JP2015058809A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギ効率を向上することができるブレーキ装置を提供すること。【解決手段】ペダルストロークSP(運転者のブレーキペダル2の操作量)に対するロッドストロークSR(マスタシリンダのピストンのストローク量)を調整するストローク量調整部3を備えた。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるブレーキ装置に関する。
従来、運転者のブレーキ操作力を低減するための補助力を発生する倍力装置を備えたブレーキ装置が知られている。例えば特許文献1に記載のブレーキ装置は、動力液圧源(アキュムレータ)からブレーキ液が供給される液圧ブースタを用いて補助力を発生する。
特開2008−6893号公報
しかし、従来の技術では、エネルギ効率を向上することが困難だった。本発明の目的とするところは、エネルギ効率を向上することができるブレーキ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のブレーキ装置は、運転者のブレーキペダルの操作量に対するマスタシリンダのピストンのストローク量を調整するストローク量調整部を備えた。
よって、エネルギ効率を向上することができる。
実施例1のブレーキペダル2及びストローク量調整部3の斜視図である(弾性部材6等の図示を省略)。 実施例1のブレーキペダル2及びストローク量調整部3の斜視図である(弾性部材6等の図示を省略)。 実施例1の第2リンク32の斜視図である。 実施例1のブレーキペダル2及びストローク量調整部3の斜視図である(弾性部材6等を図示)。 実施例1の初期状態におけるブレーキペダル2とストローク量調整部3の模式図であり、ジオメトリの諸元を示す。 実施例1のストローク量調整部3の作動状態を表す模式図である(SP=0)。 実施例1のストローク量調整部3の作動状態を表す模式図である(SP1≦SP<SP2)。 実施例1のストローク量調整部3の作動状態を表す模式図である(SP=SP2)。 実施例1のストローク量調整部3の作動状態を表す模式図である(SP≧SP3)。 実施例1のペダルストロークSPとロッドストロークSRとの関係を示す特性図である。 実施例1の踏力FPに対するロッド推力FRの比率FR/FPとペダルストロークSPとの関係を示す特性図である。 実施例1のペダルストロークSPとホイルシリンダ液圧Pとの関係を示す特性図である。 実施例1の踏力FPとホイルシリンダ液圧Pとの関係を示す特性図である。 実施例1の踏力FPとペダルストロークSPとの関係を示す特性図である。
以下、本発明のブレーキ装置を実現する形態を、図面に基づく実施例を用いて説明する。
[実施例1]
まず、ブレーキ装置の構成を説明する。本実施例のブレーキ装置は、車両の各車輪にブレーキ液圧を付与して制動力を発生させる液圧式ブレーキシステムに適用される。上記車両は、例えば、車輪を駆動する原動機としてエンジンのほか電動式のモータ(ジェネレータ)を備えたハイブリッド車や、電動式のモータ(ジェネレータ)のみを備えた電気自動車等の電動車両である。なお、エンジンのみを駆動源とする非電動車両であってもよい。ブレーキシステムは、ブレーキペダル2に連動してマスタシリンダに液圧(マスタシリンダ圧)を発生可能なブレーキ装置と、ブレーキ装置とは独立してホイルシリンダ(キャリパ)に液圧を発生可能な液圧制御ユニットとを有している。
ブレーキ装置は、運転者のブレーキペダル2の操作量(ペダルストロークSP)に対するプッシュロッド4のストローク量(ロッドストロークSR)を調整するストローク量調整部3を備えている。図1は、ブレーキペダル2及びストローク量調整部3を車両の左右方向(以下、単に左右方向という。)の一方から見た斜視図であり、図2は左右方向の他方から見た斜視図である。図1,図2では、後述する弾性部材6等の図示を省略している。図3は、ストローク量調整部3の第2リンク32の斜視図である。図4は、ストローク量調整部3の第1中間リンク33にロッド部331を備え、ストローク量調整部3の第2中間リンク34にリテーナ部341及び弾性部材6を備えた形態を示す、図1と同様の斜視図である。
ブレーキペダル2は、運転者のブレーキ操作の入力を受けるブレーキ操作部材である。ブレーキペダル2に入力されたブレーキ操作(ペダルストロークSPないしペダル踏力FP)は、ストローク量調整部3を介してプッシュロッド4に伝達され、プッシュロッド4の軸方向の移動(ロッドストロークSR)ないし軸方向の推力(ロッド推力FR)を発生する。プッシュロッド4にはマスタシリンダのピストンが連結されている。ロッドストロークSRないしロッド推力FRは、上記ピストンのストロークないし推力に変換され、マスタシリンダ圧を発生する。以下、説明のため、プッシュロッド4の軸方向にx軸を設け、ブレーキペダル2の踏込みに応じてプッシュロッド4がストローク(変位)する方向を正とする。
ブレーキペダル2は、x軸正方向側に凸に湾曲しつつ車両の上下方向に延びるペダルアーム20と、ペダルアーム20の下端に設けられたペダルパッド21とを有している。ブレーキペダル2は、車体側に固定設置されたブラケット1に対し揺動自在に支持されている。ブラケット1は、左右方向で対向する2つのブラケット部材1a,1bが組み合わされることで、x軸方向側から見て下側が開口するコの字状に形成されている。図1では一方のブラケット部材1aのみを破線で示し、図2では他方のブラケット部材1bのみを破線で示す。ブラケット1は、有底皿状である取付壁部材10の底部のx軸負方向側にボルトで締結固定される。取付壁部材10は、ダッシュパネルの下部に、ブラケット1の取付け側が車室内(x軸負方向側)に面するように固定され、ダッシュパネルの一部を構成する。ダッシュパネルは、エンジンルームないし(パワーユニットが設置される)モータルーム(以下、これらを単にエンジンルームという。)と車室とを仕切る車体側の隔壁部材である。これにより、ブラケット1が車室側に突出するように固定される。ブラケット部材1a,1bの間には、ペダル回転軸50が左右方向に延びるように設置されている。ペダル回転軸50はブラケット1に対して固定されている。
ブレーキペダル2は、所謂吊下げ型であり、ペダルアーム20の上端部がペダル回転軸50に対し回転可能に連結されている。これにより、ブレーキペダル2がペダル回転軸50を中心として回転自在にブラケット1に支持されている。ブレーキペダル2の下端部のペダルパッド21が運転者により踏み込まれて操作力(踏力FP)を受けると、ブレーキペダル2がペダル回転軸50を中心として車両の前方(x軸正方向)に回動する。ペダル回転軸50には、その外周を取り囲むように、筒状の回転部材50aが、ペダル回転軸50に対して回転可能に設置されている。ブレーキペダル2の上端部は、回転部材50aに固定されることで、ペダル回転軸50に対して回転可能に設けられている。同じ回転部材50aには、ブレーキペダル2の上端部に対し左右方向で隣接して、板状のアーム部材22の上端側が固定されている。ブレーキペダル2とアーム部材22は、ペダル回転軸50を中心として互いに同じ回転位相(回転角)で回転する。この意味で、ブレーキペダル2とアーム部材22とは一体の部材とみなすことができる。
ストローク調整部3は、ブレーキペダル2の回転方向移動量(ペダルストロークSP)に対するプッシュロッド4の軸方向移動量(ロッドストロークSR)の比(ストローク比ないしレバー比)を可変とする可変リンク機構3aと、この比を固定する固定リンク機構3bとを組み合わせた、リンク式の倍力装置である。ストローク量調整部3は、ブレーキペダル2とプッシュロッド4との間を接続し、運転者によるブレーキペダル2の操作力を増幅してプッシュロッド4へ伝達する。ブレーキ装置は、ストローク量調整部3により、運転者のブレーキ操作力では不足する液圧制動力を発生してブレーキ操作を補助する倍力機能を発揮する。すなわち、本実施例のブレーキ装置は、車両のエンジンが発生する吸気圧(負圧)や電動モータ等の、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いてブレーキペダル2の操作力を倍力ないし増幅するブースタを備えていない。その代わりにブレーキペダル2の操作に応じてストローク量調整部3を作動させることで、ブレーキ操作力を補助可能に設けられている。
プッシュロッド4は、ブレーキペダル2に入力された(ストローク量調整部3により増幅された)運転者の操作力をx軸方向の推力(ロッド推力FR)としてマスタシリンダに伝達する操作力伝達部材であり、ブレーキペダル2(ストローク量調整部3)に連動してx軸方向に作動する。プッシュロッド4は、ストローク量調整部3の出力部材であり、両リンク機構3a,3bの出力リンク部材である第2リンク32からの入力を受け、ブレーキペダル2の踏込み操作に応じてx軸正方向にストロークする。プッシュロッド4はマスタシリンダの入力部材(入力ロッド)でもあり、そのx軸正方向端はマスタシリンダのピストン(プライマリピストン)に接続されている。
マスタシリンダは、プッシュロッド4を介してストローク量調整部3に接続されている。マスタシリンダには、ブレーキ液を貯留するブレーキ液源であるリザーバ(タンク)が一体に設けられており、マスタシリンダはリザーバからブレーキ液を補給される。マスタシリンダは、油路(ブレーキ配管)を介して、車両の所定の車輪のホイルシリンダ(キャリパ)に接続している。マスタシリンダは、運転者によるブレーキペダル2の操作(ブレーキ操作)に応じて液圧(マスタシリンダ圧)を発生する第1のブレーキ液圧発生源である。マスタシリンダ圧は上記油路を介してホイルシリンダへ供給され、ホイルシリンダ液圧(ブレーキ液圧)を発生させる。マスタシリンダは、所謂タンデム型であり、x軸正方向側が閉塞すると共にx軸負方向側が開口した有底筒状のシリンダと、シリンダの内周面に摺動可能に挿入された2つのピストンとを備えている。シリンダの内部にはこれらのピストンによりプライマリP系統の液圧室とセカンダリS系統の液圧室が画成されている。各液圧室は、それぞれ液圧制御ユニットに接続しており、所定のホイルシリンダと連通可能に設けられている。
シリンダは、取付壁部材10の底部のx軸正方向側にボルトで締結固定される。これにより、マスタシリンダがエンジンルーム側(x軸正方向側)に突出するように固定される。P系統のプライマリピストンのx軸負方向端には、取付壁部材10を貫通するプッシュロッド4のx軸正方向端が回動可能に接続されている。S系統のセカンダリピストンは、フリーピストンであり、プライマリピストンのx軸正方向側に設置される。両ピストンの間にP系統の液圧室が画成され、セカンダリピストンとシリンダの底部との間にS系統の液圧室が画成されている。運転者のブレーキ操作によって、プッシュロッド4のx軸正方向の推力がプライマリピストンに伝達される。プライマリピストンがx軸正方向側にストロークすると、各液圧室の容積が縮小する。これにより、各液圧室からホイルシリンダに向けてブレーキ液が供給される。また、各液圧室内に略同じ液圧(マスタシリンダ圧)が発生する。各液室内には、ピストンの戻しばねであると共に、ブレーキペダル2に対して適当な反力を付与可能な反力付与手段としてのコイルスプリングが押し縮められた状態で設置されている。
液圧制御ユニットは、マスタシリンダ(リザーバ)からブレーキ液の供給を受け、運転者によるブレーキ操作とは独立にブレーキ液圧を発生可能な第2のブレーキ液圧発生源である。液圧制御ユニットは、ブレーキ配管を介して、各車輪のホイルシリンダとマスタシリンダとに接続されており、各ホイルシリンダにマスタシリンダ圧又は制御液圧を個別に供給可能である。液圧制御ユニットは、制御液圧を発生するための液圧機器(アクチュエータ)として、液圧発生源であるポンプや、ハウジング内に形成された油路の連通状態を切り換える複数の制御弁(電磁弁)を有している。液圧制御ユニットには、油路の所定部位の液圧(マスタシリンダ圧等)を検出する液圧センサが設けられており、その検出値は電子制御ユニットECUに入力される。ECUは、入力される各種情報に基づき、内蔵されたプログラムに従って液圧制御ユニットの各アクチュエータの作動を制御することで、運転者のブレーキ操作から独立して各ホイルシリンダの液圧を制御(増圧、減圧、保持)可能に設けられている。ECUは、液圧制御ユニットを用いて、車輪のロック傾向を緩和するアンチロックブレーキ制御(ABS)や、車両の横滑り等を抑制して車両挙動を安定化するためのブレーキ制御(VDCやESCといった車両挙動制御)を実行可能に設けられている。
液圧制御ユニットの各アクチュエータが非作動である状態では、マスタシリンダの液圧室と所定のホイルシリンダとが連通した状態となる。このとき、運転者によるブレーキペダル2の操作力(踏力FP)を用いて発生させたマスタシリンダ圧によってホイルシリンダ液圧を発生する(以下、これを踏力ブレーキという)。運転者のブレーキ操作に応じた液圧制動力を発生させる通常ブレーキ時、ブレーキ装置は、ペダルストロークSPの全領域(すなわちブレーキ操作が開始された後の制動初期における低圧域を含め、制動の各段階における各液圧域)で、ポンプや電磁弁等を非通電状態とし、液圧制御ユニットを非作動状態とすることで、踏力ブレーキを実現する。その際、ストローク量調整部3により、所定のペダル特性、すなわち運転者のブレーキ操作量(ペダルストロークSP)とブレーキ操作力(踏力FP)とホイルシリンダ液圧P(車両減速度G)との間の理想の関係特性を実現するように設定している。本実施例では、例えば、車両のエンジンが発生する負圧を利用してブレーキ操作力を倍力する通常サイズのエンジン負圧ブースタを備え、かつストローク量調整部3を備えないブレーキ装置(以下、これを比較例という。)を想定した場合において、この比較例でエンジン負圧ブースタの作動時に実現されるペダル特性を、上記理想の関係特性とする。
以下、ストローク量調整部3の構成を説明する。ストローク量調整部3のリンク機構3a,3bは、板状のリンク部材を複数有しており、第1リンク31と、第2リンク32と、第1中間リンク33と、第2中間リンク34とを備えている。図1,図2に示すように、第1リンク31は、側面視で(左右方向から見て)棒状であり、一端側(x軸負方向側)がブレーキペダル2に対し回動可能に接続され、他端側(x軸正方向側)が第1中間リンク33に対し回動可能に接続されている。具体的には、第1リンク31の一端側(x軸負方向側)は、左右方向に延びる軸部材としてのピン51を介して、アーム部材22の下端側に回転可能に連結されている。第1リンク31の他端側(x軸負方向側)は、左右方向に延びるピン52を介して、第1中間リンク33の一端側(x軸負方向側)に回転可能に連結されている。第1リンク31は2つの相同の板状部材からなっており、アーム部材22及び第1中間リンク33を左右方向から挟むようにして、これらに連結される。
図1〜図3に示すように、第2リンク32は、側面視で棒状であり、一端側(x軸正方向側)がクレビス40を介してプッシュロッド4に対し回動可能に接続されている。第2リンク32の他端側(x軸負方向側)には、第1長孔321が、第2リンク32の長手方向に沿って延びるように形成されている。第1長孔321は、第2リンク32の軸方向に沿って形成された第1スライド部である。第2リンク32の一端側(x軸正方向側)と第1長孔321との間には、第2長孔322が、第2リンク32の長手方向に沿って延びるように形成されている。第2長孔322は、第2リンク32の軸方向に沿って形成された第2スライド部である。具体的には、第2リンク32は第1リンク部32aと第2リンク部32bからなる。第2リンク部32bは1つの板状部材からなっており、その一端側(x軸正方向側)が、左右方向に延びるピン55を介して、二股状のクレビス40に回転可能に連結されている。第2リンク部32bの一端側と他端側(x軸負方向側)との間の略中間位置には、第2長孔322が、第2リンク部32bの長手方向に沿って延び、かつ第2リンク部32bを左右方向に貫通するように形成されている。
第1リンク部32aは2つの相同の板状部材からなっている。これらの板状部材は互いに隙間を介し左右方向に並列配置されている。これらの板状部材からなる第1リンク部32aは、第2リンク部32bに対して隙間を介し左右方向に並列配置されている。左右方向から見て第1リンク部32aの輪郭は第2リンク部32bの輪郭内に略収まる。第1リンク部32aの一端側(x軸正方向側)は左右方向に延びる固定軸59を介して第2リンク部32bの一端側(クレビス40の連結ピン55と第1長孔321との間)に固定されている。第1リンク部32aの他端側(x軸負方向側)は左右方向に延びる固定軸58を介して第2リンク部32bの他端側に固定されている。第1リンク部32aの両端部の略中間位置には、第1長孔321が、第1リンク部32aの長手方向に沿って延び、かつ第1リンク部32aを左右方向に貫通するように形成されている。第1長孔321は第2長孔322よりも軸方向に長く設けられている。第1長孔321の一端側(x軸正方向側)は第2長孔322の一端側(x軸正方向側)と略同じ軸方向位置にある一方、第1長孔321の他端側(x軸負方向側)は第2長孔322の他端側(x軸負方向側)よりも他端側(x軸負方向側)に位置する。
図1,図2に示すように、第1中間リンク33は、側面視で三角状であり、一端側(x軸負方向側かつ上側の第1の角部33a)が第1リンク31の他端側(x軸正方向側)に対し回動可能に接続されている。第1中間リンク33の他端側(x軸正方向側かつ下側の第2の角部33b)は第2リンク32の第1長孔321に対しスライド(第1長孔321に沿って移動)可能に係合する。第1中間リンク33の上記両端部の間(x軸正方向側かつ上側の第3の角部33c)はブラケット1に対し揺動自在に接続されている。具体的には、第1中間リンク33の第1の角部33aは、ピン52を介して、第1リンク31の他端側(x軸正方向側)に回転可能に連結されている。第2の角部33bには、左右方向に延びる第1係合ピン54が固定されている。第1係合ピン54は、第2リンク32(第1リンク部32aの2つの板状部材)の第1長孔321に遊嵌状態で(第1長孔321に対し軸方向に移動可能に)設置され、第1長孔321の軸方向両端部に当接して軸方向で係合可能に設けられている。第2の角部33bは、第1リンク部32aの2つの板状部材に挟まれ、第1係合ピン54を介して、第1長孔321(第1リンク部32a)に対しスライド可能に係合している。また、ブラケット1(ブラケット部材1a,1bの間)には、ペダル回転軸50よりもx軸正方向側であって下側に、第1中間リンク回転軸53が左右方向に延びるように設置されている。第3の角部33cは、第1中間リンク回転軸53に回転可能に連結されている。これにより、第1中間リンク33が第1中間リンク回転軸53を中心として回転自在にブラケット1に支持されている。
図2に示すように、第2中間リンク34は、側面視で棒状であり、一端側(x軸負方向側)がブレーキペダル2に対し回動可能に接続され、他端側(x軸正方向側)が第2リンク32の第2長孔322に対しスライド(第2長孔322に沿って移動)可能に係合する。具体的には、第2中間リンク34の一端側(x軸負方向側)は、左右方向に延びるピン56を介して、ペダルアーム20の上端側(ペダル回転軸50の下側)に回転可能に連結されている。第2中間リンク34の他端側(x軸正方向側)には、左右方向に延びる第2係合ピン57が固定されている。第2係合ピン57は、第2リンク32(第2リンク部32b)の第2長孔322に遊嵌状態で(第2長孔322に対し軸方向に移動可能に)設置され、第2長孔322の軸方向両端部に当接して軸方向で係合可能に設けられている。第2中間リンク34は2つの相同の板状部材からなっており、一端側でペダルアーム20を左右方向から挟むようにしてこれに連結されると共に、他端側で第2リンク32(第2リンク部32b)を左右方向から挟み、第2係合ピン57を介して、第2長孔322(第2リンク部32b)に対しスライド可能に係合している。
図3に示すように、第2リンク32の各長孔321,322の軸直方向寸法(短尺方向幅の大きさ)はそれぞれ係合ピン54,57の径より若干大きく設定されている。また、各長孔321,322の軸方向両端部は、それぞれ係合ピン54,57の外周面に沿った曲面状に形成されている。第1長孔321の軸方向両端部の内周面には、ゴムの被膜323が設けられている。この被膜323は第1係合ピン54に当接可能に設けられた第1緩衝部材である。同様に、第2リンク32の第2長孔322の軸方向両端部の内周面には、ゴムの被膜324が設けられている。この被膜324は第2係合ピン57に当接可能に設けられた第2緩衝部材である。
図4に示すように、第1中間リンク33には、弾性部材6に当接するためのロッド部331が設けられている。ロッド部331は、第1中間リンク33の下側かつx軸正方向側(第2の角部33b)から下方へ延びるように、第2の角部33bと一体の部材として形成されるか、又は第2の角部33bに一体的に固定される。一方、第2中間リンク34には、弾性部材(弾性体)6が設けられている。具体的には、第2中間リンク34の下側かつx軸正方向側には、弾性部材6を保持するためのリテーナ部341が設けられている。リテーナ部341は、第2中間リンク34と一体の部材として形成されるか、又は第2中間リンク34に一体的に固定される。リテーナ部341は、左右方向及び上下方向に延びて広がる面を備えており、x軸負方向側の上記面がロッド部331に対向するように配置されている。リテーナ部341におけるロッド部331と対向する部位(x軸負方向側の面)には、弾性部材6が設置されている。弾性部材6は、例えばゴム製の円柱状部材であり、少なくとも軸方向に弾性変形可能に設けられており、圧縮されることで所定の反力を発生する。弾性部材6は、その軸がロッド部331の回動面内に位置し、その軸方向端面がロッド部331のx軸正方向側の面(弾性部材6との当接面)に対向するように配置される。
図5は、運転者によるブレーキ操作がされていない初期状態(初期姿勢)におけるブレーキペダル2とストローク量調整部3とプッシュロッド4を模式的に表す側面図である。図5では、ロッド部331やリテーナ部341や弾性部材6を省略して示す。プッシュロッド4(クレビス40)に対する第2リンク32の回動中心(ピン55)を通る仮想的な垂線をL1とする。ブレーキペダル2の支点すなわちブラケット1に対するブレーキペダル2の揺動中心(ペダル回転軸50)を通る水平線をL2とし、ペダル回転軸50を通る垂線をL3とする。ペダル回転軸50を始点として、ブレーキペダル2の力点(ペダルパッド21)を通る半直線をL4とし、アーム部材22(ブレーキペダル2)に対する第1リンク31の一端側(x軸負方向側)の回動中心(ピン51)を通る半直線をL5とし、ブレーキペダル2に対する第2中間リンク34の一端側(x軸負方向側)の回動中心(ピン56)を通る半直線をL6とする。ブラケット1に対する第1中間リンク33の揺動中心(第1中間リンク回転軸53)を始点として、第1リンク31の他端側(x軸正方向側)に対する第1中間リンク33の回動中心(ピン52)を通る半直線をL7とし、第1中間リンク33の第1係合ピン54を通る半直線をL8とする。第2中間リンク34の第2係合ピン57を通る水平線をL9とする。第2係合ピン57を始点として、ピン56を通る半直線をL10とする。また、第1係合ピン54を通る垂線をL11とする。
ペダル回転軸50からペダルパッド21までの距離をa(>0)とすると、図5の初期状態において、この側面視での各寸法(ジオメトリ)は以下となるように設定されている。ペダル回転軸50から、垂線L1までの距離は8a/13であり、ピン51までの距離は4a/19であり、ピン56までの距離はa/4である。半直線L3と半直線L4とがなす角度は36度であり、半直線L3と半直線L5とがなす角度は7.7度であり、半直線L3と半直線L6とがなす角度は10度である。ピン55から垂線L2までの距離はa/3である。第1中間リンク回転軸53から、垂線L1までの距離は5a/19であり、水平線L2までの距離はa/4であり、ピン52までの距離は4a/19であり、第1係合ピン54までの距離は2a/19である。半直線L7は略水平である。ピン56から第2係合ピン57までの距離は10a/19である。半直線L8と半直線L11とがなす角度は16度である。半直線L9と半直線L10とがなす角度は16度である。第2係合ピン57から、第2長孔322のx軸正方向端までの距離はa/20である。
[作用]
次に、ブレーキ装置の作用を説明する。
(ストローク量調整部の作動)
図6〜図9は、図5と同様の模式図によりストローク量調整部3の作動状態を示したものである。図6は、ブレーキペダル2の踏込み量SPがゼロである初期状態における各部材の位置(初期位置)を示す。第1中間リンク33のx軸正方向端側(第2の角部33b)の第1係合ピン54は、第2リンク32(第1リンク部32a)の第1長孔321のx軸正方向端部(被膜323)に当接しており、第2リンク32に対し第1長孔321のx軸正方向側で係合している。一方、第2中間リンク34のx軸正方向端側の第2係合ピン57は、第2リンク32(第2リンク部32b)の第2長孔322のx軸正方向端部(被膜324)からx軸負方向側に離れた位置で第2長孔322に遊嵌しており(第2長孔322に対しx軸正方向側へ移動可能な状態であり)、第2リンク32に対し第2長孔322のx軸正方向側で係合していない。言換えると、ブレーキペダル2の操作開始時は、第1中間リンク33のx軸正方向側端(第1係合ピン54)は第1長孔321に係合し、第2中間リンク34のx軸正方向側端(第2係合ピン57)は第2長孔322に遊びを持って係合している。また、第1中間リンク33のロッド部331と第2中間リンク34の弾性部材6との間にはx軸方向で隙間が設けられており、ロッド部331は弾性部材6に当接していない。
ブレーキペダル2が踏み込まれると、ブレーキペダル2の力点(ペダルパッド21)及び作用点(ピン51,56)が支点(ペダル回転軸50)の周りで図の反時計回り方向に回転する。ペダルストロークSPがゼロからSP2までの間、第1中間リンク33のx軸正方向端側(第1係合ピン54)は上記のように第2リンク32の第1長孔321のx軸正方向端に係合し、第2中間リンク34のx軸正方向端側(第2係合ピン57)は上記のように第2リンク32の第2長孔322に遊嵌した状態となるように設けられている。このとき、作用点(ピン51)での回転力は、第1リンク31を介して第1中間リンク33(ピン52)に伝えられ、第1中間リンク33を支点(第1中間リンク回転軸53)の周りで反時計回り方向に回転させる。第1係合ピン54は第2リンク32に対し力を伝達可能に第1長孔321に係合している。このため、第1中間リンク33の回転力は、第1係合ピン54を介して第2リンク32に伝えられると共に、第2リンク32(ピン55)を介してプッシュロッド4に伝えられ、プッシュロッド4をx軸正方向に移動させる。また、作用点(ピン56)での回転力は、第2中間リンク34に伝えられ、第2中間リンク34(第2係合ピン57)をx軸正方向側へ移動させる。第2係合ピン57は第2長孔322のx軸正方向端に係合していないため、第2中間リンク34に伝えられた力は、第2係合ピン57を介して第2リンク32に伝えられない。このように、ペダルストロークSPがSP2未満のとき、ブレーキペダル2の回転力(踏力FP)は、第1リンク31、第1中間リンク33、及び第2リンク32を介して、プッシュロッド4をx軸正方向に移動させる直線方向の力に変換される。ここで、上記各リンク31,32,33により構成されるリンク機構3aの作用により、ペダルストロークSPに応じて、ペダルストロークSPとロッドストロークSRとの比(以下、ストローク比)SP/SRが可変となるように設けられている。すなわち、第1リンク31、第1中間リンク33、及び第2リンク32は、可変リンク機構3aを構成する。
ペダルストロークSPがSP2より小さいSP1(<SP2)以上になると、第1中間リンク33のロッド部331と第2中間リンク34の弾性部材6との間のx軸方向隙間がなくなり、ロッド部331が弾性部材6に当接するように設けられている。図7は、ペダルストロークSPがSP1以上かつSP2未満である状態における各部材の位置を示す。上記のように、作用点(ピン51)での回転力は、第1リンク31を介して第1中間リンク33(ピン52)に伝えられ、第1中間リンク33を支点(第1中間リンク回転軸53)の周りで反時計回り方向に回転させようとする。このときロッド部331は、弾性部材6を軸方向に圧縮し、その圧縮量に応じた反力を弾性部材6から受ける(図の矢印参照)。ロッド部331に入力された反力は、第1中間リンク33を支点(第1中間リンク回転軸53)の周りで時計回り方向に回転させようとし、この回転力は、第1リンク31を介してブレーキペダル2に伝えられる。
図8は、ペダルストロークSPがSP2となったときの各部材の位置を示す。ペダルストロークSPがSP2以上になると、第1中間リンク33の第1係合ピン54が第2リンク32の第1長孔321のx軸正方向端部から離れ、第2リンク32に対し第1長孔321のx軸正方向側で係合しなくなる(第1長孔321に遊嵌した状態となる)。一方、第2中間リンク34の第2係合ピン57が第2リンク32の第2長孔322のx軸正方向端部(被膜324)に当接し、第2リンク32に対し第2長孔322のx軸正方向側で係合した状態となるように設けられている。このとき、上記のように、作用点(ピン56)での回転力は、第2中間リンク34に伝えられ、第2中間リンク34(第2係合ピン57)をx軸正方向側へ移動させる。ここで、第2係合ピン57は第2長孔322のx軸正方向端に係合している。このため、第2中間リンク34に伝えられた力は、第2係合ピン57を介して第2リンク32に伝えられると共に、第2リンク32(ピン55)を介してプッシュロッド4に伝えられ、プッシュロッド4をx軸正方向に移動させる。一方、上記のように、作用点(ピン51)での回転力は、第1リンク31を介して第1中間リンク33(ピン52)に伝えられ、第1中間リンク33を支点(第1中間リンク回転軸53)の周りで反時計回り方向に回転させる。ここで、第1係合ピン54は第1長孔321のx軸正方向端に係合していないため、第1中間リンク33の回転力は、第1係合ピン54を介して第2リンク32に伝えられない。このように、ペダルストロークSPがSP2以上のとき、ブレーキペダル2の回転力(踏力FP)は、第2中間リンク34及び第2リンク32を介して、プッシュロッド4をx軸正方向に移動させる直線方向の力に変換される。ここで、上記各リンク32,34により構成されるリンク機構3bは、ペダルストロークSPが変化してもストローク比SP/SRが一定となるように設けられている。すなわち、第2中間リンク34及び第2リンク32は、固定リンク機構3bを構成する。以上のように、ペダルストロークSPがSP2未満からSP2以上になると、可変リンク機構3aが作動を終了し、それに代わって固定リンク機構3bが作動するようになる。言換えると、固定リンク機構3bは、可変リンク機構3aの作動に連続して作動する。図8は、第1係合ピン54が第1長孔321のx軸正方向端から離れ(可変リンク機構3aが作動を終了し)、かつ第2係合ピン57が第2長孔322のx軸正方向端に当接(固定リンク機構3bが作動を開始)しようとしているとき、すなわち可変リンク機構3aと固定リンク機構3bの切り換え時の状態を示す。
また、ペダルストロークSPがSP2以上になり、可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへ切り換わると、圧縮された弾性部材6が元に戻ろうとして、第2中間リンク34をプッシュロッド4の側へ押す。すなわち、第1中間リンク33のロッド部331から、弾性部材6の圧縮変形による反力が、第2中間リンク34のリテーナ部341に伝達される。この反力は、第2中間リンク34をプッシュロッド4の側(x軸正方向側)へ推進させようとする。図9は、ペダルストロークSPがSP2より大きいSP3(>SP2)以上であるときの各部材の位置を示す。ペダルストロークSPがSP3以上になると、ロッド部331と弾性部材6との間に再びx軸方向の隙間が生じ、ロッド部331が弾性部材6に当接しなくなる(弾性部材6がロッド部331から離間する)ように設けられている。言換えると、ペダルストロークSP2の前後(SP1≦SP<SP3)で、第1中間リンク33と第2中間リンク34とが、弾性部材6を介して接触するように設けられている。
図10〜図14は、ブレーキ装置のペダル特性を各種パラメータにより示す。図中、実線は、(可変リンク機構3aと固定リンク機構3bとが連続して切り換わりつつ作動する)ストローク量調整部3により実現される特性を示す。一点鎖線は、ストローク量調整部3が仮に可変リンク機構3aとしてのみ作動したとき(ペダルストロークSPがSP2以上になっても固定リンク機構3bではなく可変リンク機構3aが作動した場合)の特性を示す。二点鎖線は、ストローク量調整部3が仮に固定リンク機構3bとしてのみ作動したとき(SPがゼロのときから固定リンク機構3bとして作動した場合。具体的には、SPがゼロのときから第2係合ピン57が第2長孔322のx軸正方向端部に係合する場合)の特性を示す。図11,図13,図14の破線は、ロッド部331と弾性部材6とが当接することにより実現される特性を示す。
まず、仮にロッド部331と弾性部材6とが設けられておらず、これらが当接しない場合に実現される特性と作用効果について説明する。
(倍力特性)
図10及び図11は、ブレーキ装置の倍力特性を示す。図10に示す曲線は、ペダルストロークSPに対するロッドストロークSRの変化の特性を表す。図11に示す曲線は、踏力FPに対するロッド推力FRの比率FR/FP(倍力比ないしレバー比)、のペダルストロークSPに対する変化の特性を表す。
図10に示すように、ペダルストロークSPがゼロからSP2までの間は、可変リンク機構3aにより、ストローク比SP/SRを可変としている。すなわち、プッシュロッド4を同じ量だけ移動させるために必要なブレーキペダル2の操作量が、ペダルストロークSPの大きさに応じて所望の特性で変化するように、可変リンク機構3aのリンク31〜33の形状、長さや支軸の位置等が調整されている。SPがゼロのときは、SRもゼロである。SPがゼロから大きくなるにつれて、SRもゼロから大きくなる。ブレーキ踏込み操作の初期(SPが小さいとき)よりも後期(SPが大きいとき)の方が、SPの単位変化量ΔSPに対するSRの変化量ΔSRの比率ΔSR/ΔSPが小さくなるように設定されている。よって、SPに対するSRの変化を示す曲線は、右上がりかつ上に凸の曲線となる。ブレーキ踏込み操作の初期には、ΔSR/ΔSPが固定リンク機構3bよりも大きく、後期には、ΔSR/ΔSPが固定リンク機構3bよりも小さくなるように設定されている。また、ペダルストロークSPがゼロからSP*までの間は、同じペダルストロークSPに対するロッドストロークSRの大きさが固定リンク機構3bよりも大きくなり、ペダルストロークSPがSP*以上では、同じペダルストロークSPに対するロッドストロークSRの大きさが固定リンク機構3bよりも小さくなるように設定されている。ペダルストロークSPがSP2以上では、固定リンク機構3bにより、ストローク比SP/SRを固定している。ペダルストロークSPがSP2未満からSP2以上になると、ΔSR/ΔSPが固定リンク機構3bと同じになり、SP2未満のときよりもΔSR/ΔSPが増大する。言換えると、可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへ切り替ることで、同じペダルストロークSPの変化量ΔSPに対するロッドストロークSRの変化量ΔSRの大きさが増加し、その後、一定値を保つ。なお、ブレーキペダル2が揺動可能な全領域(ペダルストロークSPの全域)で、ペダルストロークSP毎に、プッシュロッド4の初期位置からのx軸方向移動量(ロッドストロークSR)は、ブレーキペダル2の踏込み量、すなわちブレーキペダル2の力点(ペダルパッド21)の初期位置からの移動量(ペダルストロークSP)よりも少なくなるように設定されている。また、ペダルストロークSPの全域で、ペダルストロークSP毎に、ロッドストロークSRは、ブレーキペダル2の作用点(ピン51,56)の初期位置からの移動量よりも少なくなるように設定されている。
以上のように、ストローク量調整部3は、第1の領域と第2の領域を備えている。第1の領域は、運転者によるブレーキペダル2の操作開始から所定の操作量SP2未満の間であり、ΔSR/ΔSPを可変としている。言換えると、第1の領域では、ペダルストロークSPの変化量に対するロッドストロークSR(マスタシリンダのピストンのストローク量)の変化量が、可変レシオ特性を備えている。第2の領域は、ブレーキペダル2の操作量SPが所定の操作量SP2以上であり、ΔSR/ΔSPを固定している。言換えると、第2の領域では、ペダルストロークSPの変化量に対するロッドストロークSR(マスタシリンダのピストンのストローク量)の変化量が、固定レシオ特性を備えている。可変リンク機構3aは、第1の領域で作動する。固定リンク機構3bは、第2の領域で可変リンク機構3aの作動に連続して作動する。
図11に示すように、ペダルストロークSPがゼロからSP2までの間は、可変リンク機構3aにより、倍力比FR/FPを可変としている。SPがゼロのときは、FR/FPはゼロより大きい所定値である。SPがゼロから大きくなるにつれて、FR/FPも上記所定値から大きくなる。SPに対するFR/FPの変化を示す曲線は、右上がりの曲線となる。ブレーキ踏込み操作の初期(SPが小さいとき)、SPの単位増加量ΔSPに対するFR/FPの増加量は、初めは小さく、SPが大きくなるのに応じて大きくなり、その後、再び小さくなる、といったS字状の曲線を描く特性を備えている。ブレーキ踏込み操作の初期(SPがSP**より小さいとき)には、FR/FPが固定リンク機構3bよりも小さく、それ以外のとき(SPがSP**より大きいとき)には、FR/FPが固定リンク機構3bよりも大きくなるように設定されている。ペダルストロークSPがSP2以上では、固定リンク機構3bにより、FR/FPを固定している。ペダルストロークSPがSP2未満からSP2以上になると、FR/FPが固定リンク機構3bと同じになり、SP2未満のときよりもFR/FPが低下する。言換えると、可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへ切り換わることで、FR/FPが急激に低下し、その後、一定値を保つ。
図12〜図14は、ブレーキ装置のペダルストロークSPと踏力FPとホイルシリンダ液圧P(車両減速度G)との間の関係特性を表す。図12に示す曲線は、ペダルストロークSPとホイルシリンダ液圧Pとの関係を示すS-P特性を表す。図13に示す曲線は、踏力FPとホイルシリンダ液圧Pとの関係を示すF-P特性を表す。図14に示す曲線は、踏力FPとペダルストロークSPとの関係を示すF-S特性を表す。
(S-P特性)
マスタシリンダからホイルシリンダへ向けて供給されるブレーキ液の量をQとすると、SRの増大に略比例して液量Qは増加する。液量Qがゼロから増加すると、ホイルシリンダ(キャリパ)のピストンのガタ詰めが終了した後、ホイルシリンダ液圧Pが増大する。本実施例では、液量Qと液圧Pとの関係(液圧剛性)は、液量Qが所定量までの範囲では液量Qの増加に対する液圧Pの上昇率は小さく、Qが上記所定量を越えるとQの増加に対するPの上昇率が大きくなる特性となっている。よって、SPが増大すると、図10の特性に従ってSRが増大(液量Qが増加)し、これに応じて、図12に示すように液圧Pが増大する。ペダルストロークSPがSP2未満の間は、可変リンク機構3aにより、SPの変化量に対する液圧Pの変化量の比率ΔP/ΔSPを可変としている(SPの変化量に対する液圧Pの変化量が可変レシオ特性を備えている)。SPがゼロからSP0までの間は、マスタシリンダの液圧室がピストンに設けられた孔を介してリザーバと連通しているため、液圧Pはゼロのまま上昇しない。SPがSP0以上で増大するのに応じて、液圧Pが増大する。SPがゼロからSP*までの間は、同じペダルストロークSPに対するロッドストロークSRの大きさ(すなわち液量Q)が固定リンク機構3bよりも大きく設定されていることに対応して、固定リンク機構3bよりも小さいSP(SP0)で液圧Pが上昇し始めると共に、同じSPに対する液圧Pの大きさが固定リンク機構3bよりも大きくなっている。SPがSP*以上では、同じSPに対するSRの大きさ(すなわち液量Q)が固定リンク機構3bよりも小さく設定されていることに対応して、同じSPに対する液圧Pの大きさが固定リンク機構3bよりも小さくなっている。SPがSP2以上では、固定リンク機構3bにより、ΔP/ΔSPを固定している(SPの変化量に対する液圧Pの変化量が固定レシオ特性を備えている)。SPがSP2未満からSP2以上になると、ΔP/ΔSPが固定リンク機構3bと同じになり、SP2未満のときよりもΔP/ΔSPが増大する。すなわち、可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへ切り換わることで、同じペダルストロークSPの変化量ΔSPに対するロッドストロークSRの変化量ΔSR(プッシュロッド4の伸び)が増加し、その分だけ液圧Pの変化量ΔPが増加する。以上のように、運転者のブレーキペダル操作開始から所定の操作量SP2未満の間(第1の領域)の液圧Pの増加勾配ΔP/ΔSPが、所定の操作量SP2以上のとき(第2の領域)の液圧Pの増加勾配ΔP/ΔSPよりも小さくなる特性となっている。
(F-P特性)
図13に示すように、可変リンク機構3aは、所定の踏力FPv2未満の間にブレーキペダル2の操作に応じて作動するように設けられている。FPがFPv2未満の間は、可変リンク機構3aにより、踏力FPの変化量に対する液圧Pの変化量の比率ΔP/ΔFPを可変としている(踏力FPの変化量に対する液圧Pの変化量が可変レシオ特性を備えている)。踏力FPがゼロからFPv0までの間は、踏力FPの変化に関わらず、液圧Pはゼロである。FPがFPv0以上かつFPv2未満になると、FPの増加につれて、液圧Pがゼロから大きくなる。FPに対するPの変化を示す曲線は、急な右上がりの曲線となる。FPがFPv0以上かつFPv2未満のときは、ΔP/ΔFPが、固定リンク機構3bよりも大きくなるように設定されている。また、FPがFPv0より僅かに大きい値以上かつFPv2未満のときは、同じFPに対するPの大きさが、固定リンク機構3bよりも大きくなるように設定されている。FPがFPv2のとき、PがP2になる。FPがFPv2以上になると、可変リンク機構3aの作動に連続して、固定リンク機構3bが作動するようになる。FPがFPv2からFPc2までの間は、ΔP/ΔFPが略ゼロとなり、FPの変化に関わらずPがP2に維持される。FPがFPc2以上では、固定リンク機構3bにより、ΔP/ΔFPを固定している(FPの変化量に対する液圧Pの変化量が固定レシオ特性を備えている)。すなわち、FPがFPc2以上になると、ΔP/ΔFPが固定リンク機構3bと同じになり、FPv2未満のときよりもΔP/ΔFPが低下する。言換えると、運転者によるブレーキペダル2の操作開始から所定の踏力FPv2未満の間の液圧Pの増加勾配ΔP/ΔFPが、所定の踏力FPv2以上のときの液圧Pの増加勾配ΔP/ΔFPよりも大きくなる特性となっている。
(F-S特性)
図14に示すように、FPがFPv2未満の間は、可変リンク機構3aにより、踏力FPの変化量に対するSPの変化量の比率ΔSP/ΔFPを可変としている(踏力FPの変化量に対するSPの変化量が可変レシオ特性を備えている)。踏力FPがゼロからFPv0までの間は、踏力FPの変化に関わらず、SPはゼロである。FPがFPv0以上になると、FPの増加につれて、SPがゼロから大きくなる。FPに対するSPの変化を示す曲線は、急な右上がりの曲線となる。FPがFPv0以上かつFPv2未満のときは、ΔSP/ΔFPが、固定リンク機構3bよりも大きくなる。また、FPがFPv0より僅かに大きい値以上かつFPv2未満のときは、同じFPに対するSPの大きさが、固定リンク機構3bよりも大きくなる。FPがFPv2のとき、SPがSP2になる。FPがFPv2以上になると、可変リンク機構3aの作動に連続して、固定リンク機構3bが作動するようになる。FPがFPv2からFPc2までの間は、ΔSP/ΔFPが略ゼロとなり、FPの変化に関わらずSPがSP2に維持される。FPがFPc2以上では、固定リンク機構3bにより、ΔSP/ΔFPを固定している(FPの変化量に対するSPの変化量が固定レシオ特性を備えている)。すなわち、FPがFPc2以上になると、ΔSP/ΔFPが固定リンク機構3bと同じになり、FPv2未満のときよりもΔSP/ΔFPが低下する。言換えると、運転者によるブレーキペダル2の操作開始から所定の踏力FPv2未満の間のSPの増加勾配ΔSP/ΔFPが、所定の踏力FPv2以上のときのSPの増加勾配ΔSP/ΔFPよりも大きくなる特性となっている。
(省エネ化、小型化、低コスト化)
運転者のブレーキ操作に応じた液圧制動力を発生させる通常ブレーキ(踏力ブレーキ)時、ブレーキ装置は、ストローク量調整部3により、運転者のブレーキ操作力を低減するための補助力を発生する。このストローク量調整部3は、運転者のブレーキペダル2の操作量に対するマスタシリンダのピストンのストローク量を調整する、メカニカルな倍力装置である。すなわち、ストローク量調整部3は、専ら運転者のブレーキ操作力を利用してメカ的にブレーキ操作力を倍力・補助する。言い換えると、ストローク量調整部3は、電動モータやアキュムレータを用いて液圧を発生する倍力装置や、エンジンの負圧を用いたマスターバック等の、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いて駆動され、補助力を発生する倍力装置ではない。よって、本実施例のブレーキ装置は、通常ブレーキ時、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いて補助力を発生させるタイプの倍力装置を作動させる必要がない。したがって、補助力を発生するための消費エネルギを抑制することができる。また、電動モータやエンジン負圧等を用いる倍力装置を省略することが可能であるため、倍力装置の大型化を抑制することができる。
言い換えると、昨今、車両の燃費向上の要求から、倍力装置がエンジン負圧を利用しなかったり、利用するとしても低負圧を用いるブレーキ装置が求められている。一方、電動モータやアキュムレータを用いて液圧を発生する倍力装置を備えた場合、ブレーキシステムが大型化・複雑化し、また部品点数が増加してコスト的に不利となると共に、車両への搭載性が悪化するおそれがある。さらには、車両が大型化したり重量が増大したりするため、車両のエネルギ効率が悪化するおそれがある。このように、燃費向上が可能であり、かつ小型・安価なブレーキシステムが求められている。これに対し、本実施例のブレーキ装置は、倍力装置としてリンク機構3a,3bを用いたストローク量調整部3を備えることで、少なくとも常用域で必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、燃費向上が可能であり、かつブレーキシステムを小型化し、またコスト的に有利なものとすることができる。
なお、ブレーキ操作力の不足を補うエネルギ源として、液圧制御ユニットを利用することも考えられる。例えば、所定のブレーキ操作領域では、ストローク量調整部3に加え液圧制御ユニットを作動させて要求ブレーキ液圧を実現することも可能である。しかし、液圧制御ユニットの作動(ポンプアップ)が頻繁に行われると、消費エネルギを抑制するという上記効果が減殺されるおそれがある。また、ポンプの耐久性が低下するおそれがあると共に、ブレーキシステムの静粛性(音振性能)が低下するおそれがある。これに対し、本実施例では、通常ブレーキ時には、踏力ブレーキ(ストローク量調整部3)のみを用いており、液圧制御ユニットを利用しない。よって、上記のような問題を回避し、エネルギ効率を最大限向上する等の効果を得ることができる。また、ブレーキ装置は、倍力装置としてメカ的なストローク量調整部3を用いるため、電源系が失陥した場合でも、運転者のブレーキ操作力により最低限必要な車両の減速度を実現することが可能である。よって、フェールセーフ性にも優れる。
(ストローク量調整部の作用)
本実施例のブレーキ装置は、小型車や軽自動車(以下、小型車等という)に好適である。すなわち、小型車等では、ホイルシリンダの容量が小さく、マスタシリンダ(のピストン)が小径で済むため、運転者のブレーキ操作力を倍力する力(倍力比)もそれほど大きいものが必要とされない。また、小型車等はその質量が小さいため、同じ減速度Gを発生するために必要な制動力が小さくて済む。よって、小型車等にあっては、少なくとも常用域では、ストローク量調整部3のみによって、従来のブレーキ装置(比較例)と同様のペダル特性(S-F-G特性)を十分に実現可能であることを、本出願人は、解析の結果、見出した。なお、本実施例のブレーキ装置の適用対象は小型車等に限られない。具体的には、ストローク量調整部3は、ブレーキ装置の全作動領域で、ブレーキペダル2の踏込み量(ペダルストロークSP)よりもプッシュロッド4のx軸方向移動量(ロッドストロークSR)を少なくするように設定されている。これにより、ストローク比SP/SRすなわち倍力比が1より大きくなるため、てこの原理により、ブレーキペダル2の操作力(踏力FP)を増幅してプッシュロッド4へ伝えることとなる。すなわち、ペダルストロークSPの全域で、ロッド推力FRが踏力FPよりも大きくなるため、倍力機能を発揮し、踏力FPを増幅(倍力)してマスタシリンダのピストンへ伝え、高いブレーキ液圧Pを得ることができる。
より具体的には、ブレーキペダル2の支点(ペダル回転軸50)から作用点(ピン51,56)までの距離と、支点(ペダル回転軸50)から力点(ペダルパッド21)までの距離との比(ペダル比)に応じて、踏力FPが増幅される。さらに、ペダルストロークSPの全域で、プッシュロッド4の(初期状態からの)x軸方向移動量すなわちロッドストロークSRは、ブレーキペダル2の作用点(ピン51,56)の(初期状態からの)移動量よりも小さくなるように設定されている。よって、ペダルストロークSPの全域で、上記ペダル比に応じて増幅された踏力FP(ブレーキペダル2からピン51,56を介して第1リンク31、第2中間リンク34へ入力される力)よりもロッド推力FRが大きくなる。このため、ストローク量調整部3を備えない場合に比べ、ブレーキペダル2の操作力を増幅(倍力)してマスタシリンダのピストンへ伝えることで、より高いブレーキ液圧Pを得ることができる。
ここで、ペダルストロークSPと踏力FPと液圧P(減速度G)との間の関係を示すペダル特性について、種々の要求が存在する。ストローク量調整部3によりブレーキ装置のペダル特性を調整することにより、上記要求を満足させることができる。本実施例では、以下を基本的な思想(要求ないしそれへの対応)とする。
(ア)ブレーキ操作初期においては、ホイルシリンダへ多くのブレーキ液量Qを供給することで、ブレーキ操作に対する制動力(液圧P)の増大応答性を向上する。
(イ)頻度が高いブレーキ操作領域(常用域)では、エンジン負圧ブースタを有するブレーキ装置(比較例)のペダル特性(S-F-P特性)に近づけることで、ブレーキ操作フィーリング(ペダルフィーリング)の低下を抑制する。
(ウ)ブレーキ操作後期においては、ブレーキペダル2に作用する反力(ペダル反力)を適度に得つつ、制動力(液圧P)を増大可能とすることで、ペダルフィーリングの低下を抑制する。
(ア)について:
図10に示すように、0≦SP<SP2では、可変リンク機構3aの作動により、ブレーキペダル2のストローク初期ほど、ΔSR/ΔSPが大きい(プッシュロッド4がストロークしやすい)。このため、ブレーキ操作初期には、比較的小さいSPで多くのブレーキ液量Qをホイルシリンダへ供給することができる。よって、ブレーキ踏込み開始後の比較的早い時期に必要な液量Qをホイルシリンダへ供給することが可能であり、液圧剛性が低い(Qに対するPの上昇率が小さい)非線形領域を早期に脱することができる。したがって、ブレーキ操作に対する制動力(液圧P)の増大応答性を向上することができる。また、図13に示すように、可変リンク機構3aの作動により、ブレーキ操作初期のΔP/ΔFPを大きく設定することで、ブレーキ操作(FPの増加)に対する制動力(液圧P)の増大応答性を向上することができる。なお、ブレーキペダル2のストローク後期には、ΔSPに対するΔSRが小さいため、踏力FPの増幅率を大きくして制動力を確保しやすくすることができる。よって、失陥時にも、運転者のブレーキ操作力により最低限必要な車両の減速度を実現することが可能である。
(イ)について:
ブレーキ操作初期の比較的低Gのブレーキ操作領域は、比較的頻度が高い(例えば所定のブレーキ総回数のうち略80%の回数を占める)常用域である。この領域の特性として、例えばペダルストロークSPEで液圧PE以上かつ踏力FPE以下である特性とする要求があったとする。この場合、SPがSPEに達するまでに、必要な液量Qをマスタシリンダから供給できるように可変リンク機構3aのリンク特性(倍力特性)を調整することで、図12に示すように、SPEでPE以上を実現することができる。また、図13に示すようにPEでFPE以下となり、図14に示すようにSPEでFPE以下となるように、可変リンク機構3aのリンク特性を調整すればよい。また、エンジン負圧ブースタを作動させる比較例では、例えばF-S特性及びF-P特性に関し、ブレーキ踏込み直後、Fがゼロから所定値Fj未満の範囲ではSP及びPが発生しない一方、FPがFj以上になると、SP及びPが発生してそれぞれ一気に所定量まで増大する、という特性(ジャンプイン特性)がある。本実施例では、可変リンク機構3aのリンク特性を調整することで、図13,図14に示すように、比較例の特性(ジャンプイン特性)を模擬するペダル特性(S-F-P)を常用域で実現し、これによりペダルフィーリングを向上することができる。
(ウ)について:
可変リンク機構3aのみを設け、そのリンク特性を調整することで上記(ア)(イ)の要求を満たした場合、ペダルストロークSPの全域では好ましいペダル特性を発揮できないおそれがある。すなわち、ブレーキ装置の車両搭載性を良くしようとすると、可変リンク機構3aの構成や形状、配置が制限される。特に、ブレーキ装置を小型車等に搭載する場合、搭載可能なスペースが狭い(ブレーキペダル2やストローク量調整部3を設置するための運転者の足元のスペースが限られる)ため、上記制限が大きくなる。よって、可変リンク機構3aの構成(リンク特性)を、車両搭載時の制約条件下で上記(ア)(イ)の要求を満たすことができるものにしようとした場合、ブレーキ操作後期にペダルフィーリングが低下するおそれがある。例えば、ブレーキペダル2のストローク後期に、ΔSR/ΔSPが小さくなりすぎ、同じΔSPであっても少しの液量Qしか供給することができないため、ブレーキ操作に対する制動力(液圧P)の増大応答性が低下するおそれがある。言換えると、倍力比が非常に大きくなるため、図14の一点鎖線に示すように、踏力FPがあまり変化しないのにSPがどんどん大きくなる特性になる。また、図12の一点鎖線に示すように、SPを大きく増加させているのに液圧Pがなかなか増大しない特性になる。さらに、図13の一点鎖線に示すように、踏力FPがあまり変化しないのにPが大きくなる特性になる。すなわち、踏力FPが軽すぎて適度なペダル反力を得ることができない特性となるおそれがある。一方、ブレーキ操作後期に、適度なペダル反力を得つつ液圧Pを増大可能な特性となるように可変リンク機構3aを設定した場合には、上記(ア)(イ)の要求を満たすことができないおそれがある。また、可変リンク機構3aのみを設けた場合には、ブレーキ操作後期に、プッシュロッド4がブレーキペダル2の操作方向とは逆方向にストロークするリンク特性となる可能性も考えられる。この場合には、ブレーキペダル2の踏込み操作にも関わらず、プッシュロッド4の逆進により液圧Pが減少し(減速度Gが抜け)たり、ブレーキペダルの円滑な作動が阻害されたりしてしまう。
これに対し、本実施例では、可変リンク機構3aと固定リンク機構3bとを組み合わせることでストローク量調整部3を構成している。これにより、ストローク量調整部3が、可変レシオ特性を備えた第1の領域と、固定レシオ特性を備えた第2の領域とを有している。よって、ブレーキ操作の初期と後期における相反する要求(ア)〜(ウ)を共に実現することが可能である。また、仮に可変リンク機構3aがブレーキ操作後期にプッシュロッド4の逆進を許すリンク特性である場合にも、固定リンク機構3bに切り換えることでプッシュロッド4の逆進を回避することも可能である。このように、可変レシオと固定レシオとを組み合わせることにより、ブレーキ装置のペダル特性の調整を容易に行うことができる。
具体的には、図10に示すように、ブレーキペダル2のストローク後期(SP≧SP2)に、可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへ切り換えることで、ΔSR/ΔSPが小さくなりすぎることを抑制する。言換えると、ブレーキ操作の後期には、可変リンク機構3aのみの場合よりも、同じΔSPに対してΔSRが大きい。これにより、同じΔSPであっても、より多くの液量Qを供給(より大きい液圧Pを発生)することができるようになる。図12に示すように、第2の領域(SP≧SP2)におけるΔP/ΔSPは、第1の領域(0≦SP<SP2)におけるΔP/ΔSPよりも大きい。よって、ブレーキ操作の後期にも、ブレーキ操作(SPの増加)に対する制動力(液圧P)の増大応答性を向上することができる。言換えると、倍力比が大きくなりすぎることを抑制することができる。図14に示すように、第2の領域(SP≧SP2)におけるΔSP/ΔFPは、第1の領域(0≦SP<SP2)におけるΔSP/ΔFPよりも小さい。すなわち、第2の領域(SP≧SP2)では、SPが大きくなるためには、第1の領域(0≦SP<SP2)より大きなΔFPが必要となる。また、図12に示すように、第2の領域(SP≧SP2)におけるΔP/ΔSPは、第1の領域(0≦SP<SP2)におけるΔP/ΔSPよりも大きい。すなわち、第2の領域(SP≧SP2)では、Pが大きくなるために必要なΔSPが、第1の領域(0≦SP<SP2)より小さくなる。さらに、図13に示すように、第2の領域(SP≧SP2)におけるΔP/ΔFPは、第1の領域(0≦SP<SP2)におけるΔP/ΔFPよりも小さい。すなわち、第2の領域(SP≧SP2)では、Pが大きくなるためには、第1の領域(0≦SP<SP2)より大きなΔFPが必要となる。これらを言換えると、ブレーキ操作の後期には、Pの増大に必要なΔSPが過大となることを抑制しつつ、ΔFPに対してΔSPやΔPが過大となることを抑制する。よって、ブレーキ操作の後期に、ブレーキ操作(SPの増加)に対して制動力(液圧P)を増大させつつ、踏力FPが軽すぎるようになることを抑制し、適度なペダル反力を得て、以てペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。特に、ブレーキ操作後期の高G領域では、人間は踏力FPで減速度G(液圧制動力)を制御する傾向があることから、各特性のうちでもF-P特性を比較例に近づけるようにリンク特性を調整することで、ペダルフィーリングを向上することができる。
以上のように、車両の諸元や踏力ブレーキの目標特性に基づき、ストローク量調整部3のレシオ特性を調整することにより、要求されるペダル特性を満足させることができる。ストローク量調整部3のみを設計変更するだけで、搭載される車種に応じたペダル特性を実現することができるため、ブレーキ装置の搭載性を向上することができる。なお、ストローク初期(0≦SP<SP2)には固定リンク機構3bを作動させ(固定レシオ特性を備え)、ストローク後期(SP≧SP2)には固定リンク機構3bから可変リンク機構3aへ切り換えて可変リンク機構3aを作動させる(可変レシオ特性を備える)ようにしてもよい。この場合も、ブレーキ装置のペダル特性を調整して、ブレーキ操作の初期と後期における相反する要求を共に実現することが可能である。本実施例では、ストローク初期(0≦SP<SP2)には、固定リンク機構3bではなく可変リンク機構3aを作動させるようにしたことで、上記(ア)〜(ウ)の要求を共に満たす特性を実現することがより容易である。具体的には、ブレーキ操作の初期には(第1の領域では)、可変リンク機構3aが作動するようにしたことで、上記のように(ア)(イ)の要求を満たすことができる。ブレーキ操作の後期には(第2の領域では)、固定リンク機構3bが作動するようにしたことで、上記のように(ウ)の要求を満たすことができる。
また、可変リンク機構3a以外の手段(例えば弾性部材等)により可変レシオ特性を実現することとしてもよい。この場合も、ブレーキ装置のペダル特性を調整して、ブレーキ操作の初期と後期における相反する要求を共に実現することが可能である。本実施例では、可変リンク機構3aを用いて可変レシオ特性を実現するようにしたことで、ペダル特性の調整をより容易に達成することができる。すなわち、リンク機構を用いることで、ペダル特性を調整可能なストローク量調整部3をより容易に構成し、また、ブレーキ装置の構成を簡素化することができる。また、可変リンク機構3aに連続して作動する固定リンク機構3bを設けたことで、ストローク量調整部3の構成を簡素化しつつ、可変レシオ特性と固定レシオ特性の切り換えを簡便かつ容易に達成することができる。
なお、ブレーキペダル2やストローク量調整部3の具体的な構成は本実施例のものに限られない。例えば、本実施例では、リンク機構3a,3bが、第1,第2リンク31,32と第1,第2中間リンク33,34とを備えた例を示したが、具体的な構成はこれに限られるものではない。本実施例では、プッシュロッド4に接続される第2リンク32に第1,第2スライド部を設け、この第1スライド部に(可変リンク機構3aを構成する)第1中間リンク33をスライド可能に係合させ、第2スライド部に(固定リンク機構3bを構成する)第2中間リンク34をスライド可能に係合させた。よって、可変レシオ特性と固定レシオ特性とを切り換え可能なリンク機構3a,3bを、少ない部品点数かつ簡素な構成により実現できる。具体的には、ブレーキペダル2の操作開始時は、第1中間リンク33の他端は第1スライド部に係合し、第2中間リンク34の他端は第2スライド部に遊びを持って係合している。よって、ブレーキペダル2の操作開始後のブレーキ操作初期には、第1中間リンク33の他端と第1スライド部との係合により可変リンク機構3aを作動させると共に、第2中間リンク34の他端と第2スライド部との非係合により固定リンク機構3bを非作動状態とすることができる。また、ブレーキ操作後期には、第1中間リンク33の他端と第1スライド部とを遊びを持って係合させる(非係合とする)ことにより可変リンク機構3aを非作動状態とすると共に、第2中間リンク34の他端と第2スライド部とを係合させることにより固定リンク機構3bを作動させることができる。
より具体的には、第1,第2スライド部は、第2リンク32の長手方向に沿って形成された長孔321,322である。よって、上記係合・非係合を達成するスライド部を簡素な構成によって実現することができる。なお、どちらか一方のスライド部が長孔以外の構成であってもよい。この場合も、第1スライド部及び第2スライド部の少なくとも一方が上記長孔であれば、そのスライド部に係る構成を簡素化できる。また、第1,第2中間リンク33,34は、上記長孔321,322に係合する係合ピン54,57を備えている。よって、上記遊びを持った係合と、上記遊びを持たない係合とを、簡素な構成により実現することができる。なお、中間リンク33,34の他端と長孔321,322との係合を、係合ピン54,57以外の手段により実現してもよい。この場合も、第1中間リンク33及び第2中間リンク34の少なくとも一方の他端が係合ピンを備えていれば、その中間リンク33等に係る係合手段の構成を簡素化できる。また、本実施例では、第2リンク32を第1リンク部32aと第2リンク部32bとに分割し、それぞれに第1,第2スライド部(長孔321,322)を分けて設けた。よって、第1リンク部32aと第2リンク部32bを並列に配置することで、各スライド部(長孔321,322)が左右方向から見て重なるように設けることができる。よって、第2リンク32に各スライド部(長孔321,322)を設ける際、第2リンク32の軸方向(x軸方向)における寸法が増大する事態を抑制することができる。したがって、ストローク量調整部3のx軸方向寸法の増大を抑制し、これによりブレーキ装置を小型化して、車両への搭載性を向上することができる。
また、第2リンク32の各長孔321,322の両端部には、緩衝部材としてのゴム被膜323,324が設けられている。よって、係合部材である係合ピン54,57と長孔321,322との係合(当接)に伴う衝撃を、被膜323,324により吸収・緩和することができる。これにより、係合ピン54,57が長孔321,322に対してスライドした後、長孔321,322の端部に当接する際の音の発生を抑制できる。特に、第2リンク32(長孔321,322の内周面)や係合ピン54,57を金属材料で形成した場合には、これらの直接的な接触を回避することで、上記音の発生を効果的に抑制することができる。また、係合ピン54,57が長孔321,322に対してスライドした後、長孔321,322の端部に当接する際、被膜323,324が弾性変形することで、微小なガタや軸ズレを吸収することができる。よって、リンク機構3a,3bからなるストローク量調整部3の作動を円滑化することができる。なお、ゴム被膜に限らず、ばね等により、上記機能を発揮する緩衝部材を構成してもよく、その材質や形状等は特に限定されない。また、長孔321,322の両端部のうち一端(例えばx軸正方向側)のみに緩衝部材を設けることとしてもよい。第1長孔321のx軸正方向端に被膜323を設けることで、固定リンク機構3bから可変リンク機構3aへの切換えの際に上記効果を得ることができる。また、第2長孔322のx軸正方向端に被膜324を設けることで、可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへの切換えの際に上記効果を得ることができる。本実施例では長孔321,322の両端部に緩衝部材を設けたため、急激なブレーキ操作時(ブレーキペダル2の急戻し時等)にも音の発生抑制等の効果を得ることができる。なお、どちらか一方の長孔321,322における緩衝部材を省略してもよい。また、緩衝部材は、長孔321,322と係合ピン54,57のどちらに設けられていてもよい。
(弾性部材の作用)
次に、ロッド部331と弾性部材6とが当接することにより実現される特性と作用効果について説明する。SPがSP1以上SP3未満になると、ロッド部331が弾性部材6に当接した状態となる。SPがSP1以上SP2未満では、ロッド部331が弾性部材6を圧縮変形させると共に、ロッド部331が弾性部材6から反力を受ける(図7の矢印参照。なお、上記反力をロッド部331の軸直方向に分解した成分も併せて矢印で示す。)。このとき、弾性部材6の圧縮変形の分だけ、ロッド部331(第1中間リンク33)から第1リンク31を介してブレーキペダル2に反力が作用する。よって、ペダル反力が増加し、ペダルストロークSPを増加させるための踏力FPが追加的に必要となる。言換えると、見かけに対して実効的な(SPの増加に実際に用いられる)踏力FPが減少(減衰)する。このように、弾性部材6はダンパを構成している。図14の破線に示すように、SPがSP1以上SP2未満では、SPの増加に必要なΔFPが、ロッド部331及び弾性部材6(以下、これらをまとめて単に弾性部材6という。)を設けない場合(実線)に比べて増加する。そして、同じSPに対して、実線(FPv1〜FPv2)よりも破線(FPv1〜FPv2')のほうが大きくなる。また、図12に示すように、SP1〜SP2はP1〜P2に対応する。よって、図13の破線に示すように、PがP1以上P2未満では、Pの増加に必要なΔFPが、弾性部材6を設けない場合(実線)に比べて増加する。そして、同じPに対して、実線(FPv1〜FPv2)よりも破線(FPv1〜FPv2')のほうが大きくなる。また、SPがSP1以上SP2未満では、上記のようにSPの増加に必要なΔFPが増加するため、図11の破線に示すように、同じSPに対して、見かけ上の比率FR/FPが、弾性部材6を設けない場合(実線)に比べて減少する。但し、SP1以上SP2未満で、可変リンク機構3aによるFR/FP(可変レバー比)は、固定リンク機構3bによるFR/FP(固定レバー比)よりも著しく大きい。そして、弾性部材6を設けたことによるFR/FPの減少分は、固定リンク機構3bによるFR/FPに対する可変リンク機構3aによるFR/FPの増加分よりも小さい。よって、SP1以上SP2未満で、弾性部材6を設けた場合のストローク量調整部3によるFR/FP(破線)は、固定リンク機構3bのみによるFR/FP(二点鎖線)よりも大きくなる。言換えると、弾性部材6を設けた場合でも、必要な踏力FPは、固定リンク機構3bのみの場合よりも低減される。具体的には、SPの増大に対し、可変リンク機構3aによる踏力FPの減少量が弾性部材6の圧縮変形による踏力FPの増加量に比べて小さい間(SP1〜SP11)はFR/FPが低下し、大きい間(SP11〜SP2)はFR/FPが上昇する。
SPがSP2以上SP3未満では、第2中間リンク34が、圧縮変形した弾性部材6から反力を受けるようになる。弾性部材6の圧縮変形の分だけ、ロッド部331(第1中間リンク33)から第2中間リンク34(リテーナ部341)を介してプッシュロッド4に反力が作用する。よって、ロッドストロークSR(ペダルストロークSP)を増加させるための踏力FPがその分だけ不要となる。言換えると、ペダル反力が減少し、見かけに対して実効的な(SPの増加に実際に用いられる)踏力FPが増加する。図14の破線に示すように、SPがSP2以上SP3未満では、SPの増加に必要な踏力FPが、弾性部材6を設けない場合(実線)に比べて減少する。具体的には、同じSPに対して、実線(FPc2〜)よりも、破線(FPc2'〜FPc3')のほうが小さくなる。可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへ切り換わった後、弾性部材6を設けない場合には(実線の特性では)、ブレーキペダル2は、FPc2が加わるまでストロークしないのに対し、弾性部材6を設けた場合には(破線の特性では)、ブレーキペダル2は、FPc2より小さいFPc2'以上の踏力FPが加わるとストロークし始める。また、図12に示すように、SP2〜SP3はP2〜P3に対応する。よって、図13の破線に示すように、PがP2以上P3未満では、Pの増加に必要な踏力FPが、弾性部材6を設けない場合(実線)に比べて減少する。具体的には、同じPに対して、実線(FPc2〜)よりも破線(FPc2'〜FPc3')のほうが小さくなる。可変リンク機構3aから固定リンク機構3bへ切り換わった後、弾性部材6を設けない場合には(実線の特性では)、液圧Pは、(ブレーキペダル2がストロークし始めるのに必要な)FPc2が加わるまで上昇しないのに対し、弾性部材6を設けた場合には(破線の特性では)、液圧Pは、FPc2より小さい(ブレーキペダル2がストロークし始めるのに必要な)FPc2'以上の踏力FPが加わると上昇し始める。また、SPがSP2以上SP3未満では、図11の破線に示すように、弾性部材6の圧縮変形の分だけ、SPの増加に必要な踏力FPが減少するため、見かけ上のFR/FPが、弾性部材6を設けない場合(実線)に比べて増加する。弾性部材6を設けない場合(実線の特性では)、FR/FPは、SP2の前後で、可変リンク機構3aによる値(弾性部材6により低減されない大きな値)から固定リンク機構3bによる値まで一気に低下する。これに対し、弾性部材6を設けた場合には(破線の特性では)、FR/FPは、SP2の前後で、可変リンク機構3aによる値(弾性部材6により低減された比較的小さな値)から徐々に固定リンク機構3bによる値に近づくように低下する。
なお、SPがSP3以上では、ロッド部331が弾性部材6に当接せず、プッシュロッド4は弾性部材6から反力を受けないため、各特性は、固定リンク機構3bの特性に完全に従うようになる。
以上のように、SP2の前後(SP1〜SP3)で、可変リンク機構3a側の第1中間リンク33と固定リンク機構3b側の第2中間リンク34とが、弾性部材6を介して接触するようにした。よって、ブレーキペダル2及びプッシュロッド4に弾性部材6の反力が伝わる分だけ、リンク機構3a,3bの切換えの際に、踏力FPの急変動が抑制される。このように弾性部材6がダンパ効果を発生することで、FPやFR/FPに関する各特性における各パラメータの変動がより滑らかになる。よって、例えば、各特性をより容易に比較例に近づけることができる。したがって、可変レシオ(可変リンク機構3a)と固定レシオ(固定リンク機構3b)とを組み合わせることによりブレーキ装置のペダル特性を調整する場合において、ペダルフィーリングをより向上することができる。言換えると、弾性部材6は、ストローク量調整部3のリンク特性に合わせて(これを補完するように)踏力FPを調整する、ブレーキ操作力調整部を構成している。この弾性部材6の特性を適宜変更することで、FPやFR/FPに関する各特性を任意に設定可能である。なお、弾性部材6は、可変リンク機構3a側(第1中間リンク33)と固定リンク機構3b側(第2中間リンク34)のどちらに取付けられていてもよい。また、弾性部材6が取付けられる部材(又は、弾性部材6が当接・離間する相手側となる部材)は、第1,第2中間リンク33,34に限らない。また、弾性部材6は、ゴム製の円柱状部材に限らず、コイルスプリング等であってもよいし、圧縮ばねに限らず引張りばねであってもよいし、その形状も任意である。弾性部材6の数は1つに限られず、複数を並列又は直列に設けてもよい。なお、弾性部材6やロッド部331やリテーナ部341の具体的な構成及び配置等は特に限定されない。
[効果]
以下、実施例1のブレーキ装置が奏する効果を列挙する。
(1)ペダルストロークSP(運転者のブレーキペダル2の操作量)に対するロッドストロークSR(マスタシリンダのピストンのストローク量)を調整するストローク量調整部3を備えたブレーキ装置であって、ストローク量調整部3は、運転者のブレーキペダル操作開始から所定の操作量SP2未満の間はΔSR/ΔSP(ブレーキペダル2の操作量の変化量に対するマスタシリンダのピストンのストローク量の変化量)が可変レシオ特性を有する第1の領域と、ブレーキペダル2の操作量が所定の操作量SP2以上ではΔSR/ΔSPが固定レシオ特性を有する第2の領域とを備えた。
よって、ストローク量調整部3を備えたことで、エネルギ効率を向上することができる。また、可変レシオ特性と固定レシオ特性とを組み合わせたことで、ペダル特性の調整を容易に行うことができる。
(2)ストローク量調整部3は、第1の領域で作動する可変リンク機構3aと、第2の領域で可変リンク機構3aの作動に連続して作動する固定リンク機構3bとを備えた。
よって、ペダル特性の調整をリンク機構によって容易に達成することができる。
(3)ストローク量調整部3はリンク機構3a,3bを備え、ブレーキペダル2はブラケット1に対して回動可能に軸支され、リンク機構3a,3bは、一端がブレーキペダル2に回動可能に接続された第1リンク31と、一端がマスタシリンダのプッシュロッド4に接続され、他端側に軸方向に沿って形成された第1長孔321(第1スライド部)と、第1長孔321と一端側との間に軸方向に沿って形成された第2長孔322(第2スライド部)とを備えた第2リンク32と、一端が第1リンク31の他端に回動可能に接続され、他端が第2リンク32の第1長孔321に係合し、両端部の間がブラケット1に回動可能に軸支された第1中間リンク33と、一端がブレーキペダル2に回動可能に接続され、他端が第2リンク32の第2長孔322に係合する第2中間リンク34とを備えた。
よって、リンク機構3a,3bを簡素な構成により実現することができる。
(4)ブレーキペダル2の操作開始時は、第1中間リンク33の他端は第1長孔321(第1スライド部)に係合し、第2中間リンク34の他端は第2長孔322(第2スライド部)に遊びを持って係合している。
よって、ブレーキ操作初期に、可変リンク機構3aを作動させると共に固定リンク機構3bを非作動状態とすることができる。
(5)第1スライド部及び第2スライド部の少なくとも一方は、第2リンク32の長手方向に沿って形成された長孔321,322である。
よって、スライド部を簡素な構成によって実現することができる。
(6)第1中間リンク33は長孔321に係合する第1係合ピン54を備えた。
よって、上記遊びを持った係合と、上記遊びを持たない係合とを、簡素な構成により実現することができる。
(7)第2中間リンク34は長孔322に係合する第2係合ピン57を備えた。
よって、上記遊びを持った係合と、上記遊びを持たない係合とを、簡素な構成により実現することができる。
(8)ペダルストロークSP(運転者のブレーキペダル2の操作量)に対するロッドストロークSR(マスタシリンダのピストンのストローク量)を調整するストローク量調整部3を備えたブレーキ装置であって、ストローク量調整部3は、運転者のブレーキペダル操作開始から所定の踏力FPv2未満の間の踏力FPに対するホイルシリンダ液圧Pの増加勾配ΔP/ΔFPが、FPv2以上のときの増加勾配ΔP/ΔFPよりも大きい。
よって、ストローク量調整部3を備えたことで、エネルギ効率を向上することができる。また、ブレーキ操作の全域で好ましいペダル特性を発揮することが可能である。例えば、ブレーキ操作の後期にも、適度なペダル反力を得つつ、ブレーキ操作(SPの増加)に対して制動力(液圧P)を増大させることができる。
(9)ホイルシリンダ液圧Pは、所定の踏力FPv2未満の間はΔP/ΔFP(踏力FPの変化量に対するホイルシリンダ液圧Pの変化量)が可変レシオ特性を備え、所定の踏力FPv2以上では固定レシオ特性を備える。
よって、可変レシオ特性と固定レシオ特性とを組み合わせたことで、ペダル特性の調整を容易に行うことができる。
(10)ストローク量調整部3は、所定の踏力FPv2未満の間にブレーキペダル2の操作に応じて作動する可変リンク機構3aと、FPv2以上で可変リンク機構3aの作動に連続して作動する固定リンク機構3bとを備えた。
よって、ペダル特性の調整をリンク機構によって容易に達成することができる。
(11)ペダルストロークSP(運転者のブレーキペダル2の操作量)に対するロッドストロークSR(マスタシリンダのピストンのストローク量)を調整するストローク量調整部3を備えたブレーキ装置であって、ストローク量調整部3は、運転者のブレーキペダル操作開始から所定の操作量SP2未満の間の操作量SPに対するホイルシリンダ液圧Pの増加勾配ΔP/ΔSPが、SP2以上のときの増加勾配ΔP/ΔSPよりも小さい。
よって、ストローク量調整部3を備えたことで、エネルギ効率を向上することができる。また、ブレーキ操作の全域で好ましいペダル特性を発揮することが可能である。例えば、ブレーキ操作の後期にも、適度なペダル反力を得つつ、ブレーキ操作(SPの増加)に対して制動力(液圧P)を増大させることができる。
(12)ホイルシリンダ液圧Pは、所定の操作量SP2未満の間はΔP/ΔSP(操作量SPの変化量に対するホイルシリンダ液圧Pの変化量)が可変レシオ特性を備え、SP2以上では固定レシオ特性を備える。
よって、可変レシオ特性と固定レシオ特性とを組み合わせたことで、ペダル特性の調整を容易に行うことができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成はこれらの実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
以下に、実施例から把握される、特許請求の範囲に記載した以外の発明を列挙する。
(13)請求項6に記載のブレーキ装置において、
前記長孔の端部の少なくとも一端に前記第1係合ピンに当接する第1緩衝部材を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
(14)請求項7に記載のブレーキ装置において、
前記長孔の端部の少なくとも一端に前記第2係合ピンに当接する第2緩衝部材を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
(15)請求項3に記載のブレーキ装置において、
前記第1中間リンクと前記第2中間リンクとが、前記所定の操作量の前後で、弾性部材を介して接触することを特徴とするブレーキ装置。
(16)請求項8に記載のブレーキ装置において、
前記ストローク量調整部はリンク機構を備え、
前記リンク機構は、
一端が前記ブレーキペダルに回動可能に接続された第1リンクと、
一端が前記マスタシリンダのプッシュロッドに接続され、他端側に軸方向に沿って形成された第1スライド部と、前記第1スライド部と一端側との間に軸方向に沿って形成された第2スライド部とを備えた第2リンクと、
一端が前記第1リンクの他端に回動可能に接続され、他端が前記第2リンクの前記第1スライド部に係合し、両端部の間がブラケットに回動可能に軸支された第1中間リンクと、
一端が前記ブレーキペダルに回動可能に接続され、他端が前記第2リンクの前記第2スライド部に係合する第2中間リンクとからなる
ことを特徴とするブレーキ装置。
(17)上記(16)に記載のブレーキ装置において、
前記ブレーキペダルの操作開始時は、前記第1中間リンクの他端は前記第1スライド部に係合し、前記第2中間リンクの他端は前記第2スライド部に遊びを持って係合していることを特徴とするブレーキ装置。
(18)上記(17)に記載のブレーキ装置において、
前記第1スライド部及び前記第2スライド部は、それぞれ前記第2リンクの長手方向に沿って形成された長孔であることを特徴とするブレーキ装置。
(19)上記(16)に記載のブレーキ装置において、
前記第1中間リンクと前記第2中間リンクとが、前記所定の操作量の前後で、弾性部材を介して接触することを特徴とするブレーキ装置。
(20)請求項11に記載のブレーキ装置において、
前記ストローク量調整部はリンク機構を備え、
前記リンク機構は、
一端が前記ブレーキペダルに回動可能に接続された第1リンクと、
一端が前記マスタシリンダのプッシュロッドに接続され、他端側に軸方向に沿って形成された第1長孔と、前記第1長孔と一端側との間に軸方向に沿って形成された第2長孔とを備えた第2リンクと、
一端が前記第1リンクの他端に回動可能に接続され、他端が前記第2リンクの前記第1長孔に係合し、両端部の間がブラケットに回動可能に軸支された第1中間リンクと、
一端が前記ブレーキペダルに回動可能に接続され、他端が前記第2リンクの前記第2長孔に係合する第2中間リンクとからなり、
前記ブレーキペダルの操作開始時は、前記第1中間リンクの他端は前記第1長孔に係合し、前記第2中間リンクの他端は前記第2長孔に遊びを持って係合している
ことを特徴とするブレーキ装置。
1 ブラケット
2 ブレーキペダル
3 ストローク量調整部
3a 可変リンク機構
3b 固定リンク機構
31 第1リンク
32 第2リンク
321 第1長孔(第1スライド部)
322 第2長孔(第2スライド部)
33 第1中間リンク
34 第2中間リンク
4 プッシュロッド

Claims (12)

  1. 運転者のブレーキペダルの操作量に対するマスタシリンダのピストンのストローク量を調整するストローク量調整部を備えたブレーキ装置であって、
    前記ストローク量調整部は、運転者の前記ブレーキペダル操作開始から所定の操作量未満の間は前記ブレーキペダルの操作量の変化量に対する前記マスタシリンダのピストンのストローク量の変化量が可変レシオ特性を有する第1の領域と、
    前記ブレーキペダルの操作量が前記所定の操作量以上では前記ブレーキペダルの操作量の変化量に対する前記マスタシリンダのピストンのストローク量の変化量が固定レシオ特性を有する第2の領域とを備えた
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ装置において、
    前記ストローク量調整部は、前記第1の領域で作動する可変リンク機構と、前記第2の領域で前記可変リンク機構の作動に連続して作動する固定リンク機構とを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
  3. 請求項1に記載のブレーキ装置において、
    前記ストローク量調整部はリンク機構を備え、
    前記ブレーキペダルはブラケットに対して回動可能に軸支され、
    前記リンク機構は、
    一端が前記ブレーキペダルに回動可能に接続された第1リンクと、
    一端が前記マスタシリンダのプッシュロッドに接続され、他端側に軸方向に沿って形成された第1スライド部と、前記第1スライド部と一端側との間に軸方向に沿って形成された第2スライド部とを備えた第2リンクと、
    一端が前記第1リンクの他端に回動可能に接続され、他端が前記第2リンクの前記第1スライド部に係合し、両端部の間がブラケットに回動可能に軸支された第1中間リンクと、
    一端が前記ブレーキペダルに回動可能に接続され、他端が前記第2リンクの前記第2スライド部に係合する第2中間リンクとを備えた
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  4. 請求項3に記載のブレーキ装置において、
    前記ブレーキペダルの操作開始時は、前記第1中間リンクの他端は前記第1スライド部に係合し、前記第2中間リンクの他端は前記第2スライド部に遊びを持って係合していることを特徴とするブレーキ装置。
  5. 請求項3に記載のブレーキ装置において、
    前記第1スライド部及び前記第2スライド部の少なくとも一方は、前記第2リンクの長手方向に沿って形成された長孔であることを特徴とするブレーキ装置。
  6. 請求項5に記載のブレーキ装置において、
    前記第1中間リンクは前記長孔に係合する第1係合ピンを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
  7. 請求項5に記載のブレーキ装置において、
    前記第2中間リンクは前記長孔に係合する第2係合ピンを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
  8. 運転者のブレーキペダルの操作量に対するマスタシリンダのピストンのストローク量を調整するストローク量調整部を備えたブレーキ装置であって、
    前記ストローク量調整部は、運転者の前記ブレーキペダル操作開始から所定の踏力未満の間の踏力に対するホイルシリンダ液圧の増加勾配が、前記所定の踏力以上の踏力に対するホイルシリンダ液圧の増加勾配よりも大きい
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  9. 請求項8に記載のブレーキ装置において、
    前記ホイルシリンダ液圧は、前記所定の踏力未満の間は前記踏力の変化量に対する前記ホイルシリンダ液圧の変化量が可変レシオ特性を備え、前記所定の踏力以上では固定レシオ特性を備えることを特徴とするブレーキ装置。
  10. 請求項8に記載のブレーキ装置において、
    前記ストローク量調整部は、前記所定の踏力未満の間に前記ブレーキペダルの操作に応じて作動する可変リンク機構と、前記所定の踏力以上で前記可変リンク機構の作動に連続して作動する固定リンク機構とを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
  11. 運転者のブレーキペダルの操作量に対するマスタシリンダのピストンのストローク量を調整するストローク量調整部を備えたブレーキ装置であって、
    前記ストローク量調整部は、運転者の前記ブレーキペダル操作開始から所定の操作量未満の間の操作量に対するホイルシリンダ液圧の増加勾配が、前記所定の操作量以上の操作量に対するホイルシリンダ液圧の増加勾配よりも小さい
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  12. 請求項11に記載のブレーキ装置において、
    前記ホイルシリンダ液圧は、前記所定の操作量未満の間は前記操作量の変化量に対する前記ホイルシリンダ液圧の変化量が可変レシオ特性を備え、前記所定の操作量以上では固定レシオ特性を備えることを特徴とするブレーキ装置。
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