JP2015068747A - 感知センサー及び感知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定感度の低下を抑えて感知対象物の検出または定量を行うことができる感知センサー及び感知装置を提供すること。
【解決手段】試料液が水晶振動子4の一面側の流路57を介して流れ、試料液中に含まれる感知対象物が水晶振動子4上の吸着膜451に吸着されるように感知センサー2を構成し、前記流路57内の試料液を廃液流路6に排出して毛細管シート71を介して吸収部材72に吸収させる。廃液流路6内の試料液は毛細管シート71に到達すると、当該毛細管シート71側に引っ張られるように移動していき、毛細管シート71と廃液流路6内の試料液との間に隙間が発生して、毛細管シート71と流路57とが切り離される。このため緩衝液を試料液の前に供給する場合においても、緩衝液による試料液の希釈が抑えられ、測定感度の低下が抑制される。
【選択図】図3

Description

本発明は、水晶振動子等の圧電振動子の発振周波数に基づいて、試料液に含まれる感知対象物を感知するための感知センサー及びこの感知センサーを含む感知装置に関する。
臨床分野においては、例えば血糖値自己モニタリングやインフルエンザウイルス検査等に代表されるPOCT(Point of care TEST)と呼ばれる簡便な検査方法が普及しており、このような検査に、QCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した感知センサーを用いることが検討されている。QCMは、水晶振動子の電極表面に物質が付着すると、その質量に応じて共振周波数が変動する性質を利用するものである。
特許文献1には、その一面側に感知対象物を吸着する吸着膜を備えた水晶振動子に試料液を供給し、このときの当該水晶振動子の周波数の変化に基づいて感知対象物を感知するバッチ式の感知センサーが記載されている。この感知センサーの一例について図10に示すと、配線基板9に形成された貫通孔90を塞ぐように水晶振動子91が設けられており、前記水晶振動子91の一面側には試料液の流路92が形成されている。カバー93に形成された液受け部931から供給された試料液は、入口側毛細管部材94から前記流路92を通り、出口側毛細管部材95を介して廃液領域96に向けて流通するように構成されている。97は前記貫通孔90を塞ぐように基板9の他面側に設けられたフィルムである。
感知対象物の測定時には、先ず液受け部931から緩衝液を供給して、前記流路92を緩衝液にて満たし、周波数を安定させる。次いで試料液を液受け部931から供給するが、この試料液の供給により流路92内の緩衝液が出口側毛細管部材95から廃液領域96に移動し、流路92内に試料液が到達する。こうして試料液は流路92内を層流となって流れ、緩衝液は試料液により廃液貯留部96へ押し出されるように移動する。そして流路92内が試料液により満たされたところで周波数の検出を行い、このときの周波数の変化に基づいて、試料液中の感知対象物の検出や定量を行う。
例えば液受け部931の試料液が全て入口側毛細管部材94に移動して当該液受け部931から試料液がなくなったところで、試料液が流路92内を満たし、出口側毛細管部材95を介して廃液領域96に至る量の試料液を供給する。こうして液受け部931の試料液が全て入口側毛細管部材94に移動した状態では、試料液は毛細管現象の保持力により静止している。しかしながら廃液領域96内には緩衝液が貯留されており、廃液領域96と出口側毛細管部材95とは互いに接触している。従って試料液が存在する流路92と緩衝液が存在する廃液領域96とは接続された状態にあるので、緩衝液が出口側毛細管部材95に向けて逆流し、徐々に流路92側へ移動するおそれがある。この現象が発生すると、流路92内にて次第に試料液に緩衝液が混ざり、試料液が緩衝液により希釈されて測定感度が低下する懸念がある。
特開2012-145566号公報(図17など)
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、測定感度の低下を抑えて感知対象物の検出または定量を行うことができる感知センサー及び感知装置を提供することである。
このため本発明の感知センサーは、
発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備えると共に、一面側に凹部が形成された配線基板と、
圧電片に励振電極を設けて構成され、前記凹部を塞ぎ且つ振動領域が凹部と対向するように前記配線基板に固定されると共に、励振電極が前記接続端子に電気的に接続され、一面側に試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成された圧電振動子と、
圧電振動子を含む配線基板の一面側の領域を覆うように設けられ、試料液の注入口を備えた流路形成部材と、
前記配線基板と流路形成部材との間に形成され、前記注入口に供給された試料液を、圧電振動子の一面側において一端側から他端側へ向けて流通させる流路と、
前記流路の下流側に設けられ、前記流路内の試料液を毛細管現象により排出する廃液流路と、
前記廃液流路の下流側に、当該廃液流路内を流通する試料液と接触するように設けられ、前記試料液を毛細管現象により流通させる毛細管部材と、
前記毛細管部材の下流側に設けられ、毛細管部材を流通する試料液を吸収するための吸収部材と、を備えたことを特徴とする。
また本発明の感知装置は、前記感知センサーと前記測定器とを含むことを特徴とする。
本発明の感知センサーによれば、試料液が注入口から圧電振動子の一面側の流路を介して廃液流路へ向かって流れ、試料液中に含まれる感知対象物が圧電振動子に設けられた吸着膜に吸着される。また試料液は前記流路から前記廃液流路に排出され、毛細管部材を介して吸収部材に吸収される。前記毛細管部材は、前記廃液流路内の試料液と接触するように設けられており、廃液流路内の試料液は毛細管部材に到達すると、当該毛細管部材側に引っ張られるように移動していく。これにより毛細管部材と廃液流路内の試料液との間に隙間が発生して、毛細管部材と、試料液が貯留する流路とが切り離された状態が形成されやすい。このため試料液に先立って緩衝液を感知センサー内に供給する場合においても、緩衝液による試料液の希釈が抑えられ、測定感度の低下を抑えることができる。
本発明に係る感知装置の斜視図である。 感知装置を構成する感知センサーの斜視図である 感知センサーの各部の上面側を示した分解斜視図である。 感知センサーの一部の下面側を示した分解斜視図である。 感知センサーの縦断面図である。 感知装置の構成を示すブロック図である。 感知センサーにて液体が流通する様子を示す縦断面図である。 感知センサーにて液体が流通する様子を示す縦断面図である。 感知センサーの他の例を示す縦断面図である。 感知センサーの従来例を示す縦断面図である。
以下、本実施の形態に係る感知装置1について説明する。この感知装置1は、例えば人間の鼻腔の拭い液から得られた試料液中のインフルエンザウイルスの有無を検出し、人間のインフルエンザウイルスの感染の有無を判定することができるように構成されている。図1の外観斜視図に示すように、感知装置1は発振回路ユニット12と、この発振回路12に例えば同軸ケーブル14を介して接続された演算装置13とを備えており、これら発振回路ユニット12と演算装置13とにより測定器11が構成されている。前記演算装置13の筐体15前面には表示部16が設けられており、この表示部16は、例えば周波数あるいは周波数の変化分等の測定結果を表示する役割を果たしている。発振回路ユニット12には感知センサー2が着脱自在に接続されるようになっている。
続いて感知センサー2について、図1〜図5を参照して説明する。図2は感知センサー2の蓋体(上側カバー体21)を外した状態を示す斜視図、図3は感知センサー2の各部材の表側(上面側)を示した分解斜視図、図4は感知センサー2の一部の部材の裏側(下面側)を示した斜視図、図5は感知センサー2の長さ方向(図中X方向)に沿って切断した縦断面図である。図中3は配線基板であり、この配線基板3は直線方向(長さ方向)に延伸された形状を有し、長さ方向の他端側は、上記の発振回路ユニット12の差し込み口17に差し込まれる差し込み部31を形成している。また配線基板3には貫通孔32が形成されており、この貫通孔32は後述する下側ケース体22の底面221により塞がれている。この貫通孔32及び下側ケース体22の底面221によって配線基板3の一面側(表面側)に開口した凹部が形成される。
配線基板3の表面には、貫通孔32の外縁近傍から差し込み部31側に伸びるように、3本の配線34、35、36が設けられており、これら配線34〜36の両端部は、夫々端子部341、351、361、接続端子342、352、362を形成している。また配線基板3には貫通孔33が形成されている。
この配線基板3には前記貫通孔32を一面側から塞ぐように圧電振動子をなす水晶振動子4が設けられている。水晶振動子4の水晶片41は例えば円形に構成され、水晶振動子4の表面側及び裏面側には夫々励振電極42、43が形成されている。表面側の励振電極42は例えば略コ字状に形成され、裏面側の励振電極43は互いに平行に設けられた2つの励振電極431、432を備えている。表面側の励振電極42と励振電極431、432とは、水晶片41を介して互いに対向するように形成され、表面側の励振電極42には共通の引出電極44が設けられていて、この引出電極44の先端側は水晶片41の裏面側に引き回されている。また裏面側の励振電極431、432には夫々引出電極441、442が接続されている。
さらに表面側の励振電極42において、便宜上励振電極431、432に対向している各領域を励振電極421、422とすると、図6に示すように、励振電極421の表面には、感知対象物であるインフルエンザウイルスと選択的に結合する抗体により構成された吸着膜451が設けられている。一方励振電極422の表面にはインフルエンザウイルスと励振電極422との結合を阻害する阻害膜452が設けられている。こうして水晶片41と励振電極421、431とにより第1の水晶振動子4Aが構成され、水晶片41と励振電極422、432とにより第2の水晶振動子4Bが構成される。これら水晶振動子4A、4Bは、引出電極44が配線基板3の配線351、引出電極441、442が配線基板3の配線361、341の夫々に重なるように設けられる。このように設けると、水晶振動子4の各電極及び配線基板3の各配線の厚さは極めて小さいため、水晶振動子4の周縁部は配線基板3に接し、水晶振動子4は配線基板3に略水平な状態で設けられる。
前記配線基板3の一面側には、水晶振動子4を挟み込むように流路形成部材5が設けられている。この流路形成部材5は板状部材であり、配線基板3の差し込み部31を構成する他端部側を露出させ、水晶振動子4が設けられる一端部側を覆うように形成されている。この流路形成部材5は例えば自己吸着性が高い合成樹脂例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)により構成されている。例えば流路形成部材5はプラズマ洗浄されて、その表面が活性化されると共に表面の有機物が除去された状態で、図示のように配線基板3に接着される。
流路形成部材5の裏面側には、図4に示すように、水晶振動子4及び配線34〜36が収まるようにこれらの外形に沿って凹部51が設けられている。この凹部51には、水晶振動子4に夫々重なる位置に、流路形成部材5の厚さ方向に貫通する貫通孔52、53が形成されている。またこれら貫通孔52、53を囲む枠部54が下側に突出して設けられている。この枠部54は、励振電極42を囲むように設けられ、励振電極42の長さ方向における一端側及び他端側近傍には夫々貫通孔52、53が配置される。前記枠部54に囲まれる領域は流路57を形成し、この流路57は水平な天井面を備え、流路57の下面は水晶振動子4により構成される。また前記励振電極421(431)、422(432)は、貫通孔52と貫通孔53とを結ぶ線に対して、互いに対称に設けられている。流路形成部材5には配線基板3の貫通孔33に対応する位置に貫通孔58が形成される。なお流路形成部材5はPDMSの他に例えばアクリル樹脂等の合成樹脂や水晶などにより構成することができる。
前記貫通孔52、53には夫々多孔質の毛細管部材により構成された入口側毛細管部材55及び出口側毛細管部材56が着脱自在に設けられている。前記入口側毛細管部材55は例えば円柱状、出口側毛細管部材56は例えば円柱を略L字状に屈曲させた形状に夫々形成され、例えばポリビニルアルコール(PVA)の化学繊維束により構成されている。これら入口側毛細管部材55や出口側毛細管部材56は多孔質体であるセルロースや親水化した多孔質樹脂により構成してもよい。入口側毛細管部材55は流路形成部材5の貫通孔52を塞ぎ、その上端側が後述する上側カバー体21の液受け部23に露出し、その下端側が流路形成部材5の流路57内に進入するように設けられている。
出口側毛細管部材56は水平部561とこの水平部561から下方側に伸びる垂直部562とを備えた略L字状に形成されている。前記垂直部562は流路形成部材5の貫通孔53を塞いで、その下端側が流路形成部材5の流路57内に進入すると共に、水平部561は後述する廃液流路6に接続されている。さらに出口側毛細管部材56の下端面563は、例えば水平面に対して上側に傾斜するように形成されている。これら毛細管部材55、56においては、前記化学繊維束の繊維間の空隙を毛細管現象により供給液が流通する。従って入口側毛細管部材55の繊維間の孔(多孔質の毛細管部材の孔)は、試料液の注入口に相当する。
ここで入口側毛細管部材55及び出口側毛細管部材56の大きさの一例を示すと、例えば入口用毛細管部材55は、直径が例えば1.3mm、長さが例えば4mmに形成される。また出口側毛細管部材56は、直径が例えば1.3mm、水平部561の長さが例えば5mm、垂直部562の長さが例えば4mm、下端面563と水平面とのなす角が例えば45度に形成されている。
前記廃液流路6は例えば親水性のガラスにより管状に構成され、流路形成部材5の上方側に感知センサー2の長さ方向(図中X方向)に沿って伸びるように設けられている。前記出口側毛細管部材56の水平部561の下流端は、廃液流路6の内部に突入するように設けられる。例えば廃液流路6を構成するガラス管としては、内径が1.5mm、長さが10mm、容積が17〜18μl程度のものが用いられる。
廃液流路6の下流側には、試料液を吸収して貯留するための廃液吸収部7が設けられている。この廃液吸収部7は毛細管部材をなす毛細管シート71と、当該毛細管シート71と接触するように設けられ、毛細管シート71を流通する試料液を吸収するための吸収部材72と、を備えている。前記毛細管部材は毛細管現象を生じさせる材質よりなるものであり、例えば不織布や紙、セルロースや綿、多孔質の化学繊維束、親水化した多孔質樹脂等により構成される。また毛細管シート71は、毛細管部材をシート状に構成したものであり、例えば平面で見たときに一端側が他端側よりも狭まった形状に構成されている。この例では細長い五角形状に形成され、内角が鋭角となる頂点711が廃液流路6の下流端から廃液流路6の内部に入り込むように設けられる。従って廃液流路61の下流端は開口している。毛細管シート71の大きさの一例を挙げると、長さL1が10mm、幅L2が5mm、シートの厚みは0.5mm〜1.0mm程度である。
この毛細管シート71の下面は、吸収部材72の上面と接触するように設けられている。この吸収部材72は、毛細管シート71により吸収可能な液量よりも多い液量を吸収できるものであり、例えばPVAや親水性材料よりなるスポンジ等の多孔質体や、綿状体により構成されている。例えば吸収部材72は、200μl〜300μl程度の液体を貯留できるように材質や形状が設定され、この例では直方体状に形成されている。吸収部材72をPVAにより構成したときの大きさの一例を挙げると、長さL3が8mm、幅L4が8mm、高さL5が5mm、体積が320mm、気孔率が0.9%、廃液吸収量が288μl程度である。
このように廃液流路6及び廃液吸収部7を構成すると、後述するように試料液は廃液流路6内を毛細管現象により流通し、試料液が毛細管シート71に到達したときに、廃液流路6を通流する試料液の移動速度よりも大きい速度で毛細管シート71側に試料液が引っ張られるように試料液が移動する。これにより毛細管シート71と廃液流路6内の試料液との間に隙間が発生する状態が形成される。
この廃液吸収部7は液体の漏れを防ぐためにケース体73に収納されており、このケース体73の廃液流路6側の側壁には、例えば廃液流路6の設置領域を確保するための切欠き部74が形成されている。また廃液流路6は支持部材75により、高さ及び左右方向の位置を位置決めされた状態で支持されている。
前記流路形成部材5の一面側には上側カバー体21が設けられている。この上側カバー体21は、例えばプラスチックなどの樹脂により構成されており、流路形成部材5や廃液流路6、廃液吸収部7等を覆うように形成されている。一方、配線基板3の他面側には下側カバー体22が設けられており、上側カバー体21を下側カバー体22に被せることにより、水晶振動子4が前記貫通孔32を塞ぐように配線基板3に固定されると共に、貫通孔32が下側カバー体22により塞がれる。また図示しない突起が、配線基板3の貫通孔33及び流路形成部材5の貫通孔58に進入し、これにより流路形成部材5の横方向への位置ずれが抑えられるように構成されている。
上側カバー体21の上面側には、液受け部23として構成される開口部が形成されており、この開口部内に前記貫通孔52が開口し、液受け部23から供給された液体は入口側毛細管部材55の繊維間の孔(多孔質の毛細管部材の孔)を介して、液体の流路57に供給される。また上側カバー体21には、図示しない通気口が形成されており、この感知センサー2内を液体が流通するときに、各流路の気体は廃液流路6の下流端の開口からこの通気口を介して感知センサー2の外部へ押し出される。
このように構成された感知センサー2は、配線基板3の差し込み部31を発振回路ユニット12の差し込み口17に差し込んだときに、水晶振動子4の各電極が発振回路811、812に電気的に接続できるようになっている。
続いて、感知装置1を構成する演算装置13に設けられる各部について、図6を用いて説明する。前記発振回路811、812の後段にはスイッチ部82が設けられており、このスイッチ部82によって2つの発振回路811、812からの周波数信号を時分割して後段に取り込み、各振動領域の発振周波数を並行して求めることができる。第1の発振回路811からの出力をチャンネル1、第2の発振回路812からの出力をチャンネル2とすると、例えば1秒間をn分割(nは偶数)し、各チャンネルの発振周波数を1/n秒の処理で順次求めることにより、1秒間に少なくとも1回以上周波数を取得しているため、実質同時に各チャンネルの周波数を取得することができる。
スイッチ部82の後段には測定回路部83が設けられている。測定回路部83は入力信号である周波数信号をディジタル処理して、各チャンネルの発振周波数を測定する。以下、チャンネル1、2の出力を夫々F1、F2で表す。また演算装置13はデータバス80を備えており、データバス80にはCPU84、データ処理プログラム85を格納した記憶手段、メモリ86及び既述の測定回路部83が接続されている。更にデータバス80には既述の表示部16やキーボード等の入力手段87が接続されている。
データ処理プログラム85は、測定回路部83から出力される信号に基づいて発振周波数「F1」の時系列データ及び発振周波数「F2」の時系列データを取得し、メモリ86に格納する。またこのデータ取得動作と同時に、同一の時間帯におけるチャンネル1から取得した発振周波数F1、チャンネル2から取得した発振周波数F2の各時系列データの差分「F1−F2」を夫々演算し、当該差分データの時系列データを取得してメモリ86に格納すると共に、この「F1−F2」のグラフを表示部16に表示する。
続いて感知センサー2を用い、試料液中のインフルエンザウイルスの有無を判定する工程について図7及び図8を参照して説明する。但しこれら図7及び図8は、感知センサー2内を通流する液体(緩衝液、試料液)のイメージを示すものであり、実際の様子よりも誇張して描いている。先ず感知センサー2を発振回路ユニット12に接続し、図7(a)に示すように図示しないインジェクタを用いて、液受け部23に例えば生理食塩水からなりインフルエンザウイルスを含まない緩衝液を滴下する。ここで感知センサー2に液体を供給したときの、感知センサー2内の液体の流れについて説明する。液体は毛細管現象により入口側毛細管部材55に吸収され、当該毛細管部材55内を流通し、流路57に流れ込んで水晶振動子4の一端部側の表面に供給される。
水晶振動子4を構成する水晶片41の表面は親水性であるため、流路57内を濡れ広がろうとする作用が強く働く。その結果、毛細管現象によって液体は流路57を水晶振動子4の他端部側へと流れ、流路57に広がった液体に続いて入口側毛細管部材55の液体は、表面張力により水晶片41の表面へと引き出される。このようにして液受け部23から流路57へ連続して液体が流れていく。なおここでいう毛細管現象とは、液体が、当該液体が接する物体が形成する空間内を、前記物体との界面張力により当該液体が有する表面張力に抗して自動で濡れ広がって移動することを指している。従って液体が移動する方向が上下方向である場合だけでなく、横方向であっても毛細管現象という用語を使用する。励振電極421、422及び電極表面に形成される各膜451、452も比較的親水性が高いため、各電極421、422表面においても液体がスムーズに流れる。
そして水晶振動子4表面の液体が出口側毛細管部材56に到達すると、液体は毛細管現象により出口側毛細管部材56に吸収され、当該毛細管部材56内を流れて廃液流路6へ滲み出る。廃液流路6は親水性のガラスにより形成されているので液体が濡れ拡がりやすく、当該廃液流路6を液体が通流していく。こうして入口側毛細管部材55から出口側毛細管部材56までの流路が液体で満たされることにより、毛細管現象に加えてサイホンの原理が働き、引き続き自動的に液受け部23の液体が水晶振動子4表面を通過して廃液流路6へ排出される。
廃液流路6内の液体は当該廃液流路6内を下流側に通流して行き、毛細管シート71に到達する。既述のように廃液流路6内の液体が毛細管シート71に到達すると、廃液流路6を通流する液体の移動速度よりも大きい速度で毛細管シート71側に液体が移動する。毛細管シート71はPVAにより構成されているため、廃液流路6よりも液体が流れやすく、液体の吸収力が大きいからである。ここで廃液流路6内の液体の移動速度は、廃液流路6を構成する材質と廃液流路6の内径等によって決定され、毛細管シート71が液体を吸収するスピードは、毛細管シート71を構成する材質と形状(接触面積)とにより決定される。従って廃液流路6内の液体の移動速度と、毛細管シート71が液体を吸収する速度が適切な大きさになるように、夫々の材質や形状が適宜設定される。
例えば廃液流路6内の試料液の移動速度は、後述の評価試験にて説明するように感知センサー2を透明体により構成すると共に、着色した試料液を用いて、目視にて廃液流路6内の試料液の通流状態を確認し、廃液流路6のある区間の試料液の通流時間を測定することにより把握できる。一方毛細管シート71側に試料液が移動する速度は、目視にて毛細管シートの一端側からある区間の試料液の通流時間を測定することにより把握できる。また試料液が毛細管シート71側に到達して急速に吸収され、後述するように廃液流路6内にて液体が途切れる様子を目視にて確認することにより、廃液流路6内の移動速度よりも大きい速度で毛細管シート71側に液体が移動することを把握してもよい。
このように毛細管シート71に液体が接触すると、毛細管シート71側に液体が速やかに吸収され、毛細管シート71内を毛細管現象により広がるように通流していき、図7(b)に示すように、廃液流路6内にて液体が途切れる状態が形成される。また毛細管シート71は、一端側が狭まっていて廃液流路6内の試料液との接触面積が小さくなるように構成されており、廃液領域6の下流端は開口しているため、廃液流路6内には空気が十分に入る。このため例えば図7(a)に示すように、廃液領域6が液体により満たされる前に毛細管シート71に到達する。そして毛細管シート71と廃液流路6内の液体との接触面積が小さいことから、前記液体は少しずつ毛細管シート71に吸収されていき、毛細管シート71に吸収された分の液体が出口側毛細管部材56側から廃液流路6内に移動する状態が形成される。このため毛細管シート71と液体との接触面積が大きい場合のように、液体の吸収速度が大き過ぎ、出口側毛細管部材56を介して流路57内の試料液まで毛細管シート71に吸収されてしまうことが抑えられ、廃液流路6内にて液体が分断される状態が形成されやすい。
こうして廃液流路6内にて液体が分断されると、毛細管シート71側の液体は、毛細管シート71に接触する吸収部材72に吸収されて貯留される。この吸収部材72は、毛細管シート71よりも液体の吸収力が大きく、吸収可能な液量が多いため、毛細管シート71内の液体は速やかに吸収部材72側に移動していく。毛細管シート71は廃液流路6内に突入される一端側は狭まっているが、他端側に向けて広がるように形成されているので、試料液は毛細管シート71の一端側から広がるように流れ、例えば他端側に至る前に吸収部材72に吸収される。
一方液受け部23に残存する液体は、毛細管現象とサイホンの原理により、廃液流路6に向けて流れようとするため、この液体の流れにより廃液領域6に残った液体は下流側に移動していき、図7(c)に示すように、再び毛細管シート71と接触する。このようにして廃液流路6内の液体の分断と、廃液流路6内の液体の通流とが繰り返される。そして液受け部23内の液体が全て通流したところで、液体を保持する力が入口側毛細管部材55に働き、入口側毛細管部材55から流路57への液体の通流が停止する。これにより図7(d)に示すように、廃液流路6内では液体が分断された状態で停止する。
説明を緩衝液の供給に戻すと、液受け部23に滴下された緩衝液は、既述のように感知センサー2内を流通していく。そして流路57を流れる緩衝液が、励振電極421、422表面に供給されると、これら励振電極421、422は流路57の入口側から出口側へ向かって見て対称に形成されているため、等しく水圧の影響を受ける。これによって第1の水晶振動子4A、第2の水晶振動子4Bの発振周波数F1、F2が共に等しく低下する。緩衝液の供給量は、例えば液受け部23に供給される緩衝液がすべて入口側毛細管部材55に流れ込んだときに、緩衝液が流路57を満たし、廃液流路6から毛細管シート71を介して吸収部材72に貯留される程度の量、例えば50μlに設定される。
続いて緩衝液と同量の試料液を液受け部23へ供給する。これにより入口側毛細管部材55に吸収されている緩衝液に加わる圧力が高くなり、サイホンの原理と毛細管現象とによって当該緩衝液は再び廃液流路6内を下流側へ向かって流れ、試料液が入口側毛細管部材55に吸収される(図8(a))。なお図8中試料液は緩衝液よりも濃いグレーで表示している。吸収された試料液は、緩衝液に続いて入口側毛細管部材55から流路57に流れ込み、緩衝液と同様に流路57を流れ、流路57が緩衝液から試料液に置換される。
このときにも、励振電極421、422が流路の入口側から出口側に見て対称に形成されているため、これらの電極421、422は流路57内の液の切り替わりによる圧力変化を均等に受け、当該圧力変化による第1の水晶振動子4A、第2の水晶振動子4Bの発振周波数が互いに揃って変化する。試料液中に測定対象物(この例ではインフルエンザウイルス)が含まれる場合には吸着膜451に当該インフルエンザウイルスが吸着され、この吸着量に応じて周波数F1が下降し、F1−F2が変化する。このようにF1−F2の変化に基づいて試料液中のインフルエンザウイルスの有無の判定を行うことができる。また発振振周波数差F1−F2の変化量と試料液中の感知対象物の濃度との関係式を取得しておき、この関係式と測定により得られた変化量とから、試料液中の感知対象物の濃度を求めてもよい。
流路57を広がった試料液は出口側毛細管部材56に到達し、次いで廃液流路6に流れ込み、入口側毛細管部材55から廃液流路6に至るまで試料液が流れ続ける。そして試料液が毛細管シート71に到達すると、既述のように、廃液流路6内にて試料液が途切れる状態が形成される(図8(b))。こうして液受け部23に供給されたすべての試料液が入口側毛細管部材55に流れ込むまで、廃液流路6内の液の分断と、廃液流路6内の液の通流(図8(c))とが繰り返される。液受け部23に溜まった試料液が全て入口側毛細管部材55に流れ込み、流路57への試料液の通流が停止すると、廃液流路6内では試料液が分断された状態で停止する(図8(d))。
この感知センサー2においては、試料液が毛細管現象により注入口から水晶振動子4の一面側の流路57を介して励振電極42の一端側から他端側へと流れ、試料液中に含まれる感知対象物が水晶振動子4に設けられた吸着膜451に吸着される。従って試料液を流通されるためにポンプなどの機器を設ける必要が無いため、装置の大型化や複雑化を防ぎ、簡便に測定を行うことができる。
また試料液は流路57の下流側に設けられた廃液流路6、毛細管部材を介して吸収部材72に貯留される。毛細管部材は、廃液流路6内の試料液と接触するように設けられ、廃液流路6内の試料液は毛細管部材に到達すると、当該毛細管部材により引っ張られるように移動する。つまり廃液流路6内の試料液が毛細管部材に到達すると、廃液流路6を通流する試料液の移動速度よりも大きい速度で毛細管部材側に試料液が移動する。従って毛細管部材と廃液流路6内の試料液との間に隙間が発生する状態が形成される。
こうして最終的に液受け部23に供給された試料液が全て入口側毛細管部材55に移動した段階では、廃液流路6で試料液が分断した状態で液の移動が停止する。これにより廃液吸収部7の毛細管部材と、試料液が貯留する流路57とが切り離された状態になり、廃液吸収部7に貯留されている緩衝液と流路57内の試料液とが接触する領域がないので、流路57内の試料液が緩衝液によって希釈されるという現象の発生が抑制される。また液体は毛細管部材に到達すると、廃液流路6内の移動速度よりも大きい速度で毛細管部材側に吸収されることから、廃液流路6よりも毛細管部材の方に流れやすく、毛細管部材から廃液流路6側へは流れにくいと言える。このため廃液吸収部7から廃液流路6へ向けて緩衝液が逆流するといったことが発生しにくく、この点からも、試料液が緩衝液により希釈されることが抑えられる。従って、常に測定感度が高い状態で、試料液中の感知対象物の検出または定量を行うことができる。
さらに既述のように、最終的に廃液流路6にて試料液が分断され、廃液吸収部7側と流路57とが切り離されるので、流路57では水晶振動子4上の試料液が確実に静止した状態となる。このため試料液と吸着膜451との抗原抗体反応が飽和するまで計測を継続することができ、より精度の高い測定を行うことができる。
また毛細管部材をシート状に構成しているので、廃液流路6内の試料液との接触面積を小さくすることができ、廃液流路6内に空気を取り込む開口部を形成することができる。このため廃液流路6内が試料液が満たされた状態になる前に毛細管シート71に試料液が接触するので、廃液流路6内の試料液を少しずつ毛細管シート71側に抜き出すことができ、廃液流路6内にて毛細管部材と液体との間に隙間を形成しやすくなる。仮に廃液流路6内が満たされて、廃液流路6内の試料液と毛細管シート71との接触面積が大きくなると、連続的に毛細管シート71に試料液が吸収されやすくなるため、廃液流路6内の試料液の分断と通流とを繰り返す状態が起こりにくくなる懸念がある。
さらに廃液流路6の下流側に毛細管部材を設けない場合には、廃液流路6内の液体を吸収できずに、廃液流路6内にて液体の逆流が発生するおそれがある。さらにまた廃液流路6内の下流端を塞ぐように、試料液の吸収力の大きい毛細管部材を廃液流路6内に突入して設けると、廃液流路6内の試料液が毛細管部材に到達した時点で、流路57内の液体が毛細管部材側に吸い上げられてしまう現象が発生するおそれがある。
但し本発明の感知センサー2は、廃液流路6の下流側に毛細管部材を設け、廃液流路6内の試料液が毛細管部材に到達したときに、廃液流路6を通流する試料液の移動速度よりも大きい速度で毛細管部材側に試料液が移動し、毛細管部材と廃液流路6内の試料液との間に隙間が形成される構成であればよい。従って、廃液流路6の形状や、毛細管部材の材料や形状によっては、図9(a)に示すように、廃液流路6の下流端を毛細管シート74により塞ぐように、前記毛細管シート74を設ける構成であってもよい。この構成であっても、廃液流路6の管径と毛細管シート74の材質の適正化を図ることにより、流路57内の試料液を毛細管シート74により吸収せずに、廃液流路6内の試料液のみを、廃液流路6内の移動速度よりも大きいスピードで毛細管シート74側に少しずつ徐々に移動する状態を形成することができる。このため液受け部23に供給した試料液が全て入口側毛細管部材55に移動したときに、毛細管シート74と廃液流路6内の試料液との間に隙間を形成することができる。
さらに上述の実施の形態では、吸収部材としてスポンジ等の多孔質体や綿状体を設けているので、吸収部材を設けない場合に比べて廃液の貯留量を増大させることができる。また廃液領域を流路形成部材にて形成する場合に比べて、材料や大きさを変更によって貯留量を変更しやすく、感知センサー2の設計が容易となる。
以上において、毛細管部材は、廃液流路内の試料液が毛細管部材に到達したときに、廃液流路を流通する試料液の移動速度よりも大きい速度で毛細管部材側に試料液が移動し、毛細管部材と廃液流路内の試料液との間に隙間が形成されるものであれば、必ずしもシート状に形成する必要はない。さらにまた図2〜図5に示す感知センサー2において、毛細管シート71の形状は、廃液流路6内の試料液と毛細管シート71との接触面積が小さくするために、平面的に見て一端側が他端側よりも狭まった形状に構成され、前記一端側が廃液流路内に突入されることが好ましい。このような形状として五角形状の他に三角形状であってもよいし、必ずしも一端側が尖った形状である必要はない。また廃液流路内に突入される毛細管部材の容量も適宜選択される。
さらに毛細管部材と吸収部材とは、毛細管部材が吸収できる液量よりも吸収部材が吸収できる液量が多ければよく、これらを同じ材質のものにより構成してもよいし、毛細管部材と吸収部材とを一体に構成してもよい。さらにまた、図9(b)に示すように、吸収部材721の下方側に廃液領域76を形成し、吸収部材721から自重により落下した液体を当該廃液領域76に貯留する構成としてもよい。図9(b)中、61は廃液流路、564は出口側毛細管部材であり、この例ではこれらは垂直に伸びるように設けられている。廃液流路61内に排出された試料液は当該廃液流路61内を毛細管現象により上昇するように流通し、廃液流路61の下流端(上端)にその一端側が屈曲して突入するように設けられた毛細管シート711を介して吸収部材72に吸収される。吸収部材72内の液体は、自重により廃液領域76に落下していく。図中77は吸収部材72を保持すると共に、廃液領域76を形成するケース体である。
このように廃液流路6は毛細管現象により液体を流通する構成であればよく、ガラス管に限らず、流路形成部材により形成された流路であってもよい。
さらに本発明の感知センサ―2を用いた感知対象物の検出では、試料液を感知センサー2に供給した後に、吸着膜に吸着された感知対象物と結合する増感材を含んだ供給液(増感液)を供給することができ、さらにそのように感知対象物に結合された増感材にさらに結合する増感材を含んだ増感液を供給して、増感を行うことができる。このような増感液を用いる場合にも当該増感液を流路に供給したときに先に供給された液との混合が防止されるので、増感液の希釈が防がれる。従って増感材の結合が速やかに起こるので、測定の感度を高くできると共に測定時間が長くなることを抑えることができる。
さらにまた水晶振動子4A、4Bを分割した水晶片により構成し、各水晶片を互いにごく近くに配置してもよい。さらにまた必ずしも第1の水晶振動子4A及び第2の水晶振動子4Bを設ける必要はなく、吸着膜を備えた水晶振動子を一つ設ける構成であってもよい。吸着膜に感知対象物が吸着されると発振周波数が変化するため、例えば予め閾値を設定しておき、閾値を超えるか否かで感知対象物の有無を検出することができるからである。
(評価試験)
実際に上述の図2〜図5に示す感知センサー2を製造し、着色した試料液を液受け部23に供給して、試料液が感知センサー2内を流通する様子を目視により確認した。上側カバー体21はポリカーボネート(PC)よりなる透明体、流路形成部材5はPDMSよりなる透明体、廃液流路6はガラス管、入口側毛細管部材55及び出口側毛細管部材56は夫々PVA、毛細管シート71はPVA、吸収部材72はPVAよりなるスポンジにより構成した。その形状及び寸法は、上述の実施の形態にて記載したとおりであり、入口側毛細管部材55から流路57、出口側毛細管部材56を通って廃液流路6の下流端に至る試料液の通流路の総内容積は40μlとした。
そして、液受け部23に前記総内容積よりも多い80μlの試料液を供給したところ、試料液は入口側毛細管部材55→流路57→出口側毛細管部材56→廃液流路6に通流し、廃液流路6から毛細管シート71に流れて、吸収部材72に吸収される様子が認められた。また液受け部23内の試料液が全て入口側毛細管部材55に流れたときに、廃液流路6内にて毛細管シート71と試料液との間に隙間が形成され、試料液が毛細管シート71側と流路57側との間で分断されることが確認された。また毛細管シート71の試料液は、他端側に至る前に吸収部材72に吸収されることが認められた。
1 感知装置
2 感知センサー
3 配線基板
4 水晶振動子
41 水晶片
451 吸着膜
5 流路形成部材
55 入口用毛細管部材
56 出口側毛細管部材
57 流路
6 廃液流路
7 廃液吸収部
71 毛細管シート
72 吸収部材

Claims (8)

  1. 発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備えると共に、一面側に凹部が形成された配線基板と、
    圧電片に励振電極を設けて構成され、前記凹部を塞ぎ且つ振動領域が凹部と対向するように前記配線基板に固定されると共に、励振電極が前記接続端子に電気的に接続され、一面側に試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成された圧電振動子と、
    圧電振動子を含む配線基板の一面側の領域を覆うように設けられ、試料液の注入口を備えた流路形成部材と、
    前記配線基板と流路形成部材との間に形成され、前記注入口に供給された試料液を、圧電振動子の一面側において一端側から他端側へ向けて流通させる流路と、
    前記流路の下流側に設けられ、前記流路内の試料液を毛細管現象により排出する廃液流路と、
    前記廃液流路の下流側に、当該廃液流路内を流通する試料液と接触するように設けられ、前記試料液を毛細管現象により流通させる毛細管部材と、
    前記毛細管部材の下流側に設けられ、毛細管部材を流通する試料液を吸収するための吸収部材と、を備えたことを特徴とする感知センサー。
  2. 廃液流路内の試料液が毛細管部材に到達したときに、廃液流路を流通する試料液の移動速度よりも大きい速度で毛細管部材側に試料液が移動することを特徴とする請求項1記載の感知センサー。
  3. 前記廃液流路はガラス管により構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の感知センサー。
  4. 前記毛細管部材はシート状に構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感知センサー。
  5. 前記シート状の毛細管部材は、平面的に見て一端側が他端側よりも狭まった形状に構成され、前記一端側が前記廃液流路の下流端から廃液流路内に突入されることを特徴とする請求項4記載の感知センサー。
  6. 前記注入口は、多孔質の毛細管部材の孔により構成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の感知センサー。
  7. 前記流路と廃液流路との間には、流路内の試料液を毛細管現象により廃液流路に流通させるための多孔質の毛細管部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の感知センサー。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の感知センサーと前記測定器とを含むことを特徴とする感知装置。
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