JP2015063199A - 車両用ドア - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、シール部材の抜け止めが可能な車両用ドアを提供する。
【解決手段】車両用ドア10は、ドアの周縁部に取り付けられるドアロアガーニッシュ25と、ドアロアガーニッシュ25の周縁部と車体12との間をシールするシール部材28と、を備え、ドアロアガーニッシュ25は、意匠面を形成する外表部材26と、外表部材26に取り付けられる補強部材27とを備え、シール部材28は、外表部材26と補強部材27との間に挟持される。また、外表部材26と補強部材27によって、ドアロアガーニッシュ25の長手方向に延びる閉断面部75を形成し、シール部材28は、端部にフック部83を備え、フック部83は、閉断面部75内部に配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用ドアの構造に関する。
車両用ドアには、乗降口の下枠部(サイドシル)まで延びる外装部材(ドアロアガーニッシュ)を設けたものがある。
特許文献1には、ドア本体の車外側の外面の下部に重なり覆うとともに、ドア本体の下縁よりも下方に延びた外装部材(ドアロアガーニッシュ)と、該外装部材のドア本体の下縁よりも下方に延びた部位に取付けられ、ドアを閉じると乗降口枠部に接触しているシール部材と、を備える車両用ドアが記載されている。
特許文献1には、ドアの下部にドアロアガーニッシュを設け、そのドアロアガーニッシュの下端に閉断面部を設けると共に、下端と車体との間をシールするシール部材を閉断面部にクリップで固定することが開示されている。また、シール部材にドア面方向に延びる下部外面シール部を設け、ドア本体の下部(下端近傍の外面)とドアロアガーニッシュの下部(リブ)との間に挟み込んで固定することが開示されている。
特開2012−218653号公報(図11、図12)
特許文献1では、ドアロアガーニッシュ下端近傍に閉断面形状を形成できる場合は、シール部材をクリップで機械的に固定することができる。
しかし、ドアのデザインによっては、ドアロアガーニシュの下端近傍に閉断面を形成するスペースが無い場合もある。この場合、下端よりも離れた位置に閉断面部を形成することがある。但し、その閉断面部までシール部材を延ばして、その部位でクリップ止めすると、シール部材の大きさが大きくなってしまう。また、閉断面部まで至る間では、シール部材を機械的に固定できないので、シール部材がバタつく(ねじり変形する)おそれもある。
また、ドアの下端とロアガーニッシュの下端が接近している場合は、ドアの外面とロアガーニッシュとの間にシール部材を挟んで固定することが考えられる。しかし、デザインによってはドアの下端とロアガーニッシュの下端が離れている場合も考えられ、この場合は、上述した場合と同様にシール部材が大型化してしまうおそれがあった。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、シール部材の抜け止めが可能な車両用ドアを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、車体のドア開口部を開閉するドアと、前記ドアの周縁部に取り付けられるガーニッシュと、前記ガーニッシュの周縁部と前記車体との間を密着するシール部材と、を備え、前記ガーニッシュは、意匠面を形成する外表部材と、前記外表部材に取り付けられる補強部材とを備え、前記シール部材は、前記外表部材と前記補強部材との間に挟持されることを特徴とする。
このような構成によれば、外表部材に取り付けられる補強部材との間にシール部材を挟持することで、ガーニッシュの周縁に閉断面部を形成するスペースが無い場合でも、シール部材を大型化することなく固定できる。
また、ガーニッシュ単体にシール部材を固定することができるので、ドアとガーニッシュの周縁との間に距離がある場合でも、シール部材を大型化することなく固定することができる。
また、前記外表部材と前記補強部材によって、前記ガーニッシュの長手方向に延びる閉断面部を形成し、前記シール部材は、端部にフック部を備え、前記フック部は、前記閉断面内部に配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、閉断面部の内面にフック部を係止することができるので、フック部という簡単な構成で、シール部材の抜け止めが可能になる。また、剛性を高める閉断面部を利用してフック部を係止できるので、構造の簡略化を図ることができる。さらに、剛性の高い位置で、シール部材を固定できる利点がある。
また、前記補強部材は、前記閉断面部から前記ガーニッシュの周縁に向かって延びるフランジ部を備え、前記シール部材は、前記車体に密着するシール部と、前記シール部から前記フック部までを接続する接続部を備え、前記接続部は、前記外表部材と前記フランジ部で挟持されることを特徴とする。
このような構成によれば、接続部を面で挟持することができるので、保持性を向上させることができる。
また、前記接続部は、貫通孔を備え、前記フランジ部は、前記貫通孔に挿入される凸部を備え、前記凸部と前記外表部材との間が固定されることを特徴とする。
このような構成によれば、接続部を挟持しながら、必要な位置で閉断面部のガーニッシュ周縁側で補強部材と外表部材を固定できるので、補強部材の取り付け剛性を確保することができる。また、閉断面部を有することで、ガーニッシュの剛性を確保することができる。さらに、貫通孔に凸部を係合させることによって、シール部材の長手方向おけるズレを抑制することができる。
また、前記ドアの周縁と前記ガーニッシュの周縁との間に閉断面部を配置することを特徴とする。
このような構成によれば、ドア周縁とガーニッシュ周縁との距離が離れている場合であっても、ガーニッシュのバタつき(ねじり変形)を防止することができる。
本発明によれば、簡単な構成で、シール部材の抜け止めが可能な車両用ドアを提供することができる。
本発明の実施形態に係る車両用ドアの側面図である。 上記実施形態に係る車両用ドアの内側側面図である。 図1のA−A矢視端面図である。 上記実施形態に係る車両用ドアの要部端面図である。 上記実施形態に係る車両用ドアの下部の側面図である。 図5のA−A矢視断面図である。 図5のB−B矢視断面図である。 第1の参考例に係る車両用ドアの要部端面図である。 第2の参考例に係る車両用ドアの要部端面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態について、図1乃至図7を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。また、方向を説明する場合は、車両の運転者からみた前後左右上下に基づいて説明する。なお、車幅方向と左右方向は同義である。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ドアの側面図である。図2は、車両用ドアの内側側面図である。図3は、図1のA−A矢視端面図である。図4は、車両用ドアの要部端面図である。なお、本実施形態に係る車両用ドアは、左右対称構造であるので、以下の説明では右前側のドアの構造について説明し、他方側の構造の説明を省略する。
図1、図2に示すように、本実施形態に係る車両用ドア10を有する車両Cは、例えば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)やFR(フロントエンジン・リヤドライブ)や四輪駆動の乗用車等である。
[車両用ドアの構成]
図1〜図3に示すように、車両用ドア10は、車体12に開閉自在に取り付けたドア本体11と、このドア本体11の車室外側のドア半体を形成するアウタパネル21(図3参照)と、ドア本体11の車室内側のドア半体を形成するインナパネル22と、インナパネル21の車内側に設置されるドアライニング23(図3参照)と、ドア本体11の下部15の外側(車外側)に取り付けた外装部材(ドアロアガーニッシュ)25と、ドアロアガーニッシュ25の周縁部と車体12との間をシール(密着)するシール部材28と、を備える。
図3に示すように、ドアロアガーニッシュ25は、意匠面を形成する外表部材26と、外表部材26に取り付けられる補強部材27とを備え、シール部材28は、外表部材26と補強部材27との間に挟持される。
ドアロアガーニッシュ25の外表部材26は、ドア本体11の車外側の外面56の下部57(図1参照)に重なり覆うとともに、ドア本体11の下縁(縁)55よりも相当程度下方に延びている。
ドアロアガーニッシュ25の補強部材27は、外表部材26の車内側で外表部材26を内側から支持して外表部材26を補強する。補強部材27は、外表部材26と共に、アウタパネル21の下縁55よりも下方に延びている。
シール部材28は、アウタパネル21の下縁55よりも下方に延びた外表部材26と補強部材27との間に挟持され、車両用ドア10を閉じると乗降口枠部17(図4参照)に接触して、ドアロアガーニッシュ25の周縁部と車体との間をシールする。
また、車両用ドア10は、ドア本体11の上部に取り付けたサッシュ13と、サッシュ13に支持されるガラス14と、を備える。車両用ドア10は、車体12のサイドボデーに形成された乗降口枠部17(ドア開口枠部)(図4参照)に取り付けられる。左前側のドアは、右前側のドアとほぼ対称である。
[ドア本体の構成]
図3に示すように、ドア本体11は、アウタパネル21の外周部と、インナパネル22の周部とを接合して主に形成され、ドア本体11の内部に中空部24が形成されている。ドア本体11は、このドア本体11の車室内側面11aがインナパネル22で形成され、車室外側面11bがアウタパネル21によって形成されている。
[アウタパネルの構成]
アウタパネル21は、圧延鋼板、アルミニウム合金製圧延板材、あるいは、マグネシウム合金製の圧延板材等をプレス加工して形成されたパネル部材からなる。
図3に示すように、アウタパネル21は、アウタ下部重ね接合部(アウタ周縁部)50が形成され、アウタ下部重ね接合部50に連ねて第1曲げ成形部51、第2曲げ成形部52及びアウタ曲面部53からなるアウタ膨出部54が車体12の外側へ向かって押し出されている。
そして、アウタ下部重ね接合部50及び第1曲げ成形部51が補強部材27を挟んでドアロアガーニッシュ25の外表部材26で覆われ、第2曲げ成形部52及びアウタ曲面部53がドアロアガーニッシュ25の外表部材26で覆われている。
[インナパネルの構成]
図3に示すように、インナパネル22は、圧延鋼板あるいはアルミニウム合金製圧延板材、あるいは、マグネシウム合金製の圧延板材等をプレス加工して形成されたパネル部材からなる。
インナパネル22は、インナ下部重ね接合部(インナ周縁部)60が形成され、インナ下部重ね接合部60に連ねて第1曲げ成形部61、第2曲げ成形部62及びインナ曲面部63からなるインナ膨出部64が車両12の内側へ向かって押し出されている。
インナパネル22には、作業孔と、スピーカ設置孔と、部材、配線等を設置するための孔等(図示省略)が形成され、それらの孔を塞ぐドアホールシール(図示省略)が設けられている。
[ドアライニングの構成]
図2に示すように、ドアライニング23は、インナパネル22の車室内側面11aに設けられる樹脂製の部材であり、いわゆるドアトリムである。ドアライニング23の車内側には、ドアハンドル20や、パワーウインドスイッチ等(図示省略)が取り付けられている。
[ドアロアガーニッシュの構成]
図3に示すように、ドアロアガーニッシュ25は、意匠面を形成する外表部材26と、外表部材26の車内側に取り付けられる補強部材27とを備える。ドアロアガーニッシュ25は、外表部材26と補強部材27によって、ドアロアガーニッシュ25の長手方向に延びる閉断面部75を形成している。
<外表部材の構成>
外表部材26は、樹脂製であり、車両C正面視(図3の端面図の視点)でアウタパネル21のアウタ曲面部53からドア本体11(アウタパネル21)の下縁55よりも相当程度下方に延び、且つ下縁55の下に入り込むように曲面に形成されている。なお、外表部材26の稜線26aと凹部26b(図1参照)は、それぞれデザイン線を形成している。外表部材26の凹部26bは、ドア本体11の車外側の外面56の凹部26bと視覚的に連続して見えるように形成し、見栄えを向上させている。
<補強部材の構成>
図3に示すように、補強部材27は、ドアロアガーニッシュ25の周縁に向かって延びるフランジ部71と、外表部材26との間で閉断面部75,75aを形成して剛性を高める第1折曲部72及び第2折曲部73と、を有する。
第1折曲部72は、外表部材26から離れる方向(車内側)に折り曲げられて閉断面部75を形成している。また、第2折曲部73は、第1折曲部72よりも上部にあって、外表部材26から離れる方向(車内側)に折り曲げられて閉断面部75aを形成している。閉断面部75,75aは、ドアロアガーニッシュ25の長手方向に延びている。
[シール部の構成]
シール部材28は、リップ形状のシール部81と、補強部材27のフランジ部71と外表部材26との間でシール部材28を挟持する接続部82と、閉断面部75内部に配置され、シール部材28の抜けを防止するフック部83と、点接触により当接力を安定化させるための突起84〜86と、を有する。フック部83は、接続部82より車内側(外表部材26と反対側)に突出している。接続部82は、シール部81からフック部83までを接続する。接続部82は、外表部材26とフランジ部71の面で挟持される。
[ドアロアガーニッシュの取付]
上記ドアロアガーニッシュ25と外表部材26と補強部材27とアウタパネル21とは、例えば両面テープからなる接着剤91〜95により接合される。この場合、外表部材26の周縁とシール部材28とを接着剤91により接合する。そして、外表部材26が接合されたシール部材28を補強部材27のフランジ部71で挟み込むようにして、補強部材27と外表部材26とを接着剤92,93により接合する。そして、シール部材28と外表部材26と補強部材27とが一体となったドアロアガーニッシュ25と、アウタパネル21のアウタ下部重ね接合部50及びアウタ曲面部53とを接着剤94,95により接合する。
[車両用ドアと車体の構成]
図4に示すように、車体12は、サイドボデー16に形成された乗降口枠部(ドア開口枠部)17を有する。
乗降口枠部17は、フロントピラーやセンタピラー(図示省略)やサイドシル18で形成され、乗降口枠部17の下枠部はサイドシル18である。サイドシル18は、サイドシルサイドシルカバー19により覆われている。乗降口枠部17には、車両用ドア10が取り付けられる。
次に、補強部材27とシール部材28の構成例を説明する。
図5乃至図7は、車両用ドアの要部の構成を示す図である。図5は、車両用ドアの下部の側面図である。図6は、図5のA−A矢視断面図である。図7は、図5のB−B矢視断面図である。
図6に示すように、シール部材28は、接続部82に貫通孔87を設ける。図7に示すように、貫通孔87は、シール部材28の長手方向に所定間隔毎に複数配置される。本実施形態では、貫通孔87は、長手方向が幅方向よりも長い矩形形状とし、Rを有する。
図5乃至図7に示すように、補強部材27は、フランジ部71に、貫通孔87に挿入される凸部74を設ける。フランジ部71の凸部74は、接続部82の貫通孔87に対向するように、シール部材28の長手方向に複数設けられる。
図6、図7に示すように、フランジ部71の凸部74は、接続部82の貫通孔87に係合され、凸部74と外表部材26の内側面とは両面テープなどの接着剤96により固定される。
以上説明したように、本実施形態の車両用ドア10は、ドアの周縁部に取り付けられるドアロアガーニッシュ25と、ドアロアガーニッシュ25の周縁部と車体12との間をシールするシール部材28と、を備え、ドアロアガーニッシュ25は、意匠面を形成する外表部材26と、外表部材26に取り付けられる補強部材27とを備え、シール部材28は、外表部材26と補強部材27との間に挟持される。
この構成により、外表部材26に取り付けられる補強部材27との間にシール部材28を挟持することで、ドアロアガーニッシュ25の周縁に閉断面部を形成するスペースが無い場合でも、シール部材28を大型化することなく固定することができる。
また、ドアロアガーニッシュ25単体にシール部材を固定することができるので、ドアとドアロアガーニッシュ25の周縁との間に距離がある場合でも、シール部材28を大型化することなく固定することができる。同様の理由で、ドア周縁とガーニッシュ周縁との距離が離れている場合であっても、ガーニッシュのバタつき(ねじり変形)を防止することができる。
また、本実施形態では、外表部材26と補強部材27によって、ドアロアガーニッシュ25の長手方向に延びる閉断面部75を形成し、シール部材28は、端部にフック部83を備え、フック部83は、閉断面部75内部に配置する。
これにより、閉断面部75の内面にフック部を係止することができるので、フック部材という簡単な構成で、シール部材の抜け止めが可能になる。また、剛性を高める閉断面部75を利用してフック部83を係止できるので、構造の簡略化を図ることができる。さらに、剛性の高い位置で、シール部材28を固定できる利点がある。
また、本実施形態では、補強部材27は、閉断面部75からドアロアガーニッシュ25の周縁に向かって延びるフランジ部71を備え、シール部材28は、車体12に密着するシール部81と、シール部81からフック部83までを接続する接続部82を備え、接続部82は、外表部材26とフランジ部71で挟持される。
接続部82を面で挟持することができるので、保持性を向上させることができる。
また、本実施形態では、接続部82は、貫通孔87を備え、フランジ部71は、貫通孔87に挿入される凸部74を備え、凸部74と外表部材26との間を接合する。
これにより、接続部82を挟持しながら、必要な位置で閉断面部75のドアロアガーニッシュ25周縁側で補強部材27と外表部材26を固定できるので、補強部材27の取り付け剛性を確保することができる。また、貫通孔87に凸部74を係合させることによって、シール部材28の長手方向におけるズレを抑制することができる。
(第1の参考例)
図8は、第1の参考例に係る車両用ドアの要部端面図である。本参考例の説明において、図3と同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
図8に示すように、車両用ドア10Aは、意匠面を形成する外表部材126と、外表部材126に取り付けられる補強部材127とを有するドアロアガーニッシュ125と、接続部171が閉断面部175にクリップ止めされるシール部材128と、シール部材128を、補強部材127により形成された閉断面部175にクリップ止めするクリップ190と、を備える。
ドアロアガーニッシュ125の外表部材126は、ドア本体11の車外側の外面56の下部57(図1参照)に重なり覆うとともに、アウタパネル21の下縁(縁)55よりも相当程度下方に延びている。外表部材126は、補強部材127の端部に形成された係合部174に差し込んで、端部同士を補強部材127に係合させる爪部126aを有する。
ドアロアガーニッシュ125の補強部材127は、外表部材126の車内側で外表部材126を内側から支持して外表部材126を補強する。補強部材127は、外表部材126と共に、アウタパネル21の下縁55よりも下方に延びている。補強部材127は、
補強部材127は、ドアロアガーニッシュ125の周縁に向かって延びるフランジ部171と、外表部材126との間で閉断面部75を形成して剛性を高める第1折曲部172及び第2折曲部173と、補強部材127の端部に係合するための差し込み口である係合部174と、シール部材128を閉断面部175にクリップ190を係止させる開口部175と、クリップ190を連通させるクリップ連通孔175と、を有する。クリップ連通孔176には、クリップ190の挿入を容易にし、且つ挿入後のクリップ190の抜けを防ぐテーパ面176aが形成されている。
シール部材128は、さらにクリップ190を連通させるクリップ連通孔88を有する。
クリップ190は、挿入方向の後ろ側に後退したかさ部190aを有する。
なお、シール部材128のクリップ連通孔88及び補強部材127のクリップ連通孔175は、ドアロアガーニッシュ125の長手方向に、ほぼ等間隔で複数形成されている。
次に、本参考例に係る車両用ドア10Aの作用効果について説明する。
図8に示すように、補強部材127の係合部174に、外表部材126の端部の爪部126aを差し込む。そして、補強部材127の他端、すなわち補強部材127の第2折曲部173で折り曲げられた外表部材126の内側面に対向する面に、接着剤92を付けて外表部材126の内側面に接着し、外表部材126と補強部材127とを一体化する。これにより、補強部材127と外表部材126の内側面との間で閉断面部175が形成される。この閉断面部175は、ドアロアガーニッシュ125の長手方向に延びている。
そして、補強部材127のフランジ部171に、シール部材128の接続部82を接着剤91を挟んで重ね合わせ、シール部材128のクリップ連通孔88及び補強部材127のクリップ連通孔175に、クリップ190の先端部を挿入する。クリップ190の先端部は、テーパ面176aに案内されて閉断面部175に突出する。一旦、閉断面部175に挿入されたクリップ190の先端部は、かさ部190aの先端が開口部175に引っ掛かることによって戻り(脱落)が規制される。
なお、本参考例では、接続部171を閉断面部175にクリップ止めする手段としてクリップ止めを示したが、接続部171が閉断面部175に機械的結合するものであればクリップ止めに限定されない。機械的結合は、本実施形態ではクリップ190による結合としたが、クリップ190による結合以外に、クランプなどの挟み金具による結合、ナットにボルトをねじ込む、つまりねじによる結合(締結)、リベットによる結合、リベットのように軸にねじを形成せずに係止するクリップなど鋲による結合、圧入による結合、帯鋼板や鋼線を用いたバンドによる結合、ばねによる結合、止め輪による結合を挙げることができる。
このように、本参考例によれば、接続部171は、閉断面部175にクリップ止めされるので、ドアロアガーニッシュ125の周縁部の近傍に閉断面部175を設けることが可能なデザインの異なる機種において、より簡単な固定方法で共用したシール部材128を固定することができる。
(第2の参考例)
図9は、第2の参考例に係る車両用ドアの要部端面図である。本参考例の説明において、図3及び図8と同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
図9に示すように、車両用ドア10Bは、意匠面を形成する外表部材126と、外表部材126に取り付けられる補強部材227とを有するドアロアガーニッシュ225と、ドアロアガーニッシュ225の周縁部と車体12との間をシールするシール部材28と、を備える。シール部材28の接続部82は、アウタパネル21(ドア外表面)と補強部材227のフランジ部271との間に挟持される。
ドアロアガーニッシュ225の外表部材126は、ドア本体11の車外側の外面56の下部57(図1参照)に重なり覆うとともに、アウタパネル21の下縁(縁)55よりも下方に延びている。但し、ドアロアガーニッシュ225の外表部材126は、アウタパネル21の下縁(縁)55よりも下方に延びてはいるものの、図8のドアロアガーニッシュ125と比較して分かるように、アウタパネル21の下縁(縁)55からそれ程下方まで延びてはいない。換言すれば、アウタパネル21の下縁(縁)55は、ドアロアガーニッシュ225の外表部材126に対して、相当程度下方まで延びた構成となっている。
外表部材126は、補強部材227の端部に形成された係合部274に差し込んで、端部同士を補強部材227に係合させる爪部126aを有する。
ドアロアガーニッシュ225の補強部材227は、外表部材126の車内側で外表部材126を内側から支持して外表部材126を補強する。補強部材227は、外表部材126と共に、アウタパネル21の下縁55よりも下方に延びている。但し、上述したように、補強部材227は、アウタパネル21の下縁55と近接して配置されている。
補強部材227は、ドアロアガーニッシュ225の周縁に向かって延びるフランジ部271と、クリップ290を連通させるクリップ連通孔272と、を有する。
補強部材227のフランジ部271と外表部材126の内面側とは、閉断面部275を形成している。閉断面部275は、ドアロアガーニッシュ225の長手方向に延びている。
次に、本参考例に係る車両用ドア10Bの作用効果について説明する。
図9に示すように、補強部材227の係合部274に、外表部材126の端部の爪部126aを差し込む。そして、補強部材227の他端を、外表部材126の内側面に対向させる。これにより、補強部材227のフランジ部271と外表部材126の内側面との間で閉断面部275が形成される。この閉断面部275は、ドアロアガーニッシュ225の長手方向に延びている。
補強部材227のフランジ部271に、シール部材128の接続部82を接着剤91を挟んで重ね合わせ、フランジ部271にシール部材128の接続部82を当接させる。シール部材128の接続部82が接合された補強部材227とアウタパネル21(ドア外表面)との間でシール部材128の接続部82を挟持する。本実施形態では、アウタパネル21の下縁(縁)55及び第2曲げ成形部52及びアウタ曲面部53(アウタ膨出部54)の3点で当該接続部82を挟持する。
そして、アウタパネル21の切欠き121及び補強部材227のクリップ連通孔272に、クリップ290を挿入し、クリップ290締結によりアウタパネル21(ドア外表面)と補強部材227とを固定する。
このように、本参考例によれば、接続部82は、車体のアウタパネル21(ドア外表面)と補強部材227との間で挟持されるので、ドア周縁とドアロアガーニッシュ225周縁との距離が近いデザインの異なる機種において、より簡単な固定方法で共用したシール部材を固定することができる。
以上、上記実施形態及び参考例に係る車両用ドアについて、図面を参照して詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び参考例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、実施の形態及び参考例では、車両用ドアは、前ドアに適用した例を示したが、後ドアであってもよく、またサイドドアに限定されるものではない。
10,10A,10B 車両用ドア
11 ドア本体
12 車体
16 サイドボデー
17 乗降口枠部(ドア開口枠部)
18 サイドシル
21 アウタパネル
22 インナパネル
23 ドアライニング(ドアトリム)
25,125,225 ドアロアガーニッシュ
28 シール部材
26 外表部材
27,127,227 補強部材
71,171,271 フランジ部
74 凸部
75,75a,175,275 閉断面部
81 シール部
82 接続部
83 フック部
87 貫通孔

Claims (5)

  1. 車体のドア開口部を開閉するドアと、
    前記ドアの周縁部に取り付けられるガーニッシュと、
    前記ガーニッシュの周縁部と前記車体との間を密着するシール部材と、を備え、
    前記ガーニッシュは、意匠面を形成する外表部材と、前記外表部材に取り付けられる補強部材とを備え、
    前記シール部材は、前記外表部材と前記補強部材との間に挟持されることを特徴とする車両用ドア。
  2. 前記外表部材と前記補強部材によって、前記ガーニッシュの長手方向に延びる閉断面部を形成し、
    前記シール部材は、端部にフック部を備え、
    前記フック部は、前記閉断面内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア。
  3. 前記補強部材は、前記閉断面部から前記ガーニッシュの周縁に向かって延びるフランジ部を備え、
    前記シール部材は、前記車体に密着するシール部と、前記シール部から前記フック部までを接続する接続部を備え、
    前記接続部は、前記外表部材と前記フランジ部で挟持されることを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア。
  4. 前記接続部は、貫通孔を備え、
    前記フランジ部は、前記貫通孔に挿入される凸部を備え、
    前記凸部と前記外表部材との間が固定される
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両用ドア。
  5. 前記ドアの周縁と前記ガーニッシュの周縁との間に閉断面部を配置する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用ドア。
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