JP2019215488A - 電気光学変調器 - Google Patents

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Abstract

【課題】リブ型Si導波路と高効率に光結合し、変調効率を高めると共に、積層された半導体層における電気容量や引出抵抗の低減を実現する、Si基板上に集積化可能なSIS型電気光学変調器を提供する。【解決手段】導電型の異なる第1の半導体層4及び第2の半導体層5と両半導体層間の誘電体層11で構成されるSIS型接合において、両半導体層に結合された電極からの電気信号により、自由キャリアが、誘導体層11の両側で蓄積、除去、または反転することにより、光信号電界が感じる自由キャリア濃度が変調されることを利用した電気光学変調器であって、SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光が誘電体層11に入射され、該入射する光の波長をλ、該入射光に対する実効屈折率をneffとした時、SIS型接合の幅Wが、λ/neff以下であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、情報処理および通信分野において必要となる、高速電気信号を光信号に高速に変換する電気光学変調器に関する。
家庭用光ファイバおよびローカル・エリア・ネットワーク(LAN)などの様々なシステム用の1310nmおよび1550nmの光ファイバ通信波長で機能するシリコンフォトニクスを利用した光通信デバイスは、CMOS技術を利用して、光機能素子および電子回路をシリコンプラットフォーム上に集積化可能とする非常に有望な技術である。
近年、シリコン・ベースの導波路、光結合器、および波長フィルタなどの受動デバイスは、非常に広く研究されている。また、このような通信システム用の光信号を操作する手段として重要な技術として、シリコン・ベースの光変調器や光スイッチなどの能動素子が挙げられ、非常に注目されている。シリコンの熱光学効果を利用して屈折率を変化させる光スイッチや変調素子は、低速であり、1Mb/秒の変調周波数までの装置速度にしか使用出来ない。従って、より多くの光通信システムにおいて要求される高い変調周波数を実現するためには、電気光学効果を利用した光変調素子が必要である。
現在提案されている電気光学変調器の多くは、キャリアプラズマ効果を利用して、シリコン層中の自由キャリア密度を変化させることにより、屈折率の実数部と虚数部を変化させ、光の位相や強度を変化させるデバイスである。純シリコンは、線形電気光学効果(Pockels)効果を示さず、またFranz−Keldysh効果やKerr効果による屈折率の変化は非常に小さいため、上記の効果が広く利用されている。自由キャリア吸収を利用した変調器では、Si中を伝播する光吸収の変化により、出力が直接変調される。屈折率変化を利用した構造としては、マッハ・ツェンダー干渉計を利用したものが一般的であり、二本のアームにおける光位相差を干渉させて、光の強度変調信号を得ることが可能である。
電気光学変調器における自由キャリア密度は、自由キャリアの注入、蓄積、除去、または反転によって変えることが出来る。現在までに検討されたこのような装置の多くは、光変調効率が悪く、光位相変調に必要な長さがmmオーダーであり、1kA/cmより高い注入電流密度が必要である。小型・高集積化、さらには低消費電力化を実現するためには、高い光変調効率が得られる素子構造が必要であり、これにより光位相変調長さを小さくすることが可能である。また、素子サイズが大きい場合、シリコンプラットフォーム上での温度分布の影響を受け易くなり、熱光学効果に起因するシリコン層の屈折率変化により、本来の電気光学効果を打ち消すことも想定され、問題である。
特許文献1にはSIS(semiconductor-insulator-semiconductor)型構造からなるシリコン・ベース電気光学変調器が開示されている。この変調器は、p−Si4からなる第1の導電型の本体領域とこれと部分的に重なるように積層されたn−Si5からなる第2の導電型のゲート領域からなり、この積層界面に比較的薄い誘電体層11を形成したシリコン・ベース電気光学変調器である。図1には従来技術によるSIS型構造からなるシリコン・ベース電気光学変調器を示す。このようなシリコン・ベース電気光学変調器は、SOIプラットフォーム(Si支持基板1及びBOX層2)上に形成され、前記本体領域は、SOI基板の比較的薄いシリコン表面層4に形成されており、ゲート領域はSOI構造に積層される比較的薄いシリコン層5で出来ている。ゲートおよび本体領域内はドープ処理され、ドープ処理された領域は、キャリア密度変化が外部信号電圧により制御されるように規定されている。この時、理想的には、光信号電界とキャリア密度が動的に外部制御される領域は一致させることが望ましく、前記誘電体層11の両側で、自由キャリアが蓄積、除去、または反転されることにより、光位相変調がなされる。しかし、実際にはキャリア密度が動的に変化する領域は十nm程度と非常に薄いことが問題であり、これによりmmオーダーの光変調長さが必要となり、電気光学変調器のサイズが大きく、電気容量が大きいために高速動作が難しいという課題がある。
また、特許文献2には、図2に示すように第1の導電型の第1のシリコン半導体層4と第2の導電型の第2のシリコン半導体層5との積層構造がリブ導波路形状を有して光の閉じ込め領域を構成し、リブ導波路のスラブ部分に、金属電極(9及び10)が接続された領域(6及び7)を設ける。金属電極が接続された領域においてスラブ部分の厚さをその周囲のスラブ部分の厚さよりも大きくする。金属電極が接続された領域までのリブ導波路からの距離を変化させたときにリブ導波路の0次モードの実効屈折率が変化しないようなその距離の範囲内に、金属電極が接続された領域を設定するシリコン光変調器が開示されている。第1の導電型のシリコン半導体層と第2の導電型の第2のシリコン半導体層に隣接して形成される電極層が干渉しないように、第1の導電型のシリコン半導体層に隣接する電極層を離す必要があり、第1の導電型のシリコン半導体層から電極層に至る引出抵抗が高くなる場合があった。一方、第2の導電型の第2のシリコン半導体層に隣接して形成される電極層を、リブ型導波路に近づけた場合、光損失が大きくなる。
特表2006−515082号公報 特開2011−180595号公報
従って、小型・低電圧化が可能なSIS型電気光学変調器に関して、変調効率を高めると共に、電気容量の低減による低消費電力化や周波数帯域の改善が課題である。
本発明の目的は、リブ型Si導波路と高効率に光結合し、変調効率を高めると共に、積層された半導体層における電気容量や引出抵抗の低減を実現する、Si基板上に集積化可能なSIS型電気光学変調器を提供することにある。
本発明の電気光学変調器は、第1の導電型を呈するようにドープ処理された第1の半導体層と第2の導電型を呈するようにドープ処理された第2の半導体層の少なくとも一部が積層された構造からなり、前記積層された両半導体層の界面に、誘電体層が形成されたSIS(semiconductor−insulator−semiconductor)型接合において、前記第1および第2の半導体層に結合された電極からの電気信号により、自由キャリアが、前記誘導体層の両側で蓄積、除去、または反転することにより、光信号電界が感じる自由キャリア濃度が変調されることを利用した電気光学変調器であって、
前記SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光が前記誘電体層に入射され、該入射する光の波長をλ、前記電気光学変調器の入射光に対する実効屈折率をneffとした時、前記SIS型接合の幅が、λ/neff以下であることを特徴とする。
本発明に依れば、リブ型Si導波路と高効率に光結合し、変調効率を高めると共に、積層された半導体層における電気容量や引出抵抗の低減を実現する、Si基板上に集積化可能なSIS型電気光学変調器を提供することができる。
従来技術のSIS構造からなる電気光学変調器の構造例の断面図。 従来技術のSIS構造からなる電気光学変調器の構造例の断面図。 本発明の一実施形態に係る電気光学変調器の構造例の断面図。 本発明の第1のモード変換器においてTE0モードをTE1モードに変換する構造の概略図。 本発明の第1のモード変換器においてTE1モードをTM0モードに変換する構造の概略図。 本発明の一実施形態に係る電気光学変調器の構造例の断面図。 本発明の一実施形態に係る電気光学変調器の構造例の断面図。 本発明の一実施形態に係る電気光学変調器の構造例の断面図。 本発明の一実施形態に係る電気光学変調器の製造工程(a)〜(e)を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る電気光学変調器の製造工程(f)〜(i)を示す断面図。 本発明と従来型の電気光学変調器の光変調効率の導波路幅依存を比較したグラフ。 本発明と従来型の電気光学変調器の光変調特性の周波数依存を比較したグラフ。 本発明の電気光学変調器を用いたマッハ・ツェンダー干渉計型の光強度変調器の実施例を示す概略図。
以下、本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る電気光学変調器の一例を示す断面図である。ここでは、第1の導電型をp型、第2の導電型をn型として説明するが、逆に第1の導電型をn型、第2の導電型をp型としてもよい。
図3において、SOI基板の支持基板1に対して下部クラッドとなる埋め込み酸化物層(BOX層)2を介して平行に配置された第1の導電型(p)を呈するようにドープ処理された第1の半導体層4と第2の導電型(n)を呈するようにドープ処理された第2の半導体層5の少なくとも一部が積層された構造からなり、積層された両半導体層の界面に、誘電体層11が形成されたSIS型接合を有する。図3においては、第1の半導体層4がリブ導波路構造に形成されており、このリブ導波路上に誘電体層11が形成され、さらにその上に第2の半導体層5が積層されている。また、第1の半導体層4のリブ導波路構造の両側にスラブ領域が形成され、該スラブ領域の一部と、リブ導波路構造と同等の高さに形成された領域に高濃度の第1の導電型(p+)にドープ処理された第1コンタクト領域6を設けている。なお、SOI基板の支持基板1とBOX層2を合わせて単に基板ということがある。
第1の半導体層4に隣接して、リブ導波路と同等の高さの高濃度ドープされた第1コンタクト領域6が形成されているために、電極引出し抵抗、すなわち直列抵抗成分を小さくし、RC時定数を小さくすることが可能である。さらに、第2の半導体層5の厚さを調整することにより、光フィールドとキャリア密度が変調される領域とのオーバーラップが改善され、電気光学変調器の小型化も可能である。
なお、第1コンタクト領域6は、必ずしもリブ導波路と同等の高さに形成する必要は無く、スラブ領域高さの第1の半導体層4に高濃度ドープして第1コンタクト領域6とすることもできる。また、この例では、SIS型接合の幅方向は基板面と平行な方向、すなわち、第1の半導体層4、誘電体層11及び第2の半導体層5を基板上に積層する構成としているが、これに限定されず、基板面に垂直な方向にSIS型接合の幅方向が向くように構成してもよい。後述する光モード変換器を同一基板上に同時に形成することを考慮すると、SIS型接合の幅方向は基板面と平行な方向であり、第1の半導体層4はリブ導波路構造に形成することが好ましい。
この時、このドーピング密度を上昇させた領域と光フィールドとのオーバーラップによる光吸収損失を低減するために、本発明では図に示すようなリブ/リッジ形状からなる導波路形状とし、スラブ領域のドーピング密度を上昇させた構造とすることにより、光損失が小さく、RC時定数の小さい、高速動作する電気光学変調器を得ることが可能となる。また、リブ導波路と同等の高さの第1コンタクト領域を、リブ型導波路構造に近づけた時に生じる、高次光伝搬モードの励振を抑制することも可能となる。
第2の半導体層5にも同様に、高濃度の第2の導電型(n+)にドープ処理された第2コンタクト領域7を備える。これらの半導体層は上部クラッドとなる酸化物クラッド8で覆われており、下部クラッドとなるBOX層2とともに光閉じ込め構造が形成されている。さらに、第1コンタクト領域6に接続される第1電極9、第2コンタクト領域7に接続される第2電極10が配されて、図示する電気光学変調器が構成される。なお、図1及び図2、さらに後述する図6〜9において、同じ符号は同等の構成を示す。
この電気光学変調器は、その構造自体は図2に示す従来構造と類似しているが、第1の半導体層4と第2の半導体層5と両半導体層の界面に形成された比較的薄い誘電体層11とで形成されるSIS型接合の幅Wが図2のものよりも狭く形成されている。また、このSIS型接合に対して入射する光は、符号12に示すように、SIS型接合の幅方向(紙面の左右方向)に対して直交する方向に偏光成分を有する光である点が特徴である。
従来、SIS型構造のシリコン・ベース電気光学変調器では、SIS型接合の幅方向に平行な偏光成分を有する光、例えば、図1及び図2に示すように、SIS型接合の幅方向がSOI基板の基板面に平行な方向となる横方向電界(TE(transverse electric))モードの光が入射されていた。このとき、SIS型接合の幅を小さくしていくと、光変調効率が低下して実用的でなくなる。したがって、入射する光の波長をλ、入射光に対する実効屈折率をneffとした時、SIS型接合の幅をλ/neff以上とすることが通常である。
一方、本発明者らの検討により、SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光を入射光として用いた場合、SIS型接合の幅をλ/neff以下としても光変調効率が低下し難いことを見出した。また、SIS型接合の幅を狭くできる結果、SIS型接合を構成する第1の半導体層4に隣接して形成される第1コンタクト領域6をSIS型接合の幅が狭くなった分だけ近づけることが可能となり、半導体層から電極に至る引出抵抗を低減することが可能となる。SIS型接合の幅としては、λ/2neff以下とすることがより好ましい。つまり、従来のSIS型接合の幅の1/2以下としても十分な変調効率を得ることが可能である。すなわち、従来のSIS型接合構造からなる電気光学変調器に対して、変調効率を維持しながら、1/2以下の低消費電力化、2倍以上の広帯域化が実現可能である。さらに、本発明においては、電極引出抵抗の低減により、低抵抗かつ低電気容量で高速動作可能な電気光学変調器を実現することが可能である。
この時、SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光は、入力側の光モード変換器(第1の光モード変換器という)により形成されるスロットモードの光であることが好ましい。つまり、第1の光モード変換器において、スロットモード以外の光をスロットモードの光に変換して電気光学変調器に入射することができる。これにより、前記SIS型接合の幅をλ/neff以下としても、比較的高い変調効率を実現することが可能である。
本実施形態における電気光学変調器にて変調された光は、その出力側に結合された光モード変換器(第2の光モード変換器)により、第1の光モード変換器に入力された光と同じモードに変換されることが好ましい。つまり、電気光学変調器にて変調されたスロットモードの光が第2の光モード変換器により第1の光モード変換器に入力された前記スロットモード以外の光に戻されて出力される。これにより、電気光学変調器が集積された光回路における偏光方向を電気光学変調器の入出力光と統一することが可能となり、光パワー分岐デバイスや光結合器における光損失が小さい高集積光回路が実現可能となる。
これらの第1及び第2の光モード変換器は、本実施形態に係る電気光学変調器と同一基板に形成(備え)られていることが、光損失の低減の観点から好ましい。例えば、図3に示すような基板面に平行な方向にSIS型接合の幅方向がある場合、第1の光モード変換器は、入力側に略単峰のパワー密度を有するTEモード(TE0)が入射され、略単峰のパワー密度を有する横方向磁界(0次のTM(transverse magnetic):TM0)モードの光に変換されて出力される。これにより、レーザダイオードの発振モードであるTEモードで出力された光モードおよびレーザダイオードと結合したTEモードで伝播する光導波路との光結合が容易となる。
通常、このような光モード変換器は、1段階でTE0モードからTM0モードに変換されるものは構造が複雑であることから、一旦、入力されたTE0モードの光が略双峰のパワー密度分布を持つTE1モードの光に変換され、さらにTE1モードの光がTM0モードの光に変換されるように、2つの部分で構成されることが好ましい。
TE0モードの光をTE1モードの光に変換するには、図4に示すような2本の幅の異なる光導波路を並列に配置した方向性結合器20などが適用可能である。図4において、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線での断面図、(c)は(a)のB−B’線での断面図を示す。図4に示す方向結合器20は、幅の狭いTE0導波路21と幅の広いTE1導波路22が、入力側では(b)に示すように離れて配置されているが、(c)に示すように近接して配置される部分でTE0導波路21からTE1導波路22に光23が滲み出し、両者の導波路幅を最適化することで次数変換が可能となる。両導波路21及び22は、本実施形態に係る電気光学変調器と同一基板に備えられる時、SOI基板上の第1の半導体で形成することができる。
また、前記略双峰のパワー密度分布を持つTE1モードの光をTM0モードに変換するには、図5に示すようなモード変換部30を用いる。図5(a)は平面図、(b)は(a)のC−C’線での断面図、(c)は(a)のD−D’線での断面図を示す。同図に示すように、テーパー形状からなる導波路31を用いることが有効である。導波路31は、図4に示すTE1導波路22を延在させて形成することができ、第1の半導体層4とすることができる。TM0モードに変換された光は、本実施形態に係る電気光学変調器へとそのまま入射されるように、導波路31(第1の半導体層4)のテーパー形状と逆方向に広がるテーパー形状を有する第2の半導体層5からなる上部層32およびその間に比較的薄い誘電体層11が積層された構造を適用することが有効である。導波路31のテーパー先端部33は、本実施形態に係る電気光学変調器におけるSIS型接合の幅Wまで狭めることができる。
これにより、前記電気光学変調器において、スロットモードと呼ばれる前記比較的薄い誘電体層に局在したTM0の光モードを生成することが可能となる。この時、TM0モードの光電界方向は、SIS型接合に直交するように設計される。これによりSIS型接合の幅Wを小さくし、電気容量を小さくした場合においても、比較的大きな変調効率が得られ、高効率で低消費電力・広帯域な電気光学変調器を実現することが可能となる。
一方、第2の光モード変換器は、第1の光モード変換器とは逆の構成を有しており、本実施形態に係る電気光学変調器によって変調されたTM0モードの光信号を図5の逆方向の構成によりTE1モードに変換し、さらに図4の逆方向の構成によりTE1導波路22からTE0導波路21へ光を変換して、出力側にTE0モードの光として取り出す。
本発明において、積層された第1の半導体層4と第2の半導体層5の界面に介在する比較的薄い誘電体層11は、第1及び第2の半導体層よりも屈折率の低い無機材料、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、希土類酸化物、電気光学効果を有する強誘電体膜から選択されるいずれか1種類、あるいはこれらの少なくとも2種類からなる混合膜または積層膜とすることができる。誘電体層11の厚みとしては、特に制限されるものではないが、SiO2換算膜厚として、1〜10nm程度が好ましい。
電気光学効果を有する強誘電体層を用いる場合には、電圧印加時に第1あるいは第2の半導体層における屈折率変化と強誘電体層のポッケルス効果による屈折率変化の符号が逆になるため、強誘電体層のポッケルス効果による屈折率変化がより大きくなるように強誘電体層厚や材料構成を選択することが好ましい。
本発明においては、前記第1および第2の半導体層は、多結晶シリコン、歪シリコン、単結晶シリコン、Si1−xGe、化合物半導体からなる群から選択される少なくとも一層から構成されることができる。
また、SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光モード電界方向に対して平行な方向に、第1あるいは第2の半導体層の結晶方位が自由キャリアの有効質量が小さい結晶方位に選択されることが好ましい。これにより、より大きな光変調効率を実現することが可能となる。
さらに、本発明においては、前記第1および第2コンタクト領域に形成された電極(電気端子)は、光信号損失を小さくするように、さらに低い直列抵抗を与えながら配置されていることが好ましい。
以下の説明は、本発明に係る電気光学変調器の動作を、これに基づく半導体層内の変調メカニズムの概要として説明するものである。図示した実施形態のいくつかのものが変調構造に関連しているが、本発明の電気光学変調器は、以下に説明する電気光学効果(自由キャリアプラズマ効果)を利用するものである。
純粋な電気光学効果はシリコン内には存在しないか、または非常に弱いため、自由キャリアプラズマ効果と熱光学効果だけが光変調動作に利用出来る。本発明が目的とする高速動作(Gb/秒以上)のためには、自由キャリアプラズマ効果だけが効果的であり、屈折率の変化は以下の関係式(1)及び(2)の1次近似値で説明される。
Figure 2019215488
式中、ΔnおよびΔkは、半導体層の屈折率変化の実部および虚部を表わしており、eは電荷、λは光波長であり、εは真空中の誘電率であり、nは真性半導体の屈折率、mは電子キャリアの有効質量、mはホールキャリアの有効質量であり、μは電子キャリアの移動度、μはホールキャリアの移動度、ΔNは電子キャリアの濃度変化、ΔNはホールキャリアの濃度変化である。従って、電子およびホールキャリアの有効質量を小さくすること、すなわちSi1−xGe層や化合物半導体であるInPやInGaAsPなどを適用することにより、自由キャリアの有効質量が大幅に低減され、より大きな屈折率変化を得ることが可能である。
半導体層中の自由キャリアプラズマ効果に基づく電気光学効果の実験的な評価が行われており、光通信システムで使用する1310nmおよび1550nm波長でのキャリア密度に対する屈折率変化は、Drudeの式と良く一致することが分かっている。また、これを利用した電気光学変調器においては、位相変化量Δθは以下の式(3)で定義される。
Figure 2019215488
式中、Lは電気光学変調器の光伝播方向に沿ったアクティブ層の長さである。Δneffは実効屈折率の変化量である。
本発明では、実効屈折率の変化量を大きくできる結果、所望の位相変化量Δθを得るためのアクティブ層の長さLを短くすることができる。
上記実施形態では、電気光学変調器として図3に示す構造を例に説明したが、本発明はこの実施形態のみに限定されず、以下のような実施形態を例示的に挙げることができる。
図6に示す本発明の別の実施形態例に係る構造では、図3の構成に加え、SIS接合を形成する2層の半導体層のうち、第1の半導体層(p型Si層)4のリブ導波路形状部分に同じ導電型(p型)のSi1−xGe(0<x≦0.9、好ましくは0.01≦x0.9)層(以下、SiGe層)13が設けられており、第1の半導体層4に積層プロセスによる歪応力の印加がなされている。該SiGe層13は、Ge濃度の異なる層の積層構造とすることもできる。この時、リブ上部領域に形成されるSiGe層13の厚さは、自由キャリアが誘電体層11の両側で蓄積、除去、または反転する半導体層の最大空乏層厚さXdに対して、その2倍を越えても変調効率を改善する効果はあるが、より効果的には2倍以下であることが好ましい。
最大空乏層厚Xdは、熱平衡状態では下記数式(4)で与えられる。
Figure 2019215488
ここでεは、半導体層の誘電率、kはボルツマン定数、Nはキャリア密度、nは真性キャリア濃度、eは電荷量である。例えば、Nが1017/cmの時、最大空乏層厚は0.1μm程度であり、キャリア密度が上昇するに伴い、空乏層厚、すなわちキャリア密度の変調が生じる領域の厚みは薄くなる。したがって、この場合は、SiGe層13の厚さは0.2μm以下に形成されることが好ましい。
さらに、本発明の別の実施形態では、図7に示すように左右非対称なSIS型接合構造を形成することができる。図7では、第1の半導体層4’に対して第1コンタクト領域6が片側(紙面左側)に形成され、第2の半導体層5’に対して第2コンタクト領域7が第1コンタクト領域6の形成される側と反対側(紙面右側)に形成される。あるいは図8に示すように、SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光のモード電界方向に対して平行な方向(すなわちSIS型接合の幅方向)にリブ導波路構造に形成された第1の半導体層4”がテーパー状に広がっている構造、すなわちSIS型接合の幅Wに対して、リブ導波路構造の裾部分の幅Wが広がっている構造とすることもできる。これらの構造により、寄生電気容量が低減し、さらなる高速動作が可能となる。また、第2の半導体5の一部が誘電体層11との接触面から上方向に向かってテーパー状に広がっている構造としてもよい。つまり、第1あるいは第2の半導体層が、前記比較的薄い誘電体層に対して直交する方向にテーパー状に広がっている構造とすることができる。これにより、SIS型接合部における寄生電気容量を小さくすることが可能となると共に、光モードフィールドをより効率的に第1あるいは第2の半導体層中に閉じ込めることが可能となる。
さらに、上記実施形態では、第1及び第2の半導体層としてシリコン系の半導体について説明したが、第1の半導体層4に対して誘電体層11を介して積層される第2の半導体層としては、InGaAsPなどのIII−V族化合物半導体層を用いることもできる。第2の半導体層としてこのような化合物半導体層を用いることで、光変調効率の改善と共に、光損失の増大を低減することが可能となる。
次に,本発明に係る電気光学変調器の製造方法について、図7に示す左右非対称構造を有するSIS型接合を有する実施形態を例に説明する。他の実施形態についても同様に製造できることは当業者に自明である。
図9−1及び図9−2における工程(a)−(i)は、図7に示す電気光学変調器を形成する方法の一例を示す工程断面図である。
工程(a)は、本実施形態の電気光学変調器を形成するために用いるSOI基板3を準備する工程である。このSOI基板は、支持基板1と埋め込み酸化層2とその上に100−1000nm程度のSi層が第1の半導体層4として積層された構造からなる。光損失を低減するために、埋め込み酸化層2の厚みは1000nm以上である構造を適用することが好ましい。この埋め込み酸化層2上のSi層は、第1の導電型(例えば、p型)を呈するように予めドーピング処理された基板を用いるか、あるいはイオン注入などにより、リン(P:n型)あるいはボロン(B:p型)を表面層にドープ処理した後、熱処理しても良い。
次に工程(b)では、リブ導波路形状を形成するためのマスクとして酸化膜マスク41とSiNハードマスク層42の積層構造を形成し、UVリソグラフィとドライエッチング法などによりパターニングする。このとき、第1コンタクト領域6を形成する部分にも積層構造を形成しておく。
次に工程(c)では、酸化膜マスク41とSiNハードマスク42をマスクにして、第1の半導体層4をパターニングして、リブ導波路形状4aとする。第1コンタクト領域6を形成する部分も4bとして残り、その他はスラブ領域4cとなる。また、この時、同じSOI基板上に、電気光学変調器に入力されるTE0モードの光をTE1モードに変換して、さらにTM0モードに変換する第1および第2のモード変換器を構成するシリコン導波路部もパターニングして形成する。さらに、図示しないエッチングマスクで4a、4b及び4aと4b間のスラブ領域4cを保護し、露出するスラブ領域4cの一部は除去する。
次に工程(d)では、リブ導波路形状と同等の高さの隣接する第1コンタクト領域6を形成する部分とスラブ領域の一部にイオン注入法などにより高濃度の第1の導電型の不純物(例えばボロン(B)をドープして、第1コンタクト領域6を形成する。
次に工程(e)では、酸化物クラッド8の一部8aを積層し、CMP (chemical mechanical polishing)法により平坦化を行う。
次に工程(f)に示すように、残存するSiNハードマスク42および酸化膜マスク41を熱リン酸および希フッ酸処理などにより除去し、リブ導波路形状4aの上層部に2〜10nm程度の比較的薄い誘電体層11を形成する。また、第1および第2のモード変換器を構成するシリコン導波路部分にも同様に誘電体層11を形成してもよい。誘電体層の形成方法としては、熱酸化法、原子層堆積法(ALD法)、CVD法などの公知の方法が挙げられる。
さらに第2の導電型を呈するようにドープ処理された第2の半導体層5として、nドープ多結晶シリコン層を積層し、第2コンタクト領域が形成出来る程度の幅にドライエッチング法などによりパターニングする。また、図5に示すモード変換部30の上層32を構成する多結晶シリコン層も同様に積層し、ドライエッチング法などによりパターニングする。
次に工程(g)において、第2の半導体層5の一部に高濃度の第2導電型の不純物(例えばリン(P))のドープをイオン注入法などにより行い、第2コンタクト領域7を形成する。
次に工程(h)に示すように、酸化物クラッド8をさらに1μm程度積層し、工程(i)に示すように、第1コンタクト領域6および第2コンタクト領域7との電気接続を取る為のコンタクトホール43及び44をドライエッチング法などにより形成する。
最後にコンタクトホール43及び44に、Ti/TiN/Al(Cu)あるいはTi/TiN/Wなどの金属層をスパッタ法やCVD法により成膜し、反応性エッチングによりパターニングすることにより、図7に示す第1コンタクト領域6に接続される第1電極9、第2コンタクト領域7に接続される第2電極10を形成して、駆動回路との接続を行う。
次に、本発明の効果について説明する。
図10はSIS接合型電気光変調器において、前記比較的薄い誘電体層として2nmのSiOを採用した場合における、本発明に係るスロット光モードであるTM0モードの光を適用した場合(I)と、従来のTE0モードの光を適用した場合(II)の光変調効率(VπL)のSIS型接合の幅依存性を示すグラフである。この時、光変調効率の性能指標であるVπLは、変調効率が高い時により小さい値となる。また、この例において、SIS型接合の幅は導波路幅と同等とした。また、0.4μmにおいて、おおよそλ/neffとなるものとする。なお、実際には波長λが1.31μmに対して実効屈折率neffが2.8程度のため、λ/neffは468nm程度となる。本発明のTM0モードを用いた場合(I)では、導波路幅を小さくしても比較的高い変調効率が得られることが分かる。つまり、従来の導波路幅を0.4μmとすると、その1/2である0.2μmでは、本発明(I)と従来例(II)とでは変調効率に明確な差が確認でき、さらにそれよりも狭くすると、本発明では多少の変調効率の低下で収まるのに対し、従来例では大きく低下していることが分かる。このように、本発明に係る電気光学変調器では、電気容量を顕著に小さくすることが可能となり、低消費電力化と広帯域化が実現可能であった。
図11は本発明のスロットモードにより導波路幅を0.2μmにした場合(I)と従来型のTEモードで導波路幅を0.4μmとした場合(II)の電気光学変調器における光変調周波数特性である。導波路幅を従来の半分とし、さらに電極を近づけ直列抵抗を低減することにより、RC時定数が小さくなり、従来型と比較してより広帯域である30GHz程度の周波数帯域が得られた。
上記に加えて、周波数帯域を改善するためには、キャリアの移動度が非常に重要である。特に、第2の半導体層として使用する多結晶シリコン層におけるキャリアの移動度は、高速動作する上で課題として挙げられる。従って、アニール処理による再結晶化により粒子径を大きくし、キャリア移動度を改善するか、あるいは第2の半導体層に関して、エピタキシャル横方向成長(ELO)法などを用いて結晶品質を改善することが有効である。
また、第2の半導体層として化合物半導体層を用いる場合には、シリコン半導体層などの第1の半導体層上に比較的薄い誘電体層を形成し、第2の半導体層として化合物半導体層を貼り合せ、リソグラフィプロセスによりエッチング加工後、電極層を形成することにより高効率かつ高速な電気光学変調器が実現可能であった。
図12は本発明の電気光学変調器の適用例としてマッハ・ツェンダー干渉計型の光強度変調器50を示す。同図において、平行に配置された第1のアーム51および第2のアーム52に本発明に係る電気光学変調器が位相変調部56に適用され、入力されたTE0モードの光が第1の光モード変換器55によりTE1モードに変換され、さらにSIS型接合部でスロットモードを形成するようにTM0モードに変換されSIS型接合からなる電気光学変調器に光結合する。また、電気光学変調器の出力部において、第2の光モード変換器57によりTE0モードに変換される。光強度変調器50に入力される光は導波路58からこれに入力側で結合する光分岐構造53により第1のアーム51と第2のアーム52に均等パワーとなるように分岐され、第1のアーム51および第2のアーム52で光信号の位相変調が行われ、出力側で光結合構造54により位相干渉が行われることにより、光強度変調信号に変換され、導波路59から出力される。
ここで、第1のアーム51にプラスの電圧を印加することにより、薄い誘電体層の両側でキャリア蓄積が生じ、第2のアーム52にマイナスの電圧を印加することにより、薄い誘電体層の両側のキャリアが除去されることになる。これにより、キャリア蓄積モードでは、電気光学変調器における光信号電界が感じる屈折率が小さくなり、キャリア除去(空乏化)モードでは、光信号電界が感じる屈折率が大きくなり、両アームでの光信号位相差が最大となる。この両アームを伝送する光信号を出力側の第2の光モード変換器57によりTE0モードの出力光に変換し、光結合構造54により合波することにより、光強度変調が生じることになる。この光強度変調器50においては、40Gbps以上の光信号の送信が可能であることを確認した。
また、このマッハ・ツェンダー干渉計構造の光強度変調器は、その複数を並列あるいは直列に配置されることにより、より高い転送レートを有する光変調器やマトリックス光スイッチなどへ応用することも可能であった。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解できる様々な変更を行うことができる。
<付記>
(付記1)
第1の導電型を呈するようにドープ処理された第1の半導体層と第2の導電型を呈するようにドープ処理された第2の半導体層の少なくとも一部が積層された構造からなり、前記積層された両半導体層の界面に、誘電体層が形成されたSIS(semiconductor−insulator−semiconductor)型接合において、前記第1および第2の半導体層に結合された電極からの電気信号により、自由キャリアが、前記誘導体層の両側で蓄積、除去、または反転することにより、光信号電界が感じる自由キャリア濃度が変調されることを利用した電気光学変調器であって、
前記SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光が前記誘電体層に入射され、該入射する光の波長をλ、前記電気光学変調器の入射光に対する実効屈折率をneffとした時、前記SIS型接合の幅が、λ/neff以下であることを特徴とする電気光学変調器。
(付記2)
前記SIS型接合の幅が、λ/2neff以下である付記1に記載の電気光学変調器。
(付記3)
前記誘電体層に入射される光が該誘電体層に局在する光モードであるスロットモードの光であり、前記電気光学変調器の入力側に該スロットモード以外の光を該スロットモードに変換する第1の光モード変換器を備えることを特徴とする付記1又は2に記載の電気光学変調器。
(付記4)
前記電気光学変調器の出力側に、前記スロットモードの光を前記スロットモード以外の光に変換する第2の光モード変換器を備えることを特徴とする付記3に記載の電気光学変調器。
(付記5)
前記SIS型接合の幅方向が前記第1の半導体層を支持する基板面に平行な方向であり、前記スロットモードの光が0次の横方向磁界(TM0)モードの光であり、前記前記スロットモード以外の光が0次の横方向電界(TE0)モードの光である付記3又は4に記載の電気光学変調器。
(付記6)
前記第1および第2の半導体層に結合された電極は、前記第1および第2の半導体層にそれぞれ同一導電型の不純物を前記第1および第2の半導体層よりも高濃度にドープ処理された第1及び第2コンタクト領域に接続される第1電極と第2電極とを有する付記1〜5に記載の電気光学変調器。
(付記7)
前記第1の半導体層は、リブ導波路構造を有し、前記誘電体層は、該リブ導波路上部に形成されていることを特徴とする付記6に記載の電気光学変調器。
(付記8)
前記第1コンタクト領域が前記リブ導波路構造の高さと同じ高さに形成される付記7に記載の電気光学変調器。
(付記9)
前記第1あるいは第2の半導体層が、前記SIS型接合の幅方向に対して直交する方向に前記SIS型接合の幅からテーパー状に広がる部分を有することを特徴とする付記1〜8に記載の電気光学変調器。
(付記10)
前記誘電体層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、希土類酸化物、電気光学効果を有する強誘電体膜から選択されるいずれか1種類、あるいはこれらの少なくとも2種類からなる混合物または積層膜であることを特徴とする付記1〜9に記載の電気光学変調器。
(付記11)
前記第1及び第2の半導体層が、多結晶シリコン、歪シリコン、単結晶シリコン、Si1−xGe(0<x≦0.9)、化合物半導体からなる群から選択される少なくとも一層を含むことを特徴とする付記1〜10に記載の電気光学変調器。
(付記12)
前記第1の半導体層がシリコン層と該シリコン層と前記誘電体層間に形成されたSi1−xGe(0<x≦0.9)層とを含む付記10に記載の電気光学変調器。
(付記13)
前記第1の半導体層がシリコンを含む層であり、前記第2の半導体層が化合物半導体を含む層である付記11又は12に記載の電気光学変調器。
(付記14)
前記誘電体層に入射する光の電界方向に平行な方向に、前記第1あるいは第2の半導体層の結晶方位が自由キャリアの有効質量が小さい結晶方位となるように選択されることを特徴とする付記1〜13に記載の電気光学変調器。
(付記15)
前記電気光学変調器は、SOI基板上に形成されており、前記第1の半導体層が該SOI基板の一半導体層であり、該SOI基板の埋め込み酸化物層を下部クラッドとし、前記第2の半導体層とともに前記第1の半導体層を覆う上部クラッドとなる酸化物クラッドを有することを特徴とする付記1〜14に記載の電気光学変調器。
(付記16)
それぞれ平行に配置された第1及び第2のアームと、該第1及び第2のアームの入力側と光結合された光分岐構造と、該第1及び第2のアームの出力側と光結合された光合波構造とを備えたマッハ・ツェンダー干渉計であって、
前記第1及び第2のアームが、付記1〜15に記載の電気光学変調器を含むことを特徴とするマッハ・ツェンダー干渉計。
1 支持基板
2 埋め込み酸化層
3 SOI基板
4 第1の半導体層
5 第2の半導体層
6 第1コンタクト領域
7 第2コンタクト領域
8 酸化物クラッド
9 第1電極
10 第2電極
11 誘電体層
12 電気光学変調器に入射する光の偏光方向
13 SiGe層
20 方向性結合器
21 TE0導波路
22 TE1導波路
23 光の滲みだし方向
30 モード変換部
31 導波路
32 上層部
33 導波路のテーパー先端部
50 マッハ・ツェンダー干渉計型光強度変調器
51 第1のアーム
52 第2のアーム
53 光分岐構造
54 光合波構造
55 第1の光モード変換器
56 位相変調部
57 第2の光モード変換器
58〜59 導波路

Claims (10)

  1. 第1の導電型を呈するようにドープ処理された第1の半導体層と第2の導電型を呈するようにドープ処理された第2の半導体層の少なくとも一部が積層された構造からなり、前記積層された両半導体層の界面に、誘電体層が形成されたSIS(semiconductor−insulator−semiconductor)型接合において、前記第1および第2の半導体層に結合された電極からの電気信号により、自由キャリアが、前記誘導体層の両側で蓄積、除去、または反転することにより、光信号電界が感じる自由キャリア濃度が変調されることを利用した電気光学変調器であって、
    前記SIS型接合の幅方向に直交する偏光成分を有する光が前記誘電体層に入射され、該入射する光の波長をλ、前記電気光学変調器の入射光に対する実効屈折率をneffとした時、前記SIS型接合の幅が、λ/neff以下であることを特徴とする電気光学変調器。
  2. 前記SIS型接合の幅が、λ/2neff以下である請求項1に記載の電気光学変調器。
  3. 前記誘電体層に入射される光が該誘電体層に局在する光モードであるスロットモードの光であり、前記電気光学変調器の入力側に該スロットモード以外の光を該スロットモードに変換する第1の光モード変換器を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学変調器。
  4. 前記電気光学変調器の出力側に、前記スロットモードの光を前記スロットモード以外の光に変換する第2の光モード変換器を備えることを特徴とする請求項3に記載の電気光学変調器。
  5. 前記SIS型接合の幅方向が前記第1の半導体層を支持する基板面に平行な方向であり、前記スロットモードの光が0次の横方向磁界(TM0)モードの光であり、前記前記スロットモード以外の光が0次の横方向電界(TE0)モードの光である請求項3又は4に記載の電気光学変調器。
  6. 前記第1および第2の半導体層に結合された電極は、前記第1および第2の半導体層にそれぞれ同一導電型の不純物を前記第1および第2の半導体層よりも高濃度にドープ処理された第1及び第2コンタクト領域に接続される第1電極と第2電極とを有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気光学変調器。
  7. 前記第1の半導体層は、リブ導波路構造を有し、前記誘電体層は、該リブ導波路上部に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の電気光学変調器。
  8. 前記第1コンタクト領域が前記リブ導波路構造の高さと同じ高さに形成される請求項7に記載の電気光学変調器。
  9. 前記第1あるいは第2の半導体層が、前記SIS型接合の幅方向に対して直交する方向に前記SIS型接合の幅からテーパー状に広がる部分を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気光学変調器。
  10. それぞれ平行に配置された第1及び第2のアームと、該第1及び第2のアームの入力側と光結合された光分岐構造と、該第1及び第2のアームの出力側と光結合された光合波構造とを備えたマッハ・ツェンダー干渉計であって、
    前記第1及び第2のアームが、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気光学変調器を含むことを特徴とするマッハ・ツェンダー干渉計。
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