JP2015071279A - 可動プラテンの調整機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形機において用いられる可動プラテンにおいて、可動プラテンの重心位置にかかわらず可動プラテンの傾きを調整することを可能とする可動プラテンの調整機構を提供する。
【解決手段】成形機の型締装置における、可動プラテンの調整機構において、前記可動プラテンの調整機構は、重力に逆らう方向に前記可動プラテンを押し上げる力を作用させる押しボルトと、重力方向に前記可動プラテンを引き込む力を作用させる引きボルトと、を備え、前記可動プラテンの、前記固定プラテンとの距離が異なる複数の位置における、前記成形機のベースからの高さを調整することによって可動プラテンの調整を行う。これにより、可動プラテンの重心位置がはずれた位置にある場合などの、押しボルトのみでは調整が困難である場合であっても、適切に可動プラテンの傾き等の調整を行うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形機に関し、特に射出成形機において用いられる可動プラテンの調整機構に関する。
図1は、射出成形機における型締部を示す図である。型締部は、可動プラテン30、リアプラテン31、トグル32、固定プラテン33、クロスヘッド34、ボールねじ軸38とから構成されている。リアプラテン31と固定プラテン33とは複数本のタイバー41で連結されており、可動プラテン30はトグル32により固定プラテン33に対して前進(図1における右方向)及び後退(図1における左方向)可能に設けられている。
可動プラテン30には金型40が取り付けられている。ボールねじ軸38に取り付けられたクロスヘッド34を進退させることによって、可動プラテン30の位置を変えることができる。この場合、クロスヘッド34を前進(図における右方向に移動)させると、可動プラテン30が前進させられて型閉じが行われる。
ここで、レンズ成形などの精密成形においては、固定プラテンと可動プラテンとの間の平行度は成形品に大きな影響を及ぼす。この平行度の調整のうち鉛直方向の平行度調整は、従来から可動プラテンの倒れ、すなわち傾きを変えることによって行っており、一般的な方法としては、可動プラテンとベースフレームとの間の支持部において、固定プラテン側と、その反対側の前後の高さを変えることによって可動プラテンの傾きを変えている。それぞれの高さを変える方法としては、くさびを用いる方法やシムを挟む方法、ボルトで押す方法といった方法が一般的である。
特許文献1には、ボルトとくさびを用いた可動プラテンの傾き調整方法についての技術が開示されている。可動プラテンの高さを調整するための調整要素としてのボルトを備え、各ボルトのネジ部の先端部が可動プラテンの下部にさしこまれているサポートブロックの固定プラテン側とその反対側においてサポートブロックに当接している。そのため、各ボルトを回動させることによって、サポートブロックの楔状部によって、各位置における可動プラテンの上下方向における位置を調整することができる。
特開2009−262514号公報
特許文献1に開示されている技術は、ボルトの回動によって、可動プラテンの固定プラテン側とその反対側の上下方向における位置を調整することによって、可動プラテンの固定プラテン方向の前後の傾きを調整することが可能である。この際、通常は可動プラテンの重心がボルトの当接位置の中間点になるように設計し、可動プラテンの自重により各位置の押し上げ具合を調整するが、可動プラテンに金型を取り付けると、可動プラテンの重心位置が変化して、各ボルトの当接位置の間から外れた位置になってしまうことがある。このとき、ボルトを調整すると、可動プラテン全体が上下するだけであって、傾きを調整することができなくなるおそれがある。
そこで本発明は、射出成形機において用いられる可動プラテンにおいて、可動プラテンの重心位置にかかわらず可動プラテンの傾きを調整することを可能とする可動プラテンの調整機構を提供することを目的とする。
本願の請求項1に係る発明では、成形機のベース上に固設された固定プラテンと、前記ベース上に、該固定プラテンと略平行に載置された可動プラテンと、を有する成形機の型締装置における、可動プラテンの調整機構において、前記可動プラテンの調整機構は、重力に逆らう方向に前記可動プラテンを押し上げる力を作用させる押しボルトと、重力方向に前記可動プラテンを引き込む力を作用させる引きボルトと、を備え、前記可動プラテンの、前記固定プラテンとの距離が異なる複数の位置における、前記成形機のベースからの高さを調整することによって可動プラテンの調整を行うことを特徴とする可動プラテンの調整機構が提供される。
請求項1に係る発明では、可動プラテンの調整機構において、重力方向に逆らう方向に可動プラテンを押し上げる力を作用させる押しボルトに加え、重力方向に可動プラテンを引き込む力を作用させる引きボルトを備えるようにしたことによって、可動プラテンの重心位置がはずれた位置にある場合などの、押しボルトのみでは調整が困難である場合であっても、適切に可動プラテンの傾き等の調整を行うことが可能となる。
本願の請求項2に係る発明では、前記押しボルトの頭部と、前記引きボルトの頭部が同一方向になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の可動プラテンの調整機構が提供される。
請求項2に係る発明では、押しボルトの頭部と引きボルトの頭部が同一方向となるように配置されているため、一方向において押しボルトと引きボルトの調整を行うことができるため、作業者が作業を行いやすくすることが可能となる。
本願の請求項3に係る発明では、前記ベースと、前記可動プラテンとを固定する固定用ボルトを備え、前記固定用ボルトと、前記押しボルト及び前記引きボルトが直交するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の可動プラテンの調整機構が提供される。
請求項3に係る発明では、ベースと可動プラテンとを固定する固定用ボルトを備えることによって、ベースと可動プラテンとをより強固に固定することが可能となる。また、固定用ボルトと、押しボルト及び引きボルトが直交するような配置とされているため、固定用ボルトを締めたり緩めたりしても、押しボルト及び引きボルトによる可動プラテンの傾き等の調整に影響を与えることがない。
本願の請求項4に係る発明では、前記ベースが、前記可動プラテンの支持部を備えており、前記固定用ボルトが、前記支持部を貫通して前記可動プラテンに固定されており、前記固定用ボルトが前記可動プラテンに固定されたときの、前記支持部と前記固定用ボルトとの間の間隔を、調整許容範囲とすることを特徴とする請求項3に記載の可動プラテンの調整機構が提供される。
請求項4に係る発明では、固定用ボルトが、ベースに設けられた支持部を貫通して可動プラテンを締結する形態を取るときに、貫通形状の穴部と固定用ボルトの径の差により発生する隙間の間隔を、調整許容範囲と一致させることによって、調整可能範囲を許容範囲内に制限する機構を別途設けることなく、調整可能範囲を制限することが可能となる。
本発明により、射出成形機において用いられる可動プラテンにおいて、可動プラテンの重心位置にかかわらず可動プラテンの傾きを調整することが可能となる。
第1の実施形態における成形機の型締部の概略図である。 第2の実施形態における成形機の型締部の概略図である。 図2におけるA−A’断面図である。 図3におけるB部の拡大図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1に示した射出成形機の型締部において、型締部の動作は従来技術と同様である。本実施形態においては、ベースフレーム上に支持部20を設け、可動プラテン30と支持部20との間に押しボルト12と引きボルト14とを備え、固定プラテン33に最も近い位置及び最も遠い位置に押しボルト(12a,12b)が備えられ、その間に引きボルト(14a,14b)が備えられている。
押しボルト12は、可動プラテン30にねじ込まれており、その先端部は支持部20の上面に当接するように構成されている。これにより、押しボルト12をねじ込むと、押しボルト12の先端部が支持部の上面部を押すことにより可動プラテン30を押し上げ、押し上げた分だけ可動プラテン30における押しボルト12の部分が高くなる。また、引きボルト14は可動プラテン30と支持部20の両者にねじ込まれている。これにより、引きボルト14をねじ込むと、引きボルト14の頭部により可動プラテン30が押し下げられ、可動プラテン30を重力方向に引き込み、引き込んだ分だけ可動プラテン30における引きボルト14の部分が低くなる。
従来は、可動プラテン30を押し上げる押しボルト12のみ設けられていたため、可動プラテン30に金型が取りつけられている場合など、可動プラテン30の重心が押しボルト12の間から外れている場合などは、押しボルト12を調整しても可動プラテン30全体が上下するのみで傾きを調整することはできなかったが、本実施形態のように引きボルト14も備えるようにすることで、可動プラテン30の重心位置に関わらず傾きを調整することが可能となる。
なお、本実施形態においては、押しボルト12及び引きボルト14をそれぞれ2本ずつ備える構成としているが、それぞれ2本ずつに限ったものではなく、押しボルト12及び引きボルト14をそれぞれ少なくとも1本ずつ備えていれば、それぞれのボルトの本数は適宜定めることができる。したがって、押しボルト12の位置は可動プラテン30における固定プラテン33に最も近い位置と最も遠い位置でなくてもよいし、押しボルト12と引きボルト14の配置順についても必ずしも押しボルト12を両端に備え引きボルト14を中間に備える構造でなくてもよい。また、本実施形態においては、ベースフレーム上に支持部20を設けて、支持部20上に可動プラテン30を設ける構成としているが、支持部20なしにベースフレーム上に直接可動プラテン30を設ける構成とすることも可能である。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態における射出成形機の型締部を示した図である。第2の実施形態においては、水平方向に2本の固定用ボルト(16a,16b)を備えている点が第1の実施形態と異なっている。図3は、図2におけるA−A’断面図であり、図3に示されているように、固定用ボルト16が支持部20を貫通し、支持部20と可動プラテン30を固定している。これにより、支持部20と可動プラテン30とがより強固に固定される。
また、固定用ボルト16は、押しボルト12及び引きボルト14と直角に交わり、横方向から可動プラテン30と支持部20とを結合している。これにより、固定用ボルト16を緩めて、押しボルト12及び引きボルト14によって調整を行うことができ、調整後に固定用ボルト16を締めても、固定用ボルト16の締める方向が押しボルト12や引きボルト14と直交しているため、固定用ボルト16を締めても、押しボルト12や引きボルト14による調整結果に影響を与えることがない。
図4は、図3のB部の拡大図である。支持部20における固定用ボルト16の貫通部において、固定用ボルト16と支持部20との間には貫通部の穴径と、固定用ボルト16の径との差により隙間22が形成されている。本実施形態においては、隙間22の幅が、調整可能範囲となるため、調整可能範囲を制限するための機構を別に設ける必要がなく、部材数の削減が可能となる。
なお、本実施形態においても、押しボルト12、引きボルト14は2本ずつ備えられており、固定用ボルト16も2本備えられているが、これらのボルトの本数も適宜定めることができる。また、可動プラテン30とタイバー41に摺動部を有してもよいし、摺動部がなくともよい。さらに、可動プラテン30とベースフレームとの間のガイドは、リニアガイドや滑りガイドを用いることができる。リニアガイドを用いる場合には、リニアガイドは通常前後運動する方向以外の方向はすべて拘束されるため、引きボルト14によって引き上げる力が生じてもガイド機能に影響を及ぼすことはない。また、滑りガイドを用いる場合においても、引きボルト14による浮き上がりを防止する浮き上がり防止機構を備えるようにすればよい。
12 (調整用)押しボルト
14 (調整用)引きボルト
16 固定用ボルト
20 支持部
22 隙間
30 可動プラテン
31 リアプラテン
32 トグル
33 固定プラテン
34 クロスヘッド
38 ボールねじ軸
40 金型
41 タイバー

Claims (4)

  1. 成形機のベース上に固設された固定プラテンと、
    前記ベース上に、該固定プラテンと略平行に載置された可動プラテンと、を有する成形機の型締装置における、可動プラテンの調整機構において、
    前記可動プラテンの調整機構は、
    重力に逆らう方向に前記可動プラテンを押し上げる力を作用させる押しボルトと、
    重力方向に前記可動プラテンを引き込む力を作用させる引きボルトと、を備え、
    前記可動プラテンの、前記固定プラテンとの距離が異なる複数の位置における、前記成形機のベースからの高さを調整することによって可動プラテンの調整を行うことを特徴とする可動プラテンの調整機構。
  2. 前記押しボルトの頭部と、前記引きボルトの頭部が同一方向になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の可動プラテンの調整機構。
  3. 前記ベースと、前記可動プラテンとを固定する固定用ボルトを備え、
    前記固定用ボルトと、前記押しボルト及び前記引きボルトが直交するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の可動プラテンの調整機構。
  4. 前記ベースが、前記可動プラテンの支持部を備えており、
    前記固定用ボルトが、前記支持部を貫通して前記可動プラテンに固定されており、
    前記固定用ボルトが前記可動プラテンに固定されたときの、前記支持部と前記固定用ボルトとの間の間隔を、調整許容範囲とすることを特徴とする請求項3に記載の可動プラテンの調整機構。
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