JP2015078824A - グロープラグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グロープラグ1は、ヒータ2と、主体金具4と、中軸部材3と、端子部材5とを備え、端子部材5は、収容孔52に収容した中軸後端部32を径方向外側から包囲する包囲部51を有し、包囲部51は、主体金具4の後端48よりも後端側GKに位置する後方包囲部56及び、主体金具4の軸孔43内に位置する前方包囲部55を有し、中軸後端部32は、外径DAの仮想外接円筒が軸線方向HJ全体にわたって接する大径部36と、外径DAより小さい外径DCの仮想外接円筒が接する小径部35とを含み、収容孔52の内径DBと外径DAとの径差が、内径DBと外径DCとの径差よりも小さく、大径部36が、中軸後端部32のうち、後方包囲部56に把持された被把持部38から、主体金具4の後端48よりも先端側GSまで、形成されてなる。
【選択図】図2
Description
この先行出願では、本願の図6に示すように、端子部材5は、中軸3の後端部32を収容する円筒状の包囲部51を有しており、その一部が、主体金具4の後端部45の軸孔43内に配置されている。また、主体金具4の外部で、端子部材5の包囲部51が径方向に加締められて、中軸3の後端部32に固定されている。
なお、中軸3の後端部32のうち、端子部材5が加締め固定される部位の外表面39には、端子部材5を中軸3の後端部32に確実に係止するためのローレット加工が施されている。
すなわち、従来のグロープラグでは、特許文献1の図2に示すように、端子部材の全体が主体金具の後端よりも後端側に配置されている。ローレット加工が施された中軸の後端部は、中軸の後端側からOリングを嵌め込む際に、ローレットの加工部分にOリングの内周面が擦れて傷つくのを防ぐため、この後端部よりも先端側に位置しOリング及び絶縁部材が固定される部位に比べて、細径とされている。この従来のグロープラグでは、端子部材へのコネクタの抜き差しによって、端子部材に径方向の外力が加わると、端子部材の変位に伴って、中軸のうち、この中軸に外嵌する端子部材の先端付近(中軸の後端部に対し先端側に隣接する部位)に応力が掛かり易い。そのため、この部位で、中軸が曲がり易いという問題があった。
このため、この先行出願のグロープラグでは、コネクタの抜き差しによって、端子部材5に径方向の外力が加わった場合でも、軸孔43内にまで延びた包囲部51がOリング7等を介して、軸孔43内に弾性的に保持されている。したがって、中軸3よりも外径が太い包囲部51の存在によって、端子部材5の自身の変形が抑制されると共に、中軸3に掛かる応力も分散されるので、従来のグロープラグに比べて、中軸3が曲がりにくくなっていると考えられる。
ローレット加工を施す手法としては、転造による加工が知られている。そして、この転造によるローレット加工を施すと、ローレット加工を施した部位(ローレット部36)は、外表面39に凹凸が生じると共に、このローレット部36の径方向の外側寸法DA(ローレット部36に接する仮想外接円筒の外径)が、加工前の円柱状の後端部32の外径よりも大きくなっている。
但し、端子部材5を中軸3の後端部32に加締め固定するにあたっては、端子部材5の包囲部51内に予め中軸3の後端部32を挿入しておく必要があるため、加締め前の状態において、中軸3の後端部32のローレット部36の外側寸法DAは、円孔をなす端子部材5の包囲部51の内径寸法DBよりもわずかに小さくされている。したがって、中軸3の後端部32のうち、ローレット部36の先端側GSに隣接するローレット加工を施していない円柱状の部位(非加工部35)は、さらに小さい外径寸法DCを有している。
そして、このような隙間GPが生じていると、端子部材5に外力が加わったときに、中軸3が曲がるのを十分に抑制できない場合があることも判ってきた。具体的には、コネクタの抜き差しによって、端子部材5に径方向の外力が加わった場合に、隙間GPの存在によって端子部材5が変形し、これに伴って、中軸3のうち、応力が集中し易いローレット部36と非加工部35との境界付近で、中軸3が曲がる場合があった。
また、大径部は被把持部を含む。そこで、大径部の外表面に、後方包囲部を被把持部に確実に係止するための加工を施すと良い。このような加工としては、例えば、ローレット加工や雄ネジ加工などの外表面に凹凸を設ける加工が挙げられる。なお、凹凸を設ける場合は、凸部と凸部の間隔が均一になるように設けるのが好ましい。
そして、このようなローレット加工や雄ネジ加工を施した大径部は、いずれも凸部の頂点に、仮想外接円筒が接する形状であり、この仮想外接円筒の外径DAは、大径部の径方向の寸法(外側寸法DA)となる。
また、外径DCの仮想外接円筒が接する小径部は、中軸に円柱状の棒材を使用した場合には、加工を施していない円柱状の部位を小径部とすると良い。この場合には、円柱状の小径部の外径DCが、仮想外接円筒の外径DCと等しくなる。但し、小径部の外表面に凹凸を設けても良い。
なお、この凹凸加工部としては、例えば、転造によるローレット加工を施した部位や、転造による雄ネジ加工を施した部位が挙げられる。また、中軸後端部を軸線方向に圧縮して径方向に膨出させ、外周面に凹凸を設ける加工を施した部位も挙げられる。
また、被係止部としては、例えば、加締めにより縮径され、被把持部における凹凸加工部の凹凸に噛み合って係止された部位(被加締め部)が挙げられる。
また、後方包囲部56(肉厚部51A)は、その軸線方向HJの一部となる被加締め部59で径方向に加締められて縮径され、自身の内部で中軸後端部32の後端突出部37を径方向に把持している(具体的には、後方包囲部56は、被加締め部59の内側面が、次述する転造ローレット部36の凹凸に噛み合って、中軸後端部32に係止されている)。これにより、端子部材5が、中軸3の中軸後端部32に加締め固定され、互いに導通している。
また、端子部材5の包囲部51内に中軸後端部32を挿入可能とすべく、加締め前の状態において、転造ローレット部36の外側寸法DAは、端子部材5の包囲部51の内側面57をなす収容孔52の内径寸法DBよりもわずかに小さくされている。なお、収容孔52は、軸線方向HJについて一定の内径寸法DBを有する円孔である。したがって、中軸後端部32のうち、転造ローレット部36の先端側GSに隣接するローレット加工を施していない円柱状の非加工部35は、さらに小さい外径寸法DCを有している(DB>DA>DC)。
また、転造ローレット部36の外側寸法DAが、大径部における仮想外接円筒の外径DAに相当し、円柱状の非加工部35の外径寸法DCが、小径部における仮想外接円筒の外径DCに相当する。また、収容孔52の内径寸法DBが、内径DBに相当する。
このため、端子部材5へのコネクタ(プラグキャップ)の抜き差しによって、端子部材5に径方向の外力が加わった場合、中軸3よりも外径が太い端子部材5の包囲部51が、端子部材5の変形を防ぐ。さらに、端子部材5が傾くように変位すると、包囲部51の内側面57に、この内側面57との隙間が小さくされた転造ローレット部36が当接して、包囲部51と転造ローレット部36が一体となる。しかも、転造ローレット部36は軸孔43内にまで延びているので、転造ローレット部36と前方包囲部55との間の隙間の存在による端子部材5の変位が生じにくくなる。これに伴って、中軸3の転造ローレット部36と非加工部35との境界付近(包囲部51の先端51Sよりも先端側GS)にも応力が掛かりにくくなり、中軸3が曲がるのを抑制することができる。
実施形態では、中軸3の転造ローレット部36を、端子部材5の包囲部51の先端51Sよりも、軸線方向HJ先端側GSまで形成した。しかし、図3に示すように、転造ローレット部36(大径部)を、少なくとも、主体金具4の後端48よりも軸線方向HJ先端側GSまで設けておくと良い。この変形形態1でも、転造ローレット部36(大径部)を主体金具4の後端48よりも先端側GSまで、具体的には、前方包囲部55内にまで形成しているので、転造ローレット部36と非加工部35との境界は、軸孔43内に位置している。
このため、端子部材5に径方向の外力が加わった場合、中軸3よりも外径が太い端子部材5の包囲部51が、端子部材5の変形を防ぐ。さらに、端子部材5が傾くように変形すると、包囲部51の内側面57に、この内側面57との隙間が小さくされた転造ローレット部36が当接して、包囲部51と転造ローレット部36が一体となる。しかも、転造ローレット部36は軸孔43内にまで延びているので、転造ローレット部36と前方包囲部55との間の隙間の存在による端子部材5の変形が生じにくくなる。これに伴って、中軸3の転造ローレット部36と非加工部35との境界付近にも応力が掛かりにくくなり、中軸3が曲がるのを適切に抑制することができる。
そのほか、図4に示すように、転造ローレット部36(大径部)が、前方包囲部55のうち軸線方向HJの中央点よりも、軸線方向HJ先端側GSまで形成されていると、より好ましい。この変形形態2では、端子部材5に径方向の外力が加わり、端子部材5が傾くように変位した場合に、前方包囲部55の内側面57のうち軸線方向HJの半分以上の長さにわたり、中軸3の転造ローレット部36が当接して一体となるので、端子部材5の変位を抑え、中軸3が曲がるのをさらに確実に抑制することができる。
また、図5に示すように、実施形態等の転造ローレット部36に代えて、転造による雄ネジ加工を施した転造雄ネジ部36を、凹凸加工部として設けても良い。このように、凹凸加工部として、転造雄ネジ部36を設けることにより、非加工部35(小径部)よりも径方向の外側寸法を大きくした凹凸加工部である転造雄ネジ部36(大径部)を簡易に形成することができる。
例えば、実施形態等では、グロープラグ1として、セラミックヒータ2を備えたいわゆるセラミックグロープラグを例示したが、これに限られず、金属製のシース内に発熱コイル、あるいは発熱コイル及び制御コイルを収容するヒータを備えたいわゆるメタルグロープラグであっても良い。
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 後端側
1 グロープラグ
2 セラミックヒータ(ヒータ)
3 中軸(中軸部材)
31 中軸先端部
32 中軸後端部
35 非加工部(小径部)
36 転造ローレット部,転造雄ネジ部(大径部,凹凸加工部)
37 後端突出部
38 被把持部
4 主体金具
43 軸孔
43m (主体金具の)内周面
48 (主体金具の)後端
5 端子部材
51 包囲部
51S (包囲部の)先端
52 収容孔
55 前方包囲部
56 後方包囲部
59 被加締め部(被係止部)
6 絶縁スペーサ
7 Oリング
Claims (6)
- 通電により発熱するヒータと、
軸孔を有する筒状をなし、軸線方向先端側の金具先端部で上記ヒータを保持する主体金具と、
上記主体金具の上記軸孔内に挿通され、上記ヒータに導通する中軸先端部及び、上記主体金具の後端から突出した後端突出部を含む中軸後端部を有する金属製の中軸部材と、
外部と接続すると共に、上記中軸後端部に導通する金属製の端子部材と、を備える
グロープラグであって、
上記端子部材は、
上記中軸後端部を収容する収容孔をなし、この収容孔に収容した上記中軸後端部を径方向外側から包囲する包囲部を有し、
上記包囲部は、
上記主体金具の上記後端よりも後端側に位置し、自身の上記軸線方向の少なくとも一部で、上記後端突出部を径方向に把持する後方包囲部及び、
上記主体金具の上記軸孔内に位置する前方包囲部を有し、
上記収容孔は、
少なくとも上記前方包囲部内において、上記軸線方向について一定の内径DBを有する円孔であり、
上記中軸後端部は、
外径DAの仮想外接円筒が自身の上記軸線方向全体にわたって接する大径部と、
上記大径部の上記軸線方向先端側に隣接し、上記外径DAよりも小さい外径DC(DC<DA)の仮想外接円筒が接する小径部とを含み、
上記収容孔の上記内径DBと上記大径部についての上記外径DAとの径差が、上記収容孔の上記内径DBと上記小径部についての上記外径DCとの径差よりも小さく(DB−DA<DB−DC)、
上記大径部が、
上記中軸後端部のうち、上記後方包囲部に把持された被把持部から、上記主体金具の上記後端よりも上記軸線方向先端側まで、形成されてなる
グロープラグ。 - 請求項1に記載のグロープラグであって、
前記中軸部材は、
前記大径部が、前記前方包囲部のうち前記軸線方向の中央の中央点よりも、前記軸線方向先端側まで形成されてなる
グロープラグ。 - 請求項1に記載のグロープラグであって、
前記中軸部材は、
前記大径部が、前記端子部材の前記包囲部の先端よりも、前記軸線方向先端側まで形成されてなる
グロープラグ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のグロープラグであって、
前記大径部は、
自身の外表面に凹凸を生じさせた凹凸加工部であり、
前記後方包囲部は、
前記被把持部における上記凹凸加工部の凹凸に係止された被係止部を有する
グロープラグ。 - 請求項4に記載のグロープラグであって、
前記凹凸加工部は、転造によるローレット加工を施した転造ローレット部である
グロープラグ。 - 請求項4に記載のグロープラグであって、
前記凹凸加工部は、転造による雄ネジ加工を施した転造雄ネジ部である
グロープラグ。
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