JP2015061742A - メッシュフィルタ - Google Patents

Abstract

【課題】フィルタの性能を維持しつつ、メッシュフィルタの生産性向上及び低廉化を図る。
【解決手段】内筒２の外周面２ａと外筒３の内周面３ａとを接続するフィルタ部４は、内筒２の中心軸５に直交する仮想平面をＸ−Ｙ平面とすると、このＸ−Ｙ平面に沿って形成されている。フィルタ部４のうちの内筒２と外筒３との接続部分以外の部分は、Ｘ軸に直交し且つＹ軸と並行に等間隔で複数形成された縦リブ６と、この縦リブ６と直交し且つＸ軸と並行に等間隔で複数形成された横リブ７と、によって四角形状の開口部８が複数形成されている。縦リブ６及び横リブ７は、リブ幅寸法（Ｌ２，Ｌ３）が０．０７〜０．１ｍｍで、且つ、内筒２の中心軸５に沿った厚さ寸法（Ｌ４，Ｌ５）が０．２〜０．４ｍｍである。金型１０のキャビティ１３内に溶融状態の熱可塑性樹脂を射出することにより、内筒２、外筒３、及びフィルタ部４が一体に成形される。
【選択図】図１

Description

この発明は、流体中の異物を濾し取るために使用するメッシュフィルタに関し、特に、射出成形により一体成形されたメッシュフィルタに関するものである。

例えば、自動車の燃料噴射装置に接続される燃料供給管や潤滑装置等のオイル配管の途中にはメッシュフィルタが配置され、このメッシュフィルタで燃料やオイル等の流体中の異物を濾し取るようになっている。

（第１従来例）
図６は、従来のメッシュフィルタ１００を示す図である。なお、図６（ａ）は従来のメッシュフィルタ１００の平面図であり、図６（ｂ）は図６（ａ）のＡ４−Ａ４線に沿って切断して示すメッシュフィルタ１００の断面図である。また、図６（ｃ）は従来のメッシュフィルタ１００の成形方法における第１段階を説明するための金型１０１の断面図であり、図６（ｄ）は従来のメッシュフィルタ１００の成形方法における第２段階を説明するための金型１０１の断面図であり、図６（ｅ）は図６（ａ）のＢ４部の拡大図である。

この図６に示す従来のメッシュフィルタ１００は、オイルが通過でき、且つ、所定の大きさ（例えば、直径０．１ｍｍ）の異物（金属粉、塵埃等）を濾し取ることができる開口部１０２（例えば、０．１ｍｍ×０．１ｍｍの四角形の開口部）が多数形成されたメッシュ部材１０３と、このメッシュ部材１０３の周縁に沿って取り付けられた樹脂製の枠部材１０４と、を有している（図６（ａ）〜（ｂ）参照）。このメッシュフィルタ１００は、メッシュ部材１０３が枠部材１０４に張り渡された形状になっている（図６（ａ）〜（ｂ），（ｅ）参照）。

このような従来のメッシュフィルタ１００は、図６（ｃ）〜（ｄ）に示すようにしてインサート成形される。先ず、第１金型１０５と第２金型１０６を型開きした状態において、第１金型１０５のキャビティ１０７内の台座部１０８上にメッシュ部材１０３を配置する（図６（ｃ）。次いで、第２金型１０６を第１金型１０５に押圧し（第１金型１０５と第２金型１０６とを型締めし）、第２金型１０６の押圧部１１０と第１金型１０５の台座部１０８との間にメッシュ部材１０３を挟持し、第１金型１０５と第２金型１０６の型合わせ面側に枠部材１０４を形作るためのキャビティ１０７を形成した後、このキャビティ１０７に図示しないゲートから溶融樹脂が射出されることにより（図６（ｄ）参照）、メッシュ部材１０３の周縁に樹脂製の枠部材１０４が一体に成形される（特許文献１，２参照）。

実開平５−４４２０４号公報 特開２００７−１２３２号公報

しかしながら、このような従来のメッシュフィルタ１００は、インサート成形により製造されるものであるため、全体を射出成形によって一体成形する場合と比較し、メッシュ部材１０３をキャビティ１０７の所定位置に収容する工程が必要となる分だけ、製造工数が嵩んでいた。そのため、従来のメッシュフィルタ１００のフィルタ性能（所定粒径以上の異物を除去できる性能）を維持しつつ、メッシュフィルタの全体を射出成形によって一体成形することにより、メッシュフィルタの生産性を向上し、メッシュフィルタの製品価格の低廉化を図ることが求められていた。

そこで、本発明は、業界からの要望に応えるために、求められているフィルタ性能を維持しつつ、生産性を向上させることができ、製品価格の低廉化を図ることができる射出成形されたメッシュフィルタの提供を目的とする。

図１乃至図５に示すように、本発明に係るメッシュフィルタ１は、流体中の異物を濾し取るために、流路に取り付けられるようになっている。この発明に係るメッシュフィルタ１は、内筒２と、前記内筒２を取り囲む外筒３と、前記内筒２の外周面２ａと前記外筒３の内周面３ａとを前記内筒２の径方向に沿って接続するフィルタ部４と、を有している。そして、前記フィルタ部４は、前記内筒２の中心軸５に直交する仮想平面をＸ−Ｙ平面とすると、このＸ−Ｙ平面に沿って形成されている。また、前記フィルタ部４のうちの前記内筒２と前記外筒３との接続部分以外の部分は、Ｘ軸に直交し且つＹ軸と並行に等間隔で複数形成された縦リブ６と、この縦リブ６と直交し且つ前記Ｘ軸と並行に等間隔で複数形成された横リブ７と、によって四角形状の開口部８が複数形成されている。また、前記縦リブ６及び前記横リブ７は、隣り合う開口部８，８間の寸法であるリブ幅寸法（Ｌ２，Ｌ３）が０．０７ｍｍ〜０．１ｍｍで、且つ、前記内筒２の中心軸５に沿った方向の寸法である厚さ寸法（Ｌ４，Ｌ５）が０．２ｍｍ〜０．４ｍｍである。そして、この発明に係るメッシュフィルタ１は、金型１０のキャビティ１３のうちの前記内筒２を形作るキャビティ部分（第１キャビティ部分１４）に開口するゲート１８から前記キャビティ部分に溶融状態の熱可塑性樹脂が射出されることにより、前記内筒２、前記外筒３、及び前記フィルタ部４が一体に成形されている。

本発明によれば、メッシュフィルタの全体を射出成形により一体成形することができ、メッシュフィルタのフィルタ性能を維持しつつ、メッシュフィルタの生産性を向上し、メッシュフィルタの製品価格の低廉化を図ることができる。

本発明の第１実施形態に係るメッシュフィルタを示す図であり、図１（ａ）がメッシュフィルタの正面図、図１（ｂ）がメッシュフィルタの側面図、図１（ｃ）がメッシュフィルタの背面図、図１（ｄ）が図１（ａ）のＡ１−Ａ１線に沿って切断して示すメッシュフィルタの断面図、図１（ｅ）が図１（ａ）のＢ１部の拡大図、図１（ｆ）が図１（ｅ）のＡ２−Ａ２線に沿って切断して示す断面図、図１（ｇ）が図１（ｅ）のＡ３−Ａ３線に沿って切断して示す断面図である。 本発明の第１実施形態に係るメッシュフィルタの射出成形に使用される金型を示す図であり、図２（ａ）が金型の縦断面図、図２（ｂ）が図２（ａ）のＢ２部の拡大図、図２（ｃ）が図２（ｂ）のＤ方向から見た第１金型の一部平面図、図２（ｄ）が開口部を形作る突起の第１変形例を示す図（図２（ｂ）に対応する図）、図２（ｅ）が開口部を形作る突起の第２変形例を示す図（図２（ｂ）に対応する図）である。 本発明の第２実施形態に係るメッシュフィルタを示す図であり、図３（ａ）がメッシュフィルタの正面図、図３（ｂ）がメッシュフィルタの側面図、図３（ｃ）がメッシュフィルタの背面図、図３（ｄ）が図３（ａ）のＡ１−Ａ１線に沿って切断して示すメッシュフィルタの断面図、図３（ｅ）が図３（ａ）のＢ１部の拡大図、図３（ｆ）が図３（ｅ）のＡ２−Ａ２線に沿って切断して示す断面図、図３（ｇ）が図３（ｅ）のＡ３−Ａ３線に沿って切断して示す断面図である。 本発明の第２実施形態に係るメッシュフィルタの射出成形に使用される金型を示す図であり、図２（ａ）に対応する断面図である。 本発明の第３実施形態に係るメッシュフィルタを示す図（図１（ａ），図３（ａ）に対応する図）であり、第１及び第２実施形態に係るメッシュフィルタの変形例を示す図である。 従来のメッシュフィルタを示す図であり、図６（ａ）が従来のメッシュフィルタの平面図、図６（ｂ）が図６（ａ）のＡ４−Ａ４線に沿って切断して示す断面図、図６（ｃ）は従来のメッシュフィルタの成形方法における第１段階を説明するための金型断面図、図６（ｄ）は従来のメッシュフィルタの成形方法における第２段階を説明するための金型断面図、図６（ｅ）は図６（ａ）のＢ４部の拡大図である。

以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。

［第１実施形態］
図１は、本発明の第１実施形態に係るメッシュフィルタ１を示す図である。なお、図１（ａ）はメッシュフィルタ１の正面図であり、図１（ｂ）はメッシュフィルタ１の側面図であり、図１（ｃ）はメッシュフィルタ１の背面図であり、図１（ｄ）は図１（ａ）のＡ１−Ａ１線に沿って切断して示すメッシュフィルタ１の断面図である。また、図１（ｅ）は図１（ａ）のＢ１部の拡大図（メッシュフィルタ１の一部拡大図）であり、図１（ｆ）は図１（ｅ）のＡ２−Ａ２線に沿って切断して示す断面図（メッシュフィルタ１の一部拡大断面図）であり、図１（ｇ）は図１（ｅ）のＡ３−Ａ３線に沿って切断して示す断面図（メッシュフィルタ１の一部拡大断面図）である。

この図１に示すように、メッシュフィルタ１は、円筒状の内筒２（内側の枠体）と、この内筒２と同心の円筒状の外筒３（内側の枠体を取り囲む外側の枠体）と、内筒２の外周面２ａと外筒３の内周面３ａとを径方向に沿って接続するフィルタ部４と、を一体に有している。そして、このメッシュフィルタ１は、全体が６６ナイロンによって一体に形成されている。なお、このようなメッシュフィルタ１は、例えば、自動車の燃料噴射装置に接続される燃料供給管に配置されるようになっており、内筒２及び外筒３が燃料供給管路等にシール部材（図示せず）を介して取り付けられ、フィルタ部４を通過する燃料（流体）の漏洩が生じないように使用される。また、本実施形態において、内筒２の外径が１０ｍｍであり、外筒３の外径が１６ｍｍである。また、内筒２の肉厚が１ｍｍであり、外筒３の肉厚が１ｍｍである。なお、これら内筒２及び外筒３に関する数値は、例示であり、使用条件等に応じて適宜変更される。

内筒２及び外筒３は、中心軸５に沿った長さ寸法Ｌ１が同一であり、中心軸５に沿った方向の一端面２ｂ，３ｂが共に中心軸５に直交する同一の仮想平面上に位置し、中心軸５に沿った方向の他端面２ｃ，３ｃが共に中心軸５に直交する同一の仮想平面上に位置するようになっている。なお、内筒２と外筒３の関係は、本実施形態に限定されるものではなく、メッシュフィルタ１の取付状態に応じて変形され、内筒２と外筒３の中心軸５に沿った方向の寸法を異なる寸法としたり、また、内筒２の中心軸５に沿った方向の一端面２ｂは、外筒３の中心軸５に沿った方向の一端面３ｂとずれて位置するように構成してもよい。また、内筒２の中心軸５に沿った方向の他端面２ｃは、外筒３の中心軸５に沿った方向の他端面３ｃとずれて位置するように構成してもよい。

フィルタ部４は、内筒２の中心軸５に沿った方向に直交する仮想平面をＸ−Ｙ平面とすると、このＸ−Ｙ平面に沿って形成されている。そして、フィルタ部４のうちの内筒２と外筒３との接続部分以外の部分は、Ｘ軸に直交し且つＹ軸と並行に等間隔で複数形成された縦リブ６と、この縦リブ６と直交し且つＸ軸と並行に等間隔で複数形成された横リブ７と、によって四角形状の開口部８が複数形成されている。また、開口部８は、一辺が０．１ｍｍの正四角形になっている。そして、縦リブ６及び横リブ７は、隣り合う開口部８，８間の寸法（図１（ｅ）のＸ軸に沿った方向の寸法Ｌ２、又は図１（ｅ）のＹ軸に沿った方向の寸法Ｌ３）であるリブ幅寸法（Ｌ２，Ｌ３）が０．１ｍｍで、且つ、内筒２の中心軸５に沿った方向（図１（ｆ）のＺ軸方向、又は図１（ｇ）のＺ軸方向）に沿った縦リブ６及び横リブ７の寸法Ｌ４，Ｌ５である縦リブ６及び横リブ７の厚さ寸法（Ｌ４，Ｌ５）が０．３ｍｍになっている。また、このフィルタ部４は、図１（ａ）に示すように、Ｘ軸に沿った径方向寸法Ｌ６が２〜５ｍｍの範囲で形成され、メッシュフィルタ１の取り付け部の構造等に応じて最適の寸法が設定される。また、このフィルタ部４は、内筒２と外筒３との接続部分にも、一辺が０．１ｍｍの正四角形の開口部が形成されている。なお、このフィルタ部４は、内筒２と外筒３の中心軸５に沿った方向の中央部を径方向に接続するように形成されているが、これに限られず、内筒２及び外筒３の中心軸５に沿った方向の一端寄りの位置にずらして配置したり、内筒２及び外筒３の中心軸５に沿った方向の他端寄りの位置にずらして配置してもよい。

図２は、本実施形態に係るメッシュフィルタ１の射出成形に使用される金型１０を示す図である。なお、この図２において、図２（ａ）が金型１０の縦断面図であり、図２（ｂ）が図２（ａ）のＢ２部の拡大図（金型１０の一部拡大断面図）であり、図２（ｃ）が図２（ｂ）のＤ方向から見た第１金型１１の一部平面図である。

図２（ａ）に示すように、金型１０は、第１金型１１と第２金型１２の型合わせ面側に、メッシュフィルタ１を射出成形するためのキャビティ１３が形成されている。キャビティ１３は、メッシュフィルタ１の内筒２を形作るための円筒状の第１キャビティ部分１４と、メッシュフィルタ１の外筒３を形作るための円筒状の第２キャビティ部分１５と、メッシュフィルタ１のフィルタ部４を形作るための中空円板状の第３キャビティ部分１６と、を有している。そして、第１金型１１は、第１キャビティ部分１４の中心軸１７に沿った方向の一端面１４ａ側に開口するピンゲート１８が第１キャビティ部分１４の周方向に沿って等間隔で６箇所設けられている（図１（ｃ）のゲート痕１８ａ参照）。また、第１金型１１の第３キャビティ部分１６を形作る部分は、開口部８を形作るための突起２０が等間隔で複数（開口部８と同数）形成されている（図２（ｂ）〜（ｃ）参照）。この第１金型１１の第３キャビティ部分１６を形作る部分に形成された突起２０は、平面視した形状（図２（ｂ）のＤ方向から見た形状）が正四角形であり、その正四角形の一辺の寸法Ｌ７が０．１ｍｍの正四角形の開口部８を形作ることができる寸法に形成されている。また、第１金型１１の第３キャビティ部分１６を形作る部分に形成された突起２０は、その高さ寸法（図２（ｂ）のＺ軸方向に沿った寸法Ｌ８）が縦リブ６及び横リブ７の厚さ寸法（０．３ｍｍ）となるように形成されている。なお、本実施形態において、キャビティ１３に開口するピンゲート１８は、第１キャビティ部分１４の周方向に沿って等間隔で６箇所設けられる態様を例示したが、これに限られず、第１キャビティ部分１４の外径寸法等に応じて２箇所以上の複数箇所に設けられる。また、複数のピンゲート１８に代えてリングゲートを設けるようにしてもよい。

このような構造の金型１０は、図２（ａ）に示すように、第１金型１１と第２金型１２とを型締めした状態で、溶融状態の６６ナイロンが複数のピンゲート１８からキャビティ１３内に射出された後、キャビティ１３内の圧力が所定圧に保持され、金型１０が冷却される。その後、第２金型１２が第１金型１１から−Ｃ方向へ離され（型開きされ）、キャビティ１３内のメッシュフィルタ１が図示しないエジェクタピンでキャビティ１３内から押し出され、射出成形品であるメッシュフィルタ１が金型１０から取り出される（図１参照）。その後、この金型１０は、型開きの状態にある第２金型１２が＋Ｃ方向（第１金型１１に近づく方向）に移動させられ、第２金型１２が第１金型１１に押し付けられ、第１金型１１と第２金型１２とが型締めされる。このような本実施形態に係るメッシュフィルタ１の射出成形の１サイクルが、従来例に係るメッシュフィルタ１００のインサート成形の１サイクルよりも短時間になる。その結果、本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、従来例に係るメッシュフィルタ１００よりも生産性が向上し、従来例に係るメッシュフィルタ１００よりも製品価格が低廉化する。

図２（ｄ）は、開口部８を形作るための突起２０の第１変形例を示す図である。この図２（ｄ）に示すように、開口部８を形作るための突起２０は、第１金型１１の第３キャビティ部分１６を形作る部分に形成せず、第２金型１２の第３キャビティ部分１６を形作る部分にのみ形成するようしてもよい。

図２（ｅ）は、開口部８を形作るための突起２０の第２変形例を示す図である。この図２（ｅ）に示すように、開口部８を形作るための突起２０は、第１金型１１の第３キャビティ部分１６を形作る部分と、第２金型１２の第３キャビティ部分１６を形作る部分とに分けて形成するようにしてもよい。この第２変形例において、第１金型１１と第２金型１２の各々の突起２０Ａ，２０Ｂの高さ寸法は、上記実施形態及び上記第１変形例における突起２０の高さ寸法の１／２の高さ寸法に形成される。そして、第１金型１１と第２金型１２の型締め時において、突起２０Ａの頂面と突起２０Ｂの頂面が突き合わされる。

このような金型１０のキャビティ１３内には溶融状態の６６ナイロン（東レ株式会社のＣＭ３００１−Ｎ）が射出され、キャビティ１３の形状と同様の形状のメッシュフィルタ１が成形される。このメッシュフィルタ１の射出成形に使用される射出成形機（図示せず）は、ファナック株式会社製の射出成形機（Ｓ２０００ｉ ５０Ｂ）である。この射出成形機は、スクリューサイズがΦ２８であり、最大射出圧力が１９０ＭＰａである。

この射出成形機を使用した本実施形態に係るメッシュフィルタ１の射出成形は、金型１０の温度を８０℃とし、シリンダー温度（ノズル部温度）を３００℃とし、射出スピードを１４０ｍｍ／ｓｅｃとし、射出圧力を１２４ＭＰａとして行った。

以上のような本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、上記金型１０及び上記射出成形機が使用され、上記射出成形条件によって溶融状態の６６ナイロンが射出成形されることにより、ショートショット等の成形不良を生じることなく、全体（内筒２、外筒３、及びフィルタ部４）が一体に且つ高精度に射出成形されるため、従来のインサート成形と比較して、フィルタとしての性能を維持した状態で、生産性が向上し、製品価格が低廉化する。

また、本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、フィルタ部４の複数の開口部８が同一寸法（一辺が０．１ｍｍの正四角形）であるため、例えば、自動車の燃料噴射装置に接続される燃料供給管路に配置されることにより、直径が０．１ｍｍを超える大きさの燃料中の異物を濾し取ることができ、且つ、異物が取り除かれた燃料を開口部８から円滑に流出させることができる。なお、フィルタ部の全域の開口部の面積を同一に形成しないメッシュフィルタは、フィルタ部で濾し取ることができる異物の粒径の下限値にバラツキを生じ、フィルタ部を通過させるべき異物を濾し取るか、又は、フィルタ部で濾し取る必要のある異物の通過を許してしまう虞があり、フィルタ性能として不十分なものとなる。しかしながら、本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、濾し取ることができる異物の粒径の下限値にバラツキを生じることがなく、開口部の面積にバラツキを生じる場合に比較して、フィルタ性能を向上させることができる。

また、本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、縦リブ６及び横リブ７の厚さ寸法（Ｌ４，Ｌ５）がフィルタ部４の全域で同一（０．３ｍｍ）であるため、例えば、フィルタ部４の中央部分における縦リブ６と横リブ７の少なくとも一方の厚さ寸法をフィルタ部４の他部分における縦リブ６と横リブ７の少なくとも一方の厚さ寸法よりも厚く形成する場合に比較し、金型１０の加工が容易となり、金型１０の費用が低廉化し、製品価格を低廉化することができる。

また、本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、縦リブ６及び横リブ７の厚さ寸法（Ｌ４，Ｌ５）が、縦リブ６及び横リブ７のリブ幅寸法（Ｌ２，Ｌ３）よりも３倍大きいため、フィルタ部４の剛性を高くできる。それにより、金型からの離型性が良好で、且つ、成形品のフィルタ部４の形状精度を高精度にすることができる。

（第１実施形態の変形例）
上記第１実施形態に係るメッシュフィルタ１は、射出成形用の材料として熱可塑性樹脂である６６ナイロンを使用したが、これに限られず、熱可塑性樹脂であるＰＯＭ（ポリアセタール、例えばＭ４５０−４４）を使用することができる。

このＰＯＭを使用してメッシュフィルタ１を射出成形した場合、縦リブ６及び横リブ７のリブ幅寸法（Ｌ２，Ｌ３）が０．１ｍｍに対し、縦リブ６及び横リブ７のリブの厚さ寸法（Ｌ４，Ｌ５）が０．２ｍｍであると、上記第１実施形態に係るメッシュフィルタ１と同様に成形できた。また、リブ６及び横リブ７のリブ幅寸法（Ｌ２，Ｌ３）が０．０７ｍｍに対し、縦リブ６及び横リブ７のリブの厚さ寸法（Ｌ４，Ｌ５）が０．４ｍｍであると、上記第１実施形態に係るメッシュフィルタ１と同様に成形できた。

［第２実施形態］
図３は、本発明の第２実施形態に係るメッシュフィルタ１を示す図である。この図３に示す本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、第１実施形態に係るメッシュフィルタ１と同一部分に同一符号を付し、第１実施形態に係るメッシュフィルタ１の説明と重複する説明を省略する。

本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、内筒２の径方向内方側に、内筒２の中心軸５から内筒２の内周面２ｄに至る中心側フィルタ部２１が形成されている。この中心側フィルタ部２１は、上記第１実施形態に係るメッシュフィルタ１のフィルタ部４と同様に形成されている（図１（ｅ）及び図３（ｅ）参照）。なお、本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、中心側フィルタ部２１で濾し取るべき異物の粒径とフィルタ部４で濾し取るべき異物の粒径とが異なる場合、その濾し取るべき異物の粒径に応じて、中心側フィルタ部２１の開口部８とフィルタ部４の開口部８の開口面積を変えてもよい。

図４は、本実施形態に係るメッシュフィルタ１の射出成形に使用される金型１０を示す図であり、図２（ａ）に対応する断面図である。なお、図４に示す金型１０は、図１の金型１０と同一部分には同一符号を付し、図１の金型１０の説明と重複する説明を省略する。

この図４に示す金型１０は、内筒２を形作るための第１キャビティ部分１４の径方向内方側に、中心側フィルタ部２１を形作るための第４キャビティ部分２２が形成されている。

このような本実施形態に係る金型１０によれば、第１キャビティ部分１４に開口するピンゲート１８から溶融状態の熱可塑性樹脂が射出されると、溶融状態の熱可塑性樹脂が第１キャビティ部分１４から第３キャビティ部分１６と第４キャビティ部分２２へ向けて流動し、全体（内筒２、外筒３、フィルタ部４、及び中心側フィルタ部２１）が一体に且つ高精度に射出成形される。

［第３実施形態］
図５は、本発明の第３実施形態に係るメッシュフィルタ１を示す図（図１（ａ），図３（ａ）に対応する図）であり、第１及び第２実施形態に係るメッシュフィルタ１の変形例を示す図である。なお、図５（ａ）が第１実施形態に係るメッシュフィルタ１の変形例を示す図であり、図５（ｂ）が第２実施形態に係るメッシュフィルタ１の変形例を示す図である。

この図５に示すように、メッシュフィルタ１は、内筒２及び外筒３の正面側の形状が正六角形になっている。このように、メッシュフィルタ１は、燃料の漏洩を防止できる限り、内筒２及び外筒３の形状を取り付けられる相手部材（燃料管路等）に応じた形状にしてもよい。また、メッシュフィルタ１は、射出成形でき、且つメッシュフィルタとしての機能を発揮できる限り、内筒２及び外筒３の正面側の形状を正五角形以上の多角形にしてもよい。また、内筒２の正面側の形状を円形とし、外筒３の正面側の形状を正八角形とするように、内筒２と外筒３の形状を変えてもよい。

なお、本実施形態に係るメッシュフィルタ１は、自動車の燃料噴射装置に接続される燃料供給管に設置される態様を例示したが、もちろん、自動車の潤滑装置等のオイル管路の途中に設置してもよく、これに限られず、給水管や送風管の管路に設置し、流体（水等の液体や空気等の気体）に混ざった異物を取り除くために広範囲の技術分野で使用することができる。

１……メッシュフィルタ、２……内筒、２ａ……外表面、２ｂ……一端面、３……外筒、３ａ……内表面、４……フィルタ部、５……中心軸、６……縦リブ、７……横リブ、８……開口部、１０……金型、１３……キャビティ、１８……ピンゲート、Ｌ２，Ｌ３……リブ幅寸法、Ｌ４……縦リブの厚さ寸法、Ｌ５……横リブの厚さ寸法

Claims (3)

1. 流体中の異物を濾し取るために使用されるメッシュフィルタにおいて、
   内筒と、
   前記内筒を取り囲む外筒と、
   前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とを前記内筒の径方向に沿って接続するフィルタ部と、
   を有し、
   前記フィルタ部は、前記内筒の中心軸に直交する仮想平面をＸ−Ｙ平面とすると、このＸ−Ｙ平面に沿って形成されており、
   前記フィルタ部のうちの前記内筒と前記外筒との接続部分以外の部分は、Ｘ軸に直交し且つＹ軸と並行に等間隔で複数形成された縦リブと、この縦リブと直交し且つ前記Ｘ軸と並行に等間隔で複数形成された横リブと、によって四角形状の開口部が複数形成され、
   前記縦リブ及び前記横リブは、隣り合う開口部間の寸法であるリブ幅寸法が０．０７ｍｍ〜０．１ｍｍで、且つ、前記内筒の前記中心軸に沿った方向の寸法である厚さ寸法が０．２ｍｍ〜０．４ｍｍであり、
   金型のキャビティのうちの前記内筒を形作るキャビティ部分に開口するゲートから前記キャビティ部分に溶融状態の熱可塑性樹脂が射出されることにより、前記内筒、前記外筒、及び前記フィルタ部が一体に形成された、
   ことを特徴とするメッシュフィルタ。
2. 流体中の異物を濾し取るために使用されるメッシュフィルタにおいて、
   円筒状の内筒と、
   前記内筒と同心の円筒状の外筒と、
   前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とを前記内筒の径方向に沿って接続するフィルタ部と、
   を有し、
   前記フィルタ部は、前記内筒の中心軸に直交する仮想平面をＸ−Ｙ平面とすると、このＸ−Ｙ平面に沿って形成されており、
   前記フィルタ部のうちの前記内筒と前記外筒との接続部分以外の部分は、Ｘ軸に直交し且つＹ軸と並行に等間隔で複数形成された縦リブと、この縦リブと直交し且つ前記Ｘ軸と並行に等間隔で複数形成された横リブと、によって四角形状の開口部が複数形成され、
   前記開口部は、一辺が０．１ｍｍの正四角形であり、
   前記縦リブ及び前記横リブは、隣り合う開口部間の寸法であるリブ幅寸法が０．１ｍｍで、且つ、前記内筒の前記中心軸に沿った方向の寸法である厚さ寸法が０．３ｍｍであり、
   金型のキャビティのうちの前記内筒を形作るキャビティ部分に開口するゲートから前記キャビティ部分に溶融状態の６６ナイロンが射出されることにより、前記内筒、前記外筒、及び前記フィルタ部が一体に形成された、
   ことを特徴とするメッシュフィルタ。
3. 前記内筒の中心軸から前記内筒の内周面に至る中心側フィルタ部を有し、
   前記中心側フィルタ部は、前記内筒の中心軸に直交する仮想平面をＸ−Ｙ平面とすると、このＸ−Ｙ平面に沿って形成されており、
   前記中心側フィルタ部のうちの前記内筒との接続部分以外の部分は、Ｘ軸に直交し且つＹ軸と並行に等間隔で複数形成された縦リブと、この縦リブと直交し且つ前記Ｘ軸と並行に等間隔で複数形成された横リブと、によって四角形状の開口部が複数形成され、
   前記縦リブ及び前記横リブは、隣り合う開口部間の寸法であるリブ幅寸法が０．０７ｍｍ〜０．１ｍｍで、且つ、前記内筒の前記中心軸に沿った方向の寸法である厚さ寸法が０．２ｍｍ〜０．４ｍｍであり、
   金型のキャビティのうちの前記内筒を形作るキャビティ部分に開口するゲートから前記キャビティ部分に溶融状態の熱可塑性樹脂が射出されることにより、前記内筒、前記外筒、前記フィルタ部、及び前記中心側フィルタ部が一体に形成された、
   ことを特徴とする請求項１に記載のメッシュフィルタ。

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