JP2003347743A - プリプレグ及び多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

プリプレグ及び多層プリント配線板及びその製造方法

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JP2003347743A
JP2003347743A JP2002154332A JP2002154332A JP2003347743A JP 2003347743 A JP2003347743 A JP 2003347743A JP 2002154332 A JP2002154332 A JP 2002154332A JP 2002154332 A JP2002154332 A JP 2002154332A JP 2003347743 A JP2003347743 A JP 2003347743A
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Kiyoaki Ihara
清暁 井原
Hideto Misawa
英人 三澤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非貫通バイアホールによる層間の接続信頼性
を向上させることができるプリプレグを提供する。 【解決手段】 内層用回路板の表面に重ねて硬化させる
ことにより絶縁層に形成されるプリプレグに関する。厚
みが60μm未満で、縦糸と横糸のいずれも通過しない
部分が全クロス面積の10%以下であるガラスクロスに
樹脂を含浸する。絶縁層に内蔵されるガラスクロス全体
の糸の分布をほぼ均一にすることができ、硬すぎて穴が
あきにくい部分や柔らかすぎて大きな穴があいてしまう
部分が絶縁層にほとんどなくなって非貫通バイアホール
の穴形状が均一で安定化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板の製造で用いられるプリプレグ及びこのプリプレグを
用いて形成される多層プリント配線板並びに多層プリン
ト配線板の製造方法に関するものであり、特に、ビルド
アップ工法で好適に用いられるプリプレグ及び多層プリ
ント配線板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子・電気機器等に用いられるプリント
配線板は、一般に、板状の絶縁層の片面もしくは両面に
銅箔等よりなる導体回路を形成して製造される。近年、
電子機器の小型化、高性能化の要請に伴い、これらの機
器に用いられるプリント配線板の高密度化が望まれるよ
うになってきている。プリント配線板の高密度化を達成
する方法の一つとして、いわゆるビルドアップ工法によ
る多層プリント配線板がある。
【0003】ビルドアップ工法により多層プリント配線
板を製造する際には、層が異なる導体回路間の導通を確
保する方法の一つとして、銅張積層板等の基板にドリル
加工により貫通孔を穿設した後、この貫通孔の内面に導
電層を形成し、さらに基板の両面に導体回路を形成し
て、層が異なる導体回路を相互に電気的に接続する貫通
バイアホール(ビアホールともいう)を形成することが
行われてきた。しかしながら、このような貫通バイアホ
ールを形成している基板を用いて多層プリント配線板を
製造する場合、接続を取りたい層間以外にも穴が通過す
ることになり、この領域が無駄な部分となる。また、貫
通バイアホール用の貫通孔の加工は一般的にドリルを用
いて行われることが多いが、一般的にドリル加工で10
0μm以下の小径孔加工を行うのはドリル刃の強度の問
題などから現状大変困難である。このことから、この工
法では基板の高密度化には限界があった。
【0004】そこで上記問題点を解決するために、近
年、接続を取りたい層間に非貫通の穴を設け、その穴内
に導電性物質を設けることによって非貫通バイアホール
を形成し、この非貫通バイアホールの導電性物質を介し
て層間の電気的接続を確保する工法が注目されている。
この非貫通バイアホールを介して層間の接続を確保する
工法については、現在までに様々な工法が提案されてい
る。
【0005】この工法の一つに非貫通バイアホール用の
穴をレーザーにより加工する工法がある。この工法を用
いる場合は、まず、内層用回路板に回路形成を行うが、
この際、非貫通バイアホールによる接続を行う部位には
受け部(ランド)を予め作製しておくことが必要であ
る。その後、内層用回路板に絶縁層と金属箔とからなる
ビルドアップ層を積層成形する。そして、ビルドアップ
層の所望の位置にレーザーにより穴あけ加工を行い非貫
通バイアホール用の穴を形成し、この穴の中にめっきや
導電性ペーストなどの導電性物質により導電層を形成す
ることによって、層間の接続を確保するのである。
【0006】このような工法においてビルドアップ層を
形成するための材料としては、樹脂付き金属箔が一般に
よく用いられている。樹脂付き金属箔は絶縁層となる樹
脂層に基材が存在していないためにレーザー加工性に優
れるものの、絶縁層に基材がないために絶縁層の強度が
不足して多層プリント配線板の強度が低下する傾向があ
った。また、ビルドアップ層の積層成形の際に一度に複
数枚の樹脂付き金属箔を組み合わせて用いることが困難
であった。
【0007】このような状況から最近では、上記の工法
に一般のプリプレグを用いて絶縁層を形成することが検
討されており、これにより、絶縁層の強度がプリプレグ
の基材により確保することができ、また、一度に複数枚
のプリプレグを重ね合わせて組み合わせることも可能と
なるものであった。しかし、ガラスクロスに樹脂を含浸
して形成される既存のプリプレグを用いた場合、特に、
厚み80μm以下のプリプレグでは、プリプレグ中のガ
ラスクロスにおけるヤーン間の粗密が大きいという問題
があった。すなわち、ガラスクロスは一般に縦糸と横糸
を織って形成されるが、その場合、平面的に見れば縦
糸と横糸が交差する部分縦糸のみ通過する部分横糸
のみ通過する部分縦糸も横糸も通過していない部分
(バスケットホール)の4種類の部分が存在することに
なるが、厚み80μm以下のプリプレグに用いられるガ
ラスクロスはヤーンが細く、ガラスクロスの作製後もバ
スケットホールが大きくなる傾向にある。
【0008】そして、このようなガラスクロスを用いた
プリプレグに非貫通バイアホール用の穴を形成するため
のレーザー加工を施した場合、の縦糸と横糸の重なっ
た部分とのバスケットホールとでは硬さが大きく異な
るために、加工性に大きな差異が発生する恐れがあっ
た。一方で、特に、炭酸ガスによるレーザー加工を行う
場合、の部分との部分でレーザー加工条件を変更す
ることは作業性の問題などから大変困難であり、同一面
内であれば同一条件で加工するのが一般的である。その
結果、のような硬い部分は穴があきにくく、のよう
な柔らかい部分は大きな穴があいてしまい、非貫通バイ
アホールの穴形状が不安定になることがあった。そし
て、このような穴形状の不安定さは非貫通バイアホール
の導電層の厚みを一定に形成することができないなどの
要因となって、非貫通バイアホールを介して確保される
層間の接続の不安定さにつながるものであり、その結
果、良好な接続信頼性を有する多層プリント配線板の製
造が困難になるという問題があった。尚、非貫通バイア
ホールの穴形状が不安定になって良好な接続信頼性を有
する多層プリント配線板の製造が困難になるという問題
は、上記と同様の理由でドリル加工により非貫通バイア
ホール用の穴を形成する場合にも生じるものである。
【0009】このような問題を解決する方法の一つとし
て、プリプレグに使用するガラスクロスに加圧するなど
の特殊な加工を施すことによって、ヤーンを偏平にして
バスケットホールの部分を無くす方法がある。しかし、
この方法を用いる場合、特に、ガラスクロスの厚みが6
0μm以上の領域においては、バスケットホールがなく
なることからガラスクロスへの樹脂の含浸性が低下する
ことがあり、また、ガラスクロスのヤーンも太いことも
樹脂の含浸性に対し大きなマイナスになるものであっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の状況を
鑑みてなされたものであって、その目的とする所は、非
貫通バイアホールによる層間の接続信頼性を向上させる
ことができるプリプレグ及び多層プリント配線板並びに
その製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プリプレグは、内層用回路板の表面に重ねて硬化させる
ことにより絶縁層に形成されるプリプレグであって、厚
みが60μm未満で、縦糸と横糸のいずれも通過しない
部分が全クロス面積の10%以下であるガラスクロスに
樹脂を含浸して成ることを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項2に係る多層プリント配線
板は、請求項1に記載のプリプレグを内層用回路板の表
面に重ねて硬化させることにより形成される絶縁層と、
絶縁層の表面に形成される外層回路と、内層用回路板の
回路と外層回路とを電気的に接続するために絶縁層に形
成される非貫通バイアホールとを備えて成ることを特徴
とするものである。
【0013】本発明の請求項3に係る多層プリント配線
板の製造方法は、請求項1に記載のプリプレグを内層用
回路板の表面に重ねると共に内層用回路板の表面に重ね
たプリプレグの表面に金属箔を重ね、これを加熱加圧す
ることによってプリプレグの硬化させて絶縁層を形成
し、内層用回路板に重ねた金属箔から外層回路を形成す
ると共に内層用回路板の回路と外層回路とを電気的に接
続するための非貫通バイアホールを絶縁層に形成するこ
とを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項4に係る多層プリント配線
板の製造方法は、請求項3に加えて、内層用回路板の表
面に複数枚のプリプレグを重ねるにあたって、プリプレ
グを1枚毎に90°回転させることを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明の請求項5に係る多層プリント配線
板の製造方法は、請求項3又は4に加えて、内層用回路
板の表面に重ねた複数枚のプリプレグのうち、内層用回
路板と接するプリプレグを他のプリプレグよりも樹脂量
を大きくすることを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項6に係る多層プリント配線
板の製造方法は、請求項3乃至5のいずれかに加えて、
縦糸及び横糸を構成するヤーンの平均フィラメント径が
5μm以下であるガラスクロスを用いることを特徴とす
るものである。
【0017】本発明の請求項7に係る多層プリント配線
板の製造方法は、請求項3乃至6のいずれかに加えて、
絶縁層の厚みを30〜300μmに形成することを特徴
とするものである。
【0018】本発明の請求項8に係る多層プリント配線
板の製造方法は、請求項3乃至8のいずれかに加えて、
ガラスクロスに含浸する樹脂に無機充填材を配合して樹
脂組成物を調製することを特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項9に係る多層プリント配線
板の製造方法は、請求項8に加えて、樹脂組成物中の無
機充填材の含有量が樹脂組成物の全量に対して80質量
%以下であることを特徴とするものである。
【0020】本発明の請求項10に係る多層プリント配
線板の製造方法は、請求項3乃至9のいずれかに加え
て、非貫通バイアホール用の穴を炭酸ガスレーザーによ
るレーザー加工により形成することを特徴とするもので
ある。
【0021】本発明の請求項11に係る多層プリント配
線板の製造方法は、請求項3乃至10のいずれかに加え
て、請求項1に記載のプリプレグを内層用回路板の表面
に重ね、さらにそのプリプレグの表面に金属箔を重ね、
これらを加熱加圧することによってプリプレグを硬化さ
せて絶縁層を形成して金属箔張り多層板を作製し、ダイ
レクトレーザー加工により非貫通バイアホール用の穴を
金属箔張り多層板の絶縁層に形成することを特徴とする
ものである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に使用する内層用回路板は
絶縁基板の表面あるいは絶縁基板の表面と内部に回路を
有して形成されるものであって、一般的な金属箔張り積
層板を用いて形成することができる。金属箔張り積層板
としては、絶縁基板の両面に銅箔等の金属箔を積層され
る両面板あるいはこの両面板の絶縁基板の内部に回路を
有して形成される金属箔張り多層板などを用いることが
できる。そして、金属箔張り積層板の表面の金属箔にサ
ブトラクティブ法などの回路形成工程を施して絶縁基板
の表面に回路を形成することによって、内層用回路板に
形成することができる。また、必要に応じて、内層用回
路板に表面処理を施してもよい。この表面処理は主に内
層用回路板の表面の回路の密着力を向上させるために行
うものであり、公知の方法、具体的には回路の金属が銅
の場合はBO処理(黒化処理)、微細エッチング処理、
還元処理等を用いることができる。
【0023】本発明では上記のように形成した内層用回
路板の外側(表面)にプリプレグを積層するが、本発明
で使用するプリプレグを構成するガラスクロスは、厚み
が60μm未満で、ガラスクロスを構成する縦糸と横糸
のいずれも通過しない空間部分(これをバスケットホー
ルという)の面積の割合が全クロス面積(ガラスクロス
の平面全体の面積)の10%以下のものを使用する。こ
のようなガラスクロスを用いることによって、ガラスク
ロス全体の糸の分布が均一になって硬すぎて穴があきに
くい部分や柔らかすぎて大きな穴があいてしまう部分が
ほとんどなくなるものであり、プリプレグの硬化物で形
成される絶縁層のドリル加工性やレーザー加工性が向上
し、非貫通バイアホールの穴形状が均一で安定化するも
のである。従って、バスケットホールが全クロス面積の
10%より多くなると、ガラスクロス全体の糸の分布が
不均一になって非貫通バイアホールの穴形状が不安定に
なる恐れがあり、また、厚みが60μm以上のガラスク
ロスの場合、ヤーンの打込み本数などの関係から、バス
ケットホール部分は全クロス面積の10%以下である
が、ガラスクロスの厚みが厚いことからドリル加工やレ
ーザー加工の安定性に問題が生じる恐れがある。
【0024】また、ガラスクロスの縦糸と横糸を構成す
るヤーンの平均フィラメント径(フィラメントの直径の
平均)は5μm以下であることが好ましく、これによ
り、ガラスクロス全体の糸の分布がさらに均一になり、
非貫通バイアホールの穴形状がさらに均一で安定化する
ものである。
【0025】上記のようなガラスクロスを製造する方法
としては、公知の各種方法を使用することが可能である
が、例えば、織り上がったガラスクロスを連続的に加圧
して偏平化する方法、高圧のエアージェットやウォータ
ージェットを均一に噴射する方法等を挙げることができ
る。また、上記のガラスクロスではバスケットホールが
なくなるために樹脂含浸時に樹脂の通過部分が小さくな
り含浸性の低下が懸念されるが、ヤーンが細い場合は毛
細管現象などにより大きな含浸性の低下は見られず、ま
た、ガラスクロスに高圧のエアージェットやウォーター
ジェットを均一に噴射することによってヤーン間を開繊
させる方法等によっても含浸性を向上させることができ
る。
【0026】本発明におけるレーザー加工は、特に限定
されるものではないが、エキシマレーザー、YAGレー
ザー、炭酸ガスレーザーなどの方法が使用可能である。
これらは加工する穴の径によって使い分けられるが、本
発明では主に50μmから200μmの範囲の非貫通穴
を想定しており、この範囲では生産性の面などから炭酸
ガスレーザーを使用することが好ましい。尚、本発明に
おいて非貫通バイアホール用の非貫通穴はレーザー加工
により形成するだけでなく、ドリル加工により形成して
も良い。
【0027】一般に厚みが60μm未満のガラスクロス
はバスケットホールの部分が大きいため、そのまま炭酸
ガスレーザーによるレーザー加工やドリル加工を行え
ば、ガラスの粗密が大きいことからレーザー加工後やド
リル加工後の穴形状が大きくばらつく恐れがある。ま
た、ガラスクロスの厚みが60μmを超えると、ヤーン
が太くなるために偏平処理を施さないガラスクロスでも
バスケットホールのほとんどないものになり、その結
果、偏平処理を施しても効果が小さく、かつヤーンが太
いために含浸性の低下が顕著になるものであり、このこ
とは本発明のビルドアップ工法により形成される多層プ
リント配線板の性能を著しく低下させる原因になること
から、実用上好ましくない。また、平均フィラメント径
が5μmより大きい場合、偏平加工時のフィラメントの
広がりが抑制され、含浸性も劣るために使用は好ましく
ない。
【0028】尚、本発明において、ガラスクロスの厚み
は薄いほど好ましいので、その下限は特に設定されない
が、現在入手可能なものは20μmであるので、この値
が実質的なガラスクロスの厚みの下限となる。また、本
発明において、バスケットホールの割合は小さいほど好
ましいので、その下限は特に設定されないが、現在入手
可能なものはバスケットホールの面積が全クロス面積の
0.5%であるので、この値が実質的なバスケットホー
ルの割合の下限となる。また、本発明において、平均フ
ィラメント径は小さいほど好ましいので、その下限は特
に設定されないが、現在入手可能なものは3μmである
ので、この値が実質的な平均フィラメント径の下限とな
る。
【0029】本発明では、上記のようなガラスクロスに
樹脂組成物を含浸させ、必要に応じてガラスクロス中の
樹脂組成物の樹脂を加熱等により半硬化状態にすること
によりプリプレグを製造するものである。この際、使用
する樹脂組成物としては特に限定されるものではなく、
一般に公知の樹脂組成物が使用可能である。例えば、熱
硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹
脂、トリアジン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系
樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂などの
中から1種類又は複数種組み合わせて使用可能である。
また、用途に応じて熱可塑性樹脂の使用も可能である。
また、これらの樹脂に必要に応じて各種硬化剤、硬化促
進剤などを配合することができ、例えば、熱硬化性樹脂
としてエポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤としてジシア
ンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフ
ェニルスルホン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、
フェノールノボラック等の多官能性フェノールなどを使
用することができる。これらの硬化剤は1種類又は複数
種組み合わせて使用可能である。また、硬化促進剤とし
ては、特に限定されるものではないが、イミダゾール系
化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などを用
いることが可能であり、これら硬化促進剤の1種類又は
複数種組み合わせて使用可能である。その他にも、用途
に応じて増粘剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤などを
添加することができる。尚、上記の樹脂組成物に配合す
る成分の配合量は使用する樹脂の種類やプリプレグの製
造の際の作業性等を考慮して適宜設定することができ
る。
【0030】本発明では、上記のようにして調製された
樹脂組成物をそのまま使用してもよいが、さらに無機充
填材を配合して樹脂組成物を調製してもよい。無機充填
材を配合すると、樹脂単独の硬化物に比べて樹脂組成物
の硬化物は硬度が増し、ガラスクロスのガラスとの硬度
の差が小さくなる。その結果、絶縁層におけるドリル加
工性やレーザー加工性(特に炭酸ガスによるレーザー加
工性)が向上し、より安定した穴加工が可能になるもの
である。本発明に用いる無機充填材としては、特に限定
されるものではなく、公知の無機物質を使用することが
できる。具体的には、炭酸カルシウム、酸化アルミニウ
ム、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウ
ム、ケイ酸アルミニウム、シリカ、タルク、クレー、カ
オリン、ガラス短繊維などを用いることができる。ま
た、炭化ケイ素などのウイスカも使用可能である。本発
明ではこれらの無機充填材は1種類又は複数種組み合わ
せて使用可能である。また、無機充填材の平均粒子径は
特に限定しないが、微小穴加工を考慮して10μm以下
であることが好ましい。また、樹脂組成物の全量に対す
る無機充填材の配合量は80質量%以下であることが好
ましく、この配合量を超えると、成形時の樹脂流れ性が
悪化し、成形性の確保が困難になる。また、上記無機充
填材の表面にカップリング剤処理、樹脂コーティングな
どを施したものを用いてもよい。尚、本発明では、無機
充填材の配合による効果を得るために、無機充填材の配
合量は20質量%以上にするのが好ましい。
【0031】本発明では、上記のようにして製造したプ
リプレグをビルドアップ層として内層用回路板の外側
(表面)に重ねて積層する。この際、このプリプレグを
2枚以上使用する。プリプレグを単独で使用した場合、
上記のような処理を施したガラスクロスを用いても縦糸
と横糸の交点とそれ以外の部位では硬さに差があるた
め、一定出力で炭酸ガスレーザー等によるレーザー加工
やドリル加工を行った場合に穴形状のばらつく原因とな
る。そこで、これを防ぐ方法としてプリプレグを2枚以
上使用するものであり、これにより、絶縁層におけるガ
ラスクロスの物性が平均化され、炭酸ガスレーザー等に
よるレーザー加工性やドリル加工性が向上するものであ
る。また、同じ厚みの絶縁層を確保する場合、プリプレ
グを複数枚重ねるということはすなわち1枚当りの厚み
が小さくなる。一般的に薄いガラスクロスは細いヤーン
を用いるため、小さなエネルギーで炭酸ガスレーザー等
によるレーザー加工やドリル加工性が可能になり、レー
ザー加工時やドリル加工時における作業性及び加工性が
向上する。この観点からもプリプレグを複数枚使用する
利点がある。
【0032】さらに、複数枚のプリプレグを内層用回路
板に重ねて積層する際、プリプレグを1枚毎に水平面で
90°回転させて積層することが好ましい。一般にガラ
スクロスは縦糸と横糸の打ち込み本数が違うため、縦横
の方向性がある。同一方向に積層した場合、ガラスクロ
スの縦横の方向性に起因する物性が偏在する可能性があ
る。そこで、複数枚のプリプレグを1枚毎に水平面で9
0°回転させて積層することにより、上下に隣接するプ
リプレグ間においてガラスクロスの縦糸と横糸の方向が
平面視で90°異なることになり、絶縁層におけるガラ
スクロスの物性の平均化をさらに高めることができ、一
層、炭酸ガスレーザー等によるレーザー加工性やドリル
加工性が向上するものである。
【0033】また、複数枚のプリプレグを積層する際、
内層用回路板と接する部分のプリプレグの樹脂量を他の
部分の樹脂量より大きくしておくことが好ましい。これ
は、内層用回路板には回路やスルーホールなどが形成さ
れていることが多く、成形時に回路間の隙間やスルーホ
ールをプリプレグの樹脂で埋める必要があるため、予め
樹脂量を大きくしておくことにより、回路間の隙間やス
ルーホールへの樹脂の充填性を向上させることができ
る。尚、プリプレグの樹脂量は特に限定はされないが、
内層用回路板と接する部分のプリプレグの樹脂量は内層
用回路板と接しない部分のプリプレグの樹脂量より1〜
10質量%大きくすることが好ましく、また、内層用回
路板と接しない部分のプリプレグの樹脂量は40〜75
質量%であることが好ましい。
【0034】このようにして内層用回路板の外側にプリ
プレグを積層した後、そのプリプレグの外側に金属箔を
重ねて配置することによって被圧着体を形成する。ここ
で用いる金属箔は、特に限定されるものではなく、銅、
アルミニウム、真鍮、ニッケルなどの単独、合金、複合
箔を用いることができるが、一般的には電解銅箔が好ま
しい。また、この金属箔の厚みも特に限定されるもので
はないが、実用上、3〜70μmが一般的である。ま
た、本発明では炭酸ガスレーザーによるダイレクトレー
ザー加工(金属箔ダイレクト加工)が可能な金属箔を用
いるのが好ましい。ダイレクトレーザー加工は絶縁層上
に積層された金属箔を除去せずに、金属箔の表面に直接
レーザーを照射して非貫通バイアホール用の穴を形成す
る加工であり、レーザー加工の際に金属箔を除去する必
要がなくなって生産性及び作業性を向上させることがで
きるものである。そして、このようなダイレクトレーザ
ー加工を可能にするために、上記の金属箔に表面処理を
施したものを用いるようにする。ダイレクトレーザー加
工が可能であれば表面処理は特に限定されないが、例え
ば、金属箔の表面に酸化金属処理などの化学的処理を施
してレーザーの吸収率を向上させる方法や、金属化合物
粉末、カーボン粉末、金属粉の1種或いは2種以上を含
む樹脂組成物からなる塗膜を設ける方法などを用いるこ
とができる。
【0035】そして、上記のように複数枚のプリプレグ
を介して内層用回路板の表面に金属箔を重ね合わせて被
圧着体を形成した後、被圧着体を加熱加圧成形、好まし
くは真空下にて加熱加圧成形して積層する。この加熱加
圧成形によりプリプレグの樹脂を硬化させて絶縁層を形
成すると共にプリプレグの樹脂の硬化により内層用回路
板と金属箔とを接着して一体化し、内層用回路板の回路
が内層回路となった金属箔張り多層板(内層回路入り金
属箔張り積層板)を形成することができる。
【0036】上記の加熱加圧成形の条件としては、特に
限定されるものではないが、例えば、温度150〜22
0℃、圧力0.5〜5MPa、時間30〜180分に設
定することができる。また、加熱加圧成形後の絶縁層の
厚みは、絶縁層に炭酸ガスレーザー等によるレーザー加
工することを考慮して30〜300μmであることが好
ましく、さらに好ましくは30〜140μmがよい。絶
縁層の厚みが300μmより厚くなると後工程(炭酸ガ
スレーザー加工工程、導通性確保の工程)での作業性が
著しく悪化し、30μm未満の厚みでは層間の絶縁性確
保が難しくなる。絶縁層の厚みを上記の範囲に設定する
には、プリプレグの樹脂量を調整したり加熱加圧成形の
際の圧力を調整したりするものである。
【0037】この後、金属箔張り多層板のビルドアップ
層(絶縁層及び金属箔)における所望の位置に炭酸ガス
レーザー等によるレーザー加工で非貫通バイアホール用
の穴あけを施す。加工方法としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、穴加工を行う部位の金属箔を予め
除去した部分に炭酸ガスレーザー等のレーザーを照射し
て非貫通穴を形成するコンフォーマルマスク法、ラージ
ウインドウ法を用いることができる。また、上記のよう
にビルドアップ層の金属箔にダイレクトレーザー加工可
能な金属箔を用いた場合は、金属箔の上から直接炭酸ガ
スレーザー加工を行うことも可能である。レーザー加工
の条件は特に限定はないが、例えば、出力1〜15mJ
/ショットで、ショット数2〜10回にするのが好まし
い。尚、本発明ではレーザー加工だけでなく、ドリル加
工よっても上記の非貫通バイアホール用の穴あけを行な
っても良い。
【0038】このようにして非貫通穴を形成した後、こ
の非貫通穴に内層回路と後述の外層回路の導通を確保す
るための処理を施す。この方法に関しては特に限定され
るものではないが、金属めっきによる方法や、導電性ペ
ーストによる方法などを例示することができる。そし
て、ビルドアップ層の金属箔にエッチング等の回路形成
工程を施して外層回路を形成することによって、ビルド
アップ多層プリント配線板を得ることができるものであ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づき具
体的に説明する。
【0040】(実施例1)エポキシ樹脂(東都化成株式
会社製「YD−128」)100質量部、ブロム化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製「Y
DB−400」)50質量部、エポキシ樹脂の硬化剤で
あるジシアンジアミド6質量部、硬化促進剤である2−
エチル−4−メチルイミダゾール0.1質量部を、メチ
ルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶
解することによって、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を
調製した。この樹脂組成物をガラスクロス(旭シュエー
ベル株式会社製「1084MSW」、バスケットホール
の割合4%、厚み51μm、平均フィラメント径5μ
m)に含浸させ、次いで最高温度180℃にて加熱乾燥
させ、樹脂量が60質量%のプリプレグと樹脂量70質
量%のプリプレグを形成した。
【0041】内層用回路板は両面銅張積層板(松下電工
株式会社製「R−1766」)の表面の銅箔に回路形成
工程を施して内層回路となる回路を形成し、この回路に
BO処理を施したものを使用した。
【0042】そして、内層用回路板の両面に上記樹脂量
70質量%のプリプレグを接触するように重ねて配置
し、次に、この樹脂量70質量%のプリプレグの外側に
樹脂量60質量%のプリプレグを重ねて配置した。この
とき、樹脂量70質量%のプリプレグのガラスクロスと
樹脂量60質量%のプリプレグのガラスクロスとの縦横
の方向は同じにした。この後、樹脂量60質量%のプリ
プレグの外側に銅箔(古河サーキットフォイル社製 G
T、厚さ12μm)を1枚配置し被圧着体を形成した。
次に、被圧着体を最高温度170℃、圧力3.4MPa
にて90分間加熱加圧成形した。このようにしてビルド
アップ金属箔張り多層板を形成した。
【0043】(実施例2)実施例1において、ビルドア
ップ層として樹脂量70質量%のプリプレグの外側に樹
脂量60質量%のプリプレグを配置する際、樹脂量70
質量%のプリプレグに対して水平面で90°回転させた
向きで樹脂量60質量%のプリプレグを配置した。これ
により、樹脂量70質量%のプリプレグのガラスクロス
の縦横方向と、樹脂量60質量%のプリプレグのガラス
クロスの縦横方向とを水平面内で90°異ならせた。こ
れ以外は実施例1と同様にしてビルドアップ金属箔張り
多層板を形成した。
【0044】(実施例3)実施例1における樹脂組成物
に水酸化アルミニウム(住友化学工業株式会社製CL−
310)60質量部を配合した樹脂組成物を用いた以外
は実施例1と同様にしてビルドアップ金属箔張り多層板
を形成した。
【0045】(実施例4)実施例1において、ビルドア
ップ層のプリプレグの外側に配置する銅箔を実施例1に
代えて炭酸ガスによるダイレクトレーザー加工が可能な
銅箔(古河サーキットフォイル社製 F2B−WS 1
2μm)を使用して被圧着体を形成した。これ以外は実
施例1と同様にしてビルドアップ金属箔張り多層板を形
成した。
【0046】(比較例1)ガラスクロスとして、旭シュ
エーベル株式会社製「1080」(バスケットホールの
割合17%、厚み54μm、平均フィラメント径5μ
m)を用いた以外は実施例2と同様にしてビルドアップ
金属箔張り多層板を形成した。
【0047】(比較例2)ガラスクロスとして、旭シュ
エーベル株式会社製「2116」(バスケットホールの
割合5%、厚み95μm、平均フィラメント径7μm)
を用い、これに実施例1と同様の樹脂組成物を含浸し、
次いで最高温度180℃にて加熱乾燥させ、樹脂量57
質量%のプリプレグを得た。また、内層用回路板及び銅
箔は実施例1と同様のものを用いた。
【0048】そして、内層用回路板の両面に上記樹脂量
57質量%のプリプレグを1枚重ねて配置し、この後、
プリプレグの外側に銅箔を1枚配置し被圧着体を形成し
た。次に、被圧着体を最高温度170℃、圧力3.4M
Paにて90分間加熱加圧成形した。このようにしてビ
ルドアップ金属箔張り多層板を形成した。
【0049】(ビルドアップ多層プリント配線板の加
工)上記のようにして得られたビルドアップ金属箔張り
多層板を以下のように加工してビルドアップ多層プリン
ト配線板を形成した。すなわち、実施例4のビルドアッ
プ金属箔張り多層板以外は、表面の非貫通バイアホール
を形成する位置の銅箔をエッチングによって直径200
μmの円形状に除去した後、その中央部分に炭酸ガスレ
ーザー(三菱電機株式会社製 ML605GTX−51
00U)を照射した。加工条件は、出力5.5mJ/シ
ョットにて7ショット照射した。このようにして得られ
た非貫通バイアホールの上穴径は約120μmであっ
た。また、実施例4のビルドアップ金属箔張り多層板に
関しては、銅箔の上から直接炭酸ガスレーザーを照射し
てダイレクトレーザー加工により非貫通穴を形成した。
このときの加工条件は出力10mJ/ショットにて6シ
ョット照射した。
【0050】その後、上記の非貫通穴にめっき処理を行
い、内層回路と銅箔の電気的接続を確保した後、銅箔に
回路形成を行って外層回路を形成し、外層回路と内層回
路の間を3000穴の非貫通バイアホールで交互に接続
するデイジーチェーンパターンを作製した。その後、こ
のパターンの初期接続性を確認し、抵抗の測定値が10
Ω以下のものを測定に供した。(バスケットホール部分
の面積測定)ガラスクロスのバスケットホール部分の面
積測定は以下のようにして行った。すなわち、金属顕微
鏡にて3mm角の領域を50倍に拡大して観察し、写真
を撮影後、縦糸も横糸も通っていない部分(バスケット
ホール)の面積の全面積に対する割合を計算した。任意
の3個所で同じ測定を実施し、その平均値をデータとし
た。
【0051】(接続信頼性の評価方法)上記のようにし
て作製したビルドアップ多層プリント配線板を以下のよ
うにして評価した。すなわち、上記ビルドアップ多層プ
リント配線板を−65℃と125℃の空気中に15分間
隔で曝露し、デイジーチェーンパターンの抵抗値の変化
を曝露しながら測定した。そして、ビルドアップ多層プ
リント配線板の抵抗値が100Ω以上になれば故障と判
断し、試験を停止した。この試験は、2000時間まで
実施した。また、それぞれのビルドアップ多層プリント
配線板において、3枚づつテスト(サンプル1〜3)を
実施した。結果を表1に示す。尚、この表には、それぞ
れのビルドアップ金属箔張り多層板の断面観察から判明
した絶縁層厚みも併せて示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、各実施例にて得
られたビルドアップ多層プリント配線板は、いずれの場
合も比較例に比べて接続信頼性が向上していることが確
認された。
【0054】(ドリル加工性の評価方法) (実施例5)実施例1にて形成したビルドアップ金属箔
張り多層板に、ドリルマシンにて1mm間隔でタテ50
個、ヨコ40個、合計2000個の貫通穴を形成した。
この加工に使用したドリル径は120μm、回転速度は
毎分16万回転、送り速度は毎分1.6mとした。
【0055】このようにして加工した多層板の貫通穴の
穴位置精度を測定した。測定方法は、本来の穴位置(設
計時の穴位置)から実際に形成された穴のズレ量をタテ
方向、ヨコ方向に分けて顕微鏡にて測定し、ズレ量の大
きい方の値をその穴のズレ量として記録した。
【0056】(比較例3)実施例5において、ビルドア
ップ金属箔張り多層板として実施例1で作成した基板の
代わりに比較例1にて作成したビルドアップ金属箔張り
多層板を用いて、実施例5と同様の評価を実施した。
【0057】実施例5及び比較例3のそれぞれの穴のズ
レ量の分布を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2から明らかなように、実施例5のビル
ドアップ金属箔張り多層板は比較例3のビルドアップ金
属箔張り多層板と比較してズレ量の大きな穴の割合が少
なく穴位置精度が高いことが確認された。すなわち、本
発明のビルドアップ多層プリント配線板はドリル加工に
よって非貫通バイアホールやスルーホールの位置を正確
に形成することができるものであり、ドリル加工性に優
れるものである。
【0060】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る発明は、内層用
回路板の表面に重ねて硬化させることにより絶縁層に形
成されるプリプレグであって、厚みが60μm未満で、
縦糸と横糸のいずれも通過しない部分が全クロス面積の
10%以下であるガラスクロスに樹脂を含浸するので、
絶縁層に内蔵されるガラスクロス全体の糸の分布をほぼ
均一にすることができ、硬すぎて穴があきにくい部分や
柔らかすぎて大きな穴があいてしまう部分が絶縁層にほ
とんどなくなって非貫通バイアホールの穴形状が均一で
安定化するものであり、従って、絶縁層の表面に外層回
路を形成すると共に内層用回路板の回路と外層回路とを
電気的に接続するための非貫通バイアホールを絶縁層に
形成することによって、非貫通バイアホールの導体層の
厚みが均一となって層間の接続信頼性を向上させること
ができるものである。
【0061】本発明の請求項2の発明は、請求項1に記
載のプリプレグを内層用回路板の表面に重ねて硬化させ
ることにより形成される絶縁層と、絶縁層の表面に形成
される外層回路と、内層用回路板の回路と外層回路とを
電気的に接続するために絶縁層に形成される非貫通バイ
アホールとを備えるので、非貫通バイアホールの穴形状
を均一で安定化させることができ、非貫通バイアホール
の導体層の厚みが均一となって層間の接続信頼性を向上
させることができるものである。
【0062】本発明の請求項3の発明は、請求項1に記
載のプリプレグを内層用回路板の表面に重ねると共に内
層用回路板の表面に重ねたプリプレグの表面に金属箔を
重ね、これを加熱加圧することによってプリプレグを硬
化させて絶縁層を形成し、内層用回路板に重ねた金属箔
から外層回路を形成すると共に内層用回路板の回路と外
層回路とを電気的に接続するための非貫通バイアホール
を絶縁層に形成するので、絶縁層に内蔵されるガラスク
ロス全体の糸の分布をほぼ均一にすることができ、硬す
ぎて穴があきにくい部分や柔らかすぎて大きな穴があい
てしまう部分が絶縁層にほとんどなくなって非貫通バイ
アホールの穴形状が均一で安定化するものであり、従っ
て、非貫通バイアホールの導体層の厚みが均一となって
層間の接続信頼性を向上させることができるものであ
る。
【0063】また、本発明の請求項4乃至9の発明は、
内層用回路板の表面に複数枚のプリプレグを重ねるにあ
たって、プリプレグを1枚毎に90°回転させたり、内
層用回路板の表面に重ねた複数枚のプリプレグのうち、
内層用回路板と接するプリプレグを他のプリプレグより
も樹脂量を大きくしたり、縦糸及び横糸を構成するヤー
ンの平均フィラメント径が5μm以下であるガラスクロ
スを用いたり、絶縁層の厚みを30〜300μmに形成
したり、ガラスクロスに含浸する樹脂に無機充填材を配
合して樹脂組成物を調製したり、樹脂組成物中の無機充
填材の含有量が樹脂組成物の全量に対して80質量%以
下にしたりするので、非貫通バイアホールの穴形状がさ
らに均一で安定化するものであり、従って、非貫通バイ
アホールの導体層の厚みがさらに均一となって層間の接
続信頼性をさらに向上させることができるものである。
【0064】また、本発明の請求項10の発明は、非貫
通バイアホール用の穴を炭酸ガスレーザーによるレーザ
ー加工により形成するので、微小穴加工が可能となり、
回路の高密度化を図ることができるものである。
【0065】また、本願の請求項11の発明は、請求項
1に記載のプリプレグを内層用回路板の表面に重ね、さ
らにそのプリプレグの表面に金属箔を重ね、これらを加
熱加圧することによってプリプレグを硬化させて絶縁層
を形成して金属箔張り多層板を作製し、ダイレクトレー
ザー加工により非貫通バイアホール用の穴を金属箔張り
多層板の絶縁層に形成するので、レーザー加工前に非貫
通バイアホールを形成する部分の金属箔を除去する必要
がなく、生産性や作業性を向上させることができるもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/24 CEZ C08J 5/24 CEZ H05K 3/00 H05K 3/00 N // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AA08 AB09 AB27 AD21 AD23 AD42 AD45 AE06 AG03 AK05 AK14 AL13 5E346 AA06 AA12 AA15 AA38 AA43 BB01 CC04 CC09 CC16 CC32 DD02 DD12 DD32 EE02 EE06 EE09 EE13 FF04 GG02 GG15 GG28 HH07 HH11 HH33

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層用回路板の表面に重ねて硬化させる
    ことにより絶縁層に形成されるプリプレグであって、厚
    みが60μm未満で、縦糸と横糸のいずれも通過しない
    部分が全クロス面積の10%以下であるガラスクロスに
    樹脂を含浸して成ることを特徴とするプリプレグ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプリプレグを内層用回
    路板の表面に重ねて硬化させることにより形成される絶
    縁層と、絶縁層の表面に形成される外層回路と、内層用
    回路板の回路と外層回路とを電気的に接続するために絶
    縁層に形成される非貫通バイアホールとを備えて成るこ
    とを特徴とする多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のプリプレグを内層用回
    路板の表面に重ねると共に内層用回路板の表面に重ねた
    プリプレグの表面に金属箔を重ね、これを加熱加圧する
    ことによってプリプレグを硬化させて絶縁層を形成し、
    内層用回路板に重ねた金属箔から外層回路を形成すると
    共に内層用回路板の回路と外層回路とを電気的に接続す
    るための非貫通バイアホールを絶縁層に形成することを
    特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 内層用回路板の表面に複数枚のプリプレ
    グを重ねるにあたって、プリプレグを1枚毎に90°回
    転させることを特徴とする請求項3に記載の多層プリン
    ト配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 内層用回路板の表面に重ねた複数枚のプ
    リプレグのうち、内層用回路板と接するプリプレグを他
    のプリプレグよりも樹脂量を大きくすることを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 縦糸及び横糸を構成するヤーンの平均フ
    ィラメント径が5μm以下であるガラスクロスを用いる
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の多
    層プリント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁層の厚みを30〜300μmに形成
    することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載
    の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 ガラスクロスに含浸する樹脂に無機充填
    材を配合して樹脂組成物を調製することを特徴とする請
    求項3乃至7のいずれかに記載の多層プリント配線板の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂組成物中の無機充填材の含有量が樹
    脂組成物の全量に対して80質量%以下であることを特
    徴とする請求項8に記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 非貫通バイアホール用の穴を炭酸ガス
    レーザーによるレーザー加工により形成することを特徴
    とする請求項3乃至9のいずれかに記載の多層プリント
    配線板の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のプリプレグを内層用
    回路板の表面に重ね、さらにそのプリプレグの表面に金
    属箔を重ね、これらを加熱加圧することによってプリプ
    レグを硬化させて絶縁層を形成して金属箔張り多層板を
    作製し、ダイレクトレーザー加工により非貫通バイアホ
    ール用の穴を金属箔張り多層板の絶縁層に形成すること
    を特徴とする請求項3乃至10のいずれかに記載の多層
    プリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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