JP2004117667A - 画像形成装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿式現像方式の画像形成装置において現像液のトナー濃度を正確に求める。
【解決手段】現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件が予め求められ、メモリ116に格納されている。そして、CPU113は、その画像形成条件で感光体11上にパッチ画像を形成し、そのパッチ画像の画像濃度をパッチセンサ17により検出し、その画像濃度に基づき現像液のトナー濃度を求め、その求めたトナー濃度に応じて、ポンプ駆動部118または119の駆動を制御したり、操作表示パネル7の表示を制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件が予め求められ、メモリ116に格納されている。そして、CPU113は、その画像形成条件で感光体11上にパッチ画像を形成し、そのパッチ画像の画像濃度をパッチセンサ17により検出し、その画像濃度に基づき現像液のトナー濃度を求め、その求めたトナー濃度に応じて、ポンプ駆動部118または119の駆動を制御したり、操作表示パネル7の表示を制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に係り、特に現像方式として湿式現像を採用した電子写真方式の画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電している感光体を露光手段により露光して当該感光体に静電潜像を形成し、現像手段によりトナーを感光体に付着させて静電潜像を顕像化してトナー像を形成し、このトナー像を転写紙に転写して所定の画像を得るようにした電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。ここで、現像手段の現像方式としては、乾式現像と湿式現像とが知られており、湿式現像は、乾式現像に比べてトナーの平均粒子径が0.1〜2μmと小さいので高解像度の画像が得られる、液体のため流動性が高いことから均一な画像が得られる、などの利点を有しているため、種々の湿式現像方式の画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような湿式現像方式の画像形成装置では、現像液中のトナー濃度が変化すると、静電潜像を顕像化したときのトナー像の濃度が変化する。すなわち、現像液のトナー濃度変化が濃度不足や画像むらなどの画質低下の主要因の一つとなっている。従って、安定した画像を得るためには、現像液のトナー濃度を管理する必要がある。そこで、現像液のトナー濃度を管理すべく、パッチ画像の濃度を検出し、その検出結果に応じて現像液のトナー濃度を調整する装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。この装置は、像担持体の有効画像領域外に設けられたパッチ部領域に画像濃度検出用のパッチ画像を形成し、そのパッチ画像の濃度検出結果に基づき現像液のトナー濃度を判定するようにしたもので、パッチ画像の濃度を有効画像の最高濃度より高くすることで、有効画像の濃度低下が生じる前にパッチ画像の濃度低下を検出し、現像液のトナー濃度を調整するようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−209922号公報(
【0038】、図1)
【特許文献2】
特開平9−114257号公報(
【0016】、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パッチ画像の画像濃度は、単に現像液のトナー濃度の変化のみにより変動するのではなく、従来より周知のように、現像バイアス、露光エネルギー、帯電バイアスなどの画像形成条件の影響により変動する。したがって、画像形成条件を考慮した上でパッチ画像の画像濃度から現像液のトナー濃度を求める必要がある。しかしながら、従来の画像形成装置では、画像形成条件について十分な考慮がなされておらず、必ずしも現像液のトナー濃度が精度良く求められていたと言うわけではなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、湿式現像方式の画像形成装置において現像液のトナー濃度を正確に求めることができる画像形成装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、その表面に静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、液体キャリアにトナーを分散した現像液を、その表面に担持しながら前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体と、前記現像液担持体に所定の現像バイアスを印加して、前記現像液担持体に担持される現像液中のトナーを前記像担持体に付着させ、前記静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する像形成手段と、前記像形成手段により形成されたパッチ画像としてのトナー像の画像濃度を検出する濃度検出手段とを備え、前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件で前記パッチ画像を形成するとともに、前記濃度検出手段により検出される前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記現像液のトナー濃度を求めることを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかる画像形成方法は、液体キャリアにトナーを分散した現像液を担持しつつ像担持体に対向する現像位置に搬送する現像液担持体に所定の現像バイアスを印加して、前記現像液担持体に担持される現像液中のトナーを前記像担持体に付着させ、前記像担持体上の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成方法において、前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件でパッチ画像としてのトナー像を形成する工程と、前記パッチ画像の画像濃度を検出する工程と、その検出結果に基づき前記現像液のトナー濃度を求める工程とを備えたことを特徴としている。
【0009】
これらの構成によれば、現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件でパッチ画像が形成され、そのパッチ画像の画像濃度に基づき現像液のトナー濃度が求められる。ここで、現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが像担持体に付着してパッチ画像が形成されているので、このパッチ画像の画像濃度は、現像液のトナー濃度をほぼ正確に反映することとなるため、このパッチ画像の画像濃度に基づき現像液のトナー濃度を精度良く求めることが可能になる。
【0010】
また、前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記現像液中のトナー濃度を調整するようにすると、像形成手段により形成されるトナー像の濃度不足や画像むらなどの画質低下を未然に防止することができる。
【0011】
また、前記現像液を貯留する容器をさらに備え、前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記容器に貯留されている現像液のトナー濃度を調整するとともに、その濃度調整された現像液が前記現像液担持体により前記現像位置に搬送されるようにしてもよい。この構成によれば、容器に貯留される現像液のトナー濃度を一定に保つことができ、これによって像形成手段により形成されるトナー像の濃度不足や画像むらなどの画質低下を確実に防止することができる。
【0012】
また、前記パッチ画像の画像濃度に基づき、通常のトナー像を形成する際の画像形成条件を調整するようにすると、像形成手段により形成されるトナー像の濃度不足や画像むらなどの画質低下を未然に防止することができる。
【0013】
また、求められたトナー濃度が所定範囲から外れたときに、その旨を報知する報知手段をさらに備えると、現像液中のトナー濃度調整や装置の修理などを使用者に促すことができ、装置の操作性や保守性を向上することができる。
【0014】
また、前記濃度検出手段は、前記像担持体上に形成されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにすると、現像液のトナー濃度の影響が直接パッチ画像に現れることになるので、トナー濃度を確実に精度良く求めることができる。また、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写手段をさらに備え、前記濃度検出手段は、前記像担持体から前記転写媒体に転写されたパッチ画像の画像濃度を検出するとしてもよい。
【0015】
ところで、一般に画像形成装置では、像担持体、現像液担持体や転写手段の電気的制御条件を調整するために、所定パターンの基準画像を形成して転写媒体に転写された当該基準画像の画像濃度を検出することがよく行われるが、上記構成によれば、トナー濃度を求めるためのパッチ画像の画像濃度を検出する濃度検出手段を、電気的制御条件調整のための基準画像の画像濃度検出に兼用することができ、部品点数の増加を抑制できる。また、現像液のトナー濃度を検出するためのパッチ画像を、基準画像として機能させることができ、効率的なパッチ処理を行うことができる。
【0016】
また、前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件が格納された記憶手段をさらに備え、この記憶手段に格納された前記画像形成条件で前記パッチ画像を形成すると、トナー濃度をほぼ正確に反映したパッチ画像を容易に形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるプリンタの内部構成を示す図、図2は同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。このプリンタは、ブラック(K)のトナーを含む現像液を用いて単色画像を形成する湿式現像方式の画像形成装置であり、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部を制御して、装置本体2の下部に配設された給紙カセット3から搬送した転写紙、複写紙および用紙(以下「転写紙」という)4に上記画像信号に対応する画像を印字出力する。
【0018】
上記エンジン部1は、感光体ユニット10、露光ユニット20、現像ユニット30、転写ユニット40などを備えている。これらのユニットのうち、感光体ユニット10は感光体11、帯電部12、除電部13およびクリーニング部14を備えている。また、現像ユニット30は現像ローラ31などを備えている。さらに、転写ユニット40は中間転写ローラ41などを備えている。
【0019】
感光体ユニット10では、感光体11が図1の矢印方向15(図中、時計回り方向)に回転自在に設けられている。そして、この感光体11の周りには、その回転方向15に沿って、帯電部12、現像ローラ31、中間転写ローラ41、除電部13およびクリーニング部14が配設されている。また、帯電部12と現像ローラ31との間の表面領域が露光ユニット20からの光ビーム21の照射領域となっている。帯電部12は、本実施形態では帯電ローラからなり、帯電バイアス発生部111から帯電バイアスが印加されて、感光体11の外周面を所定の表面電位に均一に帯電するもので、帯電手段としての機能を有する。
【0020】
この帯電部12によって均一に帯電された感光体11の外周面に向けて露光ユニット20から例えばレーザで形成される光ビーム21が照射される。この露光ユニット20は、露光制御部112から与えられる制御指令に応じて光ビーム21により感光体11を露光して、感光体11上に画像信号に対応する静電潜像を形成するもので、露光手段としての機能を有する。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース102を介して主制御部100のCPU101に画像信号を含む印字指令信号が与えられると、主制御部100のCPU101からの指令信号に応じて、CPU113が露光制御部112に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。そして、この露光制御部112からの制御指令に応じて露光ユニット20から光ビーム21が感光体11に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体11上に形成される。また、必要に応じて後述するパッチ画像を形成する場合には、予め設定された所定パターン(例えば、べた画像)のパッチ画像信号に対応した制御信号がCPU113から露光制御部112に与えられ、該パターンに対応する静電潜像が感光体11上に形成される。このように、この実施形態では、感光体11が本発明の「像担持体」に相当する。
【0021】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット30の現像ローラ31から供給されるトナーによって顕像化される。現像ユニット30は、現像ローラ31に加えて、現像液32を貯留するタンク33、タンク33に貯留された現像液32を汲み上げて現像ローラ31に塗布する塗布ローラ34、塗布ローラ34上の現像液層の厚さを均一に規制する規制ブレード35、感光体11へのトナー供給後に現像ローラ31上に残留した現像液を除去するクリーニングブレード36、トナー濃度調整部37および後述するメモリ38(図2)を備えている。現像ローラ31は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11と等しい周速で回転する。塗布ローラ34は現像ローラ31と同一方向(同図中、反時計回り)に約2倍の周速で回転する。
【0022】
現像液32は、本実施形態では、着色顔料、この着色顔料を接着するエポキシ樹脂などの接着剤、トナーに所定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料を均一に分散させる分散剤等からなるトナーが、液体キャリア中に分散されてなる。本実施形態では、液体キャリアとして例えばポリジメチルシロキサンオイルなどのシリコーンオイルを用いており、トナー濃度を5〜40重量%として、湿式現像方式で多く用いられる低濃度現像液(トナー濃度が1〜2重量%)に比べて高濃度にしている。なお、液体キャリアの種類はシリコーンオイルに限定されるものではなく、また、現像液32の粘度は、使用する液体キャリアやトナーを構成する各材料、トナー濃度などによって決まるが、本実施形態では、例えば粘度を50〜6000mPa・sとしている。
【0023】
感光体11と現像ローラ31との間隔D(後述する図4参照)は、現像ギャップ、すなわち現像液層の厚さで、5〜40μmの範囲の所定値(本実施形態では例えばD=7μm)に設定し、現像ニップ距離L(図4参照)は、現像液層が感光体11および現像ローラ31の双方に接触している周方向の距離で、本実施形態では例えばL=5mmに設定している。上述した低濃度現像液の場合にはトナー量を稼ぐべく100〜200μmの現像ギャップを必要とするのに比べて、高濃度現像液を用いる本実施形態では現像ギャップを短縮することができる。従って、現像液中を電気泳動によって移動するトナーの移動距離が短縮するとともに、同一の現像バイアスを印加してもより高い電界が発生するので、現像効率を向上することができ、現像を高速に行えることとなる。
【0024】
トナー濃度調整部37は、タンク33に貯留された現像液32よりさらにトナー濃度の高い現像液が貯留された補給タンク371および上記液体キャリアが貯留された補給タンク372を備えている。そして、トナー補給ポンプ373が動作すると高濃度現像液が補給タンク371からタンク33に供給されて現像液32のトナー濃度が上昇する一方、キャリア補給ポンプ374が動作すると液体キャリアが補給タンク372からタンク33に供給されて現像液32のトナー濃度が低下する。このようにポンプ373,374の動作制御により、タンク33内の現像液32のトナー濃度が調整される。
【0025】
このような構成の現像ユニット30において、タンク33に貯留された現像液32が塗布ローラ34により汲み上げられ、規制ブレード35により塗布ローラ34上の現像液層の厚さが均一に規制され、この均一な現像液32が現像ローラ31の表面に付着し、現像ローラ31の回転に伴って感光体11に対向する現像位置16に搬送される。荷電制御剤などの作用によってトナーは例えば正に帯電しており、現像位置16では現像バイアス発生部114から現像ローラ31に印加される現像バイアス(例えばDC+400V)によってトナーが現像ローラ31から感光体11に移動して、静電潜像が顕像化される。このように、この実施形態では、現像ローラ31が本発明の「現像液担持体」に相当し、タンク33が本発明の「容器」に相当し、現像バイアス発生部114が本発明の「像形成手段」に相当する。
【0026】
上記のようにして感光体11上に形成されたトナー像は、感光体11の回転に伴って中間転写ローラ41に対向する1次転写位置44に搬送される。中間転写ローラ41は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から1次転写バイアス(例えばDC−400V)が印加されると、感光体11上のトナー像が中間転写ローラ41に1次転写される。1次転写後における感光体11上の残留電荷はLEDなどからなる除電部13により除去され、残留現像液はクリーニング部14により除去される。
【0027】
中間転写ローラ41の適所(図1では中間転写ローラ41の鉛直下方)に2次転写ローラ42が対向配置されており、中間転写ローラ41に1次転写された1次転写トナー像は中間転写ローラ41の回転に伴って2次転写ローラ42に対向する2次転写位置45に搬送される。一方、給紙カセット3に収容されている転写紙4は、1次転写トナー像の搬送に同期して搬送駆動部(図示省略)により2次転写位置45に搬送される。そして、2次転写ローラ42は中間転写ローラ41に従動する方向(図1中、時計回り)に中間転写ローラ41と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から2次転写バイアス(例えば定電流制御で−100μA)が印加されると、中間転写ローラ41上のトナー像が転写紙4に2次転写される。2次転写後における中間転写ローラ41上の残留現像液はクリーニング部43により除去される。こうしてトナー像が2次転写された転写紙4は、所定の転写紙搬送経路5(図1中、一点鎖線)に沿って搬送され、定着ユニット6によってトナー像が定着され、装置本体2の上部に設けられた排出トレイに排出される。
【0028】
また、感光体11の周りの現像ローラ31と中間転写ローラ41との間には、例えば反射型光センサからなるパッチセンサ17が感光体11に対向配置されており、後述するように、感光体11上に形成されたパッチ画像の濃度を検出する。また、装置本体2の上面には、例えば液晶ディスプレイおよびタッチパネルからなる操作表示パネル7が配設されており、使用者による操作指示を受け付けるとともに、所定の情報を表示して使用者に報知する。この実施形態では、パッチセンサ17が本発明の「濃度検出手段」に相当し、操作表示パネル7が本発明の「報知手段」に相当する。
【0029】
図2において、主制御部100は、インターフェース102を介して外部装置から与えられた画像信号を記憶するための画像メモリ103を備えており、CPU101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号をインターフェース102を介して受信すると、エンジン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジン制御部110に送出する。
【0030】
エンジン制御部110のメモリ116は、後述する画像形成条件などの予め設定された固定データを含むCPU113の制御プログラムを記憶するROMや、エンジン部1の制御データやCPU113による演算結果などを一時的に記憶するRAMなどからなる。CPU113はCPU101を介して外部装置から送られた画像信号に関するデータをメモリ116に格納する。
【0031】
現像ユニット30のメモリ38は、当該現像ユニット30の製造ロット、使用履歴、内蔵トナーの特性、現像液32の残量やトナー濃度などに関するデータを記憶するものである。このメモリ38は通信部39と電気的に接続されており、通信部39は例えばタンク33に取り付けられている。そして、現像ユニット30が装置本体2に装着されると、通信部39がエンジン制御部110の通信部117と所定距離以内、例えば10mm以内に対向配置されるように構成されており、赤外線などの無線通信により互いに非接触状態でデータを送受信可能となっている。これによって、CPU113により現像ユニット30に関する消耗品管理等の各種情報の管理が行われる。なお、この実施形態では無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受信を行うようにしているが、例えば装置本体2および現像ユニット30にそれぞれコネクタを設けておき、装置本体2に現像ユニット30を装着すると、両コネクタが機械的に嵌合することで相互にデータ送受信を行うようにしてもよい。また、メモリ38は、電源オフ状態や現像ユニット30が装置本体2から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては例えばフラッシュメモリなどのEEPROMや強誘電体メモリなどを用いることができる。
【0032】
上記のように構成されたプリンタでは、次のようにして現像液のトナー濃度を検出している。すなわち、このプリンタは、電源投入時や印字枚数が所定枚数に達したときなどの適当なタイミングで所定パターン(本実施形態では例えばべた画像)のパッチ画像を形成している。特に、本実施形態では、現像位置16における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件で形成されたパッチ画像の画像濃度に基づいて現像液のトナー濃度を求めている。そして、その結果に応じてタンク33のトナー濃度を調整する濃度調整処理を行っている。以下、上記画像形成条件でのパッチ画像の画像濃度に基づきトナー濃度を検出する理由を説明した後、本実施形態の動作について詳述する。
【0033】
図3はトナー付着量を説明する図、図4は現像ニップ部の拡大図である。上述したように、本実施形態ではトナー濃度が高濃度(例えば5〜40重量%)の現像液32を使用することにより、現像ギャップを小さく(例えば5〜40μm)設定している。従って、例えば現像バイアスの増加によりコントラスト電位を増加させると、それに伴って発生電界も増加するので、図3(A)に示すように、現像ローラ31から感光体11へのトナー付着量は急上昇し、ある電位(同図ではVt)以上で飽和する。
【0034】
ここで、図3(A)に示すコントラスト電位Vt以上の範囲でトナー付着量が飽和しているというのは、現像ローラ31により現像位置16に搬送される現像液中の全てのトナーが感光体11に付着した状態であると考えられる。このため、現像位置16における現像液中のトナーのうち大部分(本実施形態では例えば90%以上)のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度は、現像液32のトナー濃度をほぼ正確に反映していると言える。
【0035】
従って、本実施形態では、そのような画像形成条件、すなわち現像位置16における現像液中のトナーのうち例えば90%以上のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件(帯電バイアス、露光エネルギー、現像バイアスなど)を予め求めてメモリ116に制御プログラムとして格納している。そして、メモリ116に記憶されたその画像形成条件でパッチ画像を形成し、その画像濃度に基づき現像液32のトナー濃度を求めている。このように、この実施形態では、メモリ116が本発明の「記憶手段」に相当する。
【0036】
なお、低濃度(例えば1〜2重量%)の現像液を使用する場合には、トナー量を稼ぐべく現像ギャップを大きく(例えば100〜200μm)設定することが必要となるので、コントラスト電位を増加させても、発生電界は緩やかにしか増加しないため、比較例の図3(B)に示すように、現像ローラ31から感光体11へのトナー付着量は緩やかに上昇し続け、飽和することがない。従って、現像位置16における現像液中のトナーのうち大部分のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件を設定するのは困難となる。
【0037】
ここで、現像位置16における現像液中のトナーのうち感光体11に付着するトナーの比率を「トナー付着率」とする。図4に示すように、液体キャリア321にトナー322を分散した現像液32が現像ローラ31の表面に担持されつつ現像位置16に搬送され、感光体11に付着する。上述したように、感光体11と現像ローラ31との間隔D(m)、すなわち現像液層の厚さは、均一な所定値(本実施形態では例えば7μm)に規制されている。また、現像ニップ距離L(m)は、現像液層が感光体11および現像ローラ31の双方に接触している周方向の距離で、本実施形態では例えば5mmに設定している。
【0038】
このとき、「トナー付着率」は、現像位置16に発生する電界Eと現像時間Tとの積に比例する。ここで、電界Eは、
E=ε1(Vs−Vd)/(L2・ε1+L1・ε2)
によって表わされる。但し、
ε1は感光体11の感光層の比誘電率、
Vsは感光体11の帯電バイアス、
Vdは現像バイアス、
L1は感光体11の感光層の厚さ、
L2は感光体11上の現像液層の厚さ、
ε2は現像液層の比誘電率
である。
【0039】
また、現像時間Tは、
T=L/S
によって表わされる。但し、Sは感光体11の周速である。
【0040】
そこで、本実施形態では、上記に基づき、トナー付着率が90%以上となるような画像形成条件(帯電バイアス、露光エネルギー、現像バイアスなど)を予め求めてメモリ116に制御プログラムとして格納している。
【0041】
図5は上記濃度調整処理ルーチンを示すフローチャート、図6は図5のパッチ処理サブルーチンを示すフローチャートである。以下、図5、図6のステップに従って上記濃度調整処理の動作手順について説明する。エンジン制御部110のメモリ116には予め濃度調整処理の制御プログラムが記憶されている。そして、CPU113が該制御プログラムにしたがって装置各部を制御することで、以下の濃度調整処理が実行される。
【0042】
この濃度調整処理では、まず、パッチ処理を行う(図5の#10)。このパッチ処理では、図6に示すように、帯電バイアス、現像バイアス、露光エネルギーなどの画像形成条件を予め決められた所定値に設定し(#30)、パッチ画像を形成し(#32)、そのパッチ画像が感光体11の回転に伴ってパッチセンサ17と対向する位置に移動してくるタイミングで当該パッチセンサ17から出力される検出信号を取り込み、その信号に基づいてパッチ画像の濃度を求める(#34)。
【0043】
そして、そのパッチ画像の画像濃度を用いて現像液32のトナー濃度を求めて(#36)、図5にリターンし、求められたトナー濃度が許容範囲外か否かが判別され(#12)、許容範囲外でなければ(#12でNO)、濃度が低下したか否かが判別され(#14)、低下していなければ(#14でNO)、濃度が上昇したか否かが判別される(#16)。
【0044】
ここで、トナー付着量が90%以上となる画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度と現像液32のトナー濃度との関係が演算式またはテーブルデータ形式で予め求められており、この関係と、現像液32のトナー濃度の初期値、許容範囲の下限値および上限値とがメモリ116に格納されたプログラムに含まれている。そして、上記関係に基づき図6の#36のトナー濃度を求める処理が実行され、求められたトナー濃度を上記下限値および上限値と比較することによって、図5の#12の判別が実行される。
【0045】
そして、トナー濃度が許容範囲外のときは(#12でYES)、その旨の警告メッセージが操作表示パネル7に表示されて(#18)、このルーチンを終了する。このように現像液のトナー濃度が許容範囲から外れたときに、その旨を報知することで、現像液中のトナー濃度調整や装置の修理などを使用者に促すことができ、装置の操作性や保守性を向上することができる。
【0046】
また、求められたトナー濃度が上記初期値より低下したときは(#14でYES)、トナー濃度と上記初期値との差分に対応する時間だけ、ポンプ駆動部118を介してトナー補給ポンプ373が駆動されて(#20)、終了する。一方、求められたトナー濃度が上記初期値より上昇したときは(#16でYES)、トナー濃度と上記初期値との差分に対応する時間だけ、ポンプ駆動部119を介してキャリア補給ポンプ374が駆動されて(#22)、終了する。すなわち、パッチ画像の画像濃度に基づき現像液のトナー濃度が初期値に調整される。
【0047】
なお、トナー付着量が90%以上となる画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度と現像液32のトナー濃度との関係に基づき、現像液32のトナー濃度の初期値と許容範囲の下限値および上限値とに対応するパッチ画像の画像濃度をそれぞれ予め求めてメモリ116に記憶しておき、検出したパッチ画像の画像濃度を直接これらの対応する値と比較することによって、図5の#12,#14,#16の判別を行うようにしてもよい。
【0048】
このように、本実施形態によれば、現像位置16における現像液のトナーのうち大部分(本実施形態では例えば90%以上)のトナーが感光体11に付着する画像形成条件をメモリ116に格納しておき、その画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度をパッチセンサ17により検出し、その検出した画像濃度に基づき現像液32のトナー濃度を求めるようにしているので、上記画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度は、現像液32のトナー濃度をほぼ正確に反映していることから、そのトナー濃度を精度良く求めることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、パッチ画像の画像濃度に基づいてタンク33中のトナー濃度を調整しているので、常に濃度調整された現像液を用いて画像形成される。したがって、良好な画質のトナー像を安定して形成することができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能であり、例えば以下の変形形態(1)〜(5)を採用することができる。
【0051】
(1)上記実施形態では、感光体11上に形成されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにしているが、濃度検出位置はこれに限られない。例えば、感光体11から中間転写ローラ41に1次転写されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにしてもよい。この場合には、中間転写ローラ41の周りの1次転写位置44と2次転写位置45の間にパッチセンサを対向配置すればよい。この形態では、中間転写ローラ41が本発明の「転写媒体」に相当し、転写バイアス発生部115が本発明の「転写手段」に相当する。さらに、パッチ画像を転写紙4に転写し、このパッチ画像の画像濃度を検出するように構成してもよい。
【0052】
また、例えば、パッチ画像を転写するための専用部材(例えばパッチ転写ローラ)を感光体11または中間転写ローラ41に当接配置し、この専用部材に転写バイアスを印加して、上記専用部材に転写されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにしてもよい。この場合には、上記専用部材にパッチセンサを対向配置すればよい。この形態では、上記専用部材が本発明の「転写媒体」に相当し、上記専用部材に転写バイアスを印加する手段が本発明の「転写手段」に相当する。
【0053】
(2)上記実施形態では、補給タンク372から液体キャリアをタンク33に補給することで現像液32のトナー濃度を低減するようにしているが、これに限られない。例えば、感光体11上や中間転写ローラ41上からクリーニングにより除去した液体キャリアを回収してタンク33に戻す機構を備え、濃度が上昇したときに(図5の#16でYES)、上記機構を動作させることでタンク33の現像液32のトナー濃度を低減するようにしてもよい。
【0054】
(3)上記実施形態では、補給タンク371から高濃度現像液をタンク33に補給することで現像液32のトナー濃度を増大するようにしているが、これに限られない。例えば、白べた画像を現像したり、通常の画像形成における現像の間隔を広げるなど、現像動作を行って液体キャリアを消費することによって、現像液32のトナー濃度を増大するようにしてもよい。
【0055】
(4)上記実施形態では、トナー濃度調整部37を備え、タンク33の現像液32のトナー濃度を調整するようにしているが、トナー濃度調整部37を備えずに、トナー濃度が低下(図5の#14でYES)または上昇(図5の#16でYES)したときに、通常のトナー像を形成するときの画像形成条件を調整するようにしてもよい。ここで、画像形成条件は、帯電バイアス発生部111で発生する帯電バイアス、露光制御部112により制御される光ビーム21の露光エネルギー、現像バイアス発生部114で発生する現像バイアス、転写バイアス発生部115で発生する1次転写バイアスおよび2次転写バイアスなどが含まれる。
【0056】
(5)上記実施形態では、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。また、上記実施形態は単色印字の画像形成装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されず、カラー画像形成装置にも本発明を適用することができる。この場合、各色ごとに現像液のトナー濃度を検出し、調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるプリンタの内部構成を示す図。
【図2】同プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】トナー付着量を説明する図。
【図4】現像ニップ部の拡大図。
【図5】濃度調整処理ルーチンを示すフローチャート。
【図6】図5のパッチ処理サブルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】7…操作表示パネル(報知手段)、11…感光体(像担持体)、17…パッチセンサ(濃度検出手段)、31…現像ローラ(現像液担持体)、113…CPU、114…現像バイアス発生部(像形成手段)、116…メモリ(記憶手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に係り、特に現像方式として湿式現像を採用した電子写真方式の画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電している感光体を露光手段により露光して当該感光体に静電潜像を形成し、現像手段によりトナーを感光体に付着させて静電潜像を顕像化してトナー像を形成し、このトナー像を転写紙に転写して所定の画像を得るようにした電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。ここで、現像手段の現像方式としては、乾式現像と湿式現像とが知られており、湿式現像は、乾式現像に比べてトナーの平均粒子径が0.1〜2μmと小さいので高解像度の画像が得られる、液体のため流動性が高いことから均一な画像が得られる、などの利点を有しているため、種々の湿式現像方式の画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような湿式現像方式の画像形成装置では、現像液中のトナー濃度が変化すると、静電潜像を顕像化したときのトナー像の濃度が変化する。すなわち、現像液のトナー濃度変化が濃度不足や画像むらなどの画質低下の主要因の一つとなっている。従って、安定した画像を得るためには、現像液のトナー濃度を管理する必要がある。そこで、現像液のトナー濃度を管理すべく、パッチ画像の濃度を検出し、その検出結果に応じて現像液のトナー濃度を調整する装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。この装置は、像担持体の有効画像領域外に設けられたパッチ部領域に画像濃度検出用のパッチ画像を形成し、そのパッチ画像の濃度検出結果に基づき現像液のトナー濃度を判定するようにしたもので、パッチ画像の濃度を有効画像の最高濃度より高くすることで、有効画像の濃度低下が生じる前にパッチ画像の濃度低下を検出し、現像液のトナー濃度を調整するようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−209922号公報(
【0038】、図1)
【特許文献2】
特開平9−114257号公報(
【0016】、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パッチ画像の画像濃度は、単に現像液のトナー濃度の変化のみにより変動するのではなく、従来より周知のように、現像バイアス、露光エネルギー、帯電バイアスなどの画像形成条件の影響により変動する。したがって、画像形成条件を考慮した上でパッチ画像の画像濃度から現像液のトナー濃度を求める必要がある。しかしながら、従来の画像形成装置では、画像形成条件について十分な考慮がなされておらず、必ずしも現像液のトナー濃度が精度良く求められていたと言うわけではなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、湿式現像方式の画像形成装置において現像液のトナー濃度を正確に求めることができる画像形成装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、その表面に静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、液体キャリアにトナーを分散した現像液を、その表面に担持しながら前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体と、前記現像液担持体に所定の現像バイアスを印加して、前記現像液担持体に担持される現像液中のトナーを前記像担持体に付着させ、前記静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する像形成手段と、前記像形成手段により形成されたパッチ画像としてのトナー像の画像濃度を検出する濃度検出手段とを備え、前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件で前記パッチ画像を形成するとともに、前記濃度検出手段により検出される前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記現像液のトナー濃度を求めることを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかる画像形成方法は、液体キャリアにトナーを分散した現像液を担持しつつ像担持体に対向する現像位置に搬送する現像液担持体に所定の現像バイアスを印加して、前記現像液担持体に担持される現像液中のトナーを前記像担持体に付着させ、前記像担持体上の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成方法において、前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件でパッチ画像としてのトナー像を形成する工程と、前記パッチ画像の画像濃度を検出する工程と、その検出結果に基づき前記現像液のトナー濃度を求める工程とを備えたことを特徴としている。
【0009】
これらの構成によれば、現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件でパッチ画像が形成され、そのパッチ画像の画像濃度に基づき現像液のトナー濃度が求められる。ここで、現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが像担持体に付着してパッチ画像が形成されているので、このパッチ画像の画像濃度は、現像液のトナー濃度をほぼ正確に反映することとなるため、このパッチ画像の画像濃度に基づき現像液のトナー濃度を精度良く求めることが可能になる。
【0010】
また、前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記現像液中のトナー濃度を調整するようにすると、像形成手段により形成されるトナー像の濃度不足や画像むらなどの画質低下を未然に防止することができる。
【0011】
また、前記現像液を貯留する容器をさらに備え、前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記容器に貯留されている現像液のトナー濃度を調整するとともに、その濃度調整された現像液が前記現像液担持体により前記現像位置に搬送されるようにしてもよい。この構成によれば、容器に貯留される現像液のトナー濃度を一定に保つことができ、これによって像形成手段により形成されるトナー像の濃度不足や画像むらなどの画質低下を確実に防止することができる。
【0012】
また、前記パッチ画像の画像濃度に基づき、通常のトナー像を形成する際の画像形成条件を調整するようにすると、像形成手段により形成されるトナー像の濃度不足や画像むらなどの画質低下を未然に防止することができる。
【0013】
また、求められたトナー濃度が所定範囲から外れたときに、その旨を報知する報知手段をさらに備えると、現像液中のトナー濃度調整や装置の修理などを使用者に促すことができ、装置の操作性や保守性を向上することができる。
【0014】
また、前記濃度検出手段は、前記像担持体上に形成されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにすると、現像液のトナー濃度の影響が直接パッチ画像に現れることになるので、トナー濃度を確実に精度良く求めることができる。また、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写手段をさらに備え、前記濃度検出手段は、前記像担持体から前記転写媒体に転写されたパッチ画像の画像濃度を検出するとしてもよい。
【0015】
ところで、一般に画像形成装置では、像担持体、現像液担持体や転写手段の電気的制御条件を調整するために、所定パターンの基準画像を形成して転写媒体に転写された当該基準画像の画像濃度を検出することがよく行われるが、上記構成によれば、トナー濃度を求めるためのパッチ画像の画像濃度を検出する濃度検出手段を、電気的制御条件調整のための基準画像の画像濃度検出に兼用することができ、部品点数の増加を抑制できる。また、現像液のトナー濃度を検出するためのパッチ画像を、基準画像として機能させることができ、効率的なパッチ処理を行うことができる。
【0016】
また、前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件が格納された記憶手段をさらに備え、この記憶手段に格納された前記画像形成条件で前記パッチ画像を形成すると、トナー濃度をほぼ正確に反映したパッチ画像を容易に形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるプリンタの内部構成を示す図、図2は同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。このプリンタは、ブラック(K)のトナーを含む現像液を用いて単色画像を形成する湿式現像方式の画像形成装置であり、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部を制御して、装置本体2の下部に配設された給紙カセット3から搬送した転写紙、複写紙および用紙(以下「転写紙」という)4に上記画像信号に対応する画像を印字出力する。
【0018】
上記エンジン部1は、感光体ユニット10、露光ユニット20、現像ユニット30、転写ユニット40などを備えている。これらのユニットのうち、感光体ユニット10は感光体11、帯電部12、除電部13およびクリーニング部14を備えている。また、現像ユニット30は現像ローラ31などを備えている。さらに、転写ユニット40は中間転写ローラ41などを備えている。
【0019】
感光体ユニット10では、感光体11が図1の矢印方向15(図中、時計回り方向)に回転自在に設けられている。そして、この感光体11の周りには、その回転方向15に沿って、帯電部12、現像ローラ31、中間転写ローラ41、除電部13およびクリーニング部14が配設されている。また、帯電部12と現像ローラ31との間の表面領域が露光ユニット20からの光ビーム21の照射領域となっている。帯電部12は、本実施形態では帯電ローラからなり、帯電バイアス発生部111から帯電バイアスが印加されて、感光体11の外周面を所定の表面電位に均一に帯電するもので、帯電手段としての機能を有する。
【0020】
この帯電部12によって均一に帯電された感光体11の外周面に向けて露光ユニット20から例えばレーザで形成される光ビーム21が照射される。この露光ユニット20は、露光制御部112から与えられる制御指令に応じて光ビーム21により感光体11を露光して、感光体11上に画像信号に対応する静電潜像を形成するもので、露光手段としての機能を有する。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース102を介して主制御部100のCPU101に画像信号を含む印字指令信号が与えられると、主制御部100のCPU101からの指令信号に応じて、CPU113が露光制御部112に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。そして、この露光制御部112からの制御指令に応じて露光ユニット20から光ビーム21が感光体11に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体11上に形成される。また、必要に応じて後述するパッチ画像を形成する場合には、予め設定された所定パターン(例えば、べた画像)のパッチ画像信号に対応した制御信号がCPU113から露光制御部112に与えられ、該パターンに対応する静電潜像が感光体11上に形成される。このように、この実施形態では、感光体11が本発明の「像担持体」に相当する。
【0021】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット30の現像ローラ31から供給されるトナーによって顕像化される。現像ユニット30は、現像ローラ31に加えて、現像液32を貯留するタンク33、タンク33に貯留された現像液32を汲み上げて現像ローラ31に塗布する塗布ローラ34、塗布ローラ34上の現像液層の厚さを均一に規制する規制ブレード35、感光体11へのトナー供給後に現像ローラ31上に残留した現像液を除去するクリーニングブレード36、トナー濃度調整部37および後述するメモリ38(図2)を備えている。現像ローラ31は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11と等しい周速で回転する。塗布ローラ34は現像ローラ31と同一方向(同図中、反時計回り)に約2倍の周速で回転する。
【0022】
現像液32は、本実施形態では、着色顔料、この着色顔料を接着するエポキシ樹脂などの接着剤、トナーに所定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料を均一に分散させる分散剤等からなるトナーが、液体キャリア中に分散されてなる。本実施形態では、液体キャリアとして例えばポリジメチルシロキサンオイルなどのシリコーンオイルを用いており、トナー濃度を5〜40重量%として、湿式現像方式で多く用いられる低濃度現像液(トナー濃度が1〜2重量%)に比べて高濃度にしている。なお、液体キャリアの種類はシリコーンオイルに限定されるものではなく、また、現像液32の粘度は、使用する液体キャリアやトナーを構成する各材料、トナー濃度などによって決まるが、本実施形態では、例えば粘度を50〜6000mPa・sとしている。
【0023】
感光体11と現像ローラ31との間隔D(後述する図4参照)は、現像ギャップ、すなわち現像液層の厚さで、5〜40μmの範囲の所定値(本実施形態では例えばD=7μm)に設定し、現像ニップ距離L(図4参照)は、現像液層が感光体11および現像ローラ31の双方に接触している周方向の距離で、本実施形態では例えばL=5mmに設定している。上述した低濃度現像液の場合にはトナー量を稼ぐべく100〜200μmの現像ギャップを必要とするのに比べて、高濃度現像液を用いる本実施形態では現像ギャップを短縮することができる。従って、現像液中を電気泳動によって移動するトナーの移動距離が短縮するとともに、同一の現像バイアスを印加してもより高い電界が発生するので、現像効率を向上することができ、現像を高速に行えることとなる。
【0024】
トナー濃度調整部37は、タンク33に貯留された現像液32よりさらにトナー濃度の高い現像液が貯留された補給タンク371および上記液体キャリアが貯留された補給タンク372を備えている。そして、トナー補給ポンプ373が動作すると高濃度現像液が補給タンク371からタンク33に供給されて現像液32のトナー濃度が上昇する一方、キャリア補給ポンプ374が動作すると液体キャリアが補給タンク372からタンク33に供給されて現像液32のトナー濃度が低下する。このようにポンプ373,374の動作制御により、タンク33内の現像液32のトナー濃度が調整される。
【0025】
このような構成の現像ユニット30において、タンク33に貯留された現像液32が塗布ローラ34により汲み上げられ、規制ブレード35により塗布ローラ34上の現像液層の厚さが均一に規制され、この均一な現像液32が現像ローラ31の表面に付着し、現像ローラ31の回転に伴って感光体11に対向する現像位置16に搬送される。荷電制御剤などの作用によってトナーは例えば正に帯電しており、現像位置16では現像バイアス発生部114から現像ローラ31に印加される現像バイアス(例えばDC+400V)によってトナーが現像ローラ31から感光体11に移動して、静電潜像が顕像化される。このように、この実施形態では、現像ローラ31が本発明の「現像液担持体」に相当し、タンク33が本発明の「容器」に相当し、現像バイアス発生部114が本発明の「像形成手段」に相当する。
【0026】
上記のようにして感光体11上に形成されたトナー像は、感光体11の回転に伴って中間転写ローラ41に対向する1次転写位置44に搬送される。中間転写ローラ41は感光体11に従動する方向(図1中、反時計回り)に感光体11と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から1次転写バイアス(例えばDC−400V)が印加されると、感光体11上のトナー像が中間転写ローラ41に1次転写される。1次転写後における感光体11上の残留電荷はLEDなどからなる除電部13により除去され、残留現像液はクリーニング部14により除去される。
【0027】
中間転写ローラ41の適所(図1では中間転写ローラ41の鉛直下方)に2次転写ローラ42が対向配置されており、中間転写ローラ41に1次転写された1次転写トナー像は中間転写ローラ41の回転に伴って2次転写ローラ42に対向する2次転写位置45に搬送される。一方、給紙カセット3に収容されている転写紙4は、1次転写トナー像の搬送に同期して搬送駆動部(図示省略)により2次転写位置45に搬送される。そして、2次転写ローラ42は中間転写ローラ41に従動する方向(図1中、時計回り)に中間転写ローラ41と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から2次転写バイアス(例えば定電流制御で−100μA)が印加されると、中間転写ローラ41上のトナー像が転写紙4に2次転写される。2次転写後における中間転写ローラ41上の残留現像液はクリーニング部43により除去される。こうしてトナー像が2次転写された転写紙4は、所定の転写紙搬送経路5(図1中、一点鎖線)に沿って搬送され、定着ユニット6によってトナー像が定着され、装置本体2の上部に設けられた排出トレイに排出される。
【0028】
また、感光体11の周りの現像ローラ31と中間転写ローラ41との間には、例えば反射型光センサからなるパッチセンサ17が感光体11に対向配置されており、後述するように、感光体11上に形成されたパッチ画像の濃度を検出する。また、装置本体2の上面には、例えば液晶ディスプレイおよびタッチパネルからなる操作表示パネル7が配設されており、使用者による操作指示を受け付けるとともに、所定の情報を表示して使用者に報知する。この実施形態では、パッチセンサ17が本発明の「濃度検出手段」に相当し、操作表示パネル7が本発明の「報知手段」に相当する。
【0029】
図2において、主制御部100は、インターフェース102を介して外部装置から与えられた画像信号を記憶するための画像メモリ103を備えており、CPU101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号をインターフェース102を介して受信すると、エンジン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジン制御部110に送出する。
【0030】
エンジン制御部110のメモリ116は、後述する画像形成条件などの予め設定された固定データを含むCPU113の制御プログラムを記憶するROMや、エンジン部1の制御データやCPU113による演算結果などを一時的に記憶するRAMなどからなる。CPU113はCPU101を介して外部装置から送られた画像信号に関するデータをメモリ116に格納する。
【0031】
現像ユニット30のメモリ38は、当該現像ユニット30の製造ロット、使用履歴、内蔵トナーの特性、現像液32の残量やトナー濃度などに関するデータを記憶するものである。このメモリ38は通信部39と電気的に接続されており、通信部39は例えばタンク33に取り付けられている。そして、現像ユニット30が装置本体2に装着されると、通信部39がエンジン制御部110の通信部117と所定距離以内、例えば10mm以内に対向配置されるように構成されており、赤外線などの無線通信により互いに非接触状態でデータを送受信可能となっている。これによって、CPU113により現像ユニット30に関する消耗品管理等の各種情報の管理が行われる。なお、この実施形態では無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受信を行うようにしているが、例えば装置本体2および現像ユニット30にそれぞれコネクタを設けておき、装置本体2に現像ユニット30を装着すると、両コネクタが機械的に嵌合することで相互にデータ送受信を行うようにしてもよい。また、メモリ38は、電源オフ状態や現像ユニット30が装置本体2から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては例えばフラッシュメモリなどのEEPROMや強誘電体メモリなどを用いることができる。
【0032】
上記のように構成されたプリンタでは、次のようにして現像液のトナー濃度を検出している。すなわち、このプリンタは、電源投入時や印字枚数が所定枚数に達したときなどの適当なタイミングで所定パターン(本実施形態では例えばべた画像)のパッチ画像を形成している。特に、本実施形態では、現像位置16における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件で形成されたパッチ画像の画像濃度に基づいて現像液のトナー濃度を求めている。そして、その結果に応じてタンク33のトナー濃度を調整する濃度調整処理を行っている。以下、上記画像形成条件でのパッチ画像の画像濃度に基づきトナー濃度を検出する理由を説明した後、本実施形態の動作について詳述する。
【0033】
図3はトナー付着量を説明する図、図4は現像ニップ部の拡大図である。上述したように、本実施形態ではトナー濃度が高濃度(例えば5〜40重量%)の現像液32を使用することにより、現像ギャップを小さく(例えば5〜40μm)設定している。従って、例えば現像バイアスの増加によりコントラスト電位を増加させると、それに伴って発生電界も増加するので、図3(A)に示すように、現像ローラ31から感光体11へのトナー付着量は急上昇し、ある電位(同図ではVt)以上で飽和する。
【0034】
ここで、図3(A)に示すコントラスト電位Vt以上の範囲でトナー付着量が飽和しているというのは、現像ローラ31により現像位置16に搬送される現像液中の全てのトナーが感光体11に付着した状態であると考えられる。このため、現像位置16における現像液中のトナーのうち大部分(本実施形態では例えば90%以上)のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度は、現像液32のトナー濃度をほぼ正確に反映していると言える。
【0035】
従って、本実施形態では、そのような画像形成条件、すなわち現像位置16における現像液中のトナーのうち例えば90%以上のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件(帯電バイアス、露光エネルギー、現像バイアスなど)を予め求めてメモリ116に制御プログラムとして格納している。そして、メモリ116に記憶されたその画像形成条件でパッチ画像を形成し、その画像濃度に基づき現像液32のトナー濃度を求めている。このように、この実施形態では、メモリ116が本発明の「記憶手段」に相当する。
【0036】
なお、低濃度(例えば1〜2重量%)の現像液を使用する場合には、トナー量を稼ぐべく現像ギャップを大きく(例えば100〜200μm)設定することが必要となるので、コントラスト電位を増加させても、発生電界は緩やかにしか増加しないため、比較例の図3(B)に示すように、現像ローラ31から感光体11へのトナー付着量は緩やかに上昇し続け、飽和することがない。従って、現像位置16における現像液中のトナーのうち大部分のトナーが感光体11に付着するような画像形成条件を設定するのは困難となる。
【0037】
ここで、現像位置16における現像液中のトナーのうち感光体11に付着するトナーの比率を「トナー付着率」とする。図4に示すように、液体キャリア321にトナー322を分散した現像液32が現像ローラ31の表面に担持されつつ現像位置16に搬送され、感光体11に付着する。上述したように、感光体11と現像ローラ31との間隔D(m)、すなわち現像液層の厚さは、均一な所定値(本実施形態では例えば7μm)に規制されている。また、現像ニップ距離L(m)は、現像液層が感光体11および現像ローラ31の双方に接触している周方向の距離で、本実施形態では例えば5mmに設定している。
【0038】
このとき、「トナー付着率」は、現像位置16に発生する電界Eと現像時間Tとの積に比例する。ここで、電界Eは、
E=ε1(Vs−Vd)/(L2・ε1+L1・ε2)
によって表わされる。但し、
ε1は感光体11の感光層の比誘電率、
Vsは感光体11の帯電バイアス、
Vdは現像バイアス、
L1は感光体11の感光層の厚さ、
L2は感光体11上の現像液層の厚さ、
ε2は現像液層の比誘電率
である。
【0039】
また、現像時間Tは、
T=L/S
によって表わされる。但し、Sは感光体11の周速である。
【0040】
そこで、本実施形態では、上記に基づき、トナー付着率が90%以上となるような画像形成条件(帯電バイアス、露光エネルギー、現像バイアスなど)を予め求めてメモリ116に制御プログラムとして格納している。
【0041】
図5は上記濃度調整処理ルーチンを示すフローチャート、図6は図5のパッチ処理サブルーチンを示すフローチャートである。以下、図5、図6のステップに従って上記濃度調整処理の動作手順について説明する。エンジン制御部110のメモリ116には予め濃度調整処理の制御プログラムが記憶されている。そして、CPU113が該制御プログラムにしたがって装置各部を制御することで、以下の濃度調整処理が実行される。
【0042】
この濃度調整処理では、まず、パッチ処理を行う(図5の#10)。このパッチ処理では、図6に示すように、帯電バイアス、現像バイアス、露光エネルギーなどの画像形成条件を予め決められた所定値に設定し(#30)、パッチ画像を形成し(#32)、そのパッチ画像が感光体11の回転に伴ってパッチセンサ17と対向する位置に移動してくるタイミングで当該パッチセンサ17から出力される検出信号を取り込み、その信号に基づいてパッチ画像の濃度を求める(#34)。
【0043】
そして、そのパッチ画像の画像濃度を用いて現像液32のトナー濃度を求めて(#36)、図5にリターンし、求められたトナー濃度が許容範囲外か否かが判別され(#12)、許容範囲外でなければ(#12でNO)、濃度が低下したか否かが判別され(#14)、低下していなければ(#14でNO)、濃度が上昇したか否かが判別される(#16)。
【0044】
ここで、トナー付着量が90%以上となる画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度と現像液32のトナー濃度との関係が演算式またはテーブルデータ形式で予め求められており、この関係と、現像液32のトナー濃度の初期値、許容範囲の下限値および上限値とがメモリ116に格納されたプログラムに含まれている。そして、上記関係に基づき図6の#36のトナー濃度を求める処理が実行され、求められたトナー濃度を上記下限値および上限値と比較することによって、図5の#12の判別が実行される。
【0045】
そして、トナー濃度が許容範囲外のときは(#12でYES)、その旨の警告メッセージが操作表示パネル7に表示されて(#18)、このルーチンを終了する。このように現像液のトナー濃度が許容範囲から外れたときに、その旨を報知することで、現像液中のトナー濃度調整や装置の修理などを使用者に促すことができ、装置の操作性や保守性を向上することができる。
【0046】
また、求められたトナー濃度が上記初期値より低下したときは(#14でYES)、トナー濃度と上記初期値との差分に対応する時間だけ、ポンプ駆動部118を介してトナー補給ポンプ373が駆動されて(#20)、終了する。一方、求められたトナー濃度が上記初期値より上昇したときは(#16でYES)、トナー濃度と上記初期値との差分に対応する時間だけ、ポンプ駆動部119を介してキャリア補給ポンプ374が駆動されて(#22)、終了する。すなわち、パッチ画像の画像濃度に基づき現像液のトナー濃度が初期値に調整される。
【0047】
なお、トナー付着量が90%以上となる画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度と現像液32のトナー濃度との関係に基づき、現像液32のトナー濃度の初期値と許容範囲の下限値および上限値とに対応するパッチ画像の画像濃度をそれぞれ予め求めてメモリ116に記憶しておき、検出したパッチ画像の画像濃度を直接これらの対応する値と比較することによって、図5の#12,#14,#16の判別を行うようにしてもよい。
【0048】
このように、本実施形態によれば、現像位置16における現像液のトナーのうち大部分(本実施形態では例えば90%以上)のトナーが感光体11に付着する画像形成条件をメモリ116に格納しておき、その画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度をパッチセンサ17により検出し、その検出した画像濃度に基づき現像液32のトナー濃度を求めるようにしているので、上記画像形成条件で形成したパッチ画像の画像濃度は、現像液32のトナー濃度をほぼ正確に反映していることから、そのトナー濃度を精度良く求めることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、パッチ画像の画像濃度に基づいてタンク33中のトナー濃度を調整しているので、常に濃度調整された現像液を用いて画像形成される。したがって、良好な画質のトナー像を安定して形成することができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能であり、例えば以下の変形形態(1)〜(5)を採用することができる。
【0051】
(1)上記実施形態では、感光体11上に形成されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにしているが、濃度検出位置はこれに限られない。例えば、感光体11から中間転写ローラ41に1次転写されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにしてもよい。この場合には、中間転写ローラ41の周りの1次転写位置44と2次転写位置45の間にパッチセンサを対向配置すればよい。この形態では、中間転写ローラ41が本発明の「転写媒体」に相当し、転写バイアス発生部115が本発明の「転写手段」に相当する。さらに、パッチ画像を転写紙4に転写し、このパッチ画像の画像濃度を検出するように構成してもよい。
【0052】
また、例えば、パッチ画像を転写するための専用部材(例えばパッチ転写ローラ)を感光体11または中間転写ローラ41に当接配置し、この専用部材に転写バイアスを印加して、上記専用部材に転写されたパッチ画像の画像濃度を検出するようにしてもよい。この場合には、上記専用部材にパッチセンサを対向配置すればよい。この形態では、上記専用部材が本発明の「転写媒体」に相当し、上記専用部材に転写バイアスを印加する手段が本発明の「転写手段」に相当する。
【0053】
(2)上記実施形態では、補給タンク372から液体キャリアをタンク33に補給することで現像液32のトナー濃度を低減するようにしているが、これに限られない。例えば、感光体11上や中間転写ローラ41上からクリーニングにより除去した液体キャリアを回収してタンク33に戻す機構を備え、濃度が上昇したときに(図5の#16でYES)、上記機構を動作させることでタンク33の現像液32のトナー濃度を低減するようにしてもよい。
【0054】
(3)上記実施形態では、補給タンク371から高濃度現像液をタンク33に補給することで現像液32のトナー濃度を増大するようにしているが、これに限られない。例えば、白べた画像を現像したり、通常の画像形成における現像の間隔を広げるなど、現像動作を行って液体キャリアを消費することによって、現像液32のトナー濃度を増大するようにしてもよい。
【0055】
(4)上記実施形態では、トナー濃度調整部37を備え、タンク33の現像液32のトナー濃度を調整するようにしているが、トナー濃度調整部37を備えずに、トナー濃度が低下(図5の#14でYES)または上昇(図5の#16でYES)したときに、通常のトナー像を形成するときの画像形成条件を調整するようにしてもよい。ここで、画像形成条件は、帯電バイアス発生部111で発生する帯電バイアス、露光制御部112により制御される光ビーム21の露光エネルギー、現像バイアス発生部114で発生する現像バイアス、転写バイアス発生部115で発生する1次転写バイアスおよび2次転写バイアスなどが含まれる。
【0056】
(5)上記実施形態では、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。また、上記実施形態は単色印字の画像形成装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されず、カラー画像形成装置にも本発明を適用することができる。この場合、各色ごとに現像液のトナー濃度を検出し、調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるプリンタの内部構成を示す図。
【図2】同プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】トナー付着量を説明する図。
【図4】現像ニップ部の拡大図。
【図5】濃度調整処理ルーチンを示すフローチャート。
【図6】図5のパッチ処理サブルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】7…操作表示パネル(報知手段)、11…感光体(像担持体)、17…パッチセンサ(濃度検出手段)、31…現像ローラ(現像液担持体)、113…CPU、114…現像バイアス発生部(像形成手段)、116…メモリ(記憶手段)
Claims (9)
- その表面に静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、
液体キャリアにトナーを分散した現像液を、その表面に担持しながら前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体と、
前記現像液担持体に所定の現像バイアスを印加して、前記現像液担持体に担持される現像液中のトナーを前記像担持体に付着させ、前記静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する像形成手段と、
前記像形成手段により形成されたパッチ画像としてのトナー像の画像濃度を検出する濃度検出手段とを備え、
前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件で前記パッチ画像を形成するとともに、前記濃度検出手段により検出される前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記現像液のトナー濃度を求めることを特徴とする画像形成装置。 - 前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記現像液中のトナー濃度を調整する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記現像液を貯留する容器をさらに備え、
前記パッチ画像の画像濃度に基づき前記容器に貯留されている現像液のトナー濃度を調整するとともに、その濃度調整された現像液が前記現像液担持体により前記現像位置に搬送される請求項2記載の画像形成装置。 - 前記パッチ画像の画像濃度に基づき、通常のトナー像を形成する際の画像形成条件を調整する請求項1記載の画像形成装置。
- 求められたトナー濃度が所定範囲から外れたときに、その旨を報知する報知手段をさらに備えた請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記濃度検出手段は、前記像担持体上に形成されたパッチ画像の画像濃度を検出する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記像担持体上に形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写手段をさらに備え、
前記濃度検出手段は、前記像担持体から前記転写媒体に転写されたパッチ画像の画像濃度を検出する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件が格納された記憶手段をさらに備え、
この記憶手段に格納された前記画像形成条件で前記パッチ画像を形成する請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 液体キャリアにトナーを分散した現像液を担持しつつ像担持体に対向する現像位置に搬送する現像液担持体に所定の現像バイアスを印加して、前記現像液担持体に担持される現像液中のトナーを前記像担持体に付着させ、前記像担持体上の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成方法において、
前記現像位置における現像液中のトナーのうち90%以上のトナーが前記像担持体に付着する画像形成条件でパッチ画像としてのトナー像を形成する工程と、
前記パッチ画像の画像濃度を検出する工程と、
その検出結果に基づき前記現像液のトナー濃度を求める工程と
を備えたことを特徴とする画像形成方法。
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