JP2015058574A - ホットランナーノズルと、このホットランナーノズルを取り付けた金型と、この金型による成形方法、及び成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、複数種の溶融樹脂を用いて成形品を成形する金型の型内空間のゲートにノズルゲートを対応させて取り付けられるホットランナーノズルであり、
ノズルゲートを求心位置にして連続する漏斗部を有し、第一溶融樹脂を前記漏斗部の求心位置に集合させて前記ノズルゲートへ送り込む第一樹脂流路と、
第一樹脂流路における前記漏斗部に複数の吐出口を臨ませて連通していて、その吐出口それぞれが前記求心位置の周りに配置され、前記第一溶融樹脂とは異なる第二溶融樹脂を前記漏斗部に送り込む複数の第二樹脂流路とを
備えることを特徴とするホットランナーノズルを提供して上記課題を解消するものである。
そして上記発明において、上記ノズルゲートを閉鎖開放可能なシャットピンを備えるものとすることが良好である。
また、もう一つの発明は、上記発明のホットランナーノズルが、該ホットランナーノズルのノズルゲートが成形品を成形する型内空間のゲートに対応して取り付けられていることを特徴とする金型であり、この金型を提供して上記課題を解消するものである。
そして、上記発明において、上記漏斗部に臨む第二樹脂流路の吐出口が、上記求心位置を中心にして該求心位置の周りに移動可能とされていることが良好である。
また、もう一つの発明は、上記発明の金型に、上記第一樹脂流路に上記第一溶融樹脂を送り込む第一射出装置と上記第二樹脂流路に上記第二溶融樹脂を送り込む第二射出装置が取り付けられ、前記第一溶融樹脂と第二溶融樹脂とをホットランナーノズルから金型の型内空間へ送り込んで、成形品周方向に、第一溶融樹脂からなる第一樹脂部と第二溶融樹脂からなる第二樹脂部とを有する成形品を成形するに際し、
前記第二樹脂流路は複数設けられていて、この複数の第二樹脂流路に複数の第二射出装置が対応し、少なくとも一つの第二射出装置の溶融樹脂送り込み動作により該一つの第二射出装置に対応する第二樹脂流路からの第二溶融樹脂が上記漏斗部に送り込まれ、
前記第一樹脂流路の第一溶融樹脂と、前記第二樹脂流路での前記溶融樹脂送り込み動作をする第二射出装置により送り込まれる前記第二溶融樹脂とが漏斗部で合流することを特徴とするホットランナーノズルを取り付けた金型による成形方法を提供して、上記課題を解消するものである。
また、もう一つの発明は、上記発明の成形方法により成形された成形品であって、成形品周方向に、上記第一樹脂部と第二樹脂部とが交互に配置され、交互配置パターンが表出していることを特徴とする成形品であり、この成形品を提供して上記課題を解消するものである。
また、もう一つの発明は、上記発明の成形方法により成形された成形品であって、成形品周方向に、上記第一樹脂部と第二樹脂部とが交互に配置されて第一樹脂部と第二樹脂部とが同方向に傾斜し、交互配置パターンがねじれて表出していることを特徴とする成形品であり、この成形品を提供して上記課題を解消するものである。
請求項1に係る発明によれば、ホットランナーノズルが、ノズルゲートを求心位置にして連続する漏斗部を有し、第一溶融樹脂を前記漏斗部の求心位置に集合させて前記ノズルゲートへ送り込む第一樹脂流路と、第一樹脂流路における前記漏斗部に複数の吐出口を臨ませて連通していて、その吐出口それぞれが前記求心位置の周りに配置され、前記第一溶融樹脂とは異なる第二溶融樹脂を前記漏斗部に送り込む複数の第二樹脂流路とを備えているので、前記第一樹脂流路に溶融樹脂を送り込むランナーと、前記第二樹脂流路に溶融樹脂を送り込むランナーが形成されている金型にこのホットランナーノズルを取り付け、その金型での型内空間のゲートとホットランナーノズルのノズルゲートとを対応させることにより、成形品の複数取りであっても型内空間とホットランナーノズルとが一対一で対応し、縞模様を発現するようにしたノズルゲートでの合流状態のままで複数種の溶融樹脂が型内空間に送り込みできるようになるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、ノズルゲートを閉鎖開放可能なシャットピンを備えており、シャットピンでのノズルゲートの閉鎖と開放という簡易な動作で、型内空間への溶融樹脂の送り込みの停止と送り込みの開始とが行なえる。
請求項3に係る発明によれば、金型での型内空間のゲートとホットランナーノズルのノズルゲートとが対応しているので、成形品の複数取りであっても型内空間とホットランナーノズルとが一対一で対応し、縞模様を発現するようにしたノズルゲートでの合流状態のままで複数種の溶融樹脂が型内空間に送り込みできるようになるという効果を奏する。
請求項4に係る発明によれば、成形品周面に成形品周りでの一方向に曲がった縞模様が表われるようにすることができ、合成樹脂成形品において斬新なデザインを有するようになるという効果を奏する。
請求項5に係る発明によれば、第二樹脂流路を流れる第二溶融樹脂の送り込みを、その第二樹脂流路に対応する第二射出装置の溶融樹脂送り込み動作で制御するので、第二射出装置の射出タイミング、断続回数、溶融樹脂送り出しの速度などの射出条件を変えるだけで、成形品における縞模様の縞部分の配置、太さを簡単に変更できるという効果を奏する。
請求項6に係る発明によれば、合成樹脂成形品において斬新なデザインを有する射出成形法での成形品になるという効果を奏する。
請求項7に係る発明によれば、合成樹脂成形品において斬新で変化に富んだデザインを有する射出成形法での成形品になるという効果を奏する。
金型5は上述したようにカップ状として縞模様の文様を備える成形品を成形するためのものであり、成形品の主要部分を成す第一樹脂部とこの第一樹脂部との並びで縞模様を形成するための部分を成す第二樹脂部とが一体的にして成形されるようにしているものである。そのため、前記金型5には、固定型3に取り付けのホットランナーノズル1側に前記第一樹脂部を得るための第一溶融樹脂を送り込む第一射出装置Aと、色彩を前記第一溶融樹脂の色彩に相違することで異種となって前記第二樹脂部を得るための第二溶融樹脂を送り込む第二射出装置Bとが接続されている。これによって、図1に示すようにこれらの第一、第二射出装置A、Bから第一、第二溶融樹脂の二種の溶融樹脂をホットランナーノズル1側に送り込み、このホットランナーノズル1から型内空間2に前記第一、第二溶融樹脂を送り込んで成形品を得る射出成形機を構成している。
図2から図5はホットランナーノズル1の第一の例が取り付けられた金型5にて成形を行なう点が示されている。このホットランナーノズル1では、ノズルゲート7の位置が該ノズル1の軸中心が通る位置とされ、そのノズルゲート7に連続するようにしてシャットピン用孔8を設けてこのシャットピン用孔8も軸中心が通る位置としている。前記シャットピン用孔8にはシャットピン9が進退移動可能にして位置し、シャットピン9が金型5の固定部分に取り付けられたピン駆動手段10に支持され、駆動手段10の動作の下でノズル1の長手方向に進退移動するようにしている。
上記ホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂と第二溶融樹脂とを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、まず、駆動手段10の動作にてノズルゲート7をシャットピン9が閉鎖している段階(シャットピン9で第一樹脂流路11の吐出口15を閉鎖している状態)で第一射出装置Aにより第一溶融樹脂aに送り込みの圧力を加えておく。そして、成形の開始では、シャットピン9が吐出口15を開く位置まで後退してノズルゲート7を開放し、第一溶融樹脂aをこのホットランナーノズル1から型内空間2へと送り込むようにする。図4参照
上記例のホットランナーノズル1は、それぞれに第二溶融樹脂が通る五つの第二樹脂流路12を内芯体14に設けているが、前記内芯体14に対して更に他種の溶融樹脂が通る流路を設けるようにしてもよい。その例が図6から図9に示されている。
第二の例のホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂b、b′とを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、ノズルゲート7を閉じた状態で第一射出装置Aにより第一溶融樹脂aに送り込みの圧力を加えておく。そして、成形の開始では、ノズルゲート7を開放し、第一溶融樹脂aをこのホットランナーノズル1から型内空間2へと送り込むようにする(図8)。なお、この時点で、第一溶融樹脂a以外の溶融樹脂には送り込みの圧力が加えられておらず、この点は上記例と同じである。
つぎに縞模様の縞それぞれが同一方向に湾曲した成形品を成形する例を以下に示す。このように縞模様の縞となる樹脂部が、型内空間での溶融樹脂伸展方向に対して湾曲する形状で成形されるようにするためには、ホットランナーノズル1の内部で、上記漏斗部の求心位置、即ちノズルゲートの位置を通るノズル1の軸中心を中心にしてその周りに第二樹脂流路を回転させ、第二樹脂流路の各吐出口が漏斗部の求心位置を中心にしてその求心位置の周りに移動するようにすればよいものである。
第三の例でのホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、まず、ノズルゲート7を閉鎖している段階で第一射出装置Aにより第一溶融樹脂aに送り込みの圧力を加えておく。そして、成形の開始では、シャットピン9が吐出口15を開く位置まで後退してノズルゲート7を開放し、第一溶融樹脂aをこのホットランナーノズル1から型内空間2へと送り込むようにする。図10参照
図12と図13とは、上述した第三の例と同様に螺旋状の縞模様を呈する成形品を得るための第四のホットランナーノズルを取り付けた金型よりなる成形を示している。この第四の例でのホットランナーノズル1は図12に示されているように、シャットピン及びシャットピン用孔を有していない。即ち、溶融樹脂の送り出しとその停止とはシャットピンによるノズルゲートの閉鎖開放によって行なうものではなく、第一射出装置と第二射出装置との各射出装置での送り込み圧力の調整によって行なったり、既存の方法により溶融樹脂の送り込みとその停止を行なうことができる。なお、この第四の例においては、第一射出装置と第二射出装置との各射出装置での送り込み圧力の調整によって行なう。
第四の例でのホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、第二射出装置Bでの送り込みを停止した状態で第一射出装置Aでの第一溶融樹脂aの送り込みを開始し、ノズルゲート7を経て第一溶融樹脂aを型内空間2に送り込む。図12参照
2…型内空間
3…固定型
4…移動型
5…金型
7…ノズルゲート
8…シャットピン用孔
9…シャットピン
11…第一樹脂流路
12、12′…第二樹脂流路
14…内芯体
15…第一樹脂流路の吐出口
16…漏斗部
17、18…第二樹脂流路の吐出口
A…第一射出装置
B…第二射出装置
a1…第一樹脂部
b1、b2…第二樹脂部
Claims (7)
- 複数種の溶融樹脂を用いて成形品を成形する金型の型内空間のゲートにノズルゲートを対応させて取り付けられるホットランナーノズルであり、
ノズルゲートを求心位置にして連続する漏斗部を有し、第一溶融樹脂を前記漏斗部の求心位置に集合させて前記ノズルゲートへ送り込む第一樹脂流路と、
第一樹脂流路における前記漏斗部に複数の吐出口を臨ませて連通していて、その吐出口それぞれが前記求心位置の周りに配置され、前記第一溶融樹脂とは異なる第二溶融樹脂を前記漏斗部に送り込む複数の第二樹脂流路とを
備えることを特徴とするホットランナーノズル。 - 上記ノズルゲートを閉鎖開放可能なシャットピンを備える請求項1に記載のホットランナーノズル。
- 請求項1または2に記載のホットランナーノズルが、該ホットランナーノズルのノズルゲートが成形品を成形する型内空間のゲートに対応して取り付けられていることを特徴とする金型。
- 上記漏斗部に臨む第二樹脂流路の吐出口が、上記求心位置を中心にして該求心位置の周りに移動可能とされている請求項3に記載の金型。
- 請求項3または4に記載の金型に、上記第一樹脂流路に上記第一溶融樹脂を送り込む第一射出装置と上記第二樹脂流路に上記第二溶融樹脂を送り込む第二射出装置が取り付けられ、前記第一溶融樹脂と第二溶融樹脂とをホットランナーノズルから金型の型内空間へ送り込んで、成形品周方向に、第一溶融樹脂からなる第一樹脂部と第二溶融樹脂からなる第二樹脂部とを有する成形品を成形するに際し、
前記第二樹脂流路は複数設けられていて、この複数の第二樹脂流路に複数の第二射出装置が対応し、少なくとも一つの第二射出装置の溶融樹脂送り込み動作により該一つの第二射出装置に対応する第二樹脂流路からの第二溶融樹脂が上記漏斗部に送り込まれ、
前記第一樹脂流路の第一溶融樹脂と、前記第二樹脂流路での前記溶融樹脂送り込み動作をする第二射出装置により送り込まれる前記第二溶融樹脂とが漏斗部で合流することを特徴とするホットランナーノズルを取り付けた金型による成形方法。 - 請求項5に記載の成形方法により成形された成形品であって、成形品周方向に、上記第一樹脂部と第二樹脂部とが交互に配置され、交互配置パターンが表出していることを特徴とする成形品。
- 請求項5に記載の成形方法により成形された成形品であって、成形品周方向に、上記第一樹脂部と第二樹脂部とが交互に配置されて第一樹脂部と第二樹脂部とが同方向に傾斜し、交互配置パターンがねじれて表出していることを特徴とする成形品。
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