JP2013252498A - 回転ドラム型磁気分離装置及びその組立方法 - Google Patents

回転ドラム型磁気分離装置及びその組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の磁石がハルバッハ配列で並んだ磁石層が外周面に形成され回転ドラムの内部に配置された内筒を備える回転ドラム型磁気分離装置において、内筒への磁石の組み付け構造が簡素であると共に、磁石の組み付けを容易に行うことが可能な回転ドラム型磁気分離装置及びその組立方法を提供する。
【解決手段】内筒6の半径方向を磁極方向とする複数の第一の磁石51及び第二の磁石52と、内筒6の周方向を磁極方向とする複数の第三の磁石53及び第四の磁石54とが、ハルバッハ配列で並ぶことにより内筒6の外周面に磁石層5が形成されている。そして、第三の磁石53及び第四の磁石54は、第三の磁石53及び第四の磁石54に先行して内筒6に固定されている第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体中に含まれる磁性体を磁力を用いて分離回収する回転ドラム型磁気分離装置及びその組立方法に関する。
金属材料、特に鉄鋼材料等の磁性材料の切削加工や研削加工に際して、切削や研削を行う工作機械に使用されるクーラント(液体)には、工作機械から流出される際に切削屑等の磁性体が含まれている。近年の産業界ではリサイクル性の向上のために、クーラント中の切削屑等を分離回収してクーラントを清浄化した後、クーラントを再利用することが行われている。従来、クーラント中の切削屑等を効率良く分離回収するために、回転ドラム型磁気分離装置が用いられている。
例えば、図7は、特許文献1に開示されている回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラム4の内部構造の要部を拡大して説明する断面図を示している。この回転ドラム型磁気分離装置の概略構造は、図1に示す本発明の第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置Eと類似している。よって、図1における符号5を符号5Vに置き換えた上で、図1及び7を参照しつつ特許文献1に開示されている回転ドラム型磁気分離装置について説明する。
図1及び7に示すように、特許文献1に開示されている回転ドラム型磁気分離装置は、内部にクーラントを溜め置く液溜め部1aが設けられた箱形の本体1を備えている。液溜め部1aを二分するように、本体1の中央部近傍に回転ドラム4が略水平方向に軸支されている。回転ドラム4は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる円筒体をなしている。そして、複数の第一の磁石51V及び第二の磁石52Vよりなる磁石層5Vが外周面に形成された内筒6が回転ドラム4の内部に同軸的に固定されている。図7に示すように、第一の磁石51Vは、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向外側にN極が向いている。第二の磁石52Vは、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向内側にN極が向いている。そして、内筒6の外周面の周方向に第一の磁石51Vと第二の磁石52Vとが交互に並べられて磁石層5Vが形成されている。
図7における磁力線Hに示されているように、この磁石層5Vは、回転ドラム4の外周面に所要の磁束を発生させるように形成されている。そして、磁石層5Vの磁力によって、クーラント中に含まれている切削屑W(図1参照)が回転ドラム4の外周面に磁着して、クーラントから切削屑Wを分離回収できるようになっている。クーラント中に含まれている切削屑Wを効率良く分離するためには、磁力が回転ドラム4の外周面からより遠くまで及ぶことが好ましい。そこで、一般に、内筒6は、磁性材料により形成されており、内筒6の半径方向内側よりも半径方向外側に向かう磁束が卓越するように構成されている。
特許文献2には、上述した磁石層5Vを、複数の磁石がハルバッハ配列に並んだ磁石層5Wに変更することにより、磁力が回転ドラムの外周面からより遠くまで及ぶ回転ドラム型磁気分離装置が開示されている(図8参照)。通常配列の磁石層5Vとハルバッハ配列の磁石層5Wとが等しい体積(磁石使用量)である場合、磁石層5Wは、磁石層5Vよりも遠くまで磁力を及ぼすことができる。この回転ドラム型磁気分離装置において、磁石層5Wは、複数の第一の磁石51Wと、複数の第二の磁石52Wと、複数の第三の磁石53Wと、複数の第四の磁石54Wと、複数のヨーク55Wとよりなる。
第一の磁石51Wは、内筒の半径方向を磁極方向とし半径方向外側にN極が向いている。第二の磁石52Wは、各第一の磁石51W間に配置され内筒の半径方向を磁極方向とし半径方向内側にN極が向いている。第三の磁石53Wは、第一の磁石51Wと第二の磁石52Wとの間に配置され内筒の周方向を磁極方向とし周方向の一方側かつ第一の磁石51W側にN極が向いている。第四の磁石54Wは、第一の磁石51Wと第二の磁石52Wとの間に配置され内筒の周方向を磁極方向とし周方向の他方側かつ第一の磁石51W側にN極が向いている。ヨーク55Wは、磁性材料よりなり、第一の磁石51WのN極側及び第二の磁石52WのS極側に配置されている。
図8における磁力線Hに示されているように、この磁石層5Wにおいては、第一の磁石51WのN極側に配置されたヨーク55Wから磁力線Hが外へ出て、この磁力線Hが第二の磁石52WのS極側に配置されたヨーク55Wに入り込むようになっている。図8に示すように、第一の磁石51W、第三の磁石53W及び第四の磁石54Wの各N極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されており、また、第二の磁石52W、第三の磁石53W及び第四の磁石54Wの各S極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されている。これにより、各ヨーク55Wから外に出る磁束、及び各ヨーク55Wに入り込む磁束を、それぞれ著しく増大させることができる。このため、磁石層5Wでは、磁力を回転ドラムの外周面からより遠くまで及ぼすことが可能となっている。
特開2000−79353号公報 特許第4785913号
特許文献2に開示されている回転ドラム型磁気分離装置は、内筒の外周面に形成された磁石層5Wがハルバッハ配列とされていることにより、磁石層5Wの磁力が回転ドラムの外周面からより遠くまで及ぶ。これにより、クーラント中の切削屑等の磁性体が回転ドラムの外周面から離れた位置にある場合であっても、この切削屑を回転ドラムの外周面に磁着させることができるため、クーラント中に含まれている切削屑を効率良く分離することが可能となっている。
しかし、磁石層5Wの強い磁力を得るために、同極同士が反発し合うように各磁石51W、52W、53W及び54Wを配列しているため、この反発力に対抗するように各磁石51W、52W、53W及び54Wを内筒の外周面に強固に固定する必要がある。そこで、特許文献2に開示されている回転ドラム型磁気分離装置においては、各磁石51W、52W、53W及び54Wがアリ溝を介して内筒の外周面に強固に固定されている。このため、特許文献2に開示されている回転ドラム型磁気分離装置においては、磁石層5W及び内筒の構造が複雑であることにより、部品の製造コストが上昇したり、部品の組み付けに手間がかかったりする虞がある。
また、特許文献2に開示されている回転ドラム型磁気分離装置のように、内筒の外周面に形成された磁石層がハルバッハ配列とされている場合、互いに隣接する各磁石を内筒の周方向に順に組み付けていくと、先に組み付けられた磁石と、後に組み付けられる磁石との間に作用する反発力により、磁石の組み付けが困難となる場合がある。例えば、内筒の外周面に先に組み付けられた内筒の半径方向を磁極方向とする磁石に対して、この磁石に接するように内筒の周方向を磁極方向とする磁石を組み付けるときには、これらの磁石の同極同士が反発し合い、異極同士が引き合うことによって、後に組み付けられる磁石にモーメントが作用して、磁石の組み付けが困難となる場合がある。
通常、人の手の力では、上記のモーメントに対抗して磁石を所定の組み付け位置に組み付けることができないため、治具を用いて磁石を拘束しつつ所定の組み付け位置まで移動させる必要がある。そして、磁石が内筒の外周面に強固に固定された後に、治具を磁石から外す必要がある。ここで、磁石がアリ溝のような機械的な結合構造を介して内筒の外周面に固定される場合には、磁石の組み付け及び治具の取り外しを素早く行うことができる。しかし、磁石がボルトにより内筒の外周面に固定される場合には、磁石を一個ずつボルトで固定するのに手間がかかる。また、磁石が接着剤により内筒の外周面に固定される場合には、接着剤が硬化するまで治具の取り外しが行えないため、磁石の組み付けに長時間を要する。このため、磁石の組み付け時間を短縮するために、通常、瞬間接着剤が用いられている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の磁石がハルバッハ配列で並んだ磁石層が外周面に形成され回転ドラムの内部に配置された内筒を備える回転ドラム型磁気分離装置において、内筒への磁石の組み付け構造が簡素であると共に、磁石の組み付けを容易に行うことが可能な回転ドラム型磁気分離装置及びその組立方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る回転ドラム型磁気分離装置の発明の構成上の特徴は、非磁性材料からなる回転ドラムと、複数の磁石よりなる磁石層が外周面に形成され該回転ドラムの内部に配置された内筒とを備え、該回転ドラムの外周面と接触する液体中に含まれる磁性体を、該磁石層の磁力を用いて該液体中から分離回収する回転ドラム型磁気分離装置であって、
前記磁石層は、前記内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向外側にN極が向いた複数の第一の磁石と、各該第一の磁石間に配置され該内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向内側にN極が向いた複数の第二の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の一方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第三の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の他方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第四の磁石と、が該内筒の周方向にハルバッハ配列で並ぶことにより形成されており、前記第三の磁石及び前記第四の磁石は、該第三の磁石及び該第四の磁石に先行して前記内筒に固定されている前記第一の磁石及び前記第二の磁石の磁力により該内筒に当接するように付勢されていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の回転ドラム型磁気分離装置において、前記第三の磁石及び前記第四の磁石と前記内筒の外周面との間に、該第三の磁石及び該第四の磁石の組み付け中は硬化することなく、該第三の磁石及び該第四の磁石の組み付け完了後に硬化する接着剤が塗布されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載の回転ドラム型磁気分離装置において、前記第三の磁石及び前記第四の磁石は、隣接する前記第一の磁石及び前記第二の磁石に引っ掛かる引っ掛かり部を有し、該引っ掛かり部により該第一の磁石と該第二の磁石との間から前記内筒の半径方向外側に脱落しないように保持されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の回転ドラム型磁気分離装置において、前記内筒が非磁性材料からなることである。
上述した課題を解決するために、請求項5に係る回転ドラム型磁気分離装置の組立方法の発明の構成上の特徴は、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の回転ドラム型磁気分離装置の組立方法であって、前記第一の磁石及び前記第二の磁石を前記内筒の外周面に固定する第一固定工程と、前記第三の磁石及び前記第四の磁石を前記第一の磁石と前記第二の磁石との間に前記内筒の中心軸平行方向から挿入して、該第三の磁石及び該第四の磁石を該第一の磁石及び該第二の磁石の磁力により該内筒に当接するように付勢させる第二固定工程と、を備えることである。
請求項1に係る回転ドラム型磁気分離装置によれば、内筒の半径方向を磁極方向とする複数の第一の磁石及び第二の磁石と、内筒の周方向を磁極方向とする複数の第三の磁石及び第四の磁石とが、ハルバッハ配列で並ぶことにより内筒の外周面に磁石層が形成されている。そして、第三の磁石及び第四の磁石は、第三の磁石及び第四の磁石に先行して内筒に固定されている第一の磁石及び第二の磁石の磁力により内筒に当接するように付勢されている。なお、第一の磁石及び第二の磁石と内筒との固定は、ボルトやアリ溝のような機械的結合による固定に限らず、接着剤による固定であってもよい。
例えば、第三の磁石とこれに隣接する第一の磁石とは、内筒の半径方向外側の同極同士で反発し合い、内筒の半径方向内側の異極同士で引き合う。一方、第三の磁石とこれに隣接する第二の磁石とは、内筒の半径方向外側の同極同士で反発し合い、内筒の半径方向内側の異極同士で引き合う。したがって、第三の磁石が隣接する第一の磁石から受ける反発力と、第三の磁石が隣接する第二の磁石から受ける反発力とが相殺されて、第三の磁石は、回転することなく、第一の磁石及び第二の磁石の磁力による吸引力により内筒に当接するように付勢される。第四の磁石とこれに隣接する第一の磁石及び第二の磁石との磁気的作用力についてもこれと同様に作用する。
本発明によれば、内筒の周方向に並んだ複数の磁石を一個おきに内筒に固定すればよいため、磁石の固定箇所数が少ないことにより内筒への磁石の組み付け構造が簡素である。また、磁石の固定箇所数が少ないことにより磁石の組み付け手間が少ない。また、内筒の周方向に並べる複数の磁石を一個おきに先行して内筒に固定するため、先行して固定する磁石同士の離隔が確保できる分、磁石同士の磁力による反発力及び吸引力が小さい。このため、磁石の組み付けを容易に行うことが可能である。
請求項2に係る回転ドラム型磁気分離装置によれば、第三の磁石及び第四の磁石が、これらの磁石の組み付け中は硬化することなく、組み付け完了後に硬化する接着剤により内筒の外周面に接着される。第三の磁石及び第四の磁石は、第一の磁石及び第二の磁石の磁力により内筒に当接するように付勢されているため、治具を用いることなく、接着剤が硬化するまで第三の磁石及び第四の磁石を内筒の所定の組み付け位置に保持することができる。また、磁石の組み付け中は接着剤が硬化しないため、磁石の位置決め時間に余裕がある。よって、磁石の組み付けを容易に行うことができる。また、ゆっくり硬化する接着剤としては、瞬間接着剤よりも、高接着力のものを使用することができる。このため、磁石の組み付け作業性の低下を招くことなく、磁石層を構成する全ての磁石を内筒の外周面に強固に固定することができる。
請求項3に係る回転ドラム型磁気分離装置によれば、第三の磁石及び第四の磁石と、第一の磁石及び第二の磁石との引っ掛かりにより、第三の磁石及び第四の磁石が第一の磁石と第二の磁石との間から内筒の半径方向外側に脱落しないように保持されている。したがって、第三の磁石及び第四の磁石は、磁力のみならず、機械的結合によっても第一の磁石及び第二の磁石に保持されている。よって、磁石層を構成する全ての磁石を内筒の外周面に強固に固定することができる。
請求項4に係る回転ドラム型磁気分離装置によれば、内筒が非磁性材料からなる。本発明の回転ドラム型磁気分離装置に備わるハルバッハ配列の磁石層は、内筒の材質に係わらず、内筒の半径方向外側に向かう磁束が強く、内筒の半径方向内側には磁束がほとんど形成されないという特徴がある。内筒が非磁性材料からなることにより、内筒の外周面に磁石が磁着しないため、磁石を内筒の外周面に組み付ける際に手指等が磁石と内筒との間に挟まれる危険性が小さく安全である。また、磁石を内筒の外周面に接触させた状態で、小さい抵抗で磁石をスライドさせることができるため、磁石の組み付け位置の調整が容易である。また、内筒の外周面に磁石が磁着しないため、磁石を大きくして磁石層を構成する磁石の個数を少なくすることができる。したがって、本発明によれば、磁石の組み付けを容易に行うことが可能である。
請求項5に係る回転ドラム型磁気分離装置の組立方法によれば、第三の磁石及び第四の磁石を第一の磁石と第二の磁石との間に内筒の中心軸平行方向から挿入して、第三の磁石及び第四の磁石を第一の磁石及び第二の磁石の磁力により内筒に当接するように付勢させる。本発明によれば、第三の磁石及び第四の磁石が、それぞれ第一の磁石と第二の磁石との間に挿入される過程で、請求項1に係る発明の効果で述べた磁気的作用力の平衡が保たれているため、第三の磁石及び第四の磁石が回転することなく、第三の磁石及び第四の磁石をスムーズに第一の磁石と第二の磁石との間に挿入することができる。したがって、本発明によれば、磁石の組み付けを容易に行うことが可能である。
第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置を回転ドラムの回転軸に直交する面で切断した断面図である。 第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造を説明する断面図である。 第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の内筒の斜視図である。 第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図である。 第二実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図である。 実施例及び比較例の回転ドラム外周面からの距離と最大磁束密度との関係を説明するグラフである。 従来の回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図である。 従来の他の回転ドラム型磁気分離装置の磁石層の構造を拡大して説明する断面図である。
<第一実施形態>
図1〜4に基づき、本発明の第一実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置Eは、本体1と、整流板2と、底板3と、回転ドラム4と、磁石層5と、内筒6と、絞りローラ7と、スクレーパ8と、シュート9と、電動モータ10とを備えている。本体1は箱形を呈しており、内部にクーラント(液体)を溜め置く液溜め部1aが設けられている。本体1の図1中の右方には、使用済みのクーラントを本体1内に流入させる流入口1bが形成されており、本体1の図1中の左下方には、切削屑W(磁性体)が除去されたクーラントを本体1内から流出させる流出口1cが形成されている。
整流板2は、本体1内の上方から液溜め部1aに向けて垂下した板部材である。流入口1bから本体1内に流入したクーラントは、整流板2に当たることにより流速が減衰して、液溜め部1aに流下する。底板3は、液溜め部1aの底面を形成する板部材である。図1に示すように、底板3は、回転ドラム4と所定の間隔を隔てて、回転ドラム4の外周の約1/3を下方から覆うように配設されている。底板3の底面と回転ドラム4の外周面との離隔は15mmとされている。
回転ドラム4は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる円筒体をなしている。回転ドラム4は、液溜め部1aを二分するように、また、回転ドラム4の下半分がクーラント中に浸漬するように、本体1の中央部近傍に略水平方向に軸を向けて配置されている。回転ドラム4は、電動モータ10を動力源として中心軸Cの周りに図1中の反時計回り(左回り)に回転可能とされている。本実施形態においては、回転ドラム4の直径Φが258mm、回転ドラム4の軸方向の長さLが約800mmとされている。
外周面に磁石層5が形成された内筒6が回転ドラム4の内部に同軸的に固定されている。内筒6は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる円筒体をなしている。回転ドラム4の内周面と磁石層5の外周面との間には、回転ドラム4の回転中に、回転ドラム4の内周面と磁石層5の外周面とが接触しない程度の隙間が設けられている。
磁石層5は、回転ドラム4の液溜め部1aに浸漬する部分から頂上部までの間、すなわち、回転ドラム4の外周の約3/4に相当する部分に対応する内筒6の外周面に形成されている。したがって、磁石層5の磁力は、回転ドラム4の外周の約3/4に相当する部分にのみ作用して、回転ドラム4の外周面近傍に所要の磁束を発生させる。内筒6の外周面のうち残りの約1/4に相当する部分には、磁石層5が形成されておらず、磁力が作用しないように構成されている。磁石層5の構成については後ほど詳述する。
回転ドラム4の頂上部近傍には、ゴム等の弾性体を表面に配してある絞りローラ7が設けられている。絞りローラ7は、所定の押圧で回転ドラム4の外周面に当接している。回転ドラム4の外周面に磁着したクーラント中の切削屑Wは、回転ドラム4の回転に伴って回転ドラム4の頂上部に向けて搬送される。そして、回転ドラム4の外周面に磁着した切削屑Wが回転ドラム4と絞りローラ7との間を通過することにより、切削屑Wに含まれている液分が絞り取られる。
スクレーパ8は、磁石層5の磁力が作用していない回転ドラム4の外周面に当接するように設けられている。絞りローラ7により液分が絞り取られた切削屑Wは、回転ドラム4の回転に伴って回転ドラム4の頂上部を通過して、頂上部を通過した時点で磁石層5の磁力から徐々に開放される。そして、回転ドラム4の回転に伴って、回転ドラム4の外周面に付着している切削屑Wがスクレーパ8により掻き取られた後、切削屑Wは、スクレーパ8の下方に設けられたシュート9を滑落して回収される。
図2〜4に基づき、磁石層5の構成について詳述する。図2に示すように、磁石層5の1列は、4個の第一の磁石51と、4個の第二の磁石52と、4個の第三の磁石53と、4個の第四の磁石54と、1個の第五の磁石55とが内筒6の外周面の周方向に部分円弧状にハルバッハ配列で並ぶことにより形成されている。ここで、図2に示されている1個の第三の磁石53及び1個の第四の磁石54は、図3に示すように、それぞれ内筒6の中心軸C平行方向に並べられた3個の分割片よりなる。本説明において、1個の第三の磁石53及び1個の第四の磁石54とは、それぞれ3個の分割片が1セットとして並べられた状態のことを言う。図3に示すように、磁石層5全体は、上記の1列の磁石層5が内筒6の中心軸C平行方向に6列並んで配置されることにより形成されている。
図2中に記載されているN及びSの符号は、それぞれN極及びS極の位置を示している。図2に示すように、第一の磁石51は、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向外側にN極が向いている。第二の磁石52は、各第一の磁石51間に配置され内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向内側にN極が向いている。第三の磁石53は、第一の磁石51と第二の磁石52との間に配置され内筒6の周方向を磁極方向とし周方向の一方側(図2中の時計回り側)かつ第一の磁石51側にN極が向いている。第四の磁石54は、第一の磁石51と第二の磁石52との間に配置され内筒6の周方向を磁極方向とし周方向の他方側(図2中の反時計回り側)かつ第一の磁石51側にN極が向いている。第五の磁石55は、第一の磁石51と同様に、内筒6の半径方向を磁極方向とし半径方向外側にN極が向いている。
図2に示すように、第一の磁石51、第二の磁石52、第三の磁石53及び第四の磁石54の各断面形状は同一であり、円形のリングを円形の中心から均等角度で放射状に切ったような断面形状を呈している。したがって、これらの磁石は、磁石層5が部分円弧状に組み上がった状態で、磁石層5から任意の磁石を内筒6の半径方向外側に抜き取ることが可能な断面形状を呈している。第五の磁石55の断面形状は、図2中の反時計回りに厚さが徐々に薄くなっていく形状を呈している。
磁石層5の1列は、図2中の反時計回りに、第一の磁石51、第三の磁石53、第二の磁石52、第四の磁石54の順番でこれら4種類の磁石が4回繰り返して配置された後、繰り返し末端の第四の磁石54の隣に第五の磁石55が配置されることにより形成されている。第五の磁石55の厚さが徐々に薄くなっていることにより、回転ドラム4の外周面近傍に作用する磁力が、回転ドラム4の頂上部を図2中の反時計回りに通過した時点で徐々に弱まるようになっている。
図4における磁力線Hに示されているように、磁石層5においては、第一の磁石51のN極から磁力線Hが外へ出て、この磁力線Hが第二の磁石52のS極に入り込むようになっている。図4に示すように、第一の磁石51、第三の磁石53及び第四の磁石54の各N極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されており、また、第二の磁石52、第三の磁石53及び第四の磁石54の各S極は、互いに同極同士で反発し合うように配置されている。これにより、磁石層5から外に出る磁束、及び磁石層5に入り込む磁束を、それぞれ著しく増大させることができる。このため、磁石層5では、磁力を回転ドラム4の外周面からより遠くまで及ぼすことが可能となっている。なお、ハルバッハ配列の磁石層5は、内筒6の材質に係わらず、内筒6の半径方向外側に向かう磁束が強く、内筒6の半径方向内側には磁束がほとんど形成されないという特徴がある。
図2及び3に示すように、第一の磁石51、第二の磁石52、及び第五の磁石55は、それぞれ2本のボルト5aにより内筒6の外周面に固定されている。一方、第三の磁石53及び第四の磁石54は、内筒6の外周面にボルト固定されていない。第三の磁石53及び第四の磁石54は、それぞれ第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢されている。したがって、磁石層5が組み上がった状態において、第三の磁石53及び第四の磁石54は、第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により、内筒6の半径方向外側に脱落することがないように保持されている。
磁石層5の1列の形成は、次のように行う。まず、第一の磁石51、第二の磁石52、及び第五の磁石55を内筒6の外周面にボルト5aで固定する(図3参照)。そして、それぞれ3個の分割片が1セットとして並べられた第三の磁石53及び第四の磁石54を、第一の磁石51と第二の磁石52との間、及び第二の磁石52と第五の磁石55との間に挿入していく。このとき、内筒6の外周面に第三の磁石53及び第四の磁石54を接触させた状態で、第三の磁石53及び第四の磁石54をスライドさせつつ、内筒6の中心軸C平行方向から所定の組み付け位置に挿入する(図3参照)。この1列の磁石層5の形成を6回繰り返して行い、磁石層5全体を形成する。
第三の磁石53及び第四の磁石54の組み付け中及び組み付け完了後に、第三の磁石53及び第四の磁石54が、それぞれ第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢される作用について説明する。例えば、図4中の中央に示されている第三の磁石53に作用する磁気的作用力を考える。第三の磁石53とこれに隣接する第一の磁石51とは、内筒6の半径方向外側の点P1において同極同士で反発し合い、内筒6の半径方向内側の点Q1において異極同士で引き合う。したがって、第三の磁石53には、第一の磁石51から反時計回りのモーメントM1が作用する。一方、第三の磁石53とこれに隣接する第二の磁石52とは、内筒6の半径方向外側の点P2において同極同士で反発し合い、内筒6の半径方向内側の点Q2において異極同士で引き合う。したがって、第三の磁石53には、第二の磁石52から時計回りのモーメントM2が作用する。
よって、第三の磁石53に作用する反時計回りのモーメントM1と時計回りのモーメントM2とが相殺されることにより、第三の磁石53の回転は起こらない。また、第三の磁石53が隣接する第一の磁石51から受ける反発力と、第三の磁石53が隣接する第二の磁石52から受ける反発力とが相殺されて、第三の磁石53は、回転することなく、第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力による吸引力により内筒6に当接するように付勢される。第四の磁石54とこれに隣接する第一の磁石51及び第二の磁石52との磁気的作用力についてもこれと同様に作用する。
このような本実施形態の構成によれば、内筒6の半径方向を磁極方向とする複数の第一の磁石51及び第二の磁石52と、内筒6の周方向を磁極方向とする複数の第三の磁石53及び第四の磁石54とが、ハルバッハ配列で並ぶことにより内筒6の外周面に磁石層5が形成されている。そして、第三の磁石53及び第四の磁石54は、第三の磁石53及び第四の磁石54に先行して内筒6に固定されている第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢されている。
したがって、内筒6の周方向に並んだ複数の磁石51、53、52、54、55のうち一個おきに配置された磁石51、52、55を内筒6にボルト5aで固定すればよいため、磁石の固定箇所数が少ないことにより内筒6への磁石の組み付け構造が簡素である。また、磁石の固定箇所数が少ないことにより磁石の組み付け手間が少ない。また、内筒6の周方向に並べる複数の磁石51、53、52、54、55のうち一個おきに配置される磁石51、52、55を先行して内筒6にボルト5aで固定するため、先行して固定する磁石同士の離隔が確保できる分、磁石同士の磁力による反発力及び吸引力が小さい。このため、磁石の組み付けを容易に行うことが可能である。
また、本実施形態の構成によれば、内筒6が非磁性材料からなる。これにより、内筒6の外周面に磁石が磁着しないため、磁石を内筒6の外周面に組み付ける際に手指等が磁石と内筒6との間に挟まれる危険性が小さく安全である。また、磁石を内筒6の外周面に接触させた状態で、小さい抵抗で磁石をスライドさせることができるため、磁石の組み付け位置の調整が容易である。また、内筒6の外周面に磁石が磁着しないため、磁石を大きくして磁石層を構成する磁石の個数を少なくすることができる。したがって、本実施形態の構成によれば、磁石の組み付けを容易に行うことが可能である。
また、本実施形態の構成によれば、第三の磁石53及び第四の磁石54を第一の磁石51と第二の磁石52との間に内筒6の中心軸C平行方向から挿入して、第三の磁石53及び第四の磁石54を第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により内筒6に当接するように付勢させる。本実施形態の構成によれば、第三の磁石53及び第四の磁石54が、それぞれ第一の磁石51と第二の磁石52との間に挿入される過程で、上述した磁気的作用力の平衡が保たれているため、第三の磁石53及び第四の磁石54が回転することなく、第三の磁石53及び第四の磁石54をスムーズに第一の磁石51と第二の磁石52との間に挿入することができる。したがって、本実施形態の構成によれば、磁石の組み付けを容易に行うことが可能である。
<第二実施形態>
本実施形態は、第一実施形態における磁石層5を磁石層5Kに変更した実施形態である。図5に本実施形態に係る回転ドラム型磁気分離装置の回転ドラムの内部構造の要部を拡大して説明する断面図を示す。本実施形態において第一実施形態と同様の構成部品については同一の符号を付してある。図5に示す回転ドラム4、ボルト5a及び内筒6の構成については、第一実施形態において説明したとおりであるため、説明を省略し、以下、磁石層5Kの構成について詳述する。
磁石層5Kを構成する磁石の個数及び配列は、第一実施形態における磁石層5と同様である。図5に示すように、磁石層5Kの1列には、内筒6の外周面の周方向に部分円弧状にハルバッハ配列で並んだ複数の第一の磁石51Kと、複数の第二の磁石52Kと、複数の第三の磁石53Kと、複数の第四の磁石54Kとが含まれている。
図5に示す本実施形態における第一の磁石51K、第二の磁石52K、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kと、図4に示した第一実施形態における第一の磁石51、第二の磁石52、第三の磁石53及び第四の磁石54とを、それぞれ対比すると、磁極方向及びN極の向きは等しく、形状のみが異なっている。
第一の磁石51K及び第二の磁石52Kの断面形状は同一であり、円形のリングをリングの内周側の周長が外周側の周長よりも短い略台形状に切ったような断面形状を呈している。第三の磁石53K及び第四の磁石54Kの断面形状は同一であり、円形のリングをリングの内周側の周長が外周側の周長よりも長い略台形状に切ったような断面形状を呈している。
したがって、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kは、磁石層5Kが部分円弧状に組み上がった状態で、第一の磁石51Kと第二の磁石52Kとの間から内筒6の半径方向外側に抜き取ることが不可能な断面形状を呈している。このように第三の磁石53K及び第四の磁石54Kを内筒6の半径方向外側に抜き取ろうとしたときに、隣接する第一の磁石51K及び第二の磁石52Kと引っ掛かる部位は、本発明における引っ掛かり部に相当する。すなわち、本実施形態においては、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kの略台形状の断面形状の斜辺部分が本発明における引っ掛かり部に相当する。磁石層5Kの形成方法は、第一実施形態における磁石層5と同様であるため説明を省略する。
図5における磁力線Hに示されているように、磁石層5Kにおいては、第一実施形態と同様に、第一の磁石51KのN極から磁力線Hが外へ出て、この磁力線Hが第二の磁石52KのS極に入り込むようになっている。また、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kは、第一実施形態と同様に、それぞれ第一の磁石51K及び第二の磁石52Kの磁力により内筒6に当接するように付勢されている。この付勢力を生み出す磁気的作用力については第一実施形態で説明したとおりであるため説明を省略する。
このような本実施形態の構成によれば、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kと、第一の磁石51K及び第二の磁石52Kとの引っ掛かりにより、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kが第一の磁石51Kと第二の磁石52Kとの間から内筒6の半径方向外側に脱落しないように保持されている。したがって、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kは、磁力のみならず、機械的結合によっても第一の磁石51K及び第二の磁石52Kに保持されている。よって、磁石層5Kを構成する全ての磁石を内筒6の外周面に強固に固定することができる。その他の作用効果については、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
<その他の実施形態>
本発明の回転ドラム型磁気分離装置及びその組立方法は、上述した第一及び第二実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、第一及び第二実施形態においては、第一の磁石51、51K、及び第二の磁石52、52Kをそれぞれ内筒6にボルト5aで固定しているが、第一の磁石51、51K、及び第二の磁石52、52Kを内筒6に固定する方法は、ボルト固定に限定されない。例えば、アリ溝のような機械的結合による固定や、接着剤による固定であってもよい。
また、第二実施形態においては、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kの略台形状の断面形状の斜辺部分が本発明における引っ掛かり部に相当し、この引っ掛かり部が隣接する第一の磁石51K及び第二の磁石52Kと引っ掛かる構成としている。しかし、引っ掛かり部の形状はこれに限定されず、例えば、第三の磁石及び第四の磁石に、隣接する第一の磁石及び第二の磁石に向けて突出する凸部を設け、この凸部が第一の磁石及び第二の磁石に形成された凹部に嵌合する構成とすることもできる。
また、第一実施形態においては、第三の磁石53及び第四の磁石54は、第一の磁石51及び第二の磁石52の磁力により、内筒6の半径方向外側に脱落することがないように保持されている。また、第二実施形態においては、第三の磁石53K及び第四の磁石54Kは、第一の磁石51K及び第二の磁石52Kの磁力と、第一の磁石51K及び第二の磁石52Kとの引っ掛かりとにより、内筒6の半径方向外側に脱落することがないように保持されている。このような第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの保持構成に対して、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの脱落をより確実に防止するための更なる構成を追加することもできる。
例えば、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kを、これらの磁石の組み付け中は硬化することなく、組み付け完了後に硬化する接着剤により内筒6の外周面に接着することもできる。この場合、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの挿入に先立って、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの少なくとも内筒6の外周面に接触する表面に、上記の接着剤を塗布しておく。
このような構成によれば、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kは、第一の磁石51、51K及び第二の磁石52、52Kの磁力により内筒6に当接するように付勢されているため、治具を用いることなく、接着剤が硬化するまで第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kを内筒6の所定の組み付け位置に保持することができる。また、第三の磁石53、53K及び第四の磁石54、54Kの組み付け中は接着剤が硬化しないため、磁石の位置決め時間に余裕がある。よって、磁石の組み付けを容易に行うことができる。また、ゆっくり硬化する接着剤としては、瞬間接着剤よりも、高接着力のものを使用することができる。このため、磁石の組み付け作業性の低下を招くことなく、磁石層5、5Kを構成する全ての磁石を内筒6の外周面に強固に固定することができる。
図4に示したハルバッハ配列の磁石層5を実施例、図7に示した通常配列の磁石層5Vを比較例として、回転ドラム4の外周面近傍に発生する磁束密度を解析により求めた。解析にあたって、回転ドラム4の直径Φを258mm、磁石層5の厚さと磁石層5Vの厚さとを同一厚さとした。
図6は、実施例及び比較例の回転ドラム外周面からの距離Dと最大磁束密度Bとの関係を説明するグラフを示している。第一実施形態で述べたように、底板3の底面と回転ドラム4の外周面との離隔が15mmとされていることから(図1参照)、本解析における回転ドラム外周面からの距離Dの範囲を0〜15mmとした。そして、回転ドラム外周面からの距離Dが0、3、6、9、12及び15mmの位置において、回転ドラム4の周方向の磁束密度の分布を算出し、その最大値を最大磁束密度Bとした。
図6に示すように、実施例及び比較例は、いずれも回転ドラム外周面からの距離Dが増加するにつれて、最大磁束密度Bが減少している。また、実施例の最大磁束密度Bは、常に比較例の最大磁束密度Bよりも大きい値となっている。クーラント中に含まれている切削屑Wを効率良く分離するためには、回転ドラム4の外周面からより離れた位置で、より大きな磁束密度が得られている必要がある。回転ドラム外周面からの距離Dが15mmの位置において、実施例では、最大磁束密度B=0.1840T(T:テスラ)であるのに対して、比較例では、最大磁束密度B=0.1246Tであった。
この結果から、回転ドラム4の外周面から15mm離れている底板3の底面において、ハルバッハ配列の磁石層5は、通常配列の磁石層5Vよりも1.5倍程度大きな磁束を発生させることが可能であることがわかる。よって、ハルバッハ配列の磁石層5は、回転ドラム4の外周面から離れた位置に存在している切削屑Wを、効率良く回転ドラム4の外周面に磁着させることができることが立証された。
4 … 回転ドラム 5、5K … 磁石層
51、51K … 第一の磁石 52、52K … 第二の磁石
53、53K … 第三の磁石 54、54K … 第四の磁石
6 … 内筒
C … 中心軸 E … 回転ドラム型磁気分離装置
N … N極 S … S極
W … 切削屑(磁性体)

Claims (5)

  1. 非磁性材料からなる回転ドラムと、複数の磁石よりなる磁石層が外周面に形成され該回転ドラムの内部に配置された内筒とを備え、該回転ドラムの外周面と接触する液体中に含まれる磁性体を、該磁石層の磁力を用いて該液体中から分離回収する回転ドラム型磁気分離装置であって、
    前記磁石層は、前記内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向外側にN極が向いた複数の第一の磁石と、各該第一の磁石間に配置され該内筒の半径方向を磁極方向とし該半径方向内側にN極が向いた複数の第二の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の一方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第三の磁石と、該第一の磁石と該第二の磁石との間に配置され該内筒の周方向を磁極方向とし該周方向の他方側かつ該第一の磁石側にN極が向いた複数の第四の磁石と、が該内筒の周方向にハルバッハ配列で並ぶことにより形成されており、
    前記第三の磁石及び前記第四の磁石は、該第三の磁石及び該第四の磁石に先行して前記内筒に固定されている前記第一の磁石及び前記第二の磁石の磁力により該内筒に当接するように付勢されている回転ドラム型磁気分離装置。
  2. 前記第三の磁石及び前記第四の磁石と前記内筒の外周面との間に、該第三の磁石及び該第四の磁石の組み付け中は硬化することなく、該第三の磁石及び該第四の磁石の組み付け完了後に硬化する接着剤が塗布されている請求項1に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  3. 前記第三の磁石及び前記第四の磁石は、隣接する前記第一の磁石及び前記第二の磁石に引っ掛かる引っ掛かり部を有し、該引っ掛かり部により該第一の磁石と該第二の磁石との間から前記内筒の半径方向外側に脱落しないように保持されている請求項1又は2に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  4. 前記内筒が非磁性材料からなる請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の回転ドラム型磁気分離装置。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の回転ドラム型磁気分離装置の組立方法であって、
    前記第一の磁石及び前記第二の磁石を前記内筒の外周面に固定する第一固定工程と、
    前記第三の磁石及び前記第四の磁石を前記第一の磁石と前記第二の磁石との間に前記内筒の中心軸平行方向から挿入して、該第三の磁石及び該第四の磁石を該第一の磁石及び該第二の磁石の磁力により該内筒に当接するように付勢させる第二固定工程と、
    を備える回転ドラム型磁気分離装置の組立方法。
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