以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る非接触給電装置を含む非接触給電システムの回路図である。本例の非接触給電システムは、電気自動車やハイブリッド車両等の車両に設けられたバッテリ又は負荷に対して、地上側の給電装置から、非接触で電力を供給することで、バッテリを充電しモータを駆動させるシステムとして用いられる。なお、本例の非接触給電システムは、車両に限らず、他の移動体に搭載されてもよい。
図1は、非接触給電システムの電気回路図を示している。本実施の形態に係る非接触給電システムは、三相交流電源装置10と、高周波交流電源20と、高周波交流電源20から出力された電力の非接触給電を行う非接触給電部30と、非接触給電部30により電力が供給される負荷部40とを備えている。
高周波交流電源20は、商用周波数の交流電力を出力する三相交流電源装置10に接続され、整流器21と、昇降圧チョッパ22と、インバータ23とを備えている。整流器21は、ダイオード21aとダイオード21b、ダイオード21cとダイオード21d、及び、ダイオード21eとダイオード21fを三並列に接続し、それぞれの中間接続点に三相交流電源装置10の出力を接続する。整流器21は、三相交流電源装置10から出力される三相交流を整流し、昇降圧チョッパ22に出力する。
昇降圧チョッパ22は、整流器21により整流された電力を昇降圧する回路である。昇圧チョッパ22は、トランジスタで構成されるスイッチング素子22aと、ダイオード22bと、コイル22cと、ダイオード22dと、コンデンサ22eとを備えている。昇降圧チョッパ22の入力側には、スイッチング素子22aとダイオード22bの並列回路が接続され、昇降圧チョッパ22の出力側にはコンデンサ22eが接続されている。スイッチング素子22a及びダイオード22bは互いに逆方向の向きで、並列接続されている。また、スイッチング素子22a及びダイオード22bの並列回路とコンデンサ22eの間には、コイル22c及びダイオード22dが接続されている。
インバータ23は、電圧型インバータであって、昇降圧された電力を高周波交流電力に変換する回路であり、非接触給電部30に対して、数10kHz〜数100kHzの交流を供給する。インバータ23は、MOSFET又はIGBTのパワートランジスタ等にダイオードを並列に接続した並列回路23a〜23dをブリッジ状に接続する。トランジスタとダイオードは互いに逆方向で、並列に接続されている。そして、並列回路23aと並列回路23bの接続点である中間接続点、及び、並列回路23cと並列回路23dの接続点である中間接続点が送電側共振回路31に接続されている。
非接触給電部30は、少なくとも磁気的な結合により非接触で電力を供給する回路である。本例では、コイル間で磁気的に結合させる際に、磁気共鳴を用いている。非接触給電部30は、送電コイル31aと受電コイル31bにより形成されるトランス対して、1次側を高周波交流電源20に、2次側を負荷部40に接続する。
非接触給電部30は、トランスの入力側に送電側共振回路31と、トランスの出力側に受電側共振回路32を有する。送電側共振回路31は、送電コイル31aと送電コイル31aに直列に接続されるコンデンサ31bを有する。受電側共振回路32は、受電コイル32aと、受電コイル32aに並列に接続されるコンデンサ32bと、受電コイル32aとコンデンサ32bとの並列回路に直列に接続されるコンデンサ32cとを有する。
負荷部40は、非接触給電部30により供給された電力を消費する車両側の負荷である。負荷部40は、整流部41と、バッテリ42と、インバータ43と、モータ44を備えている。整流部41は、非接触給電部30より供給される交流電力を直流に整流する回路であり、ダイオード41a〜41dのブリッジ回路で構成されている。バッテリ42は、整流部41で整流された直流電力により充電される二次電池である。バッテリ42は、負荷部40を備えた車両の動力用の電源である。インバータ43は、整流部41に整流された直流電力を交流電力に変換する変換回路である。モータ44は、車両の駆動源であって、インバータ43により変換された交流電力により駆動し、減速機及びドライブシャフトを介して駆動輪に駆動力を伝達する。本例の非接触給電システムは、走行中の車両に対して非接触で電力を供給するシステムであって、非接触で電力を給電する際の給電対象は、バッテリ42、インバータ43、及びモータ44になる。
次に、図2を用いて、本例の非接触給電システムの概要となる構成を説明する。図2は、本例の非接触給電システムの概要を示す概要図である。
非接触給電システムのうち、地上に設けられる1次側の非接触給電装置は、電源装置1と、共振回路2と、スイッチ3と、送電コイル4と、センサ5と、ピークホールド回路6と、コントローラ100とを備えている。電源装置1は、上記の三相交流電源装置10及び高周波交流電源20に相当する。共振回路2は、送電側共振回路31に相当する。スイッチ3は、送電コイル31aと共振回路2との間の電気的な導通及び遮断を切り替えるスイッチである。
送電コイル4は、車両の走行車線に沿うように複数並べられており、上記の送電コイル31aに相当する。車両の進行方向に沿う、送電コイル4の長さについて説明する。
送電コイル4の長さが車両長と比較して短すぎる場合には、給電できる時間が短くなる。また、送電コイル4の長さが車両長と比較して長すぎる場合には、受電コイル7が対向しない部分に対して、磁界を発生させることになり損失になってしまう。そのため、本例において、それぞれの送電コイル4の長さは、車両200の車両長と同程度としている。
スイッチ3は送電コイル4と対応して設けられており、送電コイル4がn個並べられた場合には、スイッチ3もn個設けられる。そして、n個のスイッチ3は、n個の送電コイル4と送電回路2と間に、それぞれ接続される。図2に示すSWの括弧書きは、共振回路2に近い方から順に振られた番号であり、スイッチ3の並び順を表している。
そして、受電コイル7に対して電力を非接触で送電できる給電路は、1つの電源に対して、n個のスイッチ3及びn個の送電コイル4を備えている。n個の送電コイル4を並べた方向が、給電路における車両200の走行方向となる。また、スイッチ3と同様に、共振回路2に近い方から、1番目の送電コイル4、2番目の送電コイル4が順に並べられ、n番目の送電コイル4まで並べられている。
センサ5は、電源装置1から共振回路2に入力される電流を測定することで、電源装置1から送電コイル4へ電力を供給する送電回路の電流を測定している。センサ5の測定値はピークホールド回路6に出力される。
ピークホールド回路6は、センサ5で検出された検出電流のピーク値を保持する回路である。ピークホールド回路6で保持されたピーク値(電流の測定値)はコントローラ100に出力される。
受電コイル7は、車両200に設けられたコイルであり、図1の受電コイル32aに相当する。受電コイル7は、複数の送電コイル4のうち1個のコイルと対応した形状になっており、送電コイル4の形状に対して、コイル間の結合を高める形状になっており、例えば、受電コイル7のコイル面は、当該1個のコイルのコイル面と同形状とする。
コントローラ100は、ピークホールド回路6で保持される測定値に基づいて、送電コイル4の送電可能範囲内に受電コイル7が入ったか否かを検知しつつ、スイッチ3及び電源装置1を制御する。コントローラ100は、コイル進入検知部101と、コイル退出検知部102と、給電制御部103とを有している。
コイル進入検知部101は、ピークホールド回路6で保持された測定値に基づいて、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲に入ったことを示すコイル進入を、n個のコイル4毎に検知する。コイル退出検知部101は、ピークホールド回路6で保持された測定値に基づいて、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲から退出したことを示すコイル退出を、n個のコイル4毎に検知する。コイル進入検知部101及びコイル退出検知部102は、検知結果を給電制御部103に出力する。なお、送電可能範囲ついては後述する。
給電制御部103は、コイル進入検知部101及びコイル退出検知部102の検知結果に基づいて、n個のスイッチ3をそれぞれ制御する。例えば、受電コイル7が、2番目のスイッチに接続された送電コイル4と、対向している場合には、給電制御部103は、2番目のスイッチSW(2)をオンにし、その他のスイッチSW(1、3、4...n)をオフにする。これにより、送電側の電力ロスが低減されつつ、受電コイル7へお送電効率が向上する。
次に、走行中の車両に対して非接触で電力を供給する際、コイル間の位置関係とスイッチ3のオン、オフの状態について、図2を用いて説明する。
車両200が、送電コイル4を備えた給電路を走行した場合には、受電コイル7は、まずスイッチSW(1)に接続された送電コイル4と対向し、次にスイッチSW(2)に接続された送電コイル4と対向し、順に、スイッチSW(n)に接続された送電コイル4と対向する。このとき、電源装置1の出力電流が、n個の送電コイル4のうち、受電コイル7と対向している送電コイル4に流れて、受電コイル32aと対向していない送電コイル4には、出力電流ができるだけ流れないように、コントローラ100がスイッチSW(n)を制御できれば、漏洩磁束を減らしつつ、給電する際の電力ロスも減少できる。
図2に示すように、送電コイル4から受電コイル7に電力を送電可能な送電可能範囲Aは、受電コイル7の位置で表される。送電可能範囲Aは、送電コイル4及び受電コイル32aの形状に応じて予め決まっており、送電コイル4のコイル面と平行な面において、コイル面の鉛直方向(送電コイル4の上の車両200のシャーシに向かう方向)に所定の間隔を空けた、仮想的な範囲で示される。すなわち、受電コイル21のコイル面の少なくとも一部が送電可能範囲Aに入った場合に、受電コイル7と送電コイル4との間で、磁気的な結合が生じ、電力を送電できる状態となる。
また、スイッチSW(n)のオン、オフの制御は、上記のように電力効率を高めるためには、移動する受電コイル7の位置に応じて、スイッチSW(n)のオン、オフを切り替えなければならない。そこで、本例では、以下に説明するように、移動する受電コイル7の位置を把握するために、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲へ進入したこと、及び、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲から退出したことを、n個の送電コイル4毎に検知する。そして、コイルの進入及び退出の検知結果に応じて、スイッチSW(n)を切り替えることで、送電コイル4から受電コイル7への送電を制御している。
ところで、受電コイル7の位置の検知方法として、受電コイル7を備えた車両が移動せずに止まっている場合には、車両の負荷のインピーダンス(電圧を電流で割った物理定数)の変化を測定することで、送電コイル4に対する受電コイル7の位置を検知することも考えられる。停止中の車両に対して、電力の供給対象となる負荷はバッテリだけであって、当該バッテリが非接触給電により充電されたとしても、負荷のインピーダンス変化は遅い。インピーダンスの測定は、電気回路の応答に対して非常に遅いが、上記のように、停止中の車両のバッテリのインピーダンス変化も遅い。そのため、停車中の車両の受電コイルの位置は、インピーダンスの変化から検知できる。
一方、本例のように、走行中の車両に対する非接触給電システムにおいて、負荷部40にインバータ43及びモータ44を含めた場合には、負荷部40のインピーダンスはバッテリ42だけでなくモータ44の使用電力量(回生時含む)にも影響する。さらに、モータ44の使用電力量は、ドライバの意志に応じて不規則に変化する。すなわち、インピーダンスは、速い時間で頻繁に変化する。そのため、本例のような、移動体に対して非接触で電力を供給するシステムでは、負荷部40のインピーダンスを測定することは、受電コイル7の位置を検知するためには、現実的ではない。そこで、本例では、以下に説明するように、コイル間の結合係数に応じて変化する、送電回路側の電流変化又は電圧変化を用いて、受電コイル7の位置を検知している。
まず、図3を用いて、送電コイル4及び受電コイル7間の結合係数の変化について、説明する。結合係数はコイル間の結合状態を表す物理的な変数であり、この値によって送電される電力量が変化する。
図3はコイル間の結合係数を説明するための図である。図3(a)は、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲に進入する直前の状態を示したコイルの平面図である。図3(b)は、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲に進入及び退出したときの状態を示したコイルの平面図である。図3(c)は、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲から退出する直前の状態を示したコイルの平面図である。図3(d)は受電コイル7の位置に応じて結合係数の変化を説明するためのグラフであり、結合係数の時間特性を示すグラフである。なお、図3では説明を容易にするために、送電コイル4のコイル面を大きな矩形で表し、受電コイル7のコイル面を小さな矩形で表している。
図3で示す結合係数の変化の条件として、受電コイル7は送電コイル4上を一定の速度で移動している。そのため、図3(d)の横軸に示す時間は、受電コイル7の位置に相当する。そして、図3(d)の時間t1は受電コイル7が送電可能範囲に入る時の時刻を示し、時間t2は受電コイル7のコイル面が送電可能範囲に完全に進入した時の時刻を示し、時間t3は受電コイル7が送電可能範囲からでる時の時刻を示し、時間t4は受電コイル7のコイル面が送電可能範囲から完全に退出した時の時刻を示す。
図3(a)に示すように、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲外である場合には、図3(d)の時間0から時間t1までの特性で示すように、結合係数はゼロである。受電コイル7が、図3(a)に示す位置から図3(b)に示す位置に移動するにつれて、受電コイル7のコイル面のうち送電可能範囲と重なる部分の面積が大きくなる。そのため、図3(d)の時間t1から時間t2までの特性で示すように、結合係数は時間に比例して大きくなる。
そして、受電コイル7のコイル面が送電可能範囲に完全に進入すると、図3(d)の時間t2から時間t3までの特性で示すように、結合係数は一定になる。
また、受電コイル7が、図3(b)に示す位置から図3(c)に示す位置に移動するにつれて、受電コイル7のコイル面のうち送電可能範囲と重なる部分の面積が小さくなる。そのため、図3(d)の時間t3から時間t4までの特性で示すように、結合係数は時間に比例して小さくなる。そして、受電コイル7のコイル面が送電可能範囲に完全に退出すると、図3(d)の時間t4以降の特性で示すように、結合係数はゼロになる。
すなわち、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲の外にある場合には、結合係数はゼロとなり、受電コイル7のコイル面の少なくとも一部が送電可能範囲内あれば、結合係数が、ゼロより大きい値となる。なお、図3の説明では、説明を容易にするために、結合係数の変化の特性を直線で示したが、結合係数はコイル形状等により曲線状に変化することもある。
次に、図4を用いて、結合係数の変化に伴う、送電回路側の電流変化について説明する。図4は、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲を通過する際の、電源出力電流の時間特性と、結合係数の時間特性を示すグラフである。グラフaは電源出力電流の時間特性を示し、グラフbは結合係数の時間特性を示す。なお、電源装置1の出力電圧は一定に保たれている。グラフの横軸に示す時間は、受電コイル7を備えた車両200が1つの送電コイル4を通過するまでの時間を示しており、図4に示す時間0、t1、t2、t3、t4は、図3に示す時間0、t1、t2、t3、t4と同じである。
時間0からの時間t1間は、結合係数がゼロの状態で推移し、電源装置1の出力電流は一定値(I0)となる。電流値(I0)は、受電コイルが送電可能範囲内に存在しない無負荷の状態で、電源装置1から送電コイル4に流れる電流を示している。なお、無負荷状態とは、結合係数がゼロの状態である。時間t1になり、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲に進入すると、グラフaに示すように結合係数がゼロから上昇する。結合係数がゼロより大きくなると、受電側の負荷が送電側に影響を与えるため、電源装置1の出力電流は、一定値(I0)よりも低くなる。そして、時間t1からの時間t2の間では、結合係数の増加に伴い、電源装置1の出力電流は減少する。
時間t2から時間t3までの間では、受電コイル21が送電コイル4の送電可能範囲内を移動し、結合係数は一定の値(κ0)で推移する。そのため、電源装置1の出力電流は、電流値(I0)より低い電流値(I1)で推移する。
時間t3から時間t4までの間では、時間の経過と共に、送電コイル4と受電コイル7との対向するコイル面の面積が減少するため、結合係数は低下する。また、電源装置1の出力電流は、結合係数の低下に伴って、電流値(I1)から電流値(I0)に上昇する。時間t4以降、受電コイル7が送電可能範囲から退出すると、結合係数はゼロで推移し、電源装置1の出力電流は電流値(I0)で推移する。
なお、電源装置1の出力電流を一定に保った場合には、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲に進入し、結合係数がゼロより大きくなると、電源装置1の出力電圧が所定値より高くなる。また、電源装置1の出力電流を一定に保ちつつ、受電コイル7が送電可能範囲内を移動する場合には、電源装置1の出力電圧が上昇後の一定の電圧値で推移する。そして、受電コイル7が送電可能範囲内から退出すると、電源装置1の出力電圧は、結合係数の上昇に伴い、低下し、元の所定値に戻る。
すなわち、図3に示すように、送電コイル4に対する受電コイル7の位置は結合係数の変化と相関し、結合係数の変化は、電源装置1の出力電流(または出力電圧)の変化と相関する。そのため、本例は、電源装置1の出力電流をセンサ5で測定した上で、結合係数とセンサ5の測定値の変化との相関性を利用して、受電コイル7の送電可能範囲への進入及び退出を検知する。
以下、コントローラ100による受電コイル7の位置の検知制御と、検知結果に基づく給電制御について、図2及び図4を用いて、説明する。
非接触給電装置のメインスイッチ(図示しない)がオンになると、給電制御部103は、複数のスイッチ3のうち、1番目のスイッチ3(図2のSW(1))をオンにし、他のスイッチ(2からn)をオフにする。また、給電制御部103は、受電コイル7の位置を検知するために、電源装置1からの出力電圧を一定に保つよう、電源装置1に含まれるインバータ23のスイッチング素子を制御する。なお、メインスイッチは、例えば車両200から起動信号を送信することで、オンにしてよく、あるいは、地上側に設けた赤外線センサ等を用いて、車両200が給電路に進入したことを検知した上で、オンにしてもよい。
コントローラ100には、受電コイル7の位置を検知するための電流閾値が予め保存されている。電流閾値は、受電コイルが送電可能範囲内に存在しない無負荷の状態で、電源装置1から送電コイル4に流れる電流を示している。また、電流閾値は、図4に示す電流値(I0)に設定されている。
1番目のスイッチ3がオンにし、他のスイッチ3(図2のSW(2〜n))がオフにした状態で、電源装置1から電圧が出力されると、センサ5は電源装置1の出力電流を検出し、ピークホールド回路6は、センサ5の電流の測定値を保持する。ピークホールド回路6で保持されたピーク値(測定値)がコントローラ100に入力されると、コントローラ100は、コイル進入検知部101により、送電コイル4(1番目)へのコイル進入を検知する。
コイル進入検知部101は、ピーク値と電流閾値とを比較する。ピーク値が電流閾値以上である場合には、コイル侵入検知部101は、受電コイル7が送電可能範囲へ侵入していないと判定する。一方、ピーク値が電流閾値未満である場合には、コイル侵入検知部101は、受電コイル7が送電可能範囲へ侵入したと判定し、当該判定結果を、送電コイル4(1番目)へのコイル進入として検知する。すなわち、ピーク値が電流閾値以上で推移している状態では、コイル侵入検知部101は、受電コイル7が送電可能範囲へ侵入していないことを検知する。そして、ピーク値が電流閾値(I0)以上で推移している状態から、ピーク値が電流閾値(I0)未満の異なる値に変化した場合には、コイル侵入検知部101は送電コイル4(1番目)へのコイル進入として検知する。コイル進入検知部101は検知結果を、給電制御部103に出力する。
コントローラ100は、コイル進入検知部101によりコイル進入を検知した後に、コイル退出検知部102により、送電コイル4(1番目)へのコイル退出を検知する。
コイル退出検知部102は、ピーク値と電流閾値(I0)とを比較する。ピーク値が電流閾値未満である場合には、コイル退出検知部102は、受電コイル7が送電可能範囲から退出していないと判定する。一方、ピーク値が電流閾値以上である場合には、コイル退出検知部102は、受電コイル7が送電可能範囲から退出したと判定し、当該判定結果を、送電コイル4(1番目)からのコイル退出として検知する。すなわち、ピーク値が電流閾値未満で推移している状態では、コイル退出検知部102は、受電コイル7が送電可能範囲から退出していないことを検知する。そして、ピーク値が電流閾値未満で推移している状態から、ピーク値が電流閾値以上の異なる値に変化した場合、言い換えると、ピーク値が無負荷状態である電流閾値に戻った場合には、コイル退出検知部102は送電コイル4(1番目)からのコイル退出として検知する。コイル退出検知部102は検知結果を、給電制御部103に出力する。
給電制御部103は、コイル進入検知部101及びコイル退出検知部102の検知結果によって、送電コイル4(1番目)に関して、コイル進入及びコイル退出を検知した場合には、1番目のスイッチ3をオンからオフに切り替え、2番目のスイッチ3をオフからオンに切り替え、3番目以降のスイッチ3をオフ状態で維持させる。
なお、1番目のスイッチ3は、コイル退出検知部102によりコイル退出を検知し、所定時間の経過後(ただし、受電コイル7が2番目の送電コイルの送電可能範囲に進入する前であること)に、ターンオフさせてもよい。また、2番目のスイッチ3は、1番目のスイッチ3のターンオフの後、所定時間の経過後(ただし、受電コイル7が2番目の送電コイルの送電可能範囲に進入する前であること)に、ターンオンさせてもよい。さらに、1番目のスイッチ3及び2番目のスイッチ3がオフ状態の間、給電制御部103は、電源装置1から出力を、コイル位置の検知時と比較して低くしてもよい。
そして、コントローラ100は、1番目の送電コイル4に関するコイル位置の検知と同様に、コイル進入検知部101及びコイル退出検知部102により、2番目の送電コイル3について、コイル進入及びコイル退出を検知する。また、コントローラ100は、2番目の送電コイル3に関するコイル位置の検知結果に応じて、2番目のスイッチ3及び3番目のスイッチ4のオン、オフを制御する。
コントローラ100は、3番目以降の送電コイル4に関しても、コイル位置の検知制御を行いつつ、コイル位置の検知結果と対応させつつ、車両200の走行に応じて、複数のスイッチ3のオン、オフを、順次切り替える。これにより、コントローラ100はコイル進入検知部101及びコイル退出検知部102の検知結果に応じて、送電コイル4から受電コイル7への送電を制御する。さらに、上記のように、コイル位置の検知結果に応じて、スイッチ3のオン、オフを切り替えることで、受電コイル7との間で磁気的に結合できる送電コイル4のみに通電できるため、給電効率が向上する。
次に、図5を用いて、本例の非接触給電装置の制御フローを説明する。図5は、本例の非接触給電装置の制御フローを示すフローチャートである。なお、以下の制御フローの説明及び図5で示されるNは、制御対象となるスイッチ3の並び順を示しており、Nthは、スイッチ3の数及び送電コイル4の数を示しており、n個のスイッチ3及び送電コイル4が設けられた場合には、Nthはnとなる。
本例の非接触給電装置のメインスイッチがオンになると、ステップS1にて、コントローラ100はスイッチ(N)をオンにする。Nの初期値は「1」であるため、メインスイッチがオンの直後は、1番目のスイッチ3をオンにする。
ステップS2にて、コントローラ100は、給電制御部103により、電源装置1から電流を出力する。ステップS3にて、ピークホールド回路6は、センサ5で測定される電流のピーク値(Ip)を保持しつつ、保持したピーク値をコントローラ100に出力する。
コントローラ100は、コイル進入検知部101により、ピークホールド回路6で保持されたピーク値(Ip)と、コイル進入を検知するための電流閾値(Ith)とを比較する(ステップS4)。ピーク値(Ip)が電流閾値以上である場合には、ステップS3に戻る。
一方、ピーク値(Ip)が電流閾値未満である場合には、コイル進入検知部101は、受電コイル7がn番目の送電コイル4の送電可能範囲に進入したと判定することで、コイル進入を検知する。またコイル進入検知部101は、検知結果を給電制御部103に出力する(ステップS5)。
ステップS6にて、ピークホールド回路6は、センサ5で測定される電流のピーク値(Ip)を保持しつつ、保持したピーク値をコントローラ100に出力する。コントローラ100は、コイル退出検知部102により、ピークホールド回路6で保持されたピーク値(Ip)と、コイル退出を検知するための電流閾値(Ith)とを比較する(ステップS7)。ピーク値(Ip)が電流閾値未満である場合には、ステップS6に戻る。
一方、ピーク値(Ip)が電流閾値以上である場合には、コイル進入検知部101は、受電コイル7がn番目の送電コイル4の送電可能範囲から退出したと判定することで、コイル退出を検知する。またコイル退出検知部102は、検知結果を給電制御部103に出力する(ステップS8)。
ステップS9にて、給電制御部103は、オン状態であるn番目のスイッチ3をオフにする。ステップS10にて、コントローラ100は、ステップS1及びステップS9で、オン、オフを切り替えたスイッチ3の番号(N)と、スイッチ3の個数(Nth)とを比較することで、全てのスイッチ3を制御したか否かを判定する。スイッチ3の番号(N)がスイッチ3の個数(Nth)より小さい場合には、ステップS11にて、切り替え対象となるスイッチ3の番号(N)を、インクリメントさせた上で、ステップS1に戻る。
一方、スイッチ3の番号(N)がスイッチ3の個数(Nth)以上である場合には、ステップS12にて、給電制御部103は電源装置1から出力電流をゼロにすることで、出力を停止する。そして、本例の非接触給電装置による制御フローが終了する。
上記のように、本例は、電源装置1からの送電コイル4に電力を送電する回路の電流を測定し、測定された電流と電流閾値との比較結果に基づいて、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲に進入したこと(コイル進入)及び受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲から退出したこと(コイル退出)をそれぞれ検知する。また、本例は、コイル進入及びコイル退出の検知結果に応じて、送電コイル4か受電コイル7への送電を制御する。これにより、本例は、車両200の情報(車両側で検出される情報)を用いずに、コイル進入及びコイル退出を検知することができるため、受電コイル7の検知用のセンサを削減できる。また、コイル進入及びコイル退出の検知結果に応じて、送電コイル4への通電を制御でき、その結果として、給電効率を高めることができる。
また本例は、センサ5の測定値が電流閾値で推移している状態から、当該測定値が電流閾値と異なる値に変化した場合には、コイル進入として検知し、当該測定値が前記電流閾値と異なる値である状態から、測定値が電流閾値で推移する状態に変化した場合には、コイル退出として検知する。これにより、電源装置1から出力の変化に応じて、受電コイル7の位置を適切に検知できる。また、本例は、センサ5の測定値が、電流閾値(無負荷時の電流値)で推移している状態から、電流閾値とは異なる値に変化し、測定値が所定の時間、当該異なる値で推移している状態から、電流閾値に戻ることを、検知している。これにより、本例は、無負荷時に相当する電流と、負荷がある時の電流との間で、複数回の電流変化を検知していることになるため、コイル位置の検知精度を高めることができる。
なお、図1に示した非接触給電システムの構成は一例であり、電源部分、共振回路は他の回路構成であってもよい。また、負荷部40は、モータ44を複数にしてもよく、または他の負荷として、燃料電池、発電用エンジン、ソーラー電池等を加えてもよい。さらに、本例の非接触給電システムによる給電対象は、バッテリ42だけでもよく、あるいは、インバータ43及びモータ44だけでもよい。
また、図2に示した非接触給電システムのスイッチ3は一例であり、制御ロジックに対して送電コイルへの通電を切換えることが可能であればどのような構成であってもよい。
なお、コイルの位置の検知のために設定される電流閾値について、受電コイル7のコイル面の少なくとも一部が送電可能範囲内に進入したときに、受電コイル7の送電可能範囲への進入と判定する、または、受電コイル7のコイル面の少なくとも一部が送電可能範囲外に退出したときに、受電コイル7の送電可能範囲からの退出と判定する場合には、電流閾値は電流値(I0)に設定されればよい。
また、受電コイル7のコイル面の全てが送電可能範囲内に入ったときに、受電コイル7の送電可能範囲への進入と判定する、または、受電コイル7のコイル面の全てが送電可能範囲外に退出したときに、受電コイル7の送電可能範囲からの退出と判定する場合には、電流閾値は電流値(I1)に設定されればよい。そして、ピークホールド回路6のピーク値が電流値(I1)より高い値から、電流値(I1)に達した場合に、コイル進入検知部101は受電コイル7の送電可能範囲への進入として検知する。また、ピークホールド回路6のピーク値が電流値(I1)から、電流値(I1)より高い値に変化した場合に、コイル進入検知部101は受電コイル7の送電可能範囲からの退出として検知する。
また、電流閾値は、受電コイル7の送電可能範囲への進入及び受電コイル7の送電可能範囲からの退出を、それぞれ検知する際に、異なる値に設定されてもよい。
なお、本例は、電源装置1からの出力電流に基づき、コイル進入及びコイル退出を判定したが、電源装置1からの出力電圧に基づき、コイル進入及びコイル退出を判定してもよい。
なお、図1に示した送電側共振回路31及び受電側共振回路32は、一例にすぎず、それぞれ他の共振回路であってもよい。
また、送電コイル4(2番目)の通電タイミング(すなわち、2番目のスイッチ3のターンオンのタイミング)は、受電コイル7が送電コイル(1番目)の送電可能範囲に侵入したタイミング、又は、受電コイル7が送電コイル(1番目)の送電可能範囲から退出したタイミングに基づいて制御してもよい。例えば、給電路を走行する車両の速度が規定されている場合には、受電コイル7が送電コイル(1番目)の送電可能範囲に侵入するタイミングを検知できれば、2番目以降の送電コイル4へのコイル侵入のタイミング、コイル退出のタイミングを推定できる。同様に、受電コイル7が送電コイル(1番目)の送電可能範囲から退出するタイミングを検知できれば、2番目以降の送電コイル4へのコイル侵入のタイミング、コイル退出のタイミングを推定できる。
これにより、本例は、送電コイル4へのコイル侵入、又は、送電コイル4からのコイル退出を検知し、この検知結果に基づいて、他の送電コイル4への通電のタイミングを制御する。その結果として、本例は、車両の走行に合わせて漏洩磁束の減少及び給電効率の向上を実現するように、複数の送電コイル4への通電タイミングを、高精度で制御できる。
上記のコンデンサ31bを少なくとも含む回路、又は、共振回路2が、本発明に係る「送電回路」に相当し、コイル進入検知部101及びコイル退出検知部102が本発明の「検知手段」に相当し、給電制御部103が本発明の「制御手段」に相当する。
《第2実施形態》
図6は、本例の他の実施形態に係る非接触給電システムの概要を示す概要図である。本例では上述した第1実施形態に対して、コントローラ100に定常状態検知部104を設ける点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、その記載を援用する。
図6に示すように、コントローラ100は定常状態検知部104を有している。定常状態検知部104は、電源装置1の出力電流の測定値が電流閾値と異なる値から電流閾値に変化した後に、当該測定値が所定の時間、電流閾値で推移したか否かを検知する。
車両の走行中に、非接触で電力を供給する本例のシステムでは、バッテリ42の状態、モータ44の状態等により、車両側の消費電力が走行中、リアルタイムで変化する。また、車両側の消費電力が変化する場合には、給電システムを構成する共振回路の共振点が、設計時からずれることがある。そして、受電コイル7の位置が送電コイル4の送電可能範囲内にある場合に、電源装置1の出力電流が電流閾値(I0)より高くなることがある。
図7は、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲を通過する際の、電源出力電流の時間特性と、結合係数の時間特性を示すグラフである。グラフaは電源出力電流の時間特性を示し、グラフbは結合係数の時間特性を示す。なお、電源装置1の出力電圧は一定に保たれている。グラフの横軸に示す時間は、受電コイル7を備えた車両200が1つの送電コイル4を通過するまでの時間を示しており、図7に示す時間0、t1、t2、t3、t4は、図3及び図4に示す時間0、t1、t2、t3、t4と同じである。
例えば、図7に示す例では、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲から完全に退出する前に、出力電流が電流閾値(I0)より高くなっている。そのため、ある一点の時刻で、出力電流と電流閾値(I0)とを比較するのみでは、図7に示すような、局所的な出力電流の上昇を、コイル退出として誤って検出する可能性がある。そのため本例は、以下に説明するように、出力電流が電流閾値(I0)以上になった後に、出力電流が電流閾値(I0)で定常的に推移することを、コイル退出として検知することで、上記のような誤検出を防ぐ。
コイル退出検知部102は、コイル進入検知部101によりコイル進入を検知した後に、ピークホールド回路6で保持されるピーク値と電流閾値(I0)とを、所定の周期で比較する。当該所定の周期は、例えば、センサ5の測定周期と対応させればよい。
そして、コイル退出検知部102は、ピーク値が電流閾値(I0)以上である場合には、ピーク値が電流閾値(I0)以上であることを示した信号を、定常状態検知部104に出力する。また、コイル退出検知部102は、定常状態検知部104により、電流閾値(I0)の定常状態であることを示す信号を受信するまでは、ピーク値と電流閾値(I0)とを比較し、比較結果に応じて、ピーク値が電流閾値(I0)以上である旨の信号を、定常状態検知部104に出力する。
図7に示す例では、時刻ta以降、ピーク値(電源装置1の出力電流)が電流閾値(I0)以上になっている。そのため、コイル退出検知部102は、時刻ta以降、ピーク値が電流閾値(I0)以上である旨の信号を、定常状態検知部104に出力し続ける。
定常状態検知部104は、コイル退出検知部102から出力される信号をカウントする。また定常状態検知部104には、出力電流が電流閾値(I0)で定常的に推移したことを示す閾値が、予め設定されている。定常状態検知部104は、コイル退出検知部102からの出力信号のカウント数と、定常状態の判定用の閾値とを比較する。なお、判定用の閾値はセンサ5の精度等に基づいて設定すればよい。
そして、出力信号のカウント数が閾値に達した場合に、定常状態検知部104は、電流閾値(I0)の定常状態であることを示す信号を、コイル退出検知部102に出力する。コイル退出検知部102は、定常状態検知部104からの信号を受信することで、コイル退出を検知し検知結果を給電制御部103に出力する。
また、コイル退出検知部102は、コイル進入検知部101によりコイル進入を検知し、ピーク値が電流閾値(I0)以上になった後であって、定常状態検知部104からの定常状態を示す信号を受信する前に、ピーク値が電流閾値(I0)未満になった場合には、ピーク値が電流閾値(I0)未満である旨の信号を、定常状態検知部104に出力する。
定常状態検知部104は、ピーク値が電流閾値(I0)以上である旨の信号をカウント中、ピーク値が電流閾値(I0)未満である旨の信号を受信した場合には、カウントをリセットする。これにより、共振回路の共振点がずれて、出力電流が極値的に変化した場合には、コイル退出検知部102はコイル退出として検知しない。
次に、図8を用いて、本例の非接触給電装置の制御フローを説明する。図8は、本例の非接触給電装置の制御フローを示すフローチャートである。なお、以下の制御フローの説明及び図8で示されるN及びNthは、第1実施形態と同様である。またTは、定常状態検知部104のカウント数であり、Tthは、定常状態の判定用の閾値である。
なお、ステップS21〜S26の制御処理、及び、ステップS32〜S35の制御処理は、第1実施形態に係るステップS1〜S6の制御処理、及び、ステップS9〜S12の制御処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS26の制御処理後、ステップS27にて、コントローラ100は、コイル退出検知部102により、ピークホールド回路6で保持されたピーク値(Ip)と、コイル退出を検知するための電流閾値(Ith)とを比較する。
ピーク値(Ip)が電流閾値(Ith)以上である場合には、ピーク値が電流閾値(I0)以上である旨の信号が、コイル退出検知部103から定常状態検知部104に出力され、ステップS28に進む。ステップS28にて、定常状態検知部104は、ピーク値が電流閾値(I0)以上である旨の信号を受信しつつ、カウント数(T)をカウントアップし、ステップS30に進む。
一方、ピーク値(Ip)が電流閾値(Ith)未満である場合には、ピーク値が電流閾値(I0)未満である旨の信号を、コイル退出検知部103から定常状態検知部104に出力しつつ、ステップS29に進む。ステップS29にて、定常状態検知部104は、ピーク値が電流閾値(I0)未満である旨の信号を受信すると、カウント数(T)をリセットし、ステップS26に戻る。
ステップS30にて、定常状態検知部104は、カウント数(T)と閾値(Tth)とを比較する。カウント数(T)が閾値(Tth)未満である場合には、ステップS26に戻る。一方、カウント数(T)が閾値(Tth)以上である場合には、定常状態検知部104は、出力電流が電流閾値(I0)の定常状態であることを示す信号を、コイル退出検知部102に出力する。コイル退出検知部102は、当該信号に基づいて、コイル退出を検知し、検知結果を給電制御部103に出力する(ステップS31)。
上記のように、本例は、出力電流の測定値が電流閾値と異なる値から当該電流閾値以上に変化した後に、測定値が所定の時間、電流閾値で推移した場合には、コイル退出として検知する。これにより、本例は2次側の消費電力の状態によらず、コイル退出を検知することができる。その結果として、コイル進入及びコイル退出の検知結果に応じて、送電コイル4への通電を制御でき、給電効率を高めることができる。
上記の定常状態検知部104が本発明の「検知手段」に相当する。
《第3実施形態》
図9は、本例の他の実施形態に係る非接触給電システムの概要を示す概要図である。本例では上述した第1実施形態に対して、コントローラ100に到着時間推定部105を設ける点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1又は第2実施形態の記載を適宜、援用する。
図9に示すように、コントローラ100は到着時間推定部105を有している。到着時間推定部105は、送電コイル4の送電可能範囲を通過する受電コイルの通過速度を算出し、算出した通過速度に基づいて、次の送電コイル4の到達時間を推定する。
ところで、例えば、受電コイル7が、複数の送電コイル4の設置間隔、言い換えると、給電路上で送電コイル4を配置しない領域に存在する場合には、送電を行ったとしても、損失になってしまう。そのため、送電コイル4から受電コイル7への給電効率を高め、送電コイル4からの漏洩磁束を減らすためには、受電コイル7が送電コイル4の上にある時に合わせて、送電コイル4から受電コイル7に送電することが好ましい。
さらに、本例の非接触給電装置を給電路に設置した場合には、複数の送電コイル4の設置間隔は様々である。また、給電路を走行する車両の車速も様々である。そのため、給電効率を高めるためには、受電コイル7の位置を検知した上で、スイッチ3のオン、オフの切り替えのタイミングを、受電コイル7の位置に合わせなければならない。そのため本例は、以下に説明するように、コイル進入及びコイル退出の検知結果から、送電コイル4の送電可能範囲を通過する受電コイルの通過速度を算出しつつ、算出した通過速度に基づいて、次の送電コイル4の到達時間を推定する。そして、本例は、推定された到着時間に基づいてスイッチ3を制御し、送電コイル4への通電のタイミングを制御している。
コイル進入検知部101は、コイル進入の検知結果を、給電制御部103及び到着時間推定部105に出力する。またコイル退出検知部102は、コイル退出の検知結果を、給電制御部103及び到着時間推定部105に出力する。
到着時間推定部105は、1番目の送電コイル4への通電中にコイル進入検知部101から出力されたコイル進入の検知結果、及び、コイル退出検知部101から出力されたコイル退出の検知結果から、受電コイル7が1番目の送電コイル4の送電可能範囲に進入してから退出までの時間を計測する。また、到着時間推定部105は、車両200の進行方向(言い換えると、給電路の長手方向への延在方向)への送電コイル4の長さ(L1)を、計測した時間で割ることで、受電コイル7の通過速度を算出する。なお、送電コイル4の長さ(L1)は設計時に予め決まっており、コントローラ100に予め記憶されている。また、他の送電コイル4の長さについても同様に記憶されている。
また到着時間推定部105は、1番目の送電コイル4と2番目の送電コイル4との間の距離(L12、1番目のコイルと2番目のコイルの設置間隔)を、算出した通過速度で割ることで、受電コイル7が2番目の送電コイル4へ到着するまでの到着時間を算出する。なお、コイル間の間隔(L12)は設計時に予め決まっており、コントローラ100に予め記憶されている。また、他の送電コイル4のコイル間の間隔についても同様に記憶されている。
そして、到着時間推定部105は、算出した到着時間を、2番目の送電コイル4へ到着予定時間として推定し、推定した到着予定時間の情報を給電制御部103に出力する。
給電制御部103は、コイル退出検知部102により1番目の送電コイル4に関してコイル退出を検知した場合には、1番目のスイッチ3をオンからオフに切り替える。このとき、2番目のスイッチ3を含め他のスイッチ3は、オフ状態のままである。
そして、給電制御部103は、1番目のスイッチ3をオンからオフに切り替えると、時間を計測し、計測時間が到着時間推定部105で推定した推定時間を経過したか否かを判定する。1番目のスイッチ3をオンからオフに切り替えた後の経過時間が、到着時間推定部105の推定時間に達した場合には、給電制御部103は、2番目のスイッチ3をオンにし、2番目のスイッチ3以外の他のスイッチをオフ状態のままとする。
これにより、受電コイル7が2番目の送電コイル4の送電可能範囲への進入に合わせて、2番目のスイッチ3をオンにして、2番目の送電コイル4からの送電を行うことができる。
コントローラ100は、3番目以降のスイッチ3のターンオンのタイミング及び3番目以降の送電コイル4の通電のタイミングも、上記と同様に行う。
次に、図10を用いて、本例の非接触給電装置の制御フローを説明する。図10は、本例の非接触給電装置の制御フローを示すフローチャートである。なお、以下の制御フローの説明及び図10で示されるN及びNthは、第1実施形態と同様である。
なお、ステップS41〜S51の制御処理、及び、ステップS54制御処理は、第1実施形態に係るステップS1〜S11の制御処理、及び、ステップS12の制御処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、ステップS45の制御処理において、コイル進入検知部101はコイル進入の検知結果を到着時間推定部105に出力する。また、ステップS48の制御処理において、コイル退出検知部102はコイル退出の検知結果を到着時間推定部105に出力する。
ステップ51において、制御対象となったスイッチ3の番号(N)がスイッチ3の個数(Nth)より小さい場合には、ステップS52にて、到着時間推定部105は、N番目の送電コイル4について、受電コイル7の通過速度を算出しつつ、当該通過速度と、N番目とN+1番目の送電コイル4の間隔とに基づいて、N+1番目の送電コイル4への到着時間を推定する。
ステップS53にて、給電制御部103は、受電コイル7がN番目の送電コイル4を退出した時間からの時間を計測し、計測時間が到着時間推定部105で推定した推定時間を経過したか否かを判定する。推定時間が経過していない場合には、計測時間が推定時間に達するまで、ステップS53の処理を繰り返す。一方、推定時間が経過した場合には、ステップS54に進む。
上記のように、本例は、コイル進入及びコイル退出の検知結果に基づいて、受電コイル7がN番目の送電コイル4を通過する通過時間を算出し、N番目の送電コイル4の長さ及び当該通過時間から通過速度を算出し、N番目とN+1番目の送電コイル4間の距離及び当該通過速度から、N+1番目の送電コイル4への到着時間を推定し、推定された時間に基づいて、N+1番目の送電コイル4への通電のタイミングを制御する。なお、N番目とN+1番目の送電コイル4は、給電路において、車両200の進行方向に沿って並べられたコイルであり、互いに隣り合うコイルである。これにより、漏洩磁束の減少及び給電効率の向上を実現するように、複数の送電コイル4への通電タイミングを、高精度で制御できる。
なお上記の到着時間推定部が本発明の「推定手段」に相当する。
《第4実施形態》
図11は、本例の他の実施形態に係る非接触給電システムの概要を示す概要図である。本例では上述した第1実施形態に対して、コントローラ100に通過速度推定部106及び逸脱検知部107を設ける点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1〜第3実施形態の記載を適宜、援用する。
図11に示すように、コントローラ100は、通過速度推定部106と逸脱検知部107を有している。通過速度推定部106は、各送電コイル4の送電可能範囲を通過する受電コイル7の通過速度を、それぞれ算出する。また通過速度推定部106は、N番目以前の送電コイル4について受電コイル7の通過速度を算出しつつ、算出した通過速度に基づいて、N+1番目の送電コイル4について受電コイル7の通過速度を通過推定速度として推定する。逸脱検知部107は、通過速度推定部106により算出された通過速度と推定された通過推定速度との比較結果に基づいて、車両が給電路から逸脱したか否かを検知する。
ところで、例えば、車両が、本例の非接触給電装置を備えた給電路を走行する際には、車両が、蛇行し給電路の途中から逸脱する場合がある。このような場合には、非接触給電装置は、逸脱した地点以降に設置された送電コイル4に対して通電しても、電力が無駄になってしまう。車両の給電路からの逸脱を検出する方法として、各送電コイル4に受電コイル7の位置センサを設け、当該センサにより受電コイル7を検知した場合に、対応する送電コイル4に対して通電を行うことも考えられる。しかしながら、コイルの位置検知用のセンサを別途設ける必要があるため、コストが高くなる、という問題ある。そのため本例は、以下に説明するように、コイル進入及びコイル退出の検知結果から車両200が給電路から逸脱したことを検知している。
コイル進入検知部101はコイル進入の検知結果を給電制御部103及び到着時間推定部105に出力する。またコイル退出検知部102は、コイル退出の検知結果を給電制御部103及び到着時間推定部105に出力する。
通過速度推定部106は、1番目の送電コイル4への通電中にコイル進入検知部101から出力されたコイル進入の検知結果、及び、コイル退出検知部101から出力されたコイル退出の検知結果から、受電コイル7が1番目の送電コイル4の送電可能範囲に進入してから退出までの時間を計測する。また、通過速度推定部106は、車両200の進行方向(言い換えると、給電路の長手方向への延在方向)への送電コイル4の長さ(L1)を、計測した時間で割ることで、受電コイル7の通過速度を算出する。なお、送電コイル4の長さ(L1)は設計時に予め決まっており、コントローラ100に予め記憶されている。また、他の送電コイル4の長さについても同様に記憶されている。
通過速度推定部106は、2番目の送電コイル4以降のコイルについても、上記と同様に、各送電コイル4を通過する受電コイル7の通過速度を、それぞれ算出する。通過速度推定部106は、算出した通過速度を逸脱検知部107に出力する。
逸脱検知部107は、1番目の送電コイル4を通過する受電コイル7の通過速度(V
1)と、2番目の送電コイル4を通過する受電コイル7の通過速度(V
2)に基づいて、以下の式(1)を用いて、3番目の送電コイル4を通過する受電コイル7の通過速度を、通過推定速度(V’
3)として、算出する。なお、式(1)は、式を一般化しており、n+1番目の通過推定速度(V’
n+1)を、n−1番目の通過速度(V
n−1)及びn番目の通過速度(V
n)から算出する式で示されている。
ただし、nは2以上の自然数である。
また、逸脱検知部107は、4番目の送電コイル4以降のコイルについても、上記と同様に、各送電コイル4を通過する受電コイル7の通過速度を、それぞれ算出する。そして、逸脱検出部107は、通過速度推定部により算出されたn番目の通過速度(Vn)と、n番目の通過推定速度(V’n)とを比較することで、車両200が給電路から逸脱したか否かを検知する。
ここで、図12及び図13を用いて、通過速度と、車両の給電路からの逸脱との関係について説明する。図12は、車両が給電路の送電コイル4上を走行した際の車両の軌跡と、電源装置1の出力電流の時間特性との関係を示す図である。図12(a)は、車両が給電路に沿うよう走行した場合であって、送電コイル4の平面図と、電流特性のグラフを示す。図12(b)は、車両が給電路の途中で旋回して走行した場合であって、送電コイル4の平面図と、電流特性のグラフを示す。グラフaは電流特性のグラフであり、「b」で示す矢印は、走行車両の軌跡である。なお、走行車両の軌跡は、受電コイル7のコイル面の中心点とする。L1は、車両200の進行方向への送電コイル4の長さを示す。なお、図12で示す送電コイル4の形状は一例である。また、図12(a)及び図12(b)において、車両が送電コイル4上を走行する際の車速は同じである。
図12(a)に示すように、給電路を直進した場合には、受電コイル7のコイル面の中心点は、送電コイル4のコイル面(送電可能範囲に相当)に対して、直線を描くような軌跡となる。そのため、受電コイル7の中心点の軌跡のうち、コイル面内の軌跡の長さは長くなる。また、時刻t1の時点で、受電コイル7は送電コイル4の送電可能範囲に進入し、時刻t2の時点で、受電コイル7は送電コイル4の送電可能範囲から退出する。時刻t1と時刻t2と間の時間がΔtaとなり、当該時間Δtaは、送電コイル4のコイル面内における受電コイル7の軌跡の長さに相当する。
一方、図12(a)に示すように、給電路を旋回した場合には、受電コイル7のコイル面の中心点は、送電コイル4のコイル面に対して、曲線を描くような軌跡となる。また、図12(a)と同じ、時刻t1の時点で、受電コイル7が送電コイル4の送電可能範囲に進入したとすると、受電コイル7が送電可能範囲から退出する時刻t3は、図12(a)の時刻t2よりも、速い時間となる。そのため、時刻t1と時刻t3と間の時間がΔtbは、時間Δtaよりも短くなる。そして、図12(a)及び図12(b)に示す状態で、通過速度推定部106が、上記の要領で、それぞれの通過速度(=L1/Δta、L1/Δtb)を算出すると、図12(b)に示す状態のときの通過速度(Vb)は、図12(a)に示す状態のときの通過速度(Va)よりも大きくなる。
図13は、給電路上に5個の送電コイル4を並べた状態で、車両が一定の加速度で給電路を走行した場合に、送電コイル4の位置に対する通過速度の推移を示すグラフと、受電コイル7の中心点の軌跡を説明するための送電コイル4の平面図である。
図13において、車両200は、給電路のうち、n−3番目からn−1番目の送電コイル4を含む経路では、直進し、n番目の送電コイル4の位置から旋回し、n+1番目の送電コイル4の位置で、給電路から逸脱したとする。
n−3番目からn−1番目では、車速は比例して大きくなる。そして、n−3番目からn−1番目において、受電コイル7の中心点の軌跡のうち、各送電コイル4のコイル面内の軌跡の長さは同じである。そのため、通過速度(Vn−3、Vn−2、Vn−1)は、比例して大きくなる。
n番目では、送電コイル4のコイル面における、受電コイル7の中心点の軌跡は、車両の旋回に伴い、曲線を描くが、車両は給電路を完全に逸脱していない。そのため、当該軌跡は、n−3番目からn−1番目のときと比較して、少し長くなる程度である。n番目の通過速度(Vn)は、n−3番目からn−1番目のときと比較して、少し長くなる程度であり、図13に示した比例直線のグラフb上で示される。
n+1番目では、送電コイル4のコイル面における、受電コイル7の中心点の軌跡は、給電路からの車両の逸脱により、n−3番目〜n番目のときと比較して、極端に短くなっている。そして、n+1番目の通過速度(Vn+1)は、n−3番目からn番目のときと比較して、大きくなる。
通過速度推定部106は、図13に示したn−1番目の通過速度(Vn−1)とn番目の通過速度(Vn)とを用いて、上記の式(1)より通過推定速度(V’n+1)を推定する。そして、n−3番目からn番目の通過速度は、送電コイル7の位置に対して比例関係にあるため、上記の(1)に基づき推定された通過推定速度(V’n+1)も、n−3番目からn番目の通過速度と同様に、比例関係になる。
すなわち、送電コイル4のコイル面上で、車両が給電路から逸脱した場合には、算出された通過速度(実際の通過速度)が、通過推定速度(V’n+1)より大きくなる。そのため、逸脱検知部107は、算出されたn+1番目の通過速度(Vn+1)と、n+1番目の通過推定速度(V’n+1)とを比較し、通過速度(Vn+1)が通過推定速度(V’n+1)より大きい場合には、n+1番目の送電コイルの位置で、車両が給電路から逸脱した、と判定する。これにより、逸脱検知部107は、車両200の給電路からの逸脱を検知する。そして、逸脱検知部107は、逸脱の検知結果を給電制御部103に出力する。
給電制御部103は、逸脱検知部107により給電路からの逸脱を検知した場合には、オンになっているスイッチ3をオフにしつつ、電源装置1からの出力電流を停止する。これにより、車両が給電路から逸脱した場合に、送電コイル4からの無駄な送電を停止できるため、損失を減らすことができる。
次に、図14を用いて、本例の非接触給電装置の制御フローを説明する。図14は、本例の非接触給電装置の制御フローを示すフローチャートである。なお、以下の制御フローの説明及び図14で示されるN及びNthは、第1実施形態と同様である。
なお、ステップS61〜S70の制御処理、及び、ステップS75、S76制御処理は、第1実施形態に係るステップS1〜S10の制御処理、及び、ステップS11、S12の制御処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、ステップS65の制御処理において、コイル進入検知部101はコイル進入の検知結果を通過速度推定部106に出力する。また、ステップS68の制御処理において、コイル退出検知部102はコイル退出の検知結果を通過速度推定部106に出力する。
ステップS70において、制御対象となったスイッチ3の番号(N)がスイッチ3の個数(Nth)より小さい場合には、ステップS71にて、通過速度推定部106は、n−2番目の通過速度(Vn−2)及びn−1番目の通過速度(Vn−1)に基づいて、n番目の通過推定速度(V’n)を推定する。
ステップS72にて、通過速度推定部106は、n番目の送電コイル4に関するコイル進入の検知結果及びコイル退出の検知結果に基づき、n番目の通過速度(Vn)を算出する。ステップS73にて、逸脱検知部107は、n番目の通過推定速度(V’n)とn番目の通過速度(Vn)とを比較する。
n番目の通過速度(Vn)がn番目の通過推定速度(V’n)より大きい場合には、逸脱検知部107は、n番目の送電コイルの位置で、車両が給電路から逸脱したと、判定し、逸脱を検知した検知結果を給電制御部10に出力する。そして、ステップS76に進む。
一方、n番目の通過速度(Vn)がn番目の通過推定速度(V’n)以下である場合には、逸脱検知部107は、n番目の送電コイルの位置で、車両が給電路から逸脱していない、と判定する。そして、ステップS75に進む。
上記のように、本例は、コイル進入及びコイル退出の検知結果に基づいて、受電コイル7がN番目、N+1番目、N+2番目の送電可能範囲を通過するそれぞれの通過速度を、N番目、N+1番目、N+2番目の通過速度としてそれぞれ算出し、N番目の通過速度とN+1番目の通過時間に基づき、受電コイル7がN+2番目の送電可能範囲を通過する通過時間をN+2番目の通過推定速度として推定し、N+2番目の通過速度が当該通過推定速度より大きい場合には、車両200が複数の送電コイル7を並べた給電路から逸脱したと検知する。これにより、本例は、受電コイル7の位置を検知するセンサを用いずに、車両の給電路からの逸脱を検知できる。また本例は、検知結果に応じて、送電を制御することで、不要な通電を抑制できる。
なお、本例において、逸脱検知部107は、N番目の通過速度とN番目の通過推定速度との差分を算出し、算出された差分が逸脱の判定閾値より大きい場合に、n番目の送電コイルの位置で、車両が給電路から逸脱したと、判定してもよい。このとき、当該判定閾値は、本例の非接触給電装置の設置場所である、高速道路、一般道路、又は登坂路等の給電路の種類に応じて、設定すればよい。
上記の追加速度推定部106が本発明の「推定手段」に相当し、逸脱検知部107が本発明の「検知手段」に相当する。
《第5実施形態》
図15は、本例の他の実施形態に係る非接触給電システムの概要を示す概要図である。本例では上述した第4実施形態に対して、コントローラ100に復帰検知部108を設ける点が異なる。これ以外の構成は上述した第4実施形態と同じであり、第1〜第4実施形態の記載を適宜、援用する。
図15に示すように、コントローラ100は復帰検知部108を有している。給電制御部103は、逸脱検知部107により車両が給電路から逸脱したことを検知した場合には、逸脱した位置に相当するスイッチ3をオフにしつつ、当該スイッチ3の次の順番以降のスイッチ3を順次オンにする。例えば、逸脱がN番目の送電コイル4の位置で検知された場合には、給電制御部103はN+1番目以降のスイッチ3を、1つずつ順次、オン及びオフを切り替える。また、給電制御部103は、給電モードから復帰検知モードに遷移して、電源装置1の出力電流を設定する。給電モードは、車両200の負荷部40に対して電力を給電するためのモードであって、電源装置1の出力電流を高くするモードである。一方、復帰検知モードは、送電コイル4に通電することで、コイル侵入検知部101によるコイル進入を検知のみを可能とするモードである。そして、復帰検知モード時の電源装置1の出力電流は、給電モード時の出力電流と比較して、低い。
コイル侵入検知部101には、復帰検知モード時に、コイル侵入を検知するための電流閾値(Ith_c)が予め設定されている。電流閾値(Ith_c)は、給電モード時に、受電コイルの位置を検知するための電流閾値よりも低い値に設定されている。そして、給電モードから復帰検知モードに切り替わった場合には、コイル進入検知部101は、コイル進入検知用の閾値を、電流閾値(Ith)から電流閾値(Ith_c)に切り替える。コイル侵入検知部101は、ピークホールド回路6で保持されたピーク値と電流閾値(Ith_c)とを比較し、ピーク値が電流閾値(Ith_c)未満である場合には、受電コイル7が送電可能範囲へ侵入したと検知する。また、
また、コイル侵入検知部101は、ピーク値が電流閾値(Ith_c)未満になったときに、オンになっていたスイッチ3を特定し、特定されたスイッチ3と対応する送電コイル4の位置を、受電コイル7の侵入があった位置として特定する。そして、コイル侵入検知部101は、コイル侵入の検知結果と、受電コイル7の侵入があった位置の位置情報を、復帰検知部108に出力する。
復帰検知部108は、逸脱検知部107より車両の給電路からの逸脱を検知した後に、コイル侵入検知部101によりコイル侵入を検知した場合には、車両が給電路に復帰したと検知する。
次に、具体例を用いて、車両の給電路への復帰を検知する際の制御について、図16及び図17を用いて説明する。図16は、給電路に配置された、N番目、N+1番目、N+2番目の送電コイル4及びスイッチ3と、給電路に進入する車両の軌跡を示した概要図である。また図17は、図16に示すように車両が給電路に侵入した場合に、電源装置1の出力電流の時間特性を示すグラフである。なお、車両200の速度は一定であり、図17のグラフの横軸で示される時間は、走行する車両200の位置に相当する。
位置にも相当する。
図16に示すように、車両200は、N番目の送電コイル4の位置よりも前の位置で、給電路から逸脱しており、N+1番目の送電コイル4の位置で、給電路に進入したとする。
車両がN番目の送電コイル4の付近(送電可能範囲の外側)を通過する時には、電源装置1は復帰検知モードで制御されている。そのため、電源装置1の出力電流は、電流閾値(Ith_c)の一定値で推移する。
そして、車両がN+1番目の送電コイル4の送電可能範囲に進入した時(図17の時刻tn+1_a)に、出力電流が電流閾値(Ith_c)よりも小さくなる。コイル侵入検知部101は、N+1番目のスイッチ3をオンにした状態で、時刻tn+1_aの時点で、出力電流が電流閾値(Ith_c)未満であることを検知することで、コイル侵入を検知する。
出力電流は、時間tn+1_aの時点以降、電流閾値(Ith_c)より低い一定値で推移する。そして、車両がN+1番目の送電コイル4の送電可能範囲から退出した時(図17の時間tn+1_bの時点)に、出力電流が電流閾値(Ith_c)まで戻る。なお、コイル退出検知部102は、時刻tn+1_bのタイミングで、コイル退出を検知してもよい。
復帰検知部108は、時間tn+1_aの時点よりも前の時刻に、逸脱検知部107より車両の給電路からの逸脱を検知し、少なくとも時間tn+1_c(車両200が、N+2番目の送電コイル4の送電可能範囲に侵入する前の時間)までの時点で、コイル侵入検知部101によりコイル侵入を検知しているため、車両200が給電路に復帰したと検知する。このとき復帰検知部108は、オンになっているスイッチ3の番号から、受電コイル7の侵入があった位置を特定する。そして、復帰検知部108は、復帰の検知結果と、受電コイル7の侵入があった位置の情報を、給電制御部103に出力する。
給電制御部103は、時刻tn+2(車両200が、N+2番目の送電コイル4の送電可能範囲に侵入する前の時間)の時点で、復帰検知モードから、給電モードに切り替えて、電源装置1の出力電流を高くする。そして、時刻tn+2以降、出力電流は、車両1が給電路を走行する場合の特性(図2のグラフa)と同様の特性で推移する。これにより、本例は、復帰の検知後、出力電流を給電モード時の電流に戻して給電を再開させることで、車両が給電路から逸脱し復帰した場合でも給電を行うことができる。
次に、図18を用いて、本例の非接触給電装置の制御フローを説明する。図18は、本例の非接触給電装置の制御フローを示すフローチャートである。なお、以下の制御フローは、第4実施形態で説明したステップS74の制御処理の後に行う制御フローである。
ステップS74において、車両の給電路からの逸脱を検知した後、ステップS75にて、給電制御部103は、給電モードから復帰検知モードに切り替える。ステップS76にて、切り替え対象となるスイッチ3の番号(N)を、インクリメントする。
ステップS77にて、給電制御部103は、N番目のスイッチをオンにする。ステップS78にて、給電制御部103は、復帰検知モードに基づく電流を、電源装置1から出力させる。ステップS79にて、ピークホールド回路6は、センサ5で測定される電流のピーク値(Ip)を保持しつつ、保持したピーク値をコントローラ100に出力する。コントローラ100は、コイル退出検知部102により、ピークホールド回路6で保持されたピーク値(Ip)と、コイル退出を検知するための電流閾値(Ith_c)とを比較する(ステップS80)。
ピーク値(Ip)が電流閾値(Ith_c)以上である場合には、コイル侵入検知部101は、n番目の送電コイル4の位置で、受電コイルの侵入があったことを検知し、コイル侵入の検知結果及びコイル侵入の位置情報を、復帰検知部108に出力する。復帰検知部108は、コイル侵入検知部101によるコイル侵入の検知結果に基づき、車両が給電路に復帰したことを検知する。また復帰検知部108は検知結果を給電制御部103に出力する(ステップS81)。
ステップS82にて、コントローラ100は、復帰検知モードから給電モードに切り替え、コイル進入検知部102は、コイル進入の検知用の閾値を、電流閾値(Ith)から電流閾値(Ith_c)に切り替え、ステップS61(図14を参照)に進む。
ステップS830において、ピーク値(Ip)が電流閾値(Ith_c)未満である場合には、コントローラ100は、S77でスイッチ3をオンにしてからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する。当該所定時間は、復帰検知モードにて、N番目以降のスイッチ3を順番にオンに切り替える際の、切り替えの時間間隔である。
経過時間が所定時間を経過していない場合にはステップS79に戻る。一方、経過時間が所定時間を経過した場合には、コントローラ100は、ステップS77で、オンに切り替えたスイッチ3の番号(N)と、スイッチ3の個数(Nth)とを比較することで、復帰検知モードにおいて、対象となる全てのスイッチ3を制御したか否かを判定する(ステップS84)。
オンに切り替えたスイッチ3の番号(N)が個数(Nth)に達した場合には、S74で逸脱を検知した後に、車両200が給電路に復帰しなかったことになり、ステップS85にて、給電制御部103は電源装置1から出力電流をゼロにすることで、出力を停止する。そして、本例の非接触給電装置による制御フローが終了する。
一方、ステップS84において、オンに切り替えたスイッチ3の番号(N)が個数(Nth)に達していない場合には、ステップS76に戻る。
上記のように、本例は、車両200の給電路からの逸脱を検知した場合には、電源装置1から送電コイル4に出力する電力を、当該逸脱の検知前に、電源装置1から送電コイル4に出力していた電力よりも低い電力に設定し、当該逸脱の検知後にコイル進入を検知した場合には、車両200が給電路に復帰したと検知する。これにより、本例は、受電コイル7の位置を検知するセンサを用いずに、車両の給電路への復帰を検知できる。また、逸脱した後に車両が再び給電路に復帰したことを検知し、検知結果に応じて、送電を制御することで、給電を再開することができる。
上記の復帰検知部108が本発明の「検知部」に相当する。
《第6実施形態》
図19は、本例の他の実施形態に係る非接触給電システムの概要を示す概要図である。本例では上述した第3実施形態に対して、コントローラ100に停車検知部109を設ける点が異なる。これ以外の構成は上述した第3実施形態と同じであり、第1〜第5実施形態の記載を適宜、援用する。
コントローラ100は、停車検知部109を有している。停車検知部109は、車両200が給電路上で、複数の送電コイル4の間で、停車したか否かを判定する。到着時間推定部105は、N番目の送電コイル4の送電可能範囲を通過する通過速度(Vn)を算出する。また、到着時間推定部105は、N番目とN+1番目の送電コイル4間の距離を、算出した通過速度(Vn)で割ることで、受電コイル7がN+1番目の送電コイル4への到着する時間を推定する。到着時間推定部105は、推定した到着時間の情報を停車検知部109に出力する。
停車検知部109は、コイル退出検知部102によりコイル退出を検知してからの経過時間を計測する。また停車検知部109は、計測した時間と、到着時間推定部105で推定された推定時間とを比較する。
計測時間が推定時間より長い場合には、受電コイル7が、推定された時間までにN+1番目の送電コイル4に進入していないことになるため、停車検知部109は、車両が、N番目とN+1番目の送電コイル4間で停車したとして検知する。
一方、計測時間が推定時間を経過する前に、コイル侵入検知部101が、N+1番目の送電コイル4へのコイル侵入を検知した場合には、停車検知部109は、車両が、N番目とN+1番目の送電コイル4間で停車したと検知しない。また、停車検知部109は、計測していた時間をリセットする。
給電制御部103は、停車検知部109により、N番目とN+1番目の送電コイル4間で停車したことを検知した場合には、給電モードから待機モードに遷移して、電源装置1の出力電流を設定する。待機モードは、送電コイル4に通電することで、コイル侵入検知部101によるコイル進入を検知のみを可能とするモードである。そして、待機モード時の電源装置1の出力電流は、給電モード時の出力電流と比較して低い。また給電制御部103は、N+1番目のスイッチ3をオンにする。
コイル侵入検知部101には、待機モード時に、コイル侵入を検知するための電流閾値(Ith_d)が予め設定されている。電流閾値(Ith_d)は、給電モード時に、受電コイルの位置を検知するための電流閾値よりも低い値に設定されている。そして、給電モードから復帰検知モードに切り替わった場合には、コイル進入検知部101は、コイル進入検知用の閾値を、電流閾値(Ith)から電流閾値(Ith_c)に切り替える。コイル侵入検知部101は、ピークホールド回路6で保持されたピーク値と電流閾値(Ith_d)とを比較し、ピーク値が電流閾値(Ith_d)未満である場合には、受電コイル7が送電可能範囲へ侵入したと検知する。
これにより、車両が再び給電路を走行し、受電コイル7がN+1番目の送電コイルの送電可能範囲に進入した場合には、コイル進入検知部101はコイル進入を検知できる。そして、給電制御部103は、コイル進入を検知後に、待機モードから給電モードに遷移して、電源装置1の出力電流を設定し、給電を再開させる。
次に、具体例を用いて、車両がN番目とN+1番目の送電コイル4間で停車してから、車両が再び給電路を走行し、給電が再開されるまでの制御を、図20を用いて説明する。図20(a)は、車両200がN番目とN+1番目の送電コイル4間で停車している状態を示す概要図である。図20(b)は、電源装置1の出力電流の時間特性を示す。図20(b)の横軸で示した時間に対する車両200の状態について、時間0から時間t1の間では、車両200はN番目とN+1番目の送電コイル4間を走行し、時間t1の時点で、コイル間で停車する。そして、時間t1から時間t3の間では、車両200はコイル間での停車した状態であり、時間t3の時点で、走行を開始する。そして、時間t4の時点で、車両200の受電コイル7がN+1番目の送電コイル4の送電可能範囲に進入する。
コイル侵入検知部101は、図20(b)に示す時刻0よりも前の時間に、N番目の送電コイル4へのコイル侵入を検知している。そして、コイル侵入検知部101は、時間0の時点で、N番目の送電コイル4からのコイル退出を検知する。また、到着時間推定部105は、当該コイル侵入の検知結果及び当該コイル退出の検知結果の検出結果に基づいて、N+1番目の送電コイルへの到着予定時間を推定する。到着予定時間は時間t2に相当する。
給電制御部103は、N番目のスイッチ3をオフにし、N+1番目のスイッチ3をオンにする。なお、N+1番目のスイッチ3のターンオンのタイミングは、N番目のスイッチ3のターンオフから所定の時間の経過後に、設定してもよい。停車検知部109は、時間0からの経過時間を計測することで、N番目の送電コイル4のコイル退出を検知してからの経過時間を計測している。
時間t1の時点では車両200はN番目とN+1番目の送電コイル4間で停車しているが、コイル退出を検知してからの経過時間が到着予定時間(時間t2)を経過していない。そのため、停車検知部109は、この時点では、車両200のコイル間の停車を検知しない。
時間t2になると、コイル退出を検知してからの経過時間が到着予定時間(時間t2)に達する。停車検知部109は、車両200がN番目とN+1番目の送電コイル4間で停車したことを、検知する。また、給電制御部103は給電モードから待機モードに切り替えて、車両200のコイル間の停車を検知する前と比較して、電源装置1の出力電流を下げる。
時間t3の時点では車両200は走行を再開するが、受電コイル7がN+1番目の送電コイル4の送電可能範囲外であるため、コイル進入検知部101はコイル進入を検知せず、待機モードが維持される。
時間t4から時間t5の間で、コイル進入検知部101はN+1番目の送電コイル4へのコイル進入を検知する。時間t5の時点で、給電制御部103は、待機モードから給電モードに切り替えて、送電コイル4から受電コイル7への送電を再開させる。
これにより、N番目とN+1番目の送電コイル4間で車両200の停車が検知された場合に、N+1番目の送電コイル4へのコイル進入の検知ができる程度まで、出力電流を抑えることができる。その結果として、送電コイル4での無駄な送電を抑制でき、かつ、車両200が発進しても送電コイル4への進入を検知でき、給電を再開することができる。
次に、図21を用いて、本例の非接触給電装置の制御フローを説明する。図18は、本例の非接触給電装置の制御フローを示すフローチャートである。なお、以下の制御フローの説明及び図21で示されるN及びNthは、第1実施形態と同様である。
なお、ステップS91〜S101の制御処理は、第1実施形態に係るステップS1〜S11の制御処理と基本的に同様であるため、説明を省略する。ただし、ステップS94にて、電流ピーク値が電流閾値以上である場合に、それ以降の制御フローが、第1実施形態に係る制御処理と異なる。また、ステップS100にて、スイッチ3の番号(N)がスイッチ3の個数(Nth)より小さい場合に、それ以降の制御フローが、第1実施形態に係る制御処理と異なる。また、ステップS95の制御処理の一部が異なる。なお、モードの初期値は給電モードである。
ステップS100において、スイッチ3の番号(N)がスイッチ3の個数(Nth)より小さい場合には、ステップS102に進む。ステップS102にて、停車検知部109は、ステップS98においてコイル退出の検知してからの時間を計測することで、受電コイル7がN+1番目の送電コイル4に到着するまでの時間を計測する。ステップS103にて、到着時間推定部105は、ステップS95のコイル進入の検知結果及びステップS98のコイル退出の検知結果に基づき、N+1番目の送電コイルへの到着予定時間を推定する。
ステップS104にて、切り替え対象となるスイッチ3の番号(N)を、インクリメントさせた上で、ステップS91に戻る。
ステップS94において、電流ピーク値が電流閾値以上である場合にはステップS105に進む。なお、ステップS94の制御処理で用いる電流閾値は、給電モードの時には電流閾値(Ith)に設定され、給電モードの時には電流閾値(Ith_d)に設定される。
ステップS105にて、停車検知部109は、ステップS102で計測した計測時間(到着時間の計測値)とステップS103で推定した到着予定時間とを比較する。計測時間が到着予定時間未満の場合にはステップS93に戻る。
計測時間が到着予定時間に達した場合には、ステップS106にて、停車検知部109は、車両200がコイル間で停車したと判定し、判定結果を給電制御部103に出力する。ステップS107にて、コントローラ100は、給電モードから待機モードに切り替え、コイル進入検知部102は、コイル進入の検知用の閾値を、電流閾値(Ith)から電流閾値(Ith_d)に切り替え、ステップS93に戻る。
なお、ステップS95において、待機モード時にコイル進入を検知した場合には、コントローラ100は、待機モードから給電モードに切り替えた上で、ステップS96以降の制御処理を行う。また、Nが初期値(1)の時には、ステップS94の制御処理の時点で、到着予定時間及び到着時間が算出されていないため、ステップS105〜S107の制御処理は省略される。
上記のように、本例は、コイル進入及びコイル退出の検知結果に基づいて、受電コイルがN番目の送電コイル4の送電可能範囲を通過する通過時間を算出し、N番目の送電コイル4の長さ及び当該通過時間からN番目のコイルの通過速度を算出し、N番目とN+1番目の送電コイル4間の距離、及び、当該通過速度から、受電コイル7がN+1番目の送電コイル4の送電可能範囲へ到着する時間を到着予定時間として推定する。そして、受電コイル7がN番目の送電コイル4の送電可能範囲を通過してから、N+1番目の送電コイル4の到着予定時間の経過までに、N+1番目の送電コイル4へのコイル進入を検知しない場合には、車両が給電路上で停止したと検知する。これにより、本例は、受電コイル7の位置を検知するセンサを用いずに、コイル間での車両の停止を検知できる。また本例は、検知結果に応じて、送電を制御することで、不要な通電を抑制できる。
なお、本例は、コイル間の車両の停車を検知する際には、第4実施形態で示した給電路からの逸脱の検知を組み合わせた上で、上記制御を行ってもよい。この時には、N番目の送電コイルについて、コイル退出が検出され、かつ、N番目の送電コイルからの逸脱が検知されていない場合に、N番目とN+1番目の送電コイル4間で、車両が停車した否かを判定することになる。
上記の停車検知部109が本発明の「検知手段」に相当する。