JP2008142972A - インクジェット記録装置、およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、およびインクジェット記録方法 Download PDF

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次郎 森山
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英彦 神田
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Abstract

【課題】普通紙や専用紙などに対して高画質記録を行うことができるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】ブラックの顔料インクBk1とブラックの染料インクBk2を使用可能な記録装置であって、インクBk2には、インクBk1の顔料を凝集させる成分を含む。この記録装置は、インクBk1、Bk2の使用比率が異なる2種類の記録モードを実行可能であって、これら記録モードは記録媒体の種類に応じて指定される。これにより、記録媒体の特性を考慮した高画質記録が可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット記録に用いるインクジェット記録装置、およびインクジェット記録方法に関するものである。
反応する2種類のブラックインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1では、アニオン性を有する黒インクと、カチオン性を有する黒インクとを反応させることで、普通紙でのインク滲み低減や記録濃度向上を実現している。
特開2000−7964号公報
しかしながら、この特許文献1の方法は普通紙における画質向上のための方法であり、光沢メディア等の専用紙への記録については考慮されていない。すなわち、この特許文献1の方法に従えば、光沢メディア等の専用紙に対しても、普通紙と同じ使用比率で、反応する2種類のブラックインクを用いることになる。しかし、このようなインクの組み合わせでは、専用紙に対して高画質の記録を行うことが難しい。
よって本発明は、同色の反応インクを用いつつも、普通紙や専用紙などに対して高画質記録を行うことができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
そのために本発明のインクジェット記録装置は、少なくとも第1のインクおよび当該第1のインクと同色の第2のインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、画像を記録するための記録モードとして、前記第1および第2のインクの使用比率が異なる第1および第2の記録モードを実行可能であり、前記第2のインクは、前記第1のインクの色材と同じ色を示す色材を含有し、かつ前記第1のインクに含まれる色材を凝集させるための成分を含むことを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも同色の第1および第2のインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、画像を記録するための記録モードとして、前記第1および第2のインクの吐出を伴う第1の記録モードと、前記第1および第2のインクの一方の吐出を伴う第2の記録モードとを含む複数の記録モードの中から選択された1つの記録モードを実行する工程を有し、前記第2のインクは、前記第1のインクと同じ色を示し、かつ前記第1のインクに含まれる色材を凝集させるための成分を含むことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体上で反応する同色のインクを目的に応じて用いることで、種々の記録媒体への記録を高画質で行うことができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明を適用可能な記録装置の主要部を表わした斜視図である。記録を行う際には記録装置100の給紙位置から矢印P方向に記録媒体105を挿入する。挿入された記録媒体105はその後搬送方向が反転されて、送りローラ106で副走査方向である矢印R方向に送られて、記録可能領域において記録ヘッド104が主走査することで記録が行われる。記録可能領域において記録媒体105の下側には、記録媒体105を適正位置に保持するためのプラテン107が設けられている。記録ヘッド104を搭載可能なキャリッジ101は2つのガイド軸102、103によって保持されており、不図示の駆動モータによって主走査方向(矢印Q1、Q2方向)に走査を行う。キャリッジ101の主走査と記録媒体105の副走査とを交互繰り返しながら、キャリッジ101に搭載された記録ヘッド104から記録媒体105に対してインクを吐出して記録が行われる。
記録ヘッド104は、インクを収容するインクタンクと分離可能な形態または一体に結合された形態で、インクカートリッジを構成する。
オペレーション部108には、記録装置100の電源のオン/オフの切り替えや、各記録モードの切り替えが可能なスイッチと、記録装置100の動作状態を表示可能な表示部が設けられている。
図2は、記録ヘッド104の吐出口面を正面から見た図である。4色のインク(ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))毎に複数の吐出口が設けられており、特にブラック(Bk)に関してはインクBk1(第1のインク)とインクBk2(第2のインク)の2種類の独立した吐出口を備えている。C,M,Yのインク用の吐出口はそれぞれ約5ngのインクを吐出する大吐出口が128個、約2ngのインクを吐出する小吐出口が128個設けられている。また、インクBk1用の吐出口は、約30ngのインクを吐出する吐出口が256個設けられており、インクBk2用の吐出口は約5ngのインクを吐出する吐出口が256個設けられている。各色毎に吐出口は副走査方向に2列に千鳥配置で配列されており、図中左からBk1、Bk2、Y、M、Cの順に配置されている。各吐出口のピッチPは各インクとも同じであり、1/600dpi(ドット/インチ)に相当する42μmである。このピッチPは、吐出口を2列に千鳥配置することによって得られるものである。従って、1列だけに着目すれば、その1列における吐出口のピッチはその倍の84μmとなる。なお、吐出口の配置は千鳥配置に限定するものではなく、千鳥配列以外の配列でもよい。
このような構成の記録ヘッド104が主走査方向(Q1、Q2方向)に移動しながら、各吐出口からインクを吐出することで記録を行う。
使用したインクは以下の通りである。

Bk1(ブラック、顔料):
自己分散カーボンブラック 4部
ポリエチレングリコール 11部
チオジグリコール 10部
イソプロピルアルコール 1部
水 74部

Bk2(ブラック、染料):
C.I.ダイレクトブラック154 3部
グリセリン 5部
チオジグリコール 5部
ジエチレングリコール 2部
アセチレノールEH 0.7部
硝酸マグネシウム 0.2部
水 81.1部

C(シアン、染料):
C.I.ダイレクトブルー199 3部
グリセリン 5部
チオジグリコール 5部
ジエチレングリコール 5部
アセチレノールEH 0.7部
硝酸マグネシウム 0.2部
水 81.1部

M(マゼンタ、染料):
C.I.アシッドレッド54 3部
グリセリン 5部
チオジグリコール 5部
ジエチレングリコール 5部
アセチレノールEH 0.7部
硝酸マグネシウム 0.2部
水 81.1部

Y(イエロー、染料):
C.I.ダイレクトイエロー86 2部
グリセリン 5部
チオジグリコール 5部
ジエチレングリコール 5部
アセチレノールEH 0.7部
硝酸マグネシウム 0.2部
水 82.1部
各吐出口にはそれぞれ不図示の電気熱変換体であるヒータが備えられており、これに記録信号である電気パルスを供給して発熱させることにより、インクに熱エネルギを与える。そのときのインクの相変化により生じる発砲の気泡圧力を利用して、微小な吐出口からインクを吐出させて記録媒体に対して記録を行う。また、ヒータの駆動周波数は15kHzであり、主走査方向に対して600dpiの密度での記録が可能である。したがって、記録動作時のキャリッジ101の移動速度は2.5i/s(インチ/秒)となる。
図3は、本発明の一実施形態である記録装置100の制御構成の主要部をしめすブロック図である。ホスト装置500から記録装置100に対して、記録するべき文字や画像のデータが送信されて、そのデータは受信バッファ401に蓄えられる。受信バッファ401に蓄えられたデータは、CPU402の管理下で記録ヘッド104が記録を行うためのデータに加工され、ランダムアクセスメモリ部(RAM)403内のプリントバッファ部に記憶される。プリントバッファ部のデータは記録ヘッドコントロール部410によって記録ヘッド104に転送され、文字等を含む画像が記録される。
また、ホスト装置から記録装置に正しくデータが送信されているかを確認するためのデータおよび記録装置100の動作状態を知らせるためのデータが記録装置100からホスト装置500に送信される。ここでいうホスト装置とはPC(パーソナルコンピュータ)やデジタルカメラ等であり、記録装置100に記録データを送信可能な装置である。
記録ヘッドコントロール部410は、記録ヘッド104の状態を示す温度情報等を検出してCPU402に送り、その情報に基づいて記録ヘッドコントロール部410が記録ヘッド104の駆動を制御する。機械コントロール部404はCPU402からの指令により、キャリッジ101移動用のキャリッジモータや記録媒体105搬送用のラインフィードモータ等の機械部405を駆動制御する。センサ/SWコントロール部406は、各種センサSWからなるセンサ/SW部407からの信号をCPU402に送る。表示素子コントロール部408は、CPU402からの指令に応じて、表示パネル群のLEDや液晶表示等からなる表示分409を制御するように構成されている。
本実施形態の記録装置100は、普通紙に対して記録を行う場合に使用するブラックインクは顔料であるインクBk1と、染料であるインクBk2であり、主として用いるのは顔料であるインクBk1である。また、専用紙(例えば、マット紙、光沢紙)に対して記録を行う場合に使用するブラックインクは、染料であるインクBk2のみである。そして、どちらの記録媒体であっても、薄い黒を表現する場合にはY、M、Cのインクを混ぜることで薄いブラックを表現している。 図4は、インクBk1とインクBk2の化学反応の様子を模式的に表わした図である。 本実施形態で使用するインクBk1には、表面に少なくとも1つのイオン性基が直接若しくは他の原子団を介して結合している顔料(自己分散顔料)が含まれている。このような形態のインクでは、溶媒中でイオン性基がイオン解離を生じることにより顔料粒子が帯電し、その結果生じる静電反発力により顔料粒子が溶媒中に分散している。図4では、このように表面がマイナスに帯電している自己分散顔料を模式的に示している。自己分散顔料の具体例としては、少なくとも1つのアニオン性基が直接あるいは他の原子団を介して表面に結合しているカーボンブラックが挙げられる。一方、本実施形態で使用するインクBk2には、多価金属塩が含まれている。ここでは、特に、2価金属塩である硝酸マグネシウムMg(Noが含まれている場合について説明する。
このようなインクBk2がインクBk1と混ざった場合、インクBk2中のマグネシウムイオン(Mg2+)がインクBk1中の自己分散顔料と反応し、自己分散顔料の分散性を低下させ、結果的に顔料の凝集を生じさせる。このような化学反応を利用することによって記録媒体105(普通紙)上での「滲み」を軽減し、高濃度の黒画像を得ることができる。
また、インクBk1の記録媒体105(普通紙)への浸透速度が速い場合、記録媒体105の表面でインク同士の反応が始まる前に記録媒体105に浸透してしまい、インクBk2との反応が阻害されることがある。したがって、インクBk1の表面張力は40dyn/cm以上であることが好ましい。また、このように化学反応を利用していることから、インクBk2に含有されるプラスイオンは、インクBk1に含有されるマイナスイオンの総電荷よりも多く含有されていることが望ましい。これによって、インクBk1のマイナスイオンを有する自己分散顔料を十分に反応させることができるからである。このように、記録媒体105である普通紙に吐出されたインクBk1とインクBk2との化学反応を利用することによって「滲み」が少ない高品位な記録を行うことができる。
なお、本実施形態で使用可能なインクBk1とインクBk2の組合せは上述した例に限られるものではない。インクBk1とインクBk2の組合としては、インクBk1とインクBk2の一方の色材を凝集させる成分が他方に含まれている組合せであればよい。例えば、インクBk1に顔料と顔料分散液が含有され、インクBk2に多価金属塩が含有されている組合せであってもよい。
一方、本実施形態では、専用紙への記録の際にはインクBk2のみを用いることとし、インクBk2とインクBk1との化学反応を利用していない。その理由は、専用紙には予め表面にインク吸収層が設けられており、このような化学反応を用いなくても、「滲み」や「白モヤ」などは発生しにくいからである。このようにインクBk2による専用紙への記録に関しては、インク吸収層にインクBk2が吸収されることを期待しているため、インクBk2が浸透しやすいように、その表面張力は40dyn/cm未満であることが好ましい。
インクジェット記録方式には、所定の記録幅の記録の全てを1回の走査で完成させる1パス記録方式と、所定の記録幅の記録を複数回の走査で完成させるマルチパス記録方式とがあり、1パス記録の方が記録に要する時間が短いことから高速記録には適している。
一般的に普通紙に対する記録は、ブラックインクによる文字の記録を速く行うことが要求されており、その記録は1パス記録で行われる。その際、吐出したインク滴の着弾位置のずれが発生した場合、1パス記録方式ではマルチパス記録方式のように着弾位置がずれた部分を補完することができないため、マルチパス記録方式よりも画質が劣ることがある。そのため本実施形態では普通紙への記録に用いる主なブラックインクであるBk1の吐出口は30ngのインクを吐出可能であり、専用紙への記録に用いるインクBk2の吐出口は5ngというように、普通紙への記録には比較的吐出量の多いインクを用いている。これは吐出量が多い方が、記録媒体105にインクが着弾した際の被覆率が高く、着弾位置がずれた場合でも、そのずれを目立たなくする効果があるためである。また、専用紙は写真などの高画質な記録が求められることが多いため、Bk1のように吐出するインクの量が多いと記録結果に粒状感が高くなり好ましくない。したがって本実施形態では、専用紙へ記録を行う際に使用するインクの吐出量を比較的少なくすることで、粒状感の低い高品位な記録を実現することができた。
記録ヘッド104が往路方向Q1(図2参照)に走査する場合、インクBk1、インクBk2、カラーインクの順で吐出される。この場合インクBk1の直後にインクBk2が吐出され、カラーインクが吐出される前に化学反応するため「滲み」を抑えることができる。また。記録ヘッド104が復路方向Q2(図2参照)に走査する場合、カラーインク、インクBk2、インクBk1の順で吐出される。この場合、インクBk2とカラーインクは共に染料であるため「滲み」の発生は少なく、インクBk2を吐出した直後にインクBk1を吐出して化学反応するため、「滲み」の発生を抑えることができる。
このように、本実施形態では記録媒体105によって使用するブラックインクやその記録方法を異ならせているが、その異ならせる手段は、記録装置の記録モードを選択することによって使い分けられるように構成されている。つまり、普通紙に記録を行う場合、第1の記録モードを選択してブラックインクとしてインクBk1、Bk2を用いて1パス記録を行い、専用紙に記録を行う場合、第2の記録モードを選択してブラックインクとしてインクBk2のみを用いてマルチパス記録を行う。
図5は、本実施形態における記録モードの設定処理を示したフローチャートである。記録モード設定処理において、まず、ステップS001で記録媒体105の種類が普通紙であるか専用紙(ここでは、マット紙、光沢紙)であるかを確認する。この記録媒体の判別は、ユーザにより指定された記録媒体の情報に基づいて行ってもよいし、記録媒体の表面を光学センサにより検出した結果に基づいて行っても良い。記録媒体105が普通紙である場合には、ステップS002へ移行し、ブラックインクとしてインクBk1とインクBk2を用いて、1パス記録を行う第1の記録モードを設定する。また、記録媒体105が専用紙である場合には、ステップS003へ移行し、ブラックインクとしてインクBk2のみを用いて、マルチパス記録を行う第2のモードを設定する。ステップS002およびステップS003の後、記録媒体105に対して記録が行われる。
このように、記録装置100が記録媒体105の種類に応じて記録モードを切り替えることによって、記録媒体105の種類に適したブラックインクを用い、さらにブラックインクの吐出量および記録方式(1パス、マルチパス記録方式)を設定する。この結果、普通紙にも専用紙にも高品位な記録を行うことができる。なお、上記では、インクBk1とインクBk2を使用する第1のモードでは1パス記録を行い、インクBk2のみを使用する第2のモードではマルチパス記録を行う場合について説明した。しかし、本実施形態はこれに限定するものではなく、例えば両方のモードでマルチパス記録を行ってもよいし、両方のモードで1パス記録を行ってもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、専用紙に対して顔料ブラックインクを付与しない構成としている。専用紙に対して顔料インクを使用すると、耐擦過性の悪化や光沢感の低下を招き、これが画像劣化に繋がる場合がある。従って、このような観点からすれば、専用紙に対して染料インクだけを利用するのが好ましい。しかし、顔料インクBk1と染料インクBk2が反応系である場合は、専用紙に対して顔料ブラックインクを使用するメリットは大きい。すなわち、反応系であるインクBk1、Bk2を専用紙に対して併用すれば、黒の記録濃度の上昇が大きいという利点がある。
そこで、本実施形態では、顔料インクBk1と染料インクBk2が反応系であることを利用して、専用紙に対して染料インクBk2と共に顔料ブラックインクBk1を付与する構成にしている。但し、専用紙に対するインクBk1、Bk2の使用比率を普通紙と同じに設定すると、耐擦過性の低下や光沢感の低下が大きくなってしまう。そこで、専用紙に対する顔料インクBk1と染料インクBk2の使用比率を普通紙とは異ならせることで、上記デメリットを抑制しつつも、黒濃度を向上させるようにしている。
このように本実施形態では、普通紙モード(第1のモード)であっても専用紙モード(第2のモード)であっても顔料インクBk1と染料インクBk2を使用するが、その使用比率を異ならせた点を特徴としている。図6は、このような記録モードの設定処理を示したフローチャートである。
図6のステップS101では、記録媒体の種類が普通紙であるか専用紙であるかを判別する。ステップS101において普通紙と判定された場合にはステップS102へ進み、一方、ステップS101において専用紙と判定された場合にはステップS103へ進む。
ステップS102では、顔料インクBk1と染料インクBk2の使用比率がK1:K2となるようにして記録を行う記録モード(第1のモード)を設定する。ここでは、後述する図8(b)に示されるようにK1:K2=1:1とする。なお、K1:K2=1:1という比率は、普通紙上における顔料インクK1とカラーインクCMYとの境界部でブリードや白モヤの発生を少なくできる比率である。
一方、ステップS103では、顔料インクBk1と染料インクBk2の使用比率がK3:K4となるようにして記録を行う記録モード(第2のモード)を設定する。ここでは、後述する図8(c)に示されるようにK3:K4=0.3:1とする。なお、K3:K4=0.3:1という比率は、専用紙において顔料インクBk1を使用した場合のデメリットを抑えつつも、黒濃度を十分にアップさせることのできる比率である。
このように本実施形態では、普通紙に比べ専用紙において顔料インクの使用比率を小さくしているが、この技術的意義は次の通りである。すなわち、普通紙と同じ比率で専用紙に対して顔料インクBk1を使用すると、専用紙のインク受容層内に浸透できずに表層に残存する顔料の量が多くなってしまうため、耐擦過性の低下度合いが大きくなり過ぎてしまう。また、専用紙が光沢紙の場合には、インク受容層上に存在する顔料インクが光沢性低下の原因となるが、その層上に残存する顔料の量が多くなると光沢性の低下度合いが大きくなり過ぎてしまう。従って、専用紙に対して顔料インクBk1の使用比率を少なくすることは、耐擦過性や光沢性の低下を軽減する意味で有効である。一方、専用紙は、比較的大きな空隙を有する普通紙に比べ、インクBk1、Bk2の反応により凝集される顔料が表層に残存しやすいため、普通紙よりも顔料インクの使用率を少なくしても十分な濃度を得ることができる。以上のように、普通紙よりも専用紙の方で顔料インクの使用比率を小さくすることは、専用紙に高品位画像を形成する上で重要なファクターなのである。
図8は、画像の濃度レベルとインクBk1、Bk2の使用比率との関係を示した図である。ここで、横軸は0〜255の256階調で表現される入力レベル(濃度レベル)を示している。一方、縦軸はインクBk1、Bk2の使用比率(%)を示しており、最大の入力レベル255に対応するインクBk2の使用量を100としたときのインクBk1、Bk2の使用比率を示している。図8(a)は、後述する第3の実施形態における第3のモードでの使用インクの比率を示しており、染料インクBk2のみが使用されるように設定されている。また、図8(b)は、普通紙に対して記録を行う記録モード(図6の第1のモード)での使用インクの比率を示しており、Bk1:Bk2=1:1となるようにインク使用量が設定されている。なお、図8(b)では、Bk1とBk2が併用されることを一見して理解できるようにするために、Bk1の使用量を示す実線とBk2の使用量を示す破線が重ねずに表示しているが、実際にはこれら両方の線は同一線上で重ねるものである。更に、図8(c)は、専用紙に対して記録を行う記録モード(図6の第2のモード)での使用インクの比率を示しており、Bk1:Bk2=0.3:1となるようにインク使用量が設定されている。
なお、図8では、説明を簡単にするために、入力(濃度レベル)に対する出力(使用量)を線形に変化させていく例について示したが、線形変化させることは必須ではない。本実施形態のポイントは、あくまでも、普通紙に対して記録を行う記録モード(第1のモード)よりも、専用紙に対して記録を行う記録モード(第2のモード)の方で、顔料インクBk1の使用比率を小さくすることになる。
(第3の実施形態)
上記第1、第2の実施形態では、専用紙の種類に応じた使用インクの切替えは行っていないが、専用紙の中でも特性が大きく異なるもの同士では使用インクの種類や比率を異ならせることは有効である。例えば、専用紙の1種である光沢紙は、濃度アップよりも光沢性が重要視される傾向にあるため、顔料インクの使用量は極力減らすことが有効である。一方、専用紙の1種であるマット紙は、光沢性が元々ないため、光沢紙よりも顔料インクの使用量を多くして濃度アップを図るのが有効である。そこで、本実施形態では、顔料インクと染料インクの使用比率を、普通紙と専用紙とで異ならせるだけでなく、専用紙の中でも異ならせることを特徴としている。
図7は、本実施形態における記録モードの設定処理を示したフローチャートである。ここでは、3種類の記録モードを有しており、記録媒体の種類に応じてこれら記録モードを選択する。
まず、図7のステップS201において、記録媒体の種類を判別する。ここでは、普通紙、専用紙1(マット紙)、専用紙2(光沢紙)について判別する。なお、「普通紙」とは、インク受容層等のコート層を有していない記録媒体を指す。また、「光沢紙」とは、基材の他に少なくともインク受容層を有し、このインク受容層の60度鏡面光沢が30%以上のものを指す。60度鏡面光沢とは、JIS−Z−8741に基づいて測定された値である。また、「マット紙」とは、基材の他に少なくともインク受容層を有し、このインク受容層の60度鏡面光沢が30%未満のものを指す。
上記ステップS201において、普通紙と判定されたらステップS202へ進み、専用紙1(マット紙)と判定されたらステップS203へ進み、専用紙2(光沢紙)と判定されたらステップS204へ進む。ステップS202では、図8(b)のようにBk1とBk2の使用比率がK1:K2=1:1となるようにして記録を行う記録モード(第1のモード)が設定される。また、ステップS203では、図8(c)のようにBk1とBk2の使用比率がK3:K4=0.3:1となるようにして記録を行う記録モード(第2のモード)が設定される。更に、ステップS204では、図8(a)のようにBk2のみを使用して記録を行う記録モード(第3のモード)が設定される。
なお、上記第3のモードではBk1を全く使用していないが、第2のモードよりも少量の範囲でBk1を使用するように設定してもよい。
(他の実施形態)
また、上述した実施形態は、同色の第1のインクと第2のインクをブラックインクのBk1、Bk2としている。しかし、それら第1および第2のインクは同色のインクであればよい。またそれらのインクが収容されるインクタンクは、同一のインクタンクでも別のインクタンクでもよい。それら第1および第2のインクは、記録装置において用いられる複数のインクの組み合わせ(インクセット)の少なくとも一部を成すものであればよい。
また、上述した実施形態では記録媒体105の種類によって、記録モードを切り替えることを示したが、これに限定するものではなくユーザが必要に応じて切り替えてもよい。
また、上述した実施形態では記録媒体105の種類によって、記録装置100が記録モードを切り替える構成を示したが、これに限定するものではなく、記録装置100に接続されたホスト装置等が記録モードを切り替える手段を有していてもよい。
また、上述した実施形態では、インクBk1とインクBk2との化学反応に、多価金属塩と自己分散顔料との反応を利用したが、この反応に限るものではない。例えば、特許文献1に記載されるような種々のアニオン性インクとカチオン性インクの反応を利用する形態でもよい。
また、本実施形態では複数色によるカラー記録が可能な記録装置を示したが、これに限定するものではなく、黒のみのモノクロ記録を行う記録装置に適用してもよい。
また、上述した実施形態では、顔料ブラックインクBk1と染料ブラックインクBk2を併用する記録モード、および顔料ブラックインクBk1は使用せずに染料ブラックインクBk2を使用する記録モードを実行可能である記録装置について説明した。しかし、本発明の記録装置で実行可能な記録モードはこれらに限られるものではなく、例えば、ブラックインクとして顔料ブラックインクBk1だけを用いる記録モードを設けても良い。なお、ブラックインクとして顔料ブラックインクBk1だけを用いる記録モードを利用してカラー画像を記録する場合には、インクBk1の他に、例えば、Y、M、Cのインクを併用することが好ましい。
本発明を適用可能な記録装置の主要部を表わした斜視図である。 記録装置の記録ヘッドの吐出口面の図である。 記録装置の制御構成の主要部を示すブロック図である。 インクの化学反応の様子を模式的に表わした図である。 第1の実施形態における記録モードの設定処理を示したフローチャートである。 第2の実施形態における記録モードの設定処理を示したフローチャートである。 第3の実施形態における記録モードの設定処理を示したフローチャートである。 画像の濃度レベルとインクBk1、Bk2の使用比率との関係を示した図である。
符号の説明
Bk1 ブラックインク(第1のインク)
Bk2 ブラックインク(第2のインク)
100 記録装置
101 キャリッジ
104 記録ヘッド
105 記録媒体
402 CPU
406 センサ/SWコントロール部
410 記録ヘッドコントロール部
500 ホスト装置

Claims (11)

  1. 少なくとも第1のインクおよび当該第1のインクと同色の第2のインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    画像を記録するための記録モードとして、前記第1および第2のインクの使用比率が異なる第1および第2の記録モードを実行可能であり、
    前記第2のインクは、前記第1のインクの色材と同じ色を示す色材を含有し、かつ前記第1のインクの色材を凝集させるための成分を含む
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1の記録モードと、前記第2の記録モードは、前記記録媒体の種類に応じて切り替え可能であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記第1の記録モードは、前記第1のインクと前記第2のインクを使用して記録を行うモードであり、
    前記第2の記録モードは、前記第1のインクを使用せずに前記第2のインクを使用して記録を行うモードであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1および第2の記録モードは、前記第1のインクと前記第2のインクを使用して記録を行うモードであり、
    前記第2の記録モードは、前記第1の記録モードに比べて、前記第2のインクに対する前記第1のインクの使用比率が小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録媒体が普通紙の場合には前記第1の記録モードによって記録を行い、前記記録媒体が専用紙の場合には前記第2の記録モードによって記録を行うことを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録媒体がマット紙の場合には前記第1の記録モードによって記録を行い、前記記録媒体が光沢紙の場合には前記第2の記録モードによって記録を行うことを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第1のインクは、前記色材として顔料を含み、
    前記第2のインクは、前記色材として染料を含み、前記第1のインクの色材を凝集させるための成分として前記顔料を凝集させる成分を含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第1のインクと前記第2のインクは、前記記録ヘッドからの1ドット当たりの吐出量が異なることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記第1のインクの1ドット当たりの吐出量は、前記第2のインクの1ドット当たりの吐出量よりも多いことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記第1のインクと前記第2のインクは、ブラックインクであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 少なくとも第1および第2のインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、
    画像を記録するための記録モードとして、前記第1および第2のインクの吐出を伴う第1の記録モードと、前記第1および第2のインクの一方の吐出を伴う第2の記録モードとを含む複数の記録モードの中から選択された1つの記録モードを実行する工程を有し、
    前記第2のインクは、前記第1のインクと同じ色を示し、かつ前記第1のインクに含まれる色材を凝集させるための成分を含む、
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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