JP2015083875A - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング Download PDF

Info

Publication number
JP2015083875A
JP2015083875A JP2014237676A JP2014237676A JP2015083875A JP 2015083875 A JP2015083875 A JP 2015083875A JP 2014237676 A JP2014237676 A JP 2014237676A JP 2014237676 A JP2014237676 A JP 2014237676A JP 2015083875 A JP2015083875 A JP 2015083875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
piston ring
thickness
hardness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014237676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5977322B2 (ja
Inventor
誉二 岩下
Takatsugu Iwashita
誉二 岩下
佐藤 智之
Tomoyuki Sato
智之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TPR Co Ltd
Original Assignee
TPR Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=53047558&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2015083875(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by TPR Co Ltd filed Critical TPR Co Ltd
Priority to JP2014237676A priority Critical patent/JP5977322B2/ja
Publication of JP2015083875A publication Critical patent/JP2015083875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5977322B2 publication Critical patent/JP5977322B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

【課題】低フリクションと耐摩耗性を有するDLC被膜を備えたピストンリングを提供する。
【解決手段】内燃機関において、ピストンリング1外周摺動面には硬度の異なる2種類の層A,Bが交互に複数に積層されたDLC皮膜2が摺動面に被覆され、皮膜の最表層が硬度の高い層Aであり、2種類の層の硬度差は500〜1700HVで、硬度の高い層が硬度の低い層Bの厚さと同一又はそれ以上の厚さを有し、硬度の高い層の厚さは5nm以上であり、皮膜全体の厚さが5.0μm以上であり、エンジン潤滑油を介してシリンダライナ用片状黒鉛鋳鉄材を相手摺動部材とし低摩擦摺動することを特徴とするピストンリング。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関用ピストンリングに関する。
炭素系皮膜は低摩擦係数を有する皮膜として知られているが、皮膜応力が高く自己破壊するため厚膜化が困難である。特許文献1は、最表層が軟質層で、軟質層と硬質層とを交互に積層した多層構造とし、平滑表面を容易に得られる低摩擦係数の硬質炭素皮膜を提案している。
特開2006−008853号公報
特許文献1は硬質層と軟質層との硬度差について規定していない。しかしながら、特許文献1は、軟質層はなじみ層としての目的を有し、硬質層は耐摩耗層としての目的を有しているため、硬度は実施例1では軟質層18GPa、硬質層42GPa、実施例2では軟質層20GPa、硬質層41GPaとされ、軟質層と硬質層の硬度差は大きいものとなっている。
本発明の目的は、低フリクションと耐摩耗性を有する炭素系皮膜を備えたピストンリングを提供することである。
第一の本発明のピストンリングは、DLC皮膜が摺動面に被覆されたピストンリングにおいて、前記皮膜は硬度の異なる2種類の層が複数層積層(但し、2層のみ積層される場合を除く)された積層皮膜であり、前記2種類の層の硬度差は500〜1700HVで、硬度の高い層が硬度の低い層の厚さと同一又はそれ以上の厚さを有し、皮膜全体の厚さが5.0μm以上であることを特徴とする。
また、第二の本発明のピストンリングは、内燃機関において、ピストンリング外周摺動面には硬度の異なる2種類の層が交互に複数に積層されたDLC皮膜が摺動面に被覆され、前記皮膜の最表層が硬度の高い層であり、前記2種類の層の硬度差は500〜1700HVで、硬度の高い層が硬度の低い層の厚さと同一又はそれ以上の厚さを有し、前記硬度の高い層の厚さは5nm以上であり、皮膜全体の厚さが5.0μm以上であり、エンジン潤滑油を介してシリンダライナ用片状黒鉛鋳鉄材を相手摺動部材とし低摩擦摺動することを特徴とする。
前記硬度の高い層の厚さが5〜90nmであることが好ましい。
前記皮膜が被覆された面の母材粗さが1.0μmRz以下であることが好ましい。
前記皮膜の最表層が硬度の高い層であることが好ましい。
前記皮膜の硬度の低い層は炭素のみ、あるいは炭素の他にCr又はTiが含まれていることが好ましい。
本発明のピストンリングによれば、炭素系皮膜を硬度差が500〜1700HVである2種類の層の積層皮膜とすることで、厚膜化が可能になり、低フリクションで耐摩耗性に優れたものになる。硬度差が500HV未満であると、皮膜割れにより摺動表面が荒れ、摩擦係数が大きくなり、相手材の摩耗も多くなる。硬度差が1700HVよりも大きくなると、摺動により低硬度層が摩耗して高硬度層の表面凸部(図1(b)参照)に応力が集中して皮膜欠けを起こし、摩擦係数が大きくなるとともに相手材の摩耗も多くなる。皮膜の全体の厚さが5.0μm未満であると耐摩耗性が不足する。
本発明の一実施形態を示し、(a)はピストンリングの一部分を示す縦断面図、(b)は皮膜部分の拡大断面図、(c)は摺動後の皮膜表面の一部分を示す図である。 往復動摩擦試験機の概要図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。
ピストンリング1は炭素系皮膜2が外周面に被覆されている。炭素系皮膜2はDLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜で、硬度の異なる2種類の層A,Bが2層以上積層された積層皮膜である。図1は2種類の層A,Bが6層積層されており、最表層は硬度の高い層Aである。2種類の層A,Bの硬度差は500〜1700HVである。硬度の高い層A(以下、高硬度層Aという。)の膜厚は5〜90nmであり、硬度の低い層B(以下、低硬度層Bという。)の厚さと同一又はそれ以上の厚さを有している。炭素系皮膜2の全体の膜厚は5.0μm以上である。外周面の母材粗さは1.0μmRz以下である。低硬度層BにCr又はTiを含有させてもよく、Cr又はTiが含まれると高硬度層Aとの密着性がより向上する。
高硬度層Aの膜厚が5nmより小さいと、摺動後の外周面に露出する高硬度層Aと低硬度層Bの幅(図1(c)参照)を充分確保できず、保油性が低下し、低フリクション効果が不充分になる。膜厚が90nmより大きくなると、摺動後の外周面に露出する高硬度層Aと低硬度層Bの幅が大きくなり過ぎ、皮膜割れが発生し、摩擦係数が大きくなるとともに相手材の摩耗も多くなる。外周面の母材粗さが1.0μmRzよりも大きいと、摺動により低硬度層Bが摩耗して高硬度層Aの表面凸部(図1(b)参照)に応力が集中して皮膜欠けを起こし、摩擦係数が大きくなるとともに相手材の摩耗も多くなる。最表層が高硬度層Aであると、相手材の表面を早期に平滑化できる。
上記の炭素系皮膜2はPVD方式を用いて、スパッタリング(低硬度層Bを被覆)とイオンプレーティング(高硬度層Aを被覆)を交互に行うことにより成膜された。各層の厚さは成膜時間を変更することにより調整し、硬度はバイアス電圧を変えることにより調整した。
以下、往復動摩擦試験機を使用して、自身の摩耗量、相手材の摩耗量、摩擦係数を測定した試験結果を説明する。
図2に、試験に使用した往復動摩擦試験機の概要を示す。ピン状の上試験片10は固定ブロック11により保持され、上方から油圧シリンダ12により下向きの荷重が加えられて、下試験片13に押接される。一方、平盤形状の下試験片13は可動ブロック14により保持され、クランク機構15により往復動させられる。16はロードセルである。
試験条件は以下の通りである。
荷重 :100N
速度 :600cpm/min
潤滑油 :5W−20
時間 :1時間
上試験片:DLC皮膜を施したピストンリング用鋼製ピン状試験片
下試験片:シリンダライナ用片状黒鉛鋳鉄材
Figure 2015083875
1 ピストンリング
2 炭素系皮膜
A 高硬度層
B 低硬度層

Claims (4)

  1. DLC皮膜が摺動面に被覆されたピストンリングにおいて、前記皮膜は硬度の異なる2種類の層が複数層積層(但し、2層のみ積層される場合を除く)された積層皮膜であり、前記2種類の層の硬度差は500〜1700HVで、硬度の高い層が硬度の低い層の厚さと同一又はそれ以上の厚さを有し、皮膜全体の厚さが5.0μm以上であることを特徴とするピストンリング。
  2. 内燃機関において、
    ピストンリング外周摺動面には硬度の異なる2種類の層が交互に複数に積層されたDLC皮膜が摺動面に被覆され、
    前記皮膜の最表層が硬度の高い層であり、前記2種類の層の硬度差は500〜1700HVで、硬度の高い層が硬度の低い層の厚さと同一又はそれ以上の厚さを有し、前記硬度の高い層の厚さは5nm以上であり、皮膜全体の厚さが5.0μm以上であり、エンジン潤滑油を介してシリンダライナ用片状黒鉛鋳鉄材を相手摺動部材とし低摩擦摺動することを特徴とするピストンリング。
  3. 前記皮膜が被覆された面の母材粗さが1.0μmRz以下であり、
    低摩擦摺動することを特徴とする請求項1又は2に記載のピストンリング。
  4. 前記皮膜の硬度の低い層が炭素のみ、あるいは炭素の他にCr又はTiが含まれており、
    低摩擦摺動することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のピストンリング。
JP2014237676A 2014-11-25 2014-11-25 ピストンリング Active JP5977322B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237676A JP5977322B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 ピストンリング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237676A JP5977322B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 ピストンリング

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011069676A Division JP2012202522A (ja) 2011-03-28 2011-03-28 ピストンリング

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015083875A true JP2015083875A (ja) 2015-04-30
JP5977322B2 JP5977322B2 (ja) 2016-08-24

Family

ID=53047558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014237676A Active JP5977322B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 ピストンリング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5977322B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017043022A1 (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 株式会社リケン 摺動部材及びピストンリング
WO2021066058A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 日本ピストンリング株式会社 摺動部材、その製造方法及び被覆膜
WO2022203052A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 日本ピストンリング株式会社 摺動部材、その製造方法及び被覆膜

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03291379A (ja) * 1990-04-10 1991-12-20 Citizen Watch Co Ltd カーボン硬質膜の積層構造
JP2000120870A (ja) * 1998-10-15 2000-04-28 Teikoku Piston Ring Co Ltd ピストンリング
JP2000170594A (ja) * 1998-12-08 2000-06-20 Teikoku Piston Ring Co Ltd シリンダライナとピストンリングとの組合せ
JP2007278314A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Riken Corp 積層皮膜を有するピストンリング
JP2008286354A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Nippon Piston Ring Co Ltd 摺動部材
WO2011018252A1 (de) * 2009-08-13 2011-02-17 Federal-Mogul Burscheid Gmbh Gleitelement, insbesondere kolbenring, mit einer beschichtung

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03291379A (ja) * 1990-04-10 1991-12-20 Citizen Watch Co Ltd カーボン硬質膜の積層構造
JP2000120870A (ja) * 1998-10-15 2000-04-28 Teikoku Piston Ring Co Ltd ピストンリング
JP2000170594A (ja) * 1998-12-08 2000-06-20 Teikoku Piston Ring Co Ltd シリンダライナとピストンリングとの組合せ
JP2007278314A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Riken Corp 積層皮膜を有するピストンリング
JP2008286354A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Nippon Piston Ring Co Ltd 摺動部材
WO2011018252A1 (de) * 2009-08-13 2011-02-17 Federal-Mogul Burscheid Gmbh Gleitelement, insbesondere kolbenring, mit einer beschichtung

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017043022A1 (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 株式会社リケン 摺動部材及びピストンリング
JP2017053435A (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 株式会社リケン 摺動部材及びピストンリング
US10655208B2 (en) 2015-09-09 2020-05-19 Kabushiki Kaisha Riken Sliding member and piston ring
WO2021066058A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 日本ピストンリング株式会社 摺動部材、その製造方法及び被覆膜
CN114466950A (zh) * 2019-09-30 2022-05-10 日本活塞环株式会社 滑动构件、其制造方法及包覆膜
WO2022203052A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 日本ピストンリング株式会社 摺動部材、その製造方法及び被覆膜
JPWO2022203052A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29
JP7451848B2 (ja) 2021-03-26 2024-03-19 日本ピストンリング株式会社 摺動部材、その製造方法及び被覆膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP5977322B2 (ja) 2016-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012202522A (ja) ピストンリング
JP5427890B2 (ja) 内燃機関の摺動部材、特にピストンリング
JP5950999B2 (ja) ピストンリングの製造方法
JP5903085B2 (ja) シリンダボアとピストンリングの組合せ
JP2016510388A (ja) 摺動エレメント、特に、コーティングを有するピストンリング
US20200256277A1 (en) Cast iron cylinder liner, and internal combustion engine
JP2013528697A (ja) コーティングを有するスライド要素、特に、ピストンリング、およびスライド要素を製造するプロセス
JP5977322B2 (ja) ピストンリング
JP2008286354A (ja) 摺動部材
CN107013360A (zh) 滑动元件
JPWO2017022659A1 (ja) ピストンリング
WO2011079360A3 (pt) Anel de pistão nitretado resistente à propagação de trincas
TWI513902B (zh) 活塞環之結構
JP5376668B2 (ja) ピストンリング
JP2017036823A (ja) ピストンリング
JP5772584B2 (ja) ピストンリング
JP2023133290A (ja) ピストンリング
JP2021121755A (ja) 組合せオイルリングおよびオイルリング装着ピストン
JP7045383B2 (ja) ピストンリング
US9920836B2 (en) Piston ring for internal combustion engine
JP6883802B2 (ja) 耐摩耗材の製造方法
JP2020060241A (ja) アルコール燃料用ピストン
TH125530A (th) แหวนลูกสูบ
TH64070B (th) แหวนลูกสูบ
CN202187835U (zh) 一种外圆超硬多弧离子镀层的钢带组合油环刮片环

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151013

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160407

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160721

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5977322

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250