JP2015060109A - エレクトロクロミック表示素子 - Google Patents

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知子 鶴田
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Abstract

【課題】応答速度を落とすことなく、画像保持性に優れたエレクトロクロミック表示素子を提供すること。【解決手段】第1の基材10の上に少なくとも第1の電極層11と第1のエレクトロクロミック層12とを順に積層して形成された基板と、第2の基材17の上に少なくとも第2の電極層16と第2のエレクトロクロミック層15とを順に積層して形成された基板とを、熱により粘度が可逆的に変化する電解質層13を挟んで第1及び第2のエレクトロクロミック層12及び15同士が対向するように配置された、エレクトロクロミック表示素子。【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック表示素子に関する。
近年、画像表示装置としてバックライトを使用した液晶表示装置が主流であるが、目にかかる負担が大きく、長時間見続ける用途には適していない。
目に対する負担が小さい表示装置として、一対の電極間に電気泳動表示層を備える反射型表示装置が提案されている(特許文献1を参照)。この電気泳動式表示装置は、印刷された紙面と同様に、反射光によって文字や画像を表示するものであるため、目に対する負担が小さく、画面を長時間見続ける作業に適している。
しかしながら、電気泳動式表示装置は、構造上、電気泳動表示層上に、赤、緑、青の3原色の画素からなるカラーフィルタを設けて多色表示するため、カラーフィルタ自身が光を吸収して、表示素子の反射率が低下し、それに伴ってコントラスト比が低下する。
一方、上記のようなカラーフィルタを設けず、反射型の表示装置を実現するための有望な技術として、エレクトロクロミズム現象を用いる方式がある。
電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。このエレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色)を利用した表示素子が、エレクトロクロミック表示素子である。このエレクトロクロミック表示素子については、反射型の表示素子であること、メモリー効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示素子技術の有力な候補として、材料開発からデバイス設計に至るまで、幅広く研究開発が行われている。
ただし、エレクトロクロミック表示素子には、酸化還元反応を利用して発消色を行う原理ゆえに、発消色の応答速度が遅いという欠点がある。特許文献2では、エレクトロクロミック化合物を電極近傍に固定させることによって発消色の応答速度の改善を図った例が記載されている。特許文献2の記載によれば、従来は数10秒程度であった発消色に要する時間は、1秒程度まで向上している。
また、エレクトロクロミック現象は電気化学現象であるため、エレクトロクロミック表示素子の応答速度や発色のメモリー効果は、エレクトロクロミック表示素子を構成する電解質層の性能(イオン伝導度等)の影響を受ける。電解質を溶媒に溶かすことによって形成した液体状の電解質層を用いる場合、応答性の点で優れているが、素子強度及び信頼性の点で劣る。
この問題の解決に向け、電解質をゲル化する方策が検討されているが(特許文献3を参照)、これに示されている物理架橋タイプのものは、高温環境では液化してしまい本質的な問題解決になっていない。一方、紫外線(UV)化学架橋タイプのものは、同様に電解質を用いる用途であるリチウムイオン電池用には多用されているが、これを電気化学表示素子の電解質として用いた場合には、架橋反応時のUV照射により、エレクトロクロミック活性物質等が分解/劣化してしまうという二次障害が生起する。また、熱化学架橋(熱硬化)タイプのゲル電解質も検討されているが、電気伝導度が劣り、応答速度が遅くなるという問題もある。
特公昭50−015115号公報 特表2001−510590号公報 特開2001−167629号公報
上記のように一般的に、エレクトロクロミック表示素子はメモリー効果があるということで知られているが、既存の電気泳動表示素子と比較すると、まだその画像保持性には及ばないというのが現状である。
この解決法として、電解質層をゲル化し、酸化還元反応に利用される電解質層中のイオンの移動速度を低下させ、画像保持性の改善を期待することができる。しかしながら、これにより、表示切替時の応答速度までも低下させてしまうことが危惧される。このように電解質層のゲル化と応答速度とは、トレードオフの関係となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、表示切替時以外の室温環境下では画像保持性を高めることができ、表示切替時には応答速度を低下させることなく表示切替のできる、エレクトロクロミック表示素子を提供することを目的とする。
第1の発明は、それぞれ基材上に少なくとも電極層とエレクトロクロミック層とを順に積層して形成された2つの基板が、電解質層を挟んでエレクトロクロミック層同士が対向するように配置されたエレクトロクロミック表示素子において、電解質層が熱により粘度が可逆的に変化することを特徴とする、エレクトロクロミック表示素子である。
第2の発明は、それぞれ基材上に少なくとも電極層とエレクトロクロミック層とを順に積層して形成された2つの基板が、電解質層を挟んでエレクトロクロミック層同士が対向するように配置され、表示面とは逆側にヒーター部を有するエレクトロクロミック表示素子において、電解質層が熱により粘度が可逆的に変化することを特徴とする、エレクトロクロミック表示素子である。
第3の発明は、第1及び第2の発明において、2つの電極層のうち少なくとも1つは、透明電極であることを特徴とする、エレクトロクロミック表示素子である。
第4の発明は、第1から第3の発明において、電解質層が表示切替時のみ低粘度化することを特徴とする、エレクトロクロミック表示素子である。
第5の発明は、第1から第4の発明において、電解質層が温度に応じて可逆的に粘度変化する材料を0.05%〜50%含むことを特徴とする、エレクトロクロミック表示素子である。
上記本発明によれば、熱により粘度が可逆的に変化する電解質を用いることで、表示切替時以外の室温環境下では、電解質を高粘度化して画像保持性を高めることができ、表示切替時のみ熱により電解質を低粘度化して応答速度を低下させることなく表示切替のできる、画像保持性及び応答速度に優れたエレクトロクロミック表示素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るエレクトロクロミック表示素子の断面図 本発明の一実施形態に係るエレクトロクロミック表示素子の断面図 エレクトロクロミック表示素子による保持時間−反射率特性の一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエレクトロクロミック表示素子の部分縦断面図である。図2は、図1の構造にヒーター部18を追加した本発明の一実施形態に係るエレクトロクロミック表示素子の部分縦断面図である。
図1に示すエレクトロクロミック表示素子は、第1の基材10の上に第1の電極層11、第1のエレクトロクロミック層12、電解質層13、接着層14、第2のエレクトロクロミック層15、第2の電極層16、及び第2の基材17を、順に積層して形成される。
第1の基材10及び第2の基材17の少なくとも一方は、光透過性基材であれば特に限定されるものではないが、これらの基材には例えばガラス基板や高分子フィルム等の基材が用いられる。高分子フィルムの材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
第1の電極層11及び第2の電極層16は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光透過性基材である第1の基材10又は第2の基材17と接する電極層は光透過性を確保する必要があるため、これらの電極層には透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。透明導電性材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)等の酸化インジウム系、酸化スズ系、酸化亜鉛系のような透明性を有する導電性酸化物、又はカーボンナノチューブやチオフェン系化合物等を用いることができる。電極層の形成には、蒸着法、スパッタ法、CVD法等の乾式成膜法や、塗液を用いた湿式成膜法等の従来技術を用いることができる。
第1のエレクトロクロミック層12及び第2のエレクトロクロミック層15に含まれるエレクトロクロミック化合物の材料としては、酸化還元により色の変化を起こす材料が用いられる。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
具体的に、ポリマー系及び色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
一方、金属錯体系及び金属酸化物系のエレクトロクロミック化合物としては、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物が用いられる。
エレクトロクロミック層の形成方法としては、特に限定されることはないが、エレクトロクロミック材料を直接又はバインダーと混合して塗料とし、スクリーン印刷、スピンコート、ダイコーテイング、コンマコート、グラビアコート等の汎用の塗布技術を用いることができる。
電解質層13の材料としては、一般的に、支持塩を溶媒に溶解させたものが用いられる。支持塩として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的に、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2等を用いることができる。また、溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、が用いられる。その他、電解質層13の材料としては、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。
本実施形態における電解質層13は、上記に加えて、温度に応じて可逆的に粘度変化する材料を添加して形成されたものである。具体的には、常温ではゲル状で、それ以上高温で液状となるワックス類、飽和脂肪酸、高級アルコール類、ロウ類等の分散媒や熱可逆性ゲル化剤等が挙げられる。
例えば、1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール、12−ヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ビス−n−ブチルアミド、スピンラベル化ステロイド、コレステロール誘導体、ジアルキルリン酸アルミニウム、フェノール系環状オリゴマー、2,3−ビス−n−ヘキサデシロキシアントラセン、環状デプシペプチド、部分フッ素化アルカン、シスチン誘導体、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、トリフェニルアミン誘導体、ブチロラクトン誘導体、4級アンモニウム塩、フッ素化アルキル化オリゴマー、尿素誘導体、ビタミンH誘導体、グルコンアミド誘導体、コール酸誘導体、L−アラニン誘導体、L−イソロイシン誘導体、L−バリン誘導体、環状ジペプチド誘導体、オリゴ(α−アミノ酸)、シクロヘキサンジアミン誘導体、1,3,5−シクロヘキサントリカルボンサン誘導体、双頭型アミノ酸誘導体、ハルビツール酸誘導体/トリアミノピリジン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの温度に応じて可逆的に粘度変化する材料の含有量は、電解質層13が表示閲覧時(例えば、常温)にゲル状になり、表示切替時に液状になるように決めればよいが、電解質層13に対して、0.05%〜50%が好ましく、0.1%〜10%がより好ましい。温度に応じて可逆的に粘度変化する材料の含有量が0.05%未満であると、電解質層13のゲル化が不十分となり、画像保持性が低下することがあり、50%を超えると、加熱しても電解質層13の粘度が十分に低下しなかったり、不要物が残存したりして、電解質の支持塩の移動を妨げ、画質劣化を引き起こすためである。
電解質層13におけるゲル化及び液化転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。ゲル化及び液化転移温度は、溶媒の種類、量、温度に応じて可逆的に粘度変化する材料の種類や量を適宜選択することによって、調整することができる。ゲル化及び液化転移温度が40℃未満であると、通常の環境では問題ないが、直射日光に曝される屋外や炎天下の車内等で使用した場合に、画像保持性が低下する恐れがある。特に、屋外等の厳しい環境下で安定に使用するためには、ゲル化及び液化転移温度は、50℃以上であることがより好ましい。しかし、ゲル化及び液化転移温度が120℃を超えると、その温度に到達するまでにかかる時間が増加し、表示切替速度や画質の低下を引き起こす場合がある。
電解質層13の粘度は、表示閲覧時(例えば、常温)にゲル状になり、表示切替時に液状になるように決めればよいが、表示閲覧時に10000mPa・s以上、表示切替時に1000mPa・s以下であるのが好ましい。表示閲覧時に10000mPa・s以下であると、電解質層13中の電解質の支持塩の移動を妨げることができず、画像保持性が悪くなる。また、表示切替時に1000mPa・s以上であると、電解質の支持塩の移動を妨げ、表示切替速度が遅くなり、画像劣化を引き起こすためである。
また、電解質層13に分散させる反射材料として、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セシウム、酸化イットリウム、シリカ等の白色反射材料を用いることもできる。これにより、一方のエレクトロクロミック層の発色のみが表示され、他方のエレクトロクロミック層の発色状態を見えなくすることができる。
電解質層13の形成方法としては、室温より高温で、液状で、スクリーン印刷、スピンコート、ダイコート等の一般的な塗布方法で塗布し、その後、室温に下げてゲル状にすることで容易に形成することができるが、これに限られたものではない。
接着層14の材料としては、公知の接着性樹脂を使用することができるが、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂ポリエチレン、ポリプロピレン等の酸変性物からなる熱可塑性接着性樹脂等を使用することができる。接着層14には、必要に応じてギャップ制御のためにガラスや樹脂からなる球状や棒状等のスペーサーを混入することができる。
接着層14の形成方法としては、材料やパターンに応じて、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、マイクログラビア、凹版オフセット等のコーティング法、印刷法や、インクジェット法、ディスペンサ塗布、ノズル吐出、転写法、ラミネート法等を用いることができる。
第1の電極層11の上に第1のエレクトロクロミック層12を積層させたものと、第2の電極層16の上に第2のエレクトロクロミック層15を積層させたものとを、接着層14を介して貼り合わせる工程は、気泡等の混入防止のため真空中で行うのが好ましいが、特に限定されるものではない。
ヒーター部18は、電解質層13を加熱するための部分であり、電解質の粘度を可変できる温度にすることができる機構であれば特に制限はなく、カーボンヒーター、セラミックヒーター、電熱線ヒーター等を、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を説明するが、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではない。
先ず、透明基板である平行平板のガラスからなる基材10の上に、ITO膜(400nm)よりなる第1の電極層11及び第2の電極層16を各々、スパッタリング法、フォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて形成した。
次に、エレクトロクロミック材料として、プルシアンブルーを分散させた1.0mol/lプルシアンブルー分散液を調製し、この分散液をITO膜上へスピンコート法にて塗布し、300nmの第1のエレクトロクロミック層12及び第2のエレクトロクロミック層15を形成した。
電解質材料として、炭酸プロピレンに0.1mol/lのヘキサフルオロリン酸カリウムを溶解した電解液に更に20wt%の酸化チタン(TiO2)を分散させた。得られた分散液を、80℃に加熱し、熱可逆性ゲル化剤として12−ヒドロキシステアリン酸を1wt%添加し、電解質層形成材料を調製した。
続いて、80℃に加熱したホットプレート上に第1のエレクトロクロミック層12/第1の電極層11/第1の基材10を積層させた基材(基板)を載せて、端部に厚み50μmの両面に接着面を有するスペーサー(PETフィルム)を額縁状に貼り付け、スペーサー内に分散液が浸透しないように隔離壁を設け、80℃で十分に加熱した。なお、スペーサーの一部に隙間を設け分散液や空気の出口を確保した。次に、スペーサーで囲まれた基材上に、粒径が50μmのスペーサー粒子(ミクロパール、積水化学工業社製)を適量入れ、80℃に保温しておいた電解質層形成材料を均等に流し込み、そのまま室温まで冷却した。電解質層形成材料がゲル状であることを確認し、その上から第2の基材17/第2の電極層16/第2のエレクトロクロミック層15を積層させた基材(基板)を端部から載せていき、空気が入らないようにローラで押さえながらスペーサーと接着させ、最後に基材の端部全域に紫外線硬化型接着材を用いて封止し、本発明のエレクトロクロミック表示素子を作製した。
得られたエレクトロクロミック表示素子のITO電極に、1.5Vの電圧を10秒間印加したところ、青から透明(電解質層13の白色が目視される)に着色変化し、プルシアンブルーの酸化還元に伴うエレクトロクロミック挙動が確認され、本素子が有効にエレクトロクロミック表示素子として機能し得ることが実証された。また、そのまま電圧を印加せずに放置させた場合、反射率の半減値は約600時間まで延び、画像保持性に優れることが確認された(図3を参照)。表示切替速度は、青→透明に約10秒、透明→青に約9秒であり、速度の低下はほとんど見られなかった。
比較例
先ず、透明基板である平行平板のガラスからなる基材10の上に、ITO膜(400nm)よりなる第1の電極層11及び第2の電極層16を各々、スパッタリング法、フォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて形成した。
次に、エレクトロクロミック材料として、プルシアンブルーを分散させた1.0mol/lプルシアンブルー分散液を調製し、この分散液をITO膜上へスピンコート法にて塗布し、300nmの第1のエレクトロクロミック層12及び第2のエレクトロクロミック層15を形成した。
電解質材料として、炭酸プロピレンに0.1mol/lのヘキサフルオロリン酸カリウムを溶解した電解液に増粘剤としてPMMAを10wt%添加し、更に20wt%の酸化チタン(TiO2)を分散させ、電解質層形成材料を調製した。
続いて、第1のエレクトロクロミック層12/第1の電極層11/第1の基材10を積層させた基材(基板)の端部に厚み50μmの両面に接着面を有するスペーサー(PETフィルム)を額縁状に貼り付け、スペーサー内に分散液が浸透しないように隔離壁を設けた。なお、スペーサーの一部に隙間を設け分散液や空気の出口を確保した。次に、スペーサーで囲まれた基材上に、粒径が50μmのスペーサー粒子(ミクロパール、積水化学工業社製)を適量入れ、電解質層形成材料を均等に流し込んだ。その上から第2の基材17/第2の電極層16/第2のエレクトロクロミック層15を積層させた基材(基板)を端部から載せていき、空気が入らないようにローラで押さえながらスペーサーと接着させ、最後に基材の端部全域に紫外線硬化型接着材を用いて封止し、エレクトロクロミック表示素子を作製した。
得られたエレクトロクロミック表示素子のITO電極に、1.5Vの電圧を10秒間印加したところ、青から透明(電解質層13の白色が目視される)に着色変化し、プルシアンブルーの酸化還元に伴うエレクトロクロミック挙動が確認され、本素子が有効にエレクトロクロミック表示素子として機能し得ることが実証された。ただし、そのまま電圧を印加せずに放置しておくと、約200時間で反射率の半減値を迎え、画像保持性に劣ることが確認された(図3を参照)。表示切替速度は、青→透明に約9秒、透明→青に約8秒であった。
本発明は、従来の電解液を具備する電気化学素子と同様、多様な用途に利用できる。電圧印加によって色を制御するエレクトロクロミック素子としては、表示素子、調光素子等へ適用可能である。
10 第1の基材
11 第1の電極層
12 第1のエレクトロクロミック層
13 電解質層
14 接着層
15 第2のエレクトロクロミック層
16 第2の電極層
17 第2の基材
18 ヒーター部

Claims (5)

  1. それぞれ基材上に少なくとも電極層とエレクトロクロミック層とを順に積層して形成された2つの基板が、電解質層を挟んで当該エレクトロクロミック層同士が対向するように配置されたエレクトロクロミック表示素子において、
    前記電解質層が熱により粘度が可逆的に変化することを特徴とする、エレクトロクロミック表示素子。
  2. それぞれ基材上に少なくとも電極層とエレクトロクロミック層とを順に積層して形成された2つの基板が、電解質層を挟んで当該エレクトロクロミック層同士が対向するように配置され、表示面とは逆側にヒーター部を有するエレクトロクロミック表示素子において、
    前記電解質層が熱により粘度が可逆的に変化することを特徴とする、エレクトロクロミック表示素子。
  3. 前記2つの電極層のうち少なくとも1つは、透明電極であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  4. 前記電解質層が表示切替時のみ低粘度化することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子。
  5. 前記電解質層が温度に応じて可逆的に粘度変化する材料を0.05%〜50%含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子。
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