、帯電部12と現像ローラ31との間の表面領域が露光ユニット20からの光ビーム21の照射領域となっている。帯電部12は、本実施形態では帯電ローラからなり、帯電バイアス発生部111から帯電バイアスが印加されて、感光体11の外周面を所定の表面電位Vd(例えばVd=DC+600V)に均一に帯電するもので、帯電手段としての機能を有する。
【0060】
この帯電部12によって均一に帯電された感光体11の外周面に向けて露光ユニット20から例えばレーザで形成される光ビーム21が照射される。この露光ユニット20は、露光制御部112から与えられる制御指令に応じて光ビーム21により感光体11を露光して、感光体11上に画像信号に対応する静電潜像を形成するものである。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース102を介して主制御部100のCPU101に画像信号を含む印字指令信号が与えられると、主制御部100のCPU101からの指令に応じてCPU113が露光制御部112に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。そして、この露光制御部112からの制御指令に応じて露光ユニット20から光ビーム21が感光体11に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体11上に形成される。このように、この実施形態では、露光ユニット20が本発明の「露光手段」に相当し、感光体11が本発明の「像担持体」に相当する。
【0061】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット30の現像ローラ31から供給されるトナーによって顕像化される。現像ユニット30は、現像ローラ31に加えて、現像液32を貯留するタンク33、タンク33に貯留された現像液32を汲み上げて現像ローラ31に塗布位置34aで塗布する塗布ローラ34、塗布ローラ34上の現像液層の厚さを均一に規制する規制ブレード35、感光体11へのトナー供給後に現像ローラ31上に残留した現像液を除去するクリーニングブレード36、粘度計37および後述するメモリ38(図2)を備えている。現像ローラ31は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11とほぼ等しい周速で回転する。塗布ローラ34は現像ローラ31と同一方向(同図中、反時計回り)に約2倍の周速で回転する。
【0062】
現像液32は、本実施形態では、着色顔料、この着色顔料を接着するエポキシ樹脂などの接着剤、トナーに所定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料を均一に分散させる分散剤等からなるトナーが、液体キャリア中に分散されてなる。本実施形態では、液体キャリアとして例えばポリジメチルシロキサンオイルなどのシリコーンオイルを用いており、トナー濃度を5〜40重量%として、湿式現像方式で多く用いられる低濃度現像液(トナー濃度が1〜2重量%)に比べて高濃度にしている。なお、液体キャリアの種類はシリコーンオイルに限定されるものではなく、また、現像液32の粘度は、使用する液体キャリアやトナーを構成する各材料、トナー濃度などによって決まるが、本実施形態では、例えば粘度を50〜6000mPa・sとしている。
【0063】
感光体11と現像ローラ31との間隔(現像ギャップ=現像液層の厚さ)は、本実施形態では例えば5〜40μmに設定し、現像ニップ距離(現像液層が感光体11および現像ローラ31の双方に接触している周方向の距離)は、本実施形態では例えば5mmに設定している。上述した低濃度現像液の場合にはトナー量を稼ぐべく100〜200μmの現像ギャップを必要とするのに比べて、高濃度現像液を用いる本実施形態では現像ギャップを短縮することができる。従って、現像液中を電気泳動によって移動するトナーの移動距離が短縮するとともに、同一の現像バイアスを印加してもより高い電界が発生するので、現像効率を向上することができ、現像を高速に行えることとなる。
【0064】
粘度計37は、タンク33内に配設されており、この粘度計37によって検出された現像液32の粘度に基づきCPU113によりトナー濃度が求められる。なお、粘度計37に代えて、例えば透過型光センサからなる濃度センサを配設し、直接、タンク33内の現像液32のトナー濃度を検出するようにしてもよい。
【0065】
さらに、現像ユニット30は、現像ローラ31上の塗布位置34aと現像位置16との間において現像ローラ31に対向配置されたスキージーローラ51,52,53を備えている。スキージーローラ51,52,53は、現像ローラ31に対して接離方向に移動可能に支持されている。すなわち、例えばソレノイドやモータなどからなるアクチュエータ54(図2)が接離駆動部118(図2)によって駆動されると、現像ローラ31の近接位置(図1中、実線)と離間位置(図1中、破線)との間で往復移動する。近接位置は、現像ローラ31上に担持されている現像液にスキージーローラ51,52,53が接触する位置であり、離間位置は、近接位置から離れて上記現像液にスキージーローラ51,52,53が接触しない位置である。また、スキージーローラ51,52,53は、現像ローラ31に従動する方向(図1中、時計回り)に現像ローラ31とほぼ等しい周速で回転する。このスキージーローラ51,52,53は、現像ローラ31の表面に担持されている現像液32のトナー濃度を調整するもので、その動作については後に詳述する。
【0066】
このような構成の現像ユニット30において、タンク33に貯留された現像液32が塗布ローラ34により汲み上げられ、規制ブレード35により塗布ローラ34上の現像液層の厚さが均一に規制され、この均一な現像液32が現像ローラ31の表面に付着し、現像ローラ31の回転に伴って感光体11に対向する現像位置16に搬送される。
【0067】
そして、荷電制御剤などの作用によってトナーは例えば正に帯電しており、現像位置16では現像バイアス発生部114から現像ローラ31に印加される現像バイアスVb(例えばVb=DC+400V)によってトナーが現像ローラ31から感光体11に移動して、静電潜像が顕像化される。このように、この実施形態では、現像ローラ31が本発明の「現像液担持体」に相当し、タンク33が本発明の「容器」に相当し、現像ユニット30が本発明の「液体現像手段」に相当し、粘度計37が本発明の「濃度検出手段」に相当する。
【0068】
上記のようにして感光体11上に形成されたトナー像は、感光体11の回転に伴って中間転写ローラ41に対向する1次転写位置44に搬送される。中間転写ローラ41は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から1次転写バイアス(例えばDC−400V)が印加されると、感光体11上のトナー像が中間転写ローラ41に1次転写される。1次転写後における感光体11上の残留電荷はLEDなどからなる除電部13により除去され、残留現像液はクリーニング部14により除去される。
【0069】
中間転写ローラ41の適所(図1では中間転写ローラ41の鉛直下方)に2次転写ローラ42が対向配置されており、中間転写ローラ41に1次転写された1次転写トナー像は中間転写ローラ41の回転に伴って2次転写ローラ42に対向する2次転写位置45に搬送される。一方、給紙カセット3に収容されている転写紙4は、1次転写トナー像の搬送に同期して搬送駆動部(図示省略)により2次転写位置45に搬送される。そして、2次転写ローラ42は中間転写ローラ41に従動する方向(図1中、時計回り)に中間転写ローラ41と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から2次転写バイアス(例えば定電流制御で−100μA)が印加されると、中間転写ローラ41上のトナー像が転写紙4に2次転写される。2次転写後における中間転写ローラ41上の残留現像液はクリーニング部43により除去される。こうしてトナー像が2次転写された転写紙4は、所定の転写紙搬送経路5(図1中、一点鎖線)に沿って搬送され、定着ユニット6によってトナー像が定着され、装置本体2の上部に設けられた排出トレイに排出される。また、装置本体2の上面には、例えば液晶ディスプレイおよびタッチパネルからなる操作表示パネル7が配設されており、使用者による操作指示を受け付けるとともに、所定の情報を表示して使用者に報知する。このように、この実施形態では、中間転写ローラ41、2次転写ローラ42、転写バイアス発生部115が本発明の「転写手段」に相当し、転写紙4が本発明の「転写媒体」に相当する。
【0070】
図2において、主制御部100は、インターフェース102を介して外部装置から与えられた画像信号を記憶するための画像メモリ103を備えており、CPU101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号をインターフェース102を介して受信すると、エンジン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジン制御部110に送出する。
【0071】
エンジン制御部110のメモリ116は、予め設定された固定データを含むCPU113の制御プログラムを記憶するROMや、エンジン部1の制御データやCPU113による演算結果などを一時的に記憶するRAMなどからなる。CPU113はCPU101を介して外部装置から送られた画像信号に関するデータをメモリ116に格納する。
【0072】
現像ユニット30のメモリ38は、当該現像ユニット30の製造ロット、使用履歴、内蔵トナーの特性、現像液32の残量やトナー濃度などに関するデータを記憶するものである。このメモリ38は通信部39と電気的に接続されており、通信部39は例えばタンク33に取り付けられている。そして、現像ユニット30が装置本体2に装着されると、通信部39がエンジン制御部110の通信部117と所定距離以内、例えば10mm以内に対向配置されるように構成されており、赤外線などの無線通信により互いに非接触状態でデータを送受信可能となっている。これによって、CPU113により現像ユニット30に関する消耗品管理等の各種情報の管理が行われる。
【0073】
なお、この実施形態では無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受信を行うようにしているが、例えば装置本体2および現像ユニット30にそれぞれコネクタを設けておき、装置本体2に現像ユニット30を装着すると、両コネクタが機械的に嵌合することで相互にデータ送受信を行うようにしてもよい。また、メモリ38は、電源オフ状態や現像ユニット30が装置本体2から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリなどのEEPROMや強誘電体メモリなどを用いることができる。
【0074】
図3はスキージーローラおよび現像ローラの構成を模式的に示す図、図4は濃度調整バイアス発生部の回路図である。図3に示すように、現像ローラ31とスキージーローラ51,52,53との間には、それぞれ濃度調整バイアス発生部119が接続されている。濃度調整バイアス発生部119は、図4に示すように、正バイアス電源部61、負バイアス電源部62および短絡ライン部63と、CPU113からの制御信号により各部61〜63の接続を切り換えるスイッチ64とを備えている。
【0075】
なお、正バイアスとは、図4中、濃度調整バイアス発生部119に接続される下方のローラ(ここでは現像ローラ31)から上方のローラ(ここではスキージーローラ51〜53)に正帯電トナーが移動する向きのバイアスを意味し、負バイアスとは、逆に上方のローラから下方のローラに正帯電トナーが移動する向きのバイアスを意味する。ここで、図5〜図8を参照して、スキージーローラ51,52,53によるトナー濃度調整作用について説明する。
【0076】
図5は2つのローラ(ここではスキージーローラ51と現像ローラ31)間における現像液の移動を説明する図である。また、図6〜図8は、それぞれ正バイアス電源部61、負バイアス電源部62、短絡ライン部63がスイッチ64により接続されたときの図5の各領域における現像液層を示す図で、図6〜図8の(A)(B)(C)(D)はそれぞれ図5の領域A,B,C,Dに対応する。
【0077】
図5において、領域Aの現像液層は、塗布ローラ34により現像液32が現像ローラ31に塗布された状態になっている。すなわち領域Aには、図6(A)、図7(A)、図8(A)に示すように、例えば厚さがT0、トナー濃度がD0の現像液32が塗布されている。領域Bの現像液層は、現像ローラ31上の現像液がスキージーローラ51に接触することで、双方のローラ31,51にニップされた状態になっている。そして、領域Bにおいて双方のローラ31,51にニップされていた現像液層がローラ31,51の回転に伴って分離して、ローラ51側の領域Cの現像液層と、ローラ31側の領域Dの現像液層とが形成される。
【0078】
次に、図5および図6を参照して、濃度調整バイアス発生部119の正バイアス電源部61が接続された場合について説明する。領域Bでは、現像ローラ31からスキージーローラ51に向けて正帯電トナーが移動するバイアス電圧が印加される。従って、図6(B)に示すように、スキージーローラ51に接する部分のトナー濃度が最も高く、スキージーローラ51から離れるに従って徐々にトナー濃度が低下して、現像ローラ31に接する部分にはトナーを含まない液体キャリア層321が形成される。
【0079】
そして、トナーを含まない液体キャリア層321が最も粘度が低いので、その液体キャリア層321で現像液32が分離すると考えられる。そこで、図6(B)の破線で示す箇所で分離したとすると、領域Cでは、図6(C)に示すように、現像液32の厚さはT1p、トナー濃度はD1p=D0・T0/T1pでD1p>D0となり、高濃度の現像液32がスキージーローラ51に移動する。一方、領域Dでは、図6(D)に示すように、厚さが(T0−T1p)、トナー濃度が0の液体キャリア層321が形成され、現像ローラ31に担持されている現像液32のトナー濃度は0となる。
【0080】
次に、図5および図7を参照して、濃度調整バイアス発生部119の負バイアス電源部62が接続された場合について説明する。領域Bでは、正バイアスの場合と逆に、スキージーローラ51から現像ローラ31に向けて正帯電トナーが移動するバイアス電圧が印加される。従って、図7(B)に示すように、現像ローラ31に接する部分のトナー濃度が最も高く、現像ローラ31から離れるに従って徐々にトナー濃度が低下して、スキージーローラ51に接する部分にはトナーを含まない液体キャリア層321が形成される。上述したように、最も粘度が低い液体キャリア層321で現像液32が分離すると考えられる。そこで、図7(B)の破線で示す箇所で分離したとすると、領域Cでは、図7(C)に示すように、厚さがT1n、トナー濃度が0の液体キャリア層321がスキージーローラ51に移動する。一方、領域Dでは、図7(D)に示すように、現像液32の厚さは(T0−T1n)、トナー濃度はD1n=D0・T0/(T0−T1n)でD1n>D0となり、塗布された濃度より高濃度の現像液32が現像ローラ31に担持されることとなる。
【0081】
次に、図5および図8を参照して、濃度調整バイアス発生部119の短絡ライン部63が接続された場合について説明する。この場合には、現像ローラ31とスキージーローラ51とは同一バイアスに保持される。従って、領域Bでは、図8(B)に示すように、正帯電トナーは移動せず、塗布ローラ34により塗布された状態が継続される。このため、粘度もほぼ等分布していることから、現像液32のほぼ中央で分離すると考えられる。従って、領域Cでは、図8(C)に示すように、トナー濃度がD0と元のままで、厚さがT0/2と半分になった現像液32の層がスキージーローラ51上に形成される。また、領域Dでは、図8(D)に示すように、トナー濃度がD0と元のままで、厚さがT0/2と半分になった現像液32の層が現像ローラ31上に担持されることとなる。
【0082】
このように、現像液は、2つのローラの双方に一旦ニップされた後、分離するため、現像ローラ31からスキージーローラ51に現像液の一部が移動する。すなわち、スキージーローラ51は、現像ローラ31が担持している現像液の一部を剥ぎ取ることとなる。そして、その剥ぎ取った一部の現像液に含まれるトナー量を濃度調整バイアス発生部119により制御することによって、現像ローラ31上に担持される現像液32のトナー濃度を調整することができる。
【0083】
なお、図5〜図8ではスキージーローラ51について説明しているが、スキージーローラ52,53についても全く同様である。例えば図3において、スキージーローラ51,52,53にそれぞれ接続されている濃度調整バイアス発生部119の全てで負バイアス電源部62が接続された場合には、図3の各領域A,B,C,D,Eにおける現像ローラ31上の現像液32の層は、それぞれ、図9の(A)(B)(C)(D)(E)に示す状態となる。
【0084】
図9はスキージーローラ51,52,53の濃度調整作用による現像ローラ31上の現像液層の変化を示す図である。図3の領域Aでは、塗布ローラ34により現像液32が現像ローラ31に塗布された状態になっており、図9(A)に示すように、液体キャリアにトナーが分散している。次いで、図3の領域Bでは、スキージーローラ51から現像ローラ31に正帯電トナーが移動するバイアス電圧が印加され、図9(B)に示すように、現像ローラ31側にトナー層322が形成され、表層部に液体キャリア層321が形成される。
【0085】
そして、スキージーローラ51により液体キャリア層321の一部が剥ぎ取られるときに、液体キャリア層321のほぼ中央で分離すると考えられるため、図3の領域Cでは、図9(C)に示すように、(B)に比べて液体キャリア層321の厚さが約半分になる。次いで、負バイアスが印加されているので、同様に液体キャリア層321の一部がさらにスキージーローラ52により剥ぎ取られ、図3の領域Dでは、図9(D)に示すように、(C)に比べて液体キャリア層321の厚さがさらに約半分になる。次いで、負バイアスが印加されているので、同様に液体キャリア層321の一部がさらにスキージーローラ53により剥ぎ取られ、図3の領域Eでは、図9(E)に示すように、(D)に比べて液体キャリア層321の厚さがさらに約半分になる。
【0086】
このように、スキージーローラ51,52,53によって表層部の液体キャリア層321の一部が順次剥ぎ取られるため、スキージーローラ51,52,53を通過する度に、現像ローラ31上に担持されている現像液32のトナー濃度が高くなっていく。そして、スキージーローラ51,52,53が現像ローラ31から剥ぎ取った現像液は、図3に示すように、クリーニングブレード55によってそれぞれ除去される。その除去された現像液は、回収用管路56(図3中、破線)を通って、タンク33に戻される。なお、本実施形態では、除去現像液を自重でタンク33に戻すようにしているが、回収用管路56にポンプを設け、ポンプを駆動して強制的に除去現像液をタンク33に戻すようにしてもよい。このように、第1実施形態では、スキージーローラ51〜53が本発明の「剥ぎ取り部材」に相当し、濃度調整バイアス発生部119が本発明の「電圧印加手段」に相当する。
【0087】
図10は濃度調整処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。エンジン制御部110のメモリ116には予め濃度調整処理プログラムが記憶されている。そして、CPU113が該プログラムにしたがって装置各部を制御することで、以下の濃度調整処理が実行される。
【0088】
まず、粘度計37からの検出信号に基づきタンク33内の現像液32のトナー濃度を求める(#10)。そして、求められたトナー濃度が初期値に比べて低いか否かが判別され(#12)、低くなければ(#12でNO)、トナー濃度が初期値に比べて高いか否かが判別される(#14)。
【0089】
ここで、粘度計37により検出される現像液32の粘度と現像液32のトナー濃度との関係が演算式またはテーブルデータ形式で予め求められており、この関係と、タンク33の現像液32のトナー濃度の初期値とがメモリ116に格納されたプログラムに含まれている。そして、上記関係に基づき#10のトナー濃度を求める処理が実行され、求められたトナー濃度を上記初期値と比較することによって、#12,#14の判別が実行される。
【0090】
そして、求められたトナー濃度が上記初期値より低いときは(#12でYES)、現像ローラ31上のトナー濃度を低下させる(#16)。すなわち、スキージーローラ51〜53を近接位置に移動し、濃度調整バイアス発生部119の正バイアス電源部61を接続する。これによって、スキージーローラ51〜53にトナーが移動し、この移動したトナーが、クリーニングブレード55により除去され、回収用管路56を通ってタンク33に戻されるため、タンク33のトナー濃度は上昇することとなる。
【0091】
一方、求められたトナー濃度が上記初期値より高いときは(#14でYES)、トナー濃度を上昇させる(#18)。すなわち、スキージーローラ51〜53を近接位置に移動し、濃度調整バイアス発生部119の負バイアス電源部62を接続する。これによって、スキージーローラ51〜53に液体キャリアが移動し、この移動した液体キャリアが、クリーニングブレード55により除去され、回収用管路56を通ってタンク33に戻されるため、タンク33のトナー濃度は低下することとなる。
【0092】
このように、図10の動作によれば、タンク33のトナー濃度を検出し、その検出値に基づき現像ローラ31に担持されている現像液のトナー濃度を調整するとともに、スキージーローラ51〜53から回収した現像液をタンク33に戻すようにしているので、タンク33のトナー濃度を初期値のまま維持することができる。これによって、タンク33の現像液32を最後まで無駄なく使用することができ、また、外部からの液体キャリアやトナーなどの補給量を最小限にすることができる。
【0093】
なお、粘度計37により検出される現像液32の粘度と現像液32のトナー濃度との関係に基づき、現像液32のトナー濃度の初期値に対応する現像液32の粘度の初期値を予め求めてメモリ116に記憶しておき、検出した粘度を直接対応する初期値と比較することによって、図10の#12,#14の判別を行うようにしてもよい。
【0094】
図11は濃度調整処理ルーチンの別の例を示すフローチャートである。まず、静電潜像に占める画像部の比率である画占率を求める(#20)。例えば主制御部100は、静電潜像を構成する画素のうちでトナーが付着するオンドット数をカウントするドットカウンタを備えている。そして、画像全体のドット数に対する上記オンドット数の比率を上記画占率として求める。例えば黒べた画像であれば画占率は100%になり、白べた画像の部分(画像の空白部分)は画占率が0%になる。
【0095】
そして、求められた画占率が高いか否かが判別され(#22)、高くなければ(#22でNO)、画占率が低いか否かが判別される(#24)。ここで、画占率の上限値と下限値とが予め決められており、求められた画占率を上限値と比較することで#22の判別が実行され、下限値と比較することで#24の判別が実行される。
【0096】
そして、求めた画占率が上記上限値より高いときは(#22でYES)、現像ローラ31上のトナー濃度を低下させる(#26)。すなわち、スキージーローラ51〜53を近接位置に移動し、濃度調整バイアス発生部119の正バイアス電源部61を接続する。これによって、スキージーローラ51〜53にトナーが移動し、この移動したトナーが、クリーニングブレード55により除去され、回収用管路56を通ってタンク33に戻される。画占率が高い場合には、トナーがより多く消費されるため、タンク33のトナー濃度は低下するが、スキージーローラ51〜53からトナーがタンク33に戻されるので、濃度低下が抑制されることとなる。
【0097】
一方、求めた画占率が上記下限値より低いときは(#24でYES)、現像ローラ31上のトナー濃度を増加させる(#28)。すなわち、スキージーローラ51〜53を近接位置に移動し、濃度調整バイアス発生部119の負バイアス電源部62を接続する。これによって、スキージーローラ51〜53に液体キャリアが移動し、この移動した液体キャリアが、クリーニングブレード55により除去され、回収用管路56を通ってタンク33に戻される。画占率が低い場合には、液体キャリアがより多く消費されるため、タンク33のトナー濃度は上昇するが、スキージーローラ51〜53から液体キャリアがタンク33に戻されるので、濃度上昇が抑制されることとなる。
【0098】
このように、図11の動作によれば、画占率に基づき現像ローラ31に担持されている現像液のトナー濃度を調整するとともに、スキージーローラ51〜53から回収した現像液をタンク33に戻すようにしているので、タンク33のトナー濃度変化を抑制し、一定値に保持することができる。これによって、タンク33の現像液32を最後まで無駄なく使用することができ、また、外部からの液体キャリアやトナーなどの補給量を最小限にすることができる。また、図10の場合に比べて、粘度計37などのタンク33のトナー濃度検出手段が不要になるので、装置構成を簡素化することができる。
【0099】
なお、図11の動作において、画占率が0%の部分では液体キャリアのみが消費されることになるので、タンク33のトナー濃度を一定に保つのは困難であるが、頁単位の画占率を求めるなど、ある程度まとまった範囲で画占率を求めるようにすることで、スキージーローラ51〜53により回収されずに感光体11に移動する現像液の平均値としてのトナー濃度を一定にすることができ、これによって、タンク33内のトナー濃度を可能な限り一定に保つことができる。
【0100】
図12は濃度調整処理ルーチンのさらに別の例のフローチャートである。この形態では、エンジン部1の感光体11上に対向配置された例えば反射型光センサからなる濃度センサ17を備えている。そして、まず、感光体11上に形成された所定のパッチ画像の光学濃度を検出する(#30)。このパッチ画像の光学濃度は予め求められてメモリ116またはメモリ38に格納されている。そして、この記憶されている光学濃度に比べて検出された光学濃度が高いか否かが判別され(#32)、高くなければ(#32でNO)、低いか否かが判別される(#34)。
【0101】
そして、検出された光学濃度が上記記憶値より高いときは(#32でYES)、現像ローラ31上のトナー濃度を低下させる(#36)。すなわち、スキージーローラ51〜53を近接位置に移動し、濃度調整バイアス発生部119の正バイアス電源部61を接続する。これによって、スキージーローラ51〜53にトナーが移動するため、現像ローラ31上のトナー濃度が低下する。検出された光学濃度が記憶値より高いのは、タンク33のトナー濃度が上昇していることを意味するので、現像ローラ31上のトナー濃度を低下させることにより、適正な光学濃度の画像が得られることになる。
【0102】
一方、検出された光学濃度が記憶値より低いときは(#34でYES)、現像ローラ31上のトナー濃度を増加させる(#38)。すなわち、スキージーローラ51〜53を近接位置に移動し、濃度調整バイアス発生部119の負バイアス電源部62を接続する。これによって、スキージーローラ51〜53に液体キャリアが移動するため、現像ローラ31上のトナー濃度が上昇する。検出された光学濃度が記憶値より低いのはタンク33のトナー濃度が低下していることを意味するので、現像ローラ31上のトナー濃度を上昇させることにより、適正な光学濃度の画像が得られることになる。
【0103】
このように、図12の動作によれば、所定濃度のパッチ画像の光学濃度を検出し、その検出された光学濃度に基づき現像ローラ31に担持されている現像液のトナー濃度を調整するようにしているので、常に適正な光学濃度の画像を得ることができる。
【0104】
なお、図12の動作を行う形態では、スキージーローラ51〜53から回収した現像液をタンク33に戻すと、タンク33内のトナー濃度の上昇または低下が一方向に進むことになり、一定値に保持することが困難になるので、タンク33に戻さないように構成することが好ましい。
【0105】
このように、第1実施形態によれば、現像ローラ31に担持されている現像液に接触して一部の現像液を剥ぎ取るスキージーローラ51〜53を備え、濃度調整バイアス発生部119により現像ローラ31とスキージーローラ51〜53との間にバイアス電圧を印加して、現像ローラ31からスキージーローラ51〜53に移動する現像液に含まれるトナー量を制御するようにしているので、現像ローラ31に担持されている現像液のトナー濃度を調整することができる。
【0106】
また、図4の濃度調整バイアス発生部119のスイッチ64を例えばIGBTやMOS−FETなどのトランジスタで構成し、CPU113によりスイッチ64をPWM制御するようにしてもよい。この場合には、オンオフのデューティ比を変えることによりバイアス電圧のレベルを変化させることができるので、さらにトナー濃度の微調整を行うことができる。この場合、例えば図10の#16,#18では、トナー濃度と初期値との差分に応じたレベルのバイアス電圧を発生させるようにすればよい。また、例えば図11の#26,#28では、画占率と上限値または下限値との差分に応じたレベルのバイアス電圧を発生させるようにすればよい。また、例えば図12の#36,#38では、光学濃度と記憶値との差分に応じたレベルのバイアス電圧を発生させるようにすればよい。
【0107】
また、スキージーローラ51〜53の全てを近接位置に移動させるのではなくて、1個または2個のみを近接位置に移動させるようにしてもよい。この場合にもトナー濃度の微調整を行うことができる。また、3個のスキージーローラ51〜53を備えているが、これに限られず、1個、2個または4個以上備えるようにしてもよい。
【0108】
(第2実施形態)
図13は本発明に係る画像形成装置の第2実施形態であるプリンタの構成を示す図である。なお、図13では感光体11、現像ユニット30および濃度調整バイアス発生部119のみを図示しており、その他の部分は第1実施形態と同様であるので省略している。また、第1実施形態と同一要素には同一符号を付している。
【0109】
第2実施形態の現像ユニット30は、第1実施形態のスキージーローラを備えておらず、塗布ローラ34と現像ローラ31との間に濃度調整バイアス発生部119が接続されている。そして、塗布ローラ34が現像ローラ31に担持させる現像液に含まれるトナー量を制御することで、現像ローラ31に担持される現像液のトナー濃度を調整するようにしている。なお、第2実施形態の塗布ローラ34は、図13に示すように、現像ローラ31に従動する方向(図13中、時計回り)に回転する。
【0110】
第2実施形態の濃度調整動作について説明する。濃度調整バイアス発生部119の正バイアス電源部61が接続されると、上記図6に示した態様で現像ローラ31に現像液が移動する。すなわち、塗布ローラ34から現像ローラ31に移動する現像液に含まれるトナー量が増大し、これによって現像ローラ31上の現像液のトナー濃度がタンク33の現像液32に比べて増大する調整が行われる。
【0111】
また、濃度調整バイアス発生部119の負バイアス電源部62が接続されると、上記図7に示した態様で現像ローラ31に現像液が移動する。すなわち、塗布ローラ34から現像ローラ31に移動する現像液に含まれるトナー量が減少し、これによって現像ローラ31上の現像液のトナー濃度がタンク33の現像液32に比べて減少する調整が行われる。
【0112】
また、濃度調整バイアス発生部119の短絡ライン部63が接続されると、上記図8に示した態様で、トナー濃度が変化することなく、タンク33と同一濃度の現像液32が現像ローラ31に担持される。このように、第2実施形態では、塗布ローラ34が本発明の「塗布部材」、「現像液供給手段」に相当し、濃度調整バイアス発生部119が本発明の「塗布電圧印加手段」に相当する。
【0113】
このように、第2実施形態によれば、塗布ローラ34と現像ローラ31との間に接続した濃度調整バイアス発生部119により塗布ローラ34と現像ローラ31との間にバイアス電圧を印加して、塗布ローラ34から現像ローラ31に移動する現像液に含まれるトナー量を制御するようにしているので、現像ローラ31に担持される現像液のトナー濃度を調整することができる。
【0114】
また、この第2実施形態でも、図10〜図12の動作を行うことができる。ただし、上記第2実施形態では、トナー濃度を増減させる際の濃度調整バイアス発生部119の接続状態が第1実施形態と逆になる。すなわち、図10のステップ#16、図11のステップ#26、図12のステップ#36において現像ローラ31上のトナー濃度を低下させるときには、濃度調整バイアス発生部119の負バイアス電源部62を接続し、各図のステップ#18,#28,#38において現像ローラ31上のトナー濃度を上昇させるときには、濃度調整バイアス発生部119の正バイアス電源部61を接続する。
【0115】
(第3実施形態)
図14は本発明に係る画像形成装置の第3実施形態であるプリンタの構成を示す図である。なお、図14では感光体11、現像ユニット30および濃度調整バイアス発生部119のみを図示しており、その他の部分は第1実施形態と同様であるので省略している。また、第1実施形態と同一要素には同一符号を付している。
【0116】
第3実施形態の現像ユニット30は、タンク33に貯留された現像液32を汲み上げる汲み上げローラ71,72、汲み上げローラ71,72により汲み上げられた現像液に接触し、その一部を剥ぎ取って担持し、その担持した現像液を現像ローラ31に接触させて、担持している現像液のさらに一部を現像ローラ31に担持させる塗布ローラ73および各ローラ71,72,73上の残留現像液を除去するクリーニングブレード74を備えている。塗布ローラ73は現像ローラ31に従動する方向(図14中、時計回り)に現像ローラ31とほぼ等しい周速で回転する。汲み上げローラ71,72はそれぞれ塗布ローラ73に従動する方向(図14中、反時計回り)に塗布ローラ73とほぼ等しい周速で回転する。
【0117】
汲み上げローラ71と塗布ローラ73とは、短絡ライン部75により電気的に接続され、互いに同一バイアスに保持されている。また、汲み上げローラ72と塗布ローラ73との間には濃度調整バイアス発生部119(本発明の「汲み上げ電圧印加手段」に相当)が接続され、塗布ローラ73と現像ローラ31との間には濃度調整バイアス発生部119(本発明の「塗布電圧印加手段」に相当)が接続されている。
【0118】
第3実施形態の濃度調整動作について説明する。汲み上げローラ71,72が回転すると、それぞれその表面に現像液32が担持され、担持した現像液の層が規制ブレード(図示省略)により均一になされる。そして、汲み上げローラ71上の現像液層が塗布ローラ73に接触すると、上記図5に示すように、その一部が塗布ローラ73により剥ぎ取られて、塗布ローラ73の表面に現像液が担持され、さらに、この担持された塗布ローラ73上の現像液層と汲み上げローラ72上の現像液層とが接触する。ここで、両方のローラに現像液が担持されている状態でのローラ間における現像液の移動について、図15を参照して説明する。
【0119】
図15(A)(B)は両方のローラに現像液が担持されている状態でのローラ間における現像液の移動を説明する図である。図15(A)において、ローラ81には、トナー濃度がD1、厚さがt1の現像液が担持されており、ローラ82には、トナー濃度がD2、厚さがt2の現像液が担持されている。そして、これらの現像液がニップ部で接触した後、分離して、ローラ81には厚さがt3の現像液が担持され、ローラ82には厚さがt4の現像液が担持される。この場合には、ニップ部での厚さtは、
t=t1+t2
となる。また、ニップ部で混合された現像液のトナー濃度Dは、
D=(t1・D1+t2・D2)/(t1+t2)
となる。
【0120】
そこで、図15(A)に示すような場合には、同図(B)に示すように、ローラ81に、トナー濃度がD、厚さがtの現像液が担持されているのと等価であると考える。これによって、図14の汲み上げローラ72と塗布ローラ73との間における現像液の移動も、上記図5〜図8と同様に考えることができる。
【0121】
図14に戻って、汲み上げローラ71と塗布ローラ73とは、短絡ライン部75により同一バイアスに保持されているので、上記図8に示した態様で、トナー濃度が変化することなく、現像液32が塗布ローラ73に担持される。一方、汲み上げローラ72と塗布ローラ73との間において、濃度調整バイアス発生部119の正バイアス電源部61が接続されると、上記図6に示した態様で塗布ローラ73に現像液が移動する。すなわち、汲み上げローラ72から塗布ローラ73に移動する現像液に含まれるトナー量が増大することで、塗布ローラ73上の現像液のトナー濃度がタンク33の現像液32に比べて増大するトナー濃度調整が行われる。
【0122】
また、濃度調整バイアス発生部119の負バイアス電源部62が接続されると、上記図7に示した態様で塗布ローラ73に現像液が移動する。すなわち、汲み上げローラ72から塗布ローラ73に移動する現像液に含まれるトナー量が減少することで、塗布ローラ73上の現像液のトナー濃度がタンク33の現像液32に比べて低下するトナー濃度調整が行われる。
【0123】
さらに、塗布ローラ73と現像ローラ31との間に接続された濃度調整バイアス発生部119の接続状態を切り換えることにより、塗布ローラ73から現像ローラ31に移動する現像液に含まれるトナー量が制御される。これによって、現像ローラ31上に担持される現像液のトナー濃度が調整されることとなる。このように、第3実施形態では、汲み上げローラ71,72が本発明の「汲み上げ部材」に相当し、塗布ローラ73が本発明の「塗布部材」に相当し、汲み上げローラ71,72および塗布ローラ73が本発明の「現像液供給手段」に相当する。
【0124】
このように、第3実施形態によれば、塗布ローラ73と現像ローラ31との間に濃度調整バイアス発生部119を接続し、塗布ローラ73と現像ローラ31との間に印加するバイアス電圧をするようにしているので、塗布ローラ73から現像ローラ31に移動する現像液に含まれるトナー量を制御することができ、これによって、現像ローラ31上に担持される現像液のトナー濃度を調整することができる。
【0125】
また、第3実施形態によれば、汲み上げローラ71と塗布ローラ73とを同一バイアスに保持し、汲み上げローラ72と塗布ローラ73との間に濃度調整バイアス発生部119を接続しているので、塗布ローラ73に担持される現像液のトナー濃度を調整することができ、これによって、現像ローラ31上に担持される現像液のトナー濃度を微調整することができる。
【0126】
また、第3実施形態において、クリーニングブレード74により除去された残留現像液をタンク33に戻すように構成すると、第1実施形態と同様に、タンク33のトナー濃度変化を抑制し、一定値に保持することができる。これによって、タンク33の現像液32を最後まで無駄なく使用することができ、また、外部からの液体キャリアやトナーなどの補給量を最小限にすることができる。
【0127】
また、この第3実施形態でも、図10〜図12の動作を行うことができる。ただし、第3実施形態では、トナー濃度を増減させる際の濃度調整バイアス発生部119の接続状態が上記第1実施形態と逆になる。すなわち、上記第2実施形態と同様になる。
【0128】
(第4実施形態)
図16は本発明に係る画像形成装置の第4実施形態であるプリンタの構成を示す図である。なお、図16では現像ユニット30および濃度調整バイアス発生部119のみを図示しており、その他の部分は第1実施形態と同様であるので省略している。また、第1実施形態と同一要素には同一符号を付している。
【0129】
第4実施形態の現像ユニット30は、タンク33に貯留された現像液32を汲み上げる汲み上げローラ91a,91b、汲み上げローラ91a,91bにより汲み上げられた現像液をそれぞれ担持して現像ローラ31に塗布するリレーローラ92a,92b、各ローラ91a,91b,92a,92b上の残留現像液を除去するクリーニングブレード93を備えている。
【0130】
リレーローラ92a,92bは、それぞれ現像ローラ31に従動する方向(図16中、時計回り)に現像ローラ31とほぼ等しい周速で回転する。汲み上げローラ91a,91bは、それぞれリレーローラ92a,92bに従動する方向(図16中、反時計回り)にリレーローラ92a,92bとほぼ等しい周速で回転する。また、リレーローラ92aと汲み上げローラ91aとの間、リレーローラ92bと汲み上げローラ91bとの間には、それぞれ濃度調整バイアス発生部119(本発明の「汲み上げ電圧印加手段」に相当)が接続されている。また、現像ローラ31とリレーローラ92aとの間、現像ローラ31とリレーローラ92bとの間には、それぞれ濃度調整バイアス発生部119(本発明の「塗布電圧印加手段」に相当)が接続されている。
【0131】
第4実施形態の濃度調整動作について説明する。汲み上げローラ91a,91bが回転すると、各ローラ91a,91bの表面にそれぞれ現像液32が担持され、担持した現像液の層がそれぞれ規制ブレード(図示省略)により均一になされる。
【0132】
そして、汲み上げローラ91a上の現像液層がリレーローラ92aに接触すると、上記図5に示すように、その一部がリレーローラ92aに移動して、リレーローラ92aの表面に現像液が担持される。ここで、濃度調整バイアス発生部119の接続を切り換えることにより、汲み上げローラ91aからリレーローラ92aに移動する現像液に含まれるトナー量が制御される。
【0133】
さらに、リレーローラ92a上の現像液層が現像ローラ31に接触すると、同様に上記図5に示すように、その一部が現像ローラ31に移動して、現像ローラ31の表面に現像液が担持される。ここで、濃度調整バイアス発生部119の接続を切り換えることにより、リレーローラ92aから現像ローラ31に移動する現像液に含まれるトナー量が制御される。このように、第4実施形態では、汲み上げローラ91aおよびリレーローラ92aが本発明の「現像液供給手段」に相当する。
【0134】
一方、汲み上げローラ91b上の現像液層がリレーローラ92bに接触すると、同様に上記図5に示すように、その一部がリレーローラ92bに移動して、リレーローラ92bの表面に現像液が担持される。ここで、各濃度調整バイアス発生部119の接続を切り換えることにより、汲み上げローラ91bからリレーローラ92bに移動する現像液に含まれるトナー量が制御される。
【0135】
さらに、リレーローラ92b上の現像液層が現像ローラ31上の現像液層に接触すると、上記図12(A)と同様の状態になる。そこで、上記図12(B)に示すように考えることで、最終的に所定トナー濃度で所定厚さの現像液が現像ローラ31の表面に担持される。ここで、濃度調整バイアス発生部119の接続を切り換えることにより、リレーローラ92bから現像ローラ31に移動する現像液に含まれるトナー量が制御される。このように、第4実施形態では、汲み上げローラ91bおよびリレーローラ92bが本発明の「現像液供給手段」に相当する。
【0136】
このように、第4実施形態の現像ユニット30は、「現像液供給手段」に相当する構成を2つ備えている。すなわち、現像ローラ31への現像液供給ルートとして、汲み上げローラ91aおよびリレーローラ92aを介する第1供給ルートと、汲み上げローラ91bおよびリレーローラ92bを介する第2供給ルートとの2つのルートを備えている。
【0137】
しかも、各ルートにおいて、それぞれ2箇所で現像液に含まれるトナー量の制御を行っている。すなわち、第1供給ルートでは、汲み上げローラ91aからリレーローラ92aに現像液が移動する際と、リレーローラ92aから現像ローラ31に現像液が移動する際の2個所で上記制御を行っている。また、第2供給ルートでは、汲み上げローラ91bからリレーローラ92bに現像液が移動する際と、リレーローラ92bから現像ローラ31に現像液が移動する際の2個所で上記制御を行っている。
【0138】
これによって、第4実施形態によれば、現像ローラ31に担持する現像液のトナー濃度の調整を、幅広く、木目細かく行うことができる。
【0139】
また、第4実施形態において、クリーニングブレード93により各ローラ91a,92a,91b,92bから除去された残留現像液をタンク33に戻すように構成すると、第1実施形態と同様に、タンク33のトナー濃度変化を抑制し、一定値に保持することができる。これによって、タンク33の現像液32を最後まで無駄なく使用することができ、また、外部からの液体キャリアやトナーなどの補給量を最小限にすることができる。
【0140】
また、この第4実施形態でも、図10〜図12の動作を行うことができる。ただし、第4実施形態では、トナー濃度を増減させる際の濃度調整バイアス発生部119の接続状態が上記第1実施形態と逆になる。すなわち、上記第2実施形態と同様になる。
【0141】
なお、第4実施形態において、リレーローラ92a,92bを備えずに、汲み上げローラ91a,91bから直接現像ローラ31に現像液を供給するようにしてもよい。この場合でも、現像ローラ31に現像液を供給するルートを2つ供えているので、現像ローラ31に担持される現像液のトナー濃度調整を幅広く、かつ木目細かく行うことができる。
【0142】
(第5実施形態)
図17は本発明に係る画像形成装置の第5実施形態であるプリンタの構成を示す図である。なお、図17では感光体11、現像ユニット30および濃度調整バイアス発生部119のみを図示しており、その他の部分は第1実施形態と同様であるので省略している。また、第1実施形態と同一要素には同一符号を付している。
【0143】
第5実施形態の現像ユニット30は、現像ローラ31上の現像位置16とクリーニングブレード36によるクリーニング位置との間の領域に対向配置されたスキージーローラ94を備えている。スキージーローラ94は、現像ローラ31に対して接離方向に移動可能に支持されている。すなわち、例えばソレノイドまたはモータなどからなるアクチュエータ54(図2)が接離駆動部118(図2)によって駆動されると、現像ローラ31の近接位置(図17中、実線)と離間位置(図17中、破線)との間で往復移動する。近接位置は、現像終了後の現像ローラ31上に残留している現像液にスキージーローラ94が接触する位置であり、離間位置は、近接位置から離れて上記現像液にスキージーローラ94が接触しない位置である。また、スキージーローラ94は、近接位置において、現像ローラ31に従動する方向(図17中、時計回り)に現像ローラ31とほぼ等しい周速で回転する。また、スキージーローラ94と現像ローラ31との間には、濃度調整バイアス発生部119が接続されている。
【0144】
そして、スキージーローラ94が現像ローラ31から剥ぎ取った現像液は、クリーニングブレード95によって除去され、その除去された現像液は、例えば廃液タンク(図示省略)に回収される。また、スキージーローラ94により剥ぎ取られずに現像ローラ31上に残留した現像液は、クリーニングブレード36によって除去され、その除去された現像液は、例えば自重によりタンク33に戻される。このように、第5実施形態では、スキージーローラ94が本発明の「剥ぎ取り部材」に相当し、クリーニングブレード36が本発明の「クリーニング部材」に相当する。
【0145】
図18は第5実施形態の濃度調整処理ルーチンのフローチャートである。図18において、ステップ#40,#42,#44は、図10のステップ#10,#12,#14と同様であるので説明を省略する。そして、タンク33のトナー濃度が低ければ(#42でYES)、トナー濃度を上昇させる。すなわち、負バイアス電源部62を接続し、これによって現像ローラ31からスキージーローラ94に移動する現像液にトナーが殆ど含まれず、ほぼ液体キャリアのみが剥ぎ取られるため、現像ローラ31上の残留現像液のトナー濃度が上昇する。そして、この残留現像液がクリーニングブレード36によって除去されてタンク33に戻されると、タンク33のトナー濃度が上昇する。
【0146】
一方、タンク33のトナー濃度が高ければ(#44でYES)、トナー濃度を低下させる(#46)。すなわち、正バイアス電源部61を接続し、これによって現像ローラ31からスキージーローラ94に移動する現像液に含まれるトナー量が増大するため、現像ローラ31上の残留現像液のトナー濃度が低下する。そして、この残留現像液がクリーニングブレード36によって除去されてタンク33に戻されると、タンク33のトナー濃度が低下する。
【0147】
このように、第5実施形態によれば、濃度調整バイアス発生部119の接続状態を切り換えることにより、現像ローラ31からスキージーローラ94に移動する現像液に含まれるトナー量が制御され、これによって、現像終了後に現像ローラ31上に残留する現像液のトナー濃度を調整することができる。
【0148】
さらに、その残留現像液をタンク33に戻すようにしているので、タンク33のトナー濃度変化を抑制し、一定値に保持することができる。これによって、タンク33の現像液32を最後まで無駄なく使用することができ、また、外部からの液体キャリアやトナーなどの補給量を最小限にすることができる。
【0149】
なお、第5実施形態において、スキージーローラ94が現像ローラ31から剥ぎ取り、クリーニングブレード95によって除去された現像液をタンク33に戻すように構成し、スキージーローラ94により剥ぎ取られずに現像ローラ31上に残留し、クリーニングブレード36によって除去された現像液を廃液タンクに回収するようにしてもよい。この場合には、ステップ#46とステップ#48の動作を逆にすれば、タンク33のトナー濃度変化を抑制することができ、上記第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0150】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能であり、例えば以下の変形形態(1)〜(4)を採用することができる。
【0151】
(1)第1、第5実施形態において、アクチュエータ54を例えばモータで構成し、現像ローラ31上の現像液にスキージーローラ51〜53,94が接触する近接位置を可変にしてもよい。この形態によれば、現像ローラ31からスキージーローラ51〜53,94に移動する現像液の量を制御することができ、これによって、さらに木目細かくトナー濃度の調整を行うことができる。
【0152】
(2)第1、第5実施形態において、スキージーローラ51〜53,94の回転数を可変にしてもよい。この形態によれば、現像ローラ31からスキージーローラ51〜53,94に移動する現像液の量を制御することができ、これによって、さらに木目細かくトナー濃度の調整を行うことができる。
【0153】
(3)上記実施形態では、現像液担持体として、ローラ状の現像ローラ31を用いているが、これに限られず、例えばベルト状のものを用いてもよい。また、剥ぎ取り部材として、ローラ状のスキージーローラ51〜53,94を用いているが、これに限られず、例えばベルト状のものを用いてもよい。
【0154】
(4)上記実施形態では、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。また、上記実施形態は単色印字の画像形成装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されず、カラー画像形成装置にも本発明を適用することができる。この場合、各色ごとに現像液のトナー濃度を検出し、調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態であるプリンタの内部構成を示す図。
【図2】 同プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】 スキージーローラおよび現像ローラの構成を模式的に示す図。
【図4】 濃度調整バイアス発生部の回路図。
【図5】 2つのローラ間における現像液の移動を説明する図。
【図6】 正バイアス電源部による図5の各領域の現像液層を示す図。
【図7】 負バイアス電源部による図5の各領域の現像液層を示す図。
【図8】 短絡ライン部による図5の各領域の現像液層を示す図。
【図9】 濃度調整作用による現像ローラ上の現像液層の変化を示す図。
【図10】 濃度調整処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図11】 濃度調整処理ルーチンの別の例を示すフローチャート。
【図12】 濃度調整処理ルーチンのさらに別の例を示すフローチャート。
【図13】 本発明の第2実施形態の構成を示す図。
【図14】 本発明の第3実施形態の構成を示す図。
【図15】 ローラ間における現像液の移動を説明する図。
【図16】 本発明の第4実施形態の構成を示す図。
【図17】 本発明の第5実施形態の構成を示す図。
【図18】 第5実施形態の濃度調整処理ルーチンのフローチャート。
【符号の説明】
4…転写紙(転写媒体)、11…感光体(像担持体)、20…露光ユニット(露光手段)、31…現像ローラ(現像液担持体)、33…タンク(容器)、37…粘度計(濃度検出手段)、41…中間転写ローラ(転写手段)、42…2次転写ローラ(転写手段)、51〜53,94…スキージーローラ(剥ぎ取り部材、濃度調整手段)、113…CPU、115…転写バイアス発生部(転写手段)、119…濃度調整バイアス発生部(電圧印加手段、濃度調整手段)
Claims (4)
- 液体キャリアにトナーを分散した現像液により像担持体上に形成された静電潜像を現像する液体現像装置において、
前記現像液をその表面に担持しながら前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体と、
前記現像液担持体上の前記現像液のトナー濃度を調整する濃度調整手段と
を備え、
前記濃度調整手段は、前記現像液担持体の前記現像終了後に対応する領域に対向配置され、前記現像終了後に前記現像液担持体上に残留している現像液に接触してその一部を剥ぎ取る少なくとも1つの剥ぎ取り部材を備え、前記剥ぎ取り部材が剥ぎ取る一部の現像液に含まれるトナー量を制御することで前記調整を行うもので、
前記剥ぎ取り部材により剥ぎ取られた前記一部の現像液を前記容器に戻すように構成したことを特徴とする液体現像装置。 - 液体キャリアにトナーを分散した現像液により像担持体上に形成された静電潜像を現像する液体現像装置において、
前記現像液をその表面に担持しながら前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体と、
前記現像液担持体上の前記現像液のトナー濃度を調整する濃度調整手段と、
前記静電潜像の現像終了後に前記現像液担持体上に残留している現像液を除去するクリーニング部材とを備え、
前記濃度調整手段は、前記現像液担持体上であって前記現像終了後に対応する領域に対向配置され、前記現像終了後に前記現像液担持体上に残留している現像液に接触してその一部を剥ぎ取る少なくとも1つの剥ぎ取り部材を備え、前記剥ぎ取り部材が剥ぎ取る一部の現像液に含まれるトナー量を制御することで前記調整を行うもので、
前記クリーニング部材は、前記剥ぎ取り部材により前記一部の現像液が剥ぎ取られた後に前記現像液担持体上に残留している現像液を除去するもので、
前記クリーニング部材により除去された前記残留現像液を前記容器に戻すように構成したことを特徴とする液体現像装置。 - 像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
請求項1記載の液体現像装置からなり、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する液体現像手段と、
形成された前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
請求項2記載の液体現像装置からなり、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する液体現像手段と、
形成された前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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