JP2015059989A - 光導波路素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏波無依存の波長分離素子として使用できる、簡易に製造可能な光導波路素子を提供する。
【解決手段】偏波変換部30と、分岐部40と、細線導波路部50と、波長フィルタ部60とを備え、偏波変換部は、入力される光に含まれるTE偏波及びTM偏波の一方の偏波を他方の偏波に変換するとともに、一方の偏波の対称モードと反対称モードとを変換し、分岐部は、一端で前記偏波変換部と接続されており、他端に、細線導波路部とそれぞれ接続された2つの入出力部を備え、細線導波路部は、波長フィルタ部と接続されており、波長フィルタ部は、入力される光から特定の波長の光を選択的に分離して出力する。
【選択図】図1
【解決手段】偏波変換部30と、分岐部40と、細線導波路部50と、波長フィルタ部60とを備え、偏波変換部は、入力される光に含まれるTE偏波及びTM偏波の一方の偏波を他方の偏波に変換するとともに、一方の偏波の対称モードと反対称モードとを変換し、分岐部は、一端で前記偏波変換部と接続されており、他端に、細線導波路部とそれぞれ接続された2つの入出力部を備え、細線導波路部は、波長フィルタ部と接続されており、波長フィルタ部は、入力される光から特定の波長の光を選択的に分離して出力する。
【選択図】図1
Description
この発明は、波長の相違に基づき光の経路を切り換える光導波路素子に関する。
近年、小型化や量産性に有利な光デバイスの開発に当たり、Si(シリコン)を細線導波路の材料として用いるSi細線導波路が注目を集めている。
Si細線導波路では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えばシリカ等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば1μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
ところで、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)方式を利用した受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)では、加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)毎に異なる受信波長が割り当てられる。局側装置(OLT:Optical Line Terminal)は、各ONUへの下り光信号を、送り先の受信波長に対応した送信波長でそれぞれ生成し、これらを多重して送信する。各ONUは、複数の波長で多重された下り光信号から、自身に割り当てられた受信波長の光信号を選択的に受信する。ONUでは、各々の受信波長の下り光信号を選択的に受信するために、例えば特定の波長を分離する波長フィルタとしての機能が付与された光導波路素子(以下、波長分離素子とも称する)が使用される。そして、この波長分離素子を、上述したSi細線導波路によって構成する技術が実現されている(例えば特許文献1参照)。
ここで、Si細線導波路は、偏波によって特性が異なる。そのため、Si細線導波路を用いた波長分離素子には、偏波依存性があるという欠点がある。そこで、偏波依存性を解消する技術として、非特許文献1及び非特許文献2に開示された構造がある。
非特許文献1の構造では、TE(Transverse Electric)偏波とTM(Transverse Magnetic)偏波とを分離することによって、それぞれに対して波長分離の処理を行うことが可能である。
また、非特許文献2の構造では、Si細線導波路自体が、偏波無依存となる設計で構成されている。
Optics Express vol.20,No26 p.B493−B500,2012年12月10日
Proceedings of SPIE vol,6476,No.647602,2007年
しかしながら、非特許文献1の構造は、偏波を分離する素子と偏波を回転する素子とを組み合わせて構成する必要がある。これらの素子は、製造するに当たりそれぞれ高度な設計が必要である。
また、非特許文献2の構造では、両偏波に対する特性が一致するSi細線導波路を形成するために、複雑な設計が必要となる。特に、狭い間隔での波長分離が要求される用途に適用する場合には、高度な作成精度が必要となる。
従って、非特許文献1及び非特許文献2に開示された構造は、量産化や製造歩留まりといった観点において不利である。
そこで、この発明の目的は、偏波無依存の波長分離素子として使用できる、簡易に製造可能な光導波路素子を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明による光導波路素子は、以下の特徴を備えている。
この発明による光導波路素子は、光導波路コアとして形成された偏波変換部と、分岐部と、細線導波路部と、波長フィルタ部とを備えている。偏波変換部は、入力される光に含まれるTE偏波及びTM偏波の一方の偏波を他方の偏波に変換するとともに、一方の偏波の対称モードと反対称モードとを変換する。分岐部は、一端で偏波変換部と接続されている。また、分岐部は、他端に、細線導波路部とそれぞれ接続された2つの入出力部を備えている。細線導波路部は、前記波長フィルタ部と接続されている。波長フィルタ部は、細線導波路部を伝播する光から、特定の波長の光を選択的に分離する。
この発明による光導波路素子では、偏波変換部において、TE偏波及びTM偏波の一方の偏波が他方の偏波に変換される。そのため、偏波変換部を経て、分岐部、細線導波路部及び波長フィルタ部を順次に伝播する光は、他方の偏波のみとなる。従って、他方の偏波に対する条件に基づいて、波長フィルタ部を設計することによって、設計に応じた特定の波長を分離して出力することができる。そのため、この発明による光導波路素子では、TE偏波及びTM偏波の双方に対して波長分離を行う必要がない。従って、この発明による光導波路素子は、偏波無依存の波長分離素子として使用することができる。
また、この発明による光導波路素子は、偏波を分離する素子を必要とせず、また、両偏波に対する特性が一致するSi細線導波路を形成する必要がないため、従来と比して、簡易に製造することができる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(第1の光導波路素子)
図1及び図2を参照して、この発明の第1の実施の形態による光導波路素子(以下、第1の光導波路素子)の構成について説明する。図1は、第1の光導波路素子を概略的に示す平面図である。なお、図1では、後述するクラッド層を省略して示してある。また、図2(A)〜(C)は、第1の光導波路素子が備える偏波変換部及び分岐部を拡大して示した概略図である。図2(A)は、偏波変換部及び分岐部の平面図である。図2(A)においても、図1と同様に後述するクラッド層を省略して示してある。図2(B)は、図2(A)に示す構造体をI−I線で切り取った端面図である。図2(C)は、図2(A)に示す構造体をII−II線で切り取った端面図である。
図1及び図2を参照して、この発明の第1の実施の形態による光導波路素子(以下、第1の光導波路素子)の構成について説明する。図1は、第1の光導波路素子を概略的に示す平面図である。なお、図1では、後述するクラッド層を省略して示してある。また、図2(A)〜(C)は、第1の光導波路素子が備える偏波変換部及び分岐部を拡大して示した概略図である。図2(A)は、偏波変換部及び分岐部の平面図である。図2(A)においても、図1と同様に後述するクラッド層を省略して示してある。図2(B)は、図2(A)に示す構造体をI−I線で切り取った端面図である。図2(C)は、図2(A)に示す構造体をII−II線で切り取った端面図である。
第1の光導波路素子100は、支持基板10、クラッド層20、並びに光導波路コアとして形成された、入出力ポート90、偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50、1又は複数の波長フィルタ部60を含んで構成されている。なお、図1では、第1の光導波路素子100が3つの波長フィルタ部60a、60b及び60cを備える構成例を示している。
第1の光導波路素子100は、例えばONUにおいて、複数の波長で多重された下り光信号から、自身に割り当てられた特定の波長の光信号を選択的に分離する波長分離素子として使用される。ここでは、第1の光導波路素子100を、ONUにおける波長分離素子として使用する場合の構成例について説明する。
第1の光導波路素子100を、ONUにおける波長分離素子として使用する場合には、入出力ポート90が、光ファイバと接続される。この光ファイバは、OLTと接続されている。また、3つの波長フィルタ部60a〜60cのうちの1つが、受光素子と接続される。なお、各波長フィルタ部60a〜60cは、下り光信号から、互いに異なる特定の波長の光を分離するように最適化されている。受光素子は、3つの波長フィルタ部60a〜60cのうち、当該ONUに割り当てられた波長の光を分離するように最適化された1つと接続される。ここでは、一例として、波長フィルタ部60aが、受光素子と接続される場合について説明する。
この例では、OLTから光ファイバを経て送られる下り光信号は、入出力ポート90に入力され、偏波変換部30へ送られる。なお、ここでは、一例として、下り光信号がともに基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む場合について説明する。
偏波変換部30は、下り光信号に含まれるTE偏波及びTM偏波の一方の偏波を、他方の偏波に変換するとともに、対称モードと反対称モードとを変換して、分岐部40に送る。また、下り光信号に含まれる他方の偏波に対しては、偏波及びモードの変換が行われずに分岐部40に送る。なお、ここでは、一例として、下り光信号に含まれる基本モードのTM偏波を、偏波変換部30において1次モードのTE偏波に変換する場合について説明する。従って、分岐部40には、下り光信号として、基本モードのTE偏波及び1次モードのTE偏波が入力される。
分岐部40は、基本モードのTE偏波及び1次モードのTE偏波を、それぞれ2分岐し、2つの入出力部45及び47からそれぞれ細線導波路部50へ送る。なお、1次モードのTE偏波は、テーパ形状で形成された入出力部45及び47を経ることによって、基本モードに変換されて細線導波路部50へ送られる。従って、細線導波路部50には、下り光信号として、基本モードのTE偏波が入力される。
細線導波路部50は、下り光信号を波長フィルタ部60に送る。ここでは、細線導波路部50は、下り光信号を、3つの波長フィルタ部60a〜60cに順次に送る。上述した分岐部40の一方の入出力部45から細線導波路部50に送られた下り光信号は、波長フィルタ部60a、波長フィルタ部60b及び波長フィルタ部60cに、この順に送られる。また、他方の入出力部47から細線導波路部50に送られた下り光信号は、波長フィルタ部60c、波長フィルタ部60b及び波長フィルタ部60aに、この順に送られる。
各波長フィルタ部60a〜60cは、下り光信号から、互いに異なる特定の波長の光を分離して出力する。上述したように、ここでは、波長フィルタ部60aは、ONUに割り当てられた波長の光を分離するように最適化されている。そして、波長フィルタ部60aは、受光素子と接続されている。従って、細線導波路部50を伝播する下り光信号のうち、ONUに割り当てられた波長の光信号が、波長フィルタ部60aによって分離され、受光素子によって受光される。
以下、第1の光導波路素子100の各構成要素について説明する。なお、以下の説明では、支持基板10の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、光の伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体として構成されている。
クラッド層20は、支持基板10上に、支持基板10の上面10aを被覆し、かつ偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50及び波長フィルタ部60を包含して形成されている。クラッド層20は、例えばSiO2を材料として形成されている。
偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50及び波長フィルタ部60は、クラッド層20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。その結果、これら偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50及び波長フィルタ部60は、実質的な光の伝送路である光導波路コアとして機能し、入力された光が各光導波路コアの平面形状に応じた伝播方向に伝播する。また、偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50及び波長フィルタ部60は、伝播する光が、支持基板10へ逃げるのを防止するために、それぞれ支持基板10から例えば少なくとも1〜3μm程度の範囲内の距離で離間して形成されているのが好ましい。
偏波変換部30は、スラブ導波路部31上にリブ部33が一体的に形成されたリブ導波路として構成されている。リブ部33の幅は、基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とで等価屈折率が一致する値で設計されている。また、スラブ導波路部31の厚さ及びリブ部33の厚さは、基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とで結合が生じる値で設計されている。その結果、上述したように、偏波変換部30において、基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とが変換される。なお、スラブ導波路部31及びリブ部33の具体的な設計例は後述する。
リブ部33は、光の伝播方向に沿って連続的に接続された入出力部35と第1テーパ部37とを含んでいる。
入出力部35は、一端35aにおいて、入出力テーパ部91を介して入出力ポート90と接続されている。入出力テーパ部91の幅は、光の伝播方向に沿って、入出力ポート90の一端90aの幅から入出力部35の一端35aの幅へ、連続的に変化するように設定されている。なお、図2(A)に示す構成例では、入出力ポート90の一端90aの幅が、入出力部35の一端35aよりも大きい。そのため、入出力テーパ部91の幅が、入出力ポート90の一端90aの幅から入出力部35の一端35aの幅へ、連続的に縮小するように設計されている。入出力テーパ部91を設けることによって、入出力ポート90及び入出力部35の幅が異なる場合でも、これら入出力ポート90及び入出力部35間において、反射を抑制しつつ光を伝播させることができる。
第1テーパ部37は、一端37aにおいて、入出力部35の他端35bと接続されている。また、他端37bにおいて、後述する分岐部40の接続部41の一端41aと接続されている。第1テーパ部37の幅は、光の伝播方向に沿って、入出力部35の他端35bの幅から接続部41の一端41aの幅へ、連続的に変化するように設定されている。なお、図2(A)に示す構成例では、第1テーパ部37の幅が、入出力部35の他端35bの幅から接続部41の一端41aの幅へ、連続的に拡大するように設定されている。基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とで等価屈折率が一致するリブ部33の幅は、波長によって異なる。第1テーパ部37においてリブ部33の幅を変化させることによって、複数の波長が多重された光信号に対応して、基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とを変換することができる。第1の光導波路素子100では、波長フィルタ部60a〜60cに設定された分離すべき各波長を含む帯域において、基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とで等価屈折率が一致するように、第1テーパ部37の幅を変化させるのが良い。
基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とを変換する偏波変換部30の一設計例として、各寸法を例えば以下のように設定することができる。スラブ導波路部31の厚さT1を50nm、リブ部33の厚さT2を170nm、スラブ導波路部31とリブ部33とが重なる領域の長さL1を14μm、入出力部35の幅(すなわち第1テーパ部37の一端37aの幅)W1を380nm、第1テーパ部37の他端37bの幅W2を1μm、及び第1テーパ部37の長さL2を11μmとすることができる。なお、この設計例は、FDTD(Finite Difference Time Domain)法によるシミュレーションを用いて算出された。
分岐部40は、接続部41、第2テーパ部43及び2つの入出力部45及び47を含んでいる。
接続部41は、一端41aにおいて、第1テーパ部37の他端37bと接続されている。接続部41は、第1テーパ部37の他端37bと幅を一致させて形成されている。その結果、基本モード及び1次モードのTE偏波を伝播させる多モード導波路として機能する。
第2テーパ部43は、一端43aにおいて、接続部41の他端41bと接続されている。また、他端43bにおいて、入出力部45の一端45a及び入出力部47の一端47aとそれぞれ接続されている。第2テーパ部43の幅は、光の伝播方向に沿って、連続的に拡大するように設定されている。第2テーパ部43に入力される基本モード及び1次モードのTE偏波は、一端43aから他端43bへ伝播するに従って、光の界分布が拡大する。そして、2つの入出力部45及び47と接続された他端43bにおいて、基本モード及び1次モードのTE偏波は、それぞれ光の界分布が2分岐され、2分岐された一方が入出力部45へ、他方が入出力部47へ送られる。
2つの入出力部45及び47は、一端45a及び47aにおいて、それぞれ第2テーパ部43の他端43bと接続されている。また、一方の入出力部45は、他端45bにおいて、細線導波路部50の一端50aと接続されている。また、他方の入出力部47は、他端47bにおいて、細線導波路部50の他端50bと接続されている。2つの入出力部45及び47は、光の伝播方向に沿って、一端45a及び47aの幅から、他端45b及び47bの幅へ、連続的に縮小するテーパ形状で形成されている。そして、入出力部45及び47の他端45b及び47bの幅は、シングルモード条件を満たす幅に設定されている。従って、入出力部45及び47に入力される基本モード及び1次モードのTE偏波のうちの1次モードのTE偏波は、これら入出力部45及び47において基本モードのTE偏波に変換されて、細線導波路部50に送られる。
基本モードのTE偏波と1次モードのTE偏波とを2分岐し、1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換する分岐部40の一設計例として、各寸法を例えば以下のように設定することができる。分岐部40全体の厚さT3を、スラブ導波路部31の厚さT1にリブ部33の厚さT2を加えた厚さT1+T2と一致させて220nm、及び接続部41の一端41aの幅を第1テーパ部37の他端37bの幅W2と一致させて1μmとした場合、例えば、第2テーパ部43の一端43aの幅W3を1.3μm、第2テーパ部43の他端43bの幅W4を2μm、第2テーパ部43の長さL3を3μm、2つの入出力部45及び47の一端45a及び47aの幅W5をともに880nm、2つの入出力部45及び47の他端45b及び47bの幅W6をともに440nm、2つの入出力部45及び47の長さL4を1.3μm、並びに2つの入出力部45及び47の一端45a及び47a間の離間幅D1を300nmとすることができる。なお、この設計例は、FDTD法によるシミュレーションを用いて算出された。
細線導波路部50は、ループ形状で形成されている。そして、一端50aにおいて一方の入出力部45の他端45bと、また、他端50bにおいて他方の入出力部47の他端47bと接続されている。細線導波路部50は、入出力部45及び47の他端45b及び47bと幅を一致させて形成されている。上述したように、入出力部45及び47の他端45b及び47bは、シングルモード条件を満たす幅に設定されている。その結果、基本モードのTE偏波を伝播させるシングルモード導波路として機能する。一方の入出力部45を経て一端50aから入力された基本モードのTE偏波S1と、他方の入出力部47を経て他端50bから入力された基本モードのTE偏波S2とは、細線導波路部50を互いに逆方向に伝播する。
波長フィルタ部60(ここでは3つの波長フィルタ部60a〜60c)は、ループ形状で形成された細線導波路部50の中途にそれぞれ設けられている。図3(A)〜(C)を参照して、波長フィルタ部60の構成例について説明する。図3(A)〜(C)は、波長フィルタ部60を拡大して示した概略図である。図3(A)〜(C)は、それぞれ異なる構成例の波長フィルタ部の平面図を示している。なお、図3(A)〜(C)では、光導波路コアとして形成される構成要素のみを示してある。
まず、図3(A)に示す第1の構成例による波長フィルタ部(以下、第1の波長フィルタ部)60xは、それぞれ光導波路コアとして形成された1又は複数のリング状導波路部61と、一対の入出力ポート95a及び95bを有する入出力導波路部95とを含んでいる。なお、図3(A)に示す構成例では、互いに近接して配設された2つのリング状導波路部61a及び61bを備える構成例を示している。
リング状導波路部61a及び61bは、円形状の平面形状を有している。そして、径に応じた共振波長を有するリング共振器として機能する。一方のリング状導波路部61aは、細線導波路部50と近接して配設されている。また、他方のリング状導波路部61bは、入出力導波路部95と近接して配設されている。
第1の波長フィルタ部60xでは、細線導波路部50を伝播する光(ここでは、基本モードのTE偏波)S1及びS2のうち、リング状導波路部61a及び61bと共振する特定の波長の光のみが、リング状導波路部61a及び61bに順次に移行し、入出力導波路部95へ送られる。従って、リング状導波路部61a及び61bの径を、分離すべき特定の波長に応じて設定することによって、特定の波長の光を入出力導波路部95へ送ることができる。細線導波路部50を互いに逆方向に伝播する光S1及びS2から分離された波長光S3及びS4は、入出力導波路部95を互いに逆方向に伝播する。そして、波長光S3は一方の入出力ポート95aから、また、波長光S4は他方の入出力ポート95bから、それぞれ出力される。
図3(A)に示す構成例では、一例として、2つのリング状導波路部61a及び61bを設ける場合について説明したが、1つのリング状導波路部61を設ける構成とした場合においても、同様の作用を得られる。しかし、リング状導波路部61を複数設けることによって、より狭い帯域において波長を分離することができる。また、第1の光導波路素子100が備える3つの波長フィルタ部60a〜60cにおいて、それぞれのリング状導波路部61の径を異なる値とすることによって、各波長フィルタ部60a〜60cから互いに異なる波長の光を出力することができる。
次に、図3(B)に示す第2の構成例による波長フィルタ部(以下、第2の波長フィルタ部)60yは、それぞれ光導波路コアとして形成された、複数の結合部62、各結合部62間を結ぶ干渉導波路部63並びに一対の入出力ポート96a及び96bを含んでいる。
各結合部62は、それぞれ細線導波路部50と近接して並列に配設されている。そして、結合部62と細線導波路部50とが並列に配設された複数の結合領域64が設定されている。また、各干渉導波路部63の光路長は、各結合領域64間における細線導波路部(以下、結合領域間導波路部とも称する)50cの光路長と異なるように設計されている。その結果、隣り合う2つの結合領域64と、これらの間をそれぞれ結ぶ干渉導波路部63及び結合領域間導波路部50cとによって、マッハツェンダ干渉器65が構成される。なお、各結合領域間導波路部50cの光路長はそれぞれ等しく設定されている。また、各干渉導波路部63の光路長はそれぞれ等しく設定されている。従って、第2の波長フィルタ部60yは、共通の波長を分離させる4つの複数のマッハツェンダ干渉器65が接続されて構成されている。なお、複数の結合部62のうち、両端に配設された2つの結合部62a及び62bの一方62aは、一方の入出力ポート96aと接続されている。また、他方62bは、他方の入出力ポート96bと接続されている。
第2の波長フィルタ部60yでは、細線導波路部50を伝播する光(ここでは、基本モードのTE偏波)S1及びS2のうち、結合部62と細線導波路部50との間における光の結合長、及び干渉導波路部63と結合領域間導波路部50cとの光路長差に対応した波長の光が、入出力ポート96a及び96bから出力される。従って、第2の波長フィルタ部60yでは、各結合領域64の長さの合計を、分離すべき特定の波長に応じた結合長と一致させる。また、干渉導波路部63と結合領域間導波路部50cとの光路長差を、分離すべき特定の波長の整数倍となるように設定する。その結果、特定の波長の光を入出力ポート96a及び96bから出力することができる。
細線導波路部50を伝播する光S1は、まず、両端に位置する2つのマッハツェンダ干渉器65a及び65bの一方65aに入力され、その後、各マッハツェンダ干渉器65を順次に経て、波長光S3が分離される。波長光S3は、一方の入出力ポート96aから出力される。また、細線導波路部50を光S1とは逆方向に伝播する光S2は、まず、両端に位置する2つのマッハツェンダ干渉器65a及び65bの他方方65bに入力され、その後、各マッハツェンダ干渉器65を順次に経て、波長光S4が分離される。波長光S4は、他方の入出力ポート96bから出力される。
図3(B)に示す構成例では、一例として、複数のマッハツェンダ干渉器65を備える場合について説明したが、2つの結合部62及びこれらを結ぶ1つの干渉導波路部63を設けることによって、1つのマッハツェンダ干渉器65を備える構成とすることもできる。1つのマッハツェンダ干渉器65を備える構成とした場合においても、図3(B)に示す構成例と同様の作用を得られる。しかし、マッハツェンダ干渉器65を複数設けることによって、より狭い帯域において波長を分離することができる。
次に、図3(C)に示す第3の構成例による波長フィルタ部(以下、第3の波長フィルタ部)60zは、それぞれ光導波路コアとして形成されたループ導波路部66並びに2つの入出力導波路部92a及び92bを含んでいる。
ループ導波路部66は、ループ状に形成されている。そして、ループの中途に、2つの結合部62及びこれら結合部62間を結ぶ干渉導波路部63を含んでいる。2つの結合部62は、それぞれ細線導波路部50と近接して並列に配設されている。そして、結合部62と細線導波路部50とが並列に配設された2つの結合領域64が設定されている。また、干渉導波路部63の光路長は、2つの結合領域64間における結合領域間導波路部50cの光路長と異なるように設計されている。その結果、2つの結合領域64と、これらの間をそれぞれ結ぶ干渉導波路部63及び結合領域間導波路部50cとによって、マッハツェンダ干渉器(以下、第1マッハツェンダ干渉器)65が構成される。
一方の入出力導波路部92aは、2つの結合部93a、これら結合部93a間を結ぶ干渉導波路部94a、並びに一対の入出力ポート85a及び85bを含んでいる。2つの結合部93aは、それぞれループ導波路部66と近接して並列に配設されている。そして、2つの結合部93aとループ導波路部66とがそれぞれ並列に配設された2つの結合領域86aが設定されている。また、干渉導波路部94aの光路長は、2つの結合領域86a間におけるループ導波路部(以下、結合領域間導波路部とも称する)66aの光路長と異なるように設計されている。その結果、2つの結合領域86aと、これらの間をそれぞれ結ぶ干渉導波路部94a及び結合領域間導波路部66aとによって、マッハツェンダ干渉器(以下、第2マッハツェンダ干渉器)87aが構成される。2つの結合部93aの一方は、一方の入出力ポート85aと接続されている。また、2つの結合部93aの他方は、他方の入出力ポート85bと接続されている。
また、他方の入出力導波路部92bも、2つの結合部93b、これら結合部93b間を結ぶ干渉導波路部94b、並びに一対の入出力ポート85c及び85dを含んでいる。
そして、上述した一方の入出力導波路部92aと同様に、2つの結合領域86bと、これらの間をそれぞれ結ぶ干渉導波路部94b及び結合領域間導波路部66bとによって、マッハツェンダ干渉器(以下、第3マッハツェンダ干渉器)87bが構成される。2つの結合部93bの一方は、一方の入出力ポート85cと接続されている。また、2つの結合部93bの他方は、他方の入出力ポート85dと接続されている。
そして、上述した一方の入出力導波路部92aと同様に、2つの結合領域86bと、これらの間をそれぞれ結ぶ干渉導波路部94b及び結合領域間導波路部66bとによって、マッハツェンダ干渉器(以下、第3マッハツェンダ干渉器)87bが構成される。2つの結合部93bの一方は、一方の入出力ポート85cと接続されている。また、2つの結合部93bの他方は、他方の入出力ポート85dと接続されている。
第3の波長フィルタ部60zでは、第1マッハツェンダ干渉器65において、細線導波路部50を伝播する光(ここでは、基本モードのTE偏波)S1及びS2のうち、結合部62と細線導波路部50との間における光の結合長、及び干渉導波路部63と結合領域間導波路部50cとの光路長差に対応した波長の光が、ループ導波路部66へ移行する。従って、2つの結合領域64の長さの合計を、分離すべき特定の波長に応じた結合長と一致させる。また、干渉導波路部63と結合領域間導波路部50cとの光路長差を、分離すべき特定の波長の整数倍となるように設定する。その結果、特定の波長の光を分離してループ導波路部66へ移行することができる。
また、第2マッハツェンダ干渉器87aにおいて、ループ導波路部66を伝播する光のうち、結合部93aとループ導波路部66との間における光の結合長、及び干渉導波路部94aと結合領域間導波路部66aとの光路長差に対応した波長の光が、入出力導波路部92aへ移行する。従って、2つの結合領域86aの長さの合計を、分離すべき特定の波長に応じた結合長と一致させる。また、干渉導波路部63と結合領域間導波路部50cとの光路長差を、分離すべき特定の波長の整数倍となるように設定する。その結果、特定の波長の光を分離して入出力導波路部92aへ移行することができる。
同様に、第3マッハツェンダ干渉器87bにおいても、2つの結合領域86bの長さの合計、及び干渉導波路部94bと結合領域間導波路部66bとの光路長差を、分離すべき特定の波長に応じて設定する。その結果、特定の波長の光を分離して入出力導波路部92bへ移行することができる。
第3の波長フィルタ部60zでは、細線導波路部50を伝播する光S1は、まず、第1マッハツェンダ干渉器65に入力される。第1マッハツェンダ干渉器65において、光S1から、第1マッハツェンダ干渉器65の設計に応じた波長光S3が分離されてループ導波路部66へ移行する。次に、ループ導波路部66を伝播する光S3は、第2マッハツェンダ干渉器87a及び第3マッハツェンダ干渉器87bに順次に入力される。第2マッハツェンダ干渉器87aにおいて、光S3から、第2マッハツェンダ干渉器87aの設計に応じた波長光S3aが分離されて入出力導波路部92aへ移行する。光S3aは、入出力導波路部92aの一方の入出力ポート85aから出力される。また、第3マッハツェンダ干渉器87bにおいて、光S3から、第3マッハツェンダ干渉器87bの設計に応じた波長光S3bが分離されて入出力導波路部92bへ移行する。光S3bは、入出力導波路部92bの一方の入出力ポート85cから出力される。
また、細線導波路部50を光S1とは逆方向に伝播する光S2は、まず、第1マッハツェンダ干渉器65に入力される。第1マッハツェンダ干渉器65において、光S1から、第1マッハツェンダ干渉器65の設計に応じた波長光S4が分離されてループ導波路部66へ移行する。次に、ループ導波路部66を伝播する光S4は、第3マッハツェンダ干渉器87b及び第2マッハツェンダ干渉器87aに順次に入力される。第3マッハツェンダ干渉器87bにおいて、光S4から波長光S4aが分離されて入出力導波路部92bへ移行する。光S4aは、入出力導波路部92bの他方の入出力ポート85dから出力される。また、第2マッハツェンダ干渉器87aにおいて、光S4から波長光S4aが分離されて入出力導波路部92aへ移行する。光S4bは、入出力導波路部92aの他方の入出力ポート85bから出力される。
このように、第3の波長フィルタ部60zでは、細線導波路部50を伝播する光S1及びS2から分離した特定の波長の光を、4つの入出力ポート85a、85b、85c及び85dから出力することができる。なお、ここでは、2つの入出力導波路部92a及び92bを備える構成例について説明したが、1又は3以上の入出力導波路部を備える構成とすることもできる。第3の波長フィルタ部60zでは、設ける入出力導波路部の2倍の個数の入出力ポートから、分離した波長光を出力することができる。従って、入出力導波路部の個数を用途に応じて設定することによって、波長光を出力させる入出力ポートの個数を決定することができる。
また、第3の波長フィルタ部60zでは、第1マッハツェンダ干渉器65、第2マッハツェンダ干渉器87a及び第3マッハツェンダ干渉器87bにおいて、各々異なる波長を分離させることも、又は各々一致した波長を分離させることもできる。例えば、第2マッハツェンダ干渉器87aと第3マッハツェンダ干渉器87bとを、互いに異なる波長を分離させるように設計する場合には、1つの第3の波長フィルタ部60zから、異なる2つの波長の光を出力することができる。
以上に説明したように、第1の光導波路素子100では、偏波変換部30において、下り光信号に含まれるTM偏波をTE偏波に変換する。また、TE偏波に対しては、偏波を変換せずに伝播させる。その結果、波長フィルタ部60には、TE偏波のみが送られる。従って、TE偏波に対する条件に基づいて、波長フィルタ部60(図3(A)〜(C)参照)を設計することによって、設計に応じた特定の波長を分離して出力することができる。そのため、第1の光導波路素子100は、偏波無依存の波長分離素子として使用することができる。
なお、この実施の形態では、偏波変換部30において、基本モードのTM偏波を1次モードのTE偏波に変換する構成例について説明した。しかし、偏波変換部30の設計条件を適宜変更することによって、TE偏波をTM偏波に変換することもできる。また、基本モードと1次モードとの組合せ以外の、対称モードと反対称モードとを変換することもできる。偏波変換部30の設計条件として、用途に応じて以下のいずれかを選ぶことができる。第1の設計条件では、リブ部33の幅を、対称モードのTM偏波と反対称モードのTE偏波とで等価屈折率が一致する値に設定し、かつスラブ導波路部31の厚さ及びリブ部33の厚さを、対称モードのTM偏波と反対称モードのTE偏波とで結合が生じる値に設定する。また、第2の設計条件では、リブ部33の幅を、反対称モードのTM偏波と対称モードのTE偏波とで等価屈折率が一致する値に設定し、かつスラブ導波路部31の厚さ及びリブ部33の厚さを、反対称モードのTM偏波と対称モードのTE偏波とで結合が生じる値に設定する。
また、この実施の形態では、第1の光導波路素子100をONUに適用し、下り光信号を波長分離して受光素子に送る例について説明した。しかし、波長分割多重方式を利用したシステムにおいて波長分離を行う用途であれば、第1の光導波路素子100を他の用途に用いることもできる。一例として、例えばONUにおいて、下り光信号の経路と上り光信号の経路とを切り替える経路切替素子として、第1の光導波路素子100を使用することもできる。その場合には、複数の波長フィルタ部60を設け、そのうちの1つ(例えば波長フィルタ部60a)に受光素子を、また、受光素子を接続するのとは異なる1つ(例えば波長フィルタ部60b)に発光素子を接続する。そして、受光素子が接続された波長フィルタ部60aを、下り光信号の波長を分離するように設計する。また、発光素子が接続された波長フィルタ部60bを、上り光信号の波長を分離するように設計する。発光素子から出力される上り光信号は、波長フィルタ部60bを経て、細線導波路部50に送られる。光の経路は可逆なので、上り光信号は、この実施の形態で説明した下り光信号の経路を逆に伝播して、入出力ポート90から出力される。
(第2の光導波路素子)
図4を参照して、この発明の第2の実施の形態による光導波路素子(以下、第2の光導波路素子)の構成について説明する。図4は、第2の光導波路素子を概略的に示す平面図である。なお、図2では、クラッド層を省略して示してある。第2の光導波路素子と上述した第1の光導波路素子との相違点は、細線導波路部を、ループ形状ではなく、第1及び第2細線導波路の2つの細線導波路で構成する点にある。その他の構成については、第1の光導波路素子と同様であるため、共通する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4を参照して、この発明の第2の実施の形態による光導波路素子(以下、第2の光導波路素子)の構成について説明する。図4は、第2の光導波路素子を概略的に示す平面図である。なお、図2では、クラッド層を省略して示してある。第2の光導波路素子と上述した第1の光導波路素子との相違点は、細線導波路部を、ループ形状ではなく、第1及び第2細線導波路の2つの細線導波路で構成する点にある。その他の構成については、第1の光導波路素子と同様であるため、共通する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の光導波路素子200では、細線導波路部70は、光導波路コアとしてそれぞれ形成された、第1細線導波路71及び第2細線導波路73の2つの細線導波路で構成されている。
第1細線導波路71は、一端71aにおいて分岐部40(図2参照)の一方の入出力部45の他端45bと接続されている。また、第2細線導波路73は、一端73aにおいて分岐部40の他方の入出力部47の他端47bと接続されている。第1細線導波路71及び第2細線導波路73は、入出力部45及び47の他端45b及び47bと幅を一致させて形成されている。上述したように、入出力部45及び47の他端45b及び47bは、シングルモード条件を満たす幅に設定されている。その結果、第1細線導波路71及び第2細線導波路73は、基本モードの光を伝播させるシングルモード導波路として機能する。
また、第2の光導波路素子200は、第1波長フィルタ部80a及び第2波長フィルタ80bの2つの波長フィルタ部80を備えている。そして、第1細線導波路71は、他端71bにおいて、第1波長フィルタ部80aと接続されている。また、第2細線導波路73は、他端73bにおいて、第2波長フィルタ部80bと接続されている。
第1波長フィルタ部80aは、波長フィルタ81と分岐導波路83とを含んでいる。また、第2波長フィルタ部80bは、波長フィルタ82と分岐導波路84とを含んでいる。図4に示す構成例では、第1波長フィルタ部80aは、3組の波長フィルタ81a〜81c及び分岐導波路83a〜83cを含んでいる。また、第2波長フィルタ部80bも、3組の波長フィルタ82a〜82c及び分岐導波路84a〜84cを含んでいる。
波長フィルタ81及び82には、第1細線導波路71及び第2細線導波路73から光が入力される。そして、入力された光から特定の波長の光を選択的に出力する。波長フィルタ81及び82として、例えば周知のマッハツェンダ干渉器とすることができる。また、分岐導波路83及び84は、波長フィルタ81及び82から出力された光を2分岐する。
第1細線導波路71から送られる光S1は、第1波長フィルタ部80aに送られる。そして、まず、第1波長フィルタ81aに入力される。第1波長フィルタ81aは、入力された光から特定の波長の光を選択的に出力し、第1分岐導波路83aに送る。第1分岐導波路83aは、第1波長フィルタ81aから送られる光を2分岐して、一方を第2波長フィルタ81bへ、他方を第3波長フィルタ81cへ送る。第2波長フィルタ81bは、入力された光から特定の波長の光を選択的に出力し、第2分岐導波路83bに送る。また、第3波長フィルタ81cは、入力された光から特定の波長の光を選択的に出力し、第3分岐導波路83cに送る。第2分岐導波路83bは、第2波長フィルタ81bから送られる光を2分岐して出力する。また、第3分岐導波路83cは、第3波長フィルタ81cから送られる光を2分岐して出力する。
第2細線導波路73から送られる光S2は、第2波長フィルタ部80bに送られる。そして、上述した第1波長フィルタ部80aと同様に、第1波長フィルタ82a、第1分岐導波路84a、第2波長フィルタ82b及び第3波長フィルタ82cを経て、第2分岐導波路84b及び第3分岐導波路84cから、それぞれ特定の波長の光が出力される。
この構成例では、第2分岐導波路83b及び84b並びに第3分岐導波路83c及び84cが入出力ポートとして用いられ、例えば受光素子と接続される。
第2の光導波路素子200では、複数の波長フィルタ81a〜81c及び82a〜82cが出力する波長を、それぞれ異なる値に設定する。その結果、第2分岐導波路83b及び84b並びに第3分岐導波路83c及び84cから、それぞれ異なる4つの波長の光を出力することができる。ここでは、波長フィルタ部80a及び80bが、それぞれ3組の波長フィルタ81及び82と分岐導波路83及び84を備える、2段構成の波長フィルタ部80について説明した。しかし、さらに多くの波長フィルタを用意し、分岐導波路によって順次接続することによって、波長フィルタ部80を3段以上の複数段構成とすることもできる。その場合には、N段構成(Nは1以上の整数)の波長フィルタ部80において、それぞれ異なる2Nの波長の光を出力することができる。
(製造方法)
上述した第1の光導波路素子100(図1及び図2参照)及び第2の光導波路素子200(図4参照)は、SOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。
上述した第1の光導波路素子100(図1及び図2参照)及び第2の光導波路素子200(図4参照)は、SOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。
すなわち、まず、支持基板層、SiO2層、及びSi層が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。
次に、例えばフォトリソ技術を用いて、偏波変換部30のリブ部33、分岐部40、細線導波路部50又は70、並びに波長フィルタ部60又は80の形成予定領域に第1のマスクを形成する。
次に、例えばエッチング技術を用い、Si層を用いて、Si層をスラブ導波路部31の厚さまで除去する。
次に、例えばフォトリソ技術を用いて、スラブ導波路部31の形成予定領域に第2のマスクを形成する。
次に、第1のマスク及び第2のマスクを利用して、例えばエッチング技術を用い、Si層をパターニングする。その結果、支持基板10としての支持基板層上にSiO2層が積層され、さらにSiO2層上に、スラブ導波路部31及びリブ部33を含む偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50又は70、並びに波長フィルタ部60又は80が形成された構造体を得ることができる。
次に、例えばCVD法を用いて、SiO2層上に、SiO2を材料としたSiO2材料層を、偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50又は70、並びに波長フィルタ部60又は80を被覆して形成する。その結果、SiO2層及びSiO2材料層から、偏波変換部30、分岐部40、細線導波路部50及び波長フィルタ部60を包含するクラッド層20が形成される。
このように、第1の光導波路素子100及び第2の光導波路素子200は、SOI基板に対して、Si層のパターニング工程及びSiO2材料層の形成工程の組合せによって簡易に製造することができる。
(受光素子)
図5を参照して、上述した第1の光導波路素子及び第2の光導波路素子と接続できる受光素子の一例について説明する。図5(A)は、受光素子を概略的に示す平面図である。また、図5(B)は、図5(A)に示す構造体をIII−III線で切り取った端面図である。
図5を参照して、上述した第1の光導波路素子及び第2の光導波路素子と接続できる受光素子の一例について説明する。図5(A)は、受光素子を概略的に示す平面図である。また、図5(B)は、図5(A)に示す構造体をIII−III線で切り取った端面図である。
受光素子300は、上述した第1の光導波路素子及び第2の光導波路素子と共通の支持基板10上に、Ge層310、電極320、並びに一対の取り出し電極330a及び330bを備えて構成されている。Ge層310は、支持基板10の上面に、Ge(ゲルマニウム)を材料として形成されている。電極320は、Ge層310上にSiを材料として形成されている。一対の取り出し電極330a及び330bは、支持基板10の上面に、Ge層310を挟んで対向して形成されている。取り出し電極330a及び330bは、Siを材料として形成されている。
電極320には、p型又はn型の導電タイプのドーパントが導入されている。また、取り出し電極330a及び330bには、電極320とは逆の導電タイプの、p型又はn型のドーパントが導入されている。その結果、電極320と取り出し電極330a及び330bとの各間において、Ge層310を介してPIN接合が形成される。
上述したように、第1の光導波路素子及び第2の光導波路素子では、波長フィルタ部が備える一対の入出力ポートから下り光信号がそれぞれ出力される。受光素子300では、一対の入出力ポートから出力される下り光信号S3及びS4を、Ge層310に両側から入力する。上述したように、電極320と取り出し電極330a及び330bとの各間において、Ge層310を介してPIN接合が形成されている。そのため、下り光信号S3及びS4が電気信号に変換される。そして、変換された電気信号を、取り出し電極330a及び330bから取り出すことができる。
10:支持基板
20:クラッド層
30:偏波変換部
40:分岐部
50、70:細線導波路部
60、80:波長フィルタ部
100:第1の光導波路素子
200:第2の光導波路素子
20:クラッド層
30:偏波変換部
40:分岐部
50、70:細線導波路部
60、80:波長フィルタ部
100:第1の光導波路素子
200:第2の光導波路素子
Claims (4)
- 偏波変換部と、分岐部と、細線導波路部と、波長フィルタ部とを備え、
前記偏波変換部は、入力される光に含まれるTE偏波及びTM偏波の一方の偏波を他方の偏波に変換するとともに、前記一方の偏波の対称モードと反対称モードとを変換し、
前記分岐部は、一端で前記偏波変換部と接続されており、他端に、前記細線導波路部とそれぞれ接続された2つの入出力部を備え、
前記細線導波路部は、前記波長フィルタ部と接続されており、
前記波長フィルタ部は、入力される光から特定の波長の光を選択的に分離して出力する
ことを特徴とする光導波路素子。 - 前記偏波変換部は、スラブ導波路部と、該スラブ導波路部上に該スラブ導波路部と一体的に形成されたリブ部とを含んで構成され、
前記偏波変換部が、
前記リブ部の幅が、対称モードの一方の偏波と反対称モードの他方の偏波とで等価屈折率が一致する値に設定され、かつ前記スラブ導波路部の厚さ及び前記リブ部の厚さが、対称モードの一方の偏波と反対称モードの他方の偏波とで結合が生じる値に設定された第1の設計条件、
又は前記リブ部の幅が、反対称モードの一方の偏波と対称モードの他方の偏波とで等価屈折率が一致する値に設定され、かつ前記スラブ導波路部の厚さ及び前記リブ部の厚さが、反対称モードの一方の偏波と対称モードの他方の偏波とで結合が生じる値に設定された第2の設計条件
に基づいて形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光導波路素子。 - 前記細線導波路部は、ループ形状で形成されており、
前記2つの入出力部の一方は、前記細線導波路部の一端と接続され、前記2つの入出力部の他方は、前記細線導波路部の他端と接続され、
前記細線導波路部の中途に、1又は互いに分離する光の波長が異なる複数の前記波長フィルタ部が接続されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路素子。 - 互いに分離する光の波長が異なる第1波長フィルタ部及び第2波長フィルタ部の2つの前記波長フィルタ部を備え、
前記細線導波路部は、第1細線導波路及び第2細線導波路を含んで構成されており、
前記第1細線導波路は、一端において前記2つの入出力部の一方と接続され、他端において前記第1波長フィルタ部と接続され、
前記第2細線導波路は、一端において前記2つの入出力部の他方と接続され、他端において前記第2波長フィルタ部と接続される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路素子。
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