JP2015083086A - コイル体及びガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた柔軟性を有するとともに、複雑な形状への追従性にも優れ、かつ、コイル体の一部に生じた微細な振動等を伝える伝達性に優れたコイル体及び該コイル体を用いたガイドワイヤを提供する。【解決手段】複数の素線を撚り合わせた撚線11を螺旋状に巻回してなり、前記撚線11は、その中心部に第1の空隙を有する中空状である、コイル体1。【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性を有するコイル体、及び該コイル体を用いた医療用のガイドワイヤに関する。
従来から、可撓性を有し、かつ、柔軟性に優れたコイル体が種々の分野で用いられている。例えば、医療分野においては、治療や検査のために、血管、消化管、尿管などへカテーテルを挿入する際、体内留置具の挿入を行う際等に、それらをガイドするためにコイル体を先端部に有するガイドワイヤが用いられている。
上記ガイドワイヤには、一般的に、血管や消化管などの内壁を傷つけることがないように柔軟性が必要とされており、特に先端部には優れた柔軟性が必要とされる。例えば、特許文献1には、シャフトを撚線で構成することにより柔軟性を向上させたガイドワイヤが開示されている。また、特許文献2には、シャフトを、芯線とその周囲で撚り合わされた複数の細線から構成し、シャフトの先端部は芯線がない構造にすることで、シャフトの先端部の可撓性を本体部よりも高くしたガイドワイヤが開示されている。
一方、近年ではガイドワイヤの使用範囲はより拡大される傾向にあり、特に、血管は複雑に屈曲しているため、血管に用いられるガイドワイヤには、その先端部においてより優れた柔軟性と血管への追従性とが求められることが多い。上記の特許文献1、2に開示されているような、シャフトを撚線で構成したガイドワイヤは柔軟性に優れているものの、さらに柔軟性を高めるために撚線を構成する細線をさらに細くすると、ガイドワイヤの剛性や回転トルク伝達性が低下しすぎて、血管などへの追従性が低下したり、或いは、ガイドワイヤを体外で操作する手技者は、体内にあるガイドワイヤ先端部が血管などの壁面に接触している際の抵抗、狭窄部にガイドワイヤ先端部が突き当たった際の抵抗等の、先端部における微細な情報を把持部を通して感知するが、それらの情報がガイドワイヤから手技者に伝わらなくなったりするという、別の問題が生じる。
特開平10−323395号公報 特開2001−293092号公報
本発明の目的は、優れた柔軟性を有するとともに、複雑な形状への追従性にも優れ、かつ、コイル体の一部に生じた微細な振動等を伝える伝達性に優れたコイル体を提供することにある。
本発明の他の目的は、先端部の柔軟性に優れるとともに、血管などの複雑な形状への追従性にも優れ、かつ、先端部が血管などの壁面に接触して摺動する際の抵抗、先端部が狭窄部に突き当たった際の抵抗等の微細な情報の伝達性に優れたガイドワイヤを提供することにある。
本発明のコイル体は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に巻回してなり、かつ、前記撚線は、その中心部に第1の空隙を有する中空状であることを特徴とする。
また、本発明のガイドワイヤは、コアシャフトと、前記コアシャフトの先端を覆う上記コイル体とを備えたことを特徴とする。
本発明のコイル体は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に巻回してなり、かつ、撚線は、その中心部に芯線を有しておらず、第1の空隙を有する中空状である。本発明のコイル体は、このような構成を有しているので、非常に優れた柔軟性を有しており、かつ、動きがしなやかで、複雑な形状への追従性に優れているとともに、コイル体の一部で生じた微細な振動等の情報の伝達性にも優れている。また、コイル体の表面に生じる凹凸が少ないので、コイル体が別部材等に接触した場合であっても、コイル体を滑らかに摺動させることができる。
本発明のガイドワイヤは、コアシャフト及びコイル体を備え、コイル体は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に巻回してなり、かつ、撚線は、その中心部に芯線を有しておらず、第1の空隙を有する中空状である。このように、中心部に第1の空隙を有する撚線を巻回してなるコイル体を備えているので、本発明のガイドワイヤの先端部は非常に優れた柔軟性を有しており、かつ、先端部の動きがしなやかで、血管などへの追従性に優れているとともに、先端部に生じた抵抗による振動等の微細な情報の伝達性に優れている。また、コイル体の表面に生じる凹凸が少ないので、本発明のガイドワイヤは、血管、消化管、尿管などの壁面に沿って滑らかに摺動させることができる。
本発明のコイル体の実施態様の1つを模式的に示した正面図である。 本発明の実施態様で用いられる撚線の例の1つを模式的に示した正面図である。 本発明の実施態様で用いられる撚線の例の1つを模式的に示した断面図である。 本発明の実施態様で用いられる別の例の撚線を模式的に示した断面図である。 図4に示した撚線の別の状態を模式的に示した断面図である。 図4に示した撚線のさらに別の状態を模式的に示した断面図である。 本発明のコイル体の実施態様の1つを模式的に示した断面図である。 本発明のコイル体の実施態様の別の例を模式的に示した断面図である。 本発明のガイドワイヤの実施態様の1つを模式的に示した断面図である。 比較例のコイル体の表面を模式的に示した正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明のコイル体の実施態様の1つを模式的に示した正面図である。また、図2は、巻回してコイル体とする前の撚線の状態を模式的に示した正面図である。図3は、図2に示した撚線の横断面を模式的に示した断面図である。
本発明のコイル体1は、複数の素線を撚り合わせた撚線11を螺旋状に巻回してなり、かつ、上記撚線11は、その中心部に第1の空隙を有している。
上記撚線11を構成する複数の素線の数は、好ましい下限は3本であり、好ましい上限は8本であり、より好ましい上限は6本である。図1、図2及び図3では、撚線11は5本の素線111、112、113、114及び115から構成されており、その中心部には芯線は存在せず、第1の空隙116を有している。また、撚線を構成する素線の数は、図4に示すように4本であるのが最も好ましい。図4では、撚線12は、4本の素線121、122、123及び124から構成されており、その中心部には芯線は存在せず、第1の空隙125を有している。
上記範囲内の本数の素線を用いることで、得られる撚線の中心部に第1の空隙が確実に形成されるとともに、撚線の形状保持性にも優れたものとなる。また、撚線を螺旋状に巻回してコイル体とした際、コイル体の表面に生じる凹凸が少なく、滑らかになる。
上記撚線は、複数の素線を撚り合わせることで形成されている。その撚り合わせ方等は、得られる撚線が中心部に第1の空隙を有する中空状とされていれば、特に限定されないが、撚線の形状保持性、形状の均一性、得られる撚線の表面の平滑性等が向上するので、複数の素線を同じピッチで、同じ方向の螺旋状に撚り合わせるのが好ましく、隣り合う素線をみた場合に、撚り合わせる方向にある素線の上に、もう一方の素線をかぶせるようにして撚り合わせるのが好ましい。
図2を用いてより詳細に説明する。図2に示しているように、撚線11は、5本の素線111、112、113、114及び115から構成され、5本の素線が、同じ方向、図2であれば図示左側に向かって左回りに螺旋状に撚り合わされてなる。より詳しくは、ある任意の点で、5本の素線は図示左側に向かって左回りに素線111、112、113、114及び115の順に円状に並んでおり、任意の1本の素線を、左回り方向(撚り合わせる方向)に隣り合う素線の上にかぶせるように撚り合わされている。要するに、ある任意の点で、素線114の左回り方向には素線115が位置しているが、素線115の上に素線114を撚り合わせ、次に素線114の上に素線113を撚り合わせ、さらに素線113の上に素線112を撚り合わせ、素線112の上に素線111を撚り合わせ、また、素線111の上に素線115を撚り合わせるということを繰り返すことで、中心に芯線がなく、中心部に第1の空隙116を有する中空状の撚線11が得られる。
上記では撚り合わせる素線が5本の場合について説明したが、図4のように4本の素線を撚り合わせる場合や、3本又は6本以上の素線を撚り合わせる場合でも同様である。4本の素線121、122、123及び124を用いて同様に撚り合わせた場合は、中心部に第1の空隙125を有する中空状の撚線12が得られる。
素線を構成する材料としては、ステンレス鋼、Ni−Ti合金のような超弾性合金等が挙げられる。複数の素線は、同じ材料から構成されていてもよいし、異なる材料から構成された素線を組み合わせて用いてもよい。
素線の断面形状としては、円形、楕円形、正方形や長方形などの多角形等が挙げられるが、撚り合わせ易く、得られる撚線の形状保持性や、得られる撚線表面の平滑性に優れているので、円形であるのが好ましい。
素線の断面形状が円形である場合、図3及び図4に示すように、複数の素線の直径は略同じであるのが好ましい。この場合、素線の直径の、好ましい上限は0.05mm、好ましい下限は0.01mmである。
上記撚線11、12は、その中心に芯線がなく、中心部に第1の空隙116、125を有しているので、撚線を構成する複数の素線の相対的な位置関係が、撚線に加えられた力に応じてずれることが可能である。例えば、撚線11、12を螺旋状に巻回する際、直線状或いは曲線状であった撚線11、12を螺旋状に変形することとなるが、その変形にともなって素線の相対的な位置関係が若干ずれることが可能である。それにより、撚線11、12を螺旋状に巻回し易くなるとともに、螺旋状に巻回して得られるコイル体の表面に凹凸が生じ難くなる。また、撚線11、12を螺旋状に巻回して得られたコイル体が変形した場合や、コイル体を用いてガイドワイヤ等とした後に、屈曲した血管内でガイドワイヤを進める場合などは、コイル体が若干変形することになるが、その場合も、撚線11、12を構成する複数の素線の相対的な位置関係がコイル体の変形にともなって若干ずれ、コイル体の変形に反発する力が抑制される。それにより、コイル体は優れた柔軟性、複雑な形状への追従性等を発現することとなる。
図4、図5及び図6は、4本の素線121、122、123及び124からなる撚線12の、素線の相対的な位置関係を説明するための、模式的な断面図である。図4に示した状態にある撚線12は、若干変形すると、図5のように素線121、122、123及び124の相対的な位置関係が、撚線12の変形に応じて若干ずれる。撚線12がさらに変形すると、図6のように、素線121、122、123及び124の相対的な位置関係がさらにずれる。素線の相対的な位置関係が、撚線の変形に応じて若干ずれることで、変形に反発する力が少なくなる。
一方、複数の素線同士は撚り合わされているので、相対的な位置関係が若干ずれても素線がほどけて分離されることはなく、撚線及び撚線を螺旋状に巻回してなるコイル体の形状が崩れることはない。
上記のように、中心部に第1の空隙を有する撚線は変形に対する柔軟性に優れているので、このような撚線を螺旋状に巻回してなるコイル体は、表面に凹凸が少なく、摺動させ易く、さらに、柔軟性に優れるとともに、複雑な形状への追従性にも優れているという、特有の優れた効果を発現する。
図1に示すように、撚線11は、螺旋状に巻回されてコイル体1とされている。
図7は、図4に示した4本の素線を撚り合わせてなる撚線12を、螺旋状に巻回してなるコイル体2の縦断面を模式的に示した断面図である。
図7に示すように、巻回した撚線同士の間は、撚線12同士が密に接触するように巻回されている。図8のように、螺旋状に巻回された撚線同士が密に接触しておらず、撚線間に第2の空隙13を有する構成も好ましい。コイル体2を構成する撚線同士が密に接触しておらず、撚線間に第2の空隙13を有することで、コイル体2の柔軟性、複雑な形状への追従性等がさらに向上するとともに、コイル体の一部に生じた微細な振動等を伝える伝達性がさらに向上する。
また、撚線の撚り合わせ方向と、コイル体の巻回方向との関係は特に限定されない。例えば、素線が左回りに撚り合わされた撚線を螺旋状に巻回してコイル体を形成する場合、コイル体は右回り或いは左回りのいずれの螺旋状であってもよく、また、素線が右回りに撚り合わされた撚線を螺旋状に巻回してコイル体を形成する場合も、コイル体は右回り或いは左回りのいずれの螺旋状であってもよい。
上記コイル体2は、全てが上記撚線12から形成されていてもよく、一部が上記撚線12から形成されていてもよい。コイル体2の一部を上記撚線12で形成する場合、コイル体の使用用途や使用方法に応じて、必要部分だけを上記撚線12で構成するなど、適宜調整してよい。例えば、医療用のガイドワイヤの先端部に取り付けられるコイル体として用いる場合は、コイル体の長さは、一般的な上限は500mm、好ましい上限は400mmであり、一般的な下限は100mm、好ましい下限は200mmである。その際、ガイドワイヤの先端側をコイル体の先端側とすると、少なくともコイル体の最先端領域、好ましくは少なくとも最先端から20mmまでの範囲、より好ましくは少なくとも最先端から30mmまでの範囲は上記撚線12から形成されているのが好ましい。尚、コイル体2の一部を上記撚線12から形成する場合、その他の部分は従来公知のコイル体が適宜用いられる。
コイル体1、2は、柔軟性や複雑な形状への追従性が必要とされる種々の用途に使用される。特に、医療用のガイドワイヤの先端部に取り付けられるコイル体として、好適に用いられる。
本発明のコイル体が、コアシャフトの先端を覆うように取り付けられたガイドワイヤも、本発明の1つである。
図9は、本発明のガイドワイヤの実施態様の1つを模式的に示した断面図である。図示左側が体内に挿入される先端側(遠位側)、右側が手技者によって操作される基端側(近位側)である。
ガイドワイヤ3は、心臓の血管の治療等に用いられるものであって、コアシャフト4を有しており、コアシャフト4の先端部41の外周が、上記コイル体2で覆われている。
ガイドワイヤ3は、可撓性を有する長尺体であり、その長さ及び径は使用範囲に応じて適宜設定されるが、長さの一般的な上限は4000mm、好ましい上限は2500mmであり、長さの一般的な下限は500mm、好ましい下限は1000mmである。また、横断面における最大径は、一般的には0.05mm以上、0.5mm以下である。
上記コアシャフト4は、可撓性を有する長尺体であり、ガイドワイヤ3の長さ及び最大径に応じた長さ及び最大径を有している。コアシャフト4の横断面の形状は、円形、楕円形、正方形や長方形などの多角形等のいずれでもよいが、円形が一般的であり、好ましい。
コアシャフト4は、治療、検査等の際に体内に挿入される先端側に位置する先端部41、及び先端部41の基端側に位置する本体部42からなる。
先端部41は、コアシャフト4が先端に向かって徐々に細径化された部分であり、先端に向かって柔軟性が高められている。例えば、ガイドワイヤ3が心臓の血管の治療に用いられるガイドワイヤである場合は、一般的には、ガイドワイヤ3の最先端から、基端側に向かう軸方向に400mmまでの範囲に先端部41が設けられる。
図9では、先端部41はテーパー部411及び細径部412を有している。先端部41は、先端側に向かって縮径するテーパー部411を有することにより、先端に向かって徐々に細径化されている。細径部412は、テーパー部411の先端側から、軸方向に略同じ径で延びている。細径部412の最先端は、コイル体2の最先端と接合手段を介して接合されている。接合手段は、ガイドワイヤ3の最先端が血管等の壁面を傷つけないように、滑らかな形状を有するものであれば特には限定されず、従来公知の接合方法が用いられる。一般的には、図9に示すように、滑らかな先端面を有する先端チップ5を介して接合されている。
上記先端チップ5は、血管等を傷つけないように、半球状などの曲面からなる滑らかな先端面を有しており、コアシャフト4の最先端及びコイル体2の最先端を接合するものであれば、その形成方法は特には限定されない。例えば、コアシャフト4、コイル体2等の部材を組み合わせた後、最先端にロウ材を供給して、コアシャフト4の最先端及びコイル体2の最先端をロウ付けにより接合し、用いたロウ材により先端チップ5を形成させるのが好ましい。
尚、図9のガイドワイヤ3においては、先端部41は1つのテーパー部411と1つの細径部412とを有しているが、このような構成に限定されず、先端部全体をテーパー部としてもよく、また、テーパー部を複数設けてもよい。例えば、先端部の基端側から順に、先端側に向かって縮径する第1のテーパー部、軸方向に略同じ径で延びる第1の細径部、先端側に向かって縮径する第2のテーパー部及び軸方向に略同じ径で延び、先端チップに接合された第2の細径部を有する構成にしてもよい。
図9のガイドワイヤ3においては、先端部41の先端は先端チップ5に接合されているが、先端部41の最先端を先端チップ5から離間させ、先端部41と先端チップ5とを接合しない構成としてもよい。その場合は、安全ワイヤ等で、コアシャフトと先端チップとを接続しておくことが好ましい。また、先端部41と先端チップ5とを接合する場合であっても、さらに安全ワイヤ等でコアシャフトと先端チップとを接続してもよい。
コアシャフト4の本体部42は、先端部41の基端から、軸方向に略同じ径で延びる部分であり、コアシャフト4の先端部41以外の部分である。本体部42の中の先端側は、治療や検査の際に先端部41に続いて体内に挿入されるが、基端側は体外に露出したままとされる。
コアシャフト4を構成する材料としては、従来公知の材料が使用され、ステンレス鋼、Ni−Ti合金などの超弾性合金、ピアノ線等が挙げられる。中でも、ステンレス鋼が好ましい。コアシャフト4は、全体が同じ材料で構成されていてもよいし、部分的に構成材料が異なっていてもよい。
コイル体2は、その最先端は先端チップ5に接合され、その基端は、コアシャフト4の先端部41の基端付近で、ロウ付け、はんだ付け、接着剤による接着等の従来公知の接合方法によりコアシャフト4に接合されている。
上記のようなガイドワイヤの製造方法は、特には限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、複数の素線を撚り合わせて撚線を形成し、得られた撚線を所望の径を有する芯材に螺旋状に巻回した後、芯材を抜くことでコイル体を作製する。その後、コイル体の中に、所望の形状に成形したコアシャフトを挿通させる。コイル体とコアシャフトの位置を合わせ、コイル体の基端とコアシャフトとを、ロウ付け、はんだ付け、接着剤による接着等の従来公知の接合方法により接合し、その後、コイル体の最先端とコアシャフトの最先端とを、ロウ材等で接合する。コイル体の最先端とコアシャフトの最先端とをロウ材等で接合する際に、先端チップが形成される。
次に、本発明の実施形態の1つであるガイドワイヤ3を、治療又は検査に用いる方法について、心臓の冠状動脈に形成された狭窄部に対して使用する場合を例に用いて説明する。
ガイドワイヤ3は、大腿部等から動脈に挿入され、大動脈弓を通過し、治療目的部位である冠状動脈に形成された狭窄部に向かって進められる。この時、医師等の手技者から、ガイドワイヤ3に押し込み力や回転力が加えられる。ガイドワイヤ3は、先端部の柔軟性、血管への追従性等に優れているので、複雑に湾曲する血管であっても、血管壁を傷つけることなく滑らかに血管に追従させることができ、スムーズに狭窄部に向けて進行させることができる。また、ガイドワイヤ3は、先端部が血管などの壁面に接触して摺動する際の抵抗、先端部が狭窄部に突き当たった際の抵抗等の微細な情報の伝達性に優れているので、先端部に加わる抵抗を手技者が感知しつつガイドワイヤを進めることができる。
ガイドワイヤ3が治療目的部位に到達した後、例えば、バルーンカテーテル、治療部材を導入するためのカテーテル等の治療用カテーテルをガイドワイヤ3に沿って体内に挿入することで、狭窄部を拡張する等の治療が行われる。
図10は、比較のために、中心部に空隙を有さない撚線、即ち中心に芯線を有する従来公知の撚線から形成したコイル体の表面を模式的に示した正面図である。
コイル体6は、従来公知の撚線61が螺旋状に巻回されてなる。
従来公知の撚線61は、ステンレス鋼からなり、断面形状が直径約0.03mmの円形である素線5本と、ステンレス鋼からなり、断面形状が直径約0.015mmの円形である芯線(素線)1本とを用い、芯線の周りに他の5本の素線を螺旋状に撚り合わせてなる。芯線を用いている以外は、本発明の実施態様の1つであるコイル体1と同様に撚り合わせられた撚線である。
中心に芯線を有する撚線61から形成されたコイル体6の表面は図10の通りである。従来公知の撚線61は、素線同士の相対的な位置関係が本発明で用いられる撚線11、12よりもずれ難いため、素線を撚り合わせて撚線61とした際に生じた素線間の歪み、及び撚線61を螺旋状に巻回すことで生じた素線間の歪みが、上記撚線11、12よりも大きくなる。その結果、コイル体6の表面に突出する素線の割合が多くなり、図1に示されたような本発明のコイル体1の表面と比較して、コイル体6の表面には凹凸が多く生じている。
1、2、6・・・コイル体
11、12、61・・・撚線
111、112、113、114、115、121、122、123、124・・・素線
116、125・・・第1の空隙
13・・・第2の空隙
3・・・ガイドワイヤ
4・・・コアシャフト
41・・・先端部
411・・・テーパー部
412・・・細径部
42・・・本体部
5・・・先端チップ

Claims (4)

  1. 複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に巻回してなり、
    前記撚線は、その中心部に第1の空隙を有する中空状である、コイル体。
  2. 螺旋状に巻回された前記撚線の撚線間に、第2の空隙を有する、請求項1に記載のコイル体。
  3. 前記撚線を形成する複数の素線の数は4本である、請求項1又は2に記載のコイル体。
  4. コアシャフトと、
    前記コアシャフトの先端を覆う請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイル体とを備えた、ガイドワイヤ。
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