JP2015083636A - ポリカーボネート樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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今田 知之
Tomoyuki Imada
知之 今田
勇介 佐藤
Yusuke Sato
勇介 佐藤
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Abstract

【課題】耐熱性と透明性とに優れるポリカーボネート樹脂を提供する。
【解決手段】構造式(1)で表される構造を繰り返し単位として有するポリカーボネート樹脂。
Figure 2015083636

(R〜Rはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数、nは0〜4の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性と透明性とに優れるポリカーボネート樹脂に関する。
ポリカーボネート樹脂は透明性が高く耐衝撃性の機械強度にも優れることから、光学材料をはじめとする様々な用途に利用されている。ポリカーボネート樹脂の代表的なものとして、例えば、ビスフェノールAと、ホスゲンやジフェニルカーボネート等の炭酸エステル形成剤とを反応させて得られるものが知られている(特許文献1参照)。このようなビスフェノールA型のポリカーボネート樹脂は透明性に優れるものの耐熱性が十分ではなく、より高い耐熱性が求められる用途への展開が難しいものであった。
特開2004−250551号公報
したがって、本発明が解決しようとする課題は、透明性のみならず耐熱性にも優れるポリカーボネート樹脂及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記構造式
Figure 2015083636
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
で表される構造部位を繰り返し単位として有するポリカーボネート樹脂は、透明性に優れ、更に非常高い耐熱性を有することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、下記構造式(1)
Figure 2015083636
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
で表される構造部位を繰り返し単位として有するポリカーボネート樹脂を提供するものである。
更に、本発明は、下記構造式(3)
Figure 2015083636
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
で表されるフェノール性水酸基含有化合物(A)と、炭酸エステル形成剤(B)とを反応させるポリカーボネート樹脂の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、透明性のみならず耐熱性にも優れるポリカーボネート樹脂及びその製造方法を提供することができる。
図1は、製造例1で得られたフェノール性水酸基含有化合物(A−1)のGPCチャート図である。 図2は、製造例1で得られたフェノール性水酸基含有化合物(A−1)の13C−NMRスペクトルのチャート図である。
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記構造式(1)
Figure 2015083636
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
で表される構造部位を繰り返し単位として有することを特徴とする。
前記構造式(1)で表される構造部位は、所謂トリフェニルメタン構造に類似するものであるが、その芳香核上に式中のRやRで表されるアルキル基を必須の構成として有することにより、通常のトリフェニルメタン構造と比較して非常に高い耐熱性を発現する。
前記構造式(1)中のR、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基等が挙げられる。中でも、透明性と耐熱性とを兼備するポリカーボネート樹脂となることから、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基の何れかであることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
また、前記一般式(1)中のl及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、また、pは0〜4の整数である。中でも、耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂となり、かつ、工業的に効率の良い製造が可能であることから、l及びmはそれぞれ1又は2であることが好ましい。また、nは0〜2の何れかの整数であることが好ましい。
また、前記構造式(1)中のオキシ基或いはカルボニルオキシ基の結合位置は、耐熱性の高いポリカーボネート樹脂となることから、3つの芳香環を結節するメチン基に対しパラ位であることが好ましい。したがって、前記構造式(1)で表される構造部位は、下記構造式(2)
Figure 2015083636
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
で表される構造部位であることがより好ましい。
前記構造式(2)で表される構造部位は、具体的には下記構造式(2−1)〜(2−12)の何れかで表されるものが挙げられる。
Figure 2015083636
本発明のポリカーボネート樹脂は、例えば、アルキル置換フェノール(a1)と芳香族アルデヒド(a2)とを重縮合することにより、下記一般式(3)
Figure 2015083636
(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
で表されるフェノール性水酸基含有化合物(A)を得、次いで、前記フェノール性水酸基含含有化合物(A)と炭酸エステル形成剤(B)とを反応させる方法により製造することができる。
前記アルキル置換フェノール(a1)は、フェノールの芳香環に結合している水素原子の一部又は全部がアルキル基に置換している化合物である。このアルキル基は、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基等の炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。中でも、透明性と耐熱性とを兼備するポリカーボネート樹脂が得られることから、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基の何れかであることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
またその置換基数は、耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂となり、かつ、工業的に効率の良い製造が可能であることから1〜4の範囲であることが好ましく、1又は2であることより好ましい。
前記アルキル置換フェノール(a1)は、具体的には、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール等のモノアルキルフェノール;2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール等のジアルキルフェノール;2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノールなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前述の通り、これらの中でもメチル基を置換基として有し、かつ、その置換基数が1又は2であるo−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノールの何れかが好ましく、更に、耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂となることから、2,5−キシレノール、2,6−キシレノールの何れかが特に好ましい。
前記芳香族アルデヒド(a2)は、例えば、ベンズアルデヒドや、芳香核上にアルキル基を一つ乃至複数個有するアルキル置換ベンズアルデヒドが挙げられ、前記アルキル基は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基等の炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
中でも、前記アルキル置換フェノール(a1)との反応性に優れ、耐熱性の高いポリカーボネート樹脂が得られることから、ベンズアルデヒド又は芳香核上にメチル基を一つ乃至複数個有するアルキル置換ベンズアルデヒドが好ましく、ベンズアルデヒドがより好ましい。
前記アルキル置換フェノール(a1)と芳香族アルデヒド(a2)との反応は、例えば、酸触媒存在下60〜140℃の温度範囲で0.5〜100時間反応させる方法が挙げられる。
前記酸触媒は、例えば、酢酸、シュウ酸、硫酸、塩酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、触媒能が高いことから硫酸、パラトルエンスルホン酸がより好ましい。
前記アルキル置換フェノール(a1)と芳香族アルデヒド(a2)との仕込み量のモル比[(a1)/(a2)]は、反応収率が高く高純度で目的のフェノール性水酸基含有化合物(A)が得られることから、1/0.2〜1/0.5の範囲が好ましく、1/0.25〜1/0.45の範囲がより好ましい。
前記アルキル置換フェノール(a1)と芳香族アルデヒド(a2)との反応は有機溶媒中で行っても良い。前記有機溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のポリオール;2−エトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、得られるフェノール性水酸基含有化合物の溶解性に優れることから、前記グリコールエーテル溶媒が好ましく、2−エトキシエタノールが特に好ましい。
反応終了後は再沈殿操作等により反応生成物を精製し、目的のフェノール性水酸基含有化合物(A)を得ることができる。
前記再沈殿操作は、具体的には、フェノール性水酸基含有化合物(A)の貧溶媒(S1)中に反応生成物を投入して沈殿物を濾別した後、該沈殿物をフェノール性水酸基含有化合物の良溶媒(A2)に再度溶解し、この溶液を貧溶媒(S1)に投入して、その沈殿物を回収する方法が挙げられる。
前記貧溶媒(S1)は、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヒキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、前記アルキル置換フェノール(a1)と芳香族アルデヒド(a2)との反応で用いた酸触媒を効率的に除去できることから、水又はメタノールが好ましい。
一方、前記良溶媒(S2)は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のポリオール;2−エトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、前記貧溶媒(S1)として水を用いた場合には、前記良溶媒(S2)はアセトンが好ましい。
このようにして得られるフェノール性水酸基含有化合物(A)の純度は、耐熱性と透明性とに優れるポリカーボネート樹脂がえられることから、GPC測定における面積比率で85%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましく、94%以上が特に好ましい。
このときのGPCの測定条件は下記の通りである。
[GPCの測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」
カラム:昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF803」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF804」(8.0mmФ×300mm)
カラム温度:40℃
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.30」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの
注入量:0.1ml
標準試料:下記単分散ポリスチレン
(標準試料:単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
前記フェノール性水酸基含有化合物(A)は、例えば、下記一般式(3−1)〜(3−12)で表される化合物が例示できる。
Figure 2015083636
次に、前記フェノール性水酸基含有化合物(A)と反応させる炭酸エステル形成剤(B)は、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート,フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、反応性に優れることからホスゲン或いはジフェニルカーボネートが好ましい。
前記フェノール性水酸基含有化合物(A)と炭酸エステル形成剤(B)との反応は、具体的には、炭酸エステル形成剤(B)としてホスゲンを用い、酸結合剤の存在下、有機溶媒中で行う方法(方法1)や、酸エステル形成剤(B)としてジフェニルカーボネート等を用い、前記フェノール性水酸基含有化合物(A)とエステル交換反応させる方法(方法2)が挙げられる。
前記方法1について、用いる酸結合剤は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物やピリジン等が用いられる。また、前記有機溶媒は、例えば、塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。更に、反応促進のために第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を用いても良く、分子量を適宜調整するために、フェノールやp−tert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応は、通常0〜40℃にて数分〜5時間程度行われ、反応中のpHは通常10以上に保つことが好ましい。
前記方法2について、前記フェノール性水酸基含有化合物(A)と炭酸エステル形成剤(B)とのエステル交換反応は、不活性ガス存在下で両者を混合し、通常減圧条件下、下120〜350℃の温度範囲で反応させる。減圧度は段階的に変化させ,最終的には1mmHg以下にして副生するフェノール化合物を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度であり、必要に応じて分子量調節剤や酸化防止剤を加えてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造においては、前記フェノール性水酸基含有化合物(A)に加え、その他のフェノール性水酸基含有化合物(A’)を併用しても良い。その他のフェノール性水酸基含有化合物(A’)は、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、透明性や耐衝撃性等に優れるポリカーボネート樹脂となることからビスフェノ−ルAが好ましい。このほか、分岐剤として少量の三官能化合物を用いたり、所望に応じてジカルボン酸化合物を併用したりしても良い。
これらその他のフェノール性水酸基含有化合物(A’)を用いる場合には、透明性と耐熱性に優れる本発明の効果が十分に発揮されることから、前記フェノール性水酸基含有化合物(A)とその他のフェノール性水酸基含有化合物(A’)との合計100質量部中、前記フェノール性水酸基含有化合物(A)が80質量部以上となることが好ましく、90質量部以上となることがより好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂には、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤等の添加剤を加えることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂を成形するには、例えば、射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キャスティング法等の任意の方法で成形することができ、特にキャスティング法が好ましい。
以下に具体的な例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。なお、NMRスペクトル、GPC、及びガラス転移温度(Tg)の測定方法は下記の通りである。
[13C−NMRスペクトル測定方法]
日本電子株式会社製「JNM−LA300」を用い、資料のジメチルスルホキシド−d溶液について分析データを収集、構造解析を行った。
[GPC測定方法]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」
カラム:
昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF803」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF804」(8.0mmФ×300mm)
カラム温度:40℃
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.30」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの
注入量:0.1ml
標準試料:下記単分散ポリスチレン
(標準試料:単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
[ガラス転移点温度の測定方法]
示差熱走査熱量計(株式会社ティー・エイ・インスツルメント製「示差熱走査熱量計(DSC)Q100」)を用いて、窒素雰囲気下、温度範囲25〜250℃、昇温速度10℃/分の条件で、ガラス転移温度(以下、「Tg」と略記する。)を測定した。
製造例1 フェノール性水酸基含有化合物(A−1)の合成
冷却管を設置した2000mlの4口フラスコに2,5−キシレノール293.2g(2.4mol)、ベンズアルデヒド106.1g(1mol)を仕込み、2−エトキシエタノール500mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、マントルヒーターで100℃まで加熱し、同温度条件下で2時間加熱撹拌して反応させた。反応後、得られた溶液を水中に投入して再沈殿操作を行い粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行い、得られた沈殿物を濾別して真空乾燥を行い白色結晶のフェノール性水酸基含有化合物(A−1)206gを得た。フェノール性水酸基含有化合物(A−1)のGPCチャート図を図1に、13C−NMRチャート図を図2に示す。13C−NMRによる構造解析の結果、下記構造式で表される目的化合物の生成が確認された。また、GPCチャート図から測定される化合物の純度は98.7%であった。
Figure 2015083636
実施例1 ポリカーボネート樹脂(1)の製造
温度計、撹拌機、及び滴下漏斗付き反応器にイオン交換水313質量部と48%水酸化ナトリウム水溶液40.1質量部を入れ、次いで、先で得たフェノール性水酸基含有化合物(A−1)53.1質量部とハイドロサルファイト0.07質量部を加えて溶解した後、塩化メチレン166質量部を加えて撹拌を開始し、15〜20℃の温度条件下にてホスゲン20.8質量部を45分かけて吹込んだ。ホスゲンの吹込みを終了した後、p−tert−ブチルフェノール0.290質量部を添加し、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2質量部を加えて乳化した後、トリエチルアミン0.08質量部を加え、28〜33℃の温度条件下にて約2時間撹拌して反応を終了した。反応生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで塩化メチレンを蒸発させて、無色のポリカーボネート樹脂(1)54質量部を得た。ポリカーボネート樹脂(1)の比粘度は0.607、ガラス転移温度は175℃であった。また、得られたポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解し、該樹脂溶液を用いて作成した0.2mm厚のキャスティングフィルムの全光線透過率は94%、屈折率は1.642であった
比較例1 比較対象用ポリカーボネート樹脂の製造
前記フェノール性水酸基含有化合物(A−1)の代わりにビスフェノールAを用いた以外は実施例1と同様にして、比較対象用ポリカーボネート樹脂を得た。得られた比較対象用ポリカーボネート樹脂の比粘度は0.561、ガラス転移温度(Tg)は150℃、0.2mm厚のキャスティングフィルムの全光線透過率は1.585であった。

Claims (4)

  1. 下記構造式(1)
    Figure 2015083636
    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
    で表される構造部位を繰り返し単位として有するポリカーボネート樹脂。
  2. 前記構造式(1)で表される構造部位が、下記構造式(2)
    Figure 2015083636
    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
    で表される構造部位である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  3. 下記構造式(3)
    Figure 2015083636
    (式中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基であり、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。)
    で表されるフェノール性水酸基含有化合物(A)と、炭酸エステル形成剤(B)とを反応させて得られる請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
  4. 前記構造式(3)で表されるフェノール性水酸基含有化合物(A)と、炭酸エステル形成剤(B)とを反応させるポリカーボネート樹脂の製造方法。
JP2013222237A 2013-10-25 2013-10-25 ポリカーボネート樹脂及びその製造方法 Pending JP2015083636A (ja)

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