JP6150112B2 - ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されるブレーキ装置に関する。
従来、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いて、ブレーキ操作力を低減するための補助力を発生する倍力装置を備えたブレーキ装置が知られている。例えば特許文献1に記載のブレーキ装置が備える倍力装置は、電動モータが発生させる力または気体圧によって発生する力によって加圧ピストンを前進させることで、作動液を加圧する。
特開2012−192850号公報
しかし、従来の技術では、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いて補助力を発生する構成であるため、消費エネルギが増大するおそれがある。本発明の目的とするところは、消費エネルギを抑制することができるブレーキ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態に係るブレーキ装置は、好ましくは、ブレーキ操作部材の操作力を増幅して出力部材へ伝え、ブレーキ操作部材の操作量が大きくなるにつれて、出力部材の作動量に対するブレーキ操作部材の操作量の比率大きくなるように設定されているリンク式倍力装置を備えた。
よって、消費エネルギを抑制することができる。
実施例1のブレーキ装置のブレーキペダル側ユニットの全体斜視図である。 図1のブラケットの第2部材を取り外した状態の全体斜視図である。 図2の側面図である。 実施例1の初期状態におけるブレーキペダルとリンク式倍力装置とロッドを側面から見た模式図である。 実施例1のストローク規制部を車両上下方向からみた部分断面図である。 実施例1の液圧制御ユニットの全体斜視図である。 実施例1のリンク式倍力装置の作動を示す模式図である。 実施例1のリンク式倍力装置の作動を示す模式図である。 実施例1のリンク式倍力装置の作動を示す模式図である。 実施例1のストローク規制部の作動を示す模式図である。 実施例1のストローク規制部の作動を示す模式図である。 実施例1のストローク規制部の作動を示す模式図である。 実施例1のストローク規制部の作動を示す模式図である。 ストローク規制部を備えない比較例のリンク式倍力装置の作動を示す模式図である。 ストローク規制部を備えない比較例のリンク式倍力装置の作動を示す模式図である。 実施例1のペダルストロークSPに対するロッドストロークSRの変化の特性を示す。 実施例1のペダルストロークSPに対する比率SP/SR及び比率FR/FPの変化の特性を示す。 実施例1のブレーキ液量Qと液圧Pとの関係の特性を示す 実施例1の踏力FPとペダルストロークSPとの関係の特性を示す。 実施例1の踏力FPと車両減速度Gとの関係の特性を示す。 実施例1の踏力FPとペダルストロークSPとの関係の特性を示す。 実施例1の踏力FPと液圧Pとの関係の特性を示す。 実施例1のペダルストロークSPと液圧Pとの関係の特性を示す。
以下、本発明のブレーキ装置を実現する形態を、図面に基づき説明する。
[実施例1]
実施例1のブレーキ装置(以下、装置1という。)は、車両のブレーキシステムに適用され、車両の各車輪にブレーキ液圧を付与して制動力を発生させる液圧式ブレーキ装置である。上記車両は、例えば、車輪を駆動する原動機としてエンジンのほか電動式のモータ(ジェネレータ)を備えたハイブリッド車や、電動式のモータ(ジェネレータ)のみを備えた電気自動車等の電動車両である。なお、エンジンのみを駆動源とする非電動車両であってもよい。装置1は、ブレーキペダル側のユニットと液圧制御ユニット6とを備えている。図1は、ブレーキペダル側のユニットの全体斜視図である。このユニットは、ブレーキペダル2と、リンク式倍力装置3と、プッシュロッド4と、マスタシリンダ5とを備えている。以下、説明のため、マスタシリンダ5の軸方向にx軸を設け、ブレーキペダル2に対してマスタシリンダ5が設置されている側(ブレーキペダル2の踏込みに応じてマスタシリンダ5のピストンがストロークする方向)を正とする。
ブレーキペダル2は、運転者のブレーキ操作の入力を受けるブレーキ操作部材であり、x軸正方向側に凸に湾曲しつつ車両の上下方向に延びるペダルアーム20と、ペダルアーム20の下端に設けられたペダルパッド21とを有している。ブレーキペダル2は、車体側に固定設置されたブラケット7に対し揺動自在に支持されている。ブラケット7は、有底皿状の取付壁部材70にその一部が収容されつつ、取付壁部材70の底部のx軸負方向側にボルトで締結固定される。取付壁部材70は、エンジンルーム(ないしパワーユニットが設置されるモータルーム。以下、単にエンジンルームという)と車室とを仕切る車体側の隔壁部材であるダッシュパネルの下部に、ブラケット7の取付け側が車室内に面するように固定され、ダッシュパネルの一部を構成する。これにより、ブラケット7が車室側(x軸負方向側)に突出するように固定される。ブラケット7は、第1部材7aと第2部材7bを組み合わせることで、x軸方向側から見て下側が開口するコの字状に形成されている。車両の左右方向(以下、単に左右方向という。)で対向する第1部材7aと第2部材7bとの間には、ペダル回転軸91が左右方向に延びるように設置されている。ペダル回転軸91はブラケット7に対して固定されている。
ブレーキペダル2は、所謂吊下げ型であり、ペダルアーム20の上端部はペダル回転軸91に対し回転可能に連結されている。これにより、ブレーキペダル2がペダル回転軸91を中心として回転自在にブラケット7に支持されている。ブレーキペダル2の下端部のペダルパッド21が運転者により踏み込まれて操作力(ペダル踏力ないし踏力)を受けると、ブレーキペダル2がペダル回転軸91を中心として車両の前方(x軸正方向)に回動する。ペダル回転軸91には、その外周を取り囲むように、筒状の回転部材91aが、ペダル回転軸91に対して回転可能に設置されている。ブレーキペダル2の上端部は、回転部材91aに固定されることで、ペダル回転軸91に対して回転可能に設けられている。同じ回転部材91aには、ブレーキペダル2の上端部に対し左右方向で隣接して、板状のアーム部材22の上端側が固定されている。ブレーキペダル2とアーム部材22は、ペダル回転軸91を中心として互いに同じ回転位相(回転角)で回転する。この意味で、ブレーキペダル2とアーム部材22とは一体の部材とみなすことができる。
図2は、ブラケット7の第2部材7bを取り外した状態のブレーキペダル側のユニットの全体斜視図であり、図3は、上記状態の上記ユニットの側面図である。リンク式倍力装置3は、ブレーキペダル2とプッシュロッド4との間を接続し、運転者によるブレーキペダル2の操作力を増幅してプッシュロッド4へ伝達するリンク式の倍力装置である。装置1は、リンク式倍力装置3により、運転者のブレーキ操作力では不足する液圧制動力を発生してブレーキ操作を補助する倍力機能を発揮する。すなわち、装置1は、車両のエンジンが発生する吸気圧(負圧)や電動モータ等の、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いてブレーキペダルの操作力を倍力ないし増幅するブースタを備えていない。その代わりにブレーキペダル2の操作に応じてリンク式倍力装置3を作動させることで、ブレーキ操作力を補助可能に設けられている。
リンク式倍力装置3は、ブレーキペダル2の回転方向移動量(ペダルストロークSP)に対するプッシュロッド4の軸方向移動量(ロッドストロークSR)の変化割合を可変にするリンク機構である。リンク式倍力装置3は、板状のリンクを複数有しており、側面視で(左右方向から見て)棒状の第1リンク31と、側面視で三角状の第2リンク32を備えている。第1リンク31は、一端側(x軸負方向側)がブレーキペダル2に対し回動可能に接続され、他端側(x軸正方向側)が第2リンク32に対し回動可能に接続されている。具体的には、第1リンク31の一端側(x軸負方向側)は、左右方向に延びる軸部材としてのピン92を介して、アーム部材22の下端側に回転可能に連結されている。第1リンク31の他端側(x軸負方向側)は、左右方向に延びるピン93を介して、第2リンク32の一端側(x軸負方向側)に回転可能に連結されている。
第2リンク32は、ブラケット7に対し揺動自在に接続されるとともに、一端側(x軸負方向側)が第1リンク31の他端側(x軸正方向側)に対し回動可能に接続され、他端側(x軸正方向側)がプッシュロッド4に対し回動可能に接続されている。具体的には、ブラケット7(第1部材7aと第2部材7bの間)には、ペダル回転軸91よりもx軸正方向側であって下側に、第2リンク回転軸94が左右方向に延びるように設置されている。第2リンク32の上端側(第1の角部)は、第2リンク回転軸94に回転可能に連結されている。これにより、第2リンク32が第2リンク回転軸94を中心として回転自在にブラケット7に支持されている。第2リンク32の下端側であってx軸負方向側(第2の角部)は、左右方向に延びるピン93を介して、第1リンク31の他端側(x軸正方向側)に回転可能に連結されている。第2リンク32の下端側であってx軸正方向側(第3の角部)は、左右方向に延びるピン95を介して、プッシュロッド4のx軸負方向端に固定されたクレビス40に回転可能に連結されている。
プッシュロッド(以下、ロッドという)4は、ブレーキペダル2に入力された(リンク式倍力装置3により増幅された)運転者の操作力をx軸方向の推力(ロッド推力)としてマスタシリンダ5に伝達する操作力伝達部材であり、ブレーキペダル2(リンク式倍力装置3)に連動してx軸方向に作動する。ロッド4は、リンク式倍力装置3の出力部材として、第2リンク32からの入力(第2リンク回転軸94を中心とする回転力)をクレビス40を介して受け、ブレーキペダル2の踏込み操作に応じてx軸正方向にストロークする。ロッド4はマスタシリンダ5の入力部材(入力ロッド)でもあり、そのx軸正方向端はマスタシリンダ5のピストンに接続されている。
マスタシリンダ5は、ロッド4を介してリンク式倍力装置3に接続されている。マスタシリンダ5には、ブレーキ液を貯留するブレーキ液源であるリザーバタンク(以下、リザーバという)5aが一体に設けられており、マスタシリンダ5はリザーバ5aからブレーキ液を補給される。マスタシリンダ5は、図外の油路(ブレーキ配管)を介して、車両の各車輪のホイルシリンダ(キャリパ)に接続している。マスタシリンダ5は、運転者によるブレーキペダル2の操作(ブレーキ操作)に応じて液圧(マスタシリンダ液圧)を発生する第1のブレーキ液圧発生源である。マスタシリンダ液圧は上記油路を介してホイルシリンダへ供給され、ホイルシリンダ液圧(ブレーキ液圧)を発生させる。マスタシリンダ5は、所謂タンデム型であり、x軸正方向側が閉塞した有底筒状のシリンダ50と、シリンダ50の内周面に摺動可能に挿入された2つのピストンとを備える。シリンダ50の内部にはこれらのピストンによりプライマリP系統の液圧室とセカンダリS系統の液圧室が画成されている。各液圧室は、それぞれ吐出ポート(供給ポート)51及び補給ポート52に連通する。吐出ポート51は、液圧制御ユニット6に接続しており、ホイルシリンダと連通可能に設けられている。補給ポート52は、リザーバ5aに接続してこれと連通する。
シリンダ50は、取付壁部材70の底部のx軸正方向側にボルトで締結固定される。取付壁部材70は、マスタシリンダ5の取付け側(x軸正方向側)がエンジンルーム内に面するようにダッシュパネルに固定される。これにより、マスタシリンダ5がエンジンルーム側(x軸正方向側)に突出するように固定される。P系統のピストンのx軸負方向端には、取付壁部材70を貫通するロッド4のx軸正方向端が回動可能に接続されている。ロッド4は、シリンダ50のx軸負方向側の開口部から挿入される。ロッド4のx軸正方向端は、凸球面状に形成されており、P系統のピストンのx軸負方向側に凹球面状に形成された受け部に嵌合設置されることで、P系統のピストンに対して回転可能に設けられている。S系統のピストンは、フリーピストンであり、P系統のピストンのx軸正方向側に設置される。両ピストンの間にP系統の液圧室が画成され、S系統のピストンとシリンダ50の底部との間にS系統の液圧室が画成されている。運転者のブレーキ操作によって、ロッド4のx軸正方向の推力がP系統のピストンに伝達される。P系統のピストンがx軸正方向側にストロークすると、各液圧室の容積が縮小する。これにより、各液圧室から吐出ポート51を介してホイルシリンダに向けてブレーキ液が供給される。また、各液圧室内に液圧(マスタシリンダ液圧)が発生する。なお、両液圧室には略同じ液圧が発生する。各液室内には、ピストンの戻しばねであると共に、ブレーキペダル2に対して適当な反力を付与する反力付与手段としてのコイルスプリングが押し縮められた状態で設置されている。
図4は、運転者によるブレーキ操作がされていない初期状態におけるブレーキペダル2とリンク式倍力装置3とロッド4を側面から見た模式図である。この初期状態において、ブレーキペダル2の力点(ペダルパッド21)から支点すなわちブラケット7に対するブレーキペダル2の揺動中心(ペダル回転軸91)までの距離をa(>0)とする。この側面視で、各寸法(ジオメトリ)は以下となるように設定されている。マスタシリンダ5のピストンに対するロッド4の回動中心96(P系統のピストンのx軸負方向側の受け部に嵌合するロッド4のx軸正方向端)を通る仮想的な垂線をL1とする。ブレーキペダル2の揺動中心(ペダル回転軸91)から垂線L1までの距離は5a/8である。ロッド4に対する第2リンク32の回動中心(ピン95)から垂線L1までの距離は5a/17である。ロッド4に対する第2リンク32の回動中心(ピン95)から、第2リンク32の揺動中心(リンク回転軸94)までの距離はa/8である。ブラケット7に対する第2リンク32の揺動中心(リンク回転軸94)から、第1リンク31の他端側(x軸正方向側)に対する第2リンク32の回動中心(ピン93)までの距離はa/6である。ブレーキペダル2の揺動中心(ペダル回転軸91)から、アーム部材22(ブレーキペダル2)に対する第1リンク31の一端側(x軸負方向側)の回動中心(ピン92)までの距離は10a/43である。
ブレーキペダル2の揺動中心(ペダル回転軸91)を通る仮想的な水平線をL2とする。マスタシリンダ5のピストンに対するロッド4の回動中心96から、水平線L2までの距離は5a/14である。第2リンク32の揺動中心(リンク回転軸94)から水平線L2までの距離は5a/21である。ブレーキペダル2の揺動中心(ペダル回転軸91)を始点として、ブレーキペダル2の力点(ペダルパッド21)を通る半直線をL3とする。また、上記揺動中心(ペダル回転軸91)を始点として、第1リンク31の一端側(x軸負方向側)の回動中心(ピン92)を通る半直線をL4とする。上記揺動中心(ペダル回転軸91)を頂点として半直線L3と半直線L4とがなす角度は30.5度である。第2リンク32の揺動中心(リンク回転軸94)を通る仮想的な水平線をL5とする。上記揺動中心(リンク回転軸94)を始点として、第1リンク31の他端側(x軸正方向側)に対する第2リンク32の回動中心(ピン93)を通る半直線をL6とする。上記揺動中心(リンク回転軸94)を頂点として水平線L5と半直線L6とがなす角度は25度である。
リンク式倍力装置3は、ペダルストロークSPが所定量になるとブレーキペダル2の回転方向移動(言い換えるとリンク31,32等の作動)を規制するストローク規制部8を備えている。図1〜図3に示すように、ストローク規制部8は、車体側に固定されると共に、リンク31,32等よりも下側に配置されている。図5は、ストローク規制部8を車両の上下方向からみた部分断面図であり、各軸81等の中心軸を含む平面で当接部材80等を切った断面を示す。ストローク規制部8は、当接部材80と、第1支持軸81と、第2支持軸82と、第3支持軸83と、第1保持部材84と、第2保持部材85と、第1弾性部材86と、第2弾性部材87と、第3弾性部材88とを備えたストローク規制機構である。当接部材80は、略長方形の板部材であり、左右方向に延びるように配置され、そのx軸負方向側の面がブレーキペダル2のペダルアーム21(の湾曲部分)にx軸方向で対向するように設置される。当接部材80には、左右一対の貫通孔800a,800bが形成されている。ここで、左右の一方側に設けられた部材ないし構成に添字aを付し、左右の他方側に設けられた部材ないし構成に添字bを付すことで、両者を区別する。
第1支持軸81は、取付壁部材70にボルトで締結固定される軸部材であり、左右一対設けられている。第1支持軸81は、取付壁部材70の底部からx軸負方向側に突出し、x軸方向に延びるように設置されている。第1支持軸81のx軸負方向端にはフランジ部(ナット等)810が固定されている。第1支持軸81のx軸正方向端にはスプリングリテーナ(ナット等)700が固定されている。各第1支持軸81a,81bに当接部材80の貫通孔800a,800bがそれぞれ嵌合することで、当接部材80が第1支持軸81に支持される。当接部材80は、第1支持軸81に対してx軸方向に移動可能に設けられている。当接部材80のx軸負方向側への移動は、当接部材80(の貫通孔800の周りの部分)がフランジ部810に当接することで規制される。
第1保持部材84は、各弾性部材86〜88を保持ないし支持する略直方体の板部材であり、左右方向に延びるように配置される。第1保持部材84には、左右一対の貫通孔840a,840bが形成されている。各第1支持軸81a,81bに第1保持部材84の貫通孔840a,840bがそれぞれ嵌合することで、第1保持部材84が第1支持軸81に支持される。第1保持部材84は、当接部材80と取付壁部材70との間で、第1支持軸81に対してx軸方向に移動可能に設けられている。第1保持部材84のx軸正方向側の面には、第1弾性部材86のx軸負方向端が設置される。第1保持部材84のx軸負方向側の面には、第2弾性部材87と第3弾性部材88のx軸正方向端が設置される。第2保持部材85は、第2弾性部材87を保持する略直方体の板部材であり、左右方向に延びるように配置される。第2保持部材85には、左右一対の貫通孔850a,850bが形成されている。各第1支持軸81a,81bに第2保持部材85の貫通孔850a,850bがそれぞれ嵌合することで、第2保持部材85が第1支持軸81に支持される。第2保持部材85は、当接部材80と第1保持部材84との間で、第1支持軸81に対してx軸方向に移動可能に設けられている。第2保持部材85のx軸正方向側の面には、第2弾性部材87のx軸負方向端が設置される。
各保持部材84,85には、第2支持軸82と第3支持軸83が遊嵌状態で設置される。第1保持部材84には、貫通孔840a,840bに挟まれるように左右一対の貫通孔843a,843bが形成され、貫通孔843a,843bに挟まれるように貫通孔844が形成されている。第2保持部材85には、貫通孔850a,850bに挟まれるように左右一対の貫通孔853a,853bが形成され、貫通孔853a,853bに挟まれるように貫通孔854が形成されている。第2支持軸82のx軸負方向端には貫通孔853よりも大径のフランジ部820が設けられている。第3支持軸83のx軸負方向端には貫通孔854よりも大径のフランジ部830が設けられている。フランジ部820,830が第2保持部材85のx軸負方向側に位置し、各支持軸82,83のx軸正方向側が貫通孔853,854を貫通して第2保持部材85のx軸正方向側に突出する。各支持軸82,83のx軸正方向端は第1保持部材84の貫通孔843,844を貫通して第1保持部材84のx軸正方向側に突出する。この突出部には貫通孔843,844よりも大径のフランジ部(ナット等)821,831が固定されている。各保持部材84,85は、フランジ部820,830,821,831の間で、各支持軸82,83に対してx軸方向に移動可能に設けられている。
第1弾性部材86は、圧縮ばね、具体的にはコイルスプリングであり、各第1支持軸81の周りに巻回されるように設置され、第1支持軸81により支持される。第1弾性部材86のx軸正方向端はスプリングリテーナ700に当接して保持されると共に、x軸負方向端は第1保持部材84に当接して保持される。第1弾性部材86は、スプリングリテーナ700(取付壁部材70)と第1保持部材84との間で圧縮された状態で保持される。
第2弾性部材87は、左右一対設けられ、第1支持軸81a,81bに挟まれるように配置されている。第2弾性部材87は、樹脂ないしゴムにより形成された弾性体であり、蛇腹状に成形されている。第2弾性部材87は、第1保持部材84と第2保持部材85の間に保持される。第2弾性部材87のx軸正方向端は、第1保持部材84のx軸負方向側の面における貫通孔843の周りに形成された凹部841に嵌合して保持される。第2弾性部材87のx軸負方向端は第2保持部材85のx軸正方向側の面における貫通孔853の周りに形成された凹部851に嵌合して保持される。第2弾性部材87の内周側には、第2支持軸82が、第2弾性部材87に対して摺動可能に挿入設置されている。第2支持軸82は、第2弾性部材87が凹部841,851から脱落しないように第2弾性部材87を支持すると共に、第2弾性部材87が主にx軸方向に圧縮変形するようにガイドする。
第3弾性部材88は、第2弾性部材87a,87bに挟まれるように配置されている。第3弾性部材88は、樹脂ないしゴムにより形成された弾性体であり、円柱状に成形されている。第3弾性部材88のx軸方向の弾性係数は、第2弾性部材87のx軸方向の弾性係数よりも大きく設定されており、同じx軸方向の力に対して、第2弾性部材87よりも第3弾性部材88のほうが圧縮変形しにくく設けられている。第3弾性部材88のx軸正方向端は、第1保持部材84のx軸負方向側の面における貫通孔844の周りに形成された凹部842に嵌合して保持される。第3弾性部材88の内周側には、第3支持軸83が、第3弾性部材88に対して摺動可能に挿入設置されている。第3弾性部材88のx軸負方向端と第2保持部材85のx軸正方向側の面における貫通孔854の周りに形成された凹部852の底面との間には、所定のx軸方向距離(間隙)が設けられている。凹部852の径は第3弾性部材88の径よりも大きく設けられている。第3支持軸83は、第3弾性部材88が凹部842から脱落しないように支持すると共に、第3弾性部材88が圧縮される際、主にx軸方向に圧縮変形するようにガイドする。
図6は、液圧制御ユニット6の全体斜視図である。液圧制御ユニット6は、マスタシリンダ5(リザーバ5a)からブレーキ液の供給を受け、運転者によるブレーキ操作とは独立にブレーキ液圧を発生可能な第2のブレーキ液圧発生源である。液圧制御ユニット6は、各車輪に設けられたホイルシリンダとマスタシリンダ5との間に設けられており、各ホイルシリンダにマスタシリンダ液圧又は制御液圧を個別に供給可能である。液圧制御ユニット6は、液圧ユニット6aと、液圧ユニット6aの作動を制御する電子制御ユニットECU6bとを備えている。液圧ユニット6aとECU6bは一体のユニットとして構成されている。液圧ユニット6aは、制御液圧を発生するための液圧機器(アクチュエータ)として、液圧発生源であるポンプや、ハウジング60内に形成された油路の連通状態を切り換える複数の制御弁(電磁弁)を有している。液圧ユニット6a(ハウジング60)には、ポンプを駆動するモータ6cが一体に取付けられている。液圧ユニット6aの具体的な液圧回路構成については、周知の液圧ユニットと同様であるため、説明を省略する。液圧ユニット6aには、油路の所定部位の液圧(マスタシリンダ液圧等)を検出する液圧センサが設けられており、その検出値はECU6bに入力される。ECU6bは、入力される各種情報に基づき、液圧ユニット6aの各アクチュエータの作動を制御することで、運転者のブレーキ操作から独立して各ホイルシリンダの液圧を制御(増圧、減圧、保持)可能に設けられている。
液圧ユニット6aは、ブレーキ配管を介してブレーキペダル側のユニット(図1参照)に接続されており、例えば、ブレーキペダル側のユニットの下側に、図6のx軸方向が図1のx軸方向と一致するように配置される。これにより、装置1全体の鉛直方向(車両上下方向)での投影面積を少なくして、車両搭載性を向上できる。液圧ユニット6aのハウジング60はダンパ6d及びブラケット6eを介して車体側(エンジンルームの床)へ固定設置される。ハウジング60の上側には、ハウジング60内に形成された油路の開口部として、P系統及びS系統のマスタシリンダポート61と、4つのホイルシリンダポート62とが設けられている。P系統のマスタシリンダポート61Pは、ブレーキ配管を介して、マスタシリンダ5のP系統の吐出ポート51Pに接続され、P系統の液圧室に連通する。S系統のマスタシリンダポート61Sは、他のブレーキ配管を介して、マスタシリンダ5のS系統の吐出ポート51Sに接続され、S系統の液圧室に連通する。各ホイルシリンダポート62は、それぞれブレーキ配管を介して、各ホイルシリンダに接続されている。
液圧制御ユニット6は、車輪のロック傾向を緩和するアンチロックブレーキ制御(ABS)や、車両の横滑り等を抑制して車両挙動を安定化するためのブレーキ制御(VDCやESCといった車両挙動制御)を実行可能に設けられている。ブレーキ操作が行われた状態で、いずれかの車輪のロック傾向が検出されると、ECU6bは、アンチロックブレーキ制御を実行する。具体的には、液圧ユニット6aを駆動し、当該車輪のホイルシリンダ液圧を減圧することで、当該車輪のスリップ率が所定範囲内に収まるように制御する(例えば、当該車輪の減圧・保持・増圧を繰り返す)。アンチロックブレーキ制御の詳細は周知であるため、説明を省略する。ブレーキ操作が行われた状態又は行われない状態で、車両の横滑り等が検出されると、ECU6bは、車両挙動制御を実行する。具体的には、検出された車両挙動状態量(横加速度等)に基づき、所望の車両挙動を実現するよう、液圧ユニット6aを駆動して各車輪のホイルシリンダ液圧を制御する。車両挙動制御の詳細は周知であるため、説明を省略する。なお、液圧制御ユニット6は、アンチロックブレーキ制御のみを実行可能に設けられていることとしてもよいし、上記制御以外の自動ブレーキ制御(車間距離制御や先行車追従制御等)を実行可能に設けられていることとしてもよく、特に限定しない。
液圧制御ユニット6の各アクチュエータが非作動である状態では、マスタシリンダ5の液圧室と各車輪のホイルシリンダとが連通した状態となる。このとき、運転者によるブレーキペダル2の操作力(踏力)を用いて発生させたマスタシリンダ液圧によってホイルシリンダ液圧を発生する(以下、踏力ブレーキという)。装置1は、ペダルストロークSPの全領域(すなわちブレーキ操作が開始された後の制動初期における低圧域を含め、制動の各段階における各液圧域)で、ポンプや電磁弁等を非通電状態とし、液圧制御ユニット6を非作動状態とすることで、踏力ブレーキを実現する。ブレーキペダル2の踏込み操作に応じて、マスタシリンダ5の各系統の液圧室から(液圧ユニット6a内の油路を経由して)各ホイルシリンダに向けてブレーキ液が供給される(増圧時)。すなわち、ブレーキペダル2の踏込み操作に応じて発生するマスタシリンダ液圧がそのままホイルシリンダに供給される。また、ブレーキペダル2が踏み戻されると、各ホイルシリンダから(液圧ユニット6a内の油路を経由して)マスタシリンダ5に向けてブレーキ液が戻される(減圧時)。その際、リンク式倍力装置3により、所定のブレーキ特性、すなわち運転者のブレーキ操作量(ペダルストロークSP)とブレーキ操作力(踏力)FPとブレーキ液圧P(車両減速度G)との間の理想の関係特性を実現するように設定している。本実施例では、例えば、車両のエンジンが発生する負圧を利用してブレーキ操作力を倍力する通常サイズのエンジン負圧ブースタを備え、かつリンク式倍力装置3を備えないブレーキ装置(以下、比較例1という)において、エンジン負圧ブースタの作動時に実現されるブレーキ特性を、上記理想の関係特性とする。
[作用]
次に、装置1の作用を説明する。
(リンク式倍力装置の作動)
図7〜図9は、図4と同様の模式図によりリンク式倍力装置3の作動を示したものである。一点鎖線により、ブレーキペダル2の踏込み量SPがゼロである初期状態における各部材の位置(初期位置)を示す。ブレーキペダル2が踏み込まれると、ブレーキペダル2の力点(ペダルパッド21)及び作用点(ピン92)が支点(ペダル回転軸91)の周りで図の反時計回り方向に回転する。作用点(ピン92)での回転力は、第1リンク31を介して第2リンク(ピン93)に伝えられ、第2リンクを支点(第2リンク回転軸94)の周りで反時計回り方向に回転させる。第2リンクの回転力は、ピン95を介してロッド4に伝えられ、ロッド4をx軸正方向に移動させる。このように、ブレーキペダル2の回転力(踏力)が、リンク式倍力装置3を介して、ロッド4をx軸正方向に移動させる直線方向の力に変換される。ここで、上記リンク機構の作用により、ペダルストロークSPに応じて、ペダルストロークSPとロッドストロークSRとの比SP/SRが可変となるように設けられている。また、ブレーキペダル2が揺動可能な全領域(ペダルストロークSPの全域)で、ペダルストロークSP毎に、ロッド4の初期位置からのx軸方向移動量(ロッドストロークSR)は、ブレーキペダル2の踏込み量、すなわちブレーキペダル2の力点(ペダルパッド21)の初期位置からの移動量(ペダルストロークSP)よりも少なくなるように設定されている。また、ペダルストロークSPの全域で、ペダルストロークSP毎に、ロッドストロークSRは、ブレーキペダル2の作用点(ピン92)の初期位置からの移動量よりも少なくなるように設定されている。
(ストローク規制部の作動)
図10〜図13は、ブレーキペダル2とリンク式倍力装置3とロッド4とストローク規制部8を側面から見た模式図である。図10は各部材の初期位置を示す。以下、ペダル回転軸91とピン92を結ぶ線分をL7とし、ピン92とピン93を結ぶ線分をL8とし、ペダル回転軸91とピン93を結ぶ線分をL9とする。図11は、ブレーキペダル2がストローク規制部8の当接部材80に当接し始めた状態における各部材の位置を示す。すなわち、当接部材80は、ブレーキペダル2に当接可能に設けられている。ブレーキペダル2が踏み込まれ、ペダルストロークSPが所定量SP2になると、図11に示すように、ブレーキペダル2が当接部材80のx軸負方向側の面に当接する。このように当接部材80は当接部を構成している。ブレーキペダル2が当接部材80に当接するようになると、ブレーキペダル2のそれ以上のストロークがある程度抑制される。すなわち、ブレーキペダル2がそれ以上ストロークするために、弾性部材86〜88を圧縮変形させつつ当接部材80をx軸正方向側に押して移動させる分だけ、力が余計に必要となる。この意味で、当接部材80は、ブレーキペダル2のストロークを規制する。
図12は、ストローク規制部8の弾性部材86,87が圧縮される途中の状態における各部材の位置を示す。第1弾性部材86はコイルスプリングから構成されたばね部であり、第2弾性部材87は上記ばね部(第1弾性部材86)に直列に配置された緩衝部材である。図11の位置からブレーキペダル2がさらに踏み込まれると、ブレーキペダル2が当接部材80に当接した状態でS2以上ストロークしようとする。具体的には、当接部材80が第2保持部材85と共に第1支持軸81に対してx軸正方向側へ移動しようとする(図5参照)。よって、第2弾性部材87に対してx軸正方向側から推力が作用するため、第2弾性部材87が若干圧縮される。また、第2弾性部材87から第1保持部材84に作用する力により、第1保持部材84が第1支持軸81に対してx軸正方向側へ移動しようとする。よって、第1弾性部材86に対してx軸正方向側から推力が作用するため、第1弾性部材86が若干圧縮される。第1弾性部材86及び第2弾性部材87が圧縮変形することで、当接部材80にブレーキペダル2が当接したときの衝撃が吸収される。また、上記圧縮変形の分だけブレーキペダル2に作用する反力(ペダル反力)が増大し、踏力FPを減衰する。ペダルストロークSPの増大に応じて、第1弾性部材86及び第2弾性部材87の圧縮変形量が増大することにより、ペダル反力は増加する。このように、第1弾性部材86及び第2弾性部材87はダンパを構成している。
図13は、ストローク規制部8の弾性部材86〜88が最大圧縮された状態における各部材の位置を示す。図12の位置からブレーキペダル2がさらに踏み込まれると、第2弾性部材87の圧縮量が増大して、第3弾性部材88と第2保持部材85の凹部852との間のx軸方向距離(間隙)がなくなる。このときのペダルストロークSPをSP30(>SP2)とする。上記間隙の大きさはS30とS2との差に相当する。以後、第3弾性部材88が圧縮されるようになるため、ペダル反力としては、第1弾性部材86及び第2弾性部材87の弾性力に加え、第3弾性部材88の圧縮による弾性力も加わる。このとき、第1弾性部材86のコイル巻線間の隙間が圧縮によってほとんどなくなり、第1弾性部材86がそれ以上x軸方向に変形できなくなる。第3弾性部材88がある程度圧縮されたペダルストロークSPでは、運転者の通常のブレーキ踏込み操作によってはブレーキペダル2のストロークが実質的に不可能なほど、ペダル反力が大きくなる。言い換えると、運転者がブレーキ踏込み操作において通常想定される最大の力を出しても、ブレーキペダル2がそれ以上ストロークできなくなる。このペダルストロークSP(規制後の最大ペダルストローク)をSP3(>SP30)とする。このように、第3弾性部材88は、ペダルストロークSPがSP30以上(SP3以下)でブレーキペダル2のストロークを止めるストッパを構成している。なお、第3弾性部材88は、第1保持部材84(凹部842)ではなく第2保持部材85(凹部852)に保持されることとしてもよいし、凹部842,852のどちらにも嵌合保持されずに第3支持軸83のみにより支持されることとしてもよい。
図14、図15は、ストローク規制部8を備えない比較例2のリンク式倍力装置3とロッド4とを側面から見た模式図であり、ペダルストロークSPが特異点を越えたときのリンク式倍力装置の作動を示したものである。第1,第2リンク31,32から構成されるリンク機構の特性に由来して、ペダルストロークSPの後半領域で、SPの増大に対しロッドストロークSRが増大から減少へ切り替わる(ロッド4の軸方向の移動方向が反転し、ロッド4が逆進する)特異点が現れる。SPがSP3より大きいSP5に達するまでは、線分L7,L8がなす角度が180度に向けて増大する。これに応じて、線分L9が長くなるように、ピン93が支点(第2リンク回転軸94)の周りで反時計回り方向に回転する。ピン93が押し下げられるのに伴い、ロッド4はx軸正方向側へ移動する(図10〜図13)。SPがSP5に達すると、線分L7,L8がなす角度が180度となり、ピン92は線分L9上に位置し、線分L7,L8は線分L9と一致する(特異姿勢)。線分L9の長さは最大(線分L7,L8の長さの和)となる。このとき第1リンク31(各ピン92,93)に作用するトルクは釣り合う。SPがSP5を越えて増大すると、線分L7,L8がなす角度が180度よりも小さくなる。これに応じて、線分L9が短くなるように、ピン93が支点(第2リンク回転軸94)の周りで時計回り方向に回転する。ピン93が引き上げられるのに伴い、ロッド4はx軸負方向側へ移動する(図14,図15)。このように、SPがSP5未満からSP5(特異点)を越えると、第2リンク32の回転方向が逆転し、ロッド4の移動方向もx軸正方向からx軸負方向へ逆転する。図14は、ペダルストロークSPがSP5を越えて増大し、ロッド4が逆進している状態を示す。図15は、リンク機構上でペダルストロークSPが取り得る最大量(リンク機構上の最大ペダルストローク)となった状態を示す。なお、一旦、ピン92が線分L9を跨いでロッド4が逆進し始めると、ブレーキペダル2から足を離しても、マスタシリンダ5からロッド4に作用する反力により、第2リンク32が時計回り方向の回転を続けるため、ブレーキペダル2が初期位置に戻らなくなる。
(倍力特性)
図16に示す曲線は、装置1のペダルストロークSPに対するロッドストロークSRの変化の特性を示す。リンク式倍力装置3により、両者の比SP/SRを可変としている。リンク式倍力装置3は、第1リンク31と第2リンク32を備える。よって、例えばブレーキペダル2とロッド4との間に1つのリンク部材のみを備えたものに比べ、比SP/SRを連続的ないし滑らかに変化させることができる。SPがゼロのときは、SRもゼロである。SPがゼロから大きくなるにつれて、SRもゼロから大きくなる。SPの大小に応じて、SPの同じ変化量ΔSPに対するSRの変化量ΔSRが、所望の特性で変化するように、リンク機構が配列されている。言換えると、ロッド4を同じ量だけ移動させるために必要なブレーキペダル2の操作量が、ペダルストロークSPの大きさに応じて所望の特性で変化するように、リンク式倍力装置3の支軸94等の位置やリンク31,32の形状、長さ等が調整されている。ブレーキ踏込み操作の初期(SPが小さいとき)よりも後期(SPが大きいとき)の方が、SPの単位変化量ΔSPに対するSRの変化量ΔSR(=ΔSR/ΔSP)が少なくなるように設定されている。具体的には、SPがゼロからSP5未満では、SPが大きくなるにつれて、ΔSR/ΔSPが、(ゼロより大きい)所定値から徐々に小さくなる。ブレーキ踏込み操作の後期、SPがSP5近傍では、ΔSR/ΔSPが略ゼロとなる(SPの変化に対してSRが殆ど変化しない)。ただし、SPがSP5を越えて大きくなるにつれて、ΔSR/ΔSPがゼロより小さくなり、その絶対値が徐々に大きくなる。よって、SPに対するSRの変化を示す曲線は、右上がりかつ上に凸の曲線となる。
図17に示す2曲線は、(1)比率SP/SR、及び(2)(液圧による反力を考慮したときの)踏力FPに対するロッド推力FRの比率FR/FP、のSPに対する変化の特性をそれぞれ示す。図18に示す曲線は、マスタシリンダ5からホイルシリンダへ向けて供給されるブレーキ液の量Qと、マスタシリンダ5ないしホイルシリンダの液圧Pとの関係(液圧剛性)の特性を示す。比SP/SRは、リンク式倍力装置3のストローク比としてのレバー比R(S)であり、可変である。図16におけるSRに対するSPの比SP/SRを任意のSPでプロットすると、図17のR(S)で示す曲線になる。R(S)は、ΔSP/ΔSRを積分したものに相当し、SPがゼロから大きくなるにつれて、(ゼロより大きい)所定値から徐々に大きくなる。図16のSPに対するSRの変化を示す曲線は、右上がりかつ上に凸の曲線である。よって、図17に示すように、比SP/SRは、少なくともSPがSP5になるまで漸増する。SPに対するSP/SRの変化を示す曲線は、右上がりかつ下に凸の緩やかな曲線となる。
また、比FR/FPは、リンク式倍力装置3の倍力比としてのレバー比R(F)であり、可変である。ロッド4に作用する液圧Pによる反力を考慮に入れなければ、比FR/FPはΔSR/ΔSPに反比例する。このため、比FR/FPは、SPがSP5に近づく(ΔSR/ΔSPが略ゼロに近づく)ほど大きくなり、SPがSP5近傍になると著しく大きくなるはずである。しかし、SP(SR)が増大して液圧Pがある程度上昇すると、ロッド4に作用する液圧Pによる反力が増大する。すなわち、SRの増大に比例して液量Qは増加する。ここで、図18に示すように、本実施例の液圧剛性は、液量Qがゼロから所定量Q1までの範囲では液量Qの増加に対する液圧Pの上昇率は小さく、QがQ1を越えるとQの増加に対するPの上昇率が大きくなる特性となっている。よって、SRが所定量を越え(SPが所定量SP1を越え)るときにQがQ1を越えるとした場合、SPが所定量SP1を越えているとき、SPの増加に対する液圧Pによる反力の増大率が大きくなる。このような液圧剛性(液圧Pによる反力)の影響を考慮したとき、比FR/FPの増大は、SPがある程度増大すると抑制される。このため、(液圧Pによる反力を考慮したときの)比FR/FPのSPに対する変化を示す曲線は、図17に示すように、SPが所定量SP4(SP3<SP4<SP5)になるまで、右上がりかつS字状となる。
この曲線R(F)の傾き(ΔSPに対する変化量)は、SPがゼロからSP4になるまでは、比SP/SRの変化を示す曲線R(S)の傾きよりも大きく、SPがSP4を越えて増大すると、曲線R(S)の傾きよりも小さくなる。よって、SPがSP4になるまで、比SP/SRと比FR/FPとの差分(曲線R(F),R(S)間の距離)がSPの増大に応じて漸増する特性となる。なお、SPがSP5より増大すると、ロッド4が逆進するようになるため、SPの増大に対してSRが減少するようになる(ΔSR/ΔSPが負となる)。よって、SPがSP5を越えた領域では、比FR/FPは減少する(曲線R(F)は右下がりとなる)。一方、SPがSP5より増大しても、比SP/SRは増加し続ける(曲線R(S)は右上がりとなる)。よって、SPがSP5より増大すると、比SP/SRと比FR/FPとの差分がSPの増大に応じて減少する特性となる。
(省エネ化、小型化、低コスト化)
運転者のブレーキ操作に応じた液圧制動力を発生させる通常ブレーキ(踏力ブレーキ)時、装置1は、液圧制御ユニット6の作動の有無に関わらず、リンク式倍力装置3により、運転者のブレーキ操作力を低減するための補助力を発生する。このリンク式倍力装置3は、メカニカルな倍力装置である。すなわち、専ら運転者のブレーキ操作力を利用してメカ的にブレーキ操作力を倍力する。言い換えると、電動モータやアキュムレータを用いて液圧を発生する倍力装置や、エンジンの負圧を用いたマスターバック等の、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いて駆動され、補助力を発生する倍力装置ではない。このように、装置1は、通常ブレーキ時(運転者のブレーキ操作時)、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いて補助力を発生させるタイプの倍力装置を作動させない。よって、運転者のブレーキ操作力とは別のエネルギ源を用いて補助力を発生する構成に比べ、補助力を発生するための消費エネルギを抑制することができる。また、電動モータやエンジン負圧等を用いる倍力装置を省略することが可能であるため、倍力装置の大型化を抑制することができる。
言い換えると、昨今、車両の燃費向上の要求から、倍力装置がエンジン負圧を利用しなかったり、利用するとしても低負圧を用いるブレーキ装置が求められている。一方、電動モータやアキュムレータを用いて液圧を発生する倍力装置を備えた場合、ブレーキシステムが大型化・複雑化し、また部品点数が増加してコスト的に不利となると共に、車両への搭載性が悪化するおそれがある。さらには、車両が大型化したり重量が増大したりするため、車両のエネルギ効率が悪化するおそれがある。このように、燃費向上が可能であり、かつ小型・安価なブレーキシステムが求められている。これに対し、装置1は、倍力装置として可変リンク式のものを用いることで、少なくとも常用域で必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、燃費向上が可能であり、かつブレーキシステムを小型化し、またコスト的に有利なものとすることができる。
また、装置1は、リンク式倍力装置3に加え、液圧制御ユニット6を備える。液圧制御ユニット6はABS制御(又は車両挙動制御)を実行可能なものであり、従来から既に多くのブレーキ装置に備えられているユニットを利用できる。通常ブレーキ時にはリンク式倍力装置3により踏力FPを補助して必要な制動力を確保する一方、ABS制御(又は車両挙動制御)の介入時には液圧制御ユニット6を作動させて必要な制動力を得ることができる。よって、車両に一般に必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、部品点数を減らしてコストを削減できると共に、簡易なブレーキシステムを実現できる。言い換えると、ブレーキペダル側のユニットと液圧制御ユニット6とから構成されるシステムとして見た装置1の全体を簡素化して、車両への搭載性を向上することができる。さらに、車両の小型化や軽量化が可能となり、これにより車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
なお、ブレーキ操作力の不足を補うエネルギ源として液圧制御ユニット6を利用することも考えられる。例えば、所定のブレーキ操作領域では、リンク式倍力装置3に加え液圧制御ユニット6を作動させて要求ブレーキ液圧を実現する。しかし、液圧制御ユニット6の作動(ポンプアップ)が頻繁に行われると、消費エネルギを抑制するという上記効果が減殺されるおそれがある。また、ポンプの耐久性が低下するおそれがあると共に、ブレーキ装置の静粛性(音振性能)が低下するおそれがある。これに対し、装置1は、通常ブレーキ時には、踏力ブレーキ(リンク式倍力装置3)のみを用いており、液圧制御ユニット6を利用しない。よって、上記のような問題を回避し、エネルギ効率を最大限向上する等の効果を得ることができる。また、装置1は、倍力装置としてメカ的なリンク式倍力装置を用いるため、電源系が失陥した場合でも、運転者のブレーキ操作力により最低限必要な車両の減速度を実現することが可能である。よって、フェールセーフ性に優れる。
(リンク式倍力装置の作用)
装置1は、小型車や軽自動車(以下、小型車等という)に好適である。すなわち、小型車等では、ホイルシリンダ(キャリパ)の容量が小さく、マスタシリンダ(のピストン)が小径で済むため、運転者のブレーキ操作力を倍力する力(レバー比R)もそれほど大きいものが必要とされない。また、小型車等はその質量が小さいため、同じ減速度Gを発生するために必要な制動力が小さくて済む。よって、小型車等にあっては、少なくとも常用域では、リンク式倍力装置3のみによって、従来のブレーキ装置(比較例1)と同様のブレーキ特性(S-F-G特性)を十分に実現可能であることを、本出願人は、解析の結果、見出した。なお、装置1の適用対象は小型車等に限られない。具体的には、リンク式倍力装置3は、その全作動領域で、ブレーキペダル2の踏込み量(ペダルストロークSP)よりもロッド4のx軸方向移動量(ロッドストロークSR)が少なくなるように設定されている。これにより、ストローク比SP/SRすなわちレバー比R(S)が1より大きくなるため、てこの原理により、ブレーキペダル2の操作力(踏力FP)を増幅してロッド4へ伝えることとなる。すなわち、ペダルストロークSPの全域で、ロッド推力FRが踏力FPよりも大きくなるため、倍力機能を発揮し、踏力FPを増幅(倍力)してマスタシリンダ5のピストンへ伝え、高いブレーキ液圧Pを得ることができる。
より具体的には、ブレーキペダル2の支点(ペダル回転軸91)から作用点(ピン92)までの距離と、支点(ペダル回転軸91)から力点(ペダルパッド21)までの距離との比(ペダル比)に応じて、踏力FPが増幅される。さらに、ペダルストロークSPの全域で、ロッド4のx軸方向移動量(初期状態からの移動量)すなわちロッドストロークSRは、ブレーキペダル2の作用点(ピン92)の移動量(初期状態からの移動量)よりも小さくなるように設定されている。よって、ペダルストロークSPの全域で、上記ペダル比に応じて増幅された踏力FP(ブレーキペダル2からピン92を介して第1リンク31へ入力される力)よりもロッド推力FRが大きくなる。このため、リンク式倍力装置3を備えない場合に比べ、ブレーキペダル2の操作力をより増幅(倍力)してマスタシリンダ5のピストンへ伝えることで、より高いブレーキ液圧Pを得ることができる。
ここで、ペダルストロークSPと踏力FPと液圧P(減速度G)との間の関係を示すブレーキ特性について、種々の要求が存在する。リンク式倍力装置3のリンク特性を調整することにより、上記要求を満足させることができる。本実施例では、以下を基本的な思想(要求ないしそれへの対応)とする。
(ア)ブレーキ操作初期においては、ホイルシリンダ(キャリパ)へ多くのブレーキ液量Qを供給することで、ブレーキ操作に対する制動力(液圧P)の増大応答性を向上する。
(イ)頻度が高いブレーキ操作領域(常用域)では、エンジン負圧ブースタを有するブレーキ装置(比較例1)のブレーキ特性(S-F-G特性)に近づけることで、ブレーキ操作フィーリング(ペダルフィーリング)の低下を抑制する。
図16に示すように、ブレーキペダル2のストローク初期よりも後期の方がΔSR/ΔSPが少なくなるように設定されている。言い換えると、ストローク初期には、SPの変化量ΔSPに対するSRの変化量ΔSRが大きい(ロッド4がストロークしやすい)。このため、ブレーキ操作初期においては、比較的短いSPで、ホイルシリンダへより多くのブレーキ液量Qを供給することができる。よって、ブレーキ踏込み開始後の比較的早い時期に液量Q1以上を供給することが可能であり、図18に示す液圧剛性が低い(Qに対するPの上昇率が小さい)非線形領域である0〜Q1(0〜P1)の領域を早期に脱することができる。したがって、ブレーキ操作に対する制動力(液圧P)の増大応答性を向上することができる。なお、ブレーキペダル2のストローク後期には、ΔSPに対するΔSRが小さいため、ブレーキ操作後期における踏力FPの増幅率を大きくして制動力を確保しやすくすることができる。例えば、失陥時にも、運転者のブレーキ操作力により最低限必要な車両の減速度を実現することが可能である。ここで、「ブレーキペダル2のストローク初期よりも後期の方が、ΔSPに対するΔSRが少なくなるように設定されていること」は、図18に示すような液圧剛性の特性を有する本実施例にあっては、「SPがSP4になるまで、比SP/SRと比FR/FPとの差分がSPの増大に応じて漸増するよう設定されていること」と同義である。よって、上記差分が上記のように漸増するよう設定されていることにより、上記と同様、制動力の応答性向上等の作用効果を得ることができる。
図19は、踏力FPとペダルストロークSPとの関係を示すF-S特性を表す曲線であり、図20は、踏力FPと車両減速度Gとの関係を示すF-G特性を表す曲線である。なお、Gは軽自動車や小型電気自動車等を想定して算出している。実線で本実施例の特性を示し、一点鎖線で比較例1(エンジン負圧ブースタを作動させた場合)の特性を示す。網掛け領域は、比較的頻度が高い(例えば所定のブレーキ総回数のうち略80%の回数を占める)常用域であり、ブレーキ操作初期の比較的低Gのブレーキ操作領域である。図18に示すような液圧剛性の特性を有する場合に、車両のブレーキ特性として、例えばペダルストロークSP1で踏力FP1以下かつ液圧P1以上となる特性とする要求があったとする。この場合、SPがSP1に達するまでに液量Q1をマスタシリンダ5から供給できるようにリンク特性(倍力特性)を調整することで、SP1でP1以上を実現する。また、図19に示すように、SP1でFP1以上となるようにリンク特性を調整し、図20に示すように、FP1でG1(P1に相当)以上となるようにリンク特性を調整する。
ここで、エンジン負圧ブースタを作動させる比較例1では、例えばF-S特性及びF-G特性に関し、図19、図20の一点鎖線に示すように、ブレーキ踏込み直後、FPがゼロから所定値Fj未満の範囲ではSP及びGが発生しない一方、FPがFj以上になると、SP及びGが発生してそれぞれ一気に所定量まで増大する、という特性(ジャンプイン特性)がある。図19、図20の網掛け領域に示すように、リンク特性を調整することで、比較例1の特性(ジャンプイン特性等)を模擬するブレーキ特性(S-F-G)を常用域で実現し、これによりペダルフィーリングを向上することができる。例えば、図20において、FPがFjからFP1までの範囲で、FPに対するGの変化割合(傾き)を比較例1に近づける。なお、マスタシリンダ5の無効踏力(実際にSPないしGがゼロを越えて発生し始めるFPの大きさ)を調整することで、図19の網掛け領域におけるF-S特性を全体として比較例1に近づけたり、図20においてFPに対して実際に発生するGの大きさを比較例1に近づけたりすることとしてもよい。
一方、ブレーキ操作後期の高G領域では、人間は踏力FPで減速度G(液圧制動力)を制御する傾向があることから、ブレーキ特性のうちでもF-G特性を重視してリンク特性を調整することが好ましい。例えば、FPがFP2より大きい領域で、図19に示すF-S特性では比較例1に対して本実施例が乖離しているが、図20に示すF-G特性では比較例1に本実施例を近づけるように調整することが好ましい。言い換えると、比較例1に対して、F-G特性が近づいていれば、F-S特性が乖離していても、特に問題ない。リンク特性の調整のみによっては理想的なF-G特性が得られない場合には、例えば後述するストローク規制部8のダンパ機能により、F-G特性(F-P特性)を調整することができる(図22参照)。
以上のように、リンク式倍力装置3のリンク特性を調整することにより、要求されるブレーキ特性を満足させることができる。車両の諸元や踏力ブレーキの目標特性に基づきリンク特性を調整することで、搭載される車種に応じて、(エンジン負圧ブースタを備えた場合の)ブレーキ特性を模擬することができる。リンク式倍力装置3のみを設計変更するだけで車種違いに対応させるようにすることで、装置1の搭載性を向上することができる。
(ストローク規制部の作用)
リンク式倍力装置3の構成(リンク特性)を、車両搭載時の制約条件下で所定の倍力性能を得ることができるものにしようとした場合、ペダルストロークSPの一部の領域では好ましいブレーキ特性を得ることができるものの、SPの全域では好ましいブレーキ特性を発揮できないおそれがある。例えば、上記のようにSP1でFP1以上かつP1以上となるブレーキ特性にしようとすると、この要求を達成可能なレバー比R(F)の特性が図17に示すように特異点(SP5,R(F)5)をもった特性に制限される場合がある。また、装置1の車両搭載性を良くしようとすると、リンク機構の構成や形状、配置が制限される。特に、装置1を小型車等に搭載する場合、搭載可能なスペースが狭い(ブレーキペダル2やリンク式倍力装置3を設置するための運転者の足元のスペースが限られる)ため、上記制限が大きくなる。例えば、図17に示すレバー比R(F)の特性において特異点SP5よりも左側の(小さい)ペダルストロークSPの領域でリンク式倍力装置3を使いたいのに、リンク31,32の構成や配置等の制約に起因して、ブレーキ操作により可能な(リンク機構上の)最大ペダルストロークが上記特異点SP5よりも右側となる(車両への装置1の取り付け上、SPがSP5を越えないようにすることが困難である)場合がある。よって、例えばブレーキ操作初期のペダルストローク領域で好ましいブレーキ特性を得ようとした場合に、ブレーキ操作後期のペダルストローク領域では好ましい特性を得ることができないおそれがある。具体的には、ブレーキ操作後期にレバー比R(F)が過度に上昇したり、ロッド4の逆進により液圧Pが減少したりするおそれがある。
図21〜図23は、ブレーキ特性の試験ないし解析の結果を示す。図21はF-S特性を示す。図22は踏力FPと液圧Pとの関係(F-P特性)を示す。図23はペダルストロークSPと液圧Pとの関係(S-P特性)を示す。二点鎖線でストローク規制部8を備えない場合(比較例2)の特性を示し、実線でストローク規制部8を備えた本実施例の特性を示す。図の矢印はブレーキ操作の踏込み時と踏み戻し時をそれぞれ示す。ブレーキ操作後期(FP>FP2)に、レバー比R(F)が上がりすぎると、ペダルストロークSPの増加量ΔSPに対してロッドストロークSRの増加量ΔSRが過小となると共に、踏力FPの増加量ΔFPに対してロッド推力FRの増加量ΔFRが過大となる。よって、図21の二点鎖線に示すように、ΔFPに対してΔSPが過大となる。また、図22の二点鎖線に示すように、ΔFPに対して液圧Pの増加量ΔPが過大となる。このため、液圧Pによりロッド4に作用する反力に起因してブレーキペダル2に作用する反力(ペダル反力)が適度に得られず、踏力FPが軽すぎる(ブレーキペダル2が急激に軽くなった)ように感じられる。したがって、ペダルフィーリングが悪化するおそれがある。また、レバー比R(F)がピーク値R(F)5となるペダルストロークSP5よりも(リンク機構上の)最大ペダルストロークが大きいと、ペダルストロークSPがSP5を超えたときにロッド4が逆進してしまう。結果として、図23の二点鎖線に示すように、SPがSP5を越えた領域で、ブレーキペダル2を踏み込んでいるにも関わらず液圧Pが下がってしまう(減速度Gの抜けが発生するおそれがある)。
これに対し、本実施例のリンク式倍力装置3は、ブレーキ操作後期(ブレーキペダル2の踏込み後半)、SPがSP2以上になるとブレーキペダル2のストロークを規制するストローク規制部8を備える。これによりブレーキ特性を調整することで、上記不具合の発生を抑制することができる。ストローク規制部8はダンパとしての第1弾性部材86及び第2弾性部材87を備える。弾性部材86,87は、SPがSP2以上(SP30未満)でペダル反力を増大させることで、実効的な(SPの増大に用いられる)踏力FPを減少(減衰)させる。よって、図21の実線に示すように、ブレーキ操作後期に、ΔFPに対してΔSPが過大となることが抑制される。また、図22の実線に示すように、ΔFPに対してΔPが過大となることが抑制される。よって、適度なペダル反力を得て、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
具体的には、SP1(FP1)より大きく、かつレバー比R(F)が過度に増大し始める手前のSP2(FP2)で、ブレーキペダル2が当接部材80に当接して弾性部材86,87がダンパとして機能し始めるように設定する。SP2(FP2)からSP30(FP30)まで、弾性部材86,87が圧縮変形する。弾性部材86,87の特性を適宜変更することで、ブレーキ特性を任意に設定可能となる。なお、弾性部材86,87は、当接部材80にブレーキペダル2が当接したときの衝撃を吸収する機能も有している。特に、ばね部としての第1弾性部材86を備えることにより、上記当接時の衝撃を効果的に吸収し、ペダルフィーリングを向上することができる。また、ばね部としての第1弾性部材86に直列に、緩衝部材としての第2弾性部材87を配置することにより、ばね部(第1弾性部材86)のみでは不足しがちな減衰力を確保し、ブレーキ特性を効果的に調整することができる。よって、ペダルフィーリングの悪化をより効果的に抑制することができる。
また、SP(FP)がSP30(FP30)以上になると、SP3(FP3)に達するまで、緩衝部材としての第3弾性部材88が圧縮変形する。第3弾性部材88は、第2弾性部材87よりも圧縮変形しにくく(固く)設けられている。よって、図21に示すように、第3弾性部材88がある程度圧縮変形した状態では、ペダル反力が著しく大きくなって、ブレーキペダル2がそれ以上ストロークできなくなる(ストロークが狭い意味で規制される)。この規制後の最大ペダルストロークSP3は、図23に示すように、ロッド4が逆進する(レバー比R(F)がピーク値となる)SP5よりも小さく設定されている。これにより、ブレーキ操作後期に、SPがSP5を超えることを回避し、ブレーキペダル2を踏み込んでいるにも関わらず液圧Pが下がってしまう(減速度Gの抜けが発生する)事態を抑制することができる。よって、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。第3弾性部材88は、第2弾性部材87に対して並列に配置されているため、直列に配置された場合に比べて効果的に、ブレーキペダル2のストロークを止めるストッパとしての機能を発揮することができる。また、第3弾性部材88はある程度圧縮変形可能に設けられているため、ブレーキペダル2のストロークを止める際の衝撃を緩和することができる。
以上のように、ストローク規制部8は、ペダルストロークSPが所定量SP2以上でブレーキペダル2の操作力(踏力FP)を調整するブレーキ操作力調整部を構成している。ストローク規制部8は、リンク式倍力装置3のリンク特性に合わせて(これを補完するように)踏力FPを調整することで、ブレーキ特性を任意に設定可能としている。
[実施例1の効果]
以下、実施例1のブレーキ装置1が奏する効果を列挙する。
(A1)ブラケット7に対し揺動自在に支持されたブレーキペダル2と、
ブレーキペダル2に連動し軸方向に作動するとともに、ホイルシリンダの液圧を発生するマスタシリンダ5の液圧を発生するためのピストンに対し回動可能に接続されたロッド4と、
ブレーキペダル2とロッド4との間を接続し、ブレーキペダル2の操作力(踏力FP)を増幅してロッド4へ伝えるリンク式倍力装置3を備え、
リンク式倍力装置3は、
一端側がブレーキペダル2に対し回動可能に接続された第1リンク31と、
ブラケット7に対し揺動自在に接続されるとともに、一端側が第1リンク31の他端側に対し回動可能に接続され、他端側がロッド4に対し回動可能に接続された第2リンク32とを備え、
ブレーキペダル2のストローク量(ペダルストロークSP)に対するロッド4の軸方向ストローク量(ロッドストロークSR)が少なくなるように設定されている。
よって、倍力機能を実現しつつ、消費エネルギを抑制することができる。
(B1)ブラケット7に対し揺動自在に支持されたブレーキペダル2と、
ブレーキペダル2に連動し軸方向にストロークして、ホイルシリンダの液圧を発生するマスタシリンダ5の液圧を発生するためにマスタシリンダ5のピストンに対し回動可能に接続したロッド4と、
一端側がブレーキペダル2に対し回動可能に接続された第1リンク31と、一端側が第1リンク31の他端側に対し回動可能に接続され、他端側がロッド4に対し回動可能に接続され、ブラケット7に対し揺動自在に接続された第2リンク32とを有し、ブレーキペダル2のストローク初期より後期の方がブレーキペダル2のストロークの変化量ΔSPに対するロッド4の軸方向ストロークの変化量ΔSRが少なくなるように設定され、ブレーキペダル2の操作力(踏力FP)を増幅してロッド4へ伝えるリンク式倍力装置3と、
マスタシリンダ5とホイルシリンダとの間に設けられ、ホイルシリンダの液圧を制御する液圧制御ユニット6を備えた。
よって、倍力機能を実現しつつ、消費エネルギを抑制することができる。また、制動の応答性を向上する等、ブレーキ特性を改善することができる。さらに、車両に一般に必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、簡易なブレーキシステムを実現できる。
(C1)ブラケット7に対し揺動自在に支持されたブレーキペダル2と、
ブレーキペダル2に連動し軸方向にストロークして、ホイルシリンダの液圧を発生するマスタシリンダ5の液圧を発生するためのピストンに対し回動可能に接続したロッド4と、
一端側がブレーキペダル2に対し回動自在に接続された第1リンク31と、一端側が第1リンク31の他端側に対し回動可能に接続され、他端側がロッド4に対し揺動可能に接続され、ブラケット7に対し揺動自在に接続された第2リンク32とを有し、ブレーキペダル2のストローク量(ペダルストロークSP)が所定量SP4になるまで、ロッド4のストローク量に対するブレーキペダル2のストローク量の比率SP/SRと、ブレーキペダル2の操作力(踏力FP)に対するロッド4の推力の比率FR/FPとの差分が漸増するよう設定されて、ブレーキペダル2の操作力を増幅してロッド4へ伝えるリンク式倍力装置3とを備えた。
よって、倍力機能を実現しつつ、消費エネルギを抑制することができる。また、制動の応答性を向上する等、ブレーキ特性を改善することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成はこれらの実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、ブレーキペダルやリンク式倍力装置やストローク規制部の具体的な構成は実施例のものに限られない。ストローク規制部の当接部がブレーキペダル以外の部材(リンク式倍力装置の各リンクやロッド等)に当接するように設けてもよい。実施例では、当接部がブレーキペダルに当接するようにしたことで、当接により当接部に作用する力が、リンク式倍力装置による倍力前の小さな力となる。このため、当接部の耐久性を向上できると共に、当接部の剛性を低くしてこれを小型化することが可能となる。また、弾性部材86〜88が圧縮により減衰すべき力も、リンク式倍力装置による倍力前の小さな力となる。このため、弾性部材86〜88の耐久性を向上できると共に、弾性部材86〜88を小型化することが可能となる。よって、ストローク規制部を小型化して、装置全体をコンパクト化することができる。
以下に、実施例から把握される、特許請求の範囲に記載した以外の発明を列挙する。
(A2)請求項1に記載のブレーキ装置において、
前記マスタシリンダと、油路を介して前記マスタシリンダに接続する前記ホイルシリンダとの間に、アンチロックブレーキ制御を実行可能な液圧制御ユニットを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、車両に一般に必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、簡易なブレーキシステムを実現できる。
(A3)請求項1に記載のブレーキ装置において、
前記マスタシリンダと、油路を介して前記マスタシリンダに接続する前記ホイルシリンダとの間に、アンチロックブレーキ制御及び車両挙動制御を実行可能な液圧制御ユニットを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、車両に一般に必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、簡易なブレーキシステムを実現できる。
(A4)請求項1に記載のブレーキ装置において、
前記リンク式倍力装置は、前記ブレーキペダルのストローク量が所定量になると前記ブレーキペダルのストロークを規制するストローク規制部を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、リンク式倍力装置のリンク特性を補完してブレーキ特性を調整することができる。
(A5)上記(A4)に記載のブレーキ装置において、
前記ストローク規制部は、前記ブレーキペダルに当接可能な当接部を備え、前記当接部で前記ブレーキペダルのストロークを規制することを特徴とするブレーキ装置。
よって、当接部の耐久性を向上し、またストローク規制部を小型化することができる。
(A6)上記(A5)に記載のブレーキ装置において、
前記当接部に前記ブレーキペダルが当接したときの衝撃を吸収するダンパを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
(A7)上記(A6)に記載のブレーキ装置において、
前記ダンパは、ばね部と、前記ばね部に直列に配置された緩衝部材とを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
(A8)上記(A6)に記載のブレーキ装置において、
前記ストローク規制部は、前記ブレーキペダルのストローク量が前記所定量以上で前記ブレーキペダルのストロークを止めるストッパを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
(B2)請求項2に記載のブレーキ装置において、
前記液圧制御ユニットは、前記ホイルシリンダの液圧を減圧するアンチロックブレーキ制御部を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、車両に一般に必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、簡易なブレーキシステムを実現できる。
(B3)上記(B2)に記載のブレーキ装置において、
前記リンク式倍力装置は、前記ブレーキペダルのストローク量が前記所定量になると前記ブレーキペダルのストロークを規制するストローク規制部を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、リンク式倍力装置のリンク特性を補完してブレーキ特性を調整することができる。
(B4)上記(B3)に記載のブレーキ装置において、
前記ストローク規制部は、
前記ブレーキペダルが当接する当接部と、
前記当接部に前記ブレーキペダルが当接したときの衝撃を吸収するダンパとを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、当接部の耐久性を向上し、またストローク規制部を小型化することができる。また、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
(B5)上記(B4)に記載のブレーキ装置において、
前記ダンパは、ばね部と、前記ばね部に直列に配置された緩衝部材とを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
(B6)請求項2に記載のブレーキ装置において、
前記リンク式倍力装置は、運転者によるブレーキ操作がされていない初期状態において、前記ブレーキペダルの力点から前記ブラケットに対する揺動中心までの距離をaとしたときに、
前記ブレーキペダルの前記揺動中心から前記ピストンに対する前記ロッドの回動中心を通る垂線までの距離が5a/8、
前記ロッドに対する前記第2リンクの回動中心から前記垂線までの距離が5a/17、
前記ロッドに対する前記第2リンクの回動中心から前記ブラケットに対する前記第2リンクの揺動中心までの距離がa/8、
前記第2リンクの前記揺動中心から前記第1リンクの前記他端側に対する前記第2リンクの回動中心までの距離がa/6、
前記ブレーキペダルの前記揺動中心から前記ブレーキペダルに対する前記第1リンクの前記一端側の回動中心までの距離が10a/43、
前記ピストンに対する前記ロッドの回動中心から前記ブレーキペダルの前記揺動中心を通る水平線までの距離が5a/14、
前記第2リンクの前記揺動中心から前記水平線までの距離が5a/21、
前記ブレーキペダルの前記揺動中心を始点として前記ブレーキペダルの力点を通る半直線と前記第1リンクの前記一端側の回動中心を通る半直線とがなす角度が30.5度、
前記第2リンクの前記揺動中心を通る水平線と、前記第2リンクの前記揺動中心を始点として前記第1リンクの前記他端側に対する前記第2リンクの回動中心を通る半直線とがなす角度が25度となるように設定されている
ことを特徴とするブレーキ装置。
このような具体的なジオメトリによって、上記(B1)のようなリンク特性(倍力特性)を得ることができる。
(C2)請求項3に記載のブレーキ装置において、
前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとの間に設けられ、前記ホイルシリンダの液圧を制御する液圧制御ユニットを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、車両に一般に必要とされるブレーキ性能を満足しつつ、簡易なブレーキシステムを実現できる。
(C3)請求項3に記載のブレーキ装置において、
前記リンク式倍力装置は、前記ブレーキペダルのストローク量が第2の所定量以上で前記ブレーキペダルのストロークを規制するストローク規制部を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、リンク式倍力装置のリンク特性を補完してブレーキ特性を調整することができる。
(C4)上記(C3)に記載のブレーキ装置において、
前記ストローク規制部は、
前記ブレーキペダルが当接する当接部と、
前記当接部に前記ブレーキペダルが当接したときの衝撃を吸収するダンパとを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、当接部の耐久性を向上し、またストローク規制部を小型化することができる。また、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
(C5)上記(C4)に記載のブレーキ装置において、
前記ダンパは、ばね部と、前記ばね部に直列に配置された緩衝部材とを備えたことを特徴とするブレーキ装置。
よって、ペダルフィーリングの悪化を抑制することができる。
(C6)請求項3に記載のブレーキ装置において、
前記リンク式倍力装置は、運転者によるブレーキ操作がされていない初期状態において、前記ブレーキペダルの力点から前記ブラケットに対する揺動中心までの距離をaとしたときに、
前記ブレーキペダルの前記揺動中心から前記ピストンに対する前記ロッドの回動中心を通る垂線までの距離が5a/8、
前記ロッドに対する前記第2リンクの回動中心から前記垂線までの距離が5a/17、
前記ロッドに対する前記第2リンクの回動中心から前記ブラケットに対する前記第2リンクの揺動中心までの距離がa/8、
前記第2リンクの前記揺動中心から前記第1リンクの前記他端側に対する前記第2リンクの回動中心までの距離がa/6、
前記ブレーキペダルの前記揺動中心から前記ブレーキペダルに対する前記第1リンクの前記一端側の回動中心までの距離が10a/43、
前記ピストンに対する前記ロッドの回動中心から前記ブレーキペダルの前記揺動中心を通る水平線までの距離が5a/14、
前記第2リンクの前記揺動中心から前記水平線までの距離が5a/21、
前記ブレーキペダルの前記揺動中心を始点として前記ブレーキペダルの力点を通る半直線と前記第1リンクの前記一端側の回動中心を通る半直線とがなす角度が30.5度、
前記第2リンクの前記揺動中心を通る水平線と、前記第2リンクの前記揺動中心を始点として前記第1リンクの前記他端側に対する前記第2リンクの回動中心を通る半直線とがなす角度が25度となるように設定されている
ことを特徴とするブレーキ装置。
このような具体的なジオメトリによって、上記(C1)のようなリンク特性(倍力特性)を得ることができる。
2 ブレーキペダル
3 リンク式倍力装置
31 第1リンク
32 第2リンク
4 ロッド
5 マスタシリンダ
6 液圧制御ユニット
7 ブラケット
8 ストローク規制部

Claims (3)

  1. ブラケットに対し揺動自在に支持されたブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルに連動し軸方向に作動するとともに、ホイルシリンダの液圧を発生するマスタシリンダの液圧を発生するためのピストンに対し回動可能に接続されたロッドと、
    前記ブレーキペダルと前記ロッドとの間を接続し、前記ブレーキペダルの操作力を増幅して前記ロッドへ伝えるリンク式倍力装置を備え、
    前記リンク式倍力装置は、
    一端側が前記ブレーキペダルに対し回動可能に接続された第1リンクと、
    前記ブラケットに対し揺動自在に接続されるとともに、一端側が前記第1リンクの他端側に対し回動可能に接続され、他端側が前記ロッドに対し回動可能に接続された第2リンクとを備え、
    前記ブレーキペダルのストローク量が大きくなるにつれて、前記ロッドの軸方向ストローク量に対する前記ブレーキペダルのストローク量の比率大きくなるように設定されている
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  2. ブラケットに対し揺動自在に支持されたブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルに連動し軸方向にストロークして、ホイルシリンダの液圧を発生するマスタシリンダの液圧を発生するために前記マスタシリンダのピストンに対し回動可能に接続したロッドと、
    一端側が前記ブレーキペダルに対し回動可能に接続された第1リンク、及び、一端側が前記第1リンクの他端側に対し回動可能に接続され、他端側が前記ロッドに対し回動可能に接続され、前記ブラケットに対し揺動自在に接続された第2リンクを有し、前記ブレーキペダルのストローク初期より後期の方が前記ブレーキペダルのストロークの変化量に対する前記ロッドの軸方向ストロークの変化量が少なくなるように設定され、前記ブレーキペダルの操作力を増幅して前記ロッドへ伝えるリンク式倍力装置とを備えた
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のブレーキ装置において、
    前記リンク式倍力装置は、前記ブレーキペダルのストローク量が所定量になるまで、前記ロッドの軸方向ストローク量に対する前記ブレーキペダルのストローク量の比率と、前記ブレーキペダルの操作力に対する前記ロッドの推力の比率との差分が漸増するよう設定されていることを特徴とするブレーキ装置。
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