JP6349364B2 - 波長フィルタ - Google Patents

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この発明は、波長フィルタに関する。
近年、小型化や量産性に有利な光デバイスの開発に当たり、Si(シリコン)を導波路の材料として用いるSi導波路が注目を集めている。
Si導波路では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えばシリカ等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば1μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
また、Si導波路では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体装置の製造過程を流用することが可能である。そのため、チップ上に電子機能回路と光機能回路とを一括形成する光電融合(シリコンフォトニクス)の実現が期待されている。
ところで、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)方式を利用した受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)では、加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)毎に異なる受信波長が割り当てられる。局側装置(OLT:Optical Line Terminal)は、各ONUへの下り光信号を、送り先の受信波長に対応した送信波長でそれぞれ生成し、これらを多重して送信する。各ONUは、複数の波長で多重された下り光信号から、自身に割り当てられた受信波長の光信号を選択的に受信する。ONUでは、各々の受信波長の下り光信号を選択的に受信するために、波長フィルタが使用される。そして、波長フィルタを、上述したSi導波路によって構成する技術が実現されている。
Si導波路を用いる波長フィルタとしては、例えば、マッハツェンダー干渉器を用いたものやアレイ導波路グレーティングを用いたものがある。また、Si導波路を用いる波長フィルタとして、リング共振器(例えば特許文献1〜3等)や、グレーティング型(例えば特許文献4等)又は方向性結合器型(例えば特許文献5等)の波長フィルタがある。これらの波長フィルタは、電極を設け、電極の発熱を利用することによって、出力波長を可変にできるという利点がある。
ここで、グレーティング型又は方向性結合器型の波長フィルタでは、出力光の波長ピークが単峰性である。これに対し、リング共振器は、出力光の波長ピークが多峰性である。そのため、リング共振器では、出力光の複数の波長ピークを利用したバーニア効果によって、波長可変域を拡大することができるという利点がある。
特開2003−215515号公報 特開2013−093627号公報 特開2006−278770号公報 特開2006−330104号公報 特開2002−353556号公報
Si導波路を用いるリング共振器は、Siを材料としたリング導波路部分及び方向性結合器部分を含んで構成される。
そして、リング共振器は、方向性結合器部分において、作製誤差の影響を受けやすいという欠点がある。方向性結合器部分では、作製誤差に起因して、所望の分岐比からのずれが生じやすい。従って、リング共振器では、所望の波長の光を高い消光比で取り出すことが難しい。
そこで、この発明の目的は、電極を設けることによって、出力波長を可変にできる波長フィルタであって、作製誤差の影響を受けにくく、かつ出力光の波長ピークが多峰性である波長フィルタを提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明による第1の波長フィルタは、交互に直列に接続された、n個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む光導波路コアと、光導波路コアを包含するクラッドとを備える。モード変換部は、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を、q次モード(qはq>pの整数)に変換して反射する。また、キャビティ部は、当該キャビティ部を伝播する、当該キャビティ部の長さに応じた、特定の波長のp次モードの光の位相を整合させる。モード変換部には、グレーティングが形成されている。グレーティングは、特定の波長λに対し、グレーティング周期をΛ、p次モードに対する等価屈折率をn 、q次モードに対する等価屈折率n として、2π/Λ=2π(n +n )/λを満たす。
また、この発明による第2の波長フィルタは、入力導波路コアと、交互に直列に接続された、n個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第1光導波路コアと、交互に直列に接続された、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第2光導波路コアと、入力導波路コア、第1光導波路コア及び第2光導波路コアを包含するクラッドとを備える。第1光導波路コア及び第2光導波路コアは、入力導波路コアと並列に接続されている。モード変換部は、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を反射する。第1光導波路コアのモード変換部からの反射光と、第2光導波路コアのモード変換部からの反射光とは、互いに逆位相となる。キャビティ部は、当該キャビティ部を伝播する、当該キャビティ部の長さに応じた、p次モードの特定の波長の光の位相を整合させる。モード変換部には、グレーティングが形成されている。グレーティングは、特定の波長λに対し、グレーティング周期をΛ、p次モードに対する等価屈折率をn として、2π/Λ=2π・2n /λを満たす。第1光導波路コアのモード変換部に形成されたグレーティングと、第2光導波路コアのモード変換部に形成されたグレーティングとは、グレーティング周期が半周期ずれている。
また、この発明による第3の波長フィルタは、入力導波路コアと、交互に直列に接続された、n個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第1光導波路コアと、交互に直列に接続された、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第2光導波路コアと、入力導波路コア、第1光導波路コア及び第2光導波路コアを包含するクラッドとを備える。第1光導波路コア及び第2光導波路コアは、入力導波路コアと並列に接続されている。モード変換部は、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を反射する。第1光導波路コアのモード変換部からの反射光と、第2光導波路コアのモード変換部からの反射光とは、互いに逆位相となる。キャビティ部は、当該キャビティ部を伝播する、当該キャビティ部の長さに応じた、p次モードの特定の波長の光の位相を整合させる。モード変換部には、長さ方向に沿って周期的に複数の空孔が形成されることによって、フォトニック結晶が形成されている。フォトニック結晶は、特定の波長λに対し、空孔の形成周期をΛ、p次モードに対する等価屈折率をn として、2π/Λ=2π・2n /λを満たす。第1光導波路コアのモード変換部に形成されたフォトニック結晶と、第2光導波路コアのモード変換部に形成されたフォトニック結晶とは、空孔の形成周期が半周期ずれている。
この発明による波長フィルタは、キャビティ部の長さに応じて位相が整合する波長の光を出力する、波長フィルタとして使用することができる。
また、この発明による波長フィルタは、キャビティ部に電圧・電流を印加する電極を設ける場合、モード変換部からの透過光に対し、キャビティ部によって位相整合させる波長を変化させることができる。
さらに、この発明による波長フィルタは、方向性結合器を構成として含まないため、リング共振器と等価な機能を有しつつ、リング共振器と比べて作製誤差の影響を受けにくい。
(A)は、第1の波長フィルタを示す概略的平面図であり、(B)は、第1の波長フィルタを示す概略的端面図である。 グレーティングの変形例を示す概略的平面図である。 第1の波長フィルタを示す概略的平面図である。 (A)は、第1のシミュレーションの結果を示す図であり、(B)は、第2のシミュレーションの結果を示す図である。 (A)は、第2の波長フィルタを示す概略的平面図であり、(B)は、第2の波長フィルタを示す概略的端面図である。 第2の波長フィルタを示す概略的平面図である。 フォトニック結晶を示す概略的平面図である。 第3のシミュレーションの結果を示す図である。 第4のシミュレーションの結果を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(第1の波長フィルタ)
図1を参照して、この発明の第1の実施の形態による波長フィルタ(以下、第1の波長フィルタとも称する)について説明する。図1(A)は、第1の波長フィルタを示す概略的平面図である。図1(B)は、図1(A)に示す第1の波長フィルタをI−I線で切り取った概略的端面図である。なお、図1(A)では、後述する光導波路コアのみを示してあり、クラッド及び支持基板を省略している。
なお、以下の説明では、各構成要素について、光の伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、支持基板の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
第1の波長フィルタ100は、支持基板10、クラッド20、光導波路コア30及び電極40を備えて構成されている。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド20は、支持基板10上に、支持基板10の上面10aを被覆し、かつ光導波路コア30を包含して形成されている。クラッド20は、例えばSiOを材料として形成されている。
光導波路コア30は、クラッド20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。その結果、光導波路コア30は、実質的な光の伝送路として機能し、入力された光が光導波路コア30の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。また、光導波路コア30は、伝播する光が支持基板10へ逃げるのを防止するために、支持基板10から例えば少なくとも1μm以上離間して形成されているのが好ましい。
また、ここでは、光導波路コア30の厚さは、伝播光のTM偏波に対してシングルモード条件を達成すべく、例えば150〜500nmとするのが好ましい。
また、光導波路コア30は、入力導波路部50、入力側テーパ部55、入力側モード変換部60、キャビティ部65、出力側モード変換部70、出力側テーパ部75及び出力導波路部80がこの順に直列に接続されて構成されている。
入力導波路部50は、TE偏波の伝播光に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。従って、入力導波路部50は、基本モードの光を伝播させる。
入力側テーパ部55は、入力導波路部50と接続された一端55aから、入力側モード変換部60と接続された他端55bへ、連続的に幅が拡大する。そして、入力側テーパ部55の一端55aの幅は、入力導波路部50の幅と等しく設定されている。従って、入力側テーパ部55は、一端55aにおいて、TE偏波の伝播光に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
入力側モード変換部60の両側面部には、全域に渡ってグレーティングが形成されている。このグレーティングにより、入力側モード変換部60は、入力される特定の波長のTE偏波の伝播光を、基本モードから1次モードに変換して反射する。また、入力側モード変換部60は、その他の波長の伝播光を、基本モードのままで透過させる。
グレーティングにおける位相整合条件は、グレーティング周期をΛ、基本モードのTE偏波に対する等価屈折率をn、1次モードのTE偏波に対する等価屈折率nとして、下式(1)で表される。
2π/Λ=2π(n+n)/λ ・・・(1)
グレーティングでは、上式(1)が成立する波長λ、すなわちブラッグ波長のTE偏波がブラッグ反射される。
グレーティングが形成された入力側モード変換部60は、基部61と突出部63a及び63bとを一体的に含んで構成されている。基部61は、入力側モード変換部60の長さ方向に延在して形成されている。突出部63aは、基部61の一方の側面に周期的に複数形成されている。突出部63bは、基部61の他方の側面に、周期的に複数形成されている。これら突出部63a及び63bは、基部61を挟んで反対称となる位置に形成されている。突出部63a及び63bの周期Λは、反射すべき波長λに対して上式(1)が成立するように設計される。
ここで、グレーティングの変形例として、突出部63a及び63bの突出量(突出部63a及び63bの幅方向の寸法)Dがそれぞれ固有の突出量を持ち、突出量Dに少なくとも2以上の値がある構成とすることができる。図2を参照して、グレーティングの変形例について説明する。図2は、グレーティングの変形例を説明するための概略的平面図である。なお、図2では、支持基板及びクラッドを省略して示してある。
図2に示す構成例では、突出部63a及び63bの突出量Dが周期毎に変化する。ここでは、第1周期目の突出部63a及び63bの突出量Dに対して、周期毎に突出量Dが増加する。突出量Dは、グレーティングの長さ方向の中心付近の突出部63a及び63bで最大となる。そして、突出量Dは、最大となる突出部63a及び63b以降減少する。
このように、突出部63a及び63bの突出量Dが異なる値を持つことによって、グレーティングを透過する光のピークの形状が崩れるのを防止することができる。なお、突出量Dの変化量は、反射すべき波長λ及び所望する透過特性に応じて設計される。
キャビティ部65は、一定幅で形成される。キャビティ部65の幅は、基本モード及び1次モードのTE偏波を伝播させることができるように設定される。
キャビティ部65は、このキャビティ部65を伝播する光のうち、特定の波長の光の位相を整合させる。キャビティ部65の長さは、位相整合させる波長に応じて設計される。
出力側モード変換部70には、入力側モード変換部60と同様のグレーティングが全域に渡って形成されている。このグレーティングにより、出力側モード変換部70は、入力される特定の波長のTE偏波の伝播光を、基本モードから1次モードに変換して反射する。また、出力側モード変換部70は、その他の波長の伝播光を、基本モードのままで透過させる。
グレーティングが形成された出力側モード変換部70の基部71の幅、突出部73a及び73bの周期は、入力側モード変換部60のグレーティングと同じ条件で、反射すべき波長λに対して上式(1)を満たすように設計される。
なお、出力側モード変換部70のグレーティングの長さは、入力側モード変換部60のグレーティングの長さと異なるように設定することができる。入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70のグレーティングを異なる長さとすることによって、透過光の波長ピークのフラットトップ特性を向上させることができる。
出力側テーパ部75は、出力側モード変換部70と接続された一端75aから、出力導波路部80と接続された他端75bへ、連続的に幅が縮小する。そして、出力側テーパ部75の他端75bの幅は、出力導波路部80の幅と等しく設定されている。出力側テーパ部75は、他端75bにおいて、TE偏波の伝播光に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
出力導波路部80は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。従って、出力導波路部80は、基本モードの光を伝播させる。
電極40は、クラッド20を介して、キャビティ部65を被覆する位置に形成される。電極40に電流を流すことでジュール熱を発生させることができる。そして、この発熱による熱光学効果によって、キャビティ部65の屈折率を変化させることができる。その結果、キャビティ部65によって位相整合させる波長を変化させることができる。
第1の波長フィルタ100では、入力導波路部50から入力され、入力側モード変換部60を透過するTE偏波、及び出力側モード変換部70のグレーティングで反射され、さらに入力側モード変換部60で反射されるTE偏波のうち、キャビティ部65の長さに応じて位相が整合する波長の光が、出力導波路部80から出力される。
一方、入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70のグレーティングによってモード変換されつつ反射された1次モードのTE偏波の伝播光のうち、キャビティ部65の長さに応じて位相が整合する波長の光が、入力側テーパ部55に入力される。反射光は、入力側テーパ部55を、入力導波路部50に向かって伝播する。しかし、上述したように、入力側テーパ部55の一端55aの幅は、TE偏波に対してシングルモード条件を満たすように設定されている。そのため、反射光は、入力導波路部50に移行することなく放射する。
従って、第1の波長フィルタ100は、キャビティ部65によって位相整合する、特定の波長の光を取り出す波長フィルタとして使用することができる。
また、キャビティ部65を、基本モードの光に対してπの整数倍の位相が生じる長さとすることによって、キャビティ部65を伝播する基本モードの光に対して、複数の波長の位相を整合させることができる。従って、第1の波長フィルタ100は、出力光の波長ピークを多峰性とすることができる。
また、第1の波長フィルタ100では、電極40を用いてキャビティ部65に熱を与えることができる。そのため、キャビティ部65が位相整合させる波長を変化させることができる。従って、第1の波長フィルタ100は、出力波長が可変である。
また、第1の波長フィルタ100は、リング共振器と等価な波長フィルタと見なすことができる。この場合、入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70のグレーティングが、リング共振器の方向性結合器部分に対応する。また、キャビティ部65が、リング共振器のリング導波路部分に対応する。ここで、既に説明したように、リング共振器は、方向性結合器部分において作製誤差の影響を受けやすい。これに対し、第1の波長フィルタ100は、方向性結合器を構成として含まない。従って、第1の波長フィルタ100は、リング共振器と等価な機能を有しつつ、リング共振器と比べて作製誤差の影響を受けにくい。
なお、この実施の形態では、第1の波長フィルタ100が、TE偏波に対して特定の波長の光を出力する構成について説明した。しかし、第1の波長フィルタ100は、TM偏波に対して特定の波長の光を出力する構成とすることもできる。その場合には、入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70のグレーティングを、反射すべき波長λに応じ、TM偏波に対して上式(1)が成立するように設計する。そして、キャビティ部65を伝播するTM偏波のうち、出力導波路部80から出力させる波長が位相整合するように、キャビティ部65の長さを設定する。
また、この実施の形態では、第1の波長フィルタ100が、入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70のグレーティングにおいて、特定の波長の伝播光を、基本モードから1次モードに変換して反射する構成について説明した。しかし、入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70のグレーティングが、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を、q次モード(qはq>pの整数)に変換して反射する構成とすることもできる。その場合には、入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70のグレーティングにおける位相整合条件は、グレーティング周期をΛ、p次モードの光に対する等価屈折率をn、q次モードの光に対する等価屈折率nとして、下式(2)で表される。
2π/Λ=2π(n+n)/λ ・・・(2)
グレーティングでは、上式(2)が成立する波長λ、すなわちブラッグ波長の光がブラッグ反射される。グレーティングは、TE偏波又はTM偏波について、反射すべき波長λに対して上式(2)が成立するように設計される。そして、キャビティ部65を伝播するp次モードの光のうち、出力導波路部80から出力させる波長が位相整合するように、キャビティ部65の長さを設定する。さらに、入力側テーパ部55の一端55aの幅を、p次モードに対応する幅に設定することによって、q次モードの反射光を、入力導波路部50に移行することなく放射させることができる。
また、この実施の形態では、光導波路コア30が、2つのモード変換部(入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70)と1つのキャビティ部65を含む構成について説明した。しかし、光導波路コア30が、n個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む構成とすることもできる。図3を参照して、第1の波長フィルタが、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む場合の構成について説明する。図3は、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第1の波長フィルタ(波長フィルタ150)の概略的平面図である。なお、図3では、支持基板及びクラッドを省略して示してある。
n個のモード変換部160とn−1個のキャビティ部165とは、入力側テーパ部55及び出力側テーパ部75間で、交互に直列に接続される。
各モード変換部160には、上述した入力側モード変換部60及び出力側モード変換部70と同様のグレーティングが全域に渡って形成されている。このグレーティングにより、各モード変換部160は、入力される特定の波長の伝播光を、基本モードから1次モードに変換して反射する。また、各モード変換部160は、その他の波長の伝播光を、基本モードのままで透過させる。各モード変換部160のグレーティングの突出部163a及び163bの周期は、入力側モード変換部60のグレーティングと同じ条件で、反射すべき波長λに対して上式(2)を満たすように設計される。
なお、各モード変換部160のグレーティングの長さ(すなわちモード変換部の長さ)は、一部又は全部が異なるように設定することができる。異なる長さのグレーティングを含むことによって、透過光の波長ピークのフラットトップ特性を向上させることができる。
各キャビティ部165は、これら各キャビティ部165を伝播するTE偏波のうち、キャビティ部165の長さに応じた特定の波長の光の位相を整合させる。
このように、モード変換部160及びキャビティ部165を多段に接続することによって、出力導波路部80から出力される光の波長ピークのフラットトップ特性を向上させることができる。
(第1の波長フィルタの特性評価)
発明者は、FDTD(Finite Differential Time Domain)を用いて、第1の波長フィルタの特性を評価する第1及び第2のシミュレーションを行った。
まず、第1のシミュレーションでは、3つのモード変換部と2つのキャビティ部を備える第1の波長フィルタについて、入力導波路部50から基本モードのTE偏波を入力し、モード変換部を透過して出力導波路部80から出力される出力光、及びモード変換部で反射されて入力導波路部50から出力される出力光を解析した。
第1のシミュレーションでは、以下のように第1の波長フィルタを設計した。すなわち、光導波路コア30は、全体的に厚さを0.2μmとした。また、入力導波路部50は、幅を0.45μmとした。また、入力側テーパ部55は、長さを5μm及び他端55bの幅を0.5μmとした。また、3つのモード変換部のうち両端に位置するモード変換部は、それぞれ長さを17.19μmとし、全長に渡って基部の幅が0.37μm、突出部の突出量が0.13μm及び周期が0.382μmのグレーティングを形成した。また、3つのモード変換部のうち中央に位置するモード変換部は、長さを21.392μmとし、全長に渡って基部の幅が0.37μm、突出部の突出量が0.13μm及び周期が0.382μmのグレーティングを形成した。また、2つのキャビティ部は、それぞれ長さを25.594μm及び幅を0.5μmとした。また、出力側テーパ部75は、長さを5μm及び一端55aの幅を0.5μmとした。また、出力導波路部80は、幅を0.45μmとした。
第1のシミュレーションの結果を、図4(A)に示す。図4(A)では、縦軸に、出力光の強度をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位でとって示してある。図4(A)において、曲線401は、出力導波路部80から出力される出力光の、また、曲線403は、入力導波路部50から出力される出力光の強度を示している。
図4(A)に示すように、出力導波路部80から出力される出力光として、複数のフラットトップの波長ピークが確認できる。また、入力導波路部50から出力される出力光の強度は十分に抑えられていることが確認できる。
次に、第2のシミュレーションでは、各モード変換部のグレーティングを、突出部の突出量が周期毎に変化する構成例(図2参照)として、出力導波路部80から出力される出力光、及び入力導波路部50から出力される出力光を解析した。ここでは、突出部の最大突出量を0.2μmとした。その他の条件は、上述の第1のシミュレーションと同様である。
第2のシミュレーションの結果を、図4(B)に示す。図4(B)では、縦軸に、出力光の強度をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位でとって示してある。図4(B)において、曲線405は、出力導波路部80から出力される出力光の、また、曲線407は、入力導波路部50から出力される出力光の強度を示している。
図4(B)に示すように、出力導波路部80から出力される出力光として、複数のフラットトップの波長ピークが確認できる。また、第1のシミュレーションと比較して、出力光の消光比が大きくなっており、グレーティングにおける回折効率が向上したことが確認できる。また、入力導波路部50から出力される出力光の強度は十分に抑えられていることが確認できる。
なお、第1及び第2のシミュレーションにおいては、入力導波路部50から若干の出力が確認された。しかし、これらは、入力側テーパ部55の長さをより大きく設定し、入力側テーパ部55における放射を促すことによって、低減できると考えられる。
(第2の波長フィルタ)
図5を参照して、この発明の第2の実施の形態による波長フィルタ(以下、第2の波長フィルタとも称する)について説明する。図5(A)は、第2の波長フィルタを示す概略的平面図である。図5(B)は、図5(A)に示す第2の波長フィルタをII−II線で切り取った概略的端面図である。図5(A)では、光導波路コアのみを示してあり、クラッド及び支持基板を省略している。なお、上述した第1の波長フィルタと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2の波長フィルタ200は、支持基板10、クラッド20、光導波路コア230及び電極240を備えて構成されている。
光導波路コア230は、クラッド20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。また、ここでは、伝播光のTM偏波に対してシングルモード条件を達成すべく、光導波路コア230の厚さは、例えば150〜500nmとするのが好ましい。
また、光導波路コア230は、入力導波路コア250、第1光導波路コア210、第2光導波路コア220、出力導波路コア280を含んで構成されている。
入力導波路コア250は、入力導波路部251と入力テーパ部253がこの順に直列に接続されて構成されている。
第1光導波路コア210は、第1入力側テーパ部211、第1入力側アーム部212、第1入力側モード変換部213、第1キャビティ部214、第1出力側モード変換部215、第1出力側アーム部216及び第1出力側テーパ部217がこの順に直列に接続されて構成されている。
第2光導波路コア220は、第2入力側テーパ部221、第2入力側アーム部222、第2入力側モード変換部223、第2キャビティ部224、第2出力側モード変換部225、第2出力側アーム部226及び第2出力側テーパ部227がこの順に直列に接続されて構成されている。
出力導波路コア280は、出力テーパ部281及び出力導波路部283がこの順に直列に接続されて構成されている。
第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220は、互いに離間しかつ並んで設けられている。
また、入力導波路コア250の入力テーパ部253、第1光導波路コア210の第1入力側テーパ部211及び第2光導波路コア220の第2入力側テーパ部221が並んで配置された入力側結合領域290が設定されている。入力側結合領域290において、第1入力側テーパ部211及び第2入力側テーパ部221は、入力テーパ部253を挟む位置に、入力テーパ部253と離間しかつ入力テーパ部253と並んで設けられている。そして、入力導波路コア250の入力導波路部251と、第1光導波路コア210の第1入力側アーム部212及び第2光導波路コア220の第2入力側アーム部222とは、入力側結合領域290を挟んで反対側に配設されている。この入力側結合領域290において、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220は、入力導波路コア250と並列に接続される。
また、出力導波路コア280の出力テーパ部281、第1光導波路コア210の第1出力側テーパ部217及び第2光導波路コア220の第2出力側テーパ部227が並んで配置された出力側結合領域295が設定されている。出力側結合領域295において、第1出力側テーパ部217及び第2出力側テーパ部227は、出力テーパ部281を挟む位置に、出力テーパ部281と離間しかつ出力テーパ部281と並んで設けられている。そして、出力導波路コア280の出力導波路部283と、第1光導波路コア210の第1出力側アーム部216及び第2光導波路コア220の第2出力側アーム部226とは、出力側結合領域295を挟んで反対側に配設されている。この出力側結合領域295において、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220は、出力導波路コア280と並列に接続される。
入力導波路部251は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。
入力テーパ部253は、入力導波路部251と接続された一端253aから、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220側の他端253bへ、連続的に幅が縮小する。そして、入力テーパ部253の一端253aの幅は、入力導波路部251の幅と等しく設定されている。従って、入力テーパ部253は、一端253aにおいて、TE偏波の伝播光に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
第1入力側テーパ部211は、入力導波路コア250側の一端211aから、第1入力側アーム部212と接続された他端211bへ、連続的に幅が拡大する。そして、第1入力側テーパ部211の他端211bの幅は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
第1入力側アーム部212は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。
第1入力側モード変換部213の両側面部には、全域に渡ってグレーティングが形成されている。このグレーティングにより、第1入力側モード変換部213は、入力される特定の波長のTE偏波の伝播光を基本モードのままで反射する。また、第1入力側モード変換部213は、その他の波長の伝播光を基本モードのままで透過させる。
グレーティングにおける位相整合条件は、グレーティング周期をΛ、基本モードのTE偏波に対する等価屈折率をnとして、下式(3)で表される。
2π/Λ=2π・2n/λ ・・・(3)
グレーティングでは、上式(3)が成立する波長λ、すなわちブラッグ波長のTE偏波がブラッグ反射される。
グレーティングが形成された第1入力側モード変換部213は、基部261と突出部263a及び263bとを一体的に含んで構成されている。基部261は、一定の幅で形成されている。突出部263aは、基部261の一方の側面に周期的に複数形成されている。突出部263bは、基部261の他方の側面に、周期的に複数形成されている。これら突出部263a及び263bは、基部261を挟んで対称となる位置に形成されている。突出部263a及び263bの突出量D並びに突出部263a及び263bの周期Λは、反射すべき波長λに対して上式(3)が成立するように設計される。
なお、グレーティングは、上述した第1の波長フィルタと同様に、突出部63a及び63bの突出量Dがそれぞれ固有の突出量を持ち、突出量Dに少なくとも2以上の値がある構成とすることができる(図2参照)。
第1キャビティ部214は、一定幅で形成される。キャビティ部214の幅は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。
第1キャビティ部214は、第1キャビティ部214を伝播するTE偏波のうち、特定の波長の光の位相を整合させる。第1キャビティ部214の長さは、位相整合させる波長に応じて設計される。
第1出力側モード変換部215には、第1入力側モード変換部213と同様のグレーティングが形成されている。このグレーティングにより、第1出力側モード変換部215は、入力される特定の波長のTE偏波の伝播光を、基本モードのままで反射する。また、第1出力側モード変換部215は、その他の波長の伝播光を、基本モードのままで透過させる。
グレーティングが形成れた第1出力側モード変換部215の突出部の突出量並びに突出部の周期は、第1入力側モード変換部213のグレーティングと同じ条件で、反射すべき波長λに対して上式(3)を満たすように設計される。
なお、第1出力側モード変換部215のグレーティングの長さは、第1入力側モード変換部213のグレーティングの長さと異なるように設定することができる。第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215のグレーティングを異なる長さとすることによって、透過光の波長ピークのフラットトップ特性を向上させることができる。
第1出力側アーム部216は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。
第1出力側テーパ部217は、第1出力側アーム部216と接続された一端217aから、出力導波路コア280側の他端217bへ、連続的に幅が縮小する。そして、第1出力側テーパ部217の一端217aの幅は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
第2入力側テーパ部221は、入力導波路コア250側の一端221aから、第2入力側アーム部222と接続された他端221bへ、連続的に幅が拡大する。そして、第2入力側テーパ部221の他端221bの幅は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
また、第2入力側テーパ部221は、第1光導波路コア210の第1入力側テーパ部211と等しい設計で形成されている。そして、第2入力側テーパ部221は、入力テーパ部253を挟んで、第1入力側テーパ部211と対称となる位置に配設されている。その結果、入力導波路コア250を伝播する基本モードのTE偏波の光は、入力側結合領域290において、入力テーパ部253から、2分岐して第1入力側テーパ部211及び第2入力側テーパ部221に移行する。
第2入力側アーム部222は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。
第2入力側モード変換部223、第2キャビティ部224及び第2出力側モード変換部225は、第1光導波路コア210の第1入力側モード変換部213、第1キャビティ部214及び第1出力側モード変換部215と等しい条件で形成されている。従って、第2入力側モード変換部223には、第1入力側モード変換部213と同様のグレーティングが全域に渡って形成されている。また、第2キャビティ部224は、第1キャビティ部214と等しい幅及び長さに設定されている。また、第2出力側モード変換部225には、第1出力側モード変換部215と同様のグレーティングが全域に渡って形成されている。
そして、第1入力側モード変換部213のグレーティングと第2入力側モード変換部223のグレーティングとは、グレーティング周期(突出部の形成周期)が、互いに半周期ずれて形成されている。また、第1出力側モード変換部215のグレーティングと第2出力側モード変換部225のグレーティングとは、グレーティング周期が、互いに半周期ずれて形成されている。
第2出力側アーム部226は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。
第2出力側テーパ部227は、第2出力側アーム部226と接続された一端227aから、出力導波路コア280側の他端227bへ、連続的に幅が縮小する。そして、第2出力側テーパ部227の一端227aの幅は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
また、第2出力側テーパ部227は、第1光導波路コア210の第1出力側テーパ部217と等しい設計で形成されている。そして、第2出力側テーパ部227は、出力テーパ部281を挟んで、第1出力側テーパ部217と対称となる位置に配設されている。その結果、第1出力側テーパ部217及び第2出力側テーパ部227を伝播する基本モードのTE偏波の光は、出力側結合領域295において、出力テーパ部281に移行する。
出力テーパ部281は、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220側の一端281aから、出力導波路部283と接続された他端281bへ、連続的に幅が拡大する。そして、出力テーパ部281の他端281bの幅は、TE偏波の伝播光に対してシングルモード条件を達成するように設定されている。
出力導波路部283は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。
電極240は、クラッド20を介して、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224を被覆する位置に形成される。ここでは、第1キャビティ部214を被覆する位置に電極240a、及び第2キャビティ部224を被覆する位置に電極240bが設けられている。電極240に電流を流すことでジュール熱を発生させることができる。そして、この発熱による熱光学効果によって、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224の屈折率を変化させることができる。その結果、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224によって位相整合させる波長を変化させることができる。
第2の波長フィルタ200では、入力導波路コア250の入力導波路部251から入力された光は、入力側結合領域290において、入力テーパ部253から、2分岐されて第1光導波路コア210の第1入力側テーパ部211及び第2光導波路コア220の第2入力側テーパ部221に移行する。
第1光導波路コア210を伝播する光のうち、上式(3)を満たす基本モードのTE偏波の光が、第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215のグレーティングによって反射される。第1入力側モード変換部213のグレーティングを透過するTE偏波、及び第1出力側モード変換部215のグレーティングで反射され、さらに第1入力側モード変換部213のグレーティングで反射されるTE偏波のうち、第1キャビティ部214の長さに応じて位相が整合する波長の光が、第1出力側アーム部216及び出力側結合領域295を経て、出力導波路コア280の出力導波路部283から出力される。一方、第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215のグレーティングによって反射された基本モードのTE偏波の光のうち、第1キャビティ部214の長さに応じて位相が整合する波長の光は、第1入力側アーム部212を経て、第1入力側テーパ部211に入力される。
第2光導波路コア220においても、第1光導波路コア210と同様に、第2入力側モード変換部223のグレーティングを透過するTE偏波、及び第2出力側モード変換部225のグレーティングで反射され、さらに第1入力側モード変換部213のグレーティングで反射されるTE偏波のうち、第2キャビティ部224の長さに応じて位相が整合する波長の光が、第2出力側アーム部226及び出力側結合領域295を経て、出力導波路コア280の出力導波路部283から出力される。一方、第2入力側モード変換部223及び第2出力側モード変換部225のグレーティングによって反射された基本モードのTE偏波の光のうち、第2キャビティ部224の長さに応じて位相が整合する波長の光は、第2入力側アーム部222を経て、第2入力側テーパ部221に入力される。
既に説明したように、第1入力側モード変換部213のグレーティングと第2入力側モード変換部223のグレーティングとは、互いに半周期ずれて形成されている。また、第1出力側モード変換部215のグレーティングと第2出力側モード変換部225のグレーティングとは、互いに半周期ずれて形成されている。そのため、第1入力側テーパ部211に入力される、第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215のグレーティングからの反射光と、第2入力側テーパ部221に入力される、第2入力側モード変換部223及び第2出力側モード変換部225のグレーティングからの反射光とは、位相がπずれる(すなわち逆位相となる)。そのため、第1入力側テーパ部211に入力される反射光と第2入力側テーパ部221に入力される反射光とは、入力導波路コア250に移行することなく、互いに打ち消し合う。
従って、第2の波長フィルタ200は、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224によって位相整合する、特定の波長の光を取り出す波長フィルタとして使用することができる。
また、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224を、基本モードの光に対してπの整数倍の位相が生じる長さとすることによって、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224の伝播光に対して、複数の波長の位相を整合させることができる。従って、第2の波長フィルタ100は、出力光の波長ピークを多峰性とすることができる。
また、第2の波長フィルタ200では、電極240を用いて第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224に熱を与えることができる。そのため、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224が位相整合させる波長を変化させることができる。従って、第2の波長フィルタ200は、出力波長が可変である。
また、第2の波長フィルタ200は、第1の波長フィルタ100と同様に、リング共振器と等価な波長フィルタと見なすことができる。そして、実質的に出力波長を選択する機能を有する第1入力側モード変換部213、第1キャビティ部214及び第1出力側モード変換部215、並びに第2入力側モード変換部223、第2キャビティ部224及び第2出力側モード変換部225において、方向性結合器を構成として含まない。従って、第2の波長フィルタ200は、リング共振器と等価な機能を有しつつ、リング共振器と比べて作製誤差の影響を受けにくい。
なお、この実施の形態では、第2の波長フィルタ200が、TE偏波に対して特定の波長の光を出力する構成について説明した。しかし、第2の波長フィルタ200は、TM偏波に対して特定の波長の光を出力する構成とすることもできる。その場合には、第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215並びに第2入力側モード変換部223及び第2出力側モード変換部225のグレーティングを、反射すべき波長λに応じ、TM偏波に対して上式(3)が成立するように設計する。そして、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224を伝播するTM偏波のうち、出力導波路部283から出力させる波長が位相整合するように、第1キャビティ部214及び第2キャビティ部224の長さを設定する。
また、この実施の形態では、第2の波長フィルタ200が、第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215並びに第2入力側モード変換部223及び第2出力側モード変換部225のグレーティングにおいて、特定の波長の基本モードの伝播光を、基本モードのままで反射する構成について説明した。しかし、グレーティングが、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を、p次モードのままで反射する構成とすることもできる。その場合には、グレーティングにおける位相整合条件は、グレーティング周期をΛ、p次モードの光に対する等価屈折率をnとして、下式(4)で表される。
2π/Λ=2π・2n/λ ・・・(4)
グレーティングでは、上式(4)が成立する波長λ、すなわちブラッグ波長の光がブラッグ反射される。グレーティングは、TE偏波又はTM偏波について、反射すべき波長λに対して上式(4)が成立するように設計される。そして、各キャビティ部214及び224を伝播する光のうち、出力導波路部283から出力させる波長が位相整合するように、各キャビティ部の長さを設定する。この場合にも、第1入力側テーパ部211に入力される、第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215のグレーティングからのp次モードの反射光と、第2入力側テーパ部221に入力される、第2入力側モード変換部223及び第2出力側モード変換部225のグレーティングからのp次モードの反射光とは、位相がπずれる(すなわち逆位相となる)。そのため、第1入力側テーパ部211に入力される反射光と第2入力側テーパ部221に入力される反射光とは、入力導波路コア250に移行することなく、互いに打ち消し合う。
また、第2の波長フィルタ200においても、第1光導波路コア210が、交互に直列に接続されたn個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含み、かつ第2光導波路コア220が、交互に直列に接続されたn個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む構成とすることができる。
この場合には、第1光導波路コア210において、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とが、第1入力側アーム部212及び第1出力側アーム部216間で、交互に直列に接続される。また、第2光導波路コア220において、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とが、第2入力側アーム部222及び第2出力側アーム部226間で、交互に直列に接続される。各モード変換部のグレーティングは、反射すべき波長λに対して上式(4)を満たすように設計される。また、第1光導波路コア210のモード変換部のグレーティングと第2光導波路コア220のモード変換部のグレーティングとが、互いに半周期ずれて形成される。
また、この実施の形態では、入力導波路コア250と第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220との間を、入力側結合領域290に含まれる入力テーパ部253、第1入力側テーパ部211及び第2入力側テーパ部221によって、光学的に接続する構成について説明した。また、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220と出力導波路コア280との間を、出力側結合領域295に含まれる第1出力側テーパ部217、第2出力側テーパ部227及び出力テーパ部281によって、光学的に接続する構成について説明した。しかし、これら導波路コア間の接続について、多モード干渉(MMI:Multi Mode Interference)カプラを用いることもできる。図6を参照して、第2の波長フィルタが、MMIカプラを備える場合の構成について説明する。図6は、MMIカプラを備える第2の波長フィルタ(波長フィルタ250)の概略的平面図である。なお、図6では、支持基板及びクラッドを省略して示してある。
MMIカプラを備える構成例では、上述した入力側結合領域290に含まれる入力テーパ部253、第1入力側テーパ部211及び第2入力側テーパ部221(図5参照)に代えて入力側MMIカプラ293が設けられる。また、出力側結合領域295に含まれる第1出力側テーパ部217、第2出力側テーパ部227及び出力テーパ部281(図5参照)に代えて出力側MMIカプラ297が設けられる。さらに、図6に示す構成例では、第1入力側アーム部212及び第1出力側アーム部216並びに第2入力側アーム部222及び第2出力側アーム部226を設けない構成としてある。
MMIカプラを備える構成例では、上述した入力側結合領域290に含まれる入力テーパ部253、第1入力側テーパ部211及び第2入力側テーパ部221(図5参照)に代えて入力側MMIカプラ293が設けられる。また、出力側結合領域295に含まれる第1出力側テーパ部217、第2出力側テーパ部227及び出力テーパ部281(図5参照)に代えて出力側MMIカプラ297が設けられる。
入力側MMIカプラ293及び出力側MMIカプラ297は、基本モードのTE偏波又はTM偏波に対して3dBの分岐比を有するように、幅及び長さが設定される。
入力側MMIカプラ293の一端293aには、入力導波路部251が接続される。また、入力側MMIカプラ293の、一端293aと反対側の他端293bには、第1入力側モード変換部213及び第2入力側モード変換部223が並列に接続される。入力導波路部251並びに第1入力側モード変換部213及び第2入力側モード変換部223は、入力導波路部251から入力側MMIカプラ293に入力されて2分岐される光が、第1入力側モード変換部213及び第2入力側モード変換部223に移行するように位置決めされて配設される。この入力側MMIカプラ293によって、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220は、入力導波路コア250と並列に接続される。
出力側MMIカプラ297の一端297aには、第1出力側モード変換部215及び第2出力側モード変換部225が並列に接続される。また、出力側MMIカプラ297の、一端297aと反対側の他端297bには、出力導波路部283が接続される。第1出力側モード変換部215及び第2出力側モード変換部225並びに出力導波路部283は、第1出力側モード変換部215及び第2出力側モード変換部225から出力側MMIカプラ297に入力されて合波される光が、出力導波路部283に移行するように位置決めされて配設される。この出力側MMIカプラ297によって、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220は、出力導波路コア280と並列に接続される。
さらに、第2の波長フィルタ200は、第1入力側モード変換部213及び第1出力側モード変換部215並びに第2入力側モード変換部223及び第2出力側モード変換部225に、グレーティングに代えてフォトニック結晶を形成することもできる。図7を参照して、第1入力側モード変換部及び第1出力側モード変換部並びに第2入力側モード変換部及び第2出力側モード変換部にフォトニック結晶を形成した場合の構成について説明する。図7は、フォトニック結晶を形成する場合の第1入力側モード変換部、第1キャビティ部及び第1出力側モード変換部、並びに第2入力側モード変換部、第2キャビティ部及び第2出力側モード変換部の概略的平面図である。なお、図7では、支持基板及びクラッドを省略して示してある。
フォトニック結晶を利用する構成例では、第1入力側モード変換部218、第1キャビティ部214及び第1出力側モード変換部219、並びに第2入力側モード変換部228、第2キャビティ部224及び第2出力側モード変換部229をそれぞれ一定の幅で形成することができる。
フォトニック結晶は、第1入力側モード変換部218及び第1出力側モード変換部219、並びに第2入力側モード変換部228及び第2出力側モード変換部229に、それぞれ長さ方向に沿って周期的に複数の空孔240が形成されることによって構成される。各空孔240は、第1入力側モード変換部218及び第1出力側モード変換部219、並びに第2入力側モード変換部228及び第2出力側モード変換部229を厚さ方向に貫通することによって形成される。
フォトニック結晶では、上式(4)が成立する波長λ、すなわちブラッグ波長の光がブラッグ反射される。そして、空孔240の周期Λは、反射すべき波長λに対して上式(4)が成立するように設計される。その結果、フォトニック結晶により、入力される特定の波長の伝播光をp次モードのままで反射する。また、その他の波長の伝播光をp次モードのままで透過させる。
第1入力側モード変換部218のフォトニック結晶と第2入力側モード変換部228のフォトニック結晶とは、空孔240が互いに半周期ずれて形成されている。また、第1出力側モード変換部219のフォトニック結晶と第2出力側モード変換部229のフォトニック結晶とは、空孔240が互いに半周期ずれた位置に形成されている。従って、グレーティングの場合と同様に、第1入力側モード変換部218及び第1出力側モード変換部219におけるフォトニック結晶からの反射光と、第2入力側モード変換部228及び第2出力側モード変換部229におけるフォトニック結晶からの反射光とは、位相がπずれる(すなわち逆位相となる)。
なお、フォトニック結晶の長さ(すなわち空孔240の数)を、第1光導波路コア210の一部又は全部のモード変換部で、及び第2光導波路コア220の一部又は全部のモード変換部で異なるように設定することもできる。異なる長さのフォトニック結晶を含むことによって、透過光の波長ピークのフラットトップ特性を向上させることができる。
(第2の波長フィルタの特性評価)
発明者は、FDTD(Finite Differential Time Domain)を用いて、第2の波長フィルタの特性を評価する第3及び第4のシミュレーションを行った。
まず、第3のシミュレーションでは、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220がそれぞれ3つのモード変換部と2つのキャビティ部を備える第2の波長フィルタについて、入力導波路部251から基本モードのTE偏波を入力し、モード変換部を透過して出力導波路部283から出力される出力光、及びモード変換部で反射されて入力導波路部251から出力される出力光を解析した。
第3のシミュレーションでは、以下のように第2の波長フィルタを設計した。すなわち、光導波路コア230は、全体的に厚さを0.2μmとした。また、入力導波路部251は、幅を0.45μmとした。また、入力テーパ部253の他端253bの幅を0.2μmとした。また、第1入力側テーパ部211及び第2入力側テーパ部221は、一端211a及び221aの幅を0.2μm及び他端211b及び221bの幅を0.45μmとした。また、第1入力側テーパ部211と入力テーパ部253との離間距離、及び第2入力側テーパ部221と入力テーパ部253との離間距離は、ともに0.1μmで一定とした。
また、第1光導波路コア210の3つのモード変換部のうち両端に位置するモード変換部は、それぞれ長さを5.46μmとし、全長に渡って周期が0.364μmのグレーティングを形成した。また、第1光導波路コア210の3つのモード変換部のうち中央に位置するモード変換部は、長さを8.726μmとし、全長に渡って周期が0.364μmのグレーティングを形成した。各グレーティングは、突出部の突出量が周期毎に変化する構成(図2参照)とし、突出部の最大突出量を0.2μmとした。また、第1光導波路コア210の2つのキャビティ部は、それぞれ長さを12.012μm及び幅を0.45μmとした。また、第2光導波路コア220の3つのモード変換部と2つのキャビティ部についても、第1光導波路コア210と同様とした。
また、出力テーパ部281の一端281aの幅を0.2μmとした。また、第1出力側テーパ部217及び第2出力側テーパ部227は、一端217a及び227aの幅を0.45μm及び他端217b及び227bの幅を0.2μmとした。また、第1出力側テーパ部217と出力テーパ部281との離間距離、及び第2出力側テーパ部227と出力テーパ部281との離間距離は、ともに0.1μmで一定とした。また、出力導波路部283は、幅を0.45μmとした。
なお、第3のシミュレーションでは、第1入力側アーム部212及び第1出力側アーム部216並びに第2入力側アーム部222及び第2出力側アーム部226を省略した。
第3のシミュレーションの結果を、図8に示す。図8では、縦軸に、出力光の強度をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位でとって示してある。図8において、曲線801は、出力導波路部283から出力される出力光の、また、曲線803は、入力導波路部251から出力される出力光の強度を示している。
図8に示すように、出力導波路部283から出力される出力光として、複数のフラットトップの波長ピークが確認できる。また、入力導波路部251から出力される出力光の強度は十分に抑えられていることが確認できる。
なお、第3のシミュレーションにおいては、入力導波路部251から若干の出力が確認された。しかし、これは、入力側結合領域290の長さをより大きく設定し、放射を促すことによって、低減できると考えられる。
次に、第4のシミュレーションでは、第1光導波路コア210及び第2光導波路コア220がそれぞれ3つのモード変換部と2つのキャビティ部を備える第2の波長フィルタであって、各モード変換部にフォトニック結晶を形成する構成例(図7参照)について、出力導波路部283から出力される出力光を解析した。
第4のシミュレーションでは、以下のように第2の波長フィルタを設計した。すなわち、光導波路コア230は、全体的に厚さを0.2μmとした。また、入力導波路部251は、幅を0.45μmとした。また、入力テーパ部253の他端253bの幅を0.2μmとした。また、第1入力側テーパ部211及び第2入力側テーパ部221は、一端211a及び221aの幅を0.2μm及び他端211b及び221bの幅を0.45μmとした。また、第1入力側テーパ部211と入力テーパ部253との離間距離、及び第2入力側テーパ部221と入力テーパ部253との離間距離は、ともに0.1μmで一定とした。
また、第1光導波路コア210の3つのモード変換部のうち両端に位置するモード変換部は、それぞれ長さを1.167μmとし、0.389μmの周期で3つの空孔を形成した。また、第1光導波路コア210の3つのモード変換部のうち中央に位置するモード変換部は、長さを2.334μmとし、0.389μmの周期で6つの空孔を形成した。また、第1光導波路コア210の2つのキャビティ部は、それぞれ長さを23.34μmとした。また、第1光導波路コア210の3つのモード変換部及び2つのキャビティ部は、幅を0.6μmで一定とした。また、第2光導波路コア220の3つのモード変換部と2つのキャビティ部についても、第1光導波路コア210と同様とした。また、第1光導波路コア210のモード変換部及びキャビティ部と第2光導波路コア220のモード変換部及びキャビティ部との離間距離を0.25μmとした。
また、出力テーパ部281の一端281aの幅を0.2μmとした。また、第1出力側テーパ部217及び第2出力側テーパ部227は、一端217a及び227aの幅を0.45μm及び他端217b及び227bの幅を0.2μmとした。また、第1出力側テーパ部217と出力テーパ部281との離間距離、及び第2出力側テーパ部227と出力テーパ部281との離間距離は、ともに0.1μmで一定とした。また、出力導波路部283は、幅を0.45μmとした。
また、第1入力側アーム部212は、第1入力側テーパ部211の他端211bの幅からモード変換部の幅まで、連続的に幅が拡大するテーパ形状とした。また、第2入力側アーム部222は、第2入力側テーパ部221の他端221bの幅からモード変換部の幅まで、連続的に幅が拡大するテーパ形状とした。また、第1出力側アーム部216は、モード変換部の幅から第1出力側テーパ部217の一端217aの幅まで、連続的に幅が縮小するテーパ形状とした。また、第2出力側アーム部226は、モード変換部の幅から第2出力側テーパ部227の一端227aの幅まで、連続的に幅が縮小するテーパ形状とした。
第4のシミュレーションの結果を、図9に示す。図9では、縦軸に、出力光の強度をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位でとって示してある。図9において、曲線901は、出力導波路部283から出力される出力光の強度を示している。
図9に示すように、出力導波路部283から出力される出力光として、複数のフラットトップの波長ピークが確認できる。
(製造方法)
この実施の形態による第1の波長フィルタ100及び第2の波長フィルタ200は、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。以下、一例として第1の波長フィルタ100の製造方法について説明する。
すなわち、まず、支持基板層、SiO層、及びSi層が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。次に、例えばエッチング技術を用い、Si層をパターニングすることによって、光導波路コア30を形成する。その結果、支持基板10としての支持基板層上にSiO層が積層され、さらにSiO層上に光導波路コア30が形成された構造体を得ることができる。次に、例えばCVD法を用いて、SiO層上に、SiOを、光導波路コア30又は230を被覆して形成する。その結果、クラッド20によって光導波路コア30が包含される。次に、クラッド20上に電極40を形成して、第1の波長フィルタ100を製造することができる。
第2の波長フィルタ200についても、第1の波長フィルタ100と同様の工程によって製造することができる。
10:支持基板
20:クラッド
30、230:光導波路コア
40、240:電極
50、251:入力導波路部
55:入力側テーパ部
60:入力側モード変換部
61、71、261:基部
63a、63b、73a、73b、263a、263b:突出部
65:キャビティ部
70:出力側モード変換部
75:出力側テーパ部
80、283:出力導波路部
100、150、200:波長フィルタ
210:第1光導波路コア
211:第1入力側テーパ部
212:第1入力側アーム部
213:第1入力側モード変換部
214:第1キャビティ部
215:第1出力側モード変換部
216:第1出力側アーム部
217:第1出力側テーパ部
220:第2光導波路コア
221:第2入力側テーパ部
222:第2入力側アーム部
223:第2入力側モード変換部
224:第2キャビティ部
225:第2出力側モード変換部
226:第2出力側アーム部
227:第2出力側テーパ部
250:入力導波路コア
251:入力導波路部
253:入力テーパ部
280:出力導波路コア
281:出力テーパ部
283:出力導波路部
290:入力側結合領域
293:入力側MMIカプラ
295:出力側結合領域
297:出力側MMIカプラ

Claims (11)

  1. 交互に直列に接続された、n個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む光導波路コアと、
    前記光導波路コアを包含するクラッドと
    を備え、
    前記モード変換部は、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を、q次モード(qはq>pの整数)に変換して反射し、
    前記キャビティ部は、当該キャビティ部を伝播する、当該キャビティ部の長さに応じた、p次モードの特定の波長の光の位相を整合させ、
    前記モード変換部には、グレーティングが形成されており、
    前記グレーティングは、特定の波長λに対し、グレーティング周期をΛ、p次モードに対する等価屈折率をn、q次モードに対する等価屈折率nとして、2π/Λ=2π(n+n)/λを満たす
    ことを特徴とする波長フィルタ。
  2. 前記モード変換部は、該モード変換部の長さ方向に延在して形成された基部と、基部の両側面に周期的に複数形成された突出部とを含んで構成されており、
    前記突出部はそれぞれ固有の突出量を持ち、前記突出量には、少なくとも2以上の値があり、
    前記モード変換部の長さが、一部又は全部の前記モード変換部で異なる
    ことを特徴とする請求項に記載の波長フィルタ。
  3. 前記光導波路コアは、最端に配置された前記モード変換部に直列に接続された入力側テーパ部をさらに含み、
    前記入力側テーパ部は、一端からモード変換部と接続された他端へ、連続的に幅が拡大し、
    前記入力側テーパ部の一端は、p次モードに対応する幅に設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長フィルタ。
  4. 前記クラッドを介して前記キャビティ部を被覆する位置に、前記キャビティ部に熱を与えるための電極が形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の波長フィルタ。
  5. 入力導波路コアと、
    交互に直列に接続された、n個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第1光導波路コアと、
    交互に直列に接続された、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第2光導波路コアと、
    前記入力導波路コア、前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアを包含するクラッドと
    を備え、
    前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアは、前記入力導波路コアと並列に接続され、
    前記モード変換部は、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を反射し、
    前記第1光導波路コアの前記モード変換部からの反射光と、前記第2光導波路コアの前記モード変換部からの反射光とは、互いに逆位相となり、
    前記キャビティ部は、当該キャビティ部を伝播する、当該キャビティ部の長さに応じた、p次モードの特定の波長の光の位相を整合させ、
    前記モード変換部には、グレーティングが形成されており、
    前記グレーティングは、特定の波長λに対し、グレーティング周期をΛ、p次モードに対する等価屈折率をnとして、2π/Λ=2π・2n/λを満たし、
    前記第1光導波路コアの前記モード変換部に形成されたグレーティングと、前記第2光導波路コアの前記モード変換部に形成されたグレーティングとは、グレーティング周期が半周期ずれている
    ことを特徴とする波長フィルタ。
  6. 前記モード変換部は、該モード変換部の長さ方向に延在して形成された基部と、基部の両側面に周期的に複数形成された突出部とを含んで構成されており、
    前記突出部はそれぞれ固有の突出量を持ち、前記突出量には、少なくとも2以上の値があり、
    前記第1光導波路コアの一部又は全部の前記モード変換部の長さが異なり、
    前記第2光導波路コアの一部又は全部の前記モード変換部の長さが異なる
    ことを特徴とする請求項に記載の波長フィルタ。
  7. 入力導波路コアと、
    交互に直列に接続された、n個(nは2以上の整数)のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第1光導波路コアと、
    交互に直列に接続された、n個のモード変換部とn−1個のキャビティ部とを含む第2光導波路コアと、
    前記入力導波路コア、前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアを包含するクラッドと
    を備え、
    前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアは、前記入力導波路コアと並列に接続され、
    前記モード変換部は、p次モード(pはp≧0の整数)の特定の波長の光を反射し、
    前記第1光導波路コアの前記モード変換部からの反射光と、前記第2光導波路コアの前記モード変換部からの反射光とは、互いに逆位相となり、
    前記キャビティ部は、当該キャビティ部を伝播する、当該キャビティ部の長さに応じた、p次モードの特定の波長の光の位相を整合させ、
    前記モード変換部には、長さ方向に沿って周期的に複数の空孔が形成されることによって、フォトニック結晶が形成されており、
    前記フォトニック結晶は、特定の波長λに対し、前記空孔の形成周期をΛ、p次モードに対する等価屈折率をnとして、2π/Λ=2π・2n/λを満たし、
    前記第1光導波路コアの前記モード変換部に形成されたフォトニック結晶と、前記第2光導波路コアの前記モード変換部に形成されたフォトニック結晶とは、空孔の形成周期が半周期ずれている
    ことを特徴とする波長フィルタ。
  8. 前記第1光導波路コアの一部又は全部の前記モード変換部で、前記空孔の数が、異なり、
    前記第2光導波路コアの一部又は全部の前記モード変換部で、前記空孔の数が、異なることを特徴とする請求項に記載の波長フィルタ。
  9. 直列に接続された入力導波路部と入力テーパ部とを含む入力導波路コアをさらに備え、
    前記第1光導波路コアは、最端に配置された前記モード変換部に直列に接続された第1入力側テーパ部をさらに含み、
    前記第2光導波路コアは、最端に配置された前記モード変換部に直列に接続された第2入力側テーパ部をさらに含み、
    前記入力テーパ部、前記第1入力側テーパ部及び前記第2入力側テーパ部が並んで配置された入力側結合領域が設定されており、
    前記入力側結合領域において、前記第1入力側テーパ部及び前記第2入力側テーパ部は、前記入力テーパ部を挟む位置に、該入力テーパ部と離間して設けられ、
    前記入力導波路部と、前記第1光導波路コアの前記モード変換部及び前記キャビティ部並びに前記第2光導波路コアの前記モード変換部及び前記キャビティ部とは、前記入力側結合領域を挟んで反対側に配設され、
    前記入力テーパ部は、前記入力導波路部と接続された一端から他端へ、連続的に幅が縮小し、前記入力テーパ部の一端は、p次モードに対応する幅に設定されており、
    前記第1入力側テーパ部は、一端から前記第1光導波路コアのモード変換部と接続された他端へ、連続的に幅が拡大し、前記第1入力側テーパ部の他端は、p次モードに対応する幅に設定されており、
    前記第2入力側テーパ部は、一端から前記第2光導波路コアのモード変換部と接続された他端へ、連続的に幅が拡大し、前記第2入力側テーパ部の他端は、p次モードに対応する幅に設定されている
    ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の波長フィルタ。
  10. 前記クラッドを介して前記キャビティ部を被覆する位置に、前記キャビティ部に熱を与えるための電極が形成されている
    ことを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の波長フィルタ。
  11. 前記nは、3以上の整数である
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の波長フィルタ。
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