JP2014170056A - 光導波路素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】経路切換素子として使用することが可能な光導波路素子であって、偏波無依存の光導波路素子を提供する。
【解決手段】第1光導波路コア30と第2光導波路コア40とが、互いに離間しかつ平行に配置された第1双方向結合領域60が設定されている。第1双方向結合領域には、ブラッググレーティング70が形成されている。第1双方向結合領域において、第1光導波路コアを伝播する特定の波長のTE偏波及びTM偏波が、ブラッググレーティングで反射され、かつ第2光導波路コアに移行し、TE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の伝播モードが変換される。
【選択図】図1

Description

この発明は、波長の相違に基づき光の経路を切り換える光導波路素子に関する。
近年、加入者系光アクセスシステムは、1つの局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と複数の加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)を、光ファイバ及びスターカプラを介して接続して構成される、受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)が主流となっている。この通信システムでは、OLTからONUへ向けた下り光信号と、ONUからOLTに向けた上り光信号とが、異なる波長に設定されている。その結果、下り光信号と上り光信号とが相互に干渉し合わない。
OLT及びONUは、フォトダイオードやレーザダイオード等の光学素子を備えて構成される。これらの光学素子は、各光学素子の中心位置(受光位置あるいは発光位置)を設計位置に合せるための複雑な光軸合わせを行った上で、例えばレンズを用いて空間結合されている。
ここで、OLT及びONUにおける各光学素子を結合するための手段として、レンズの代わりに光導波路素子を利用する技術がある(例えば、特許文献1参照)。光導波路素子を利用する場合には、光が光導波路内に閉じ込められて伝搬するため、レンズを利用する場合と異なり、複雑な光軸合わせを必要としない。従って、OLT及びONUの組立工程が簡易となるため、量産に適する形態として有利である。光導波路素子は、例えばシリコン(Si)を導波路材料として、極めて小型に形成される。しかも、製造にはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の製造過程が流用され低コスト化が実現されている。
また、OLT及びONUでは、下り光信号の経路と上り光信号の経路を切り換えるために、波長フィルタとしての機能が付与された光導波路素子が使用されることもある。
波長フィルタとしての機能は、例えばグレーティング等によって実現される。グレーティングは、例えばマッハ−ツェンダ干渉計と比較すると、単一段で所望の波長を選択できる特徴がある。Siを主な材料とした光導波路にグレーティングを形成した構成は、例えば非特許文献1及び2、並びに特許文献2に開示されている。
特開平8−163028号公報 特開2006−235380号公報
IEICE Transnactions of Electronics vol.E90−C, No1, p.59,2007年1月 Optical Fiber Communication Conference 2012 OTh3D.3
従来の、グレーティングを利用した光導波路素子では、グレーティングへの入射光と、グレーティングにおいてブラッグ反射される反射光とが、同次数のモードとなる。
ここで、グレーティングにおけるブラッグ反射条件は、下式(1)で表される。
(n+n)Λ=λ ・・・(1)
なお、n及びnは、グレーティングにおいて結合される、入射光及び反射光の等価屈折率を示す。n及びnにおけるa及びbは、それぞれ入射光及び反射光のモードの次数を示す。また、Λはグレーティングの周期を示す。そして、グレーティングでは、上式(1)が成立する波長λ、すなわちブラッグ波長の光がブラッグ反射される。
しかしながら、光導波路素子がSiを材料として形成されている場合、同一波長において、同次数のモードの、TE(Transverse Electric)偏波の等価屈折率とTM(Transverse Magnetic)偏波の等価屈折率とを一致させることが難しく、構造が限定されてしまう。従って、同次数のモードの入射光と反射光とを結合させる場合(すなわちa=bである場合)には、同一波長でのブラッグ反射条件を偏波に対して無依存に成立させることが困難である。従って、従来のグレーティングを利用した光導波路素子には、偏波依存性があった。
通常、PONにおいて光信号として使用される光は、TE偏波とTM偏波とが混在していることが多い。従って、例えばOLT及びONUにおける経路切換素子として使用するに際して、偏波依存性の小さい光導波路素子が求められている。
この発明の目的は、グレーティングを利用した、経路切換素子として使用することが可能な光導波路素子であって、偏波無依存で使用できる光導波路素子を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明による光導波路素子は、以下の特徴を備えている。
この発明の光導波路素子は、第1光導波路コアと第2光導波路コアとを備える。第1光導波路コアと第2光導波路コアとが、互いに離間しかつ平行に配置された第1双方向結合領域が設定されている。第1双方向結合領域には、ブラッググレーティングが形成されている。第1双方向結合領域において、第1光導波路コアを伝播する特定の波長のTE偏波及びTM偏波が、ブラッググレーティングで反射され、かつ第2光導波路コアに移行し、TE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の伝播モードが変換される。
この発明による光導波路素子では、第1双方向結合領域において、第1光導波路コアと第2光導波路コアとの間で、TE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の偏波の伝播モードが変換される。そのため、TE偏波及びTM偏波に対して共通の波長でブラッグ反射条件を成立させることができる。従って、共通する特定の波長のTE偏波及びTM偏波を、ブラッググレーティングで反射し、かつ第1光導波路コアと第2光導波路コアとの間で結合することができる。その結果、この発明による光導波路素子は、偏波無依存の経路切換素子として使用することができる。
(A)及び(B)は、この発明の光導波路素子を示す概略図である。 光導波路コアの幅に対する等価屈折率の関係を示す図である。 ブラッグ反射条件が成立することを確認する図である。 (A)及び(B)は、ブラッググレーティングの変形例を示す概略図である。 ブラッグ反射条件が成立することを確認する図である。 この発明の光導波路素子の特性評価に関するシミュレーション結果を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(構成)
図1(A)及び(B)を参照して、この発明による光導波路素子について説明する。図1(A)は、光導波路素子を示す概略的平面図である。なお、図1(A)では、後述するクラッド層を部分的に省略して示してある。図1(B)は、図1(A)に示す光導波路素子をI−I線で切り取った概略的端面図である。
光導波路素子100は、支持基板10と、クラッド層20と、第1光導波路コア30と、第2光導波路コア40と、第3光導波路コア50とを備えて構成されている。
また、光導波路素子100には、第1双方向結合領域60及び第2双方向結合領域80が互いに離間して設定されている。第1双方向結合領域60では、第1光導波路コア30と第2光導波路コア40とが、互いに離間しかつ平行に配置されている。また、第2双方向結合領域80では、第2光導波路コア40と第3光導波路コア50とが、互いに離間しかつ平行に配置されている。さらに、第1双方向結合領域60には、ブラッググレーティング70が形成されている。
第1光導波路コア30は、第1結合部31、第1テーパ部33、及び第1入出力部35を有している。第1入出力部35は、第1テーパ部33を介して第1結合部31と接続されている。第1テーパ部33の幅は、光の伝播方向に沿って、第1入出力部35の一端35aの幅から第1結合部31の他端31dの幅へ、連続的に変化するように設定されている。第1テーパ部33を設けることによって、第1入出力部35及び第1結合部31間を伝播する光の反射を緩和することができる。
第2光導波路コア40は、第2結合部41、第2テーパ部43、及び第2入出力部45を有している。第2入出力部45は、第2テーパ部43を介して第2結合部41と接続されている。第2テーパ部43の幅は、光の伝播方向に沿って、第2結合部41の一端41aの幅から第2入出力部45の一端45aの幅へ、連続的に変化するように設定されている。第2テーパ部43を設けることによって、第2入出力部45及び第2結合部41間を伝播する光の反射を緩和することができる。
第3光導波路コア50は、第3結合部51及び第3入出力部57を有している。第3結合部51は、TM偏波結合部53とTE偏波結合部55とが光の伝播方向に沿って順次に接続されて形成されている。
第1光導波路コア30の第1結合部31と第2光導波路コア40の第2結合部41は、第1双方向結合領域60内の部分である。また、第2光導波路コア40の第2入出力部45と第3光導波路コア50の第3結合部51は、第2双方向結合領域80内の部分である。
また、第2双方向結合領域80は、第2入出力部45とTM偏波結合部53とが、互いに離間しかつ平行に配置されたTM偏波結合領域81、及び第2入出力部45とTE偏波結合部55とが、互いに離間しかつ平行に配置されたTE偏波結合領域83を含んでいる。
以下、光導波路素子100の各構成要素について説明する。なお、以下の説明において、支持基板10の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、第1光導波路コア30、第2光導波路コア40、及び第3光導波路コア50について、これらを伝播する光の伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
この実施の形態による光導波路素子100は、SOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、容易に製造することができる。
すなわち、まず、支持基板層、酸化シリコン(SiO)層、及びSi層が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。
次に、例えばエッチング技術を用い、Si層をパターニングすることによって、第1光導波路コア30、第2光導波路コア40、第3光導波路コア50を形成する。その結果、支持基板10としての支持基板層上にSiO層が積層され、さらにSiO層上に第1光導波路コア30、第2光導波路コア40、及び第3光導波路コア50が形成された構造体を得ることができる。
次に、例えばCVD法を用いて、SiO層上に、SiOを材料とした材料層を、第1光導波路コア30、第2光導波路コア40、及び第3光導波路コア50を被覆して形成する。その結果、SiO層及び材料層から、第1光導波路コア30、第2光導波路コア40、及び第3光導波路コア50を包含するクラッド層20が形成される。
第1光導波路コア30、第2光導波路コア40、及び第3光導波路コア50は、SiOを材料としたクラッド層20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。その結果、これら各光導波路コア30、40、及び50は、光の伝送路として機能し、入力された光が各光導波路コアの平面形状に応じた伝播方向に伝播する。また、各光導波路コア30、40、及び50は、伝播する光が、支持基板10へ逃げるのを防止するために、支持基板10から例えば少なくとも1μm離間して形成されているのが好ましい。
光導波路素子100は、例えばOLTやONUにおいて、下り光信号と上り光信号との経路切換素子として使用される。ここでは、光導波路素子100を、ONUにおける経路切換素子として使用する場合の構成例について説明する。
光導波路素子100を、ONUにおける経路切換素子として使用する場合には、第1光導波路コア30の第1入出力部35が、例えば光ファイバと接続される。この光ファイバは、OLTと接続されている。
また、第1光導波路コア30の第1結合部31が、一端31a側で例えばレーザダイオード等の発光素子と接続される。また、第3光導波路コア50の第3入出力部57が、例えばフォトダイオード等の受光素子と接続される。
また、第1双方向結合領域60に設けられたブラッググレーティング70の周期は、下り光信号を反射するように設定されている。
OLTから光ファイバを経て送られる基本モードの下り光信号は、第1光導波路コア30の第1入出力部35に入力され、第1テーパ部33を経て、第1結合部31へ送られる。ここで、第1入出力部35は、シングルモード条件を達成する厚さ及び幅に設定されている。従って、基本モードの光を伝播させる。
第1結合部31へ送られた下り光信号は、第1双方向結合領域60において、ブラッググレーティング70で反射され、かつ第2光導波路コア40の第2結合部41に移行する。第1双方向結合領域60では、第1結合部31及び第2結合部41間において、基本モードのTE偏波と2次モードのTE偏波とを変換して結合するように最適化されている。また、第1結合部31及び第2結合部41間において、基本モードのTM偏波と1次モードのTM偏波とを変換して結合するように最適化されている。2次モードのTE偏波及び1次モードのTM偏波を含む下り光信号は、第2結合部41から、第2テーパ部43を経て、第2入出力部45へ送られる。
第2入出力部45へ送られた下り光信号は、第2双方向結合領域80において、第3結合部51へ移行する。第2双方向結合領域80では、第2入出力部45及び第3結合部51間において、2次モードのTE偏波と基本モードのTE偏波とを変換して結合するように最適化されている。また、第2入出力部45及び第3結合部51間において、1次モードのTM偏波と基本モードのTM偏波とを変換して結合するように最適化されている。
TE偏波及びTM偏波がそれぞれ基本モードに変換された下り光信号は、第3結合部51から第3入出力部57へ送られる。第3入出力部57から出力された下り光信号は、受光素子によって受光される。
また、発光素子によって生成された基本モードの上り光信号は、一端31a側から第1結合部31に入力される。第1結合部31に入力された上り光信号は、ブラッググレーティング70を透過し、第1テーパ部33を経て、第1入出力部35へ送られる。第1入出力部35から出力された上り光信号は、光ファイバを経てOLTへ送られる。
既に説明したように、第1双方向結合領域60では、第1結合部31及び第2結合部41間において、基本モードのTE偏波と2次モードのTE偏波とが結合される。また、第1結合部31及び第2結合部41間において、基本モードのTM偏波と1次モードのTM偏波とが結合される。
第1双方向結合領域60において、第1結合部31の幅W1及び第2結合部41の幅W2は、特定の波長について、下式(2)が成立するように設定されている。
0TE−n0TM=n1TM−n2TE ・・・(2)
なお、n0TEは、第1結合部31を伝播する基本モードのTE偏波の等価屈折率を示す。また、n0TMは、第1結合部31を伝播する基本モードのTM偏波の等価屈折率を示す。また、n2TEは、第2結合部41を伝播する2次モードのTE偏波の等価屈折率を示す。また、n1TMは、第2結合部41を伝播する1次モードのTM偏波の等価屈折率を示す。
ここで、上式(1)より、ブラッググレーティング70で反射され、第1結合部31及び第2結合部41間で結合されるTE偏波のブラッグ反射条件は、下式(3)で表される。
(n0TE+n2TE)Λ=λ ・・・(3)
同様に、ブラッググレーティング70で反射され、第1結合部31及び第2結合部41間で結合されるTM偏波のブラッグ反射条件は、下式(4)で表される。
(n0TM+n1TM)Λ=λ ・・・(4)
上式(2)が成立するとき、共通の波長λに対して、上式(3)及び(4)におけるグレーティングの周期Λが一致する。従って、ブラッググレーティング70の周期を、この一致した周期Λとすることによって、第1双方向結合領域60において、共通の波長のTE偏波及びTM偏波の両方を、反射し、かつ第1結合部31及び第2結合部41間で結合することができる。
ここで、図2を参照して、上式(2)を成立させる設計の一例について説明する。図2は、有限要素法を使用して作成した、1577nmの波長における、光導波路コアの幅に対する等価屈折率の関係を示す図である。図2では、縦軸に等価屈折率を任意の目盛で、また、横軸に光導波路コアの幅をnm単位でとって示してある。なお、図2では、基本モード、1次モード、2次モード、3次モード、及び4次モードのTE偏波、並びに基本モード、1次モード、2次モード、及び3次モードのTM偏波の等価屈折率を示してあるが、特に、基本モードのTE偏波の等価屈折率にI、基本モードのTM偏波の等価屈折率にII、2次モードのTE偏波の等価屈折率にIII、1次モードのTM偏波の等価屈折率にIVの符号をそれぞれ付してある。
図2に示されるように、光導波路コアの幅が500nmであるときの、基本モードのTE偏波の等価屈折率Iから基本モードのTM偏波の等価屈折率IIを引いた値(矢印201で示す)と、光導波路コアの幅が900nmであるときの、1次モードのTM偏波の等価屈折率IVから2次モードのTE偏波の等価屈折率IIIを引いた値(矢印203で示す)が一致する。
従って、第1結合部31の幅を500nm、及び第2結合部の幅を900nmに設定することによって、1577nmのTE偏波及びTM偏波に対して、上式(2)が成立する。
次に、図3を参照して、上式(2)が成立するとき、上式(3)及び(4)のブラッグ反射条件が共通に成立することを確認する。
図3の上段は、光導波路コアの幅に対する等価屈折率の関係を示す図であり、図2と同じ図である。また、図3の下段は、図2の上下を反転させた図である。そして、図2と同様に、Iは基本モードのTE偏波の等価屈折率を、IIは基本モードのTM偏波の等価屈折率を、IIIは2次モードのTE偏波の等価屈折率を、IVは1次モードのTM偏波の等価屈折率を、それぞれ示している。
上式(3)及び(4)は、下式(5)及び(6)
λ/Λ=n0TE+n2TE ・・・(5)
λ/Λ=n0TM+n1TM ・・・(6)
に変形できる。
図3において、矢印301は、光導波路コアの幅が500nmであるときの、基本モードのTE偏波の等価屈折率Iと、光導波路コアの幅が900nmであるときの、2次モードのTE偏波の等価屈折率IIIとの和、すなわちn0TE+n2TEを示している。また、矢印303は、光導波路コアの幅が500nmであるときの、基本モードのTM偏波の等価屈折率IIと、光導波路コアの幅が900nmであるときの、1次モードのTM偏波の等価屈折率IVとの和、すなわちn0TM+n1TMを示している。図3から、n0TE+n2TEとn0TM+n1TMとが等しい、すなわち、上式(2)が成立していることが確認できる。従って、共通の波長λのTE偏波及びTM偏波の両方を、共通の周期Λを有するブラッググレーティング70で反射できることが確認できる。
次に、ブラッググレーティング70について説明する。ブラッググレーティング70は、例えば、第1結合部31及び第2結合部41の少なくとも一方に形成されている。
図1に示す構成例では、ブラッググレーティング70は、第1ブラッググレーティング71及び第2ブラッググレーティング73を含んで形成されている。これら第1ブラッググレーティング71及び第2ブラッググレーティング73は、グレーティングの周期Λが一致して形成されている。周期Λは、上式(2)が成立する条件において、上式(3)及び(4)から算出された値に設定される。
第1ブラッググレーティング71は、第1結合部31の、第2結合部41と対向する側面31bに形成されている。第1ブラッググレーティング71は、第1結合部31の側面31bから凹状の彫り込み71aが形成されて構成されている。凹状の彫り込み71aは、光の伝播方向に沿って周期Λで複数形成されている。また、第2ブラッググレーティング73は、第2結合部41の、第1結合部31と対向する側面41bに形成されている。第2ブラッググレーティング73は、第2結合部41の側面41bから凹状の彫り込み73aが形成されて構成されている。凹状の彫り込み73aは、光の伝播方向に沿って周期Λで複数形成されている。そして、第1ブラッググレーティング71を構成する彫り込み71aと、第2ブラッググレーティング73を構成する彫り込み73aとは、彫り込み深さd1及びd2が一致している。
また、第1ブラッググレーティング71と第2ブラッググレーティング73とは、互いに彫り込み71aと彫り込み73aとが対向する配置で、対称的に形成されるのが好ましい。第1ブラッググレーティング71と第2ブラッググレーティング73とを対称的に形成することによって、回折効率を向上させることができる。
また、第1結合部31と第2結合部41とは、一方の結合部を伝播する光のエバネッセント成分が、他方の結合部に到達する範囲内の距離で離間されている。なお、第1結合部31と第2結合部41との離間距離は、光の伝播方向に沿った第1双方向結合領域60の長さL1に応じて、光の移行が可能な値に設定されている。すなわち、第1双方向結合領域60の長さL1を拡張した場合には、第1結合部31と第2結合部41との離間距離を拡張することができる。また、第1結合部31と第2結合部41との離間距離を短縮した場合には、第1双方向結合領域60の長さL1を短縮することができる。なお、図1(A)では、第1結合部31と第2結合部41との離間距離を、これら第1結合部31及び第2結合部41を平面的に見た場合の中心間距離D1として示してある。
ブラッググレーティング70では、共通の波長のTE偏波とTM偏波とで一致する周期Λが設定されているため、TE偏波及びTM偏波の両方を反射することができる。
ここで、図4(A)及び(B)は、ブラッググレーティングの変形例を示す概略的平面図であり、図1に破線で囲って示した第1双方向結合領域60に対応する領域を拡大した図である。
図4(A)に示すように、第1の変形例として、ブラッググレーティング170を、第1結合部31及び第2結合部41の、延在方向に沿った各両側面にそれぞれ形成することができる。
第1の変形例では、ブラッググレーティング170は、第1ブラッググレーティング171及び第2ブラッググレーティング173を含んで形成されている。これら第1ブラッググレーティング171及び第2ブラッググレーティング173は、グレーティングの周期Λが一致して形成されている。周期Λは、上式(2)が成立する条件において、上式(3)及び(4)から算出された値に設定される。
第1ブラッググレーティング171は、第1結合部31の延在方向に沿った両側面31b及び31cに形成されている。第1ブラッググレーティング171は、第1結合部31の両側面31b及び31cから、互いに対向する位置に凹状の彫り込み171aが形成されて構成されている。凹状の彫り込み171aは、光の伝播方向に沿って周期Λで複数形成されている。第2ブラッググレーティング173は、第2結合部41の延在方向に沿った両側面41b及び41cに形成されている。第2ブラッググレーティング173は、第2結合部41の両側面41b及び41cから、互いに対向する位置に凹状の彫り込み173aが形成されて構成されている。凹状の彫り込み173aは、光の伝播方向に沿って周期Λで複数形成されている。そして、第1ブラッググレーティング171を構成する彫り込み171aと、第2ブラッググレーティング173を構成する彫り込み173aとは、彫り込み深さが一致して形成されている。
また、第1ブラッググレーティング171と第2ブラッググレーティング173とは、互いに彫り込み171aと彫り込み173aとが対向する配置で、対称的に形成されるのが好ましい。第1ブラッググレーティング171と第2ブラッググレーティング173とを対称的に形成することによって、回折効率を向上させることができる。
また、図4(B)に示すように、第2の変形例では、ブラッググレーティング270が、第1結合部31及び第2結合部41間の領域に設けられたサブ光導波路コア90に形成されている。
第2の変形例では、第1結合部31及び第2結合部41間の領域に、これら第1結合部31及び第2結合部41と離間しかつ平行に配置されて、サブ導波路コア90が設けられている。そして、サブ導波路コア90にブラッググレーティング270が設けられている。
ブラッググレーティング270は、サブ導波路コア90に凹状の彫り込み270aが形成されて構成されている。彫り込み270aは、光の伝播方向に沿って周期Λで複数形成されている。周期Λは、上式(2)が成立する条件において、上式(3)及び(4)から算出された値に設定される。図4(B)の構成例では、彫り込み270aを、サブ導波路コア90の幅に対して0%としてある。従って、この構成例では、ブラッググレーティング270は、サブ導波路コア90を周期的に分断した所謂セグメント構造となっている。
なお、ブラッググレーティングは、図1(A)、並びに図4(A)及び(B)の構成例に限定されない。グレーティングの周期Λを、上式(2)が成立する条件において、上式(3)及び(4)から算出された値としてあれば、配置や形状を設計に応じて任意に変更することができる。
また、第2双方向結合領域80において、TM偏波結合領域81では、第2入出力部45を伝播する1次モードのTM偏波の等価屈折率と、TM偏波結合部53を伝播する基本モードのTM偏波の等価屈折率とが等しくなるように、第2入出力部45の幅W3に対するTM偏波結合部53の幅W4が設定されている。また、TE偏波結合領域83では、第2入出力部45を伝播する2次モードのTE偏波の等価屈折率と、TE偏波結合部55を伝播する基本モードのTE偏波の等価屈折率とが等しくなるように、第2入出力部45の幅W3に対するTE偏波結合部55の幅W5が設定されている。その結果、TM偏波結合領域81では、第2入出力部45を伝播する1次モードのTM偏波と、TM偏波結合部53を伝播する基本モードのTM偏波とが結合される。また、TE偏波結合領域83では、第2入出力部45を伝播する2次モードのTE偏波と、TE偏波結合部55を伝播する基本モードのTE偏波とが結合される。
ここで、図2を参照して、第2入出力部45の幅W3、TM偏波結合部53の幅W4、及びTE偏波結合部55の幅W5の一例について説明する。
図2に示されるように、光導波路コアの幅が1000nmであるときの、1次モードのTM偏波の等価屈折率(211の符号を付した波線で囲んで示す)と、光導波路コアの幅が400nmであるときの、基本モードのTM偏波の等価屈折率(213の符号を付した波線で囲んで示す)とが一致する。また、光導波路コアの幅が1000nmであるときの、2次モードのTE偏波の等価屈折率(215の符号を付した波線で囲んで示す)と、光導波路コアの幅が320nmであるときの、基本モードのTE偏波の等価屈折率(217の符号を付した波線で囲んで示す)とが一致する。
従って、第2入出力部45の幅W3を1000nm、TM偏波結合部53の幅W4を400nm、及びTE偏波結合部55の幅W5を320nmに設定することによって、第2入出力部45及びTM偏波結合部53間において、1次モードのTM偏波と基本モードのTM偏波とを変換して結合することができる。また、第2入出力部45及びTE偏波結合部55間において、2次モードのTE偏波と基本モードのTE偏波とを変換して結合することができる。
また、第2入出力部45とTM偏波結合部53と、及び第2入出力部45とTE偏波結合部55とは、それぞれ一方を伝播する光のエバネッセント成分が、他方に到達する範囲内の距離で離間されている。なお、図1(A)では、第2入出力部45とTM偏波結合部53との離間距離を、これら第2入出力部45及びTM偏波結合部53を平面的に見た場合の中心間距離D2として示してある。また、第2入出力部45とTE偏波結合部55との離間距離を、これら第2入出力部45及びTE偏波結合部55を平面的に見た場合の中心間距離D3として示してある。第2入出力部45とTM偏波結合部53との離間距離D2は、光の伝播方向に沿ったTM偏波結合領域81の長さL2に応じて、光の移行が可能な値に設定されている。すなわち、TM偏波結合領域81の長さL2を拡張した場合には、第2入出力部45とTM偏波結合部53との離間距離D2を拡張することができる。また、第2入出力部45とTM偏波結合部53との離間距離D2を短縮した場合には、TM偏波結合領域81の長さL2を短縮することができる。同様に、第2入出力部45とTE偏波結合部55との離間距離D3も、光の伝播方向に沿ったTE偏波結合領域83の長さL3に応じて、光の移行が可能な値に設定されている。具体的な設計例として、第2入出力部45の幅W3を1000nm、及びTM偏波結合部53の幅W4を400nmとした場合、例えば、第2入出力部45及びTM偏波結合部53間の離間距離D2を1000nm、及びTM偏波結合領域81の長さL2を28μmとすることで、第2入出力部45及びTM偏波結合部53間において、1次モードのTM偏波と基本モードのTM偏波とを変換して移行させることができる。また、第2入出力部45の幅W3を1000nm、及びTE偏波結合部55の幅W5を320nmとした場合、例えば、第2入出力部45及びTE偏波結合部55間の離間距離D3を960nm、及びTE偏波結合領域83の長さL3を23μmとすることで、第2入出力部45及びTE偏波結合部55間において、2次モードのTE偏波と基本モードのTE偏波とを変換して移行させることができる。
第3入出力部57は、シングルモード条件を達成する厚さ及び幅に設定されている。従って、基本モードの光を伝播させる。第3入出力部57は、第3結合部51の一端(図1(A)の構成例ではTE偏波結合部55の一端)51aと接続されている。
以上に説明したように、この実施の形態による光導波路素子100では、第1双方向結合領域60において、第1光導波路コア30の第1結合部31と第2光導波路コア40の第2結合部41との間で、TE偏波及びTM偏波の伝播モードが変換される。そのため、TE偏波及びTM偏波に対して共通の波長でブラッグ反射条件を成立させることができる。従って、共通する特定の波長のTE偏波及びTM偏波を、ブラッググレーティング70で反射し、かつ第1結合部31と第2結合部41との間で結合することができる。その結果、この発明による光導波路素子100は、偏波無依存の経路切換素子として使用することができる。
なお、上述した構成例では、第1双方向結合領域60において、TE偏波同士及びTM偏波同士を結合する例について説明した。しかしながら、この発明による光導波路素子100は、この構成に限定されない。第1双方向結合領域60において、異なる偏波間の光を結合する構成とすることもできる。その場合には、第1双方向結合領域60では、例えば、第1結合部31及び第2結合部41間において、基本モードのTE偏波と1次モードのTM偏波とが結合される。また、例えば、第1結合部31及び第2結合部41間において、基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波とが結合される。そして、第1双方向結合領域60において、第1結合部31の幅W1及び第2結合部41の幅W2は、特定の波長について、下式(7)が成立するように設定される。
0TE−n0TM=n1TE−n1TM ・・・(7)
なお、n1TEは、第2結合部41を伝播する1次モードのTE偏波の等価屈折率を示す。
ブラッググレーティング70は、偏波を変換して反射する。第1結合部31を伝播する基本モードのTE偏波と、第2結合部41を伝播する1次モードのTM偏波とを変換して反射するブラッグ反射条件は、下式(8)で表される。
(n0TE+n1TM)Λ=λ ・・・(8)
同様に、第1結合部31を伝播する基本モードのTM偏波と、第2結合部41を伝播する1次モードのTE偏波とを変換して反射するブラッグ反射条件は、下式(9)で表される。
(n0TM+n1TE)Λ=λ ・・・(9)
上式(7)が成立するとき、共通の波長λに対して、上式(8)及び(9)におけるグレーティングの周期Λが一致する。従って、ブラッググレーティング70の周期を、上式(8)及び(9)から算出したΛとすることによって、第1双方向結合領域60において、共通の波長のTE偏波及びTM偏波の両方を、反射し、かつ第1結合部31及び第2結合部41間で結合することができる。
図5を参照して、上式(7)が成立するとき、上式(8)及び(9)のブラッグ反射条件が共通に成立することを確認する。
図5の上段は、光導波路コアの幅に対する等価屈折率の関係を示す図であり、図2と同じ図である。また、図5の下段は、図2の上下を反転させた図である。そして、図2と同様に、Iは基本モードのTE偏波の等価屈折率を、IIは基本モードのTM偏波の等価屈折率を、IVは1次モードのTM偏波の等価屈折率を、また、Vは1次モードのTE偏波の等価屈折率を、それぞれ示している。
上式(8)及び(9)は、下式(10)及び(11)
λ/Λ=n0TE+n1TM ・・・(10)
λ/Λ=n0TM+n1TE ・・・(11)
に変形できる。
図5において、矢印501は、光導波路コアの幅が500nmであるときの、基本モードのTE偏波の等価屈折率Iと、光導波路コアの幅が900nmであるときの、1次モードのTM偏波の等価屈折率IVとの和、すなわちn0TE+n1TMを示している。また、矢印503は、光導波路コアの幅が500nmであるときの、基本モードのTM偏波の等価屈折率IIと、光導波路コアの幅が900nmであるときの、1次モードのTE偏波の等価屈折率Vとの和、すなわちn0TM+n1TEを示している。図5から、n0TE+n1TMとn0TM+n1TEとが等しくなっていることが確認できる。従って、第1結合部31の幅W1を500nm、及び第2結合部41の幅W2を900nmに設定することによって、上式(7)が成立し、上式(8)及び(9)のブラッグ反射条件が共通に成立する。この結果から、ブラッググレーティング70を、偏波を変換して反射する構成とする場合においても、共通の波長λのTE偏波及びTM偏波の両方を、共通の周期Λで反射できることが確認できる。
また、上述した構成例では、第1双方向結合領域60において、基本モードのTE偏波及びTM偏波を、1次モードのTE偏波及び1次モードのTM偏波に変換する例について説明した。しかしながら、この発明による光導波路素子100は、この構成に限定されない。
例えば、i次モード(iは0以上の整数)のTE偏波をp次モード(pは0以上の整数)のTE偏波に変換し、かつj次モード(jは0以上の整数)のTM偏波をq次モード(qは0以上の整数)のTM偏波に変換する構成とすることもできる。その場合には、少なくとも一方の偏波の伝播モードが変換される。そして、特定の波長について、下式(12)が成立するように、第1結合部31の幅W1及び第2結合部41の幅W2を設定する。
iTE−njTM=nqTM−npTE ・・・(12)
なお、niTEは、第1結合部31を伝播するi次モード(iは0以上の整数)のTE偏波の等価屈折率を示す。また、njTMは、第1結合部31を伝播するj次モード(jは0以上の整数)のTM偏波の等価屈折率を示す。また、npTEは、第2結合部41を伝播するp次モード(pは0以上の整数)のTE偏波の等価屈折率を示す。また、nqTMは、第2結合部41を伝播するq次モード(qは0以上の整数)のTM偏波の等価屈折率を示す。
また、偏波を変換して反射するブラッググレーティング70を利用する場合には、例えば、i次モード(iは0以上の整数)のTE偏波をq次モード(qは0以上の整数)のTM偏波に変換し、かつj次モード(jは0以上の整数)のTM偏波をp次モードのTE偏波に変換する構成とすることもできる。その場合には、少なくとも一方の偏波の伝播モードが変換される。そして、特定の波長について、下式(13)が成立するように、第1結合部31の幅W1及び第2結合部41の幅W2を設定する。
iTE−njTM=npTE−nqTM ・・・(13)
なお、第1双方向結合領域60において、i次モードのTE偏波及びj次モードTM偏波を、p次モードのTE偏波及びq次モードのTM偏波に変換する構成例では、伝播モードの組み合わせに応じて、第1入出力部35を多モード導波路として構成するのが好ましい。
また、第2双方向結合領域80についても、2次モードのTE偏波及び1次モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波及びTM偏波に変換する構成に限定されない。第2入出力部45の幅W3、TM偏波結合部53の幅W4、及びTE偏波結合部55の幅W5を、適宜設定することによって、p次モードのTE偏波をs次モード(sは0以上の整数)のTE偏波に、及びq次モードのTM偏波をt次モード(tは0以上の整数)のTM偏波に、それぞれ変換することができる。なお、第2双方向結合領域80において、p次モードのTE偏波及びq次モードのTM偏波を、s次モードのTE偏波及びt次モードのTM偏波に変換する構成例では、伝播モードの組み合わせに応じて、第3入出力部57を多モード導波路として構成するのが好ましい。
また、この発明による光導波路素子100は、第3光導波路コア50を省略した構成とすることもできる。その場合には、第2光導波路コア40の第2入出力部45が、他端45b側で受光素子と接続される。そして、第2入出力部45の他端45bから出力された下り光信号が、受光素子によって受光される。
(特性評価)
発明者は、光導波路素子100の特性を評価するために、3次元FDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いてシミュレーションを行った。
このシミュレーションでは、第1光導波路コア30の第1入出力部35から基本モードのTE偏波及びTM偏波を入力した場合を想定し、第2光導波路コア40の第2結合部41の一端41aから出力されるTE偏波及びTM偏波の強度、及び第1光導波路コア30の第1結合部31の一端31aから出力されるTE偏波及びTM偏波の強度を算出した。
また、このシミュレーションでは、第1光導波路コア30及び第2光導波路コア40の厚さを220nmとした。また、ブラッググレーティング70におけるブラッグ波長を1577nmに設定した。そして、波長1577nmにおいて上式(2)を成立させる設計として、第1結合部31の幅W1を500nm、及び第2結合部41の幅W2を900nmとした。上式(3)及び(4)より、ブラッググレーティング70の周期Λを355nmとし、ブラッググレーティング70の彫り込み深さd1及びd2をともに50nmとした。また、第1結合部31と第2結合部41との中心間距離D1を1000nmとした。また、第1双方向結合領域60の長さL1を100μmとした。
シミュレーションの結果を、図6に示す。図6は、光導波路素子100の偏波依存性の評価に供する図であり、縦軸に光強度をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位でとって示してある。図6に示す曲線601は、第2結合部41の一端41aから出力されるTE偏波の強度を示している。また、曲線603は、第2結合部41の一端41aから出力されるTM偏波の強度を示している。また、曲線605は、第1結合部31の一端31aから出力されるTE偏波の強度を示している。また、曲線607は、第1結合部31の一端31aから出力されるTM偏波の強度を示している。
図6に示されるように、第2結合部41の一端41aから出力されるTE偏波及びTM偏波の両方について、ブラッググレーティング70におけるブラッグ波長として設定した波長1577nmの付近に高いピークが確認できる。この結果から、光導波路素子100では、ブラッググレーティング70において、TE偏波及びTM偏波を、共通の波長で反射されることが確認された。従って、光導波路素子100は、TE偏波及びTM偏波を同じ経路で伝播させられる、すなわち偏波無依存の経路切換素子として使用できることが確認された。
10:支持基板
20:クラッド層
30:第1光導波路コア
31:第1結合部
33:第1テーパ部
35:第1入出力部
40:第2光導波路コア
41:第2結合部
43:第2テーパ部
45:第2入出力部
50:第3光導波路コア
51:第3結合部
53:TM偏波結合部
55:TE偏波結合部
57:第3入出力部
60:第1双方向結合領域
70、170、270:ブラッググレーティング
71、171:第1ブラッググレーティング
73、173:第2ブラッググレーティング
80:第2双方向結合領域
81:TM偏波結合領域
83:TE偏波結合領域
90:サブ導波路コア
100:光導波路素子

Claims (8)

  1. 第1光導波路コアと
    第2光導波路コアと
    を備え、
    前記第1光導波路コアと前記第2光導波路コアとが、互いに離間しかつ平行に配置された第1双方向結合領域が設定されており、
    前記第1双方向結合領域には、ブラッググレーティングが形成されており、
    前記第1双方向結合領域において、前記第1光導波路コアを伝播する特定の波長のTE偏波及びTM偏波が、前記ブラッググレーティングで反射され、かつ前記第2光導波路コアに移行し、前記TE偏波及び前記TM偏波の少なくとも一方の伝播モードが変換される
    ことを特徴とする光導波路素子。
  2. 前記第1光導波路コアを伝播するi次モード(iは0以上の整数)のTE偏波の等価屈折率niTE、前記第1光導波路コアを伝播するj次モード(jは0以上の整数)のTM偏波の等価屈折率njTM、前記第2光導波路コアを伝播するp次モード(pは0以上の整数)のTE偏波の等価屈折率npTE、及び前記第2光導波路コアを伝播するq次モード(qは0以上の整数)のTM偏波の等価屈折率nqTMについて、niTE−njTM=nqTM−npTE又はniTE−njTM=npTE−nqTMが成立するように、前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアの幅が設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光導波路素子。
  3. 前記第1双方向結合領域において、TE偏波及びTM偏波の両方の伝播モードを変換する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路素子。
  4. 前記ブラッググレーティングは、前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアの少なくとも一方に形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光導波路素子。
  5. 前記ブラッググレーティングは、前記第1光導波路コアの、前記第2光導波路コアと対向する側面、及び前記第2光導波路コアの、前記第1光導波路コアと対向する側面に形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の光導波路素子。
  6. 前記ブラッググレーティングは、前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアの、延在方向に沿った各両側面にそれぞれ形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の光導波路素子。
  7. 前記ブラッググレーティングは、前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コア間の領域に設けられたサブ光導波路コアに形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光導波路素子。
  8. 第3光導波路コアをさらに備え、
    前記第2光導波路コアと前記第3光導波路コアが、互いに離間しかつ平行に配置された第2双方向結合領域が、前記第1双方向結合領域から離間した領域として設定されており、
    前記第2双方向結合領域において、前記第2光導波路コアを伝播する特定の波長の前記TE偏波及び前記TM偏波が、前記第3光導波路コアに移行し、TE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の伝播モードが変換される
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光導波路素子。
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