JP2015071230A - 画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂エマルジョンと造膜助剤を含有するインクを用いて記録を行う際、粒状感を抑制しつつ、樹脂エマルジョンの不十分な皮膜化に由来する記録画像の耐擦過性の低下を抑制する。
【解決手段】 動的表面張力が相対的に低いインクのドット連結度が動的表面張力が相対的に高いインクのドット連結度よりも大きくなるようにインクの吐出を制御する。
【選択図】 図15

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置に関する。
インクを吐出するための複数の吐出口を配列した記録ヘッドを記録媒体に対して走査させながらインクを吐出する記録走査と、記録媒体の搬送を行う副走査とを繰り返し行い、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法が知られている。
このようなインクジェット記録方法においては、得られる画像の粒状感を低減するために、一般に1回の走査では複数のインク滴を互いに離間した位置に吐出することが知られている。特許文献1には、複数の走査それぞれでの記録位置を定めるマスクパターンとして記録許容画素のパターンの低周波成分が高周波成分よりも少ないマスクパターンを使用して記録を行うことが開示されている。
一方、上述のインクジェット記録方法では、記録媒体上に形成された画像の耐擦過性が低下してしまう場合があることが従来より知られている。特許文献2には、記録媒体上の複数の画素のそれぞれに対し樹脂を含有しないインク、樹脂を含有するインクの順に吐出することが開示されている。同文献によれば、画像の最表面に樹脂を含有するインクの層を形成するため、画像の耐擦過性の低下を抑制することが可能となる。
一方、近年では様々な用途の印刷物をインジェット記録方法により作成するようになってきており、それに応じて様々な種類のインクや記録媒体が使用されている。特許文献3には、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有するインクと難吸水性の記録媒体を用い、インクを記録媒体上に着弾させた際にインクに熱を加え、記録媒体の表面にて樹脂エマルジョンを皮膜化することで定着を行う方法が開示されている。
特開2006−044258号公報 特開2010−666号公報 特開2012−072354号公報
しかしながら、上述の樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有するインクを用いて記録を行う場合、使用するインクの種類によっては所望の耐擦過性が得られない可能性があることが分かった。
以下にこの課題について詳細に説明する。
図1は動的表面張力が相対的に高いインクを1滴記録媒体上に吐出した場合のインクの定着の過程を示す図である。また、図2は動的表面張力が相対的に低いインクを1滴記録媒体上に吐出した場合のインクの定着の過程を示す図である。
なお、動的表面張力とは、界面が形成された直後の動的な状態にあり、表面張力が時間に依存して変化する液体における微小時間当たりの表面張力を意味する。
インクを記録媒体上に付与した直後、記録媒体上のインク滴は動的な状態にある。図1(a)は動的表面張力が相対的に高いインクを記録媒体上に付与した直後のインク滴50の様子を示す。インク滴50は顔料52と樹脂エマルジョン53が含有されている。この状態にてインク滴50に対して加熱が行われ、溶媒54の蒸発が進行する。なお、溶媒54に含有されている水溶性有機溶剤は造膜助剤として機能し、樹脂エマルジョン53が造膜を開始する温度(最低造膜温度)を低下させる性質を有する。
図1(b)は加熱が進行し、樹脂エマルジョン53が造膜を開始した際のインク滴50の様子を示す。この段階では、溶媒54に含まれていた水はほぼ蒸発しており、水よりも沸点の高い水溶性有機溶剤55が溶媒の主成分となっている。
図1(c)は更に加熱が進行し、樹脂エマルジョンが溶融し、記録媒体3へのインク滴50の定着が終了した際のインク滴50の様子を示す。樹脂エマルジョンの造膜は終了しているため、顔料52を皮膜化した樹脂エマルジョンが覆うことで平坦なインク層56が形成されている。
一方、図2(a)は動的表面張力が相対的に低いインクを記録媒体上に付与した直後のインク滴51の様子を示す。上述の通り、付与直後においてインクは動的な状態にあるため、動的表面張力が相対的に低いインクは動的表面張力が相対的に高いインクに比べて濡れ広がる。そのため、動的表面張力が相対的に低いインクのインク滴51の表面積は動的表面張力が相対的に高いインクのインク滴50の表面積に比べて大きくなる。したがって、溶媒54の蒸発が迅速に進行する。
図2(b)は加熱が進行し、動的表面張力が相対的に高いインクのインク滴50が図1(b)に示す段階まで進行するまでに掛かった時間と同じ時間だけ経過した際の、動的表面張力が相対的に低いインクのインク滴51の様子を示す。上述のようにインク滴51の溶媒54は蒸発速度が速いため、図2(b)の段階において溶媒に含まれる水だけではなく、樹脂エマルジョン53の最低造膜温度を低下させる水溶性有機溶剤55までもがほぼ蒸発してしまっている。そのため、樹脂エマルジョンの温度が図1(a)に示す段階と同じ温度まで高くなる頃には水溶性有機溶剤55はほぼなくなってしまい、図2(b)に示す段階にあるインク滴51は最低造膜温度まで達することができず、樹脂エマルジョン53の造膜が開始されない。
図2(c)は加熱が進行し、インク滴50が図1(c)に示す段階まで進行するまでに掛かった時間と同じ時間だけ経過した際のインク滴51の様子を示す。図2(c)に示すように、動的表面張力が相対的に低いインクにおいては樹脂エマルジョンの造膜の開始が遅れることにより、結果として最終的に得られるインク層における樹脂エマルジョンの皮膜57が不十分なものとなってしまう。このように不十分な樹脂エマルジョンの皮膜が形成された領域はインク層としての耐擦過性が十分でなく、擦れがあった場合に画像が記録媒体から剥がれてしまう可能性が高くなる。記録媒体上の画像においてこのような箇所が多く形成されるほど画像の耐擦過性が低下してしまう。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、樹脂エマルジョンと水溶性有機溶剤を含有し、動的表面張力が相対的に低いインクを使用して画像を記録する過程において、粒状感の低下を抑制しつつ、不十分な樹脂エマルジョンの皮膜の形成による耐擦過性の低下を抑制した画像を記録することが可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明は、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有する第1のインクと、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第1のインクよりも所定の寿命時間における動的表面張力が低い第2のインクと、を少なくとも含む複数のインクを吐出する記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する走査方向への複数回の相対的な走査を行いながらインクを吐出するための、前記単位領域内の複数の画素相当の小領域のそれぞれに対するインクの吐出を決定する記録データを生成する画像処理装置であって、前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第1のインクの吐出または非吐出を定める第1の画像データと、前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第2のインクの吐出または非吐出を定める第2の画像データと、を取得する取得手段と、前記複数回の走査のそれぞれに対応し、記録許容画素と非記録許容画素が配置されたそれぞれ複数の第1、第2のマスクパターンに基づいて前記第1、第2の画像データから前記複数回の走査のそれぞれにおける記録に用いられる複数の第1、第2の前記記録データを生成する生成手段と、を備え、前記複数の第2のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された、互いに隣接して配置された複数の記録許容画素により構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした場合の、前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記複数の第1のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも多いことを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置および画像処理方法によれば、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、動的表面張力が相対的に低いインクを使用して画像を記録する場合、粒状感の低下を抑制しつつ耐擦過性の低下を抑制した画像を記録することができる。
動的表面張力が相対的に高いインクが定着する過程を示す図である。 動的表面張力が相対的に低いインクが定着する過程を示す図である。 実施形態に係る画像記録装置の斜視図である。 実施形態に係る画像記録装置の側面図である。 実施形態に係る記録ヘッドを示す図である。 一般的なマルチパス記録方式を説明するための図である。 一般的なマルチパス記録方式で用いるマスクパターンの模式図である。 実施形態における記録制御系の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る動的表面張力の記憶方法を示す図である。 ドット連結度を大きくして記録した際のインクの定着の過程を示す図である。 実施形態におけるドット連結度の定義を説明するための図である。 実施形態に係るマルチパス記録方式を説明するための図である。 実施形態における記録許容画素の単位を説明するための図である。 実施形態におけるマスクパターンの評価領域を説明するための図である。 実施形態で適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態におけるデータの処理過程を示すブロック図である。 実施形態で適用するマスクパターンを示す図である。 実施形態におけるデータの処理過程を示すブロック図である。 実施形態に係る画像記録装置の斜視図である。
(第1の実施形態)
以下に本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図3は本実施形態に係る画像記録装置1000の内部の構成を部分的に示す斜視図である。また、図4は本実施形態に係る画像記録装置1000の内部の構成を部分的に示す側面図である。
画像記録装置1000の内部には筐体1が設けられており、この筐体1の上部にプラテン2が配置されている。プラテン2には、記録媒体3をプラテン2に吸着させて浮き上がらないようにするために多数の吸引孔34が形成されている。この吸引孔34はダクト4と繋がっており、さらにダクト4の下部に吸引ファン36が配置され、この吸引ファン36が動作することでプラテン2に対する記録媒体3の吸着を行っている。
さらに筐体1の長手方向に設置されたメインレール5には、X方向(走査方向)に往復移動するキャリッジ6が支持されている。キャリッジ6は、インクジェット方式の記録ヘッド7を搭載している。なお、記録ヘッド7は、発熱体を用いたサーマルジェット方式、圧電素子を用いたピエゾ方式等、さまざまなインクジェット記録方式を適用することが可能である。キャリッジモータ8は、キャリッジ6をX方向に移動させるための駆動源であり、その回転駆動力はベルト9でキャリッジ6に伝達される。
記録媒体3は、ローラ状の給紙媒体23から給紙される。記録媒体3は、プラテン2の上でX方向と直交するY方向(搬送方向)に搬送される。記録媒体3は、先端をピンチローラ16と搬送ローラ11に挟持され、搬送ローラが駆動することによって搬送が行われる。またプラテン2よりY方向の下流では記録媒体3はローラ31と排紙ローラ32に挟持され、さらにターンローラ33を介して記録媒体3は巻取りローラ24に巻きつけられている。
本実施形態ではプラテン2と対向する位置に位置する第1ヒータ25と、プラテン2よりY方向の下流側でありプラテン2と対向する位置に位置する第2ヒータ27からの熱により液体状のインクに含有される色材の記録媒体3上への定着を図る。
第1ヒータ25は第1ヒータカバー26に、第2ヒータ27は第2ヒータカバー28にそれぞれ覆われており、これらの第1ヒータカバー26および第2ヒータカバー28はそれぞれのヒータの熱を記録媒体の表面に効率良く照射する機能と、それぞれのヒータの保護の機能とを担っている。第1ヒータ25はインクに含有される水分を蒸発させ、インク滴の粘度を上昇させるために設けられており、記録ヘッド7よりインクが吐出される際には記録媒体は既に均一に加熱されている。本実施形態では第1ヒータの温度は記録媒体の表面が60℃となるような温度に設定している。なお、第1ヒータ25から熱を受ける段階ではインクが記録媒体3上で完全に定着する必要はなく、ある程度粘度が上昇し、記録媒体3上でのインクの流動性が低下する程度で良い。第1ヒータ25の加熱方法としては、温風ヒータ、赤外線ヒータ、記録媒体に接触する熱伝導型ヒータなど種々のものを用いることができるが、特に赤外線ヒータが好ましい。
また、第2ヒータ27では第1ヒータ25よりも高温で加熱を行い、インクに含有される後述する樹脂エマルジョンを皮膜化させ、インク滴を記録媒体3上に定着させる。本実施形態においては記録媒体の表面温度が90℃になるような温度に設定している。
なお、本実施形態では第1ヒータ25と第2ヒータ27で二段階に分けて加熱を行う形態を採用したが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、三段階以上の段階に分けて加熱を行う形態、あるいは一段階だけで加熱を行う形態のいずれにも適用することが可能である。
図5は本実施形態に係る記録ヘッド7を示す図である。
記録ヘッド7は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、のインクをそれぞれ吐出する4つの吐出口列22K、22C、22M、22YがX方向に並列されることにより構成される。これらの吐出口列22K、22C、22M、22Yのそれぞれは、インクを吐出する1440個の吐出口30が1200dpiの密度でY方向に配列されることで構成されている。なお、本実施形態における一つの吐出口30から一度に吐出されるインクの吐出量は約4.5ngである。
これらの吐出口列22K、22C、22M、22Yは、それぞれ対応するインクを貯蔵する不図示のインクタンクに接続され、インクの供給が行われる。なお、本実施形態にて用いる記録ヘッド7とインクタンクは一体的に構成されるものでも良いし、それぞれが分離可能な構成のものでも良い。
本実施形態で使用するインクについて以下に詳細に記載する。
以下、「部」および「%」とあるものは、特に断りのない限り、質量基準である。
本発明で使用するインクはいずれも樹脂エマルジョンを含有している。本発明において「樹脂エマルジョン」とは、水中に分散している状態で存在するポリマー微粒子を意味する。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどのモノマーを乳化重合するなどして合成したアクリルエマルジョン;(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどとスチレンのモノマーを乳化重合するなどして合成したスチレン−アクリルエマルジョン;ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレンエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、スチレン−ブタジエンエマルジョンなどが挙げられる。また、樹脂エマルジョンを構成するコア部とシェル部でポリマーの組成が異なるコアシェル型樹脂エマルジョンや、粒径を制御するために予め合成したアクリル系微粒子をシード粒子とし、その周辺で乳化重合することにより得られるエマルジョンなどでもよい。更には、アクリル樹脂エマルジョンとウレタン樹脂エマルジョンなど異なる樹脂エマルジョンを化学的に結合させたハイブリッド型樹脂エマルジョンなどでもよい。
以上の樹脂エマルジョンのうち、以下に記載する実施形態ではスチレンーアクリルエマルジョンJONCRYL790(BASF社製:平均粒径D=200nm、ガラス転移温度Tg=90℃)を用い、水で希釈して樹脂成分の固形分重量が20%とした溶液を樹脂溶液Pとして使用する。
なお、本発明のインクに使用する樹脂エマルジョンの分子量は、GPCにより得られるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、100,000以上3,000,000以下、更には300,000以上2,000,000以下であることが好ましい。
また、本発明のインクに使用する樹脂エマルジョンの平均粒径は、50nm以上250nm以下であることが好ましい。平均粒径が50nm未満であると、単位体積当たりの樹脂エマルジョン粒子の表面積が大きくなり、粒子間の凝集力が大きくなるため、保存安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、平均粒径が250nmより大きいと、樹脂エマルジョンのインク中での沈降速度が速くなるため、インクの吐出安定性や保存安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
また、本発明のインクに使用する樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上90℃以下であることが好ましい。Tgが40℃以上であれば、樹脂は十分な硬度であり、耐擦過性の向上の効果を得易い。また、Tgが90℃以下であれば樹脂エマルジョンの最低造膜温度を低下させ易くなるため、記録媒体に付与された樹脂が軟化し易くなり、画像の定着を効率的に行うことができる。これらの観点から、得られた樹脂エマルジョンのTgが40℃以上90℃以下の範囲となる、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを用いた樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。
また、本発明のインクに使用する樹脂エマルジョンの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましい。更には、2.0質量%以上8.0質量%以下がより好ましい。0.1質量%未満であると、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%以上であると、インクの粘度が上昇し、インクの吐出安定性の向上効果が十分に得られない場合がある。
・ブラックインクの作製
(1)ブラック分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作製した。
上記のポリマー溶液を、カーボンブラック(顔料)であるプリンテックス85(デグッサ社製)およびイオン交換水と共に混合し、機械的に0.5時間撹拌した。最終的な固形分濃度として、顔料比率10%、ポリマー比率6%となるように顔料、ポリマー溶液、イオン交換水の比率は適宜調整した。
次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、上記混合物を液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通して分散液を作製した。更に、分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してブラック分散液Kとした。
(2)ブラックインクの作製
ブラックインクの作製は、上記ブラック分散液Kを使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム社製)にて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記ブラック分散液K 2部
樹脂溶液P 3部
水溶性有機溶剤(造膜助剤) 2−ピロリドン 7部
水溶性有機溶剤 2−メチル−1、3−プロパンジオール 13部
フッ素系界面活性剤 CAPSTONE FS−3100(デュポン社製) 0.5部
イオン交換水 残部
・シアンインクの作製
(1)シアン分散液の作製
自己分散顔料分散液Cab−O−Jet250C(Cabot社製)を水で希釈し、十分撹拌してシアン分散液C(顔料の含有量は10.0質量%)を得た。
(2)シアンインクの作製
シアンタインクの作製は、上記シアン分散液Cを使用し、以下の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルターにて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調整した。
上記シアン分散液C 2部
樹脂溶液P 3部
水溶性有機溶剤(造膜助剤) 2−ピロリドン 7部
水溶性有機溶剤 2−メチル−1、3−プロパンジオール 13部
フッ素系界面活性剤 Zonyl FSO−100(デュポン社製) 0.5部
イオン交換水 残部
・マゼンタインクの作製
(1)マゼンタ分散液の作製
自己分散顔料分散液Cab−O−Jet265M(Cabot社製)を水で希釈し、十分撹拌してマゼンタ分散液M(顔料の含有量は10.0質量%)を得た。
(2)マゼンタインクの作製
マゼンタインクの作製は、上記マゼンタ分散液Mを使用し、以下の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルターにて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調整した。
上記マゼンダ分散液M 2部
樹脂溶液P 3部
水溶性有機溶剤(造膜助剤) 2−ピロリドン 7部
水溶性有機溶剤 2−メチル−1、3−プロパンジオール 13部
フッ素系界面活性剤 Zonyl FSO−100(デュポン社製) 0.5部
イオン交換水 残部
・イエローインクの作製
(1)イエロー分散液の作製
自己分散顔料分散液Cab−O−Jet740Y(Cabot社製)を水で希釈し、十分撹拌してイエロー分散液Y(顔料の含有量は10.0質量%)を得た。
(2)イエローインクの作製
イエローインクの作製は、上記イエロー分散液Mを使用し、以下の成分を加えて所定の濃度にした。これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルターにて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調整した。
上記イエロー分散液Y 2部
樹脂溶液P 3部
水溶性有機溶剤(造膜助剤) 2−ピロリドン 7部
水溶性有機溶剤 2−メチル−1、3−プロパンジオール 13部
フッ素系界面活性剤 Zonyl FSO−100(デュポン社製) 0.5部
イオン交換水 残部
なお、以上のインク作製例にて説明したように、本実施形態で使用するそれぞれのインクには、水溶性有機溶剤である2−ピロリドンを含有している。2−ピロリドンは造膜助剤としての性質を有し、樹脂エマルジョンの最低造膜温度を低下させるためにそれぞれのインクに含有されている。造膜助剤が含有されている場合、インクを記録媒体上に定着させる際に比較的低温であっても樹脂エマルジョンの造膜を開始することが可能となる。
また、本実施形態で使用するそれぞれのインクには、静的表面張力を制御するため、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤が含有されている。なお、本実施形態で使用するインクに含有する界面活性剤はフッ素系界面活性剤に限定されるものではない。更に、本実施形態で使用するインクは、界面活性剤が含有していなくても良い。
本実施形態で使用するそれぞれのインクにおける動的表面張力について以下に詳細に説明する。
ここで、本実施形態においてインクの動的表面張力の測定に用いた最大泡圧法について説明する。最大泡圧法とは、測定する液体中に浸したプローブ(細管)の先端部分で形成された気泡を放出するために必要な最大圧力を測定して、この最大圧力から表面張力を求める方法である。また、寿命時間は、最大泡圧法において、プローブの先端部分で気泡を形成する際に、気泡が先端部分から離れた後に新しい気泡の表面が形成された時点から、最大泡圧時(気泡の曲率半径とプローブ先端部分の半径が等しくなる時点)までの時間である。
本実施形態では、自動動的表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、上述の最大泡圧法によって上記の複数のインクの動的表面張力を測定した。
本実施形態のインク1滴(4.5ng)に含まれる水分は、25℃で、非吸水性記録媒体上に着弾後1000msでほぼ蒸発する。従って、1000ms以内にインク滴の濡れ広がりは終了し、記録媒体上のドットの形状が決定される。ここで、インク滴の濡れ広がりの程度が大きくなるほどインク滴の表面積が大きくなり、造膜助剤である2−ピロリドンの蒸発が顕著に発生し、画像の耐擦過性が低下する。そこで、本実施形態では、それぞれのインクによる画像の耐擦過性の低下の程度を得るための指標として、室温(25℃)、寿命時間1000msにおけるそれぞれのインクの動的表面張力を測定した。なお、ここでは耐擦過性の低下の指標として25℃における動的表面張力を用いるが、通常記録を行う環境下における温度範囲であれば動的表面張力の値は然程変化するものではないため、動的表面張力を測定する際の温度は必ずしも25℃である必要はない。
ここではそれぞれのインクに対し、寿命時間1000msにおける動的表面張力を3回測定し、それらの値の平均をもって動的表面張力γAVEとした。表1に本実施形態で用いるそれぞれのインクの動的表面張力γAVEの値を示す。
Figure 2015071230
次に、本実施形態で使用する記録媒体について以下に詳細に説明する。
本実施形態では、基材上に塩化ビニルによる層が形成された、白色光沢塩ビ粘着付(グレー糊)KSM−VS(きもと社製)を記録媒体として使用する。本発明を適用可能な記録媒体は塩化ビニルによるシートに限定されるものではないが、インクの吸収性が低い、もしくはインクを吸収しない記録媒体を使用する場合に特に顕著な効果を得ることができる。このような記録媒体としては、塩化ビニルの他に、例えばポリエステル、耐水加工を施したパルプシート、パルプ上に非吸水性の層を設けた印刷用塗光紙、パルプと化学繊維との複合物等がある。
本実施形態では、マルチパス記録方式に従って画像を形成する。以下に一般的なマルチパス記録方式について詳細に説明する。
図6は4回の記録走査により記録媒体上の単位領域内に記録を行う際に用いるマルチパス記録方式について示す図である。
また、図7は上述のマルチパス記録方式におけるそれぞれの記録走査において適用するマスクパターンについて説明するための図である。
インクを吐出する吐出口列22に設けられたそれぞれの吐出口30は、副走査方向に沿って4つの記録グループ201、202、203、204に分割される。
各マスクパターン221、222、223、224はそれぞれ複数のインクの吐出を定める記録許容画素とインクの非吐出を定める非記録許容画素が配置されることで構成されている。図7において、黒く塗りつぶされている箇所が記録許容画素を、白抜けで表されている箇所が非記録許容画素を表している。記録許容画素では入力された画像データがインクの吐出を表す画像データである場合にインクを吐出する記録データとする。また、非記録許容画素では、インクの吐出を表す画像データが入力された場合であってもインクを吐出しない記録データとする。
なお、これらのマスクパターン221、222、223、224における記録許容画素は、それぞれ互いに異なる位置であり、且つ、それぞれの論理和が全画素となるような関係となる位置に配置されている。
以下は記録媒体上にデューティが100%の画像(以下、ベタ画像とも称する)を形成する例について説明する。
1回目の記録走査(1パス)では、記録媒体3上の領域211に対して記録グループ201からマスクパターン221に従ってインクが吐出される。この結果、記録媒体上では図6のAの黒色で示す位置にインクが吐出される。
次に、記録媒体3を記録ヘッド7に対してY方向の上流側から下流側にL/4の距離だけ相対的に搬送する。
この後に2回目の記録走査(2パス)を行う。2回目の記録走査では、記録媒体上の領域211に対しては記録グループ202からマスクパターン222に、領域212に対しては記録グループ203からマスクパターン221に従ってインクが吐出される。この2回目の記録走査の結果、記録媒体3には図6のBの黒色で示すような画像が形成される。
以下、記録ヘッド7の記録走査と記録媒体3の相対的な搬送を交互に繰り返す。この結果、4回目の記録走査(4パス)が行われた後には、記録媒体3のDの領域211ではすべての画素に相当する小領域に対してインクの吐出が完了し、ベタ画像が形成される。
なお以下の説明では、記録媒体における画素相当の領域を、単に「画素」と記載することがある。
本実施形態における記録制御系について以下に詳細に説明する。
図8は本実施形態に係る記録制御系の概略構成を示すブロック図である。
画像記録装置1000は、ユーザーが操作を行うための表示・操作パネル301を備えている。表示・操作パネル301に設置された各種のスイッチ等により、記録媒体3のサイズ、オンライン/オフライン、コマンドなどが指示される。
画像形成装置1000は、演算、選択、判別、制御などの処理制御を行なうCPU302が備えている。また、PCなどの上位装置303から転送された多値の画像データを一時的に記憶する受信バッファ304や、CPU302の演算途中のデータを一時的に記憶するRAM305が備えている。更に、ROM306も備えており、ROM306にはCPU302によって実行すべき制御プログラムや、インク動的表面張力情報格納部307、記録情報格納部308が備えられている。
インク動的表面張力情報格納部307には、上述した本実施形態で使用するそれぞれのインクにおける動的表面張力に関する情報が格納されている。
図9はインク動的表面張力格納部に格納されている情報を模式的に示す図である。インク動的表面張力格納部には、図9に示すように、1つのインクごとに互いに異なる複数の寿命時間で測定された複数の動的表面張力の値が格納されている。
記録情報格納部308には、多値データを2値データに変換するために用いられるドットパターンや画像全体に対応する2値データを複数回の走査のそれぞれで記録する画像に対応する複数の2値データに分割するために用いられるマスクパターンを格納するメモリが備えられている。
さらに画像形成装置100は、記録の制御を行う記録制御部309、記録媒体3の搬送の制御を行うモーターコントロール部310、記録ヘッド7のコントロールを行う記録ヘッドコントロール部311が備えられている。また、必要に応じて外部記憶装置312が備えられていても良い。
本実施形態では、動的表面張力が相対的に低いインクにより記録媒体上に1回の走査によって形成されるドットの連結度を、動的表面張力が相対的に高いインクにより記録媒体上に形成されるドットの連結度よりも大きくすることにより、画像の耐擦過性を向上させる。
以下に動的表面張力が相対的に低いインクにおけるドット連結度を相対的に大きくすることによって耐擦過性が向上する推定メカニズムについて記載する。
図10は動的表面張力が相対的に低いインクを1回の走査におけるドット連結度を大きくして付与する際のインクの定着の過程を説明するための図である。なお、ここでは3つのインク滴を記録媒体上の近接する位置に付与し、互いに連結させた際の状態を示す。
記録媒体にインクを吐出した直後は、図10(a)に示すように、インク滴同士は互いに接触しながらもそれぞれが1つのインク滴としての半球上の形状を保持している。この状態から時間が経過すると、液滴の接触部で溶媒の混合が生じ、図10(b)に示すような1つの大インク滴が形成される。
図10(a)、図10(b)にそれぞれ示すインク滴の状態を比較すると、図10(b)に示す大ドットを形成した後の方がインク滴と空気の界面の表面積が小さくなることがわかる。そのため、3つのインク滴それぞれを接触させずに記録媒体上に付与した場合に比べてインク内に含有される造膜助剤である2−ピロリドンの蒸発が抑制される。したがって、図10(b)に示す段階から更に時間が経過し、図10(c)に示すように、溶媒中の水分がほぼ蒸発した際にも十分な量の造膜助剤が残存している。造膜助剤の残存により樹脂エマルジョンの最低造膜温度が低下し、図10(d)に示すように、樹脂エマルジョンの溶融および皮膜化が効果的に進行すると考えられる。
本実施形態におけるドット連結度の評価方法について以下に詳細に説明する。なお、本実施形態におけるドット連結度とは同一の走査で記録媒体上の連続する位置に形成されたドットの数により評価するものとする。
図11は本実施形態におけるドット連結度について説明するための図である。
本実施形態におけるドット連結度は、ある領域内に吐出された複数のドットのうち、連結して大ドットを構成するドットの連結数を測定し、該領域内における該連結数の平均を算出することにより数値化して評価することができる。
例えば、図11(a)に示す9個のドットのそれぞれは1回の走査で互いに離れた位置に形成されるので、6画素×6画素の領域内において連結する複数のドットは存在しない。そのため、該領域内のすべてのドットの連結数は1である。したがって、該領域内のドット連結数の平均であるドット連結数は1であると評価する
また、図11(b)に示す9個のドットは、1回の走査で互いに接触する位置に形成され、記録媒体上に付与された後に連結して大ドットを形成する。この大ドットのドットの連結数は9であると評価する。さらに、6画素×6画素の領域内において該大ドット以外のドットは存在しないため、該領域内のドット連結数の平均であるドット連結度は9であると評価する。
ドットの連結度を制御したことによる耐擦過性向上の効果の検証方法を以下に詳細に記載する。
本実施形態においては、学振型摩擦試験機(JIS L 0849 準拠)を用いて耐擦過性の評価を行う。
ベタ画像を記録した記録媒体3を該試験機の円弧状の試験台に設置し、500gの摩擦子と接触させる。ここでは、摩擦子には摩擦用白布(JIS L 0805に規する3号綿)を取りつける。この状態で荷重をかけながら試験台を一定速度で150回水平往復運動させ、ベタ画像の摩耗具合を評価した。画像記録後の定着性の評価と評価基準を以下に示す。
(評価:○)
試験の前後で画像記録領域の変化はほとんどない。また、記録媒体上における画像が記録されていない領域(以下、紙白とよぶ)についても色材が引きずられたあとはほとんどない。
(評価:△)
試験の前後で画像記録領域に削れあとが見られる。また、紙白については画像記録領域と紙白の境界から紙白に色材が引きずられたことによる線が見られるが、画像記録領域と紙白との境界は認識することができる。
更に、本実施形態ではドットの連結度を制御したことによる樹脂エマルジョンの溶融の程度も合わせて評価した。
本実施形態では、日立超高性能分析走査電子顕微鏡SU−70(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、上記ベタ画像の表面観察を行ない、該インクに含まれる樹脂エマルジョンの粒子形状が残っているかを観察した。
表2に本実施形態で使用する各インクをドットの連結度を制御して記録した画像のそれぞれに対して行った上述の耐擦過性の評価試験の結果と樹脂エマルジョンの溶融の程度を示す表である。なお、ここでは図11(a)に示す1回の走査で領域内に形成されるドットが1つも連結しない(ドット連結度が1である)ものをドットの連結度が小さいとし、1回の走査で領域内に形成されるドットが9個連結している(ドット連結度が9である)ものをドットの連結度が大きいとして、それぞれの画像を記録媒体に記録した。また、記録媒体は、非吸水性記録媒体である白色光沢塩ビ粘着付(グレー糊)KSM−VS(きもと社製)を使用した。それぞれの画像を60℃の温度環境化で記録し、記録後に90℃の加熱を行って評価試験に用いる試料を作成した。これらの試料を用いて、それぞれの画像の耐擦過性、粒状感および樹脂エマルジョンの溶融の程度を評価した。
また、粒状感に関しては、ベタ画像を記録した際に目視により粒状感がほとんど視認できず、比較的一様性の高い画像であると判定できる場合を評価◎、わずかながら粒状感が目立ち、評価◎の画像に比べ一様性に劣ると判定できる場合を評価○として評価した。
Figure 2015071230
表2からわかるように、動的表面張力が相対的に高いマゼンタインクでは、ドットの連結度を小さくした場合であっても、定着の過程で造膜助剤が蒸発しにくいため、樹脂エマルジョンの最低造膜温度が低下する。したがって、樹脂エマルジョンの皮膜化が進行し、記録された画像の耐擦過性は高くなる。
一方、動的表面張力が相対的に低いブラックインク、シアンインク、イエローインクでドット連結度を小さくした場合、いずれにおいても耐擦過性の低い画像が形成された。
これに対し、動的表面張力が相対的に低いブラックインク、シアンインク、イエローインクでドット連結度を大きくした場合、上述のように造膜に際し十分な量の造膜助剤が残存していたため、画像の耐擦過性が向上した。この結果から、動的表面張力が相対的に高いインクのドット連結度を大きくすることの有効性を実験的に確認することができる。
一方、ドット連結度を大きくして記録した場合、複数の連続するインク滴が集合した大ドットにより画像を形成するため、ドット連結度を小さくした場合と比べて得られる画像に粒状感が高まる傾向にある。しかし、このドット連結度を大きくした場合の粒状感の低化は画像の品質を著しく低下させるまでには至らない。よって、十分な画質で、且つ耐擦過性に優れた画像を記録することができる。
以上の点を鑑み、本実施形態では、複数のインクのうち、動的表面張力が相対的に高いマゼンタインクはドット連結度を小さく、また、ブラックインク、シアンインク、イエローインクではドット連結度を大きくなるように、インクの吐出を制御する。このように制御することにより、マゼンタインクに関しては粒状感の抑制と耐擦過性の双方に優れた画像を記録することが可能となる。また、ブラックインク、シアンインク、イエローインクに関しては粒状感は多少高まる傾向にあるが、画質を著しく低下させるまでは至らず、且つ、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能となる。
図12は本実施形態におけるマルチパス記録方式について説明するための図である。なお、以下では簡単のため、4つの吐出口列22K、22C、22M、22Yのうち、ブラックインクを吐出する吐出口列22Kとマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mのみについて説明する。
本実施形態では6回の記録走査によって記録媒体上の単位領域80に対して画像を完成させる方式を採用する。本実施形態において使用する記録ヘッド7のうち、ブラックインクを吐出する吐出口列22Kとマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mに配列されているそれぞれ1440個の吐出口は、記録グループA1から記録グループA6、および記録グループB1から記録グル―プB6の、それぞれ長さdを有する6つの記録グループに分割される。ここで、一つの記録グループに含まれる吐出口の個数は240個である。
ここで、記録媒体3上の単位領域80のY方向の長さは記録ヘッド7と記録媒体3とのY方向への1回の相対移動量に相当し、また、分割された吐出口列22K、22Mにおける一つの記録グループの長さdに相当する。また、単位領域80のX方向の長さは記録媒体3のX方向の長さに相当する。
まず、記録媒体3の単位領域80が位置80aにある(状態(a))際に、記録ヘッド7をX方向に走査しながら単位領域80に対し吐出口列22Kの記録グループA1および吐出口列22Mの記録グループB1に属する吐出口から後述するマスクパターンに従ってそれぞれのインクが吐出される。その後、記録媒体3はY方向に距離dに対応する距離だけ搬送されて、単位領域80は位置80bへと移動される(状態(b))。この搬送の後、先に記録グループA1および記録グループB1に属する吐出口からインクが吐出された記録媒体3上の単位領域80に対し、記録ヘッド7のX方向への走査を伴いながら吐出口列22Kの記録グループA2および吐出口列22Mの記録グループB2に属する吐出口からインクが吐出される。以降、このような距離dに対応する距離の記録媒体3の搬送を間に行いながら、記録媒体3上の単位領域80に対し記録ヘッド7を合計6回走査することにより画像を完成させる。
本実施形態では、ブラックインクの吐出に用いるマスクパターンとマゼンタインクの吐出に用いるマスクパターンとで、複数の記録許容画素の連なりにより構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした記録許容画素の単位(以下、単純に「単位」とも称する)内の記録許容画素の数の平均を異ならせる(記録許容画素の分散性を異ならせる)ことで、上述のドット連結度を制御する。以下にその制御方法を詳細に説明する。
図13は本実施形態における記録許容画素の単位の定義および記録許容画素の単位内の記録許容画素の数について説明するための図である。
上述のように、記録許容画素群は隣接する位置に配置された複数の記録許容画素から構成される。例えば、図13(a)では2画素×2画素の4つの画素からなる、正方形の形状の記録許容画素群を示している。この場合、単位内の記録許容画素の数は4となる。
また、本実施形態では他のいずれの記録許容画素とも隣接しない記録許容画素であっても記録許容画素の単位と称する。図13(b)では隣接する記録許容画素が1つもない記録許容画素を示している。この場合の単位内の記録許容画素の数は1とする。
また、特定の方向に偏って連続した複数の記録許容画素も本実施形態における記録許容画素群であり、図13(a)に示したような等方的な形状に限定されるものではない。図13(c)では特定の方向に偏って連続した、L字型の記録許容画素群を示している。この場合、単位内の記録許容画素の数は7である。
また、本実施形態における連続する記録許容画素とは、X方向およびY方向に連続する記録許容画素だけではなく、斜め方向に連続する記録許容画素も含むものである。すなわち、一つの記録許容画素に対してはX方向に2つ、Y方向に2つ、斜め方向に4つの計8つの記録許容画素が隣接して配置される可能性がある。図13(d)では斜め方向に隣接した記録許容画素群を示している。この場合、単位内の記録許容画素の数は5である。
図14は本実施形態における記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均の算出方法について説明するための図である。
本実施形態では、簡単のため、単位領域80内の所定の画素数からなる判定領域における記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均を算出し、その値を単位領域内の記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均として用いる。なお、図15は、単位領域のうちの判定領域に対応するマスクパターンの領域として、X方向に12画素、Y方向に6画素の72個の画素からなる領域を例示している。本実施形態における単位内の記録許容画素の数の平均は、判定領域に対応するマスクパターンの領域に含まれる単位の数を算出し、該判定領域に対応するマスクパターンの領域内のそれぞれの単位内の記録許容画素の数を算出する。さらに、該それぞれの単位内の記録許容画素の数の和を算出し、該和を単位の数で割った値をそれぞれのマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均とする。
例えば、図14(a)に示す判定領域に対応するマスクパターンの領域内には、それぞれ互いに隣接する9つの記録許容画素から記録許容画素の単位T1、T2が構成されている。したがって、図14(a)に示すマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均は、それぞれの単位内の記録許容画素の数の和である18を単位の数である2で割った値である9となる。
一方、図14(b)に示す判定領域に対応するマスクパターンの領域内には、互いに隣接する記録許容画素は存在しない。上述の定義に従って換言すると、単位内の記録許容画素の数が1である単位が合計18個配置されている。したがって、図14(b)に示すマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均は、それぞれの単位内の記録許容画素の数の和である18を単位の数である18で割った値である1となる。
以下に本実施形態で適用するマスクパターンについて詳細に説明する。
図15(a)は本実施形態のブラックインクを吐出する吐出口列22Kに適用するマスクパターンを示す図である。また、図15(b)は本実施形態のマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mに適用するマスクパターンを示す図である。なお、以下の記載では省略するが、シアンインクを吐出する吐出口列22C、イエローインクを吐出する知吐出口列22Yに関しては、それぞれブラックインクを吐出する吐出口列22Kに適用するマスクパターンと同じマスクパターンを適用する。
ブラックインクを吐出する吐出口列22Kの記録グループA1から記録グループA6までの記録グループには、それぞれマスクパターン61からマスクパターン66までのマスクパターンが適用される。なお、図13には簡単のため25個の画素からなるマスクパターンを記載しているが、これはマスクパターンの繰り返し単位を示している。実際には図示のそれぞれのマスクパターンがX方向、Y方向に進むにしたがって繰り替えし用いられる。
ここで、マスクパターン61からマスクパターン66までのマスクパターンのそれぞれには、ほぼ同じ数の記録許容画素が配置される。なお、これらのマスクパターン61〜66それぞれの記録許容画素は互いに異なる位置であり、且つ、それぞれの記録許容画素の論理和が全画素となるような位置に配置されている。
このようなマスクパターンを適用することにより、1回目から6回目までの記録走査においてブラックインクをほぼ同じ量ずつ吐出することができる。さらに、1回目から6回目までの記録走査によって記録媒体上の単位領域内のすべての吐出可能な位置にブラックインクを付与することができる。
さらに、マスクパターン61〜66のうち、マスクパターン61、62、63、65、66における上述の定義に従って算出した単位内の記録許容画素の数の平均は4である。また、マスクパターン64における単位内の記録許容画素の数の平均は5である。
一方、マゼンタインクを吐出する吐出口列22LCの記録グループB1からB6までの記録グループに対しては、それぞれマスクパターン71からマスクパターン76までのマスクパターンが適用される。
更に、マスクパターン71〜76のそれぞれには、マスクパターン61〜66と同様に、ほぼ同じ数の記録許容画素が配置される。また、マスクパターン71〜76それぞれの記録許容画素は、互いに異なる位置であり、且つ、それぞれの記録許容画素の論理和が全画素となるような補完的な位置に配置されている。
したがって、1回目から6回目までの記録走査において、マゼンタインクをほぼ同じ量だけ吐出し、且つ、単位領域上のすべての吐出可能な位置にマゼンタインクを付与することができる。
ここで、マスクパターン71〜76のうち、マスクパターン71、72、73、75、76における単位内の記録許容画素の数の平均は1である。また、マスクパターン74における単位内の記録許容画素の数の平均は約1.3である。
このように、ブラックインクに対応するマスクパターン61〜66とマゼンタインクに対応するマスクパターン71〜76のいずれの組合せにおいても、ブラックインクに対応するマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均は、マゼンタインクに対応するマスクパターンにおける単位内の記録許容画素の数の平均よりも多くなるように配置されている。言い換えれば、マゼンタインクに対応するマスクパターン71〜76における記録許容画素の分散性は、ブラックインクに対応するマスクパターン61〜66における記録許容画素の分散性よりも高くなるように記録許容画素が配置されている。したがって、1回の記録走査で記録媒体上に吐出されるブラックインクのドット連結度が、1回の記録走査で記録媒体上に吐出されるマゼンタインクのドット連結度よりも必ず高くなるようにインクの吐出を制御することができる。
図16は本実施形態の画像処理部における画像処理の過程を説明するためのフローチャートである。
色変換処理ステップS501では、画像入力部である上位装置502から取得されたRGB形式の多値データが、記録に用いるインクの色に対応するCMYK形式の多値データに変換される。
次に、2値化処理ステップS502では、色変換処理ステップS501にて変換されたインクの色に対応する多値データのそれぞれが、記憶されていたパターンに従って2値の画像データに展開される。この2値化処理により、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクのそれぞれを吐出するための2値データが生成される。
選択処理ステップS503では、2値化処理ステップS502により生成されたそれぞれのインクに対応する2値データのうち、図9に示すインク動的表面張力格納部に格納されたテーブルに基づいて、動的表面張力が相対的に低いインクに対応する2値データを選択する。なお、ここではインク動的表面張力情報格納部に格納されたそれぞれのインクの25℃、寿命時間1000msにおける動的表面張力の平均値γAVEが18.0mN/m以下であるインクを動的表面張力が相対的に低いインクとして選択する。したがって、本実施形態におけるインクでは、ブラックインク、シアンインク、イエローインクのそれぞれを吐出するための2値データが動的表面張が相対的に低いインクとして選択される。なお、予め複数のインクを動的表面張力が高いインクと動的表面張力が低いインクとに分類したテーブルを有し、該テーブルとインクの種類によって動的表面張力が相対的に低いインクを特定し、選択する形態であっても良い。
選択処理ステップS503により選択されたブラックインク、シアンインク、イエローインクのそれぞれを吐出するための2値データは、ドット連結度大マスクパターン設定処理S504へ進み、図16(a)に示す単位内の記録許容画素の数の平均が相対的に多い(分散性が相対的に低い)マスクパターンが設定される。一方、選択処理ステップS504で選択されなかったマゼンタインク吐出するための2値データは、ドット連結度小マスクパターン設定処理ステップS504へと進み、図16(b)に示す単位内の記録許容画素の数の平均が相対的に少ない(分散性が相対的に高い)マスクパターンが設定される。
更に、記録データ生成処理ステップS506では、それぞれの2値データに対しドット連結度小マスクパターン設定処理ステップS504、ドット連結度大マスクパターン設定処理ステップS505において設定されたマスクパターンを用いてマスクパターン処理を行い、それぞれのインクに関して複数回の記録走査に分配された記録データを生成する。
このように生成された記録データに基づき、画像記録装置1000の記録ヘッド7からインクの吐出を実行し、画像を形成する。
以上の構成によれば、動的表面張力が相対的に低く、樹脂エマルジョンの皮膜化が不十分に起こるブラックインク、シアンインク、イエローインクのドット連結度を高くすることができるため、画像の耐擦過性の低下を抑制することが可能となる。一方で、動的表面張力が相対的に高く、樹脂エマルジョンが十分に皮膜化するシアンインクに関してはドット連結度を低くする。したがって、粒状感の抑制と耐擦過性の向上の双方に優れた画像を得ることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では動的表面張力が相対的に低いインクをすべての走査において吐出する形態について記載した。
これに対して、本実施形態では単位領域に対する走査のうち、特定の走査では動的表面張力を吐出しない形態について記載する。なお、以下の説明では簡単のため、ブラックインクを吐出する吐出口列22Kおよびマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mについてのみ記載する。
なお、前述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では8回の記録走査によって記録媒体上の単位領域80に対して画像を完成させる方式を採用する。本実施形態において使用する記録ヘッド7のうち、ブラックインクを吐出する吐出口列22Kとマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mに配列されているそれぞれ1440個の吐出口は、記録グループA1から記録グループA8、および記録グループB1から記録グル―プB8の、それぞれ180個の吐出口を有する8つの記録グループに分割される。
以下に本実施形態で適用するマスクパターンについて詳細に説明する。
図17(a)は本実施形態のブラックインクを吐出する吐出口列22Kに適用するマスクパターンを示す図である。また、図17(b)は本実施形態のマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mに適用するマスクパターンを示す図である。
マゼンタインクを吐出する吐出口列22Mの、1回目の走査で用いられる記録グル―プB1から8回目の走査で用いられる記録グループB8までの記録ヘッドには、それぞれマスクパターン91からマスクパターン98までのマスクパターンが適用される。
ここで、マスクパターン91からマスクパターン98までのマスクパターンには、互いにほぼ同じ数の記録許容画素が配置されている。
また、マスクパターン91からマスクパターン98までのマスクパターンのそれぞれにおける記録許容画素の単位内の記録許容画素の数の平均は、いずれも1となるように記録許容画素が配置されている。
一方、ブラックインクを吐出する吐出口列22Kの、1回目の走査で用いられる記録グル―プA1から8回目の走査で用いられる記録グループA8までの記録ヘッドには、それぞれマスクパターン81からマスクパターン88までのマスクパターンが適用される。
ここで、記録許容画素が配置されるマスクパターン81からマスクパターン86までのマスクパターンでは、単位内の記録許容画素の数の平均がマスクパターン91からマスクパターン98までのマスクパターンそれぞれにおける単位の数の平均のいずれよりも大きくなるように記録許容画素が配置されている。また、マスクパターン87、88には記録許容画素が1つも配置されていない。
本実施形態によれば、7回目、8回目の走査ではブラックインクを吐出しない。一方で、すべての走査でインクを吐出する場合と比べて1回目から6回目の走査における1回の走査でのインクの吐出量を多くすることができるため、ドット連結度をより大きくすることができる。したがって、動的表面張力の低いインクであるブラックインクの画像の耐擦過性をより向上させることが可能となる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、動的表面張力に応じてドット連結度の異なるマスクパターンを使い分ける形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、動的表面張力だけではなく、インクの吐出量にも応じてドット連結度の異なるマスクパターンを使い分ける形態について記載する。
なお、前述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
吸水性の低い記録媒体にインクを吐出する場合、実際のインク滴は記録媒体において画素の大きさを超えて濡れ広がることが一般的である。したがって、ドット連結度が小さいマスクパターンを用いる場合であっても、インクの吐出量が多い場合は記録媒体上で複数のインク滴が接触し、大ドットを形成する場合が生じてくる。そのため、動的表面張力が相対的に低いインクを吐出する場合であっても、該インクの吐出量が多い場合には樹脂エマルジョンの不十分な皮膜化による粒状感の低下は生じにくい。
上記の点を鑑み、本実施形態では動的表面張力が相対的に低いインクを吐出し、且つ、該インクの吐出量が所定の閾値以上の場合にドット連結度を大きくして記録を行う。また、動的表面張力が相対的に高いインクを吐出する場合、および動的表面張力が相対的に低いインクを吐出し、且つ、該インクの吐出量が所定の閾値より低い場合にドット連結度を小さくして記録を行う。
図18は本実施形態の画像処理部における画像処理の過程を説明するためのフローチャートである。なお、ここでは記録媒体上の単位領域に記録することが可能な画素のうち、ブラックインクは20%、シアンインクは60%、マゼンタインクは40%、イエローインクは80%の画素にインクを吐出するものとする。
第1選択処理ステップS603では、2値化処理ステップS602にて生成されたそれぞれのインクに対応する2値データのうち、図9に示すインク動的表面張力格納部に格納されたテーブルに基づいて、動的表面張力が相対的に低いインクに対応する2値データを選択する。ここでは第1の実施形態と同様に、25℃、寿命時間1000msにおける動的表面張力の平均値γAVEが18.0mN/m以下であるインクを動的表面張力が相対的に低いインクとして選択する。よって、ブラックインク、シアンインク、イエローインクのそれぞれを吐出するための2値データが動的表面張力が相対的に低いインクとして選択され、第2選択処理ステップS604に進む。一方、マゼンタインクを吐出するための2値データが動的表面張力が相対的に高いインクとして選択され、連結度小マスクパターン設定処理ステップへと進み、図15(b)に示すマスクパターンが設定される。
第2選択処理ステップS604では、ブラックインク、シアンインク、イエローインクを吐出するための2値データに対し、予め設定されていた所定の閾値とそれぞれのインクの吐出量を比較し、吐出量が所定の閾値以下であるインクに対応する2値データを選択する。所定の閾値は、記録媒体の吸水性やインクの濡れ性等に応じて適宜値を設定することができる。ここでは単位領域に記録可能な画素のうちの50%の画素に相当する吐出量を所定の閾値とする。よって、ブラックインクを吐出するための2値データがインクの吐出量が閾値よりも少ないと選択され、ドット連結度大マスクパターン設定処理へと進み、図15(a)に示すマスクパターンが設定される。一方、選択されなかったシアンインク、イエローインクのそれぞれを吐出するための2値データは、ドット連結度小マスクパターン設定処理へと進み、図15(b)に示すマスクパターンが設定される。
以上の構成によれば、動的表面張力が相対的に低く、且つ、インクの吐出量が少ないため、樹脂エマルジョンの皮膜化が十分に行われない可能性が高いブラックインクのドット連結度を高くし、画像の耐擦過性の低下を抑制できる。一方、動的表面張力が相対的に高いか、又は、インクの吐出量が多く、樹脂エマルジョンが十分に皮膜化し易いシアンインク、マゼンタインク、イエローインクのドット連結度を低くするため、粒状感の低下の抑制と耐擦過性の向上の双方に優れた画像を記録することができる。
(第4の実施形態)
第1から第3の実施形態では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の記録走査によって記録を行う、いわゆるマルチパス記録方式の記録装置において、複数のインクのドット連結度を制御する方法について記載した。
これに対し、本実施形態では、記録媒体の幅方向の全域に対応した長さを有するそれぞれのインクに対応する記録ヘッドを複数用い、記録ヘッドと記録媒体との相対的な記録走査を1回行うことで記録を行う記録装置において、複数のインクの吐出順序を制御する。
なお、前述した第1から第3の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図19は、本実施形態に係る記録装置の内部の構成を部分的に示す側面図である。
6つの記録ヘッド600、601、602、603、604、605には、それぞれ1つの記録ヘッドにつきシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを吐出する所定数の吐出口(不図示)がZ方向に配列されている。よって、あるインクを吐出する吐出口列はそれぞれ6つずつ配列されている。吐出口列のZ方向の長さは、記録媒体3上のZ方向の全域に記録を行うことが可能なように、記録媒体3のZ方向の長さ以上である。
搬送ベルト400は、記録媒体3を搬送するベルトである。また、搬送ベルト400は給送部401と排送部402とによってZ方向と交差するW方向に回転される。
記録媒体3は、給送部401により給送され、搬送ベルト400によりW方向に搬送される。
本実施形態では、図19に示すブラックインク、シアンインク、イエローインクを吐出するそれぞれ6つの吐出口列に対し図15(a)に示すマスクパターンを適用し、図19に示すマゼンタインクを吐出する6つの吐出口列に図15(b)に示すマスクパターンを適用する。すなわち、記録ヘッド600〜605内のブラックインク、シアンインク、イエローインクを吐出する吐出口列には、図15(a)に示すマスクパターン61〜66を、図15(a)におけるY方向が図19に示すZ方向に対応するように適用する。記録ヘッド600〜605内のマゼンタインクを吐出する吐出口列には、同様にして、図15(b)に示すマスクパターン61〜66を適用する。
以上の構成によれば、記録媒体上の単位領域に対して1回の記録走査にて記録を行う記録装置であっても、動的表面張力の高さに応じてドット連結度を制御することができ、画像の粒状感をできる限り抑制しながら画像の耐擦過性を向上することが可能となる。
更に、1回の記録走査で画像を完成することができるため、記録時間の短縮化を達成することも可能となる。
なお、本実施形態で用いた吐出口列のZ方向の長さは記録媒体の幅に相当する長さであったが、短尺な吐出口列をZ方向に複数配列することで長尺化を行った、いわゆるつなぎヘッドを記録ヘッドとして使用することも可能である。
なお、各実施形態では各インクの動的表面張力に応じて2つのインクグループに分割し、インクグループごとに適切なドット連結度のマスクパターンを適用する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、ドット連結度がより大きいマスクパターンを更に備え、インクの動的表面張力に応じて3つのインクグループに分割し、インクグループごとに適切なドット連結度のマスクパターンを適用する形態であっても良い。
また、各実施形態では有色のインクを用いて説明したが、インクに色が付いている必要性はない。例えば、無色のインクと有色のインクを用いる形態であって、無色のインクが動的表面張力が相対的に低いインクであり、有色のインクが動的表面張力が相対的に高いインクである場合、無色のインクのドット連結度を高くし、且つ、有色のインクのドット連結度を低くして記録すれば良い。
また、以上で説明した第1から第4の実施形態ではマスクパターンを使用してドット連結度の制御を行っているが、本発明はそれぞれの画素ごとに記録を行うことが可能な手段を有していれば十分に適用することができ、その手段はマスクパターンに限定されるものではない。例えば、X方向に並ぶ画素列ごとに振りまき回路により記録データをそれぞれ複数の記録走査に対応する複数のバッファにシーケンシャルに振りまくことにより、各画素の記録をいずれの記録走査で記録するかを決定することによってドット連結度の制御を行う形態でも本発明の効果を得ることができる。
3 記録媒体
7 記録ヘッド
53 樹脂エマルジョン
61〜66、71〜76 マスクパターン
306 ROM
307 インク動的表面張力情報格納部

Claims (21)

  1. 顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有する第1のインクと、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第1のインクよりも所定の寿命時間における動的表面張力が低い第2のインクと、を少なくとも含む複数のインクを吐出する記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する走査方向への複数回の相対的な走査を行いながらインクを吐出するための、前記単位領域内の複数の画素相当の小領域のそれぞれに対するインクの吐出を決定する記録データを生成する画像処理装置であって、
    前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第1のインクの吐出または非吐出を定める第1の画像データと、前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第2のインクの吐出または非吐出を定める第2の画像データと、を取得する取得手段と、
    前記複数回の走査のそれぞれに対応し、記録許容画素と非記録許容画素が配置されたそれぞれ複数の第1、第2のマスクパターンに基づいて前記第1、第2の画像データから前記複数回の走査のそれぞれにおける記録に用いられる複数の第1、第2の前記記録データを生成する生成手段と、を備え、
    前記複数の第2のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された、互いに隣接して配置された複数の記録許容画素により構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした場合の、前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記複数の第1のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも多いことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数の第2のマスクパターンのそれぞれに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、いずれも前記複数の第1のマスクパターンのそれぞれに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第2のインクは、25℃および前記所定の寿命時間における動的表面張力が前記第1のインクよりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記所定の寿命時間は、1000msであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1、第2のインクの動的表面張力は、最大泡圧法により測定された値であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記樹脂エマルジョンは、加熱により皮膜化する性質を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記水溶性有機溶剤は、それぞれ前記樹脂エマルジョンの最低造膜温度を低下させる性質を有することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記水溶性有機溶剤は、2−ピロリドンであることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記第1のインクに含有される前記水溶性有機溶剤の濃度は、前記第2のインクに含有される前記水溶性有機溶剤の濃度と異なることを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理装置。
  10. 前記記録媒体は、基材と、前記基材上に形成された塩化ビニルの層と、を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記複数のインクは、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第2のインクより前記所定の寿命時間における動的表面張力が低い第3のインクを更に含み、
    前記取得手段は、前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第3のインクの吐出を定める第3の画像データを更に取得し、
    前記生成手段は、前記複数回の走査のそれぞれに対応し、記録許容画素と非記録許容画素が配置されたそれぞれ複数の第3のマスクパターンに基づいて前記第3の画像データから前記複数回の走査のそれぞれにおける記録に用いられる複数の第3の前記記録データを更に生成し、
    前記複数の第3のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記複数の第2のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも多いことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記複数の第2のマスクパターンのそれぞれに配置された前記記録許容画素の数は、前記複数の第1のマスクパターンのそれぞれに配置された前記記録許容画素の数とほぼ等しいことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記複数の第2のマスクパターンのうちの少なくとも1つのマスクパターンは、前記記録許容画素が配置されていないことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有する第1のインクと、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第1のインクよりも所定の寿命時間における動的表面張力が低い第2のインクと、を少なくとも含む複数のインクを吐出する記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する走査方向への複数回の相対的な走査を行いながらインクを吐出するための、前記単位領域内の複数の画素相当の小領域のそれぞれに対するインクの吐出を決定する記録データを生成する画像処理装置であって、
    前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第1のインクの吐出または非吐出を定める第1の画像データと、前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第2のインクの吐出または非吐出を定める第2の画像データと、を取得する第1の取得手段と、
    前記単位領域に対する前記第2のインクの吐出量を取得する第2の取得手段と、
    前記第1の取得手段により取得された前記第1、第2の画像データと、前記第2の取得手段により取得された前記第2のインクの吐出量と、に基づいて前記記録データを生成する生成手段と、
    前記複数回の走査のそれぞれに対応し、記録許容画素と非記録許容画素が配置されたそれぞれ複数の第1、第2のマスクパターンであって、前記複数の第2のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された、互いに隣接して配置された複数の記録許容画素により構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした場合の、前記単位内の前記記録許容画素の数の平均が、前記複数の第1のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも多い関係を有する前記複数の第1、第2のマスクパターンを格納するメモリと、を備え、
    前記生成手段は、(i)前記第1の取得手段により前記第1の画像データが取得された場合に前記複数の第1のマスクパターンに基づいて前記記録データを生成し、(ii)前記第1の取得手段により前記第2の画像データが取得され、前記第2の取得手段により取得された前記第2のインクの吐出量が所定の閾値以上の場合に前記複数の第1のマスクパターンに基づいて前記記録データを生成し、(iii)前記第1の取得手段により前記第2の画像データが取得され、前記第2の取得手段により前記第2のインクの吐出量が前記所定の閾値よりも少ない場合に前記複数の第2のマスクパターンに基づいて前記記録データを生成することを特徴とする画像処理装置。
  15. 顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有する第1のインクと、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第1のインクよりも所定の寿命時間における動的表面張力が低い第2のインクと、を少なくとも含む複数のインクを吐出する記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する走査方向への複数回の相対的な走査を行いながらインクを吐出するための、前記単位領域内の複数の画素相当の小領域のそれぞれに対するインクの吐出を決定する記録データを生成する画像処理装置であって、
    前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第1のインクの吐出または非吐出を定める第1の画像データと、前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第2のインクの吐出または非吐出を定める第2の画像データと、を取得する取得手段と、
    前記複数回の走査のそれぞれに対応し、記録許容画素と非記録許容画素が配置されたそれぞれ複数の第1、第2のマスクパターンに基づいて前記第1、第2の画像データから前記複数回の走査のそれぞれに対応する複数の第1、第2の前記記録データを生成する生成手段と、を備え、
    前記複数の第2のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記記録許容画素の分散性は、前記複数の第1のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記記録許容画素の分散性よりも低いことを特徴とする画像処理装置。
  16. 顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有する第1のインクと、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第1のインクよりも所定の寿命時間における動的表面張力が低い第2のインクと、を少なくとも含む複数のインクを吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドを記録媒体上の単位領域に対し走査方向へ相対的に複数回走査させる走査手段と、
    前記走査手段による走査を伴って前記単位領域に対して前記記録ヘッドから前記第1、第2のインクを吐出するように、前記第1、第2のインクの吐出を制御する制御手段と、を有する画像記録装置であって、
    前記制御手段は、所定の前記走査で前記単位領域上に形成された前記第2のインクのドットにおけるドット連結度が前記所定の走査で前記単位領域上に形成された前記第1のインクのドットにおけるドット連結度よりも大きくなるように、前記第1、第2のインクの吐出を制御することを特徴とする画像記録装置。
  17. 前記樹脂エマルジョンは、加熱により皮膜化する性質を有することを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記水溶性有機溶剤は、前記樹脂エマルジョンの最低造膜温度を低下させる性質を有することを特徴とする請求項17に記載の画像記録装置。
  19. 前記水溶性有機溶剤は、2−ピロリドンであることを特徴とする請求項18に記載の画像記録装置。
  20. 前記複数のインクは、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第2のインクよりも前記所定の寿命時間における動的表面張力が低い第3のインクを更に含み、
    前記制御手段は、前記所定の走査で前記単位領域上に形成された前記第3のインクのドットにおけるドット連結度が前記所定の走査で前記単位領域上に形成された前記第2のインクのドットにおけるドット連結度よりも大きくなるように、前記第2、第3のインクの吐出を制御することを特徴とする請求項16から19のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  21. 顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有する第1のインクと、顔料、樹脂エマルジョンおよび水溶性有機溶剤を含有し、前記第1のインクよりも所定の寿命時間における動的表面張力が低い第2のインクと、を少なくとも含む複数のインクを吐出する記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する走査方向への複数回の相対的な走査を行いながらインクを吐出するための、前記単位領域内の複数の画素相当の小領域のそれぞれに対するインクの吐出を決定する記録データを生成する画像処理方法であって、
    前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第1のインクの吐出または非吐出を定める第1の画像データと、前記単位領域内の複数の前記小領域それぞれに対し前記第2のインクの吐出または非吐出を定める第2の画像データと、を取得し、
    前記複数回の走査のそれぞれに対応し、記録許容画素と非記録許容画素が配置されたそれぞれ複数の第1、第2のマスクパターンに基づいて前記第1、第2の画像データから前記複数回の走査のそれぞれにおける記録に用いられる複数の第1、第2の前記記録データを生成する生成し、
    前記複数の第2のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された、互いに隣接して配置された複数の記録許容画素により構成される記録許容画素群および他の記録許容画素と隣接しない記録許容画素のそれぞれを1つの単位とした場合の、前記単位内の前記記録許容画素の数の平均は、前記複数の第1のマスクパターンのうちの1つのマスクパターンに配置された前記単位内の前記記録許容画素の数の平均よりも多いことを特徴とする画像処理方法。
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