JP2015078998A - 振動素子、振動素子の支持構造及び振動デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性を向上させた振動ジャイロ素子の提供。【解決手段】梁20bが、連結腕13bと検出用振動腕11aとの間の基部10の外縁から延出され、梁20bは、基部10からX軸に沿って、X軸のプラス方向に延出する第1延出部20b1と、第1延出部20b1の先端部からY軸に沿って、Y軸のプラス方向に延出する第2延出部20b2と、第2延出部20b2の先端部からX軸に沿って、X軸のマイナス方向に延出する第3延出部20b3とを含む第1折り返し部20cを有して構成され、第1延出部20b1と第3延出部20b3とは、第1折り返し部20cの第1延出部20b1と第2延出部20b2とで形成される角部20c1の内側に生じる第1異形部H1と、第2延出部20b2と第3延出部20b3とで形成される角部20c2の内側に生じる第2異形部H2とが、平面視において互いに接しない間隔W1で配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、角速度の検出に用いる振動ジャイロ素子、振動ジャイロ素子の支持構造及びジャイロセンサーに関する。
近年、撮像機器の手ぶれ補正や、GPS衛星信号を用いた車両等の移動体ナビゲーションシステムの姿勢制御に、振動ジャイロ素子を容器に収容し、角速度を検出するジャイロセンサーが多く用いられている。
振動ジャイロ素子として、例えば、中央の基部から延出する検出振動系と、略T字型の駆動振動系を中央の基部に左右対称となるように配置したダブルT型と呼ばれる振動ジャイロ素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−201117号公報
上記の振動ジャイロ素子の基部と支持部とを接続する梁は、振動ジャイロ素子の感度(以下、検出感度ともいう)の向上及び耐衝撃性の向上などを目的として、一部が略S字状に屈曲して形成されているものがある(例えば、特許文献1の図5参照)。
ところで、上記の振動ジャイロ素子は、圧電材料である水晶を基材として、所定の方向にカットした平板から、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチングにより形成されているものが多い。
しかしながら、水晶は、エッチングにおいて結晶軸に対するエッチング方向によって、エッチングレート(エッチングの進行速度)が異なる異方性を有する。
このことから、振動ジャイロ素子は、例えば、特許文献1の図5に示されているような、基部10からX軸のプラス方向に延出し、Y軸方向に屈曲した後、X軸のマイナス方向に折り返す梁30b,31bの、折り返し部の各角部の内側に、平面視において、角部の内側を隅切りしたような略三角形のヒレ状の異形部が生じることがある。
そして、振動ジャイロ素子は、上記異形部が、平面視において互いに接することがある。
これにより、振動ジャイロ素子は、上記異形部の互いに接している部分を中心とした周辺領域が、平面視において切り欠き状となることから、外部から振動、衝撃などが加わり梁が撓む際に、この部分に応力集中が発生し、耐衝撃性が低下する虞がある。
この結果、振動ジャイロ素子は、梁が破損する虞がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる振動ジャイロ素子は、水晶を基材とし、X軸とY軸とで規定される平面に沿った平板状に形成され、Z軸方向に厚みを有する振動ジャイロ素子であって、基部と、前記基部から前記Y軸に沿って、一方が前記Y軸のプラス方向へ延出され、他方が前記Y軸のマイナス方向へ延出された1対の検出用振動腕と、前記基部から前記X軸に沿って、一方が前記X軸のプラス方向へ延出され、他方が前記X軸のマイナス方向へ延出された1対の連結腕と、前記各連結腕の先端側から前記Y軸に沿って、一方が前記Y軸のプラス方向へ延出され、他方が前記Y軸のマイナス方向へ延出された各1対の駆動用振動腕と、前記基部から延出される少なくとも2本の梁と、前記各梁の先端部に接続される支持部とを備え、前記各梁はエッチングにより形成されると共に、前記各梁の1つである第1の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、前記第1の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第1延出部と、前記第1延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のプラス方向に延出する第2延出部と、前記第2延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第3延出部とを含む第1折り返し部を有して構成され、前記第1延出部と前記第3延出部とは、前記第1折り返し部の前記第1延出部と前記第2延出部とで形成される角部の内側に生じる第1異形部と、前記第2延出部と前記第3延出部とで形成される角部の内側に生じる第2異形部とが、平面視において互いに接しない間隔で配置されていることを特徴とする。
これによれば、振動ジャイロ素子は、第1の梁が、基部からX軸に沿ってX軸のプラス方向に延出する第1延出部と、第1延出部の先端部からY軸に沿ってY軸のプラス方向に延出する第2延出部と、第2延出部の先端部からX軸に沿ってX軸のマイナス方向に延出する第3延出部とを含む第1折り返し部を有して構成されている。
そして、第1折り返し部の第1延出部と第3延出部とは、角部の内側に生じる第1異形部と第2異形部とが、平面視において互いに接しない間隔で配置されている。
したがって、振動ジャイロ素子は、第1異形部と第2異形部とが、平面視において互いに接しないことから、第1折り返し部に従来のような切り欠き状部分が形成されず、外部から振動、衝撃などが加わり第1の梁が撓んだ際の、第1折り返し部における応力集中が緩和される。
この結果、振動ジャイロ素子は、第1の梁の耐衝撃性が向上することから、第1の梁の破損を低減できる。
なお、本発明に係る記載では、「X軸」という文言を、X軸及びX軸を中心に0度より大きく2度以下の範囲の傾斜をした軸を意味するものとして用いる。「Y軸」および「Z軸」についても同様とする。
[適用例2]上記適用例にかかる振動ジャイロ素子において、前記振動ジャイロ素子の前記厚みをTとし、前記第1折り返し部の前記第1延出部と前記第3延出部との間隔をW1としたときに、W1/T≧0.73であることが好ましい。
これによれば、振動ジャイロ素子は、W1/T≧0.73である。
この結果、振動ジャイロ素子は、第1異形部と第2異形部とが、平面視において互いに接しないことから、第1折り返し部に、従来のような切り欠き状部分が形成されない。
これにより、振動ジャイロ素子は、外部から振動、衝撃などが加わり第1の梁が撓んだ際の、第1折り返し部における応力集中が緩和される。
この結果、振動ジャイロ素子は、第1の梁の耐衝撃性が向上することから、第1の梁の破損を低減できる。
[適用例3]上記適用例にかかる振動ジャイロ素子において、前記各梁の1つである第2の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、前記第2の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第4延出部と、前記第4延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のマイナス方向に延出する第5延出部と、前記第5延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第6延出部とを含む第2折り返し部を有して構成され、前記第4延出部と前記第6延出部とは、前記第2折り返し部の前記第4延出部と前記第5延出部とで形成される角部の内側に生じる第3異形部と、前記第5延出部と前記第6延出部とで形成される角部の内側に生じる第4異形部とが、平面視において互いに接しない間隔で配置されていることが好ましい。
これによれば、振動ジャイロ素子は、第2の梁が、基部からX軸に沿ってX軸のプラス方向に延出する第4延出部と、第4延出部の先端部からY軸に沿ってY軸のマイナス方向に延出する第5延出部と、第5延出部の先端部からX軸に沿ってX軸のマイナス方向に延出する第6延出部とを含む第2折り返し部を有して構成されている。
そして、第4延出部と第6延出部とは、角部の内側に生じる第3異形部と第4異形部とが、平面視において互いに接しない間隔で配置されている。
したがって、振動ジャイロ素子は、第3異形部と第4異形部とが、平面視において互いに接しないことから、第2折り返し部に従来のような切り欠き状部分が形成されず、外部から振動、衝撃などが加わり第2の梁が撓んだ際の、第2折り返し部における応力集中が緩和される。
この結果、振動ジャイロ素子は、上記適用例の第1の梁に加えて、第2の梁の耐衝撃性が向上することから、第1の梁及び第2の梁の破損を低減できる。
[適用例4]上記適用例にかかる振動ジャイロ素子において、前記振動ジャイロ素子の前記厚みをTとし、前記第2折り返し部の前記第4延出部と前記第6延出部との間隔をW2としたときに、W2/T≧0.73であることが好ましい。
これによれば、振動ジャイロ素子は、W2/T≧0.73である。
この結果、振動ジャイロ素子は、第3異形部と第4異形部とが、平面視において互いに接しないことから、第2折り返し部に、従来のような切り欠き状部分が形成されない。
これにより、振動ジャイロ素子は、外部から振動、衝撃などが加わり第2の梁が撓んだ際の、第2折り返し部における応力集中が緩和される。
この結果、振動ジャイロ素子は、第2の梁の耐衝撃性が向上することから、第2の梁の破損を低減できる。
[適用例5]上記適用例にかかる振動ジャイロ素子において、前記各梁の1つである第3の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、前記第3の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第7延出部と、前記第7延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のプラス方向に延出する第8延出部と、前記第8延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第9延出部と、前記第9延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のプラス方向に延出する第10延出部と、前記第10延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第11延出部とを含む第3折り返し部を有して構成されていることが好ましい。
これによれば、振動ジャイロ素子は、第3の梁が、基部からX軸に沿ってX軸のマイナス方向に延出する第7延出部と、第7延出部の先端部からY軸に沿ってY軸のプラス方向に延出する第8延出部と、第8延出部の先端部からX軸に沿ってX軸のプラス方向に延出する第9延出部と、第9延出部の先端部からY軸に沿ってY軸のプラス方向に延出する第10延出部と、第10延出部の先端部からX軸に沿ってX軸のマイナス方向に延出する第11延出部とを含む第3折り返し部を有して構成されている。
この結果、振動ジャイロ素子は、第3の梁の第3折り返し部が2箇所で折り返されていることから、上記第1の梁及び第2の梁と比較して、梁の全長を長くすることができる。
これにより、振動ジャイロ素子は、梁の弾性が向上することから、検出感度及び耐衝撃性を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例にかかる振動ジャイロ素子において、前記各梁の1つである第4の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、前記第4の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第12延出部と、前記第12延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のマイナス方向に延出する第13延出部と、前記第13延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第14延出部と、前記第14延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のマイナス方向に延出する第15延出部と、前記第15延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第16延出部とを含む第4折り返し部を有して構成されていることが好ましい。
これによれば、振動ジャイロ素子は、第4の梁が、基部からX軸に沿ってX軸のマイナス方向に延出する第12延出部と、第12延出部の先端部からY軸に沿ってY軸のマイナス方向に延出する第13延出部と、第13延出部の先端部からX軸に沿ってX軸のプラス方向に延出する第14延出部と、第14延出部の先端部からY軸に沿ってY軸のマイナス方向に延出する第15延出部と、第15延出部の先端部からX軸に沿ってX軸のマイナス方向に延出する第16延出部とを含む第4折り返し部を有して構成されている。
この結果、振動ジャイロ素子は、第4の梁の第4折り返し部が2箇所で折り返されていることから、上記第1の梁及び第2の梁と比較して、梁の全長を長くすることができる。
これにより、振動ジャイロ素子は、梁の弾性が向上することから、検出感度及び耐衝撃性を向上させることができる。
[適用例7]上記適用例にかかる振動ジャイロ素子において、前記各梁が、前記振動ジャイロ素子の重心に対して回転対称であることが好ましい。
これによれば、振動ジャイロ素子は、各梁が振動ジャイロ素子の重心に対して回転対称であることから、全体のバランスを確保でき、安定した姿勢を保つことができる。
[適用例8]本適用例にかかる振動ジャイロ素子の支持構造は、上記適用例のいずれかに記載の振動ジャイロ素子と、前記振動ジャイロ素子が載置される支持台と、前記振動ジャイロ素子の前記支持部と前記支持台とを固定するための固定部材とを備え、前記固定部材は、弾性を有する材料であることが好ましい。
これによれば、振動ジャイロ素子の支持構造は、固定部材が弾性を有する材料であることから、外部からの振動、衝撃を緩和し、振動ジャイロ素子の駆動振動および検出振動を安定に保つことができる。
また、振動ジャイロ素子の支持構造は、振動ジャイロ素子の支持部に漏洩してきている微小な振動を、固定部材が緩衝材として吸収することから、微小な振動による駆動振動及び検出振動への影響を低減することができる。
[適用例9]本適用例にかかるジャイロセンサーは、上記適用例のいずれかに記載の振動ジャイロ素子と、前記振動ジャイロ素子が載置される支持台と、前記振動ジャイロ素子の前記支持部と前記支持台とを固定するための固定部材と、前記振動ジャイロ素子を駆動振動させるための駆動回路と、前記振動ジャイロ素子に角速度が加わったときに前記振動ジャイロ素子に生じる検出振動を検出する検出回路とを備えることを特徴とする。
これによれば、ジャイロセンサーは、耐衝撃性などが向上した振動ジャイロ素子を、振動ジャイロ素子の基部に漏洩する駆動振動を抑制し、角速度の誤検出を防止する支持構造を用いて搭載可能なことから、特性の優れたジャイロセンサーを提供することができる。
本実施形態の振動ジャイロ素子を示す模式平面図。 図1のA部の拡大図。 振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図。 振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図。 ジャイロセンサーの概略構成を示す模式断面図。 振動ジャイロ素子の変形例1を示す模式平面図。 図6のJ部の拡大図。 振動ジャイロ素子の変形例2を示す模式平面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
(実施形態)
図1は、本実施形態の振動ジャイロ素子を示す模式平面図である。図2は、図1のA部の拡大図である。
振動ジャイロ素子1は、圧電材料である水晶を基材(主要部分を構成する材料)として形成されている。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。
そして、振動ジャイロ素子1は、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。なお、所定の厚みは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
また、振動ジャイロ素子1をなす平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸およびZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。Y軸及びZ軸についても同様である。
振動ジャイロ素子1は、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング(ウエットエッチングまたはドライエッチング)により形成されている。なお、振動ジャイロ素子1は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
図1に示すように、振動ジャイロ素子1は、ダブルT型と呼ばれる構成となっている。
振動ジャイロ素子1は、中心部分に位置する基部10と、基部10からY軸に沿って、直線状に、一方がY軸のプラス方向へ延出され、他方がY軸のマイナス方向へ延出された1対の検出用振動腕11a,11bと、検出用振動腕11a,11bと直交するように、基部10からX軸に沿って、直線状に、一方がX軸のプラス方向へ延出され、他方がX軸のマイナス方向へ延出された1対の連結腕13a,13bと、検出用振動腕11a,11bと平行になるように、各連結腕13a,13bの先端側からY軸に沿って、直線状に、一方がY軸のプラス方向へ延出され、他方がY軸のマイナス方向へ延出された各1対の駆動用振動腕14a,14b,15a,15bとを備えている。
また、振動ジャイロ素子1は、検出用振動腕11a,11bに、図示しない検出電極が形成され、駆動用振動腕14a,14b,15a,15bに、図示しない駆動電極が形成されている。
振動ジャイロ素子1は、検出用振動腕11a,11bで、角速度を検出する検出振動系を構成し、連結腕13a,13bと駆動用振動腕14a,14b,15a,15bとで、振動ジャイロ素子1を駆動する駆動振動系を構成している。
また、検出用振動腕11a,11bのそれぞれの先端部には、重り部12a,12bが形成され、駆動用振動腕14a,14b,15a,15bのそれぞれの先端部には、重り部16a,16b,17a,17bが形成されている。
これにより、振動ジャイロ素子1は、小型化および角速度の検出感度の向上が図られている。なお、検出用振動腕11a,11bには、重り部12a,12bが含まれ、駆動用振動腕14a,14b,15a,15bには、重り部16a,16b,17a,17bが含まれている。
さらに、振動ジャイロ素子1は、基部10から4本の梁20a,20b,21a,21bが延出されている。
梁20aは、連結腕13aと検出用振動腕11aとの間の基部10の外縁から延出されている。
第1の梁としての梁20bは、X軸方向において、基部10よりプラス側に位置する連結腕13bと、Y軸方向において、基部10よりプラス側に位置する検出用振動腕11aとの間の基部10の外縁から延出されている。
梁21aは、連結腕13aと検出用振動腕11bとの間の基部10の外縁から延出されている。
そして、第2の梁としての梁21bは、X軸方向において、基部10よりプラス側に位置する連結腕13bと、Y軸方向において、基部10よりマイナス側に位置する検出用振動腕11bとの間の基部10の外縁から延出されている。
梁20bは、基部10からX軸に沿って、X軸のプラス方向に延出する第1延出部20b1と、第1延出部20b1の先端部からY軸に沿って、Y軸のプラス方向に延出する第2延出部20b2と、第2延出部20b2の先端部からX軸に沿って、X軸のマイナス方向に延出する第3延出部20b3とを含む第1折り返し部20cを有して構成されている。
梁21bは、基部10からX軸に沿って、X軸のプラス方向に延出する第4延出部21b1と、第4延出部21b1の先端部からY軸に沿って、Y軸のマイナス方向に延出する第5延出部21b2と、第5延出部21b2の先端部からX軸に沿って、X軸のマイナス方向に延出する第6延出部21b3とを含む第2折り返し部21cを有して構成されている。
なお、振動ジャイロ素子1の各梁20a,20b,21a,21bは、振動ジャイロ素子1の重心Gに対して回転対称である。具体的には、梁20aと梁21bとが、振動ジャイロ素子1の重心Gを回転中心として回転対称形状であり、梁21aと梁20bとが、振動ジャイロ素子1の重心Gを回転中心として回転対称形状である。
これにより、梁20aには、第2折り返し部21cと回転対称形状の折り返し部20dが形成され、梁21aには、第1折り返し部20cと回転対称形状の折り返し部21dが形成されている。
梁20a,20bの先端部は、Y軸方向において、検出用振動腕11aよりプラス側に位置しX軸に沿って延在する支持部22に接続され、梁21a,21bの先端部は、Y軸方向において、検出用振動腕11bよりマイナス側に位置しX軸に沿って延在する支持部23に接続されている。
なお、支持部22と支持部23とは、振動ジャイロ素子1の重心Gを回転中心として、回転対称形状となっていることが、バランス上好ましい。
振動ジャイロ素子1は、支持部22,23が後述する支持台などに固定されることにより、支持される。
ここで、梁20bの第1折り返し部20c及び梁21bの第2折り返し部21cについて詳述する。
図2に示すように、梁20bの第1折り返し部20cには、第1延出部20b1と第2延出部20b2とで角部20c1が形成され、第2延出部20b2と第3延出部20b3とで角部20c2が形成されている。
上述したように、振動ジャイロ素子1は、水晶を基材としてエッチング(主としてウエットエッチング)により形成されている。水晶は、エッチングに対して異方性(以下、エッチング異方性ともいう)を有しており、結晶軸に対するエッチング方向によってエッチングレートが異なる。
これにより、第1折り返し部20cの角部20c1,20c2の内側には、平面視において、角部20c1,20c2の内側を隅切りしたような、エッチング未済部分である略三角形のヒレ状の第1異形部H1、第2異形部H2が生じる。
なお、この第1異形部H1、第2異形部H2は、小さくしようとするとオーバーエッチングとなり、振動ジャイロ素子1における本来必要な形状を損ねることになる。したがって、振動ジャイロ素子1において、第1異形部H1、第2異形部H2の除去は、非常に困難であるといえる。
これらを踏まえて、梁20bの第1折り返し部20cの第1延出部20b1と、第3延出部20b3とは、角部20c1の内側に生じる第1異形部H1と、角部20c2の内側に生じる第2異形部H2とが、平面視において互いに接しない間隔W1を有して配置されている。
一方、梁21bの第2折り返し部21cには、第4延出部21b1と第5延出部21b2とで角部21c1が形成され、第5延出部21b2と第6延出部21b3とで角部21c2が形成されている。
梁20bと同様に、梁21bの第2折り返し部21cの角部21c1,21c2の内側には、平面視において、角部21c1,21c2の内側を隅切りしたような、エッチング未済部分である略三角形のヒレ状の第3異形部H3、第4異形部H4が生じる。
なお、梁20bと同様に、この第3異形部H3、第4異形部H4は、小さくしようとするとオーバーエッチングとなり、振動ジャイロ素子1における本来必要な形状を損ねることになる。したがって、振動ジャイロ素子1において、第3異形部H3、第4異形部H4の除去は、非常に困難であるといえる。
これらを踏まえて、梁21bの第2折り返し部21cの第4延出部21b1と、第6延出部21b3とは、角部21c1の内側に生じる第3異形部H3と、角部21c2の内側に生じる第4異形部H4とが、平面視において互いに接しない間隔W2を有して配置されている。
これにより、振動ジャイロ素子1は、梁20bの第1異形部H1と第2異形部H2とが、平面視において互いに接しない位置にあり、梁21bの第3異形部H3と第4異形部H4とが、平面視において互いに接しない位置にある。
このことから、振動ジャイロ素子1は、従来のような、第1異形部H1と2点鎖線で示す第2異形部H2’とが、平面視において互いに接することによる切り欠き状部分K1が形成されず、第3異形部H3と2点鎖線で示す第4異形部H4’とが、平面視において互いに接することによる切り欠き状部分K2が形成されない。
この結果、振動ジャイロ素子1は、外部から振動、衝撃などが加わり梁20b,21bが撓んだ際の、第1折り返し部20c及び第2折り返し部21cに発生する応力集中の緩和を図ることができる。
なお、間隔W1,W2の具体的数値としては、振動ジャイロ素子1の厚みをTとしたときに、W1/T≧0.73、W2/T≧0.73であることが好ましく、W1/T≧0.83、W2/T≧0.83であることが、マージンを得る上でより好ましく、W1/T≧1.67、W2/T≧1.67であることが、よりマージンを得る上で特に好ましい。
より具体的には、例えば、振動ジャイロ素子1の厚みTを100μmとしたときに、間隔W1,W2は、73μm以上が好ましく、83μm以上がより好ましく、167μm以上が特に好ましい。
また、間隔W1,W2の上限に関しては、検出感度上の制約、外形サイズ上の制約、及び加工上の制約などから自ずと設定され得る。
なお、振動ジャイロ素子1において、梁20a,21aの折り返し部20d,21dは、梁20b,21bの第1折り返し部20c及び第2折り返し部21cと、折り返し方向が逆となることから、エッチング異方性により、角部の内側に上記のような異形部が生じない。
また、振動ジャイロ素子1において、エッチング異方性により、梁20aの根元部と基部10との間の角部、連結腕13aの根元部と基部10との間の各角部、梁21aの根元部と基部10との間の角部に、上記と同様の異形部が生じる虞があることから、梁20aの根元部と基部10との間隔及び梁21aの根元部と基部10との間隔は、広い方が好ましい。
ここで、振動ジャイロ素子1の動作について説明する。
図3及び図4は、振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図である。図3は駆動振動状態を示し、図4は、角速度が加わった状態における検出振動状態を示している。
なお、図3及び図4において、振動状態を簡易に表現するために、各振動腕及び各梁は線で表し、支持部は省略してある。
図3において、振動ジャイロ素子1の駆動振動状態を説明する。
まず、振動ジャイロ素子1は角速度が加わらない状態において、駆動用振動腕14a,14b,15a,15bが矢印Eで示す方向に屈曲振動を行う。この屈曲振動は、実線で示す振動姿態と2点鎖線で示す振動姿態を所定の周波数で繰り返している。
このとき、基部10には、矢印Fで示すような力が働く。つまり、駆動用振動腕14a,14b,15a,15bの屈曲振動に従い、基部10には、引張りと圧縮の力が交互に働く振動が発生する。
この振動は、駆動用振動腕14a,14b,15a,15bの屈曲振動に比べて微小な振動である。
この微小な振動は、紙面左右(連結腕13a側及び連結腕13b側)の駆動振動バランスが崩れた場合には、基部10を回転させるように働き、検出用振動腕11a,11bを微小に振動させようとするが、根元部分が基部10から駆動用振動腕14a,14b,15a,15bと直交する向きに延出した梁20a,20b,21a,21bによって基部10の振動が抑制される。
これにより、検出用振動腕11a,11bは、振動することがない。
次に、この駆動振動を行っている状態で、振動ジャイロ素子1にZ軸回りの角速度ωが加わると、振動ジャイロ素子1は、図4に示すような振動を行う。
まず、図4(a)に示すように、駆動振動系を構成する駆動用振動腕14a,14b,15a,15b及び連結腕13a,13bには、矢印B方向のコリオリ力が働く。また同時に、検出用振動腕11a,11bは、矢印B方向のコリオリ力に呼応して、矢印C方向に変形する。
その後、図4(b)に示すように、駆動用振動腕14a,14b,15a,15b及び連結腕13a,13bには、矢印B’方向に戻る力が働く。また同時に、検出用振動腕11a,11bは、矢印B’方向の力に呼応して、矢印C’方向に変形する。
振動ジャイロ素子1は、この一連の動作を交互に繰り返して新たな振動が励起される。
なお、矢印B,B’方向の振動は、重心Gに対して周方向の振動である。そして、振動ジャイロ素子1は、検出用振動腕11a,11bに形成された検出電極が、振動により発生した水晶の歪を検出することで角速度が求められる。
また、この検出振動状態では、基部10の外縁部及び梁20a,20b,21a,21bが撓み、矢印D,D’方向に、重心Gに対して周方向に振動する。これは、検出振動が駆動振動系と検出用振動腕11a,11bとの釣り合い振動だけでなく、基部10を含めた釣り合い振動となっているためである。
この矢印D,D’で示す基部10の外縁部の振動振幅は、矢印B,B’で示す駆動振動系の振動振幅、または矢印C,C’で示す検出用振動腕11a,11bの振動振幅に比べて微小である。微小ではあるが、例えば、基部10を固定した場合には、この固定により基部10の外縁部の振動が抑制され、検出振動も抑制される。
このことから、振動ジャイロ素子1において、基部10を固定することは、角速度の検出感度を低下させることになる。
ここで、振動ジャイロ素子1の支持構造及びジャイロセンサーについて、図5を用いて説明する。
図5は、ジャイロセンサーの概略構成を示す模式断面図である。図5では、振動ジャイロ素子1を図1のF−F線での断面として表している。
ジャイロセンサー80は、振動ジャイロ素子1、IC84、収容器81、蓋体86を備えている。セラミックなどで形成され、凹部を有する収容器81の凹部底面には、IC84が配置され、Auなどのワイヤ85で収容器81に形成された図示しない配線と電気的接続がなされている。
IC84には、振動ジャイロ素子1を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときに振動ジャイロ素子1に生じる検出振動を検出する検出回路とが含まれている。
振動ジャイロ素子1は、支持部22,23が収容器81に接着固定される支持台としての中継基板82に、導電性接着剤などの固定部材83を介して、接着固定されている。
また、中継基板82には、図示しない配線が形成され、振動ジャイロ素子1の電極と配線間との導通が、導電性を有する固定部材83を介してなされている。
この固定部材83は、弾性を有する材料であることが好ましい。弾性を有する材料としては、シリコーンを基材とする導電性接着剤などが知られている。また、固定部材83には、エポキシ系の導電性接着剤などを用いてもよい。
中継基板82は、エポキシ系の導電性接着剤などを用いて収容器81に固定され、収容器81に形成された配線と電気的接続がなされている。
そして、ジャイロセンサー80は、収容器81内が真空に保持され、収容器81上部の開口部分が、コバールなどの金属を用いた蓋体86にて封止されている。
上述したように、本実施形態の振動ジャイロ素子1において、梁20bの第1折り返し部20cの第1延出部20b1と、第3延出部20b3とは、角部20c1の内側に生じる第1異形部H1と、角部20c2の内側に生じる第2異形部H2とが、平面視において互いに接しない間隔W1を有して配置されている。
加えて、振動ジャイロ素子1において、梁21bの第2折り返し部21cの第4延出部21b1と、第6延出部21b3とは、角部21c1の内側に生じる第3異形部H3と、角部21c2の内側に生じる第4異形部H4とが、平面視において互いに接しない間隔W2を有して配置されている。
これらにより、振動ジャイロ素子1は、梁20bの第1異形部H1と第2異形部H2とが、平面視において互いに接しない位置にあることから、従来のような、切り欠き状部分K1が形成されず、梁21bの第3異形部H3と第4異形部H4とが、平面視において互いに接しない位置にあることから、従来のような、切り欠き状部分K2が形成されない。
この結果、振動ジャイロ素子1は、外部から振動、衝撃などが加わり梁20b,21bが撓んだ際の、第1折り返し部20c及び第2折り返し部21cに発生する応力集中の緩和を図ることができる。
これにより、振動ジャイロ素子1は、梁20b及び梁21bの耐衝撃性が向上することから、梁20b及び梁21bの破損を低減できる。
また、振動ジャイロ素子1は、梁20aと梁21bとが振動ジャイロ素子1の重心Gに対して回転対称形状に形成され、梁21aと梁20bとが振動ジャイロ素子1の重心Gに対して回転対称形状に形成され、支持部22と支持部23とが振動ジャイロ素子1の重心Gに対して回転対称形状に形成されていることから、全体のバランスを確保でき、安定した姿勢を保つことができる。
なお、振動ジャイロ素子1は、各梁20a,20b,21a,21bが回転対称形状に形成されなくてもよく、支持部22と支持部23とが回転対称形状に形成されなくてもよい。また、振動ジャイロ素子1は、間隔W1と間隔W2とが等しいことがバランス上好ましいが、間隔W1と間隔W2とが等しくなくてもよい。
また、振動ジャイロ素子1の支持構造は、振動ジャイロ素子1の支持部22,23と中継基板82とを固定部材83によって固定することから、振動ジャイロ素子1の駆動振動の漏洩を抑制でき、角速度の誤検出を防止することができる。
また、振動ジャイロ素子1の支持構造は、固定部材83が弾性を有する材料であることから、外部からの振動、衝撃を緩和し、振動ジャイロ素子1の駆動振動および検出振動を安定に保つことができる。
また、振動ジャイロ素子1の支持構造は、支持部22,23に漏洩してきている微小な振動を、固定部材83が緩衝材として吸収することから、微小な振動による駆動振動及び検出振動への影響を低減することができる。
また、ジャイロセンサー80は、上述したように、耐衝撃性が向上した振動ジャイロ素子1を、振動ジャイロ素子1の基部10に漏洩する駆動振動を抑制し、角速度の誤検出を防止する支持構造を用いて収容器81に搭載可能なことから、特性の優れたジャイロセンサー80を提供することができる。
(変形例1)
ここで、振動ジャイロ素子1の変形例1について、図6、図7を用いて説明する。
図6は、振動ジャイロ素子の変形例1を示す模式平面図である。図7は、図6のJ部の拡大図である。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図6に示すように、変形例1の振動ジャイロ素子2は、上記実施形態と比較して、第3の梁としての梁120a、第4の梁としての梁121aが異なっている。
梁120aは、X軸方向において、基部10よりマイナス側に位置する連結腕13aと、Y軸方向において、基部10よりプラス側に位置する検出用振動腕11aとの間の基部10の外縁から延出されている。
梁121aは、X軸方向において、基部10よりマイナス側に位置する連結腕13aと、Y軸方向において、基部10よりマイナス側に位置する検出用振動腕11bとの間の基部10の外縁から延出されている。
図7に示すように、梁120aは、基部10からX軸に沿って、X軸のマイナス方向に延出する第7延出部3d1と、第7延出部3d1の先端部からY軸に沿って、Y軸のプラス方向に延出する第8延出部3d2と、第8延出部3d2の先端部からX軸に沿って、X軸のプラス方向に延出する第9延出部3d3と、第9延出部3d3の先端部からY軸に沿って、Y軸のプラス方向に延出する第10延出部3d4と、第10延出部3d4の先端部からX軸に沿って、X軸のマイナス方向に延出する第11延出部3d5とを含む第3折り返し部3dを有して構成されている。
また、梁121aは、基部10からX軸に沿って、X軸のマイナス方向に延出する第12延出部4d1と、第12延出部4d1の先端部からY軸に沿って、Y軸のマイナス方向に延出する第13延出部4d2と、第13延出部4d2の先端部からX軸に沿って、X軸のプラス方向に延出する第14延出部4d3と、第14延出部4d3の先端部からY軸に沿って、Y軸のマイナス方向に延出する第15延出部4d4と、第15延出部4d4の先端部からX軸に沿って、X軸のマイナス方向に延出する第16延出部4d5とを含む第4折り返し部4dを有して構成されている。
これによれば、振動ジャイロ素子2は、第3折り返し部3d及び第4折り返し部4dが、それぞれ2箇所でX軸方向に折り返されている。この結果、梁120a,121aの全長は、上記実施形態の梁20a,21aの全長より長くできることから、梁20a,21aと比較して、梁120a,121aの弾性が向上する。
この結果、振動ジャイロ素子2は、上記実施形態の振動ジャイロ素子1と比較して、耐衝撃性に優れる。
また、振動ジャイロ素子2は、梁120a,121aの弾性が向上する(撓みやすい)ことから、梁120a,121aによる基部10の振動阻害が抑制され、振動ジャイロ素子1と比較して、検出感度が向上する。なお、振動ジャイロ素子1の検出感度は、実用上問題ないレベルに設定されている。
なお、振動ジャイロ素子2は、第3折り返し部3d及び第4折り返し部4dの角部3c1,3c2,4c1,4c2に、エッチング異方性により第5異形部H5、第6異形部H6、第7異形部H7、第8異形部H8が生じる。
しかしながら、振動ジャイロ素子2は、角部3c1,3c2,4c1,4c2の位置が、特許文献1の図5に示されている梁30b,31bの折り返し部と比較して、支持部22,23と基部10との中間に近いことなどから、外部から振動、衝撃などが加わり梁120a,121aが撓んだ際に、角部3c1,3c2,4c1,4c2周辺に発生する応力が小さい。
この結果、振動ジャイロ素子2は、角部3c1,3c2,4c1,4c2周辺に発生する応力が、応力集中によっても梁120a,121aの有する機械的強度(許容応力)内に収まることから、梁120a,121aの破損を回避できる。
なお、振動ジャイロ素子2は、上記実施形態のジャイロセンサー80に適用可能である。また、振動ジャイロ素子2は、例えば、梁120aまたは梁121aを、振動ジャイロ素子1の梁20aまたは梁21aと同形状としてもよいし、別の形状としてもよい。
(変形例2)
ここで、振動ジャイロ素子1の変形例2について、図8を用いて説明する。
図8は、振動ジャイロ素子の変形例2を示す模式的平面図である。なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図8に示すように、変形例2の振動ジャイロ素子3は、上記実施形態と同様に梁20b、梁20aの2本の梁を有するが、梁21b、梁21aを有さず、支持部23も有さない。
つまり、振動ジャイロ素子3は、基部10が梁20b及び梁20aのみによって支持部22に接続され支持されている。
この構成によれば、上記実施形態と同様に梁20bの耐衝撃性を向上させた振動ジャイロ素子を得ることができる。
また、振動ジャイロ素子3の梁20a及び梁20bを、変形例1の振動ジャイロ素子2の梁120a及び梁20bと同形状としてもよい。その場合は、上記変形例1と同様に、振動ジャイロ素子の梁の弾性が向上することから、検出感度及び耐衝撃性が向上した振動ジャイロ素子を得ることができる。
また、変形例2の振動ジャイロ素子3は、上記実施形態における梁21b、梁21a及び支持部23を用いないため、上記実施形態と比較して振動ジャイロ素子のY軸方向の寸法を10%程度小さくすることができるという効果がある。
なお、振動ジャイロ素子3は、上記実施形態のジャイロセンサー80に適用可能である。
1…振動ジャイロ素子、10…基部、11a,11b…検出用振動腕、12a,12b,16a,16b,17a,17b…重り部、13a,13b…連結腕、14a,14b,15a,15b…駆動用振動腕、20a…梁、20b…第1の梁としての梁、20b1…第1延出部、20b2…第2延出部、20b3…第3延出部、20c…第1折り返し部、20d…折り返し部、21a…梁、21b…第2の梁としての梁、21b1…第4延出部、21b2…第5延出部、21b3…第6延出部、21c…第2折り返し部、21d…折り返し部、22,23…支持部。

Claims (9)

  1. 水晶を基材とし、X軸とY軸とで規定される平面に沿った平板状に形成され、Z軸方向に厚みを有する振動ジャイロ素子であって、
    基部と、
    前記基部から前記Y軸に沿って、一方が前記Y軸のプラス方向へ延出され、他方が前記Y軸のマイナス方向へ延出された1対の検出用振動腕と、
    前記基部から前記X軸に沿って、一方が前記X軸のプラス方向へ延出され、他方が前記X軸のマイナス方向へ延出された1対の連結腕と、
    前記各連結腕の先端側から前記Y軸に沿って、一方が前記Y軸のプラス方向へ延出され、他方が前記Y軸のマイナス方向へ延出された各1対の駆動用振動腕と、
    前記基部から延出される少なくとも2本の梁と、
    前記各梁の先端部に接続される支持部とを備え、
    前記各梁はエッチングにより形成されると共に、
    前記各梁の1つである第1の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、
    前記第1の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第1延出部と、
    前記第1延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のプラス方向に延出する第2延出部と、
    前記第2延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第3延出部とを含む第1折り返し部を有して構成され、
    前記第1延出部と前記第3延出部とは、前記第1折り返し部の前記第1延出部と前記第2延出部とで形成される角部の内側に生じる第1異形部と、前記第2延出部と前記第3延出部とで形成される角部の内側に生じる第2異形部とが、平面視において互いに接しない間隔で配置されていることを特徴とする振動ジャイロ素子。
  2. 請求項1に記載の振動ジャイロ素子において、前記振動ジャイロ素子の前記厚みをTとし、前記第1折り返し部の前記第1延出部と前記第3延出部との間隔をW1としたときに、W1/T≧0.73であることを特徴とする振動ジャイロ素子。
  3. 請求項1または2に記載の振動ジャイロ素子において、前記各梁の1つである第2の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、
    前記第2の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第4延出部と、
    前記第4延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のマイナス方向に延出する第5延出部と、
    前記第5延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第6延出部とを含む第2折り返し部を有して構成され、
    前記第4延出部と前記第6延出部とは、前記第2折り返し部の前記第4延出部と前記第5延出部とで形成される角部の内側に生じる第3異形部と、前記第5延出部と前記第6延出部とで形成される角部の内側に生じる第4異形部とが、平面視において互いに接しない間隔で配置されていることを特徴とする振動ジャイロ素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の振動ジャイロ素子において、前記振動ジャイロ素子の前記厚みをTとし、前記第2折り返し部の前記第4延出部と前記第6延出部との間隔をW2としたときに、
    W2/T≧0.73であることを特徴とする振動ジャイロ素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動ジャイロ素子において、前記各梁の1つである第3の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりプラス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、
    前記第3の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第7延出部と、
    前記第7延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のプラス方向に延出する第8延出部と、
    前記第8延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第9延出部と、前記第9延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のプラス方向に延出する第10延出部と、前記第10延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第11延出部とを含む第3折り返し部を有して構成されていることを特徴とする振動ジャイロ素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の振動ジャイロ素子において、前記各梁の1つである第4の梁が、前記X軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記連結腕と、前記Y軸方向において、前記基部よりマイナス側に位置する前記検出用振動腕との間の前記基部の外縁から延出され、
    前記第4の梁は、前記基部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第12延出部と、
    前記第12延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のマイナス方向に延出する第13延出部と、
    前記第13延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のプラス方向に延出する第14延出部と、
    前記第14延出部の先端部から前記Y軸に沿って前記Y軸のマイナス方向に延出する第15延出部と、
    前記第15延出部の先端部から前記X軸に沿って前記X軸のマイナス方向に延出する第16延出部とを含む第4折り返し部を有して構成されていることを特徴とする振動ジャイロ素子。
  7. 請求項1に記載の振動ジャイロ素子において、前記各梁が、前記振動ジャイロ素子の重心に対して回転対称であることを特徴とする振動ジャイロ素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の振動ジャイロ素子と、
    前記振動ジャイロ素子が載置される支持台と、
    前記振動ジャイロ素子の前記支持部と前記支持台とを固定するための固定部材とを備える振動ジャイロ素子の支持構造において、
    前記固定部材は、弾性を有する材料であることを特徴とする振動ジャイロ素子の支持構造。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の振動ジャイロ素子と、
    前記振動ジャイロ素子が載置される支持台と、
    前記振動ジャイロ素子の前記支持部と前記支持台とを固定するための固定部材と、
    前記振動ジャイロ素子を駆動振動させるための駆動回路と、
    前記振動ジャイロ素子に角速度が加わったときに前記振動ジャイロ素子に生じる検出振動を検出する検出回路とを備えることを特徴とするジャイロセンサー。
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