JP2015078461A - 芳香族ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融時に異方性を示す芳香族ポリエステルを溶融紡糸し、単糸繊度4.0dtex以下のマルチフィラメントを得る芳香族ポリエステル繊維の製造方法において、紡糸巻取り張力が5〜60cNでボビン9に巻き取る芳香族ポリエステル繊維の製造方法である。総繊度が10dtex以上、500dtex以下、フィラメント数が3〜1000の範囲である芳香族ポリエステル繊維の製造方法。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2では、異方性溶融相を形成し得る芳香族ポリエステルを、直径0.1mm以下の細孔のノズルより吐出して紡糸し巻き取る溶融紡糸方法において、以下の条件(1)〜(7)を用いることを特徴とする、溶融異方性芳香族ポリエステル極細繊維の製造方法が提案されている。
(1)該溶融異方性芳香族ポリエステルの融点+20℃の剪断速度1000sec−1における溶融粘度が500Poise未満であるポリマーを用いること(2)ノズル通過時の剪断速度を103〜109sec−1とすること(3)ノズルにおける吐出線速度を5m/分以上40m/分以下とすること(4)巻取速度を150m/分以上8000m/分以下とすること(5)該吐出線速度に対する該巻取速度比を20以上とすること(6)紡糸口金温度を融点+15℃以上とすること(7)吐出後ノズル面から30cm離れた時点での繊維の温度をTm−150℃以下とすること
γ=4Q/πr3
(但し、rは紡糸口金孔の半径(cm)、Qは単孔当たりのポリマー吐出量(cm3/sec))
上記範囲であると、繊維の配向が十分となり、細繊度の繊維が得られやすく、目的の物性が得られやすい傾向にある。
JISL 1013(2010)の標準時試験に準じ、島津製作所製の引張り試験機AGS−500NXを用い、試料長200mm、引張り速度200mm/分にて破断強伸度及び弾性率(初期引張抵抗度)を求め、10点の平均値で表した。
金井工機社製の電子式張力計CM−100Rを用い、紡糸巻取り中、図1の第二ゴデットロール8と巻取りボビン9間の走行張力を3回測定し、その平均値で表した。
2時間以上紡糸した際の紡糸操業性を下記のように評価した。
○ 糸切れがなく安定的に紡糸ができた。
△ 2時間の紡糸中に5回以内の糸切れが発生した。
× 糸切れが多発して巻き取りができなかった。
紡糸後の繊維を鉄ボビンに50000m巻き返した時の操業性を下記のように評価した。
○ 単糸切れや糸切れがなく安定的に巻き返しができた。
△ 単糸切れや糸切れが発生した。
× 糸切れが多発して最後まで巻き返しができなかった。
熱処理後の繊維を製品紙管に50000m巻き返したときの操業性を下記のように評価した。
○ 単糸切れや糸切れがなく安定的に巻き返しができた。
△ 単糸切れが発生した。
× 糸切れが多発して最後まで巻き返しができなかった。
熱処理後の繊維を春日電気(株)製、毛羽発見器F9−AN型を用いて、50000mの糸長を測定し、測定結果を下記のように評価した。
○ 毛羽数0個
△ 毛羽数1〜2個
× 毛羽数3個以上
溶融異方性を示す芳香族ポリエステルとして、p−アセトキシ安息香酸40モル、テレフタル酸15モル、イソフタル酸5モル及び4,4’−ジアセトキシジフェニル20.2モルで重合した芳香族ポリエステルを用いた。この芳香族ポリエステルの融点は340℃であり、融点+30℃、剪断速度1000sec−1における溶融粘度は30Poiseであった。この芳香族ポリエステルを140℃の真空乾燥機中で24時間乾燥し、水分率5ppmとした後、単軸押出機にて溶融押出し、ギアポンプで計量して、紡糸パックに樹脂を供給した。このときの押出機出口から紡糸パックまでの紡糸温度は360℃とした。孔径0.09mmの孔を48個有する紡糸口金より吐出量11.6cc/分で樹脂を吐出した。吐出した樹脂に油剤を付与し、第一ゴデットロール、次いで第二ゴデットロールに導き、48フィラメント共に867m/分にて巻取りボビンに巻き取り、芳香族ポリエステル繊維を得た。このときの巻取り張力(紡糸巻取り張力)は20cNであった。約120分間の巻き取り中、糸切れは発生せず、紡糸操業性は良好であった。なお、得られた繊維の総繊度は144.3dtex、強度は7.1cN/dtex、伸度は2.1%、弾性率は480cN/dtexであった。次いで、紡糸巻取りボビンから熱処理ボビンへ300m/分で巻き返しを行った。50000mの巻き返し中、単糸切れや糸切れは発生せず、巻き返しは良好に実施でき、操業性も良好であった。この繊維を、310℃で10時間、窒素中で処理した後、熱処理ボビンから紙管へ巻き返しを行った。50000mの巻き返し中、単糸切れや糸切れは発生せず、巻き返しは良好に実施でき、操業性も良好であった。なお、得られた繊維は総繊度144.3dtex、単糸繊度3.0dtex 、強度26.0cN/dtex 、伸度2.4%、弾性率1000cN/dtexの繊維であった。紙管に巻き取った熱処理後繊維の毛羽数は、50000m測定中0個であり、良好な品位であった。上記紡糸条件及び結果を表1に合わせて示す。
実施例1で用いた芳香族ポリエステルを用い、総繊度、単糸繊度、紡糸巻取り張力を表1の通り変えた以外は実施例1と同様に紡糸して芳香族ポリエステル繊維を得た。次いで、実施例1と同様に、得られた芳香族ポリエステル繊維を紡糸巻取りボビンから熱処理ボビンに巻き返し、窒素中で処理し、熱処理ボビンから紙管へ巻き返して熱処理後の芳香族ポリエステル繊維を得た。表1に示すとおり、芳香族ポリエステル繊維の巻き返しは、熱処理前と後で共に単糸切れや断糸の発生はなく、良好であった。熱処理後の繊維の毛羽数も、50000m測定中0個であり、良好な品位であった。
融点+30℃、剪断速度1000sec−1における溶融粘度が20Poise及び40Poiseである芳香族ポリエステルを用い、紡糸温度を変更した以外は、実施例1と同様に紡糸して芳香族ポリエステル繊維を得た。次いで、実施例1と同様に、得られた芳香族ポリエステル繊維を紡糸巻取りボビンから熱処理ボビンに巻き返し、窒素中で処理し、熱処理ボビンから紙管へ巻き返して熱処理後の芳香族ポリエステル繊維を得た。表1に示すとおり、芳香族ポリエステル繊維の巻き返しは、熱処理前と後で共に単糸切れや断糸の発生はなく、良好であった。熱処理後の繊維の毛羽数も、50000m測定中0個であり、良好な品位であった。
紡糸巻取り張力を4cNに変えた以外は実施例1と同様に樹脂を吐出し、油剤を付与し、紡糸した。ところが、巻取りボビン9に巻きつけた途端、ゴデットロール8に糸が取られ、すぐ糸切れとなった。
紡糸巻取り張力を70cNに変えた以外は、実施例1と同様に熱処理後の芳香族ポリエステル繊維を得た。芳香族ポリエステル繊維の巻き返しは、熱処理前と後で共に単糸切れや断糸の発生があり、熱処理後の繊維の毛羽数は、50000m測定中、5個であり、品位の悪いものであった。
単糸繊度を5.0dtexに変えた以外は比較例1と同様に紡糸した。ところが、巻取りボビン9に巻きつけた途端、ゴデットロール8に糸が取られ、すぐ糸切れとなった。
単糸繊度を5.0dtexに変えた以外は比較例2と同様に熱処理後の芳香族ポリエステル繊維を得た。芳香族ポリエステル繊維の巻き返しは、熱処理前と後で共に単糸切れや断糸の発生はなく良好であった。また、熱処理後の繊維の毛羽数も、50000m測定中、0個であり、良好な品位であった。
2 紡糸パック
3 紡糸口金
4 ヒーター
5 保温筒
6 油剤付与装置
7 第一ゴデットロール
8 第二ゴデットロール
9 巻取りボビン
Claims (2)
- 溶融時に異方性を示す芳香族ポリエステルを溶融紡糸し、単糸繊度4.0dtex以下のマルチフィラメントを得る芳香族ポリエステル繊維の製造方法において、紡糸巻取り張力が5cN以上、60cN以下であることを特徴とする芳香族ポリエステル繊維の製造方法。
- 総繊度が10dtex以上、500dtex以下、フィラメント数が3〜1000の範囲である、請求項1の方法で得られた芳香族ポリエステル繊維記載の芳香族ポリエステル繊維の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016047179A1 (ja) * | 2014-09-26 | 2016-03-31 | Kbセーレン株式会社 | 溶融異方性芳香族ポリエステル繊維およびその製造方法 |
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JPH06166909A (ja) * | 1992-09-30 | 1994-06-14 | Kuraray Co Ltd | 溶融異方性芳香族ポリエステル極細繊維の製造方法 |
JP2010084301A (ja) * | 2008-10-02 | 2010-04-15 | Toray Ind Inc | 液晶ポリエステル繊維 |
WO2013099863A1 (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-04 | 東レ株式会社 | 液晶ポリエステルマルチフィラメント |
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2013
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