JP2015079619A - X線発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな構成のもとにX線管の使用目的や使用方法、またはその構造等に応じて、照射窓の発熱を伝えたくない部分には伝わらないようにすることのできるX線発生装置を提供する。【解決手段】X線管内の真空雰囲気中に配置されたターゲット2に対し、電子ビームBを照射することによって発生するX線を、X線管に設けられた開口を気密に封止する照射窓3を介してX線管外に放射するX線発生装置において、照射窓3を、当該照射窓3の広がり方向と厚さ方向とで熱伝導率が相違する熱異方性を有したものとすることで、照射窓3の熱を伝えたくない方向への熱伝導率を相対的に小さくして、追加部材等を伴うことなく、課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は産業用X線検査装置や医療用X線検査装置、あるいはX線の回折や屈折を利用した各種X線分析装置や測定装置などに用いられるX線発生装置に関し、より詳しくは、X線管内の真空雰囲気中でターゲットに電子を衝突させてX線を発生する方式のX線発生装置に関する。
X線発生装置においては、特殊なものを除いて、真空引きされたX線管内にターゲットと電子源を配置し、電子源で生成された電子を加速し、電子ビームとしてターゲットに衝突させることによってX線を発生する。発生したX線は、X線管に設けられ、その内部と外部とを気密に封止する照射窓を介して外部に取り出される。
X線管には、ターゲットの保持や電子ビームの照射、あるいはX線の取り出し等に関する手段の相違により、X線管の照射窓近傍の構造には、図10,11に模式図で示すように透過型と反射型がある。
透過型のX線管を表す図10において、101はX線管の先端部に設けられたターゲットホルダ、102はターゲットであって、ターゲット102は照射窓103と一体に内側に積層形成されている。このような透過型のX線管では、ターゲット102に電子ビームBが照射されることによって、ターゲット102上の電子ビーム照射スポットであるX線発生点102aから発生するX線は、電子ビームBの進行方向に沿った方向DTを中心として照射窓103を介して外部に放射される。
一方、反射型のX線管を表す図11において、201はターゲットホルダ、202はターゲット、203は照射窓であって、ターゲット202に電子ビームBが照射されることによって、ターゲット202上の電子ビーム照射スポットであるX線発生点202aから発生するX線は、X線の取り出し方向DRに設けられたターゲットホルダ開口部に当接された照射窓203を介して外部に放射される。
上記の透過型および反射型のX線管のいずれにおいても、照射窓103,203の材質としては、BeやAl等の軽金属が用いられる。
ところで、ターゲットで発生するX線のエネルギは、衝突した電子ビームのエネルギの約1%程度であり、残りの99%は熱エネルギに変換される。そのため、図10に示した透過型のX線管においてはターゲット102が高温になるため、それに一体化されている照射窓103も高温となる。
一方、図11に示した反射型のX線管においては、照射窓203はターゲット202の発熱の影響を受けにくいが、ターゲット202で反射した電子ビームBが照射窓203に衝突してこれを発熱させる。
X線管の照射窓が高温になることは、X線管内の真空雰囲気中へのガス放出、熱応力による真空ロウ付け部への負担、被検査物が大気側から照射窓に近接した場合における熱的影響など、様々な問題に繋がる。
そこで、従来、照射窓の温度上昇を抑制するための様々な工夫がなされている。例えば、照射窓またはその周辺を水冷もしくは空冷したり、あるいは、透過型のX線管のターゲットを熱伝導率が良好な材料であるダイヤモンドに密着させて放熱体へと熱を導く構造を採用したりしている(例えば特許文献1参照)。また、反射型のX線管においては、ターゲットで反射した電子ビームが照射窓に衝突しないように遮蔽部材をX線管内に設ける構造を採用している(例えば特許文献2参照)。
なお、照射窓の材料として熱伝導率が悪い材料を採用した場合、電子線照射位置が真空中であって容易に融点に達してしまうため、通常は行われない。
特開平4−144045号公報 特開2004−111336号公報
X線管における照射窓の温度上昇を抑制するためには、発熱の根本原因である照射窓に衝突する電子ビーム量を減らすことが最も効果的であるが、透過型X線管に関しては、電子ビーム量を減らすということは、発生させるX線量を減らすこととなって装置性能に影響する。
また、照射窓を水冷や空冷によって強制的に冷却する場合には、そのためのスペースとコストを要することになる。特許文献2に開示されている反射型X線管に電子の遮蔽部材を設ける技術もまた、そのための部材をX線管内に装着する必要があり、スペースとコストが必要となる。
さらに、照射窓自体を工夫して温度上昇の低減するために、例えば照射窓に厚みを持たせて熱容量を大きくするとともに周囲への熱の移動をしやすくすれば、温度上昇の低減を見込むことができる。しかしながら、非破壊検査に用いられるX線管の場合には、被検査物を拡大投影するため、X線発生点(X線焦点)と被検査物との離隔に伴って、最大の拡大率(撮影倍率)が小さくなるという問題が生じる。また、照射窓によるX線の吸収量が大きくなり、有効に利用できるX線が減少するという問題点も生じる。
また、ターゲットを熱伝導率の良好な材料に密着させて放熱体へと導く特許文献1に開示の技術でも、放熱体がターゲットからX線照射側に突き出し、その先端部分に照射窓を設けているため、上記と同様に拡大率が影響を受けるという問題が生じる。ここで、照射窓に熱伝導率の良好な材料を用いると、照射窓の局所的な温度上昇を抑制することができるが、照射窓全体に均一に熱が伝播し、撮影倍率を大きくするために被検査物を大気側から近づけた際に、被検査物に及ぶ熱的影響はむしろ大きくなる可能性がある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、簡単な構成のもとに、X線管の使用目的や使用方法、あるいはその構造に応じて、照射窓の発熱を伝えたくない部分には伝わらないようにすることのできるX線発生装置の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明のX線発生装置は、X線管内の真空雰囲気中に配置されたターゲットに対し、電子源からの電子ビームを照射することによって発生するX線を、上記X線管に設けられた開口を気密に封止する照射窓を介して当該X線管外に放射するX線発生装置において、上記照射窓が、当該照射窓の広がり方向と厚さ方向とで熱伝導率が相違する熱異方性を有していることによって特徴づけられる。
ここで、本発明においては、上記照射窓として、当該照射窓の広がり方向への熱伝導率を厚さ方向への熱伝導率よりも小さくする構成と、当該照射窓の広がり方向への熱伝導率を厚さ方向への熱伝導率よりも大きくする構成とのいずれかを選択することができる。
また、本発明における照射窓として、具体的には、熱異方性材料からなる照射窓、より具体的には熱異方性のグラファイトからなる照射窓を用いることができる。
さらに、本発明における照射窓の他の材料として、熱伝導率の互いに異なる材料を交互に積層した積層材を用いることができる。
本発明は、透過型および反射型のいずれのX線管を用いたX線発生装置にも適用できるが、特に、照射窓のX線管内側の表面にターゲット材料が一体に積層されている透過型のX線管に適用することにより、その作用効果を大きくすることができる。
本発明は、照射窓に熱異方性を持たせることで、照射窓の熱の主たる伝播方向を定めて課題を解決しようとするものである。熱異方性を有するものとは、物の方向によって熱伝導率が異なるもののことである。例えば、板状のものであれば、その厚さ方向と広がり方向とで熱伝導率が異なるものである。
すなわち、熱を伝えたくない方向に熱伝導率の小さい方向を合わせた熱異方性の照射窓を装着すると、その方向への熱の伝播が少なくなる。例えば、照射窓の広がり方向への熱伝導率を厚さ方向への熱伝導率よりも小さくすることにより、照射窓に衝突する電子による発熱は主として照射窓の厚み方向に伝播して大気側方向から空気中に放熱される。これにより、X線管内部に伝播する熱を抑制することができ、例えば熱応力による真空ロウ付け部への負担や照射窓を気密するOリングへの負担等を軽減することができる。
反対に、照射窓の広がり方向への熱伝導率を厚さ方向への熱伝導率よりも大きくすると、照射窓の熱は主として窓の広がり方向に伝播する。この場合には、照射窓から大気側に伝播する熱を抑制することができ、被検査物を照射窓に接近させたときの熱的影響を少なくすることができる。
以上のような熱異方性を持たせた照射窓は、その材料に例えばグラファイト等の熱異方性材料を用いることによって実現できる。また、照射窓の広がり方向への熱伝導率を厚さ方向よりも大きくした照射窓は、互いに熱伝導率の異なる材料を積層することによっても実現することができる。すなわち、熱の良導体と不良導体を積層した照射窓において、熱性良導体層においては熱が当該層の全般に伝播するが、次の熱性不良導体層では熱が伝わりにくいため、全体として照射窓の厚さ方向への熱の伝導率が相対的に小さくなり、熱は主として照射窓の広がり方向に伝播し、熱異方性が得られる。
本発明によれば、X線管の照射窓に熱異方性を持たせているので、X線管の用途や構造等に応じて、照射窓の熱が主として伝播する方向を特定の方向に規制することができる。例えばX線管のロウ付け部等への熱応力の作用を抑制しようとする場合、照射窓の広がり方向への熱伝導率が厚さ方向への熱伝導率よりも小さい照射窓を用いることで、熱を主として大気側に導く。また、X線焦点に被検査物を接近させて拡大撮影等を行う用途のX線管において被検査物への熱的影響を少なくしようとする場合には、照射窓の広がり方向への熱伝導率が厚さ方向への熱伝導率よりも大きい照射窓を用いることで、熱を主としてX線管側へと導く。このように、熱の伝播を抑えたい部分に応じた選択のもとにX線管を製作することができる。
しかも、本発明においては、熱の伝播を抑制するための部材を追加する必要も特になく、そのためのスペースについても必要としないため、構造を簡単にすることができる。もちろん、熱を伝播するための部材を併用し、さらに冷却効率を高めても良い。
本発明の実施形態におけるターゲットホルダへの熱伝播を抑制したX線管の照射窓近傍の構造を示す模式的断面図。 図1における照射窓の熱伝導方法の説明図。 本発明の他の実施形態におけるターゲットホルダへの熱伝播を抑制したX線管の照射窓近傍の構造を示す模式的断面図。 図3の変形例を表す模式的断面図。 本発明の実施形態における大気側への熱伝播を抑制したX線管の照射窓近傍の構造を示す模式的断面図。 図5における照射窓の熱伝導方法の説明図。 図5の熱異方性材料からなる照射窓と同等の機能を持つ積層材料からなる照射窓の構成と熱伝導方法の説明図。 図5の実施の形態のX線発生時における各部の温度シミュレーションモデルの説明図。 図7の照射窓を用いた場合のX線発生時における各部の温度シミュレーションモデルの説明図。 従来の透過型X線管の照射窓近傍の構成例を示す模式的断面図。 従来の反射型X線管の照射窓近傍の構成例を示す模式的断面図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態のX線管の照射窓近傍を示す模式的断面図であって、照射窓の熱がX線管(ターゲットホルダ)側に伝播することを抑制するようにした構造の例である。
この図1の例は、前記した図10のものと基本的な構造は同じであり、真空引きされたX線管の先端部に設けられたターゲットホルダ1に、ターゲット2が内側に積層一体化された照射窓3が気密に保持されている。また、X線管内にはフィラメント等(図示せず)からなる電子源が配置されており、この電子源からの電子を収束および加速することにより生成される電子ビームBが、照射窓3と一体化されたターゲット2に衝突することによって、その衝突スポットであるX線発生点2aにおいてX線が発生し、そのX線は電子ビームBの進行方向に沿った方向DTを中心としてX線管外に放射される。
この例の特徴は、照射窓3を熱異方性材料、例えば熱異方性グラファイトで形成した点であり、その熱伝導方法は、図2に示すように、照射窓3の広がり方向(電子ビームBに垂直な方向)への熱伝導率が、照射窓3の厚さ方向(電子ビームBと同方向)への熱伝導率よりも小さいことを特徴としている。つまり、ターゲット2から照射窓3に伝わった熱は、その多くが厚さ方向に伝播する。
前記したように、ターゲット2で発生するX線のエネルギは、衝突した電子ビームBのエネルギの1%程度であり、残りの99%は熱エネルギに変換される。この種のX線管においてターゲット2は通常数μmの薄膜であり、ターゲット2で発生した熱は照射窓3に伝播する。照射窓3はターゲットホルダ1に当接されているため、通常、熱の多くはターゲットホルダ1に伝わるが、この実施の形態においては、照射窓3に伝わった熱は主としてその厚さ方向に伝播して大気側へと逃がされる。したがって、この実施の形態によれば、ターゲット2に電子ビームBが衝突することにより発生して照射窓3に伝播した熱が、X線管(ターゲットホルダ1)に伝わりにくくなるため、X線管のロウ付け部やOリング部等への熱的影響を考慮する必要のあるX線管には有用である。
ここで、以上の実施の形態において、図3に示すように、グラファイト等の熱異方性材料からなる照射窓3の局所的な温度上昇を避ける目的で、照射窓3の大気側表面に金属層4を設け、熱を均一に拡散させても良い。この金属層4は、図4に示すように、大気側へ突出するように設けることもでき、この場合には、金属層4を通じて熱がターゲットホルダ1に伝播せず、熱を効率的に大気側へ放出することができる。金属層4はBeやAl等からなるようにすることができる。
図5は本発明の他の実施の形態のX線管の照射窓近傍を示す模式的断面図であって、照射窓の熱が大気側に伝播することを抑制しようとする構造の例である。この図5に例示した基本的な構造は図1と同様であるため、図1と同じ部材については同じ符号を付すことにより説明を省略する。
この図5の例において、図1の例と相違する点は照射窓13にある。すなわち、図5の例における照射窓13は、図1と同じくグラファイト等の熱異方性材料を用いているが、その熱伝導方法は、図6に示すように、照射窓13の広がり方向(電子ビームBに垂直な方向)への熱伝導率が、照射窓13の厚さ方向(電子ビームBと同方向)への熱伝導率よりも大きいことを特徴としている。つまり、ターゲット2から照射窓13に伝わった熱は、その多くが照射窓13の広がり方向に伝播する。
図1の例において述べた通り、電子ビームBの衝突により発熱したターゲット2の熱は照射窓13に伝播する。図5の例では、この照射窓13の熱は主として照射窓13の広がり方向に伝播し、照射窓13から大気側へと伝わる熱を低く抑えることができる。したがって、この図5の例によれば、ターゲット2への電子ビームBの衝突により発生して照射窓13に伝播した熱が、被検査物が置かれる大気側に伝わりにくく、高拡大率のもとに撮影する必要のある被検査物、つまり、X線発生点(X線焦点)2aに可及的に接近させた状態でX線撮影を行う必要のある被検査物への熱的影響を考慮しなければならないX線発生装置において有用である。
ここで、図5の例においては、グラファイト等の熱異方性材料を用いることによって、窓の広がり方向への熱伝導率を厚さ方向への熱伝導率よりも大きくした照射窓13を用いたが、熱伝導率の互いに異なる材料を積層した照射窓を用いた場合でも、熱異方性材料を用いた照射窓13と同等の機能を持たせることができる。
すなわち、図7に示すように、熱伝導率の良い材料23aと、熱伝導率の悪い材料23bを交互に積層した積層材からなる照射窓23を、図5における照射窓13に置き換えても、図5の例と同等の作用を奏することができる。
図7の照射窓23は、ターゲット2に隣接して熱伝導率の良い材料23aの層を設けるとともに、次いで熱伝導率の悪い材料23bを設け、これらを繰り返し積層した構造を有している。このような照射窓23によると、ターゲット2の発熱は熱伝導率の良い材料23aの層に伝わり、この層内では均等に伝播するが、次の熱伝導率の悪い材料23bの層には熱は伝わりにくい。つまり、積層体全体としてみると、層の広がり方向には熱が伝わりやすいが、積層方向へは熱は伝わりにくい。換言すれば、照射窓23の広がり(横)方向への熱伝導率が、厚さ(縦)方向への熱伝導率よりも大きく、図5で用いた熱異方性材料からなる照射窓13と同等の機能を持つことになる。
なお、図7の照射窓23に用いる熱伝導率の良い材料23aとしては、例えばBeやAl等の軽金属があり、熱伝導率の悪い材料23bとしてはSiO2等を挙げることができる。
本発明における照射窓の熱異方性の程度について述べると、従来の一般的な照射窓は、X線の透過をよくするために軽金属が用いられ、その熱伝導率はおよそ100〜300W/(m・K)である。本発明にいう熱異方性は、熱伝導率の大きい側と小さい側との比率が少なくとも2倍、可能であれば2桁以上が望ましい。例えば、熱伝導率の大きい方向には1000W/(m・K)以上、小さい方向には10W/(m・K)以下の熱伝導率を持たせることが好ましい。
次に、図5の実施の形態の構成の有効性と、その照射窓を図7の積層体に換えた構成の有効性を検証するために行ったシミュレーションについて述べる。
図8は図5の実施の形態の構成に関するシミュレーションで用いたモデルを表す図である。実施構造は電子ビームBに関して対称であるため、図8には横方向に半分(右側)の断面図を示している。検証実験として、このようなモデルを用いた有限要素法に基づくシミュレーションを行った。
照射窓13は図6に示した方向の熱異方性を有するものであり、シミュレーションに用いた熱伝導率は、照射窓13の広がり方向が1700W/(m・K)、厚さ方向が7W/(m・K)とした。また、比較例として、熱伝導率が1700W/(m・K)の熱等方性材料からなる照射窓13(各種寸法は図8に同じ)についてもシミュレーションを行った。
シミュレーションは、図8に示すように、電子ビームBの照射位置において半径5μmの領域で発熱量5Wのもとに発熱するものとし、熱平衡状態になった時点における各部の温度を計算した。電子ビームB軸上での真空側および大気側の上昇温度(℃)の計算結果を表1に示す。
Figure 2015079619
このシミュレーション結果から明らかなように、熱異方性材料を用いて照射窓の熱を主としてその広がり方向に伝播させることで、照射窓の大気側の表面温度を23.6℃低下させることができた。
図9は、上記した熱異方性照射窓13に代えて、図7に示した積層構造の照射窓23を採用したシミュレーションで用いたモデルを表す図である。このシミュレーションにおけるモデルは、照射窓23以外の構成は図8と同様であり、シミュレーション方法も同じとした。
照射窓23は、熱伝導率の良い材料23aの層の間に熱伝導率の悪い材料23bの層を挟んだ3層構造とし、各層の厚さを0.1mm、全体としての厚さを0.3mmとするとともに、熱伝導率の良い材料23aの熱伝導率を100W/(m・K)、熱伝導率の悪い材料の熱伝導率を5W/(m・K)とした。また、比較例として、照射窓23全体を、熱伝導率100W/(m・K)の材料を単層(厚さ0.3mm)で用いた場合についてもシミュレーションを行った。
図8のモデルと同様の領域および発熱量で発熱したものとして、同じく熱平衡状態となった時点での電子ビームBの照射位置における上昇温度(℃)の計算結果を表2に示す。
Figure 2015079619
このシミュレーション結果から、積層構造の照射窓23を用いて熱異方性を持たせた場合では、照射窓23の大気側表面温度を8.4℃低下させることが判った。
なお、以上は透過型X線管に本発明を適用した例を示したが、図11に示した反射型のX線管の照射窓にも本発明を適用することができ、その場合においても透過型のX線管における効果と同等の効果を得ることができる。
1 ターゲットホルダ
2 ターゲット
3,13,23 照射窓
4 金属層
23a 熱伝導率の良い材料
23b 熱伝導率の悪い材料
B 電子ビーム

Claims (7)

  1. X線管内の真空雰囲気中に配置されたターゲットに対し、電子源からの電子ビームを照射することによって発生するX線を、上記X線管に設けられた開口を気密に封止する照射窓を介して当該X線管外に放射するX線発生装置において、
    上記照射窓が、当該照射窓の広がり方向と厚さ方向とで熱伝導率が相違する熱異方性を有していることを特徴とするX線発生装置。
  2. 上記照射窓が、当該照射窓の広がり方向への熱伝導率が厚さ方向への熱伝導率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 上記照射窓が、当該照射窓の広がり方向への熱伝導率が厚さ方向への熱伝導率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  4. 上記照射窓が熱異方性材料によって構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のX線発生装置。
  5. 上記照射窓が、熱伝導率の互いに異なる材料を交互に積層した積層材によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載のX線発生装置。
  6. 上記熱異方性材料がグラファイトであることを特徴とする請求項4に記載のX線発生装置。
  7. 上記照射窓の真空側の表面に、ターゲット材料が一体に積層されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のX線発生装置。
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