JP2015066735A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品と金属箔を接合した複合成形品および複合成形品の製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品と金属箔を接合した複合成形品および複合成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品と金属箔が高い密着性をもって接合された複合成形品、及びその複合成形品の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B)エポキシ当量160〜10000g/eqのエポキシ樹脂1〜50重量部を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品と金属箔を接合した複合成形品。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPS 樹脂ということもある)と金属箔が高い接着力を介して複合化された複合成形品と複合成形品の製造方法を提供する。
従来からプリント配線用基板には、絶縁層にエポキシ樹脂、フェノール樹脂など熱硬化性樹脂とガラスクロスや紙などの補強材とを複合して形成したものが広く用いられている。こうした絶縁層上に金属箔を設けて、金属箔を有する基板に、必要に応じて孔を穿設したり、表面の金属層にエッチング処理を行って回路パターンを形成し、さらにソルダーレジスト処理やめっき仕上げ処理等を行い、プリント配線基板とする。こうしたプリント配線基板は、熱硬化性樹脂を使用しているため硬化時間が長く、成形サイクルが長いといった問題がある。
また、プリント配線基板を搭載した製品が小型化してきており、狭いスペースにプリント配線基板を配置することが必要となっている。とりわけ、ハイブリッド自動車や電気自動車は燃費改善や自動車の小型化、車内スペースの確保を目的として、搭載されるインバーターや電子制御ユニット部品は小型化している。こうした電子製品の小型化により、プリント配線基板の置かれる温度環境は、外部の温度環境変化に直接さらされることや、製品中の熱気や冷気の影響を受けるようになった。そのため、プリント配線基板の銅と樹脂はそれぞれの線膨張の差により、銅箔と樹脂界面にはこれまで以上の応力が発生し、銅箔の剥離が発生する問題が生じている。
特許文献1では、樹脂成形品と銅箔との接着強度を向上する目的で、粉末状の熱可塑性樹脂(たとえば熱可塑性液晶性ポリエステル)を熱硬化性樹脂(たとえばエポキシ樹脂)に添加しており、得られた樹脂組成物の成形品と銅箔の接着性を向上させる方法を開示している。この樹脂組成物は熱硬化性樹脂を配合しており、熱硬化性樹脂の特徴を示す。熱硬化性樹脂は、成形品を得るのに熱硬化や光硬化などの方法を用いて硬化する必要があるため、硬化に時間がかかり、成形サイクルが長くなる問題がある。
特許文献2では、銅箔上にポリフェニレンスルフィド樹脂などの熱可塑性樹脂と充填剤からなる組成物を射出成形してなる射出成形基板についての開示がされている。銅箔と樹脂との密着性を向上させるために、銅側の表面粗さを限定することで、銅箔と樹脂組成物との密着性を向上しているが、製品の形状やサイズに応じた銅箔を選択することが出来ない問題がある。また、PPS樹脂は金属箔との接着性が非常に乏しく、充填材の添加だけでは、表面粗さの小さい金属種の金属箔との接着性が十分に得られない問題がある。
かかる問題点を解決するため、耐熱性、耐湿熱性、電気絶縁性の高い熱可塑性樹脂としてPPS樹脂にエポキシ樹脂を配合することで、金属箔と高い接着力を介して複合化された複合成形品と複合成形品の製造方法を提案する。
特開2006−8788号公報 特開2011−119611号公報
本発明は、金属箔とポリフェニレンスルフィド樹脂と高い密着性を有する複合成形品、及び複合成形品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記を提供するものである。
1.(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B)エポキシ当量160〜10000g/eqのエポキシ樹脂1〜50重量部を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品と金属箔を接合した複合成形品。
2.ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対して、(C)無機充填材10〜400重量部を配合してなる上記1に記載の複合成形品。
3.ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対して、(D)オレフィン系重合体、オレフィン系共重合体および熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種を0.5〜60重量部配合したものであることを特徴とする上記1または2記載の複合成形品。
4.金属箔の厚みが1〜200μmであることを特徴とする上記1〜4のいずれか記載の複合成形品。
5.金属箔が銅箔であることを特徴とする上記1〜3のいずれか記載の複合成形品。
6.上記1〜5のいずれか記載の複合成形品からなる電気回路成形品。
7.金属箔上にポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形することを特徴とする上記1〜5のいずれか記載の複合成形品の製造方法。
8.ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品に金属箔をホットスタンピングすることを特徴とする上記1〜5のいずれか記載の複合成形品の製造方法。
本発明の複合成形品は、金属箔とPPS樹脂組成物からなる成形品との高い接着性を有するため、銅箔を貼り付けた回路基板や製品の帯電防止対策、金属の光沢性付与に使用される。とりわけ、回路基板の生産性向上と信頼性向上に優れるため、回路基板として厳しい環境下で搭載されるため、電気・電子関連機器、精密機械関連機器、自動車・車両関連部品への適用が有用である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明の(A)PPS樹脂とは、下記構造式で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
Figure 2015066735
上記構造式で示される繰り返し単位を70モル%以上、特に90モル%以上含む重合体であることが耐熱性の点で好ましい。またPPS樹脂は、その繰り返し単位の30モル%未満を、下記の構造を有する繰り返し単位等で構成されることが可能である。
Figure 2015066735
また、高い溶融粘度を有するPPSが所望の場合に、ジハロベンゼンを主モノマーとし、トリハロベンゼンを3モル%未満共重合した分岐状PPSを適用することも可能である。
(PPS樹脂の重合)
かかるPPS樹脂は通常公知の方法即ち特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法あるいは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造することができる。本発明において上記のように得られたPPS樹脂を空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化など種々の処理を施した上で使用することももちろん可能である。
PPS樹脂を加熱により架橋/高分子量化する具体的方法としては、空気、酸素などの酸化性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるまで加熱を行う方法が例示できる。加熱処理温度は通常、170℃〜280℃が選択され、好ましくは200〜270℃であり、時間は通常0.5〜100時間が選択され、好ましくは2〜50時間であるが、この加熱処理温度と時間の両者をコントロールすることにより目標とする粘度レベルを得ることができる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは攪拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
本発明において、脱イオン処理などにより、PPS中の灰分率が0.2重量%以下に低減されたPPS樹脂を用いることは、より優れた靭性および成形加工性を得る意味で好ましい。かかる脱イオン処理の具体的方法としては酸水溶液洗浄処理、熱水洗浄処理および有機溶剤洗浄処理などが例示でき、これらの処理は2種以上の方法を組み合わせて用いてもよい。なお、ここで灰分量の測定は以下の方法に従った。乾燥状態のPPS原末約5gを坩堝に計り取り、電気コンロ上で黒色塊状物となるまで焼成する。次にこれを550℃に設定した電気炉中で炭化物が焼成しきるまで焼成を続ける。その後デシケータ中で冷却後、重量を測定し、初期重量との比較から灰分率を計算する。
PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限は無いが、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒のなかでN−メチルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、クロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹脂を浸漬させるなどの方法があり、必要により適宜攪拌または加熱することも可能である。有機溶媒でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得られる。また、有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は、残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。
PPS樹脂を熱水で処理する場合の具体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち熱水洗浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧であるいは圧力容器内で過熱、攪拌することにより行われる。PPS樹脂と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通常、水1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選択される。
PPS樹脂を酸処理する場合の具体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、酸または酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬させるなどの方法があり、必要により適宜攪拌または加熱することも可能である。用いられる酸はPPSを分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物などが挙げられる。中でも酢酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施されたPPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。また、洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸留水、脱イオン水であることが好ましい。
次に本発明の必須成分である(B)エポキシ樹脂の種類に制限はなく、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビスフェノールAD、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、レゾルシン、サリゲニン、トリヒドロキシジフェニルジメチルメタン、テトラフェニロールエタン、これらのハロゲン置換体およびアルキル基置換体、ブタンジオール、エチレングリコール、エリスリット、ノボラック、グリセリン、ポリオキシアルキレン等のヒドロキシル基を分子内に2個以上含有する化合物とエピクロルヒドリン等から合成されるグリシジルエーテル系、フタル酸グリシジルエステル等のグルシジルエステル系、アニリン、ジアミノジフェニルメタン、メタキシレンジアミン、1、3ービスアミニメチルシクロヘキサン等の第一または第二アミンとエピクロロヒドリン等から合成されるグリシジルアミン系、等々のグリシジルエポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド等々の非グリシジルエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂を2種類以上併用することも可能である。特にPPS樹脂と溶融混練する際に、エポキシ樹脂が分解することがあるため、耐熱性の高いビスフェノールA、ビスフェノールFのエポキシ樹脂が好ましい。
(B)エポキシ樹脂のエポキシ当量は160〜10000g/eqであることが必要であり、1000〜5000g/eqが好ましい。エポキシ当量が160g/eq未満の場合、PPS樹脂と溶融混練する際に増粘してしまい生産性が悪く、またエポキシ当量が10000g/eqを超えると金属箔との接着効果が十分に得られない。(B)エポキシ樹脂の添加量は、(A)PPS樹脂100重量部に対して、1〜50重量部が適しており、好ましくは5〜20重量部である。エポキシ樹脂添加量が50重量部を超えると、PPS樹脂と溶融混練する際に多量の分解ガスを発生するため、ペレット化することが困難となる。また、1重量部未満の場合は、金属箔との密着性の効果が得られない。
次に、本発明の樹脂組成物には(C)無機充填材を配合しても良い。(C)無機充填材の具体例としては、繊維状もしくは、板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など非繊維状の充填剤が挙げられ、具体的には例えば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフラットファイバー、異形断面ガラスファイバー、ガラスカットファイバー、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維やケブラーフィブリルなどの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、Eガラス(板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、Hガラス(板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、Aガラス(板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、Cガラス(板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、天然石英ガラス(板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、合成石英ガラス(板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、ロックウール、アルミナ水和物(ウィスカー・板状)、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、タルク、カオリン、シリカ(破砕状・球状)、石英、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、マイカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、破砕状・不定形状ガラス、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化アルミニウム(破砕状)、透光性アルミナ(繊維状・板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、酸化チタン(破砕状)、酸化亜鉛(繊維状・板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)などの金属酸化物、水酸化アルミニウム(繊維状・板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)などの金属水酸化物、窒化アルミニウム、透光性窒化アルミニウム(繊維状・板状・鱗片状・粒状・不定形状・破砕品)、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物などが挙げられる。金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示できる。また、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、カーボンナノチューブ、PAN系やピッチ系の炭素繊維などの炭素系フィラーが挙げられ、これら充填材を2種類以上併用することも可能である。中でも、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭酸カルシウムがより好ましい。
なお、本発明に使用する上記のガラス繊維やそれ以外のフィラーはその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。本発明で用いられる(C)無機充填材の配合量は、耐熱性、機械的特性等のバランスから、(A)PPS樹脂100重量部に対して、10〜400重量部であり、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは100〜200重量部である。(C)無機充填材をこの範囲で配合することで、耐熱性および機械的特性等が改良された組成物を得ることができる。
本発明のPPS樹脂組成物には、(D)オレフィン系重合体、オレフィン系共重合体および熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種を配合することができる。
本発明に用いる(D)オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどを例示することができる。次に(D)オレフィン系共重合体としては、オレフィン系エラストマー、変性オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、イソブチレンなどのα−オレフィン単独または2種以上を重合して得られる(共)重合体、α−オレフィンとアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、などのα,β−不飽和酸およびそのアルキルエステルとの共重合体などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体(“/”は共重合を表す、以下同じ)、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1、エチレン/オクテン−1、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸ブチル共重合体などが挙げられる。
また(D)オレフィン系共重合体として、(A)PPS樹脂に対する(D)成分の相溶性を向上させるため、変性オレフィン系共重合体を添加することも可能である。変性オレフィン系共重合体としては、上記したオレフィン系重合体及び/またはオレフィン系共重合体にエポキシ基、酸無水物基、アイオノマーなどの官能基を有する単量体成分(官能基含有成分)を導入することにより得られるが、その官能基含有成分の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ[2.2.1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの酸無水物基を含有する単量体、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどのエポキシ基を含有する単量体、カルボン酸金属錯体などのアイオノマーを含有する単量体が挙げられる。これら官能基含有成分を導入する方法は特に制限なく、前記オレフィン系(共)重合体として用いられるのと同様のオレフィン系(共)重合体を(共)重合する際に共重合させたり、オレフィン系(共)重合体にラジカル開始剤を用いてグラフト導入するなどの方法を用いることができる。官能基含有成分の導入量は変性オレフィン系(共)重合体を構成する全単量体に対して0.001〜40モル%、好ましくは0.01〜35モル%の範囲内であるのが適当である。特に有用なオレフィン重合体にエポキシ基、酸無水物基、アイオノマーなどの官能基を有する単量体成分を導入して得られる変性オレフィン(共)重合体の具体例としては、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体(”g”はグラフトを表す、以下同じ)、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体の亜鉛錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のマグネシウム錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のナトリウム錯体あるいは、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンとα,βー不飽和酸のグリシジルエステルに加え、更に他の単量体を必須成分とするエポキシ基含有オレフィン系共重合体もまた好適に用いられる。
好ましいものとしては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。とりわけ好ましいものとしては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体などが挙げられる。
本発明のPPS樹脂組成物の製造方法は、通常公知の方法で製造される。例えば、(A)PPS樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)無機充填材、(D)オレフィン系重合体、オレフィン系共重合体および熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種およびその他添加剤等を予備混合して、または予備混合せずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製される。また、(C)無機充填材のうち、ガラス繊維、ガラス繊維以外のフィラーで繊維状フィラーを添加する際、その折損を抑制するために好ましくは、(A)PPS樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)無機充填材、(D)オレフィン系重合体、オレフィン系共重合体および熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種およびその他添加剤を押出機の元から投入し、(C)無機充填材のうち、ガラス繊維、ガラス繊維以外の繊維状フィラーをサイドフィーダーから、押出機へ供給することにより調製される。
本発明のPPS樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いて260〜360℃で溶融混練して組成物とすることができる。
本発明でいう金属箔とは、アルミ箔、ステンレス箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔、錫箔、銀箔、金箔あるいは亜鉛箔などの各種合金箔等が使用できる。前記金属箔の表面にメッキ等によって別の金属または合金が積層されたものであってもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、金属箔表面には燐酸処理、クロム酸処理等の化学処理や、電解クロム酸処理、電気錫メッキ等の電解処理や、溶融錫メッキ、溶融亜鉛メッキ等の溶融メッキが施されていてもよく、更には防錆処理、硬度化処理、研磨等の各種表面処理を施したものや、金属箔表面に樹脂がコーティングされたものであってもよい。回路用基板としては、電気伝導性に優れる銅や銅合金、アルミ、アルミ合金などが好適である。銅箔の種類に制限はなく、圧延法、電解法などのいずれの方法で製造された銅箔も使用できる。本発明では金属箔の厚みは、300μm以下のものを金属箔として定義する。本発明における金属箔の厚みは、加工性から1〜200μmのものが用いられ、1μm未満であるとハンドリングが困難であり、200μmを超えるとエッチングする際にかかる時間がかかり、基板に対して垂直方向だけでなく、水平方向にも侵食するため、細かなパターンを組むことが困難であるため、不適である。
本発明の接合とは、樹脂製の成形品と金属箔とを接着剤を介することなく、貼り付けられた状態を言う。具体的にはPPS樹脂が少なくとも部分的にはガラス転移温度である90℃以上に加熱された状態で、金属箔と貼り付けられた状態である。貼り付ける際に、金属箔側、樹脂製の成形品側のいずれか、もしくは両方を加圧することで接合する。より具体的には、樹脂成形品と金属箔の複合成形品の製造方法としては、射出成形、ホットスタンピングなどが挙げられるがこれらの製造方法に限定されるものではない。
本発明で行う複合成形品は、通常広く用いられている熱可塑性樹脂の成形機である射出成形機、圧縮成形機、射出圧縮成形機を用いて所望の形状に成形される。成形方法における成形条件は特に限定されることはないが、金型温度を130℃以上にすることが好ましい。射出成形する際に、金型内に金属箔を配置する。配置する方法は、例えば、金型に金属箔を吸引する機構を設け、金属箔を吸引することで金属箔が落ちないようにすることが上げられる。このような射出成形により製造する複合成形品は、接着剤を用いる必要がなく、接着剤の硬化に要する時間を必要としないため、量産性が高い。また、接着剤を用いないため、接着剤の誘電率や誘電正接を考慮する必要がない。得られた複合成形品を用いて回路成形品を製造する方法として、サブトラクト法などの回路パターン形成方法を用いることが出来る。サブトラクト法は、金属箔の不要な部分を除去して必要な部分を残し導電部とする方法で、機械的に切除する方法、レーザー光で切除する方法、エッチングする方法がある。また、金属箔を予め所望の形状のパターンにし、射出成形することで回路を形成することも出来る。
また、本発明で行う金属箔のホットスタンピング工程は装置ならびに方法において特殊なものではなく、市販のホットスタンピング装置を使用し、常法に従って行うことができる。スタンピング時の金型温度については特に制限はないが、熱可塑性樹脂成形品と金属箔との界面の密着性を上げ且つ成形品の熱変形を防止するため、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上で融点以下の範囲とすることが好ましい。
本発明における電気回路成形品とは、電気、電子業界で使用される各種の電気回路基板をはじめ、自動車部品として使用されるECU回路基板、パワーモジュール、ランプモジュール基板、アクチュエーター、ソレノイドバルブの回路基板、センサー、コネクタに使用される電気回路部品が含まれる。具体的には、トランスミッションのソレノイドバルブ、回転センサー、車速センサー、エンジンアイドル制御アクチュエーター、DIS、クランク角センサー、イグニッションモジュール、スロットル開度センサー、アクティブサスペンションアクチュエーター、ステアリングセンサー、車輪速センサー、ABSアクチュエーター、風量制御アクチュエーター、コンプレッサーコントロール、ドアロックアクチュエーター、ワイヤーハーネスの基板化、モータ制御回路基板等が含まれる。また、本発明の方法を使用して成形品上に作りこんだ、コイル、モーター、HDD用ボイスコイルモータ、アンテナ、リレー、トランス、スピーカ、ブレーカ、抵抗器、スイッチ、コネクタ、コンデンサ、発光ダイオード等の電子部品および磁気シールド部品も本発明の電気回路成形品に含まれる。筐体や機構部品等、従来、熱可塑性樹脂により有効に発現されてきた機能と、本発明による電気回路機能を複合化させることにより、軽量化、小型化、コストダウンを達成できる有効な電気及び電子部品となる。
また、本発明の複合成形品は帯電防止特性を備えるため、内容物として半導体、IC部品およびこれらの製品、液晶表示用部品および液晶製品、注射器や医薬品等の医療関連物品、自動車用部品等を収納する樹脂製容器の一部として使用出来る。
本発明の複合成形品は、成形品の金属箔の金属光沢によって、外観を改良することが出来るため、自動車の内外装に使用される外観部品や、自動車の排気ガスを車外に出すテイルトリムや、エンブレムのような製品に使用することが出来る。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
[各配合成分の調製](A成分の調製)
本実施例および比較例に用いた(A)PPS樹脂は以下の方法で重合を行った。なお、得られたPPS樹脂のMFR値はJIS K7210(2008年度
)に準拠して測定した。
PPSの重合撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.94kg(70.63モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム0.513kg(6.25モル)、及びイオン交換水3.82kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水8.09kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。その後200℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン10.34kg(70.32モル)、NMP9.37kg(94.50モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら0.6℃/分の速度で200℃から270℃まで昇温し、270℃で140分反応した。その後、270℃から250℃まで15分かけて冷却しながら水2.67kg(148.4モル)を圧入した。ついで250℃から220℃まで75分かけて徐々に冷却した後、室温近傍まで急冷し内容物を取り出した。内容物を約35リットルのNMPで希釈しスラリーとして85℃で30分撹拌後、80メッシュ金網(目開き0.175mm)で濾別して固形物を得た。得られた固形物を同様にNMP約35リットルで洗浄濾別した。得られた固形物を70リットルのイオン交換水で希釈し、70℃で30分撹拌後、80メッシュ金網で濾過して固形物を回収する操作を合計3回繰り返した。得られた固形物および酢酸32gを70リットルのイオン交換水で希釈し、70℃で30分撹拌後、80メッシュ金網で濾過し、更に得られた固形物を70リットルのイオン交換水で希釈し、70℃で30分撹拌後、80メッシュ金網で濾過して固形物を回収した。このようにして得られた固形物を窒素気流下、120℃で乾燥することにより、乾燥PPSを得た。得られたPPSは、MFRが600g/10分であった。
(B成分の調製)
実施例及び比較例に使用した(B)エポキシ樹脂は以下のとおりである。
B−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製jER 1009)
B−2:高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製jER 4256H40)
B−3:高分子量剛直骨格型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製jER YX6954BH30)
B−4:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 EOCN‐104S)
B−5:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 EPPN−502H)
(C成分の調製)
実施例及び比較例に使用した(C)無機充填材は以下のとおりである。
C−1:チョップドストランド(日本電気硝子(株)社製 T−747H)
C−2:炭酸カルシウム((株)カルファイン製 ACE25)
(D成分の調製)
実施例に使用した(D)オレフィン系重合体、オレフィン系共重合体および熱可塑性エラストマーは以下のとおりである。
D−1:エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)社製 ボンドファーストE)
D−2:エチレン・1−ブテン共重合体(三井化学(株)社製 タフマーTX650
実施例1〜6、比較例1〜4
[樹脂組成物からなる成形品の製造]
表1に示す各成分を表1に示す割合でドライブレンドした後、日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5)を用い、スクリュー回転数300rpmでシリンダ出樹脂温度が330℃となるように温度を設定し、溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。
[ホットスタンピングによる接合]
120℃で一晩乾燥した上記PPSペレットをシリンダ温度320℃、金型温度130℃の条件で、住友重機械社製の住友SE100DUを使用し、80mm×80mm×3mmの試験片を作製した。
金属箔は厚さが35μmで表面粗度(Rz)が9μmの電解銅箔(古河電気工業社製 GTS−MP 35μm)を使用し、その銅箔をPPSの試験片と同じ大きさになるように80×80mmのサイズにカットしたものを使用した。
ホットスタンピング処理はPPSの試験片上に上記銅箔を載せ、270℃、圧力3kg/cm、加圧時間3秒で行い、銅箔を接合した複合成形品の評価サンプルを得た。
[射出成形による接合]
住友重機械社製の射出成形機(住友SE100DU)を使用し、上記35μmの電解銅箔を金型面に耐熱テープで固定し、120℃で一晩乾燥した上記PPSペレットをシリンダ温度320℃、金型温度130℃の射出成形条件で射出成形し、80mm×80mm×3mmの銅箔が接合された複合成形品の評価サンプルを得た。
[密着性評価]
得られた複合成形品は、未処理の状態とヒートサイクル処理を行った2種類の金属箔の引き剥がし強度で評価を行った。
金属箔の引き剥がし強度は、試験片の長片方向にカッターナイフで間隔10mmのカット傷2本を入れ、金属箔部分の一部を剥離した後、小型引張試験機(ロードセル100kg)にて接着面に対して90°の方向に金属箔をクロスヘッドスピード50mm/minで引張り、金属箔の密着力を測定した。なお、測定結果は(kg/10mm幅)の単位とした。
ヒートサイクル処理は、得られた複合成形品のサンプルを130℃×1時間、−40℃×1時間を1サイクルとし、合計200サイクル実施したものを使用した。
Figure 2015066735
表1からわかるようにエポキシ樹脂を含有していない比較例1、あるいは含有しているが含有量が1重量部未満である比較例2は、実施例1〜4に比べ、金属箔の引き剥がし強度が低い。比較例4は、実施例3に比べ、エポキシ樹脂の添加量は多いが、エポキシ当量が10000g/eqを超えているため、十分な密着性が得られていない。

Claims (8)

  1. (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B)エポキシ当量160〜10000g/eqのエポキシ樹脂1〜50重量部を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品と金属箔を接合した複合成形品。
  2. ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対して、(C)無機充填材10〜400重量部を配合してなる請求項1に記載の複合成形品。
  3. ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対して、(D)オレフィン系重合体、オレフィン系共重合体および熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種を0.5〜60重量部配合したものであることを特徴とする請求項1または2記載の複合成形品。
  4. 金属箔の厚みが1〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の複合成形品。
  5. 金属箔が銅箔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の複合成形品。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の複合成形品からなる電気回路成形品。
  7. 金属箔上にポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の複合成形品の製造方法。
  8. ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形品に金属箔をホットスタンピングすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の複合成形品の製造方法。
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