JP2015076589A - 積層板 - Google Patents

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田宮 裕記
Hiroki Tamiya
裕記 田宮
白木 啓之
Hiroyuki Shiraki
啓之 白木
藤野 健太郎
Kentaro Fujino
健太郎 藤野
泰範 星野
Yasunori Hoshino
泰範 星野
典子 小沼
Noriko Konuma
典子 小沼
茂利 藤田
Shigetoshi Fujita
茂利 藤田
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Abstract

【課題】線膨張係数を小さくすることができ、また層間接続用の孔の内壁にめっきを良好に析出させることができる積層板を提供する。【解決手段】3層以上の繊維基材層2を有する絶縁層3を備えたプリント配線板用の積層板1に関する。繊維基材層2が、Sガラスで形成された第一ガラスクロス層21と、Eガラスで形成された第二ガラスクロス層22とで構成されている。絶縁層3の厚み方向の中央部に第一ガラスクロス層21が配置されている。第一ガラスクロス層21の両側に第二ガラスクロス層22が配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、多層プリント配線板を含むプリント配線板の製造に用いられる積層板に関する。
プリント配線板は、電子機器、通信機器、計算機など、各種の分野において広く使用されている。近年、特に携帯通信端末やノート型PC等の小型携帯機器では、多機能化、高性能化、薄型化・小型化が急速に進んでおり、このような機器に搭載される半導体パッケージ等の電子部品も薄型化、小型化が進んでいる。これに伴い、これら電子部品を実装するのに用いられるプリント配線板も配線パターンの微細化や多層化、薄型化、機械特性等の高性能化が要求されている。
このようにプリント配線板の薄型化が進むにつれ、回路形成するための導体層と絶縁層との線膨張係数(CTE:coefficient of thermal expansion)の差異、あるいは、半導体パッケージ等の実装部品と絶縁層との線膨張係数の差異に起因して、プリント配線板に反りを生じる問題が注目されてきている。この反りを防止する方法として、絶縁層の線膨張係数を低減することが有効であることが知られており、従来、絶縁層を構成する絶縁材料のCTEを低減する技術開発が行われている。
例えば、特許文献1には、第一ガラス繊維基材層を含有する第一プリプレグと、有機繊維基材層を含有し、ガラス繊維基材層を含まない1層以上の第二プリプレグと、第二ガラス繊維基材層を含有する第三プリプレグとをこの順に積層して得られる積層板が提案されている。
そして、上記のような構成を有しているので、特許文献1に記載の積層板は、第一ガラス繊維基材層及び第二ガラス繊維基材層が積層板の外側に配置されることによって、有機繊維基材層の曲げ弾性率を補強し、積層板の剛性を高めて、積層板の単体反りを低減できるというものである。
しかしながら、特許文献1に記載の積層板は、積層板の内部側に有機繊維基材層を配置しているので、積層板全体としてのCTEは十分低減できるものではなく、また積層板の曲げ弾性率や剛性も外側のガラス繊維基材層が補強するに留まり、全体として十分高いものとすることはできない。
特開2012−231140号公報
ところで、プリント配線板やその材料となる積層板にあっては、反りの発生を防止するだけではなく、他の特性を低下することなく良好なレベルで両立することが求められる。例えば、積層板には、プリント配線板を製造する過程で、絶縁層上に形成される金属等の導体層の層間接続を行うためのビアホールが形成される。このビアホール形成加工は、一般に、レーザ加工やドリル加工により孔あけ処理を行い、このように孔あけ形成したビア内壁にデスミア処理を施した後、めっき処理を施すことで行われる。ここで、上記のビア形成加工の加工性は、積層板の絶縁層の材料構成により大きく影響される。したがって、積層板の反り防止のために、絶縁層の材料構成を変更してCTEを低減しようとすると、ビア形成の加工性が損なわれるおそれがあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、線膨張係数(CTE)を低減すると共に、ビアホール形成の良好な加工性を実現できる積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、3層以上の繊維基材層を有する絶縁層を備えたプリント配線板用の積層板において、前記繊維基材層の材質としてSガラスで形成されたガラスクロスに着目した。このSガラスは、Eガラスに比べて引っ張り強度が大きくかつ弾性率も高いので、積層板のCTEを低減するのに有効と考えられるからである。その反面、Sガラスは剛性が高いために、ビアホールの孔あけ加工を行う際にビア内壁に繊維の毛羽立ちを生じやすく、そうするとこの毛羽立ちがビアの孔奥方向へのめっき液の浸入を妨げて、ビア内壁へのめっきの均一な析出が阻害されるおそれがあった。そこで本発明者らは、上記のCTE低減とビアホール形成の加工性とのトレードオフを克服するために、さらに検討を進めた結果、本発明に想到するに至った。
本発明に係る積層板は、
3層以上の繊維基材層を有する絶縁層を備えたプリント配線板用の積層板であって、
前記繊維基材層が、Sガラスで形成された第一ガラスクロス層と、Eガラスで形成された第二ガラスクロス層とで構成され、
前記絶縁層の厚み方向の中央部に前記第一ガラスクロス層が配置され、
前記第一ガラスクロス層の両側に前記第二ガラスクロス層が配置されている
ことを特徴とする。
前記積層板において、
前記繊維基材層の層数が3層以上の奇数であり、
前記絶縁層の厚み方向の中央部に前記第一ガラスクロス層が1層配置されている
ことが好ましい。
前記積層板において、
前記繊維基材層の層数が4層以上の偶数であり、
前記絶縁層の厚み方向の中央部に前記第一ガラスクロス層が2層配置されている
ことが好ましい。
本発明によれば、Sガラスで形成された第一ガラスクロス層を積層板の厚み方向の中央部に配置していることで線膨張係数(CTE)を小さくすることができる。また、Eガラスで形成された第二ガラスクロス層が、第一ガラスクロス層の外側、すなわち絶縁層の表層側に配置されることとなるので、ビアホールの孔あけ加工を行う際にビア内壁に繊維の毛羽立ちが少なく、ビアホール形成における良好な加工性を実現できる。
本発明の実施の形態に係る積層板の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る積層板の製造方法の一例を示すものであり、(a)〜(d)は概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る積層板の他の一例を示すものであり、(a)(b)は概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る積層板のさらに他の一例を示すものであり、(a)(b)は概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1に本発明の実施の形態に係る積層板1の一例を示す。この積層板1は、電気的な絶縁性を有する絶縁層3を備えている。
絶縁層3は、3層以上の繊維基材層2を有している。具体的には、樹脂組成物の硬化物の内部に3層以上の繊維基材層2が配置された状態で絶縁層3が形成されている。このように、絶縁層3が有する繊維基材層2の層数は3層以上であれば特に限定されないが、まず、基本的な例として、絶縁層3が3層の繊維基材層2を有する場合について説明する。なお、絶縁層3の厚みは特に限定されるものではないが、積層板1の厚みが比較的薄いものとなる100〜300μm程度の場合において本発明による反り防止効果を特に好適に得ることができる。
前記樹脂組成物は、硬化して絶縁性の硬化物となる絶縁材料からなるものであれば特に組成成分を限定するものではないが、例えば、熱硬化性樹脂、硬化剤を主成分とし、これに必要に応じて、硬化促進剤、充填材、難燃剤、その他の添加剤等を配合したものとすることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、メラミン樹脂、イミド樹脂等を用いることができる。
硬化剤としては、熱硬化性樹脂との組み合わせにおける適応性の観点から、公知の材料等から適宜選択することが可能であり、例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド硬化剤等を用いることができる。
硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂と硬化剤との硬化反応系に対する硬化促進機能を考慮して適宜選択することができるものであって、例えば、イミダゾール類、フェノール化合物、アミン類、有機ホスフィン類、有機金属塩等が挙げられる。
充填材としては、例えば、球状シリカ、破砕シリカ等のシリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク等の無機フィラー、樹脂材料等からなる有機フィラー等を挙げることができる。前記充填材の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて所定量を適宜配合することができる。例えば、CTEを低減する目的において樹脂組成物全量に対して20〜80質量%含有させることができる。
難燃剤としては、臭素含有化合物等のハロゲン系難燃剤、リン含有化合物や窒素含有化合物等の非ハロゲン系難燃剤を用いることができる。なお、これら難燃剤を用いる代わりに、前記熱硬化性樹脂の成分として、臭素含有エポキシ樹脂や臭素含有フェノール樹脂、リン含有エポキシ樹脂等を難燃化成分として用いることも可能である。
前記樹脂組成物は、その他の添加物として目的に応じ、カップリング剤、着色剤、エラストマー等を配合してもよい。
繊維基材層2は、第一ガラスクロス層21と、第二ガラスクロス層22とで構成されている。第一ガラスクロス層21は、絶縁層3の厚み方向の中央部に配置されている。また第二ガラスクロス層22は、第一ガラスクロス層21の両側に配置されている。
第一ガラスクロス層21は、Sガラスで形成されたSガラスクロスである。すなわち、Sガラスクロスは、Sガラスの繊維の糸を縦糸及び横糸として織って形成されている。Sガラスクロスの織り方には例えば平織や綾織があるが、特に限定されない。
一方、第二ガラスクロス層22は、Eガラスで形成されたEガラスクロスである。すなわち、Eガラスクロスは、Eガラスの繊維の糸を縦糸及び横糸として織って形成されている。Eガラスクロスの織り方も特に限定されない。
図1に示す態様の積層板1では、繊維基材層2は3層構成であり、1層の第一ガラスクロス層21と、2層の第二ガラスクロス層22とで構成されている。そして、第一ガラスクロス層21は、絶縁層3の厚み方向の中央部に1層配置されている。また第二ガラスクロス層22は、第一ガラスクロス層21の両側に1層ずつ配置されている。すなわち、絶縁層3の片側から1層目に第二ガラスクロス層22、2層目に第一ガラスクロス層21、3層目に第二ガラスクロス層22が配置されている。さらに絶縁層3の両面には金属層5が積層一体化されている。なお、金属層5は、絶縁層3の片面にのみ積層されていても、絶縁層3の両面に積層されていなくてもよい。
ここで、第一ガラスクロス層21として用いられるSガラスクロスの具体例として、表1にSガラスクロスのスタイル(クロス名)及びその厚みの一例を示す。また表1に各スタイルのSガラスクロスを用いて形成された第一プリプレグ61(後述)のレジンコンテント及び成形後の厚みとの標準的な関係も示す。なお、レジンコンテントは、硬化前の第一プリプレグ61におけるSガラスクロス分を除いた樹脂組成物の質量含有率を意味する。また、表1に示した第一プリプレグ61のレジンコンテントと成形後の厚みとの関係は、積層板1の厚みを所望の大きさとするために参考とする目安であって、加熱加圧する際の成形条件により変化することを付記しておく。
Figure 2015076589
また、第二ガラスクロス層22として用いられるEガラスクロスの具体例として、表2にEガラスクロスのスタイル(クロス名)及びその厚みの一例を示す。また表2に各スタイルのEガラスクロスを用いて形成された第二プリプレグ62(後述)のレジンコンテント及び成形後の厚みとの標準的な関係も示す。なお、レジンコンテントは、硬化前の第二プリプレグ62におけるEガラスクロス分を除いた樹脂組成物の質量含有率を意味する。また、表2に示した第二プリプレグ62のレジンコンテントと成形後の厚みとの関係は、積層板1の厚みを所望の大きさとするために参考とする目安であって、加熱加圧する際の成形条件により変化することを付記しておく。
Figure 2015076589
次に、上記のような積層板1を製造する方法について図2を示しながら説明する。
まず、原材料となる熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、充填材等の組成成分を配合し、溶媒中で攪拌しながら溶解、分散させることによってワニスを調製する。このワニスをSガラスで形成されたSガラスクロスに含浸した後、加熱乾燥することによって前記樹脂組成物を半硬化状態とした第一プリプレグ61を製造する。
他方、上記と同様にして調製したワニスをEガラスで形成されたEガラスクロスに含浸し、これを加熱乾燥することによって、樹脂組成物を半硬化状態とした第二プリプレグ62を製造する。ここで、第二プリプレグ62で用いる樹脂組成物としては、第一プリプレグ61の製造に用いる組成成分のものを通常は用いるが、目的に応じて組成成分を変更したり、各成分の配合量を変更したりしてもよい。
次に、図2(a)に示すように、第一プリプレグ61の両側に第二プリプレグ62を重ね、さらに各第二プリプレグ62の外側に銅箔等の金属箔50を重ね、これを加熱加圧成形することによって、積層板1として図2(b)に示すような両面金属張積層板を得ることができる。このとき第一プリプレグ61及び第二プリプレグ62は樹脂組成物が硬化して積層板1の絶縁層3を形成する。なお、第二プリプレグ62の片側に金属箔50を重ねず、例えば代わりに保護フィルムを重ねて加熱加圧成形すると、積層板1として片面金属張積層板を得ることもできる。
上記のようにして得られた積層板1は、プリント配線板用の材料として用いることができる。つまり、サブトラクティブ法により積層板1の金属箔50をエッチング等を施してパターニングすることで表面に導体パターンを形成したプリント配線板を製造することができる。このとき、プリント配線板の製造過程では、導体パターンを形成すると共に、積層板1に絶縁層3を貫通する層間接続用のビアホール8を形成する孔あけ加工が一般に行われる。このビアホール8内にめっき処理を行うと共に、このめっき処理されたビアホール8で電気的に接続された導体パターンを積層板1の両側に形成することによって、絶縁層3の表裏両側の導体パターンを電気的に接続したプリント配線板を得ることができる。なお、あらかじめ絶縁層3の表面に金属層5が積層されていない場合には、アディティブ法を使用して導体パターンを形成してもよい。
ビアホール8を孔あけ加工し、その内壁にめっき7を形成して層間接続する方法について説明する。まず図2(c)に示すように、炭酸ガスレーザ等のレーザ(矢印で示す)を積層板1の両側から積層板1に向けて照射することによって、積層板1を貫通するビアホール8を形成する。このビアホール8は、開口部82が最も太く、中央部81が最も細くなるように、開口部82から中央部81までの断面がテーパ状に形成され得る。ビアホール8の開口部82の内径(ビア径)は特に限定されるものではないが、ビア径が50〜150μm程度の比較的小さいビアホール8を形成する場合には、後述するデスミア処理やめっき処理を行う際の薬液を浸入させにくくなるため、本発明の効果が特に顕著なものとなる。
ここで、絶縁層3にはSガラスで形成された第一ガラスクロス層21が含有されているが、この第一ガラスクロス層21は、絶縁層3の厚み方向の中央部に位置している。そのため、たとえ孔あけ後にこのビアホール8の内壁にSガラスの繊維が毛羽立って残存したとしても、このSガラスクロスにより生じた毛羽立ちは、ビアホール8の中央部81に存在することとなる。一方、ビアホール8の開口部82から中央部81に至るまでは、Eガラスで形成された第二ガラスクロス層22が存在するが、Sガラスに比べてEガラスはレーザ加工性が良好であるため、毛羽立ちが生じにくい。すなわち、毛羽立ちはビアホール8の開口部82から中央部81に至るまでは存在しにくい。したがって、ビアホール8内にデスミア処理を行う際には、デスミア処理の薬液がビアホール8の奥位置まで浸入しやすく、良好なデスミア処理を行うことができる。また、ビアホール8内にめっき処理を行う際には、無電解めっき用及び電解めっき用のめっき液を好適に層間接続用のビアホール8の開口部82から中央部81にまで浸入させることができる。よって、図2(d)に示すように、ビアホール8の内壁にめっき7を良好に析出させることができ、接続信頼性の高いビアホール8を形成することができる。
またEガラスは、一般的に積層板用途のガラスクロスとして用いられ、線膨張係数が大きめであるが、Sガラスは、Eガラスよりも引っ張り強度が大きく、弾性率も高い。そのため、Sガラスの線膨張係数が積層板1において支配的となり、積層板1の全体としては、特に厚み方向に対して垂直な面内における線膨張係数を小さくすることができる。しかもこの積層板1は厚み方向に層構成が対称であり、積層板1内の応力均衡が維持されるので反りも生じにくい。
なお、図2(d)に示す状態の後、外層の金属層5の不要部分をエッチングにより除去して導体パターンを形成すれば、プリント配線板を得ることができる。さらにこのプリント配線板をコア材として用い、ビルドアップ法を使用すれば、多層プリント配線板を得ることもできる。この場合、上記のように外層同士を接続するビアホール8は、外層と内層とを接続するブラインドビアホールや、内層同士を接続するベリードビアホールとなり得る。
以上、図1及び図2に基づいて、繊維基材層2を3層とした実施形態の態様について説明してきたが、図3及び図4に示すように、繊維基材層2の層数に応じて、第一ガラスクロス層21及び第二ガラスクロス層22の層数は変更可能である。
例えば、図3(a)に示す積層板1の態様では、繊維基材層2を5層としている。図示したものでは絶縁層3の片側から1層目及び2層目に第二ガラスクロス層22、3層目に第一ガラスクロス層21、4層目及び5層目に第二ガラスクロス層22が配置されている。このように、繊維基材層2の層数が3層以上の奇数である場合、絶縁層3の厚み方向の中央部に第一ガラスクロス層21が1層配置されていることが好ましい。なお、積層板1における繊維基材層2の層数の上限は、特に限定されないが、第一ガラスクロス層21が絶縁層3の中央部にのみ配置されることから、繊維基材層2の層数が増加すると第二ガラスクロス層22の層数も多くなることとなり、積層板1全体の線膨張係数に対するSガラスである第一ガラスクロス層21の影響力が低下する傾向となる。したがって、積層板1における繊維基材層2の層数は、当該層数が奇数である場合は、7層以下が好ましく、より好ましくは5層以下である。
この場合には、Eガラスで形成された第二ガラスクロス層22の枚数が増えるとはいえ、依然としてSガラスの線膨張係数が積層板1において支配的であるため、積層板1の特に厚み方向に対して垂直な面内における線膨張係数を小さくすることができる。また図1に示す形態と同様の理由により、図3(b)に示すように層間接続用のビアホール8の内壁にめっき7を良好に析出させることもできる。しかもこの積層板1も厚み方向に層構成が対称であるので反りも生じにくい。
また図4(a)に示す積層板1の態様では、繊維基材層2を4層としている。図示したものでは絶縁層3の片側から1層目に第二ガラスクロス層22、2層目及び3層目に第一ガラスクロス層21、4層目に第二ガラスクロス層22が配置されている。このように、繊維基材層2の層数が4層以上の偶数である場合、絶縁層3の厚み方向の中央部に第一ガラスクロス層21が2層配置されていることが好ましい。なお、このように繊維基材層2の層数が偶数の場合、当該層数は8層以下とするのが好ましく、より好ましくは6層以下である。
この場合には、Sガラスで形成された第一ガラスクロス層21の枚数が増えるとはいえ、孔あけ後にSガラスの繊維の毛羽立ちが生じても、この毛羽立ちは依然としてビアホール8の中央部81に集中して存在し、ビアホール8の開口部82側の領域には形成されにくい。これにより、無電解めっき用及び電解めっき用のめっき液を容易に層間接続用のビアホール8の開口部82から中央部81にまで浸入させることができる。よって、図4(b)に示すようにビアホール8の内壁にめっき7を良好に析出させることができる。また第一ガラスクロス層21が1層のものに比べて2層のものの方が、積層板1の特に厚み方向に対して垂直な面における線膨張係数をさらに小さくすることができる。しかもこの積層板1も厚み方向に層構成が対称であるので反りも生じにくい。
なお、2層以上の第一ガラスクロス層21を用いる場合には、これらをバラバラに絶縁層3内に配置するのではなく、これらを1つにまとめて絶縁層3の厚み方向の中央部に配置する。繊維基材層2の層数が5層以上の奇数である場合(図3参照)、第一ガラスクロス層21の層数が偶数(例えば2層)であると、第一ガラスクロス層21を絶縁層3の厚み方向の中央部に配置しにくい。この場合、第一ガラスクロス層21の層数も奇数(例えば1層)にすれば、第一ガラスクロス層21を絶縁層3の厚み方向の中央部に配置することができる。一方、繊維基材層2の層数が4層以上の偶数である場合(図4参照)、第一ガラスクロス層21の層数が奇数(例えば1層)であると、第一ガラスクロス層21を絶縁層3の厚み方向の中央部に配置しにくい。この場合、第一ガラスクロス層21の層数も偶数(例えば2層)にすれば、第一ガラスクロス層21を絶縁層3の厚み方向の中央部に配置することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
〈実施例1〜5及び比較例1〜3〉
(樹脂組成物)
以下の熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び充填材を配合して樹脂組成物を調製し、さらに適当な溶剤を加えて含浸に適した濃度に希釈することによってワニスとした。
(熱硬化性樹脂)
ダウ・ケミカル社製「DER514」(臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、70質量部)
DIC株式会社製「N690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、30質量部)
(硬化剤)
日本カーバイド工業株式会社製「ジシアンジアミド」(2.5質量部)
(硬化促進剤)
四国化成工業株式会社製「2E4MZ」(2−エチル−4−メチルイミダゾール、0.5質量部)
(充填材)
株式会社アドマテックス製「SO−25R」(シリカ、100質量部)
(第一プリプレグ)
Sガラスで形成された第一ガラスクロス(表1の「1037」)に樹脂組成物のワニスを含浸させ、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥することによって、第一プリプレグを製造した。表4では、上記の「1037」を含む第一プリプレグが硬化して形成された第一ガラスクロス層を「1037S」と記載している。
(第二プリプレグ)
次に、Eガラスで形成された第二ガラスクロス(表2の「1037」及び「1027」)に樹脂組成物のワニスを含浸させ、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥することによって、第二プリプレグを製造した。表4では、上記の「1037」又は「1027」を含む第二プリプレグが硬化して形成された第二ガラスクロス層をそれぞれ「1037E」及び「1027E」と記載している。
(積層板)
絶縁層が表4に示す層構成となるように、第一プリプレグ及び第二プリプレグを重ね、この両側に銅箔(厚み3μm)を重ね、これを加熱加圧成形することによって、両面金属張積層板を製造した。
<線膨張係数(CTE)>
TMA法(Thermo-mechanical analysis)の引張モードによりガラス転移温度(Tg)以下の温度範囲(50〜100℃)及び昇温速度10℃/分における板厚方向に垂直な方向の線膨張係数を測定した。
<めっき不良率>
積層板の両面の銅箔をエッチング等により除去することなく、レーザ加工機(日立ビアメカニクス株式会社製「LCO−1B22」)を用いて、積層板の両側から炭酸ガスレーザを積層板に向けて照射することによって、積層板を貫通するビアホールをあけた。レーザ加工条件を表3に示す。
Figure 2015076589
ビアホールは、開口部の内径が80μm及び120μmであるものをそれぞれ300個形成し、デスミア処理を行った後、無電解銅めっき用及び電解銅めっき用のめっき液を用いてめっき処理を行った。
その後、各ビアホールの断面観察を行ってめっきの析出の良否を判定し、全体に対するめっき不良の割合であるめっき不良率を算出した。めっきの析出の良否は、ビアホールの内壁とめっきとの間に空隙がないものを「良」、空隙があるものを「否(不良)」と判定した。なお、内径が120μmのビアホールに比べて80μmのビアホールの方が狭くてめっき液を浸入させにくいため、めっきの析出の良否を判定する評価条件として厳しい評価基準となる。
Figure 2015076589
表4から明らかなように、実施例1〜5の積層板では、線膨張係数を小さくすることができ、また層間接続用のビアホールの内壁にめっきを良好に析出させることができることが確認された。
これに対して、比較例1の積層板では、繊維基材層の全てにSガラスクロスが用いられているので、線膨張係数は小さくなったものの、めっき不良率が大きく、良好なめっきの析出が困難となることが確認された。
また比較例2の積層板では、繊維基材層の全てにEガラスクロスが用いられているので、めっきの析出は良好であったものの、線膨張係数が大きくなることが確認された。
また比較例3の積層板では、ビアホールの中央部ではなく開口部側に位置する繊維基材層としてSガラスクロスが用いられているので、線膨張係数が小さくなったものの、めっき不良率が大きく、良好なめっきの析出が困難であった。ビアホールの開口部側にSガラスクロスの毛羽立ちが発生し、ビアホールの中央部へのめっき液の浸入が妨げられたものと考えられる。
1 積層板
2 繊維基材層
3 絶縁層
21 第一ガラスクロス層
22 第二ガラスクロス層

Claims (3)

  1. 3層以上の繊維基材層を有する絶縁層を備えたプリント配線板用の積層板であって、
    前記繊維基材層が、Sガラスで形成された第一ガラスクロス層と、Eガラスで形成された第二ガラスクロス層とで構成され、
    前記絶縁層の厚み方向の中央部に前記第一ガラスクロス層が配置され、
    前記第一ガラスクロス層の両側に前記第二ガラスクロス層が配置されている
    ことを特徴とする積層板。
  2. 前記繊維基材層の層数が3層以上の奇数であり、
    前記絶縁層の厚み方向の中央部に前記第一ガラスクロス層が1層配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層板。
  3. 前記繊維基材層の層数が4層以上の偶数であり、
    前記絶縁層の厚み方向の中央部に前記第一ガラスクロス層が2層配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層板。
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