JP2015073956A - 回転ドラム型磁気分離装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 液体から機械加工粉を効果的に除去することができる回転ドラム型磁気分離装置を提供する。
【解決手段】 磁気分離装置は、内部に液体を溜めうる液溜め部を有する本体と、該液溜め部に溜められた液体に少なくとも一部を浸漬させ液溜め部1aの底板3との間に所定の間隔を隔てて回転可能に配置された非磁性材料からなる回転ドラム4と、複数の磁石よりなる磁石層5が外周面に形成され回転ドラム4の内部に配置された内筒6とを備える。回転ドラム4の外周面と接触する液体中に含まれる磁性体を、磁石層5の磁力を用いて該液体中から分離回収する。磁性体の大きさに合わせて、回転ドラム4と液溜め部1aの底板3との間の磁場積を調整するよう構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体中に含まれる磁性体を磁力を用いて分離回収する回転ドラム磁気分離装置に関する。
機械加工用のクーラント又はオイルの中には、鉄系の機械加工粉が含まれている。オイル又はクーラントの中の切削屑等を磁力により除去する装置を、回転ドラム型磁気分離装置と呼んでいる。
例えば、図15は、特許文献1に開示されている回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラム4の内部構造の要部を拡大して説明する断面図を示している。この回転ドラム型磁気分離装置の概略構造は、図1に示す本発明の第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置Eと類似している。よって、図1における符号5を符号5Vに置き換えた上で、図1及び図15を参照しつつ特許文献1に開示されている回転ドラム型磁気分離装置について説明する。
図1及び図15に示すように、特許文献1に開示されている回転ドラム型磁気分離装置は、内部にクーラントなどの液体を溜め置く液溜め部1aが設けられた箱形の本体1を備えている。液溜め部1aを二分するように、本体1の中央部近傍に回転ドラム4が略水平方向に軸支されている。回転ドラム4は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる円筒体をなしている。そして、複数の第一の磁石51V及び第二の磁石52Vよりなる磁石層5Vが外周面に形成された内筒6が回転ドラム4の内部に同軸的に固定されている。図15に示すように、第一の磁石51Vは、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向外側にN極が向いている。第二の磁石52Vは、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向内側にN極が向いている。そして、内筒6の外周面の周方向に第一の磁石51Vと第二の磁石52Vとが交互に並べられて磁石層5Vが形成されている。
図15における磁力線Hに示されているように、この磁石層5Vは、回転ドラム4の外周面に所要の磁束を発生させるように形成されている。そして、磁石層5Vの磁力によって、クーラント中に含まれている切削屑W(図1参照)が回転ドラム4の外周面に磁着して、クーラントから切削屑Wを分離回収できるようになっている。クーラント中に含まれている切削屑Wを効率良く分離するためには、磁力が回転ドラム4の外周面からより遠くまで及ぶことが好ましい。そこで、一般に、内筒6は、磁性材料により形成されており、内筒6の半径方向内側よりも半径方向外側に向かう磁束が卓越するように構成されている。上記従来の回転ドラム型磁気分離装置を用いてクーラントから機械加工粉を除去してクーラントを再生して、機械加工にクーラントを繰り返し使用される。
特開2000−79353号公報
しかしながら、再生したクーラントを繰り返し使用していると、被加工品の加工精度が悪くなり、また被加工品の研削表面が粗くなる。この場合、砥石を短期間で取り替えたり砥石を目直ししたりする必要がある。また、被加工品の表面にシューマークが発生しやすくなる。シューマークは、被加工品とシューとの間に研磨粉が噛みこまれ、被加工品の表面に形成される傷のことである。このように、従来の回転ドラム型磁気分離装置で機械加工粉を除去したオイルを用いて機械加工を行うと、加工効率が低下してしまう。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、液体から機械加工粉を効果的に除去することができる回転ドラム型磁気分離装置を提供することを課題とする。
(1)本発明の回転ドラム型磁気分離装置は、内部に液体を溜めうる液溜め部を有する本体と、該液溜め部に溜められた液体に少なくとも一部を浸漬させ前記液溜め部の壁面との間に所定の間隔を隔てて回転可能に配置された非磁性材料からなる回転ドラムと、複数の磁石よりなる磁石層が外周面に形成され該回転ドラムの内部に配置された内筒とを備え、該回転ドラムの外周面と接触する液体中に含まれる磁性体を、該磁石層の磁力を用いて該液体中から分離回収する回転ドラム型磁気分離装置であって、前記磁性体の大きさに合わせて、前記回転ドラムと前記液溜め部の前記壁面との間の磁場積を調整するよう構成されていることを特徴とする。
本願発明者は、被加工品にシューマークの発生や加工精度の悪化の原因を調べていたところ、再生オイルに機械加工粉が残っており、これが加工部で攪乱を引き起こしているためであることが判明した。そこで、磁性体である機械加工粉の大きさに合わせて、回転ドラムと前記液溜め部の前記壁面との間の磁場積を調整するよう構成されていることで、再生オイルを用いた機械加工の加工精度が飛躍的に向上すると考えられる。
加工粉に及ぼす磁力は、加工粉の体積と、加工粉の磁化と、回転ドラム型磁気分離装置が発生する磁気勾配との積に比例する。加工粉の体積をV、加工粉の磁化をM、磁石層からの距離がxである部位での次回の強さをHとしたとき、回転ドラム型磁気分離装置が発生する磁気勾配はdH/dxで表される。磁石からの距離がxである部位での加工粉に及ぼす磁力Fは、以下の関係がある。
F=V・M・(dH/dx)・・・(1)
式(1)は、他の成分で表現することもできる。磁石の体積磁化率をχ、磁束密度をB透磁率をμ0、磁石層からの距離がxである部位での磁束をBとするとき、磁束密度の勾配はdB/dxであらわされる。
M・(dH/dx)=χB・(dH/dx)=χ/μ0・B・(dB/dx)・・・(2)
という関係がある。この中、磁場に関する項は、B・(dB/dx)である。B・(dB/dx)は、一般に磁場積と称されている。
磁気分離装置の回転ドラムと壁面との間には、液体が流通し得る液体通路が形成されている。液体流路での磁場積を、機械加工粉の大きさに合わせて調整することにより、効率よく機械加工粉を捕集することができる。
液体流路において、回転ドラムから最も離れた部位は、液体流路を挟んで回転ドラムと対面する壁面である。この壁面での磁場と磁気勾配が、加工粉除去率を高めるために重要である。
上記式(1)からわかるように、加工粉が小さくなると、加工粉に及ぼす磁力は小さくなる。例えば、加工粉が球であると仮定すると、加工粉の直径の3乗の逆数だけ、磁力が小さくなる。
図15に示す従来のネオジウム磁石磁気分離装置では、直径50μmの加工粉が約70%の捕集効率で捕捉されている。直径15μmの加工粉の体積は、直径50μmの加工粉の体積に対して1/37と小さくなる。従って、従来の磁気分離装置では、小さめの加工粉に及ぼす磁力が小さく、加工粉を液体から捕集することが困難である。直径15μmの加工粉を捕集するためには、直径50μmの加工粉を捕集するときに必要な磁力を37倍以上に大きくする必要がある。
加工粉に及ぼす磁力を大きくするには、加工粉の体積、加工粉の磁化、磁気勾配のいずれかを大きくする必要がある。この中、加工粉の体積Vと磁化Mは、加工粉側の要因である。磁力を高めるためには、装置側で決定される磁場積B・(dB/dx)の値を大きくする必要がある。
図15に示す磁石配列をもつ磁気分離装置で、ネオジウム磁石を用いた場合に、磁場積B・(dB/dx)は0.6T/mであった。上記のように直径15μmの加工粉を捕集するために、37倍以上の磁場積B・(dB/dx)が必要とされる。
0.6T/m×37=22.2T/m
このように、直径15μmの加工粉を捕集するためには、例えば、磁場積22.2T/m以上の磁場が必要とされる。回転ドラムと壁面との間の液体流路において、磁場積22.2T/m以上の磁場を発生させることで、加工粉の捕集率を高くすることができる。
15μmよりも小さい機械加工粉を捕集するためには、加工粉の体積Vが小さくなるため、22.2T/mよりも大きな磁場積が必要とされる。15μmを超えて大きい機械加工粉を捕集するためには、加工粉の体積Vが大きくなるため、22.2T/mよりも小さい磁場積でよい。
液体流路での磁場積を、機械加工粉の大きさに合わせて調整するために、例えば、回転ドラム型磁気分離装置が発生する磁気勾配dH/dxを調整する。特に、回転ドラム型磁気分離装置が発生する磁界の強さHを調整するとよい。具体的には、回転ドラム型磁気分離装置に設けられている磁石の磁化、配列、大きさ、形状、磁石層と液体流路との距離などを調整する。
また、加工粉に及ぼす磁力に影響するのは、加工粉の大きさだけでなく、加工粉の磁化Mも影響する。加工粉である磁性体の大きさだけでなく、磁性体の磁化Mも考慮して、回転ドラムと壁面との間の磁場積を調整するとよい。磁性体の磁化Mが小さい場合には、回転ドラムと壁面との間の磁場積を大きくし、磁性体の磁化Mが大きい場合には、磁場積を小さくすることがよい。
(2)前記回転ドラムと対向する前記壁面における磁場積を、前記磁性体を捕集し得る程度の磁場積以上とするよう構成されていることが好ましい。回転ドラムと対向する壁面は、回転ドラムと壁面との間の液体流路の中でも、回転ドラムから最も離れており、液体流路の中でも磁場積が最も小さい部位である。回転ドラムと対向する壁面における磁場積を、磁性体を捕集し得る程度の磁場積以上とすることで、回転ドラムと壁面との間の液体流路全体での磁場積を、磁性体を捕集し得る磁場積以上とすることができる。ゆえに、磁性体である機械加工粉を効率よく捕集することができる。
(3)前記磁石層は、前記内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向外側にN極が向いた複数の第一の磁石と、各該第一の磁石間に配置され該内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向内側にN極が向いた複数の第二の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の一方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第三の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の他方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第四の磁石と、が該内筒の周方向にハルバッハ配列で並ぶことにより形成されていることが好ましい。
ハルバッハ配列は、回転ドラムから離れた壁面近傍の液体流路において、図15に示す従来の磁石配列の装置よりも、遙かに高い磁場積をもつ磁場を形成することができる。
この磁石層においては、第一の磁石のN極側から磁力線Hが外へ出て、この磁力線Hが第二の磁石のS極側に入り込むようになっている。第一の磁石、第三の磁石及び第四の磁石の各N極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されており、また、第二の磁石、第三の磁石及び第四の磁石の各S極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されている。これにより、各磁石から外に出る磁束、及び各磁石に入り込む磁束を、それぞれ著しく増大させることができる。このため、磁石層では、磁力を回転ドラムの外周面からより遠くまで及ぼすことが可能となっている。
(4)前記第一の磁石と前記第二の磁石とが互いに周方向で同じ幅HAをもち、前記第三の磁石と前記第四の磁石とが互いに周方向で同じ幅HBをもち、前記各第三の磁石と前記各第四の磁石の周方向の幅HBに対する、前記各第一の磁石と前記各第二の磁石の周方向の幅HAの比率(HA/HB)は、1/4以上であることが好ましい。
内筒の半径方向にNS極を配置した第一、第二の磁石の周方向の幅HAは、第三、第四の磁石の周方向の幅HBに対して大きいほど、出力され又は入力される磁束線が多くなる。磁束線が多くなるほど、回転ドラムと壁面との間の液体流路での磁場積を大きくすることができる。
(5)前記第一の磁石と前記第二の磁石と前記第三の磁石と前記第四の磁石は、前記内筒の半径方向の厚みが、互いに同じであることが好ましい。
この場合には、第一、第二の磁石の径方向外側の表面を回転ドラムに近接させることができる。ゆえに、回転ドラムと壁面との間の液体流路での磁場積を大きくすることができる。
(6)前記第一の磁石、前記第二の磁石の径方向の長さに対する、前記第一の磁石、前記第二の磁石の周方向の幅の比率が0.8以上であることが好ましい。この場合には、第一、第二の磁石から発する磁力の磁束密度が大きくなり、液体中から機械加工粉を効率よく除去することができる。
(7)前記第三の磁石、前記第四の磁石の径方向の長さに対する、前記第三の磁石、前記第四の磁石の周方向の幅の比率が0.8以上であることが好ましい。この場合には、第三、第四の磁石から発する磁力の磁束密度が大きくなり、液体中から機械加工粉を効率よく除去することができる。
(8)前記第一の磁石、前記第二の磁石、前記第三の磁石及び前記第四の磁石の各形状は同一であることが好ましい。各磁石の形状が同じであるため、各磁石の磁化前までの製造工程を同じとすることができ、装置の製作性に優れる。
本発明の回転ドラム型磁気分離装置によれば、磁性体である機械加工粉の大きさに合わせて、回転ドラムと液溜め部の壁面との間の磁場積を調整するよう構成されている。このため、機械加工粉を液体から効果的に除去して、加工効率の高い再生液を得ることができる。
第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置を回転ドラムの回転軸に直交する面で切断した断面図である。 第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造を説明する断面図である。 第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の内筒の斜視図である。 第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図である。 第一実施形態の磁石層の断面説明図である。 第二実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図である。 第一実施形態の第一、第二の磁石の周方向の幅を変化させたときの、底板近傍での磁場積を示す説明図である。 参考例1の磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図である。 実施例1と参考例1の磁気分離装置における、底板近傍での磁場積を示す説明図である。 研削加工の方法を示すための説明図である。 比較例1の研削加工の経過時間と被加工品の真円度との関係を示す線図である。 実施例1の研削加工の経過時間と被加工品の真円度との関係を示す線図である。 比較例1と実施例1の切削屑捕集率を示す図である。 比較例1及び実施例1での、シューマークの発生数を示す図である。 従来の回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図である。
本発明の実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置について詳細に説明する。
図1〜図5に基づき、本発明の第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置Eは、本体1と、整流板2と、底板3と、回転ドラム4と、磁石層5と、内筒6と、絞りローラ7と、スクレーパ90と、シュート9と、電動モータ10とを備えている。本体1は箱形を呈しており、内部にクーラント(液体)を溜め置く液溜め部1aが設けられている。本体1の図1中の右方には、使用済みのクーラントを本体1内に流入させる流入口1bが形成されており、本体1の図1中の左下方には、切削屑W(磁性体)が除去されたクーラントを本体1内から流出させる流出口1cが形成されている。
整流板2は、本体1内の上方から液溜め部1aに向けて垂下した板部材である。流入口1bから本体1内に流入したクーラントは、整流板2に当たることにより流速が減衰して、液溜め部1aに流下する。底板3は、液溜め部1aの底面を形成する板部材である。図1に示すように、底板3は、回転ドラム4と所定の間隔を隔てて、回転ドラム4の外周の約1/3を下方から覆うように配設されている。磁石層3の外周を覆う回転ドラム4の外周面から底板3の底面までの間の距離は、クーラントを流すのに十分な寸法である。回転ドラム4と底板3との間には、クーラントを流通させる液体流路が形成されている。
回転ドラム4は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる円筒体をなしている。回転ドラム4は、液溜め部1aを二分するように、また、回転ドラム4の下半分がクーラント中に浸漬するように、本体1の中央部近傍に略水平方向に軸を向けて配置されている。回転ドラム4は、電動モータ10を動力源として中心軸Cの周りに図1中の反時計回り(左回り)に回転可能とされている。
外周面に磁石層5が形成された内筒6が回転ドラム4の内部に同軸的に固定されている。内筒6は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる円筒体をなしている。回転ドラム4の内周面と磁石層5の外周面との間には、回転ドラム4の回転中に、回転ドラム4の内周面と磁石層5の外周面とが接触しない程度の隙間が設けられている。
磁石層5は、回転ドラム4の液溜め部1aに浸漬する部分から頂上部までの間、すなわち、回転ドラム4の外周の約3/4に相当する部分に対応する内筒6の外周面に形成されている。したがって、磁石層5の磁力は、回転ドラム4の外周の約3/4に相当する部分にのみ作用して、回転ドラム4の外周面近傍に所要の磁束を発生させる。内筒6の外周面のうち残りの約1/4に相当する部分には、磁石層5が形成されておらず、磁力が作用しないように構成されている。磁石層5の構成については後ほど詳述する。
回転ドラム4の頂上部近傍には、ゴム等の弾性体を表面に配してある絞りローラ7が設
けられている。絞りローラ7は、所定の押圧で回転ドラム4の外周面に当接している。回転ドラム4の外周面に磁着したクーラント中の切削屑Wは、回転ドラム4の回転に伴って回転ドラム4の頂上部に向けて搬送される。そして、回転ドラム4の外周面に磁着した切削屑Wが回転ドラム4と絞りローラ7との間を通過することにより、切削屑Wに含まれている液分が絞り取られる。
スクレーパ90は、磁石層5の磁力が作用していない回転ドラム4の外周面に当接するように設けられている。絞りローラ7により液分が絞り取られた切削屑Wは、回転ドラム4の回転に伴って回転ドラム4の頂上部を通過して、頂上部を通過した時点で磁石層5の磁力から徐々に開放される。そして、回転ドラム4の回転に伴って、回転ドラム4の外周面に付着している切削屑Wがスクレーパ90により掻き取られた後、切削屑Wは、スクレーパ90の下方に設けられたシュート9を滑落して回収される。
図2〜4に基づき、磁石層5の構成について詳述する。図2に示すように、磁石層5の1列は、4個の第一の磁石51と、4個の第二の磁石52と、4個の第三の磁石53と、4個の第四の磁石54と、1個の第五の磁石55とが内筒6の外周面の周方向に部分円弧状にハルバッハ配列で並ぶことにより形成されている。ここで、図2に示されている1個の第三の磁石53及び1個の第四の磁石54は、図3に示すように、それぞれ内筒6の中心軸C平行方向に並べられた3個の分割片よりなる。本説明において、1個の第三の磁石53及び1個の第四の磁石54とは、それぞれ3個の分割片が1セットとして並べられた状態のことを言う。図3に示すように、磁石層5全体は、上記の1列の磁石層5が内筒6の中心軸C平行方向に6列並んで配置されることにより形成されている。各磁石51〜54はネオジウム磁石である。
図2中に記載されているN及びSの符号は、それぞれN極及びS極の位置を示している。図2に示すように、第一の磁石51は、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向外側にN極が向いている。第二の磁石52は、各第一の磁石51間に配置され内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向内側にN極が向いている。第三の磁石53は、第一の磁石51と第二の磁石52との間に配置され内筒6の周方向を磁極方向とし周方向の一方側(図2中の時計回り側)かつ第一の磁石51側にN極が向いている。第四の磁石54は、第一の磁石51と第二の磁石52との間に配置され内筒6の周方向を磁極方向とし周方向の他方側(図2中の反時計回り側)かつ第一の磁石51側にN極が向いている。第五の磁石55は、第一の磁石51と同様に、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向外側にN極が向いている。
図2に示すように、第一の磁石51、第二の磁石52、第三の磁石53及び第四の磁石54の各断面形状は同一であり、円形のリングを円形の中心から均等角度で放射状に切ったような断面形状を呈している。したがって、これらの磁石は、磁石層5が部分円弧状に組み上がった状態で、磁石層5から任意の磁石を内筒6の半径方向外側に抜き取ることが可能な断面形状を呈している。第五の磁石55の断面形状は、図2中の反時計回りに厚さが徐々に薄くなっていく形状を呈している。
磁石層5の1列は、図2中の反時計回りに、第一の磁石51、第三の磁石53、第二の磁石52、第四の磁石54の順番でこれら4種類の磁石が4回繰り返して配置された後、繰り返し末端の第四の磁石54の隣に第五の磁石55が配置されることにより形成されている。第五の磁石55の厚さが徐々に薄くなっていることにより、回転ドラム4の外周面近傍に作用する磁力が、回転ドラム4の頂上部を図2中の反時計回りに通過した時点で徐々に弱まるようになっている。
図4における磁力線Hに示されているように、磁石層5においては、第一の磁石51のN極から磁力線Hが外へ出て、この磁力線Hが第二の磁石52のS極に入り込むようになっている。図4に示すように、第一の磁石51、第三の磁石53及び第四の磁石54の各N極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されており、また、第二の磁石52、第三の磁石53及び第四の磁石54の各S極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されている。これにより、磁石層5から外に出る磁束、及び磁石層5に入り込む磁束を、それぞれ著しく増大させることができる。このため、磁石層5では、磁力を回転ドラム4の外周面からより遠くまで及ぼすことが可能となっている。なお、ハルバッハ配列の磁石層5は、内筒6の材質に係わらず、内筒6の半径方向外側に向かう磁束が強く、内筒6の半径方向内側には磁束がほとんど形成されないという特徴がある。
図2及び図3に示すように、第一の磁石51、第二の磁石52、及び第五の磁石55は、内筒6の外周面に固定されている。一方、第三の磁石53及び第四の磁石54は、内筒6の外周面に固定されていない。第三の磁石53及び第四の磁石54は、それぞれ第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢されている。したがって、磁石層5が組み上がった状態において、第三の磁石53及び第四の磁石54は、第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により、内筒6の半径方向外側に脱落することがないように保持されている。
磁石層5の1列の形成は、次のように行う。まず、第一の磁石51、第二の磁石52、及び第五の磁石55を内筒6の外周面に固定する(図3参照)。そして、それぞれ3個の分割片が1セットとして並べられた第三の磁石53及び第四の磁石54を、第一の磁石51と第二の磁石52との間、及び第二の磁石52と第五の磁石55との間に挿入していく。このとき、内筒6の外周面に第三の磁石53及び第四の磁石54を接触させた状態で、第三の磁石53及び第四の磁石54をスライドさせつつ、内筒6の中心軸C平行方向から所定の組み付け位置に挿入する(図3参照)。この1列の磁石層5の形成を6回繰り返して行い、磁石層5全体を形成する。
第三の磁石53及び第四の磁石54の組み付け中及び組み付け完了後に、第三の磁石53及び第四の磁石54が、それぞれ第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢される作用について説明する。例えば、図4の中央に示されている第三の磁石53に作用する磁気的作用力を考える。第三の磁石53とこれに隣接する第一の磁石51とは、内筒6の半径方向外側の点P1において同極同士で反発し合い、内筒6の半径方向内側の点Q1において異極同士で引き合う。したがって、第三の磁石53には、第一の磁石51から反時計回りのモーメントM1が作用する。一方、第三の磁石53とこれに隣接する第二の磁石52とは、内筒6の半径方向外側の点P2において同極同士で反発し合い、内筒6の半径方向内側の点Q2において異極同士で引き合う。したがって、第三の磁石53には、第二の磁石52から時計回りのモーメントM2が作用する。
よって、第三の磁石53に作用する反時計回りのモーメントM1と時計回りのモーメントM2とが相殺されることにより、第三の磁石53の回転は起こらない。また、第三の磁石53が隣接する第一の磁石51から受ける反発力と、第三の磁石53が隣接する第二の磁石52から受ける反発力とが相殺されて、第三の磁石53は、回転することなく、第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力による吸引力により内筒6に当接するように付勢される。第四の磁石54とこれに隣接する第一の磁石51及び第二の磁石52との磁気的作用力についてもこれと同様に作用する。
このような本実施形態の構成によれば、内筒6の半径方向を磁極方向とする複数の第一の磁石51及び第二の磁石52と、内筒6の周方向を磁極方向とする複数の第三の磁石53及び第四の磁石54とが、ハルバッハ配列で並ぶことにより内筒6の外周面に磁石層5が形成されている。そして、第三の磁石53及び第四の磁石54は、第三の磁石53及び第四の磁石54に先行して内筒6に固定されている第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢されている。
したがって、内筒6の周方向に並んだ複数の磁石51、53、52、54、55のうち一個おきに配置された磁石51、52、55を内筒6に固定すればよいため、磁石の固定箇所数が少ないことにより内筒6への磁石の組み付け構造が簡素である。また、磁石の固定箇所数が少ないことにより磁石の組み付け手間が少ない。また、内筒6の周方向に並べる複数の磁石51、53、52、54、55のうち一個おきに配置される磁石51、52、55を先行して内筒6に固定するため、先行して固定する磁石同士の離隔が確保できる分、磁石同士の磁力による反発力及び吸引力が小さい。このため、磁石の組み付けを容易に行うことが可能である。
第一実施形態において、図5に示すように、第一、第二の磁石51、52の周方向の幅は互いに同じHAとし、第三、第四の磁石53、54の径方向中央部分の周方向の幅は互いに同じHBとした。周方向の幅HA、HBは、各磁石の周方向の平均幅をいい、各磁石の径方向の中央部分での周方向の幅に等しい。
第一〜第四の磁石51〜54の径方向の長さRはいずれも同じとした。いずれの磁石も、径方向の長さRに対する周方向の幅HA又はHBの比率(HA/R、HB/R)は、1であり、略正方形断面形状を呈している。第一〜第四の磁石51〜54の断面形状は、正確には、径方向外側に向けて周方向の幅が徐々に拡大する扇形状を呈している。第一〜第四の磁石51〜54を1組の磁石群とする。
各磁石は、ネオジウム磁石である。捕集対象の大きさに合わせて、回転ドラム4と液溜め部1aの底板3との間の磁場積を調整するように設定されている。具体的には、回転ドラム3と対向する底板3での磁場積が、捕集対象を捕集し得る程度の磁場積以上としている。捕集対象は、磁性体である機械加工粉である。磁石層5と底板3との距離がxであり、回転ドラム4と対向する底板3表面における磁束密度をB、磁気勾配をdB/dxとしたときに、底板3表面での磁場積は、B・(dB/dx)で表される。
<第二実施形態>
本実施形態は、第一実施形態における磁石層5を磁石層5Kに変更した実施形態である。図6に本実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図を示す。本実施形態において第一実施形態と同様の構成部品については同一の符号を付してある。図6に示す回転ドラム4及び内筒6の構成については、第一実施形態において説明したとおりであるため、説明を省略し、以下、磁石層5Kの構成について詳述する。
磁石層5Kを構成する磁石の個数及び配列は、第一実施形態における磁石層5と同様である。図6に示すように、磁石層5Kの1列には、内筒6の外周面の周方向に部分円弧状にハルバッハ配列で並んだ複数の第一の磁石51Kと、複数の第二の磁石52Kと、複数の第三の磁石53Kと、複数の第四の磁石54Kとが含まれている。
図6に示す本実施形態における第一の磁石51K、第二の磁石52K、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kと、図4に示した第一実施形態における第一の磁石51、第二の磁石52、第三の磁石53及び第四の磁石54とを、それぞれ対比すると、磁極方向及びN極の向きは等しく、形状のみが異なっている。
第一の磁石51K及び第二の磁石52Kの断面形状は同一であり、円形のリングをリングの内周側の周長が外周側の周長よりも短い略台形状に切ったような断面形状を呈している。第三の磁石53K及び第四の磁石54Kの断面形状は同一であり、円形のリングをリングの内周側の周長が外周側の周長よりも長い略台形状に切ったような断面形状を呈している。
第三の磁石53K及び第四の磁石54Kは、磁石層5Kが部分円弧状に組み上がった状態で、第一の磁石51Kと第二の磁石52Kとの間から内筒6の半径方向外側に抜き取ることが不可能な断面形状を呈している。このように第三の磁石53K及び第四の磁石54Kを内筒6の半径方向外側に抜き取ろうとしたときに、隣接する第一の磁石51K及び第二の磁石52Kと引っ掛かる部位は、本発明における引っ掛かり部に相当する。すなわち、本実施形態においては、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kの略台形状の断面形状の斜辺部分が本発明における引っ掛かり部に相当する。磁石層5Kの形成方法は、第一実施形態における磁石層5と同様であるため説明を省略する。
図6における磁力線Hに示されているように、磁石層5Kにおいては、第一実施形態と同様に、第一の磁石51KのN極から磁力線Hが外へ出て、この磁力線Hが第二の磁石52KのS極に入り込むようになっている。また、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kは、第一実施形態と同様に、それぞれ第一の磁石51K及び第二の磁石52Kの磁力により内筒6に当接するように付勢されている。この付勢力を生み出す磁気的作用力については第一実施形態で説明したとおりであるため説明を省略する。
第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、第一、第二の磁石51K、52Kの周方向の幅HAが、第三、第四の磁石53K、54Kの周方向の幅HBと同じであり、これらの磁石51K、52K、53K、54Kの径方向の長さRが同じである。その他、第一実施形態と同様の構成を有する。
<その他の実施形態>
本発明の回転ドラム型磁気分離装置は、上述した第一及び第二実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、第一及び第二実施形態においては、第一の磁石51、51K、及び第二の磁石52、52Kの周方向の幅HAと、第三の磁石53、53K、及び第四の磁石54、54Kの周方向の幅HBの比率(HA/HB)を1としているが、1以外の比率であってもよい。HA/HBの下限は、0.8であることが好ましい。HA/HBの下限が過小の場合には、底板近傍での磁場積が小さすぎ、加工粉の捕集率が低下するおそれがある。HA/HBの上限が大きい場合には、周方向に配列する磁石群のインターバルが長くなり、加工粉の捕集機会が低下するおそれがある。
磁石の半径方向の長さRに対する磁石の周方向の幅HA、HBの比率(HA/R、HB/R)は、それぞれ1に近いことがよい。即ち、磁石の断面形状は略正方形に近いことが好ましい。この場合には、比較的小さい磁石で底板付近での磁場積を大きくすることができる。
また、第一及び第二実施形態においては、磁石はネオジウム磁石を用いているが、その他、例えば、フェライト磁石などを用いることも出来る。
第二実施形態においては、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kの略台形状の断面形状の斜辺部分が本発明における引っ掛かり部に相当し、この引っ掛かり部が隣接する第一の磁石51K及び第二の磁石52Kと引っ掛かる構成としている。しかし、引っ掛かり部の形状はこれに限定されず、例えば、第三の磁石及び第四の磁石に、隣接する第一の磁石及び第二の磁石に向けて突出する凸部を設け、この凸部が第一の磁石及び第二の磁石に形成された凹部に嵌合する構成とすることもできる。
また、第一実施形態においては、第三の磁石53及び第四の磁石54は、第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により、内筒6の半径方向外側に脱落することがないように保持されている。また、第二実施形態においては、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kは、第一の磁石51K及び第二の磁石52Kの磁力と、第一の磁石51K及び第二の磁石52Kとの引っ掛かりとにより、内筒6の半径方向外側に脱落することがないように保持されている。このような第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの保持構成に対して、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの脱落をより確実に防止するための更なる構成を追加することもできる。
例えば、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kを、これらの磁石の組み付け中は硬化することなく、組み付け完了後に硬化する接着剤により内筒6の外周面に接着することもできる。この場合、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの挿入に先立って、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの少なくとも内筒6の外周面に接触する表面に、上記の接着剤を塗布しておく。
このような構成によれば、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kは、第一の磁石51、51K及び第二の磁石52、52Kの磁力により内筒6に当接するように付勢されているため、治具を用いることなく、接着剤が硬化するまで第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kを内筒6の所定の組み付け位置に保持することができる。また、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの組み付け中は接着剤が硬化しないため、磁石の位置決め時間に余裕がある。よって、磁石の組み付けを容易に行うことができる。また、ゆっくり硬化する接着剤としては、瞬間接着剤よりも、高接着力のものを使用することができる。このため、磁石の組み付け作業性の低下を招くことなく、磁石層5、5Kを構成する全ての磁石を内筒6の外周面に強固に固定することができる。
図4に示した第一実施形態のハルバッハ配列の磁石層5をもつ回転ドラム型磁気分離装置について、回転ドラム4と対面する底板3近傍での磁場積を求めた。磁場積を求めるにあたって、第一、第二の磁石51、52の周方向の幅を変化させた。
第三、第四の磁石53、54の周方向の幅HBをLと一定にした。第一〜第四の磁石51〜54の径方向の長さRを、第三、第四の磁石53、54の周方向の幅HBと同じLと一定にした。第三、第四の磁石53、54の周方向の幅HBに対する、第一、第二の磁石51、52の周方向の幅HAの比率(HA/HB)を、0.5L、0.75L、L、1.25L、1.5Lと変化させた。回転ドラム4と対面する底板3近傍での磁場積B・(dB/dx)を表1及び図7に示した。
表1、図7に示すように、第一、第二の磁石51、52の周方向の幅HAが大きくなるにつれて、磁場積が大きくなっていった。
また、各磁石の周方向の幅と径方向の長さとが等しいとき、即ち略正方形断面に近づくに連れて、加工粉を回収し得る程度の強さの磁束密度を維持しつつ、かつ、周方向の磁石の配列数を増やすことができる。回転ドラム4の周方向に短いピッチで第一〜第四の磁石51〜54を一群とする磁石群を多数繰り返して配置することができる。このため、前の磁石群で捕集し損なった加工粉を次の磁石群で捕集することができ、捕集機会が増えて、更に加工粉の捕集効率が高くなる。
また、第一〜第四の磁石51〜54の周方向の幅がすべて同じで、径方向の長さも全て同じ場合には、これらの磁石がすべて同じ形状で同じ大きさとなる。このため、磁化する前までの各磁石の製造を同一工程で行うことができ、装置の製造工数を削減できる。
Figure 2015073956
<参考例1>
本参考例においては、図8に示すように、磁石層5Wを構成する各磁石がハルバッハ配列で配列している点は、第一実施形態と同様である。第一、第二磁石51W、52Wの周方向の幅HAが0.2Lであり、径方向の長さRAが0.4Lである。第三、第四の磁石53W、54Wの周方向の幅HBは0.8Lであり、径方向の長さRBはLである。第一、第二の磁石51W、52Wの径方向外側には、第三、第四の磁石53W、54Wの間に、SPCCで構成されているヨーク55Wが挟設されている。その他は、第一実施形態と同様である。
第一実施形態は、図5に示すように、第一、第二、第三、第四の磁石51、52、53、54の周方向の幅HA、HBはいずれもLとし、径方向の長さRはいずれもLとして、これを実施例1とした。この実施例1と、図8に示す参考例1について、底板の近傍での磁場積を、図9に示した。
磁石層表面から底板の間のどの距離の地点においても、実施例1の方が、参考例1よりも磁場積が大きかった。図9に示すように、底板の近傍での磁場積についても、実施例1の方が、参考例1よりも3.4倍程度大きかった。
Figure 2015073956
図4に示した第一実施形態のハルバッハ配列の磁石層5をもつ磁気分離装置を実施例1、図15に示した通常配列の磁石層5Vをもつ磁気分離装置を比較例1とした。実施例1及び比較例1の磁気分離装置を用いて、使用後のクーラントから機械加工粉を除去した。図10に示すように、機械加工粉を除去したクーラントを用いて、被加工品89を回転させて、砥石8により研削加工を行った。被加工品89は略円柱形状の鋼材であり、図略の回転台に回転可能に支持させた。回転する被加工品89の周面は、2カ所でシュー85、86に支持され、他の箇所で回転する砥石8により研削加工される。被加工品89の軸中心xは、被加工品89の回転中心yと適宜オフセットした位置にあり、被加工品89が回転すると、シュー85、86側に吸い込み力が働く。被加工品89がシュー85、86に押し付けられることで、シュー85、86によって被加工品89が保持される。研削加工される被加工品89の周面は、連続的にクーラントが供給されて、研削点を冷却している。砥石8の内周面8aは回転保持具84で保持されている。
新品の砥石8と被加工品89とを回転させながら、被加工品の軸方向の位置を移動させて、被加工品の研削加工を行った。被加工品を連続的に砥石で研削した。研削経過時間に対する被加工品の真円度を測定した。真円度は、被加工品が真円であると仮定したときに、研削後の被加工品の真円からの径方向の誤差をいう。真円度が0(ゼロ)のときには、研削後の被加工品は真円である。真円度が大きくなるほど、研削後の被加工品の寸法誤差が大きくなる。真円度8.0μmは、砥石を目直しをする目安である。目直し直後の砥石の使用開始から目直しまでの期間を、ドレスインターバルという。
図11、図12は、それぞれ比較例1、実施例1の磁気分離装置により機械加工粉を除去したクーラントを用いて、同条件で研削加工を行ったときの被加工品の真円度を示す。各図のデータにおいて、n=2とした。
比較例1では、被加工品の真円度は徐々に大きくなり、120分後に真円度が8.0μmに近づいた。比較例1のドレスインターバルは120分であった。
これに対して、実施例1では、被加工品の真円度は、目直し直後からほぼ安定に一定の低い値を維持した。180分経過後に、真円度が8.0μmとなり、ドレス直前の状態となった。
また、図4に示す実施例1と、図15に示す比較例1の磁気分離装置で、使用後のクーラントから切削屑を捕集した。捕集された切削屑のうち、材質:SUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)、所定の粒子径の切削屑の捕集率を調査した。所定の粒子径の切削屑の捕集率は、クーラント中に存在する所定の粒子径の切削屑全体を100%としたときに、該切削屑のうちの捕集された該切削屑の割合(百分率)である。その結果を図13に示した。
図13に示すように、実施例1の磁気分離装置は、比較例1の磁気分離装置に比べて、所定の粒子径の切削屑の捕集率が格段に高かった。このため、砥石8のドレスインターバルが格段に長くなったと考えられる。
また、実施例1及び比較例1の磁気分離装置を用いて、使用後のクーラントから機械加工粉を除去して、クーラントを再生した。再生したクーラントを用いて、図10に示すように、被加工品の研削加工を行った。1日当たりの使用時間を16時間としたときの1ヶ月使用後のシューマーク発生回数を記録した。その結果を図14に示した。比較例1では、6個のシューマークが発生した。これに対して、実施例1では、シューマークは発生しなかった。
この結果から、実施例1の磁気分離装置では、ハルバッハ配列の磁石層5は、回転ドラム4の外周面から離れた位置に存在している切削屑Wを、効率良く回転ドラム4の外周面に磁着させることができることが立証された。
よって、液体流路を流通するクーラント中の切削屑の大きさに合わせて、回転ドラムと液溜め部の底板との間の磁場積を調整することで、切削屑を効果的に捕集でき、砥石のドレスインターバルを長くすることができる。
1a … 液溜め部 3 … 底板
4 … 回転ドラム 5、5K … 磁石層
51、51K … 第一の磁石 52、52K … 第二の磁石
53、53K … 第三の磁石 54、54K … 第四の磁石
6 … 内筒
C … 中心軸 E … 回転ドラム型磁気分離装置
N … N極 S … S極
W … 切削屑(磁性体)

Claims (8)

  1. 内部に液体を溜めうる液溜め部を有する本体と、該液溜め部に溜められた液体に少なくとも一部を浸漬させ前記液溜め部の壁面との間に所定の間隔を隔てて回転可能に配置された非磁性材料からなる回転ドラムと、複数の磁石よりなる磁石層が外周面に形成され該回転ドラムの内部に配置された内筒とを備え、該回転ドラムの外周面と接触する液体中に含まれる磁性体を、該磁石層の磁力を用いて該液体中から分離回収する回転ドラム型磁気分離装置であって、
    前記磁性体の大きさに合わせて、前記回転ドラムと前記液溜め部の前記壁面との間の磁場積を調整するよう構成されていることを特徴とする回転ドラム型磁気分離装置。
  2. 前記回転ドラムと対向する前記壁面における磁場積を、前記磁性体を捕集し得る程度の磁場積以上とするよう構成されている請求項1記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  3. 前記磁石層は、前記内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向外側にN極が向いた複数の第一の磁石と、各該第一の磁石間に配置され該内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向内側にN極が向いた複数の第二の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の一方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第三の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の他方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第四の磁石と、が該内筒の周方向にハルバッハ配列で並ぶことにより形成されている請求項1又は2に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  4. 前記第一の磁石と前記第二の磁石とが互いに周方向で同じ幅HAをもち、前記第三の磁石と前記第四の磁石とが互いに周方向で同じ幅HBをもち、前記各第三の磁石と前記各第四の磁石の周方向の幅HBに対する、前記各第一の磁石と前記各第二の磁石の周方向の幅HAの比率(HA/HB)は、1/4以上である請求項3記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  5. 前記第一の磁石と前記第二の磁石と前記第三の磁石と前記第四の磁石は、前記内筒の半径方向の厚みが、互いに同じである請求項3又は4に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  6. 前記第一の磁石、前記第二の磁石の径方向の長さに対する、前記第一の磁石、前記第二の磁石の周方向の幅の比率が0.8以上である請求項3〜5のいずれか1項に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  7. 前記第三の磁石、前記第四の磁石の径方向の長さに対する、前記第三の磁石、前記第四の磁石の周方向の幅の比率が0.8以上である請求項3〜6のいずれか1項に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  8. 前記第一の磁石、前記第二の磁石、前記第三の磁石及び前記第四の磁石の各形状は同一である請求項3〜7のいずれか1項に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
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