JP2015217631A - 射出成形用金型及び合成樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

射出成形用金型及び合成樹脂成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015217631A
JP2015217631A JP2014104168A JP2014104168A JP2015217631A JP 2015217631 A JP2015217631 A JP 2015217631A JP 2014104168 A JP2014104168 A JP 2014104168A JP 2014104168 A JP2014104168 A JP 2014104168A JP 2015217631 A JP2015217631 A JP 2015217631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molded body
resin
resin molded
ridges
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014104168A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6282527B2 (ja
Inventor
廣井 清文
Kiyofumi Hiroi
清文 廣井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tigers Polymer Corp
Original Assignee
Tigers Polymer Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tigers Polymer Corp filed Critical Tigers Polymer Corp
Priority to JP2014104168A priority Critical patent/JP6282527B2/ja
Publication of JP2015217631A publication Critical patent/JP2015217631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6282527B2 publication Critical patent/JP6282527B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 有底筒状の樹脂成形体1を形成しながら、キャビティ残りの不良を予防・抑制可能な射出成形金型2を提供する。
【解決手段】 中空の筒状部11と、筒状部の端部を閉じるように設けられた底部12とを有する有底筒状の樹脂成形体1が、合成樹脂の射出成形により形成される。射出成形用金型2は、少なくとも前記筒状部11の内周面形状を規定するコア型21と、少なくとも前記筒状部11の外周面形状を規定するキャビティ型22とを有する。前記キャビティ型22において、底部の外面12fを形成する面22fには、高さ1〜10μm、幅1〜10μmの凸条が、凸条同士の間隔が1〜10μmの間隔で連設された領域が設けられている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、合成樹脂の射出成形により樹脂成形体を形成するための射出成形用金型に関する。特に、本発明は、中空の筒状部と底部を有する有底筒状の樹脂成形体を成形するための射出成形金型に関する。
中空筒状部と、その一端を閉じるように設けられた底部とを有する有底筒状の樹脂成形体は、樹脂キャップ、樹脂栓、樹脂カバーなどとして、広く使用されている。このような有底筒状の樹脂成形体は、合成樹脂の、好ましくは熱可塑性樹脂の、射出成形により形成することができる。射出成形によりこれら成形体を形成すると、樹脂成形体を精度よく効率的に製造できるというメリットがある。
筒状部を有する樹脂成形体を射出成形により製造する場合には、通常、筒状部は、筒状部内周面形状を規定するコア型と、筒状部外周面形状を規定するキャビティ型とにより形成される。そして、金型を型開きして、樹脂成形体を取出す際には、通常、まず型開きの際にコア型の方に成形体が残るようにしながらキャビティ型から成形体を脱型し、その後、コア型の側に設けられた突き出しピンなどを用いてコア型から成形体を脱型するよう、樹脂成形体の取出しが行なわれる。
例えば、特許文献1には、パイプ状の中空筒状部を有する樹脂成形体を形成する金型が開示されている。当該金型では、樹脂成形体の脱型性を良好なものとするために、金型のセンターピン(コア型)の外周面や、キャビティ型の内周面に、滑り性の高い被膜をコーティングすることが開示されている。そして、成形体の金型からの脱型に関し、まず成形体をキャビティ型から脱型し、その後、成形体をセンターピン(コア型)から脱型することが開示されている(特許文献1の図3等)。
特開2001−219451号公報
上記のように、射出成形金型では、成形体を脱型すべき順序が定められているため、成形体が脱型される実際の順番が変わってしまうと、成形品を取出すことができなくなり、製造不良となってしまう。例えば、図9のように、成形体9をコア型91に残しつつキャビティ型92から脱型して型開きし(図9(a))、その後、突き出しピン93を動作させて成形体をコア型91から脱型する(図9(b))ように金型が構成されている場合に、図10に示すように、型開きした際に成形体9がキャビティ型92に残ってしまうと(図10(a))、もはやコア型91の側に設けられた突き出しピン93を動作させても、成形品9をキャビティ型92から取出すことはできなくなり、いわゆるキャビティ残りの不良となる(図10(b))。樹脂成形体を次々と量産する過程で、このような成形品の取り出し不良が発生すると、一連の射出成形工程を停止させて正常な状態への修復を図る必要が生ずるほか、金型が壊れたりすることもあり、好ましくない。
型開き時に成形体を確実にコア型の側に残存させるために、図11のように、成形体99の筒状部の内周面を、脱型方向にアンダーカットを生ずる形状とすることも考えられる。コア型991と成形体内周面がアンダーカット形状となっていれば、アンダーカット分が噛み合って、成形体を強制変形させないとコア型を脱型できない状態となり、コア型の脱型抵抗が高められるので、型開き時に成形体99を確実にコア型991の側に残存させることができる。
しかしながら、発明者の検討によれば、成形体筒状部の内周面にアンダーカットを設けることによって、別の弊害を生ずることがあることが判明した。コア型991側に残された成形品99は、その後突き出しピンなどにより、コア型991から脱型されるが、その際の脱型抵抗が大きいため、突き出しピンの力によって、樹脂成形体が変形してしまって、所定の形状精度が出せなくなってしまったり、樹脂成形品表面にピン跡が残ってしまい外観不良となったりすることがある。特に、樹脂成形品が、高い精度を要求されるような精密樹脂成形品であるような場合には、この問題が顕著に現れやすい。即ち、成形体筒状部の内周面にアンダーカットを設けると、コア型からの脱型抵抗が過大となりがちであることが判明した。
本発明の目的は、有底筒状の樹脂成形体を形成しながら、キャビティ残りの不良を予防・抑制可能な射出成形金型を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、樹脂成形体の底部を形成するキャビティ型の面に、特定の形態で凸条を連設すると、上記目的を達成できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、中空の筒状部と、筒状部の端部を閉じるように設けられた底部とを有する有底筒状の樹脂成形体を、合成樹脂の射出成形により形成するための金型であって、金型は、少なくとも前記筒状部の内周面形状を規定するコア型と、少なくとも前記筒状部の外周面形状を規定するキャビティ型とを有し、前記キャビティ型において、底部の外面を形成する面には、高さ1〜10μm、幅1〜10μmの凸条が、凸条同士の間隔が1〜10μmの間隔で連設された領域が設けられている、射出成形用金型である(第1発明)。
第1発明においては、連設された凸条の少なくとも一部が、キャビティ型で底部の外面を形成する面の周縁部から当該面の中央部に向かって延在することが好ましい(第2発明)。あるいは、第1発明では、連設された凸条の少なくとも一部が、ゲートから金型内部に射出された樹脂の流れ方向に対して、略直交する方向に延在することが好ましい(第3発明)。あるいは、第1発明では、凸条が連設される領域が、キャビティ型で底部の外面を形成する面の全体にわたっていることが好ましい(第4発明)。あるいは、本発明は、中空の筒状部と、筒状部の端部を閉じるように設けられた底部とを有する有底筒状の樹脂成形体を、合成樹脂の射出成形により形成する、合成樹脂成形体の製造方法であって、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の射出成形用金型に、溶融状態にある熱可塑性樹脂を射出して樹脂成形体を金型内で形成する工程と、射出した樹脂を冷却して固化させた後に、金型を型開きして、形成された合成樹脂成形体が、コア型の側に残るようにして、樹脂成形体をキャビティ型から取り出す工程とを含む合成樹脂成形体の製造方法である(第5発明)。
本発明の射出成形用金型(第1発明)および、合成樹脂成形体の製造方法(第5発明)によれば、成形品の取り出し時のキャビティ残りの不良を予防・抑制できる。また、第2発明ないし第4発明のようにされていれば、キャビティ残りの不良予防をより効果的に行なうことができる。
第1実施形態の金型により製造される樹脂成形体の例を示す図である。 第1実施形態の金型の構造を型閉じ/型開き状態で示す模式図である。 第1実施形態の金型のキャビティ型を示す模式図である。 第1実施形態の金型により樹脂成形体の底部が形成される様子を模式的に示す図である。 第1実施形態の金型を使用した射出成形における脱型工程を模式的に示す図である。 他の樹脂成形体の例を示す図である。 さらに他の樹脂成形体の例を示す図である。 金型に設けられる凸条の形態例を模式的に示す図である。 有底筒状樹脂成形体の射出成形における脱型工程を模式的に示す図である。 有底筒状樹脂成形体の射出成形における脱型工程でのキャビティ残り不良を模式的に示す図である。 有底筒状樹脂成形体の筒状部内周面にアンダーカットを設けた形態例を示す図である。
以下図面を参照しながら、棒やパイプの端部に装着される樹脂製キャップを例として、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1には第1実施形態の金型により形成される樹脂成形体1を示す。図1の左側の図は樹脂成形体の筒状部の軸線に沿った断面図として示し、右側の図は有底筒状形状の底の側から見た外観の図として示している。樹脂成形体1は、合成樹脂製の部材であり、射出成形により形成されている。そして、樹脂成形体1は中空の筒状部11と、筒状部11の端部を閉じるように設けられた底部12とを有する。本実施形態では、樹脂成形体1は角筒状の中空筒状部11と、方形状の底部12とによって、カップ状、すなわち有底筒状に形成されている。本実施形態においては、筒状部11は、正方形中空断面の角筒状に形成されている。
本実施形態の樹脂成形体1は、棒やパイプの先端部に取り付けられるキャップ部材として使用される部材である。なお、樹脂成形体の具体的用途は特に限定されない。
後述するように、樹脂成形体1は、合成樹脂の射出成形により形成される。射出成形工程においては、樹脂成形体1の筒状部11は、コア型とキャビティ型の間の角筒状の空間(キャビティ)で形成されて、筒状部の軸線方向に沿って、キャビティ型やコア型から脱型される。また、樹脂成形体1の底部12は、コア型とキャビティ型の間の平板状の空間(キャビティ)で形成されて、コア型やキャビティ型の形成面に垂直な方向に引きはがされるように脱型される。
樹脂成形体1の底部12の内面は、平滑な平面に形成されている。また、樹脂成形体1の底部12の外面12fは、細かい縞状のつや消し状の表面形態を有する表面となるように形成されている。なお、後述するように、底部外面12fのこの表面形状は、キャビティ型の表面形状に対応して生じたものである。
樹脂成形体1では、底部12の外面12f全体が、縞状のつや消し状の表面とされた例を示したが、外面の一部のみを縞状のつや消し状の表面としてもよい。
また、樹脂成形体1には、ゲート痕GRが存在し、射出成形時には、ゲート痕GRの位置から他の部位に向けて樹脂が流れるが、底部外面12fに設けられた縞状のつや消し状表面は、縞が延在する方向が樹脂の流れ方向とおおむね直交するようにされている。
樹脂成形体1の筒状部11の内周面及び外周面は、脱型方向にアンダーカットとなる部分が生じないように、平滑に形成されている。
樹脂成形体1を構成する合成樹脂は、射出成形により成形可能な樹脂であれば特に限定されない。好ましくは、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが使用できる。中でも、熱可塑性樹脂が特に好ましく使用できる。上記樹脂成形体1はポリアミド樹脂により形成されている。
樹脂成形体1の製造方法、及び製造に使用される金型について説明する。樹脂成形体1は樹脂の射出成形によって製造される。図2に、樹脂成形体1の射出成形に供される金型2を示す。また、図3には、金型のうちキャビティ型22を示す。図2(a)は、金型2を型閉じした状態を模式的に示しており、図2(b)は、金型2を型開きした状態を模式的に示している。図2には、キャビティ型22およびコア型21を断面図で示している。また、図3のキャビティ型22の図においては、左側にキャビティ型22を覗き込むように見た外観図を示し、右側にキャビティ型22の断面図を示している。なお、これらの図においては、図を見やすくするために、キャビティ型22およびコア型21の断面のハッチングは省略している。
金型2は、コア型21とキャビティ型22とを有する。コア型21によって、少なくとも樹脂成形体1の筒状部11の内周面が規定され、キャビティ型22によって、少なくとも樹脂成形体1の筒状部11の外周面が規定される。従って、コア型21には、樹脂成形体の筒状部11の内周面形状に対応する平滑な面21aが与えられていて、キャビティ型22には、樹脂成形体の筒状部11の外周面形状に対応する平滑な面22aが与えられている。
後述する脱型工程では、型開き時にコア型の側に成形体が残るように工程が設計されており、片開きした後に、最終的にコア型21から樹脂成形体1を取り外すために、コア型には突き出しピン23が設けられている。金型に突き出しピンを構成する観点から、コア型21の側が移動金型の側となり、キャビティ型22の側が固定金型の側となるように金型2を構成することが好ましい。
図3に示すように、キャビティ型22において、樹脂成形体1の底部12の外面12fを規定する面22fには、複数の凸条が縞状に設けられている。一方、コア型21においては、樹脂成形体1の底部12の内面を規定する面21fは、平滑な平面状に形成されている。
キャビティ型22の面22fについて詳述する。樹脂成形体1の底部12の外面12fを規定する面22fに設けられた複数の凸条は、それぞれが、例えば、図8(a)のような形態となるように、互いに所定の間隔を隔てるように、平行に連設されている。複数の凸条が平行に設けられることで、面22fの表面が縞状に見える。面22fにおける凸条は、凸条の高さが1〜10μm、凸条の幅が1〜10μm、凸条同士の間隔が1〜10μmの間隔となるように、面22fの所定の領域に連設されている。なお、凸条の高さとは図4(a)における寸法CC、凸条の幅とは図4(a)における寸法AA、凸条同士の間隔とは図4(a)における寸法BBのことである。本実施形態では凸条は面22fの全体にわたる領域に連設されているが、必要に応じて、面22fの一部の領域のみに凸条を連設するようにしても良い。
本実施形態の金型においては、凸条は、高さが5μm、凸条の幅が6μm、凸条同士の間隔が5μmの間隔で、平行に設けられている。凸条を連設する形態は、凸条の高さが2〜8μm、凸条の幅が2〜8μm、凸条同士の間隔が2〜8μmの間隔となるように設けることが特に好ましい。また、凸条の高さCCと凸条同士の間隔BBは、両者の比CC/BBが、0.3≦CC/BB≦2.0とすることが好ましく、0.5≦CC/BB≦1.5とすることが特に好ましい。
金型2は公知の方法によって製造される。キャビティ型22の樹脂成形体底部外面を規定する面22fの凸条が連設される部分は、例えば、エッチングやレーザ加工、細溝切削加工、型彫放電加工などにより形成できる。
以下、上記金型を用いた合成樹脂成形体の製造プロセス、及び本発明の金型を用いて射出成形することにより生ずる作用効果について説明する。
金型2が型閉じされてキャビティが形成された状態で、金型に設けられたスプルーやランナー、ゲートGを通じて樹脂の射出が行なわれ、樹脂成形体1が形成される。図2,3,5においてこれらの詳細は図示を省略している。ランナーやゲートの種類は、特に限定されず、種々のものが採用可能である。熱可塑性樹脂により樹脂成形体を形成する場合には、樹脂は溶融状態で金型内に射出される。
射出される樹脂の粘度は、通常、メルトフローレートで2g/10分〜170g/10分程度である。より好ましくは、3g/10分〜100g/10分程度である。
図4に、金型2の内部で、樹脂が充填されて樹脂成形体の底部12が形成される様子を示す。図4(a)において、コア型21とキャビティ型22の間の空間に、図の左側から溶融状態の樹脂が流れ込んでくる。ここで、コア型21の面21fは平滑な面である一方、キャビティ型22の面22fは、表面に凸条22p、22p・・が連設されており、凹凸波状の表面となっている。
上記した大きさで凸条が連設されていると、溶融状態の樹脂の粘性のため、樹脂は連設された凸条の間の空間には完全に入り込めない。そのため、図4(b)に示したように、樹脂の射出・充填が完了した状態において、キャビティ型22の凸条22pが設けられた面22fでは、樹脂は凸条の頂点部分とは接触しているものの、凸条と凸条の間の部分では、樹脂は金型の面に接触せず、金型表面と樹脂表面が完全に密着していない。すなわち、形成される樹脂成形体1の底部12において、連設された凸条22p、22pの存在によって、樹脂がキャビティ型の面22fには密着しておらず、成形体の底部12とキャビティ型22の面22fの間に線状の空間が残される。一方で、コア型21の平滑な成形面21fには樹脂が密着して、面21fの平滑な形状が忠実に転写される。
この状態で樹脂の充填が完了し、樹脂が固化して樹脂成形体1が完成すると、樹脂成形体の底部12の外面12fには、キャビティ型に設けられた凸条の頂部に接触した部分と、凸条と凸条の間で金型表面に接することなく形成された部分とが交互に配置された、縞状の表面形態を有するつや消し状の成形面ができる。
樹脂を射出した後、樹脂が固化するのを待って、金型2から樹脂成形体1を取出す。図5にその脱型工程を模式的に示す。樹脂成形体1が形成される(図5(a))と、まず、コア型21とキャビティ型22が型開きされる。このとき、樹脂成形体1はコア型21の側に残る(図5(b))。その後、コア型に設けられた突き出しピン23を作動させて、樹脂成形体1をコア型21から取り外す(図5(c))。金型2から取出した樹脂成形体1は、搬送ロボットなどによって回収する。
金型2を用いれば、図4(b)に示したように、成形体1の底部外面12fとキャビティ型の成形面22fとが密着しないようにできて、両者がはがれやすくなる。そのため、図5(b)に図示された型開き工程の際に、成形体1の底部12とキャビティ型22の底部成形面22fとがはがれやすくなって、樹脂成形体1がコア型21の方に残りやすくでき、いわゆるキャビティ残りの不具合を予防・抑制できる。
キャビティ型から、樹脂成形体の底部12を離型しやすくするという観点からは、本実施形態のように、連設された凸条の少なくとも一部が、キャビティ型22で底部の外面を形成する面22fの周縁部から当該面の中央部に向かって延在するように、周縁部から中央部にわたって凸条を設けることが好ましい。このようにされていると、凸条と凸条の間に残された空間を通じて、面22fの周縁部から当該面の中央部に向かって空気が流れうるため、樹脂成形体の底部の外面12fと、キャビティ型の面22fが、面22fの中央部でもはがれやすくなって、キャビティ残りの不具合の予防・抑制効果が高められる。
また、本実施形態のように、連設された凸条の少なくとも一部が、ゲートから金型内部に射出された樹脂の流れ方向に対して、略直交する方向に延在するようにすることも、キャビティ残り不具合の予防・抑制効果を高める。凸条の延在方向と樹脂の流れ方向が略直交していると、溶融状態の樹脂が凸条と凸条の間に入り込みにくく、凸条と凸条の間に空間が残りやすくなる。なお、ここにいう略直交とは、厳密に90度でなければならないようなものではなく、60度程度であっても良い。
また、本実施形態のように、凸条が連設される領域が、キャビティ型22で底部の外面12fを形成する面22fの全体にわたっていることも、樹脂成形体の底部12をキャビティ型22fから離型しやすくするという観点から特に好ましい形態である。なお、凸条を連接する領域は、底部外面を形成する面12fの全体にわたっている必要はなく、面12fの一部であっても良い。
また、上記金型2により製造する樹脂成形体を熱可塑性樹脂により形成し、射出成形工程において、金型へ溶融状態の熱可塑性樹脂を射出し、射出した樹脂を冷却して固化し樹脂成形体を得ることが好ましい。射出された溶融状態の熱可塑性樹脂は、金型に設けられた凸条の頂部に接触すると、その部分から冷却されて、粘度がより高まって、凸条と凸条の間の空間に入りにくくなって、より確実に、樹脂成形体底部の外面とキャビティ型との密着が防止されるからである。熱可塑性樹脂の中でも、特に、ポリフェニレンスルファイド(PPS)樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂などを用いて射出成形する際に、キャビティ残りの予防・抑制効果が、特に効果的に発揮される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については、その詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を互いに置き換えて実施することができる。
図6には、第2実施形態の樹脂成形体3を示す。本実施形態においては、樹脂成形体3の筒状部や底部の形態が異なっている。本実施形態においては、樹脂成形体の筒状部31は円筒状に形成されており、底部32は円盤状に形成されている。底部の外面32fの全体が、縞状のつや消し状となっている点や、射出成形時にゲート(成形体においてはゲート痕GRに対応)から流れ込んだ樹脂の流れの方向と、底部外面の縞模様の方向が略直交している点などは同様である。
本実施形態の樹脂成形体を製造する金型もまた、第1実施形態の金型と同様に、樹脂成形体の底部32をキャビティ型から離型しやすくするという効果を有する。すなわち、有底筒状の成形体である限りにおいて、成形体の具体的形状は特に限定されない。また、筒状部形態や、筒状部の表面形態も適宜変更してよい。
また、図7に示した、第3実施形態の樹脂成形体4のように、底部42の外面が、同心円状の縞状のつや消し状にされていても良い。すなわち、底部外面42fに設けられる縞模様や、キャビティ型に連接される凸条の形態は、直線が平行に連設されたような形態であっても良いし、同心円状であっても良い。また、凸条同士が互いに交差するような形態で凸条を連設しても良い。このような形態でも、樹脂成形体の底部42をキャビティ型から離型しやすくするという効果が生ずる。
特に、図7の実施形態のように、ゲート(樹脂成形体においてはゲート痕GR)が底部42の略中央に設けられ(本実施形態においてはリングゲートで設けられている)、ゲートから射出される樹脂が、底部42の中央部から底部42の周縁部に向かって放射状に流れる場合には、底部外面42fの縞模様が、本実施形態のように同心円状に設けられることが特に好ましい。
キャビティ型に連設される凸条の形態は、種々の形態が採用できる。凸条はいわゆる山形の断面形状を有するものであってもよく、あるいは、凸条は、台形、あるいは方形状の断面を有するものであっても良い。凸条と凸条の間の空間に樹脂が入り込まないようにする観点からは、凸条の断面形状は、より切り立った凸条となる断面形状、例えば台形状や方形状であることが好ましい。
凸条の延在方向の形態もまた、種々の形態が採用できる。図8には、連接される凸条の1つを取り出して、その斜視図を示している。凸条は、図8(a)に示すように、延在方向(矢印で示す)に連続した形態のものであっても良い。あるいは、凸条は、延在方向に断続的に設けられた形態のものであっても良く、例えば、図8(b)に示すように、凸条は、かまぼこ状の突起が凸条の延在方向に所定の間隔を隔てて並べられたような形態であっても良い。あるいは、凸条は、図8(c)に示すように、延在方向に突起が断続的に設けられた形態のものであっても良く、例えば、角錐状(例えばピラミッド状)の突起が凸条の延在方向に沿って所定の間隔を隔てて並べられたような形態であっても良い。
また、樹脂成形体が使用される具体的な適用分野は特に限定されない。合成樹脂製の樹脂成形体が適用可能な分野に、広く適用できる。例えば、本発明の樹脂成形体は、樹脂キャップや、樹脂栓、スペーサ、カバーなどに使用できる。更に、筒状部と底部を有する有底樹脂成形体が利用できる樹脂ケースや樹脂タンクなどの構成部品、機構部品などとして、本発明の金型により製造される樹脂成形体を使用することもできる。
本発明の射出成形用金型は、樹脂成形体を射出成形により効率的に製造できて、産業上の利用価値が高い。
1 樹脂成形体
11 筒状部
12 底部
12f 底部外面
GR ゲート痕
2 金型
21 コア型
22 キャビティ型
23 突き出しピン
3、4 樹脂成形体
31、41 筒状部
32、42 底部
32f、42f 底部外面
9 成形体
91 コア型
92 キャビティ型
93 突き出しピン

Claims (5)

  1. 中空の筒状部と、筒状部の端部を閉じるように設けられた底部とを有する有底筒状の樹脂成形体を、合成樹脂の射出成形により形成するための金型であって、
    金型は、少なくとも前記筒状部の内周面形状を規定するコア型と、少なくとも前記筒状部の外周面形状を規定するキャビティ型とを有し、
    前記キャビティ型において、底部の外面を形成する面には、高さ1〜10μm、幅1〜10μmの凸条が、凸条同士の間隔が1〜10μmの間隔で連設された領域が設けられている、
    射出成形用金型。
  2. 連設された凸条の少なくとも一部が、キャビティ型で底部の外面を形成する面の周縁部から当該面の中央部に向かって延在する請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 連設された凸条の少なくとも一部が、ゲートから金型内部に射出された樹脂の流れ方向に対して、略直交する方向に延在する請求項1に記載の射出成形用金型。
  4. 凸条が連設される領域が、キャビティ型で底部の外面を形成する面の全体にわたっている請求項1に記載の射出成形用金型。
  5. 中空の筒状部と、筒状部の端部を閉じるように設けられた底部とを有する有底筒状の樹脂成形体を、合成樹脂の射出成形により形成する、合成樹脂成形体の製造方法であって、
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の射出成形用金型に、溶融状態にある熱可塑性樹脂を射出して樹脂成形体を金型内で形成する工程と、
    射出した樹脂を冷却して固化させた後に、金型を型開きして、形成された合成樹脂成形体が、コア型の側に残るようにして、樹脂成形体をキャビティ型から取り出す工程と
    を含む合成樹脂成形体の製造方法。
JP2014104168A 2014-05-20 2014-05-20 合成樹脂成形体の製造方法 Active JP6282527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014104168A JP6282527B2 (ja) 2014-05-20 2014-05-20 合成樹脂成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014104168A JP6282527B2 (ja) 2014-05-20 2014-05-20 合成樹脂成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015217631A true JP2015217631A (ja) 2015-12-07
JP6282527B2 JP6282527B2 (ja) 2018-02-21

Family

ID=54777439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014104168A Active JP6282527B2 (ja) 2014-05-20 2014-05-20 合成樹脂成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6282527B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000109040A (ja) * 1998-10-06 2000-04-18 Dainippon Printing Co Ltd インジェクション成形品
JP2008307735A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Towa Corp 樹脂成形用金型
JP2010046876A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Meiki Co Ltd 射出成形装置及び射出成形方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000109040A (ja) * 1998-10-06 2000-04-18 Dainippon Printing Co Ltd インジェクション成形品
JP2008307735A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Towa Corp 樹脂成形用金型
JP2010046876A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Meiki Co Ltd 射出成形装置及び射出成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6282527B2 (ja) 2018-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11254084B2 (en) Plurality of mass-produced multi-component plastic housings
JP6254794B2 (ja) メッシュフィルタ
US20180078881A1 (en) Mesh filter
US11534282B2 (en) Multi-component plastic housing
EP3317066B1 (en) Process for making a multi-component plastic housing
US20170056791A1 (en) Mesh filter
JP6381385B2 (ja) 筒状メッシュフィルタ
JP6282527B2 (ja) 合成樹脂成形体の製造方法
KR100909682B1 (ko) 오일 필터 성형용 금형
US10611069B2 (en) Injection-molding method for mesh filter, injection-molding mold, and mesh filter
CN102458793B (zh) 制造齿轮的方法、成形装置及成形模
JP5760555B2 (ja) アパーチャアレイの製造装置及び製造方法
JP6373609B2 (ja) 樹脂成形体の製造方法
JP2017042984A5 (ja)
JP6730039B2 (ja) 成形用金型
JP2015107619A (ja) 樹脂成形体
JP6214592B2 (ja) 樹脂成形用金型
JP6468811B2 (ja) エラストマー成形型及びエラストマー成形品
JP5819150B2 (ja) 射出成形用金型、及び成形品
JP4134180B2 (ja) 射出成形用金型及び射出成形方法
CN105459340A (zh) 模具
JP2024128438A (ja) 成形型および成形型の製造方法
JP2020172066A (ja) 樹脂成形品及び樹脂成形品の製造方法
JP2006001117A (ja) 射出成形品及びその射出成形用金型
JP5789395B2 (ja) 成形型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6282527

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250