JP2008307735A - 樹脂成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッケージ(樹脂成形体15)に対する離型抵抗力を効率良く低下し得て、金型キャビティ4・5内からパッケージ15を効率良く離型する。
【解決手段】少なくとも樹脂と接触する金型面(例えば、金型キャビティ4・5の底面)を鏡面に形成し且つ前記したキャビティ4・5底面(鏡面)に、アンダーカットにならない傾斜面39(曲面)を有する半球形状の微細凹部13を、所要の数、所要の配置で設けて構成すると共に、金型キャビティ4・5内で成形される樹脂成形体15が収縮する垂直収縮力18と水平収縮力19とて合成される合成収縮力20にて、微細凹部13内で硬化する微細硬化凸部16が微細凹部13の内面(傾斜面39)を滑ってずれるために浮き上がった状態になるので、金型キャビティ4・5底面と樹脂成形体15との間に隙間17が発生して離型抵抗力が低下する。
【選択図】図3

Description

本発明は、IC等の電子部品を樹脂材料にて封止成形する電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)の改善に係り、特に、この金型の少なくとも樹脂と接触する金型面(特に、金型キャビティ底面)における離型性の改良に関するものである。
従来から、トランスファモールド法にて基板に装着したIC等の電子部品を樹脂材料(例えば、樹脂タブレット)で封止成形することが行われているが、この方法は、例えば、電子部品の樹脂封止成形用金型(上下両型)を用いて、次のようにして行われている。
即ち、まず、下型の型面における所定位置に所要数の電子部品を装着した基板を供給セットして上下両型を型締めする。
このとき、上下両キャビティ内(或いは、上下両型のいずれか一方に設けたキャビティ内)に電子部品が嵌装セットされることになる。
次に、樹脂材料供給用のポット内で加熱溶融化された樹脂材料を樹脂加圧用プランジャで加圧することにより、ゲート、ランナ等の樹脂通路を通して金型キャビティ内に注入充填すると共に、金型キャビティ内で電子部品を金型キャビティの形状に対応したパッケージ(樹脂成形体)内に封止成形することができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、上下両型を型開きすると共に、金型キャビティ内からパッケージを突出用エジェクターピン(離型機構)にて突き出して離型している。
特開平07−45651号公報 特開2001−53091号公報
しかしながら、金型キャビティの内面は放電加工されているためにアンダーカット部を有する梨地面となっているので、金型キャビティ内からパッケージをエジェクターピンにて突き出して離型した場合、アンダーカット部に浸入した樹脂が当該アンダーカット部に引っ掛かってパッケージに対する離型抵抗力が大きくなり易い。
即ち、前述したように、アンダーカット部による離型抵抗が大きくなってパッケージに対する離型抵抗力を効率良く低減させることができないと云う弊害がある。
従って、アンダーカット部による離型抵抗が大きくなって、金型キャビティ内からパッケージを効率良く離型することができないと云う弊害がある。
また、パッケージに対する離型抵抗力を効率良く低減させることができないために、エジェクターピンによる離型時に、パッケージが破損して耐湿性が低下する等により、パッケージ(製品)の品質性・信頼性が著しく低下し易い。
従って、製品の品質性・信頼性が著しく低減して高品質性・高信頼性の製品を効率良く生産することができないと云う弊害がある。
なお、近年、金型キャビティ面を前述した梨地面でなく鏡面に加工した構成が検討されているが、前述したような離型抵抗力を効率良く低減する課題等は解決されるに至っていないのが現状である。
従って、本発明は、パッケージに対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる樹脂成形用金型を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、金型キャビティ内からパッケージを効率良く離型することができる樹脂成形用金型を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、高品質性・高信頼性の製品を効率良く生産することができる樹脂成形用金型を提供することを目的とする。
前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂成形用金型は、金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面を鏡面に形成すると共に、前記した鏡面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細凸部を設けたことを特徴とする。
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂成形用金型は、金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細凸部を隙間無く設けたことを特徴とする。
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂成形用金型は、前記した微細凹部或いは微細凸部におけるアスペクト比を1以下に設定したことを特徴とする。
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂成形用金型は、金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面を鏡面に形成すると共に、前記した鏡面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細山脈状凸部を平行状態で或いは交差状態で設けて構成したことを特徴とする。
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂成形用金型は、金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細山脈状凸部を平行状態で或いは交差状態で且つ隙間無く設けて構成したことを特徴とする。
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂成形用金型は、前記した微細溝状凹部或いは微細山脈状凸部におけるアスペクト比を1以下に形成したことを特徴とする。
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂成形用金型は、前記した少なくとも樹脂と接触する金型面に、二酸化チタン層を表面処理して形成したことを特徴とする。
本発明によれば、パッケージに対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる樹脂成形用金型を提供することができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、金型キャビティ内からパッケージを効率良く離型することができる樹脂成形用金型を提供することができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、高品質性・高信頼性の製品を効率良く生産することができる樹脂成形用金型を提供するができると云う優れた効果を奏する。
本発明は、金型キャビティ内で成形された樹脂成形体(パッケージ)を金型キャビティ内から効率良く離型するものであって、特に、樹脂成形体の金型キャビティ面(底面)に対する離型抵抗力(接着力)を効率良く低減させることによってその目的を達成するものである。
また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)は、次のようにして形成されるものである。
即ち、まず、金型における少なくとも樹脂と接触する金型面を、例えば、少なくとも金型キャビティ底面を鏡面〔表面粗さ(中心線平均粗さ):Ra=80nm以下〕に加工して形成し、次に、金型キャビティ底面(鏡面)に、所要形状の微細凹部(或いは、所要形状の微細凸部)を、所要の数と所要の配置(配置パターンを含む)とでもって、(或いは、所要の間隔にて)形成するものである。
また、微細凹部の内面(或いは、微細凸部の外面)は鏡面にて形成されている。
また、このキャビティ底面〔鏡面(平滑面)〕に形成された微細凹部は、例えば、半球形状、三角錐形状或いは四角錐形状等の角錐体で構成され、この微細凹部には、アンダーカットにならない傾斜面(凹部の内面)が備えられている。
従って、金型キャビティ内に溶融樹脂を注入充填して硬化させる(或いは、固化させる)ことにより、金型キャビティの形状に対応した樹脂成形体(パッケージ)を成形することができると共に、このとき、微細凹部内では微細硬化凸部(微細固化凸部)が成形されることになる。
次に、樹脂成形体(樹脂成形品)の金型キャビティ底面に対する離型抵抗力を効率良く低減させる作用について説明する。
即ち、金型キャビティ内では樹脂の溶融粘度が高くなって硬化(固化)することにより樹脂成形体(硬化体或いは固化体)が成形されることになる。
この樹脂成形体(樹脂)と金型キャビティ底面(金型材料)とにおいては、その熱膨張係数(線膨張係数)が異なるために差が存在し、金型キャビティ内から樹脂成形体を離型するとき、通常、この線膨張係数の差のために、相対的に、金型キャビティ(底面)に対して樹脂成形体(樹脂)の収縮(収縮力)が発生する。
この収縮力は、線膨張係数(線方向)に起因するために、例えば、キャビティ底面の方向と同じ方向となる水平面方向と、水平面に垂直な方向となる垂直方向とに発生することになる。
即ち、水平面方向の収縮力(水平収縮力)と垂直方向の収縮力(垂直収縮力)とが合成することによって合成収縮力が発生する。
この合成収縮力は金型キャビティ底面と樹脂成形体の表面とをその界面(接触面)から「滑らせてずらせる」せん断力となり、このせん断作用にて微細凹部内の微細硬化凸部がずれて離脱することになる。
従って、この離脱した微細硬化凸部は金型キャビティ底面に対して樹脂成形体を支える支えの作用を示し、この支えの作用ために、樹脂成形体が金型キャビティ底面から浮き上がったような状態になるので、金型キャビティ底面と樹脂成形体の表面との間に僅かな微細な隙間が発生することになる。
即ち、前述したように、水平収縮力と垂直収縮力とで合成収縮力が発生するが、樹脂成形体(樹脂)が収縮するために、例えば、隣設した微細硬化凸部との間(距離)は水平方向に水平収縮力にて収縮することになり、且つ、微細硬化凸部は垂直方向に垂直収縮力にて収縮することになり、この水平収縮力と垂直収縮力とで形成される合成収縮力にて、微細凹部内の内面となるアンダーカットにならない傾斜面を微細硬化凸部が滑ってずれることにより、樹脂成形体がキャビティ底面から浮き上がったような状態になり、少なくとも一方の微細凹部内から微細硬化凸部の一部が離脱することになる。
また、一部離脱の微細硬化凸部が金型キャビティ底面に対する樹脂成形体を支える作用を示すので、金型キャビティ底面と樹脂成形体の表面との間に隙間が発生すると共に、金型キャビティ内から樹脂成形体を離型するときに発生する離型対向力を効率良く低減させることができる。
従って、金型キャビティ底面に対する樹脂成形体の離型抵抗力(接着力)は効率良く低減することになり、金型キャビティ内から樹脂成形体(パッケージ)を効率良く離型することができる。
また、エジェクターピンによる樹脂成形体(パッケージ)の離型時に、パッケージが破損して耐湿性が低下する等の弊害を効率良く防止し得て、高品質性・高信頼性の製品(樹脂成形体)を効率良く生産することができる。
また、前記した微細凹部(微細凸部)のアスペクト比(深さ或いは高さ/幅或いは直径)は、好ましくは、1以下が望ましく、アスペクト比が1以下にて良好な離型性が顕著に認められたものである。
また、前記した微細凹部(微細凸部)の幅については、好ましくは、0.01μm〜1mmで、良好な離型性が顕著に認められるものである。
また、前記した微細凹部(微細凸部)の配置について、好ましくは、それらの所要の間隔が、即ち、金型キャビティ底面における微細凹部の外縁同士における最短距離が、1μm〜10mmの範囲で、良好な離型性が顕著に認められるものである。
また、前述したキャビティ底面に所要形状の微細凹部(微細凸部)を所要の数と所要の配置とでもって(或いは、所要の分布で)設ける構成を例示したが、金型キャビティ底面(鏡面)に、所要の幅を有する微細溝状の凹部(或いは、微細山脈状の凸部)を平行状態で或いは交差状態で且つ所要の間隔にて設ける構成を採用することができる。
この場合、前述した微細凹部の構成と同様に、前述したアスペクト比が1以下の構成を採用することができる。
また、更に、前述した微細凹部の構成と同様の幅及び間隔を採用することができる。
また、前述したアスペクト比が1以下にて良好な離型性が顕著に認められる構成について云えば、金型キャビティ底面と樹脂成形体との間に隙間を発生させる作用に関しては、水平方向に収縮する力の方が垂直方向に収縮する力よりも影響が大きいと推測される。
即ち、合成収縮力(せん断力)を合成する水平収縮力と垂直収縮力とにおいて、垂直収縮力(深さ方向)よりも水平収縮力(幅方向)が大きいほうが、微細硬化凸部がアンダーカットのない傾斜面を滑って逆登り易く、更に、支えになり易いと思われる。
従って、離型性については、アスペクト比(深さ/幅)は1以下の方が良いと考えられるものである。
また、本発明において、金型キャビティ底面に隙間なく所要形状の微細凹部(微細凸部)を敷き詰めた状態で形成し、且つ、微細凹部の内面(微細凸部の外面)を鏡面に形成する構成を採用することができる。
この場合、前述した所要の間隔で配置した微細凹部の構成と同様の作用効果を得ることができる。
また、本発明において、金型キャビティ底面に、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面を鏡面に形成すると共に、前記した鏡面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細山脈状凸部を、所要の間隔で、平行状態で或いは交差状態で設けた構成を採用することができる。
また、本発明において、金型キャビティ底面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細山脈状凸部を、所要の間隔で、隙間無く、平行状態で或いは交差状態で設けた構成を採用することができる。
また、これら二つの場合においは、微細溝状凹部の内面及び微細山脈状凸部の外面は鏡面にて形成されている。
従って、これら二つの場合において、前述した所要の間隔で配置した微細凹部の構成と同様の作用効果を得ることができる。
以下、実施例図に基づいて、本発明に係る実施例1を詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)である。
図2(1)、図2(2)、図3(1)、図3(2)、図3(3)は、図1に示す金型に設けた金型キャビティを示している。
図4(1)、図4(2)は、実施例1に係る金型キャビティ底面等の加工面を楕円振動切削して加工する方法を説明する図である。
(電子部品の樹脂成形用金型の構成)
即ち、図1に示すように、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)には、例えば、固定上型1と、該上型1に対向配置した可動下型2とが設けられて構成されると共に、上下両型1・2には、上下両型1・2を所要の温度にまで加熱する加熱手段3と、上型1の型面に配設した樹脂成形用上キャビティ4と、上キャビティ4に対抗配置した下型2の下キャビティ5とが設けられて構成されている。
また、下型2には、樹脂材料供給用ポット6と、ポット6に嵌装された樹脂加圧用プランジャ7とが設けられて構成されると共に、上型1には、上下両型1・2の型締時に上下両キャビティ4・5内と連通接続する樹脂移送用の樹脂通路(カル、ランナ、ゲート)8が設けられて構成されている。
従って、下型2の所定位置に電子部品9を装着したリードフレーム10を供給セットして上下両型1・2を型締めすることにより、上下両キャビティ4・5内にリードフレーム10上の電子部品9を嵌装セットすることができるように構成されている。
また、ポット6内で加熱溶融化された樹脂材料11をプランジャ7にて加圧することにより、樹脂通路8を通して上下キャビティ4・5内に注入充填することができるように構成されている。
硬化に必要な所要時間の経過後、上下両型1・2を形開きすることにより、上下両キャビティ4・5内で上下両キャビティ4・5の形状に対応した樹脂成形体内にリードフレーム10に装着した電子部品9を樹脂封止成形することができる。
また、このとき、突出用エジェクターピン12にて上下両キャビティ4・5内から樹脂成形体を突き出すようにしている。
(金型キャビティ面について)
また、図2(1)、図2(2)、図3(1)、図3(2)、図3(3)には、図1に示す金型1・2に設けられた金型キャビティ4・5の底面が示されると共に、この金型キャビティ4(5)底面は鏡面、例えば、表面粗さ(中心線平均粗さ)Ra=30〜40nmにて形成されている。
また、金型キャビティ4(5)の底面には、アンダーカットにならない傾斜面を有する所要形状の微細凹部13がマイクロアレイ状に配置して設けられて構成されている。
例えば、図例に示す微細凹部13は半球形状の微細凹部13であって、平面形状が円形状であり、その断面形状は半円形状であって、微細凹部13の内面は鏡面にて形成されている。
即ち、半球形状の微細凹部13は、直径(幅)A=φ25μm、深さB=12.5μmで形成され、その分布は8000個/mmであり、また、微細凹部13のアスペクト比は(B/A)=(12.5μm/25μm)=(1/2)である。
なお、本発明の場合、キャビティ底面の鏡面の表面粗さは、Ra=80nm以下に設定されている。
従って、図3(1)に示すように、金型キャビティ4(5)内に溶融樹脂(加熱溶融化された樹脂材料)14を注入充填すると共に、前述したように、金型キャビティ4(5)内で溶融樹脂を熱硬化させることにより、リードフレームに装着した電子部品を金型キャビティの形状に対応した樹脂成形体15内に封止成形することができる。
また、このとき、キャビティ4(5)底面に設けた半球形状の微細凹部13内に溶融樹脂14が浸入して硬化することにより、微細硬化凸部16が成形されることになるので、キャビティ4(5)内で所要数の半球形状の微細硬化凸部16を有する樹脂成形体15が樹脂封止成形されることになる。
(離型抵抗力の低減作用について)
次に、金型キャビティ4(5)面と樹脂成形体15・16(パッケージ)との密着性を効率良く低減し得て、金型キャビティ4(5)面に対する離型抵抗力を効率良く低減させる作用について説明する。
即ち、熱硬化性の樹脂材料11を加熱溶融化して金型キャビティ4(5)内で硬化させた場合、熱膨張係数(線膨張係数)において、樹脂と金型材料とに差があるため、金型キャビティ4(5)内で硬化した樹脂成形体(硬化樹脂)15は金型キャビティ4(5)に対して相対的に収縮することになる。
従って、例えば、金型キャビティ4(5)の底面近傍における樹脂成形体の樹脂はその周囲の金型キャビティ4(5)の底面に対して相対的に収縮することになる。
この相対的な収縮は、例えば、図3(2)の図例に示すように、キャビティ底面を水平面とした場合におけるキャビティ底面方向の収縮力18(通常、水平面方向の収縮力となる)と、このキャビティ底面方向とは垂直関係となる垂直方向の収縮力19とがあり、これら、キャビティ底面方向の収縮力(水平収縮力)18と、垂直方向の収縮力(垂直収縮力)19とで合成収縮力20が形成される。
即ち、この合成収縮力20が、キャビティ底面4(5)と樹脂成形体15とをずらせて離間するせん断力の作用を有し、このことがキャビティ底面に対して樹脂成形体を離型するための離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
例えば、この合成収縮力20のために、微細凹部13内において、微細凹部13におけるアンダーカットにならない傾斜面26となる内面(曲面)を微細硬化凸部16が逆登った状態となる。
従って、微細凹部13におけるアンダーカットにならない傾斜面26を樹脂が滑ってずれるので、微細凹部13内から微細硬化凸部16の一部が外れて離脱することによって浮き上がった状態になり、金型キャビティ4(5)の底面と樹脂成形体15の表面が僅かに離間して微細な隙間17が発生することになる。
即ち、隣設する微細凹部13内で硬化した微細硬化凸部16の間(距離)がキャビティ底面方向に収縮することにより、且つ、微細凹部13内の微細硬化凸部16が垂直方向に収縮するために微細凹部13の面と微細硬化凸部16の面とが離間して微細な隙間17が発生することにより、図3(2)の図例において、樹脂成形体15に、微細凹部13内面を含む金型面から斜上方向に離間する力が発生し、樹脂成形体15が金型キャビティ4(5)の底面から離間して浮き上がった状態になる。
従って、金型キャビティ4(5)底面と樹脂成形体15の表面との間に僅かに微細な隙間17が発生するため、金型キャビティ4(5)底面と樹脂成形体15との密着性を効率良く低減させることができ、金型キャビティ4(5)底面に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
即ち、金型キャビティ4(5)の底面に形成された微細凹部13は、離型抵抗力の低減作用を有することになる。
(離型抵抗力の測定結果について)
次に、実施例1における離型抵抗力の測定について説明する。
測定は、試験片上に樹脂タブレットを加熱押圧して接着させ、次に、その加熱押圧した樹脂を引き剥がす引張力を測定することにより、離型抵抗力を測定した。なお、比較サンプルは鏡面である。
〔測定結果〕
1.実施例1 離型抵抗力 0.17kg f/cm ( 14%)
2.鏡面(Ra=20〜30nm) 離型抵抗力 1.27kg f/cm (100%)
*比較サンプル
実施例1の測定結果は、離型抵抗力0.17kg f/cm2となり、比較サンプル(鏡面)の14%と云う優れた測定結果となった。
(金型の加工方法について)
次に、実施例1に示す電子部品の樹脂成形金型を加工する方法について説明する。
即ち、実施例1に係る金型に設けられた金型キャビティ4・5の底面(金型面)は鏡面にて形成され、且つ、金型キャビティ4・5の底面にはアンダーカットにならない半球形状の微細凹部13がマイクロアレイ状に配置されて構成されている。
このアンダーカットにならない半球形状の微細凹部13がマイクロアレイ状に配置された金型キャビティ4・5の底面を加工するには、例えば、楕円振動切削法にて加工されることになる。
(楕円振動切削法について)
次に、図4(1)、図4(2)を用いて楕円振動切削加工について説明する。
即ち、図4(1)、図4(2)に示す楕円振動切削加工の例は、切削工具31で焼入れ鋼等の被削材32(金型材料)における所定の切取り厚さ33を切削する構成であって、被削材32を楕円振動切削するには楕円振動切削装置が用いられている。
なお、切削工具31としては、ダイヤモンド工具、超硬工具、CBN工具等が用いることができる。
また、楕円振動切削装置には、例えば、切削工具31の刃先にX方向に或いはY方向に各別に振動を付与する圧電素子(図示なし)が各方向別に備えられて構成されている。
また、これらのXYの二方向に振動を発生させる振動発生用の圧電素子には、例えば、正弦波状電圧(交流)が、所定の電圧(例えば、200V)、所定の周波数(例えば、超音波領域)、所定の位相差(例えば、90度)で各別に入力することができるように構成されている。
従って、楕円振動切削装置において、各圧電素子に所定の正弦波状電圧(例えば、17kHz以上)を各別に入力することにより、XYの二方向に発生する振動を機械的に共振合成して切削工具31の刃先に所定の周期を備えた楕円振動の軌跡34を発生させることができるように構成されている。
なお、図4(1)、図4(2)において、X方向は、切削方向Aと主分力方向Bとに相当し、Y方向は、背分力方向Dに相当し、Cは送り分力方向に相当するものである。
即ち、図4(1)、図4(2)に示すように、まず、楕円振動の軌跡34にしたがって切削工具31で被削材32を主分力方向B(図例では左方向)に切削すると共に、切削工具31を被削材32から背分力方向D(図例では上方向)に離すことになる。
このとき、被削材32から切削されて切屑35を切削工具31で背分力方向D(図例では上方向)に引き上げることによって、切屑35が切屑流出方向Eに流出することになるので、通常切削法に較べて、楕円振動切削に対する摩擦抵抗力は減少或いは反転(負の摩擦抵抗力)することになる。
即ち、切削工具31に対する被削材31の切削抵抗性が低減すると共に、切削工具31の切削加工力を低減し得て被削性が良好になる。
また、次に、切削工具31を切屑35から主分力方向B(図例では右方向)に離すと共に、切削工具31を背分力方向D(図例では下方向)に、即ち、被削材31側へ移動させる。
従って、切削工具31を楕円振動の軌跡34にしたがって周期的に振動させることにより、被削材31を楕円振動切削して加工することができるように構成されている。
また、前述した楕円振動による切削は、通常切削法に較べて、切屑35の厚さが低減されること、切削抵抗性の低減、鏡面加工が可能であること、更に、切削工具31の寿命が延命されること、加工形状の精度が向上すること、ばりが抑制されること、びびり振動が防止されること、切削熱が低減されること等の利点がある。
また、従来の通常切削法では、切削工具で被削材を圧縮した状態で切削することになるので、切削抵抗性が大きく、且つ、切屑は圧縮された粉末状となって、被削材の切削面には、ばりが発生することになる。
しかしながら、楕円振動切削による切削法では、切屑35を切削工具31で上方向に引き上げることができる構成であるので、切削抵抗性が低減され、切屑35を連続形(例えば、細長い形状)に構成して排出することができ(連続延性モードと呼ばれる)、ばりの発生を抑制し得て、被削材31の切削面(例えば、キャビティ底面)を鏡面(Ra=80nm以下)に加工することができる。
なお、36はせん断角を示し、せん断角36が大きくなると、被削材32の被削性が良くなる。
従って、楕円振動切削法を用いて、金型材料(被削剤32)を切削工具31で楕円振動切削して加工することにより、実施例1に示す金型に設けられるキャビティ4・5のキャビティ底面を鏡面に形成すると共に、金型キャビティ底面4・5に半球形状の微細凹部13を、所要の数及び適宜な配置パターンにて所要の配置で(或いは、所要の間隔で)形成することができる。
例えば、実施例1においては、例えば、金型キャビティ4・5の底面をRa=30〜40nmの鏡面に加工すると共に、鏡面加工された金型キャビティ4・5の底面に、直径(幅)A=φ25μm、深さB=12.5μm〔アスペクト比=(1/2)〕の半球形状の微細凹部13を、マイクロアレイ状の配置にて、その所要の配置を8000個/mmで加工して形成することができる。
(成形と離型とについて)
次に、実施例1に係る電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)を用いて、リードフレーム10に装着した電子部品9を樹脂材料11にて封止成形する場合、まず、図1に示すように、上下両型1・2を型締めすることにより、上下両キャビティ4・5内にリードフレーム10に装着した電子部品9を嵌装し、次に、図3(1)に示すように、ポット6内で加熱溶融化した樹脂材料11をプランジャ7で加圧することにより、キャビティ4・5内に溶融樹脂を注入充填することができる。
このとき、金型キャビティ4・5内の樹脂にはプランジャ7にて所要の樹脂圧が加えることができると共に、金型キャビティ4・5の底面に設けた微細凹部13内に溶融樹脂を浸入させて充填することができる。
また、このとき、金型キャビティ4・5内で樹脂を熱硬化させることにより、リードフレームに装着した電子部品を金型キャビティの形状に対応し且つ所要数の半球形状の微細硬化凸部16を含む樹脂成形体15内に封止成形することができる。
また、このとき、キャビティ4・5底面に設けた半球形状の微細凹部13内に溶融樹脂14が浸入して硬化することにより、微細硬化凸部16が成形されることになるので、キャビティ4・5内で所要数の半球形状の微細硬化凸部16を有する樹脂成形体15が樹脂封止成形されることになる。
また、金型キャビティ4・5内においては、樹脂粘度が順次に上昇して樹脂が熱硬化することにより微細硬化凸部16を有する樹脂成形体15が成形されると共に、前述したように、この微細硬化凸部16を有する樹脂成形体15内において、金型面、例えば、金型キャビティ4・5の底面に接触する樹脂成形体15・16の樹脂が収縮する。
例えば、図3(3)に示すように、微細硬化凸部16とその近傍において、キャビティ底面方向の収縮力18と垂直方向の収縮力19とが合成されることによって合成収縮力20が形成される。
この合成収縮力20のため、図3(3)に示すように、微細凹部13内において、微細凹部13におけるアンダーカットにならない傾斜面26となる内面(半球形状の曲面)を微細硬化凸部16が滑ってずれる(図例では左斜め上方向に滑ってずれる)ので、微細硬化凸部16が逆登る状態となる。
従って、アンダーカットにならない傾斜面26を微細硬化凸部16が滑ってずれることにより、微細凹部13内から微細硬化凸部16の一部が外れて離脱することによって浮き上がった状態になり、金型キャビティ4・5の底面と樹脂成形体15・16の表面が僅かに離間して微細な隙間17が発生することになる。
即ち、隣設する微細凹部13内で硬化した微細硬化凸部16の間(距離)がキャビティ底面方向に収縮することにより、且つ、微細凹部13内の微細硬化凸部16が垂直方向に収縮するために微細凹部13の面と微細硬化凸部16の面とが離間して隙間17が発生することにより、図3(2)、図3(3)に示すように、樹脂成形体15に、微細凹部13内面を含む金型面から斜上方向に離間する力が発生し、樹脂成形体15が金型キャビティ4・5の底面から離間して浮き上がった状態になる。
従って、金型キャビティ4・5に接触する樹脂が収縮することによって、前記した金型キャビティ4・5に設けた微細凹部13におけるアンダーカットにならない傾斜面となる内面(半球形状の曲面)に対して、前記した樹脂が浮き上がった状態になることにより、前記した金型キャビティ4・5底面と樹脂との間に隙間17が形成されることになる。
次に、上下両型1・2を型開きすることにより、上下両キャビティ4・5内から樹脂成形体15・16を離型して取り出すことになる。
このとき、エジェクターピンを用いて上下両キャビティ4・5内で硬化した樹脂成形体15・16を突き出して離型しても良い。
従って、上下両キャビティ4・5内で当該キャビティの形状に対応した樹脂成形体15・16内にリードフレーム10に装着した電子部品9を封止成形することができる。
即ち、金型キャビティ4・5底面と樹脂成形体15・16の表面との間に僅かに隙間17が発生するため、金型キャビティ4・5底面と樹脂成形体15・16の表面との密着性を効率良く低減させることができ、金型キャビティ4・5底面に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
従って、実施例1に係る電子部品の樹脂成形用金型において、パッケージ(樹脂成形体15・16)に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
また、実施例1に係る電子部品の樹脂成形用金型において、金型キャビティ4・5内からパッケージ(樹脂成形体15・16)を効率良く離型することができる。
また、実施例1に係る電子部品の樹脂成形用金型において、高品質性・高信頼性の製品(樹脂成形体15・16)を効率良く生産することができる。
(実施例1に関連する他の実施の形態)
また、例えば、金型キャビティ4・5の底面をRa=30〜40nmの鏡面に加工すると共に、鏡面加工された金型キャビティ4・5の底面に、直径(幅)A=φ25μm、深さB=12.5μm〔アスペクト比=(1/2)〕の半球形状の微細凹部13を、マイクロアレイ状の配置にて、その配置(分布)を、実施例1とは異なる1〜10個/mmで加工して形成することができる。
この場合においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができ、この電子部品の樹脂成形用金型において、パッケージ(樹脂成形体15)に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができ、金型キャビティ4・5内からパッケージ(樹脂成形体)を効率良く離型することができる。
また、実施例1と同様に、電子部品の樹脂成形用金型において、高品質性・高信頼性の製品(樹脂成形体15・16)を効率良く生産することができる。
図5(1)、図5(2)、図5(3)を用いて実施例2を説明する。
図5(1)、図5(2)、図5(3)に示す電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)の基本的な構成は、実施例1と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例2は、図5(1)に示すように、金型81に設けられた金型キャビティ82の底面には、平面形状が六角形状であり且つレンズ形状の凹曲面を有する微細凹部83が隙間無くハニカム状に配置されて構成されている。
この微細凹部83は金型キャビティ82底面全面に敷き詰められた状態で、微細凹部83の内面はアンダーカットにならない傾斜面84を有し且つ鏡面にて形成されている。
このハニカム状配置の六角形状の微細凹部83は、この六角形状を形成するための円の直径がφ500μmであり、その深さは30μmである。
なお、アスペクト比は0.06である。
従って、図5(2)、図5(3)に示す金型キャビティ82内に加熱溶融化した樹脂材料を注入充填してキャビティ82内で樹脂成形体85内に電子部品を樹脂封止成形することができる。
このとき、樹脂成形体85には、金型キャビティ82に設けられた微細凹部83に対応する微細硬化凸部86が設けられて形成されることになる。
また、このとき、実施例2において、実施例1と同様に、この微細硬化凸部86を有する樹脂成形体85において、金型面、例えば、金型キャビティ82の底面に接触する樹脂部分(85・86)が収縮する。
即ち、実施例1と同様に、例えば、微細硬化凸部86とその近傍において、垂直収縮力87と、キャビティ底面方向の収縮力(水平収縮力)88とが合成されることによって合成収縮力89が形成される。
この合成収縮力89のため、微細凹部83内において、微細凹部83の傾斜面84を微細硬化凸部86が滑ってずれることによって逆登る状態となるので、微細凹部83内から微細硬化凸部86の一部が外れて浮き上がった状態になり、金型キャビティ82の底面と樹脂成形体85・86の表面が僅かに離間して微細な隙間90が発生することになる。
また、金型キャビティ82底面と樹脂成形体85の表面との間に僅かに隙間90が発生するため、金型キャビティ82底面と樹脂成形体85の表面との密着性を効率良く低減させることができ、金型キャビティ82底面に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
従って、実施例2において、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図6(1)、図6(2)、図6(3)を用いて実施例3を説明する。
なお、図6(1)、図6(2)、図6(3)に示す電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)の基本的な構成は、実施例1と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例3は、金型キャビティ底面(鏡面)にアンダーカットにならない傾斜面を有する所要形状の微細凹部を(僅かではあるが)所要の間隔でもってマトリクス状に配設した構成されている。
即ち、図6(1)、図6(2)、図6(3)に示すように、金型21に設けられたキャビティ22の底面(例えば、鏡面)に、矩形状の開口部を有する四角錘状の微細凹部23を備えた構成について説明する。
この矩形状の開口部を有する微細凹部23は、縦70μm、横40μm、深さ30μmで形成され、且つ、金型キャビティ22の底面にマトリクス状で規則性を持って配置されて構成されていると共に、微細凹部23はキャビティ22の底面に所要の間隔にて設けられて構成されている。
また、微細凹部23の内面は鏡面にて形成されると共に、微細凹部23には当該凹部23の内面となるアンダーカットにならない傾斜面37が設けられて構成されている。
なお、アスペクト比=(3/7)〜(3/4)である。
従って、図6(1)、図6(2)に示す金型キャビティ22内に加熱溶融化した樹脂材料を注入充填してキャビティ22内で樹脂成形体24内に電子部品を樹脂封止成形することができる。
このとき、樹脂成形体24には、金型キャビティ22に設けられた微細凹部23に対応する微細硬化凸部25が設けられて形成されることになる。
また、このとき、実施例3において、実施例1と同様に、この微細硬化凸部25を有する樹脂成形体24内において、金型面、例えば、金型キャビティ42の底面に接触する樹脂(24)が収縮する。
即ち、実施例1と同様に、例えば、微細硬化凸部25とその近傍において、垂直収縮力27と、キャビティ底面方向の収縮力(水平収縮力)28とが合成されることによって合成収縮力29が形成される。
この合成収縮力29のため、微細凹部23内において、微細凹部23の傾斜面37を微細硬化凸部25が滑ってずれることによって逆登る状態となるので、微細凹部23内から微細硬化凸部25の一部が外れて浮き上がった状態になり、金型キャビティ22の底面と樹脂成形体24・25の表面が僅かに離間して微細な隙間30が発生することになる。
また、金型キャビティ22底面と樹脂成形体24・25の表面との間に僅かに隙間30が発生するため、金型キャビティ22底面と樹脂成形体24・25の表面との密着性を効率良く低減させることができ、金型キャビティ22底面に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
従って、実施例3において、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図7(1)、図7(2)、図7(3)を用いて実施例4を説明する。
なお、図7(1)、図7(2)、図7(3)に示す電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)の基本的な構成は、実施例1と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例3は、キャビティ底面を鏡面(Ra=80nm以下)に形成すると共に、キャビティ底面(鏡面)にアンダーカットにならない傾斜面を有する所要形状の微細凸部が所要の数及び所要の配置(所要の間隔)にて設けられて構成されている。
即ち、図7(1)、図7(2)、図7(3)に示す図例においては、金型41に設けられたキャビティ42の底面を鏡面(Ra=30〜40nm)に形成すると共に、この鏡面のキャビティ42の底面にアンダーカットにならない傾斜面46を有する四角錘形状の微細凸部43がマトリクス状に配置されて設けられて構成されている(配置…60個/mm)。
この四角錘形状の微細凸部43の底面における対角線の長さは、100μmと50μmとであり、それらは互いに中点にて直交して構成されている。
また、微細凸部43は、金型キャビティ42の底面からの高さは50μmであり、アスペクト比は(1/2)〜(1/1)である。
従って、図7(1)、図7(2)に示す金型キャビティ42内に加熱溶融化した樹脂材料を注入充填してキャビティ42内で樹脂成形体44内に電子部品を樹脂封止成形することができる。
このとき、樹脂成形体44には、金型キャビティ42に設けられた微細凸部43に対応する微細凹部45が設けられて形成されることになる。
また、このとき、実施例3において、実施例1と同様に、この微細凹部45を有する樹脂成形体44内において、金型面、例えば、金型キャビティ42の底面に接触する樹脂(44)が収縮する。
例えば、図7(3)に示すように、樹脂成形体44における微細凹部45の内面45a近傍の樹脂が垂直方向に収縮する垂直方向の収縮力47と、樹脂成形体44における微細凹部45の内面45a近傍の樹脂がキャビティ底面方向の収縮力(水平収縮力)48とが合成されることによって合成収縮力49が形成される。
即ち、この合成収縮力49ため、樹脂成形体44における微細凹部45の内面が微細凸部43の傾斜面46を滑ってずれることによって逆登る状態となるので、微細凸部43から微細凹部45の一部が外れて浮き上がった状態になり、金型キャビティ42の底面と樹脂成形体44の表面が僅かに離間して微細な隙間50が発生することになる。
例えば、樹脂成形体44における隣設する微細凹部45の間(距離)がキャビティ底面方向に収縮することにより、且つ、樹脂成形体44における微細凹部43近傍の樹脂が垂直方向に収縮することにより、樹脂成形体44に、微細凸部43面を含む金型面から斜上方向に離間する力(せん断力)が発生し、樹脂成形体15が金型キャビティ42の底面から離間して浮き上がった状態になる。
従って、金型キャビティ42に接触する樹脂が収縮することによって、前記した金型キャビティ42の底面に設けた微細凸部43に対して、前記した収縮樹脂が浮き上がった状態になることにより、前記した金型キャビティ42底面と樹脂との間に隙間50が形成されることになる。
即ち、実施例4において、実施例1と同様に、金型キャビティ42の底面と樹脂成形体44・45の表面との間に微細な隙間50が発生するため、金型キャビティ42の底面と樹脂成形体44・45の表面との密着性を効率良く低減させることができ、金型キャビティ42底面に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
従って、実施例3に係る電子部品の樹脂成形用金型において、パッケージ(樹脂成形体)44・45に対する離型抵抗力を効率良く低減させることができる。
また、実施例3に係る電子部品の樹脂成形用金型において、金型キャビティ42内からパッケージ(樹脂成形体44・45)を効率良く離型することができる。
また、実施例3に係る電子部品の樹脂成形用金型において、高品質性・高信頼性の製品(樹脂成形体44・45)を効率良く生産することができる。
次に、図8(1)、図8(2)、図8(3)を用いて実施例5を説明する。
また、図8(1)、図8(2)、図8(3)に示す電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)の基本的な構成は、実施例1と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例5に示す例は、キャビティ底面にアンダーカットにならない傾斜面を有する(断面)所要形状の微細溝状凹部が、所要の数、平行状態にて設けられた一例を示している。
図例においては、金型51に設けたキャビティ52の底面に断面V字形状の微細溝状の凹部53が(所要の間隔を置かず)隣設した状態で、三個、平行状態にて設けられて構成され、隣設した断面V字形状の微細溝状の凹部53の間にはアンダーカットにならない傾斜面75を有する微細山脈状の凸部54が形成されて構成されている。
また、前記したアンダーカットにならない傾斜面75は、断面V字形状の微細溝状の凹部53の内面となる。
また、微細溝状の凹部53の内面(或いは、微細山脈状の凸部54の外面)は鏡面にて形成されている。
また、微細溝状の凹部53(微細山脈状の凸部54)の幅は100μm、深さ50μmアスペクト比は(1/2)で構成されている。
なお、53aは断面V字形状の溝状凹部53の谷線を示し、54aは微細山脈状凸部54の稜線を示すと共に、実施例4では、キャビティ52の底面に、断面V字形状の微細溝状の凹部53(谷線53a)と、微細山脈状の凸部54(稜線54a)とが交互に配置されて構成されている。
即ち、金型キャビティ52内に加熱溶融化された樹脂を注入して金型キャビティ52内で樹脂成形体55を形成することができる。
なお、この樹脂成形体55には微細溝状凹部53内で硬化した微細な山脈状の硬化凸部56が形成されることになる。
また、このとき、実施例1と同様に、金型キャビティ52内の樹脂成形体が55・56内について、金型面、例えば、金型キャビティ52の底面に接触する樹脂成形体55・56の樹脂部分が収縮する。
即ち、実施例1と同様に、垂直収縮力57と水平収縮力58とで合成収縮力59が形成される。
この合成収縮力59のため、微細溝状凹部53内において、微細溝状凹部53の傾斜面(内面)75を微細山脈状の硬化凸部56が滑ってずれることによって逆登る状態となるので、微細溝状凹部53内から微細山脈状硬化凸部56の一部が外れて浮き上がった状態になり、金型キャビティ52の底面と樹脂成形体55・56の表面が僅かに離間して微細な隙間60が発生することになる。
従って、実施例5において、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、実施例5において、鏡面に形成されたキャビティ底面に、微細溝状凹部53を所要間隔にて平行状態で設けて構成してもよい。
或いは、実施例5において、鏡面に形成されたキャビティ底面に、微細山脈状の凸部54を所要間隔にて平行状態で設けて構成してもよい。
即ち、これらの場合においても実施例1と同様の作用効果を得られるものである。
次に、図9(1)、図9(2)、図9(3)を用いて実施例5を説明する。
また、図9(1)、図9(2)、図9(3)に示す電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)の基本的な構成は、実施例1と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例6に示す例は、キャビティ底面に、平行状態にあるアンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状の凹部を所要数(隙間無く)並んだ状態の組が、二組、互いに所要の角度にて交差した状態で設けられた一例を示している。
図例においては、金型61に設けたキャビティ62の底面には、断面V字形状の微細溝状凹部が二組63・64、互いに直角に交差した状態で設けられて構成されている。
即ち、金型キャビティ62の底面には微細凹部65と微細凸部66(実施例4における微細山脈状凸部54に相当する構成)とが交互に規則的に形成されて構成されることになり、これらの微細凹部65の形状及び微細凸部66の形状は、例えば、錐状、或いは、略錐状となるものであって、アンダーカットにならない傾斜面76を備えている。
なお、微細溝状凹部63・64の幅は50μm、深さは25μm、アスペクト比は(1/2)で構成されている。
即ち、金型キャビティ62内に加熱溶融化された樹脂を注入して金型キャビティ62内で樹脂成形体67を形成することができる。
なお、この樹脂成形体67には凹部65内で硬化した微細硬化凸部68が形成されることになる。
また、このとき、実施例1と同様に、金型キャビティ62内の樹脂成形体が67・68内について、金型面、例えば、金型キャビティ62の底面に接触する樹脂が収縮する。
即ち、実施例1と同様に、垂直収縮力69と水平収縮力70とで合成収縮力71が形成され、この合成収縮力71のため、微細凹部65のアンダーカットにならない傾斜面(内面)76を硬化凸部68が滑ってずれることによって逆登る状態となる。
従って、このために、微細凹部65内から硬化凸部68の一部が外れて浮き上がった状態となるので、金型キャビティ62の底面と樹脂成形体67・68の表面が僅かに離間して微細な隙間72が発生することになる。
従って、実施例6において、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、実施例6において、金型キャビティ底面(鏡面)に、平行状態にあるアンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状の凹部を所要数(所要の間隔で)並んだ状態の組を、二組、互いに所要の角度にて交差した状態で設けた構成を採用しても良い。
即ち、これらの場合においても実施例1と同様の作用効果を得られる。
本発明は、前述した実施例のものに限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意且つ適宜に変更・選択して採用できるものである。
また、図10〜図13に、前述した各実施例に関連するキャビティ底面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)にて撮影した写真図を掲示する。
なお、図10、図11は実施例1に関連し、図12、図13は実施例2に関連するものである。
また、前記した各実施例において、キャビティ底面に設けられる微細凹部或いは微細凸部における所要の形状としては、マイクロレンズ形状、球面レンズ形状、非球面レンズ形状、フレネルレンズ形状などがあり、キャビティ底面にアレイ型に配置されて構成しても良い。
また、前述した微細凹部或いは微細凸部における所要の形状としては、円錐形状、及び、三角錘形状、四角錘形状等の角錐形状が挙げられる。
また、前述した実施例では、断面V字形の微細溝状凹部を例に挙げたが、断面U字形の微細溝状凹部を用いる構成を採用しても良い。
前述した実施例に示す金型(キャビティ底面等)を加工する方法としては、前述した楕円振動切削による加工の他、研削加工、高速ミーリング加工、エッチング加工、LIGAプロセスによる加工(リソグラフとメッキとの組み合わせ)、レーザー加工等を用いることができる。
また、金型材料として、通常の金型鋼の他、焼入れ鋼、セラミック材料を用いることができる。
また、前記した実施例において、キャビティ底面に設けられる微細凹部の形状として、円錐形状及び三角錘形状等の角錐形状(任意の三次元形状)、所要の半球形状、所要のレンド形状を加工して形成することができる。
この場合、先端が円錐形状或いは三角錐形状等の角錐形状、所要の半球形状、所要のレンズ形状となる切削工具(任意の三次元形状を有する切削工具)を用いて、被加工面となるキャビティ底面に所要の角度で押圧することにより或いはキャビティ底面に所要の角度で振動押圧することにより、キャビティ底面に前述したような所要形状の微細凹部を(キャビティ底面を部分的に塑性変形させることによって)設けることができる。
なお、先端が円錐形状或いは半球形状の切削工具を用いて、キャビティ底面に押圧加工する場合、切削工具を取り付ける取付棒部材を回転軸心として回転させても良い。
また、前記した各実施例において、少なくともキャビティ底面を含むキャビティ面に適宜な表面処理層を形成しても良い。
例えば、少なくともキャビティ底面を含むキャビティ面に前記した各実施例において、二酸化チタン層を表面処理して形成しても良い。
この二酸化チタン層は型汚れを分解する触媒として作用するので、金型キャビティ面(底面)を含む溶融樹脂と接触する金型面に付着する型汚れを効率良く分解して除去することができる。
また、金型材料等の基材に、例えば、二酸化チタン層等の表面処理層を所要の厚さにて表面処理すると共に、この所要の厚さの表面処理層に、前述した各実施例に示した所要の形状の微細凹部(或いは、微細溝状の凹部)を設けて構成しても良い。
前述した各実施例では、リードフレームに装着した電子部品を樹脂封止成形する電子部品の樹脂封止成形用金型を例に挙げて説明したが、例えば、樹脂成形用金型、射出成形用金型、圧縮成形用金型にも採用することができる。
また、前述した各実施例では、熱硬化性の樹脂材料を例に挙げて説明したが、熱可塑性の樹脂材料の他、金型材料と熱膨張係数に差がある樹脂材料にも適用することができるものである。
また、前記した各実施例では金型キャビティ底面(鏡面)に微細凹部等を設ける構成を例示したが、例えば、まず、金型キャビティ底面をアンダーカット部の無い梨地面に形成し、次に、前記した各実施例と同様に、微細凹部等(鏡面)を設けることにより、電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)を加工して形成する構成を採用することができる。
この場合においても、離型抵抗力を効率良く低減することができる等、前記した各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
図1は、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型(樹脂成形用金型)を概略的に示す概略縦断面図である(実施例1)。 図2(1)は図1に示す金型の要部となるキャビティ底面を概略的に示す概略平面図であり、図2(2)は図1に示す金型の要部となるキャビティを概略的に示す概略縦断面図である(実施例1)。 図3(1)、図3(2)、図3(3)は、図2(2)に示す金型要部を概略的に示す概略縦断面図である(実施例1)。 図4(1)は、図1に示す金型を加工する楕円振動切削加工装置の要部を概略的に示す概略斜視図であり、図4(2)は、図4(1)に示す装置要部を概略的に示す概略正面図である(実施例1)。 図5(1)、図5(2)、図5(3)は、本発明に係る他の金型の要部を概略的に示しており、図5(1)は概略平面図であり、図5(2)、図5(3)は概略縦断面図である(実施例2)。 図6(1)、図6(2)、図6(3)は、本発明に係る他の金型の要部を概略的に示しており、図6(1)は概略平面図であり、図6(2)、図6(3)は概略縦断面図である(実施例3)。 図7(1)、図7(2)、図7(3)は、本発明に係る他の金型の要部を概略的に示しており、図7(1)は概略平面図であり、図7(2)、図7(3)は概略縦断面図である(実施例4)。 図8(1)、図8(2)、図8(3)は、本発明に係る他の金型の要部を概略的に示しており、図8(1)は概略平面図であり、図8(2)、図8(3)は概略縦断面図である(実施例5)。 図9(1)、図9(2)、図9(3)は、本発明に係る他の金型の要部を概略的に示しており、図9(1)は概略平面図であり、図9(2)、図9(3)は概略縦断面図である(実施例6)。 図10は、実施例1に関連する走査型電子顕微鏡の写真図である。 図11は、実施例1に関連する走査型電子顕微鏡の写真図である。 図12は、実施例2に関連する走査型電子顕微鏡の写真図である。 図13は、実施例2に関連する走査型電子顕微鏡の写真図である。
符号の説明
1 固定上型
2 可動下型
3 加熱手段
4 上キャビティ
5 下キャビティ
6 ポット
7 プランジャ
8 樹脂通路
9 電子部品
10 リードフレーム
11 樹脂材料
12 エジェクターピン
13 微細凹部
14 溶融樹脂
15 樹脂成形体(パッケージ)
16 微細硬化凸部
17 隙間
18 垂直収縮力
19 水平収縮力(キャビティ底面方向の収縮力)
20 合成収縮力
21 金型
22 キャビティ
23 微細凹部
24 樹脂成形体(パッケージ)
25 微細硬化凸部
26 傾斜面
27 垂直収縮力
28 水平収縮力(キャビティ底面方向の収縮力)
29 合成収縮力
30 隙間
31 切削工具
32 被削材
33 切り取り厚さ
34 楕円振動の軌跡
35 切屑
36 せん断角
37 傾斜面
41 金型
42 キャビティ
43 微細凸部
44 樹脂成形体(パッケージ)
45 微細凹部
45a 微細凹部の内面
46 傾斜面
47 垂直収縮力
48 水平収縮力(キャビティ底面方向の収縮力)
49 合成収縮力
50 隙間
51 金型
52 キャビティ
53 微細溝状の凹部
53a 谷線
54 微細山脈状の凸部
54a 稜線
55 樹脂成形体
56 微細山脈状の硬化凸部
57 垂直収縮力
58 水平収縮力
59 合成収縮力
60 隙間
61 金型
62 キャビティ
63 微細溝状の凹部
64 微細溝状の凹部
65 微細凹部
66 微細凸部
67 樹脂成形体
68 硬化凸部
69 垂直収縮力
70 水平収縮力
71 合成収縮力
72 隙間
75 傾斜面
76 傾斜面
81 金型
82 キャビティ
83 微細凹部
84 傾斜面
85 樹脂成形体
86 微細硬化凸部
87 垂直収縮力
88 合成収縮力
89 合成収縮力
90 隙間
A 切削方向
B 主分力方向
C 送り分力方向
D 背分力方向
E 切屑流出方向

Claims (7)

  1. 金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面を鏡面に形成すると共に、前記した鏡面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細凸部を設けたことを特徴とする樹脂成形用金型。
  2. 金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細凸部を隙間無く設けたことを特徴とする樹脂成形用金型。
  3. 微細凹部或いは微細凸部におけるアスペクト比を1以下に設定したことを特徴とする請求項1、又は、請求項2に記載の樹脂成形用金型。
  4. 金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面を鏡面に形成すると共に、前記した鏡面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細山脈状凸部を平行状態で或いは交差状態で設けて構成したことを特徴とする樹脂成形用金型。
  5. 金型キャビティ内で樹脂を成形する樹脂成形用金型であって、前記した金型における少なくとも樹脂と接触する金型面に、アンダーカットにならない傾斜面を有する微細溝状凹部を或いはアンダーカットにならない傾斜面を有する微細山脈状凸部を平行状態で或いは交差状態で且つ隙間無く設けて構成したことを特徴とする樹脂成形用金型。
  6. 微細溝状凹部或いは微細山脈状凸部におけるアスペクト比を1以下に形成したことを特徴とする請求項4、又は、請求項5に記載の樹脂成形用金型。
  7. 少なくとも樹脂と接触する金型面に、二酸化チタン層を表面処理して形成したことを特徴とする請求項1、又は、請求項2、又は、請求項3に記載の樹脂成形用金型。
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