JP2015065442A - セラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板、これらの製造方法 - Google Patents

セラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板、これらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性に優れ、緻密な導電性ビアを有するセラミックスビア基板を提供する。【解決手段】セラミックス焼結体基板10に導電性ビア23が形成されてなるセラミックスビア基板であって、融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)、該金属(A)よりも融点が高い金属(B)、および、活性金属を含む導電性の金属がスルーホールに密充填されてなる導電性ビア23を有し、前記導電性ビアと前記セラミックス焼結体基板との界面に活性層が形成されている、セラミックスビア基板とすることで、簡易な方法で製造することができるセラミックスビア基板とする。【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板、これらの製造方法に関する。詳細には、LED等の半導体素子を搭載するため、特に、熱を放出する高出力LED等の半導体素子を搭載するために使用されるセラミックスビア基板等に関する。
半導体素子を搭載するためのセラミックス基板には、該半導体素子の電極と接続するためのメタライズドパターンがセラミックス基板表面に形成されている。また、該セラミックス基板を、例えば、多層基板あるいはサブマウントとして使用する場合は、基板の上下の導通を図るための導電性ビアが、セラミックス基板(以下、導電性ビアおよびメタライズドパターンを有するセラミックス基板を、「メタライズドセラミックスビア基板」と言う場合がある。)に形成される。
メタライズドセラミックスビア基板の製造方法としては、コファイア法(同時焼成法)とポストファイア法(逐次焼成法)とが知られている。コファイア法とは、グリーンシートと呼ばれる未焼成のセラミックス基板前駆体上に金属ペースト層を形成し、または、該グリーンシートに形成したスルーホールに金属ペーストを充填して、メタライズドセラミックスビア基板前駆体を作製し、これを焼成する方法である。この方法ではグリーンシートおよび金属ペーストの焼成は同時に行われる。
ポストファイア法とは、グリーンシートを焼成して得られた焼結体基板上に金属ペースト層を形成し、または、焼結体基板に形成したスルーホールに金属ペーストを充填して、メタライズドセラミックスビア基板前駆体を作製し、これを焼成する方法である。この方法ではグリーンシートの焼成および金属ペースト層の焼成は逐次的に行われる。
どちらの手法でもセラミックス基板上にメタライズドパターンを形成することができ、それにより得られる基板は、主に電子部品を搭載するための基板として用いられる。しかしながら、コファイア法による方法では、焼成時にグリーンシートが不均一に収縮し易く、例えば正方形のグリーンシートを焼結した場合には、僅かではあるが、各辺の中央部分が内側に反るように収縮が起こり基板は星型に変形するため、1枚のグリーンシート上に同一形状のメタライズドパターンおよび導電性ビアを多く形成した場合には、パターンが形成される場所によってパターン形状および該ビアの位置が僅かに変わってしまうことが避けられない。また、コファイア法では、グリーンシートと同時に高温で焼成することから、金属ペーストとして、モリブデン、タングステン等の高融点金属ペーストを使用する必要があり、導電性の良い他の金属を使用できないという欠点があった。
一方、ポストファイア法では、焼結体基板上に金属ペースト層を形成し、または、焼結体基板に形成したスルーホールに金属ペーストを充填して、これを焼成することによりメタライズドパターンおよび導電性のビアが形成される。金属ペースト層の焼付け(焼成)に際しては、金属ペースト層は厚み方向には収縮するが、平面方向の収縮は殆ど起こらないため、コファイア法で見られたような、位置によりパターン形状が変わるという問題は起こらない。
しかし、金属ペーストの収縮自体は発生することから、スルーホール中の金属ペーストが焼結の際に収縮し、形成された導電性ビア中に空隙が生じ、緻密なビアを形成することは困難であった。
特許文献1には、スルーホールを有するセラミックス基板に、チタン層および銅層をスパッタにより形成し、その後、銅メッキすることにより、配線パターンおよび導電性ビアを形成しているが、該方法では、スパッタ工程が必要であることから、スパッタを行う製造設備が必要となり、簡易にメタライズドビア基板を製造できる方法ではなかった。また、この方法でメッキによりスルーホール内へ銅を充填する場合、スルーホールの径が大きくなったり、基板の厚みが厚くなると充填に時間を要し、生産性が低下するといった点で改善の余地があった。
US2004/00359693A1
そこで本発明は、簡易な方法で製造することができるセラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板、および、これら基板の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「A〜B」は、特に別途規定されない限り、「A以上B以下」を意味する。また、本明細書において、平均粒子径(D50)は、日機装株式会社製マイクロトラックを用いてレーザー回折法により測定した値である。
第1の本発明は、セラミックス焼結体基板に導電性ビアが形成されてなるセラミックスビア基板であって、融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)、該金属(A)よりも融点が高い金属(B)、および、活性金属を含む導電性の金属がスルーホールに密充填されてなる導電性ビアを有し、前記導電性ビアと前記セラミックス焼結体基板との界面に活性層が形成されている、セラミックスビア基板である。以下、導電性ビアを単に、ビアとする場合もある。
「金属(A)よりも融点が高い金属(B)」とは、融点が1100℃超の金属のことを意味するのではなく、実際に使用した金属(A)の融点よりも融点が高い金属のことである。例えば、金属(A)が融点が780℃程度の銀ろうである場合、金属(B)としては、この金属(A)よりも融点が高い金属、つまり、銅(融点:1085℃)、銀(融点:962℃)、金(融点:1064℃)等が使用できるということになる。
「融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)」としては、例えば、銅、銀、金、金ろう、銀ろう等のろう材が挙げられる。また、「金属(A)よりも融点が高い金属(B)」としては、例えば、銅(融点:1085℃)、銀(融点:962℃)、金(融点:1064℃)、タングステン(融点:3410℃)、モリブデン(融点:2617℃)等が挙げられ、使用する金属(A)の融点により選択される。
第1の本発明において、「融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)」は、金ろう、銀ろう、および、銅から選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。
第1の本発明において、「金属(A)よりも融点が高い金属(B)」は、銀、銅および金から選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。
第1の本発明において、「活性層」は、活性金属と、セラミックス焼結体基板のセラミックス成分とが反応して形成された反応層であることが好ましい。また、活性金属がチタンであり、該チタンと反応するセラミックス成分が窒素であり、活性層が窒化チタン層であることがさらに好ましい。該活性層が形成されることによりビアとセラミックス焼結体基板の壁面との密着性が良好になる。
第1の本発明において、前記セラミックス焼結体基板は窒化アルミニウム焼結体基板であることが好ましい。第1の本発明のセラミックスビア基板は、導電性の良好なビアを有しており、高出力LED等の高い電力供給が必要な素子を搭載するのに適している。該高出力LED等の素子は、大きな熱を放出する。素子近傍に熱が蓄積されると素子に悪影響を与えるので、該熱は外部に放出させることが好ましい。この点から、熱伝導性の高い窒化アルミニウムによってセラミックス焼結体基板を構成することが好ましい。
第2の本発明は、第1の本発明のセラミックスビア基板の、表面および/または裏面に、金属(A)、金属(B)および活性金属を含む導電性の金属からなる配線パターンが形成されている、メタライズドセラミックスビア基板である。なお、該メタライズドパターンとセラミックス焼結体基板との間には、活性層が形成されていることが好ましい。
第3の本発明は、スルーホール(12)を有するセラミックス焼結体基板(10)を準備する工程、
金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第一金属ペースト(20)をスルーホール(12)に充填する充填工程、
融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第二金属ペーストをスルーホール(12)に充填した第一金属ペースト(20)に接触する位置に積層して、第二金属ペースト層(22)を形成する工程、および、
上記で得られた基板を焼成する焼成工程、
を含んでなる、第1の本発明のセラミックスビア基板(100a)の製造方法である。なお、セラミックスビア基板(100a)において、導電性ビア(23)は、スルーホール(12)に充填された第一金属ペースト(20)、および第二金属ペースト層(22)が焼成されて形成される。
第3の本発明の方法によると、焼成工程において、スルーホール(12)中の金属(B)粉末が焼結して収縮する際に、溶融した金属(A)がスルーホール(12)中の金属(B)粉末間の空隙に流れ込み、緻密で導電性の良好な導電性ビア(23)が形成される。また、活性金属がセラミックス成分と反応して、導電性ビア(23)とセラミックス焼結体基板(10)との界面に活性層が形成される。これにより、該導電性ビア(23)とセラミックス焼結体基板(10)との密着性が良好となる。
第4の本発明は、スルーホール(12)を有するセラミックス焼結体基板(10)を準備する工程、
金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第一金属ペースト(20)をスルーホール(12)に充填する充填工程、
融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第二金属ペーストをスルーホール(12)に充填した第一金属ペースト(20)に接触する位置に積層して、第二金属ペースト層(22)を形成する工程、
上記で得られた基板を焼成する第一焼成工程、
該第一焼成工程の後に、金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末および活性金属粉末を含んでなる第三金属ペーストを配線パターンを形成する箇所に積層して第三金属ペースト層(24)を形成する工程、
さらに、融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第四金属ペーストを第三金属ペースト層(24)の上に積層して、第四金属ペースト層(26)を形成する工程、および、
上記で得られた基板を焼成する第二焼成工程、
を含んでなる、第2の本発明のメタライズドセラミックスビア基板(100b)の製造方法である。なお、メタライズドセラミックスビア基板(100b)において、導電性ビア(23)は、スルーホール(12)に充填された第一金属ペースト(20)、および第二金属ペースト層(22)が焼成されて形成される。
第4の本発明の方法では、第一焼成工程において、上記した第3の本発明の方法と同様にして、緻密で導電性の良好な導電性ビア(23)を備え、該導電性ビア(23)とセラミックス焼結体基板(10)との密着性が良好なセラミックスビア基板(100a)が製造される。第二焼成工程では、第三金属ペースト層(24)中の金属(B)が焼結して収縮する際に、第四金属ペースト層(26)中の金属(A)が溶融してメタライズドパターン中に流れ込むので、緻密で導電性の良好なメタライズドパターン(25)が形成される。さらに、第三金属ペースト層中の活性金属が、セラミックス成分と反応して活性層が形成されることで、基板表面に密着性が良好なメタライズドパターン(25)が形成される。
なお、金属(B)粉末と活性金属粉末とを含む、第一金属ペーストと第三金属ペーストとは同じ金属ペーストであってもよいが、スルーホールへの充填工程と基板表面への導電パターン印刷工程では、金属ペーストに求められる粘度特性や最適な金属粉末の粒度等が異なる場合がある為、それぞれの製造工程に適した金属ペーストを使用することが好ましい。また、金属(A)粉末を含む、第二金属ペーストと第四金属ペーストとは同じ金属ペーストであってもよく、製造効率の観点からは同じ金属ペーストであることが好ましい。以下、第5の本発明においても同様である。
第5の本発明は、スルーホール(12)を有するセラミックス焼結体基板(10)を準備する工程、
金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第一金属ペースト(20)をスルーホール(12)に充填する充填工程、
金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第三金属ペーストを配線パターンを形成する箇所に積層して第三金属ペースト層(24)を形成する工程、
融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第五金属ペーストを該第三金属ペースト層の上に積層して、第五金属ペースト層(27)を形成する工程、
上記で得られた基板を焼成する焼成工程、
を含んでなる、第2の本発明のメタライズドセラミックスビア基板(100c)の製造方法である。なお、メタライズドセラミックスビア基板(100c)において、導電性ビア(23)は、スルーホール(12)に充填された第一金属ペースト(20)、第三金属ペースト層(24)、および第五金属ペースト層(27)が焼成されて形成され、同時に導電性ビア(23)に接続されたメタライズドパターン(25)が形成される。
第5の本発明の方法においては、焼成工程において、スルーホール(12)中の金属(B)および第三金属ペースト層(24)中の金属(B)が焼結し収縮する際に、第五金属ペースト層(27)中の金属(A)が溶融して、スルーホール(12)中の金属(B)粉末、および第三金属ペースト層(24)中の金属(B)粉末間の空隙に流れ込む。これにより、緻密で導電性の良好な導電性ビア(23)およびメタライズドパターン(25)が形成される。また、第一金属ペーストおよび第三金属ペーストがそれぞれ活性金属を含んでいるので、該活性金属とセラミックス成分とが反応することにより、導電性ビア(23)およびメタライズドパターン(25)とセラミックス焼結体基板(10)との間に活性層が形成される。これにより、導電性ビア(23)およびメタライズドパターン(25)とセラミックス焼結体基板(10)との密着性が良好になる。
(a)は第3の本発明のセラミックスビア基板100aの製造方法の各工程を示す概念図であり、(b)は第4の本発明のメタライズドセラミックスビア基板100bの製造方法の各工程を示す概念図であり、(c)は第5の本発明のメタライズドセラミックスビア基板100cの製造方法の各工程を示す概念図である。 実施例7で得られたメタライズドセラミックスビア基板の導電性ビアの走査型電子顕微鏡写真である。 実施例7で得られたメタライズドセラミックスビア基板における、窒化アルミニウム焼結体基板と導電性ビアとの界面近傍における元素マッピング写真である。(a)はSEM反射電子像であり、(b)はAlKα1線を定量したもの、(c)はTiKα1線を定量したもの、(d)はCuKα1線を定量したもの、(e)はAgLα1線を定量したものである。
<セラミックスビア基板の製造方法(第3の本発明)>
本発明のセラミックスビア基板の製造方法は、以下の工程を備えている。
(i)スルーホールを有するセラミックス焼結体基板を準備する工程、
(ii)金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第一金属ペーストを前記スルーホールに充填する充填工程、
(iii)融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第二金属ペーストを前記スルーホール充填した金属ペーストに接触する位置に積層して、第二金属ペースト層を形成する工程、および、
(iv)上記で得られた基板を焼成する焼成工程、
(工程(i))
図1(a)を参照しながら、各工程について説明する。まず、工程(i)では、スルーホール12を有するセラミックス焼結体基板10を準備する。セラミックス焼結体基板10としては、公知のセラミックスからなる基板が特に制限なく使用可能である。
セラミックス焼結体基板10の構成材料であるセラミックスとしては、例えば(1)酸化アルミニウム系セラミックス、酸化ケイ素系セラミックス、酸化カルシウム系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックスなどの酸化物系セラミックス;(2)窒化アルミニウム系セラミックス、窒化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックスなどの窒化物系セラミックス;(3)酸化ベリリウム、炭化ケイ素、ムライト、ホウケイ酸ガラス等を使用することができる。中でも、(2)窒化物セラミックスが好ましく、特に窒化アルミニウム系セラミックスが、熱伝導性が高いため好ましく使用することができる。
本発明の製造方法で使用するセラミックス焼結体基板10としては、入手の容易さや所望の形状のものを容易に得ることができるといった理由から、焼結体基板を構成するセラミックス粒子の平均粒子径が好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜15μmのセラミックス焼結体基板を使用する。なお、このようなセラミックス焼結体基板は、平均粒子径が0.1〜15μm、好適には0.5〜5μmのセラミックス原料粉末からなるグリーンシートを焼成することにより得ることができる。
当該グリーンシートには焼結助剤、有機バインダー等が含まれていてもよい。焼結助剤としてはセラミックス原料粉末の種類に応じて常用される焼結助剤が特に制限なく使用できる。さらに、有機バインダーとしては、ポリビニルブチラール、エチルセルロース類やアクリル樹脂類が使用され、グリーンシートの成形性が良好になるという理由からポリn−ブチルメタクリレート、ポリビニルブチラールが特に好適に使用される。
得られる焼結体の熱伝導性の観点から、焼結助剤を含む窒化物セラミックス粉末をセラミックス原料粉末として使用して形成した窒化物セラミックス用グリーンシート、特に焼結助剤(例えばイットリウムや酸化カルシウム)を含む窒化アルミニウム粉末を原料粉末として用いた窒化アルミニウム用グリーンシートを使用するのが好適である。
本発明で使用するセラミックス焼結体基板10の形状は、スルーホールを形成できる形状であれば特に限定されず、板状体或いは板状体の一部に切削加工を施したものでも使用することができる。セラミックス焼結体基板10の大きさは特に限定されず、用途に応じて適宜決定すればよい。例えば、用途が電子部品を搭載するための基板である場合には、基板厚さは一般的には0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1mm程度とすればよい。
上記で説明したセラミックス焼結体基板10には、スルーホール12が形成される。スルーホール12の形成方法は特に限定されず、ドリルを使用した機械的穿孔により形成してもよいし、化学薬品を用いた方法によりセラミックスを溶解させて穿孔してもよく、レーザー加工や、ブラスト加工等の手段を採用することもできる。また、スルーホール12の位置精度を厳しく要求されない用途においては、予めグリーンシートにパンチング加工によりスルーホールを形成したものを焼成し、スルーホール12を有するセラミック焼結体基板10を作製することもできる。スルーホール12の直径は、通常φ0.05mm〜0.5mmとされる。
スルーホール12は、基本的に基板10を上下に貫通する貫通孔であるが、基板10が内部配線を有する場合においては、一方の端部のみが開口している孔である場合もあり、このような孔も本発明のスルーホール12に含めるものとする。
(工程(ii))
次に、金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第一金属ペースト20を上記スルーホール12に充填する。第一金属ペースト20は、金属(B)の粉末、および、活性金属の粉末を含んでおり、その他、有機バインダー、有機溶媒、分散剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
「金属(B)」は、金属(A)よりも融点が高い金属である。よって、まず、「金属(A)」について説明する。金属(A)は、融点が600℃以上1100℃以下の金属であり、例えば、銅、銀、金、金ろう、銀ろう等のろう材が挙げられる。中でも、金属(A)としては、コストの点から、金ろう、銀ろう、および、銅から選ばれる一種または二種以上を用いることとが好ましい。金属(A)の融点が600℃未満の場合は、焼成によりビア23とセラミックス焼結体基板10との間に後に説明する活性層を形成することが難しくなる。また、金属(A)の融点が1100℃超の場合は、焼成時に基板に熱がかかりすぎて、基板にビア形成時の応力が残存する可能性がある。
また、金属(A)よりも融点が高いとは、融点が1100℃超であることを意味するのではなく、実際に使用した金属(A)の融点よりも金属(B)の融点が高いということを意味する。例えば、金属(A)が、融点が780℃程度の銀ろうである場合、金属(B)としては、780℃よりも融点が高い金属が使用できるということになる。
金属(B)としては、例えば、銅(融点:1085℃)、銀(融点:962℃)、金(融点:1064℃)、タングステン(融点:3410℃)、モリブデン(融点:2617℃)等が挙げられ、金属(A)の融点により選択される。中でも、金属(B)としては、導電性が高い点から、銀、銅および金から選ばれる一種または二種以上を使用することが好ましい。なお、金属(B)は、金属(A)よりも融点が高いものであれば、2種類以上のものを混合して使用することもできる。
この金属(B)粉末の平均粒子径(D50)は、他の金属粉末の大きさ、スルーホールの大きさとの兼ね合いもあるが、生産性を向上させ、優れた性能を発揮するセラミックスビア基板、およびメタライズドセラミックスビア基板を製造するためには、1〜50μmとすることが好ましい。また、この金属(B)粉末は、スルーホール12への金属(B)粉末の充填密度を高める目的で、2種類以上の平均粒子径の異なる粉末を使用することもできる。なお、この平均粒子径(D50)は、日機装株式会社製マイクロトラックを用いてレーザー回折法により測定した値である。
金属(A)と金属(B)との融点差は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。融点差を50℃以上とすることにより、焼成工程において、金属(B)が溶融することなくビアの形状を保持しながら金属(A)を溶融させて、金属(B)が焼結した際に生じる空隙を埋めさせ、緻密なビアを形成することができる。融点差の上限は、特に制限されるものではないが、通常の製造を考慮すると3000℃、さらに好ましくは1000℃である。なお、2種類以上の金属(B)を使用する場合には、全種類の金属(B)と金属(A)の融点差が前記範囲を満足することが好ましい。
「活性金属粉末」とは、セラミックス成分と反応する活性がある金属であって、セラミックス成分と反応することにより、セラミックス焼結体基板10との界面において活性層を形成するような金属粉末である。このような活性金属粉末としては、例えば、チタン粉末、または水素化チタン粉が挙げられる。中でも、生産の安定性を考慮すると、水素化チタン粉を使用することが好ましい。セラミックス焼結体基板10として窒化物セラミックス基板を用いた場合、水素化チタン粉を含む金属ペーストを用いることにより、焼成により形成された導電性ビア23とセラミックス焼結体基板10の壁面との間で、活性層である窒化チタン層が形成さる。これにより、導電性ビア23とセラミックス焼結体基板10との密着性が向上する。よって、セラミックスとの密着性がでにくい金、銀、銅、銅−銀合金ペーストを用いた場合に有効である。活性金属粉末の添加量は、ビアの密着性および導電性を考慮すると、第一金属ペースト20中において、金属(B)粉末の量を100質量部として、1質量部以上10質量部以下とすることが好ましく、さらに、1.5質量部以上6質量部以下とすることが好ましい。
また、この活性金属粉末の平均粒子径(D50)は、他の金属粉末の大きさ、スルーホールの大きさとの兼ね合いもあるが、生産性を向上させ、優れた性能、特に導電性ビア23の密着性を高め、優れた導電性を発揮するセラミックスビア基板、およびメタライズドセラミックスビア基板を製造するためには、1〜50μmとすることが好ましい。なお、この平均粒子径(D50)は、日機装株式会社製マイクロトラックを用いてレーザー回折法により測定した値である。
第一金属ペースト20に含まれる有機バインダーとしては、公知のものが特に制限なく使用可能である。例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル樹脂、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビニル基含有樹脂、ポリオレフィン等の炭化水素樹脂、ポリエチレンオキサイド等の含酸素樹脂などを一種または二種以上混合して使用することができる。
第一金属ペースト20に含まれる有機溶媒としては、公知のものが特に制限なく使用可能である。例えば、トルエン、酢酸エチル、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールなどを使用することができる。第一金属ペースト20に含まれる分散剤としては、公知のものが特に制限なく使用可能である。例えば、リン酸エステル系、ポリカルボン酸系などの分散剤を使用することができる。第一金属ペースト20に含まれる可塑剤としては、公知のものが特に限定なく使用可能である。例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチルなどを使用することができる。
スルーホール12中への第一金属ペースト20の充填方法は、特に限定されず、一般的なスクリーン印刷装置やペースト圧入充填装置等により充填される。スルーホール12が均一に埋まるように、第一金属ペースト20が充填される。なお、第一金属ペースト20中の金属(B)が乾燥や焼結する際に収縮することを考慮して、スルーホール12の上下に凸状に飛び出すよう第一金属ペースト20を充填してもよい。
なお、前記金属粉末(B)、および前記活性金属粉末を含んでなる第一金属ペースト20は、セラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板の生産性を考慮すると、前記有機溶媒と有機バインダーとを含んだ状態での粘度を25℃において、50〜3000Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
(工程(iii))
第二金属ペーストは、上記した金属(A)粉末を含み、第一金属ペーストと同様、他の成分を含んでいてもよい。該第二金属ペーストを、スルーホール12に充填した第一金属ペースト20と接触する位置に積層して、第二金属ペースト層22が形成される。この金属(A)粉末は、前記工程(ii)で説明した種類のものが使用される。
焼成工程において、溶融した金属(A)が、スルーホールに充填した金属(B)粉末間の空隙に流れ込めばよいので、第二金属ペースト層22は、第一金属ペースト20に接触する位置であれば、どこに形成してもよいが、該スルーホール12中の第一金属ペースト20の上側に形成することが好ましい。そうすることで、焼成時に、溶融した金属(A)がその重みによりビア中に流れ込み易くなる。
第二金属ペースト層22は、形成するビア中に発生する虞のある空隙を埋めることができる量となるように積層すればよく、スルーホール12中の第一金属ペースト20の金属(B)を100質量部として、第二金属ペースト層22中の金属(A)は、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上であって、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
この第二金属ペーストに含まれる金属(A)粉末の平均粒子径(D50)は、他の金属粉末の大きさ、スルーホールの大きさとの兼ね合いもあるが、生産性を向上させ、優れた性能を発揮するセラミックスビア基板、およびメタライズドセラミックスビア基板を製造するためには、0.1〜50μmとすることが好ましい。なお、この平均粒子径(D50)は、日機装株式会社製マイクロトラックを用いてレーザー回折法により測定した値である。
第二金属ペースト層22は、たとえば、第二金属ペーストをスクリーン印刷やカレンダー印刷、パッド印刷する等の公知の手法により形成することができる。
なお、前記金属粉末(A)を含んでなる第二金属ペーストは、セラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板の生産性を考慮すると、前記有機溶媒と有機バインダーとを含んだ状態での粘度を25℃において、20〜1000Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
(工程(iv))
最後に、上記で作製した基板を焼成する。焼成は、使用した金属ペーストの種類(より具体的には、金属ペースト中の金属粉末の種類)に応じて、金属(A)の融点以上且つ金属(B)の融点未満の温度で実施すればよく、その他の条件は、通常採用される条件が適宜採用される。
例えば、金属(A)として、融点780℃のAg−Cu合金粉末を用い、金属(B)として銅を用いた場合には、780〜1050℃、好ましくは800〜950℃の温度で、1分〜1時間、好ましくは5分〜30分焼成すればよい。
また、本発明によれば、金属(B)として、タングステンまたはモリブデン等の高融点金属を用いた場合には、通常の焼成温度よりも低い温度でセラミックスビア基板を製造できる。例えば、高融点金属を用いた場合には、該高融点金属を焼結させるため、通常、1600〜2000℃の温度で焼成することが必要となる。ただし、本発明においては、金属(A)粉末を含む第二金属ペースト層22を使用するため、該高融点金属が完全に焼結しない温度以下でも、金属(A)の融点以上の温度で焼成すれば、金属(A)が溶融して該高融点金属粉末間に浸透し、良好な導電性ビアを形成できる。
また、第一金属ペースト20には、セラミックス焼結体基板10との密着性を出すため、活性金属粉末(例えば、水素化チタン粉末)が含まれているので、焼成は、非酸化性雰囲気下、耐熱性容器内で行うことが好ましい。
非酸化性雰囲気としては、真空下、あるいはアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス、または水素ガス雰囲気が挙げられる。また、不活性ガス、および水素ガスの混合雰囲気であってもよい。これら非酸化性雰囲気の中でも、好ましくは真空下、または不活性ガスと水素ガスの混合ガス雰囲気を採用することが好ましい。真空下で焼成を行う場合、真空度は、雰囲気中の酸素や窒素等の反応性ガスがチタンと反応するのを防ぐ目的からできるだけ高い方がよく、好ましくは、1.33×10−1Pa以下、より好ましくは1.33×10−2Pa以下である。なお、真空度の上限は、特に制限されるものではないが、工業的な生産を考慮すると1.33×10−4Pa以上である。
この耐熱性容器は、焼成する際の温度に十分耐え得る材質で形成されるものであればよく、焼成時の高温下においても、ガスを透過せず、容器自体からガス発生が無く、且つ気密性の高いものであることが好ましい。この耐熱性容器に好適に使用できる材質を具体的に例示すれば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物焼結体、アルミナ、マグネシア、ジルコニア等の酸化物焼結体、インコロイ、ハステロイ等の耐熱合金類、又は石英ガラス等を例示できる。このうち、焼成時の容器内の均熱性を確保するという点で、熱伝導性に優れる窒化物焼結体が好ましい。
この耐熱性容器は、焼成工程において、基板近傍の雰囲気を他の焼成炉内の雰囲気から遮断し、ペースト中のバインダーが分解・飛散して炉壁等に再付着した分解物やその他の汚染源が、焼成炉内の温度上昇に伴い再飛散して金属ペースト層中のチタン成分と反応するのを抑制する役割を果しているものと考えられる。そのため、この耐熱性容器は、焼成工程における基板近傍の雰囲気を他の焼成炉内の雰囲気から遮断できるように蓋ができる構造のものを使用することが好ましい。また、耐熱性容器は、完全な密閉状態にできるものでもよいが、金属ペースト中のバインダーが熱分解して発生するガスを容器外へ放出できる程度の隙間を有するものであってもよい。
また、耐熱性容器の形状は、焼成炉内において、耐熱性容器内の温度分布がないような大きさのものが好ましい。このことからも、耐熱性容器は、熱伝導性に優れる窒化物焼結体からなる容器であることが好ましい。
上記した形態では、活性金属粉を含まない第二金属ペースト層22が存在していることにより、第一金属ペースト20中における活性金属成分がビア23の露出面に移動することが防がれている。また、上記した特殊な焼成条件を採用することで、活性金属成分がビア23の露出面に移動することがより効果的に防がれる。これにより、上記特定の焼成条件を採用した場合には、導電性ビア23とセラミックス焼結体10との界面に活性層が十分に形成され、密着性が良好なものとなる。
上記した本発明のセラミックスビア基板100aの製造方法では、焼成工程において、第二金属ペースト層22中の金属(A)が溶融し、スルーホール12に充填された金属(B)粉末間の空隙に流れ込む。これにより、第一金属ペースト20中の金属(B)が焼結して収縮したとしても、溶融した金属(A)が流れ込むことで、緻密なビア23が形成される。
なお、ビア23として形成される導電性の金属層は、焼成前の金属(B)の粒子形状がある程度保持されることにより、金属(B)が島となり、金属(A)が海となる海島構造を形成していてもよい。また、金属(B)に金属(A)が混じったり、金属(A)に金属(B)が混じったりした構造となってもよい。
また、焼成後のビア23を構成する金属は、焼成温度、金属(A)と金属(B)の種類、配合量によっては、金属(A)を主成分とする島、金属(B)を主成分とする海が形成される場合もあるし、金属(A)と金属(B)とが完全に固溶している場合もある。例えば、金属(A)として銀ろうを使用し、金属(B)として銅を使用した場合、焼成時には銅(一部銀及び活性金属が固溶)からなる固相と、銀ろう(銀−銅)に更に銅(及び活性金属)が溶解した液相が存在し、焼成後の冷却・固化時には銅を主成分とする相と銀を主成分とする相に分相するため、最終的には銅を主成分とする相が海となり銀を主成分とする相が島となったような組織構造が得られる。よって、当初金属ペーストとして配合した金属(A)および金属(B)の融点と、焼成後のビア中の金属において島を構成する金属の融点および海を構成する金属の融点とでは、差が生じることがある。
<第1のメタライズドセラミックスビア基板の製造方法(第4の本発明)>
第1のメタライズドセラミックスビア基板の製造方法は以下の工程を備えている。
(i)スルーホールを有するセラミックス焼結体基板を準備する工程、
(ii)金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第一金属ペーストを前記スルーホールに充填する充填工程、
(iii)融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第二金属ペーストを前記スルーホール充填した第一金属ペーストに接触する位置に積層して、第二金属ペースト層を形成する工程、
(iv)上記で得られた基板を焼成する第一焼成工程、
(v)該焼成工程の後に、前記金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末および前記活性金属粉末を含んでなる第三金属ペーストを配線パターンを形成する箇所に積層して第三金属ペースト層を形成する工程、
(vi)さらに、前記融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第四金属ペーストを該第三金属ペースト層の上に積層して、第四金属ペースト層を形成する工程、および、
(vii)上記で得られた基板を焼成する第二焼成工程、
以下、図1(b)を参照しながら、各工程について説明する。上記工程(i)〜(iv)までは、上記したセラミックスビア基板100aの製造方法(第3の本発明)における工程(i)〜(iv)と同じであり、第一金属ペースト、第二金属ペーストは、第3の発明で説明したものと同一のものである。本発明のメタライズドセラミックスビア基板100bの製造方法においては、上記したセラミックスビア基板100aの素子を搭載する側に、工程(v)〜(vii)により、メタライズドパターン25が形成される。
(工程(v))
第三金属ペーストは、前記金属(B)粉末および活性金属粉末を含んでおり、上記した第一金属ペーストと同様であってもよいが、スルーホールへの充填工程と基板表面への導電パターン印刷工程では、金属ペーストに求められる粘度特性や最適な金属粉末の粒度等が異なる為、それぞれの製造工程に適した金属ペーストを使用することが好ましい。
具体的には、この第三金属ペーストに含まれる金属(B)粉末の平均粒子径(D50)は0.1〜20μmであることが好ましい。また、この金属(B)粉末は、緻密なメタライズドパターン25を形成するために、2種類以上の平均粒子径のことなる粉末を使用することもできる。また、金属(B)粉末は、第二金属ペースト中の金属(A)よりも融点が高いものであれば、2種類以上のものを混合して使用することもできる。
一方、活性金属粉末の平均粒子径(D50)は0.1〜20μmであることが好ましい。また、この第三金属ペーストは、第一金属ペーストと同様に、その他、有機バインダー、有機溶媒、分散剤、可塑剤等を含んでいてもよく、メタライズドセラミックスビア基板の生産性を考慮すると、前記有機溶媒と有機バインダーとを含んだ状態での粘度を25℃において、20〜600Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
また、第三金属ペーストに含まれる活性金属粉末の添加量は、形成されるメタライズドパターン25の密着性、導電性を考慮すると、第三金属ペースト中の金属(B)を100質量部として、1質量部以上10質量部以下とすることが好ましく、さらに、1.5質量部以上6質量部以下とすることが好ましい。
第三金属ペースト層24は、例えば、第三金属ペーストをスクリーン印刷やカレンダー印刷、パッド印刷する等の公知の手法により形成することができる。第三金属ペースト層24の厚さは、特に限定されないが、一般的には1〜100μm、好ましくは5〜30μμmである。
(工程(vi))
第四金属ペーストは、金属(A)粉末を含んでおり、上記した第二金属ペーストと同様であってもよい。また、焼成後のメタライズドパターン25表面の平滑性を改善する目的で、第四金属ペースト中に金属(B)を添加してもよい。
第二焼成工程において、第四金属ペースト層26中の金属(A)が溶融し、メタライズドパターンにしみ込めばよいので、第四金属ペースト層26は、第三金属ペースト層24に接触する箇所、好ましくは第三金属ペースト層24の上に形成される。第四金属ペースト層26は、例えば、第四金属ペーストをスクリーン印刷やカレンダー印刷、パッド印刷する等の公知の手法により形成することができる。
この第四金属ペーストに含まれる金属(A)粉末の平均粒子径(D50)は、0.1〜20μmであることが好ましい。また、第四金属ペーストに金属(B)粉末を添加する場合には、その金属(B)粉末の平均粒子径(D50)は、0.1〜10μmであることが好ましい。
また、この第四金属ペーストは、第一金属ペーストと同様に、その他、有機バインダー、有機溶媒、分散剤、可塑剤等を含んでいてもよく、メタライズドセラミックスビア基板の生産性を考慮すると、前記有機溶媒と有機バインダーとを含んだ状態での粘度を25℃において、20〜600Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
第四金属ペースト層26は、形成するメタライズドパターン25中に発生する虞のある空隙を埋める程度の量となるように積層すればよく、第三金属ペースト層24中の金属(B)を100質量部として、第四金属ペースト層26中の金属(A)は、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上であって、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。尚、第四金属ペーストに金属(B)粉末を添加する場合には、第三金属ペースト層24中の金属(B)と第四金属ペースト層26中の金属(B)の合計を100質量部として、第四金属ペースト層26中の金属(A)が好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上であって、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
また、第四金属ペーストに金属(B)粉末を添加する場合には、第三金属ペースト層24中の金属(B)を100質量部として、第四金属ペースト層26中の金属(B)は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であって、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。
この第四金属ペースト層26は、該ペースト層中の金属(A)成分量が上記範囲を満足するように、多層構造とすることもできる。
(工程(vii))
第二焼成工程は、第一焼成工程と同様の条件で行うことができる。
本発明のメタライズドセラミックスビア基板100bの製造方法においては、第一焼成工程において、上記した緻密で導電性の良好なビア23を備え、導電性ビア23とセラミックス焼結体基板10との密着性が良好なセラミックスビア基板100aが形成され、さらに、第二焼成工程において、溶融した第四金属ペースト26中の金属(A)がメタライズドパターンにしみ込むことで、緻密なメタライズドパターン25が形成される。また、第三金属ペースト層24中の活性金属とセラミックス成分とが反応して、メタライズドパターン25とセラミックス基板10との間に活性層が形成されることで、メタライズドパターン25の密着性が良好になる。
<第2のメタライズドセラミックスビア基板の製造方法(第5の本発明)>
第2のメタライズドセラミックスビア基板の製造方法は、上記した第1のメタライズドセラミックスビア基板100bの製造方法とは別の方法により、同様のメタライズドセラミックスビア基板100cを製造する方法である。該方法では、一回の焼成工程により、メタライズドセラミックスビア基板100cが製造される。該方法は以下の工程を備えている。
(i)スルーホールを有するセラミックス焼結体基板を準備する工程、
(ii)金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末、および、活性金属粉末を含んでなる第一金属ペーストを前記スルーホールに充填する充填工程、
(iii)前記金属(A)よりも融点が高い金属(B)粉末および前記活性金属粉末を含んでなる第三金属ペーストを配線パターンを形成する箇所に積層して第三金属ペースト層を形成する工程、
(iv)前記融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)粉末を含んでなる第五金属ペーストを該第三金属ペースト層の上に積層して、第五金属ペースト層を形成する工程、
(v)上記で得られた基板を焼成する焼成工程、
工程(i)、(ii)は、上記したセラミックスビア基板100aの製造方法(第3の本発明)における、工程(i)、(ii)と同様であり、第一および三金属ペーストも、第3の発明、第4の発明で説明したものと同じものである。以下、工程(iii)〜(v)について、図1(c)を参照しつつ、説明する。
(工程(iii))
セラミックス焼結体基板10表面のメタライズドパターンを形成する位置に、第三金属ペースト層24が形成される。形成方法などは、上記第1のメタライズドセラミックスビア基板100bの製造方法における工程(v)と同様である。
(工程(iv))
第五金属ペースト層27の形成方法は、基本的には、上記第1のメタライズドセラミックスビア基板100bの製造方法における工程(vi)と同様である。
この第五金属ペーストは、導電性成分としては金属(A)粉末のみを含んでもよいが、金属(B)粉末を含むこともできる。
この第五金属ペーストに含まれる金属(A)粉末の平均粒子径(D50)は、0.1〜20μmであることが好ましい。また、第五金属ペーストに金属(B)粉末を添加する場合には、その金属(B)粉末の平均粒子径(D50)は、0.1〜10μmであることが好ましい。
また、この第五金属ペーストは、第一金属ペーストと同様に、その他、有機バインダー、有機溶媒、分散剤、可塑剤等を含んでいてもよく、メタライズドセラミックスビア基板100cの生産性を考慮すると、前記有機溶媒と有機バインダーとを含んだ状態での粘度を25℃において、20〜600Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
第五金属ペースト層27は、形成する導電性ビア23(第一金属ペースト層20中の金属(B)粉末子間の空隙)だけでなく、メタライズドパターン25(第三金属ペースト層24中の金属(B)粉末間の空隙)中にも流れこむので、その量を確保するように形成される必要がある。よって、第一金属ペースト20および第三金属ペースト層24中の金属(B)の合計を100質量部として、第五金属ペースト層27中の金属(A)は、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上であって、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。尚、第五金属ペースト層27に金属(B)を添加する場合には、第一金属ペースト20、第三金属ペースト層24および第五金属ペースト層27中の金属(B)の合計を100質量部として、第五金属ペースト層27中の金属(A)が好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上であって、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
また、第五金属ペースト層27が金属(B)を含む場合には、その配合割合は、第三金属ペースト層24中の金属(B)の合計を100質量部として、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、さらに、10質量部以上80質量部以下であることが好ましい。
第五金属ペースト層27は、多層構造とすることもできる。例えば、第三金属ペースト層24に含まれる活性金属の拡散を抑制するため、該第三金属ペースト層24上に、金属(A)粉末を含む第五金属ペースト層Xを積層し、さらに、その上に、金属(A)粉末を含む第五金属ペースト層Yを積層することもできる。この際、第五金属ペースト層X、および第五金属ペースト層Yとの合計において、金属(A)粉末が上記配合量を満足することが好ましい。さらに、金属(B)粉末を使用する場合も、同様である。
第五金属ペースト層を多層構造とすることにより、活性金属粉末を含まない上層の金属ペースト層を形成することにより、活性金属成分(例えば、チタン成分)がメタライズドパターン25表面に移動することが抑制され、メタライズドパターン25表面のメッキ性が良好なものとなり、かつ、メタライズドパターン25表面のクレーターを低減できる。また、活性金属成分がメタライズドパターンの表面に移動することが抑制されることにより、活性層がセラミックス焼結体基板10とメタライズドパターン25との界面において充分に形成されるために、メタライズドパターン25の密着性がより良好なものとなる。
(工程(v))
焼成工程については、上記したセラミックスビア基板100bの製造方法(第3の本発明)の工程(iv)と同様である。
第2のメタライズドセラミックスビア基板100cの製造方法においては、焼成工程の際に、第五金属ペースト層27中の金属(A)が溶融して、その下のメタライズドパターン25(第三金属ペースト層24中の金属(B)粉末粒子間の空隙)、およびビア23(スルーホール12中の金属(B)粉末粒子間の空隙)にしみ込み、緻密で導電性の良好なビア23およびメタライズドパターン25が形成される。
<セラミックスビア基板(第1の本発明)、メタライズドセラミックスビア基板(第2の本発明)>
上記した製法により製造される、セラミックスビア基板100aおよびメタライズドセラミックスビア基板100b、100cは、緻密なビア23および、緻密なメタライズドパターン25を備えており、ビア23およびメタライズドパターン25の導電性が良好なものとなる。また、ビア23およびメタライズドパターン25とセラミックス焼結体基板10との界面に活性層が形成されているので、ビア23およびメタライズドパターン25とセラミックス焼結体基板10との密着性が良好である。
上記方法で製造されたセラミックスビア基板100aにおいて、ビア23とセラミックス焼結体基板10との界面に形成される活性層の厚みは、0.1〜2μmである。また、上記方法で製造されたメタライズドセラミックスビア基板100b、100cにおいて、メタライズパターン25とセラミックス焼結体基板10との界面に形成される活性層の厚みは、0.1〜2μmである。
本発明のセラミックスビア基板100aおよびメタライズドセラミックスビア基板100b、100cにおける、ビア23の四端子法にて測定した抵抗率は、好ましくは1.5×10−7Ω・m以下、より好ましくは1.0×10−7Ω・m以下とすることができる。
メタライズドセラミックスビア基板100b、100cにおける、メタライズドパターン25の四端子法にて測定した抵抗率は、好ましくは1.5×10−7Ω・m以下、より好ましくは1.0×10−8Ω・m以下とすることができる。このメタライズドパターン25の厚みは、特に制限されるものではないが、通常、5〜100μmである。
メタライズドセラミックスビア基板100b、100cにおける、メタライズドパターン25の密着性は、42アロイ製ネイルヘッドピンで先端部の径がφ1.1mmで、且つ先端部表面にニッケルメッキを施したものを用い、メタライズドセラミックスビア基板100b、100cのメタライズドパターン25表面にNi/Auメッキを施し、このメッキ膜にネイルヘッドピンをPb−Sn半田にて垂直に半田付けし、このネイルヘッドピンを10mm/分の速度で垂直方向に引っ張り、ネイルヘッドピンが剥れた時の強度を接合強度とした。
本発明のセラミックスビア基板100aおよびメタライズドセラミックスビア基板100b、100cは、融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)、該金属(A)よりも融点が高い金属(B)、および、活性金属を含む導電性の金属がスルーホールに密充填されてなる導電性ビアを有する。この密充填されてなる導電性ビアとは、ビアの断面を走査型電子顕微鏡により1000倍の倍率で観察し、ビアの断面の全面積を100%としたとき、ボイドが占める面積の割合が5%未満であるものを指す。本発明においては、より条件を調整すれば、ボイドが占める面積の割合が1%未満の導電性ビアを形成することもできる。なお、当然のことながら、最もよい態様としては、ボイドが占める面積の割合が0%(ボイドが観察されない)のものである。
以下の実施例、比較例で得られたセラミックスビア基板、およびメタライズドセラミックスビア基板は、以下の方法によりその性能を評価した。
<評価方法>
(導電性ビアの緻密性の評価)
下記の実施例および比較例で得られた、セラミックスビア基板、またはメタライズドセラミックスビア基板を樹脂に包埋して研磨し、セラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板断面の観察試料を作製した。得られた観察試料を走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製S−3400N)にて観察し(観察倍率1000倍)、導電性ビア中のボイドの量を評価した。導電性ビア断面の全面積うち、ボイドの占める面積の割合が1%未満である場合を「○」、1%以上5%未満を「△」、5%以上を「×」とした。結果を表2に示す。
(活性層:窒化チタン層の有無の確認)
上記で得られたセラミックスビア基板、またはメタライズドセラミックスビア基板断面の観察試料を前記走査型電子顕微鏡にて観察し、焼結体基板と導電性ビアとの界面における窒化チタン層(TiN層)の有無を確認した。結果を表2に示す。
(接合強度の評価)
下記の実施例および比較例で得られた評価用メタライズド基板のメタライズドパターン上に無電解ニッケルメッキを約2.5μm、次いで無電解金メッキを約0.4μm施した後、以下の手順で接合強度の評価を行った。メッキを施した2mm角のメタライズドパターン上に先端部の径がφ1.1mmで、且つ先端部表面にニッケルメッキを施した42アロイ製ネイルヘッドピンを基板と垂直となるようにPb−Sn半田にて半田付けし、ピンを10mm/分の速度で垂直に引張り、基板から破断した際の荷重を記録した。同様の試験を5回実施して荷重の平均値を算出した。結果を表2に示す。
(体積抵抗率の評価)
下記の実施例および比較例で得られた評価用メタライズド基板に形成した幅0.4mmの直線状のメタライズドパターンの体積抵抗率を4端子法により測定した。結果を表2に示す。
<実施例1(第1の本発明、第3の本発明)>
(第一金属ペーストの作製)
金属(B)粉末として平均粒子径(D50)が5μmである銅粉末100質量部、及び活性金属粉末として平均粒子径(D50)が5μmである水素化チタン粉末3質量部と、ポリアルキルメタクリレートをターピネオールに溶解させたビヒクルとを乳鉢を用いて予備混合した後、3本ロールミルを用いて分散処理することにより、第一金属ペーストを作製した。
(第二金属ペーストの作製)
金属(A)粉末として平均粒子径(D50)が6μmであるAg−Cu合金粉末(BAg−8:融点780℃、組成:銀72質量%−銅28質量%)と、ポリアルキルメタクリレートをターピネオールに溶解させたビヒクルとを乳鉢を用いて予備混合した後、3本ロールミルを用いて分散処理することにより、第二金属ペーストを作製した。
(セラミックスビア基板の製造)
(工程(i)、工程(ii))
上記第一金属ペーストを、直径0.2mmのスルーホール12を有する厚さ0.64mmの窒化アルミニウム焼結体基板(セラミックス焼結体基板10)(トクヤマ社製、商品名SH−30)のスルーホール12内へ、メタルマスクを使用しスクリーン印刷法にて充填し、100℃で10分間乾燥させた。次に、基板の両面をバフ研磨し基板表面にはみ出した第一金属ペーストを完全に除去し、水洗後100℃で10分間乾燥させた。
(工程(iii))
更に、上記第二金属ペーストを、直径0.25mmのスルーホールを有するメタルマスクを使用しスクリーン印刷法にて印刷し、100℃で10分間乾燥させ第二金属ペースト層22を形成した。この際、第二金属ペースト層22は、基板のスルーホール12に充填した第一金属ペースト20を覆うように、柱状に形成した。この際、スルーホール12に充填された第一金属ペースト20の金属(B)粉末100質量部に対する第二金属ペースト層22に含まれる金属(A)粉末の量(A/B×100)が、80質量部となるように第二金属ペースト層22の厚みを調整した。
(工程(iv))
次いで、真空中、900℃にて30分間焼成することにより、スルーホール12内に導電性ビア23が形成され、セラミックスビア基板100aを得た。この際、窒化アルミニウム製のセッター内(密閉容器内)に基板を収容した状態にて基板の焼成をおこなった。得られたセラミックスビア基板100aは、上記の分析、評価を行った。結果を表2に示す。
(評価用メタライズド基板の作製)
セラミックスビア基板の導電性ビア23の密着性(接合強度)及び体積抵抗率は、スルーホール12に充填された状態で評価するのは困難である為、代わりに窒化アルミニウム基板上に金属ペーストを印刷し、焼成することにより評価用メタライズド基板を作製し評価をおこなった。厚さ0.64mmの窒化アルミニウム焼結体基板(トクヤマ社製、商品名SH−30)上に、上記第一金属ペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、100℃で10分間乾燥させ、2mm角のパッド形状及び、幅0.4mmの直線上のパターンを有する第一金属ペースト層を形成した。次いで、上記第二金属ペーストをスクリーン印刷法にて第一金属ペースト層上に重ねて印刷し、100℃で10分間乾燥させ第二金属ペースト層を形成した。この際、第一金属ペースト層の金属(B)粉末を100質量部として、第二金属ペースト層に含まれる金属(A)粉末が80質量部となるように、第二金属ペースト層の厚みを調整した。次いで、真空中、900℃にて30分間焼成することにより、評価用メタライズド基板を得た。この際、窒化アルミニウム製のセッター内(密閉容器内)に基板を収容した状態にて基板の焼成をおこなった。得られた評価用メタライズド基板を用いて、上記の方法により密着性(接合強度)及び体積抵抗率の評価をおこなった。結果を表2に示す。
<実施例2〜5(第1の本発明、第3の本発明)>
ペーストの原料組成を表1に示した組成とし、焼成条件を表2に示した条件とした以外は、実施例1と同様にしてセラミックスビア基板100a及び評価用メタライズド基板を作製し、上記の分析・評価をおこなった。結果を表2に示す。
<実施例6(第2の本発明、第4の本発明)>
(第三金属ペーストの作製)
金属(B)粉末として平均粒子径(D50)が0.3μmである銅粉末12質量部、平均粒子径(D50)が2μmである銅粉末59質量部を使用し、さらに、これに平均粒子径(D50)が0.6μmである銀粉末29質量部使用した。これらの合計100質量部に対して、活性金属粉末として平均粒子径(D50)が5μmである水素化チタン粉末5質量部と、ポリアルキルメタクリレートをターピネオールに溶解させたビヒクルとを乳鉢を用いて予備混合した後、3本ロールミルを用いて分散処理することにより、第三金属ペーストを作製した。
(第四金属ペーストの作製)
金属(A)粉末として及び平均粒子径(D50)が6μmであるAg−Cu合金粉末(BAg−8、組成:銀72質量%−銅28質量%)50質量部を使用した。これに、平均粒子径(D50)が0.3μmである銅粉末50質量部を混合した。さらに、これら合計したものを、ポリアルキルメタクリレートをターピネオールに溶解させたビヒクルとを乳鉢を用いて予備混合した後、3本ロールミルを用いて分散処理することにより、第四金属ペーストを作製した。
(メタライズドセラミックスビア基板の製造)
(工程(v))
上記第三金属ペーストを、実施例1で作製したセラミックスビア基板100a上に、ビア23を覆うようにスクリーン印刷法にて印刷し、100℃で10分間乾燥させ第三金属ペースト層aを形成した。基板の裏面にも同様にして第三金属ペースト層bを形成した。
(工程(vi))
次いで、上記第四金属ペーストを、スクリーン印刷法にて第三金属ペースト層a上に重ねて印刷し、100℃で10分間乾燥させ第四金属ペースト層aを形成した。基板の裏面にも同様にして第四金属ペースト層bを形成した(ただし、裏面は図示していない)。このとき、基板の一方の面における、第三金属ペースト層中の金属(B)粉末および第四金属ペースト層中の金属(B)粉末の合計量を100質量部としたときの、第四金属ペースト層中に含まれる金層(A)粉末の量(A/B3+4×100)が35質量部となるように、第四金属ペースト層の厚みを調整した(第四金属ペースト層a、bとも同じ厚みとした)。(A):第四金属ペースト層に含まれる金属(A)粉末量、(B3+4):第三、第四金属ペースト層に含まれる金属(B)粉末量の合計量。
(工程(vii))
次いで、真空中、900℃にて30分間焼成することにより、基板の両面にメタライズ層25を有するメタライズドセラミックスビア基板100bを作製した。この際、窒化アルミニウム製のセッター内(密閉容器内)に基板を収容した状態にて基板の焼成をおこなった。得られたメタライズドセラミックスビア基板100bは、上記の方法で導電性ビア23の緻密性の評価及び窒化チタン層の有無の確認を行った。結果を表2に示す。得られたメタライズドセラミックスビア基板100bは、上記した方法でメタライズドセラミックスビア基板断面の観察試料を作製し、走査型電子顕微鏡による観察をおこなったが、基板両面のメタライズパターン25は、ボイド等の欠陥は無く導電性ビア23を介して接合していた。また、メタライズパターン25表面には導電性ビアに23起因するような凹み等の欠陥はみられなかった。
<実施例7(第2の本発明、第5の本発明)>
(第一金属ペーストの作製)
実施例1の第一金属ペーストと同様にして作製した。
(第三金属ペーストの作製)
実施例6の第三金属ペーストと同様にして作製した。
(第五金属ペーストXの作製)
実施例6の第四金属ペーストと同様にして作製した。
(第五金属ペーストYの作製)
実施例1の第二金属ペーストと同様にして作製した。
(メタライズドセラミックスビア基板100cの製造)
(工程(i)、工程(ii))
上記第一金属ペーストを、直径0.2mmのスルーホール12を有する厚さ0.64mmの窒化アルミニウム焼結体基板(トクヤマ社製、商品名SH−30)のスルーホール12内へ、メタルマスクを使用しスクリーン印刷法にて充填し、100℃で10分間乾燥させた。次いで、基板の両面をバフ研磨し基板表面にはみ出した第一金属ペーストを完全に除去した。
(工程(iii))
次に、上記第三金属ペーストを、第一金属ペーストを充填したスルーホール12を覆うように、上記基板上に、スクリーン印刷法にて印刷し、100℃で10分間乾燥させ第三金属ペースト層24を形成した。基板の裏面にも同様にして第三金属ペースト層を形成した(裏面は図示していない)。
(工程(iv))
次いで、上記第五金属ペーストXを、スクリーン印刷法にて第三金属ペースト層24上に重ねて印刷し、100℃で10分間乾燥させ、第五金属ペースト層Xを形成した。基板の裏面にも同様にして第五金属ペースト層Xを形成した。更に、上記第五金属ペーストYを、直径0.25mmのスルーホールを有するメタルマスクを使用しスクリーン印刷法にて第五金属ペースト層X上に印刷し、100℃で10分間乾燥させ第五金属ペースト層Yを形成した。基板の裏面にも同様にして第五金属ペースト層Yを形成した。この際、第五金属ペースト層Yは、基板表面と垂直方向から見たときの円形の印刷パターンの中心が、基板の各スルーホールの中心とほぼ重なる位置に配置されるように、柱状に形成した。また、スルーホール12に充填された第一金属ペースト中の金属(B)粉末、第三金属ペースト層中の金属(B)および第五金属ペースト層X中の金属(B)粉末の合計量を100質量部としたときの、第五金属ペースト層に含まれる金属(A)粉末の量(A/B1+3+5×100)が50質量部となるように、第五金属ペースト層Yの厚みを調整した。(A):第五金属ペースト層に含まれる金属(A)粉末量、(B1+3+5):第一、第三、第五金属ペースト層に含まれる金属(B)粉末量の合計量。
(工程(v))
次いで、真空中、900℃にて30分間焼成することにより、基板の両面にメタライズ層を有するメタライズドセラミックスビア基板100cを得た。この際、窒化アルミニウム製のセッター内(密閉容器内)に基板を収容した状態にて基板の焼成をおこなった。得られたメタライズドセラミックスビア基板100cは、上記の方法で導電性ビアの緻密性の評価及び窒化チタン層の有無の確認を行った。結果を表2に示す。更に、上記した方法でメタライズドセラミックスビア基板断面の観察試料を作製し、走査型電子顕微鏡による観察、及びエネルギー分散型X線分析装置による元素マッピングをおこなった。図2に導電性ビア23の走査型電子顕微鏡写真を、図3に窒化アルミニウム焼結体基板10と導電性ビア23との界面近傍における元素マッピング写真を示す。図2より、基板両面のメタライズパターン25が、ボイド等の欠陥無く導電性ビア23を介して接合していることが確認できる。また、図3より、焼結体基板10と導電性ビア23とがボイド等の欠陥無く接合されており、界面にチタン成分が偏在していることから、接合界面に窒化チタン層が形成されていることが確認できる。
<実施例8(第2の本発明、第5の本発明)>
ペーストの原料組成を表1に示した組成とした以外は、実施例7と同様にしてメタライズドセラミックスビア基板100cを作製し、上記の方法で導電性ビア23の緻密性の評価及び窒化チタン層の有無の確認を行った。但し、メタライズドセラミックスビア基板100cを作製する際に第五金属ペースト層Yは形成せず、スルーホール12に充填された第一金属ペースト中の金属(B)粉末、第三金属層ペースト層中の金属(B)および第五金属ペースト層X中の金属(B)粉末の合計量を100質量部としたときの、第五金属ペースト層に含まれる金属(A)粉末の量(A/B1+3+5×100)が80質量部となるように、第五金属ペースト層Xの厚みを調整した。結果を表2に示す。(A):第五金属ペースト層に含まれる金属(A)粉末量、(B1+3+5):第一、第三、第五金属ペースト層に含まれる金属(B)粉末量の合計量。
<比較例1〜3>
実施例1において、ペーストの原料組成を表1に示した組成とした以外は、実施例1と同様にしてセラミックスビア基板及び評価用メタライズド基板を作製し、以下の分析・評価をおこなった。但し、比較例1及び3では、セラミックスビア基板及び評価用メタライズド基板作製の際、第二金属ペースト層22を形成しなかった。結果を表2に示す。
比較例1の製造方法では、第二金属ペースト層22を形成しなかったため、焼成時にスルーホール12内に液相の流入が無かった為に焼結が不十分となり、窒化チタン層の形成も殆ど認められなかった。このため、ビア内には多数のボイドが存在した。また、接合強度が極めて小さく、評価用メタライズド基板に無電解ニッケルメッキを施す際、メッキの前処理工程においてメタライズ層が剥離したため、接合強度の試験ができなかった。比較例2の製造方法では、第一金属ペースト中に水素化チタン粉が含有されていない為、得られたセラミックスビア基板において、窒化アルミニウム焼結体基板10とビアとの界面には窒化チタン層の形成が認められず、界面には多数の隙間が観察された。このため、接合強度が極めて小さく、評価用メタライズド基板に無電解ニッケルメッキを施す際、メッキの前処理工程においてメタライズ層が剥離したため、接合強度の試験ができなかった。比較例3の製造方法では、Ag−Cu合金粉末を含む第二金属ペースト層22をスルーホール12上に形成せず、代わりにAg−Cu合金粉末を第一金属ペーストに添加したため、ペースト中の金属粒子間の空隙が、焼結の際に埋まることなくビア中にボイドとして残存した。このため、ビア内には多数のボイドが存在した。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うセラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板、セラミックスビア基板の製造方法、および、メタライズドセラミックスビア基板の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
10 セラミックス焼結体基板
12 スルーホール
20 第一金属ペースト
22 第二金属ペースト層
23 導電性ビア
24 第三金属ペースト層
25 メタライズドパターン
26 第四金属ペースト層
27 第五金属ペースト層

Claims (7)

  1. セラミックス焼結体基板に導電性ビアが形成されてなるセラミックスビア基板であって、
    融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)、該金属(A)よりも融点が高い金属(B)、および、活性金属を含む導電性の金属がスルーホールに密充填されてなる前記導電性ビアを有し、前記導電性ビアと前記セラミックス焼結体基板との界面に活性層が形成されている、セラミックスビア基板。
  2. 前記融点が600℃以上1100℃以下の金属(A)が、金ろう、銀ろう、および、銅から選ばれる一種または二種以上である、請求項1に記載のセラミックスビア基板。
  3. 前記金属(A)よりも融点が高い金属(B)が、銀、銅および金から選ばれる一種または二種以上である、請求項1または2に記載のセラミックスビア基板。
  4. 前記活性層が、前記活性金属と、前記セラミックス焼結体基板のセラミックス成分とが反応して形成された反応層である、請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックスビア基板。
  5. 前記活性金属がチタンであり、該チタンと反応する前記セラミックス成分が窒素であり、前記反応層が窒化チタン層である、請求項4に記載に記載のセラミックスビア基板。
  6. 前記セラミックス焼結体基板が窒化アルミニウム焼結体基板である、請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックスビア基板。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックスビア基板の、表面および/または裏面に、金属(A)、金属(B)および活性金属を含む導電性の金属からなる配線パターンが形成されている、メタライズドセラミックスビア基板。
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