JP5908445B2 - ホットランナーノズルと、このホットランナーノズルを取り付けた金型 - Google Patents

ホットランナーノズルと、このホットランナーノズルを取り付けた金型 Download PDF

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Description

本発明は合成樹脂製のコップなどのような比較的薄肉で縞模様のある成形品を射出成形にて得るためのホットランナーノズルと、このホットランナーノズルを取り付けた金型に関するものである。
合成樹脂材からなる成形品には、種類が異なる二種の樹脂を利用し、例えば一方の樹脂を成形品表層用(成形品内表面側の層と外表面側の層)の樹脂を層状にするとともに、他方の樹脂を成形品中層用の樹脂も層状にした層構成を有したものがあって、目的とする機能を発現する樹脂を成形品中層用の樹脂として層状にし、この層を成形品表層用の樹脂からなる層でサンドイッチするように成形しているものがある。多層の成形品には二種の樹脂を三層とする層構成だけでなく、三種の樹脂で五層の層構成、またそれ以上の層が重なっている層構成を備え成形品も流通している。
このような複数層の層構成を有する成形品を射出成形法を用いて成形するに際し、特許文献1に示されているように、複数種の溶融樹脂が内部に流れるようにしたホットランナーノズルを利用し、そのホットランナーノズルで成形品表層用溶融樹脂と成形品中間層用溶融樹脂とを合流させた状態で金型に送り込んで成形を行なう方法が知られている。
特公平06−059672号公報
ところで、複数種の合成樹脂材よりなる成形品を射出成形法にて多数個取りで成形しようとした場合、射出装置側から合流した状態で送り出された溶融樹脂の流れは、金型側のランナーの分岐した部分を経て各型内空間に達するまでの過程で、そのランナーの曲がりの影響を受けて合流状態が変化し、一部の溶融樹脂が型内空間の一部分に偏った状態で送り込まれる現象が生じる。このような現象は上記ホットランナーノズルを射出装置のノズルとして取り付け、複数種の溶融樹脂を合流した状態でその射出装置から送り出したとしても同様に生じる。
即ち、ホットランナーノズル自体は、複数種の溶融樹脂がノズルゲートまでに至る樹脂流路がノズル内で分けた構造を有しているので、成形品のデザイン性を向上されるために加える溶融樹脂、具体的には、縞模様を有するデザインの成形品を成形するための溶融樹脂も同時に流れるようにすることができるが、しかし、このような縞模様を形成可能なホットランナーノズルを射出装置にセットして射出成形を行なったとしても、前述のような一部の溶融樹脂に偏りが発生し、縞模様の数が想定通りに成形できす、混色が発生する可能性がある。そのため、ホットランナーノズルを用いて縞模様のある成形品を複数取りする成形ができないという問題が解決できない。
そこで本発明は上記課題を考慮してなされたもので、縞模様を有する成形品を複数取りで成形するに際し、一部の溶融樹脂が不適切に偏った状態で型内空間に送り込まれないようにすることを課題とし、縞模様を有してデザインに優れた成形品を得ることを目的とするものである。
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、複数種の溶融樹脂を用いて成形品を成形する金型の型内空間のゲートにノズルゲートを対応させて取り付けられるホットランナーノズルであり、
ノズルゲートを求心位置にして連続する漏斗部を有し、第一溶融樹脂を前記漏斗部の求心位置に集合させて前記ノズルゲートへ送り込む第一樹脂流路と、
第一樹脂流路における前記漏斗部に複数の吐出口を臨ませて連通していて、その吐出口それぞれが前記求心位置の周りに配置され、前記第一溶融樹脂とは異なる第二溶融樹脂を前記漏斗部に送り込む複数の第二樹脂流路とを
備え
漏斗部に臨む前記第二樹脂流路の吐出口が、前記求心位置を中心にして該求心位置の周りに移動可能とされていることを特徴とするホットランナーノズルを提供して上記課題を解消するものである。
(請求項2の発明)
そして上記発明において、上記ノズルゲートを閉鎖開放可能なシャットピンを備えるものとすることが良好である。
(請求項3の発明)
また、もう一つの発明は、上記発明のホットランナーノズルが、該ホットランナーノズルのノズルゲートが成形品を成形する型内空間のゲートに対応して取り付けられていることを特徴とする金型であり、この金型を提供して上記課題を解消するものである。
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(請求項1の発明の効果)
請求項1に係る発明によれば、ホットランナーノズルが、ノズルゲートを求心位置にして連続する漏斗部を有し、第一溶融樹脂を前記漏斗部の求心位置に集合させて前記ノズルゲートへ送り込む第一樹脂流路と、第一樹脂流路における前記漏斗部に複数の吐出口を臨ませて連通していて、その吐出口それぞれが前記求心位置の周りに配置され、前記第一溶融樹脂とは異なる第二溶融樹脂を前記漏斗部に送り込む複数の第二樹脂流路とを備えているので、前記第一樹脂流路に溶融樹脂を送り込むランナーと、前記第二樹脂流路に溶融樹脂を送り込むランナーが形成されている金型にこのホットランナーノズルを取り付け、その金型での型内空間のゲートとホットランナーノズルのノズルゲートとを対応させることにより、成形品の複数取りであっても型内空間とホットランナーノズルとが一対一で対応し、縞模様を発現するようにしたノズルゲートでの合流状態のままで複数種の溶融樹脂が型内空間に送り込みできるようになるという効果を奏する。
また、成形品周面に成形品周りでの一方向に曲がった縞模様が表われるようにすることができ、合成樹脂成形品において斬新なデザインを有するようになるという効果を奏する。
(請求項2の発明の効果)
請求項2に係る発明によれば、ノズルゲートを閉鎖開放可能なシャットピンを備えており、シャットピンでのノズルゲートの閉鎖と開放という簡易な動作で、型内空間への溶融樹脂の送り込みの停止と送り込みの開始とが行なえる。
(請求項3の発明の効果)
請求項3に係る発明によれば、金型での型内空間のゲートとホットランナーノズルのノズルゲートとが対応しているので、成形品の複数取りであっても型内空間とホットランナーノズルとが一対一で対応し、縞模様を発現するようにしたノズルゲートでの合流状態のままで複数種の溶融樹脂が型内空間に送り込みできるようになるという効果を奏する。
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検討技術に係るホットランナーノズルの第一の例を用いる射出成形機を示す説明図である。 同じく検討技術の第一の例を取り付けた金型を示す説明図である。 同じく検討技術の第一の例における第一樹脂流路漏斗部と第二趣旨流路吐出口とを示す説明図である。 同じく検討技術の第一の例を用いた金型での第一溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。 同じく検討技術の第一の例を用いた金型での第一溶融樹脂と第二溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。 検討技術に係るホットランナーノズルの第二の例を取り付けた金型を示す説明図である。 同じく検討技術の第二の例における第一樹脂流路漏斗部と第二趣旨流路吐出口とを示す説明図である。 同じく検討技術の第二の例を用いた金型での第一溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。 同じく検討技術の第二の例を用いた金型での第一溶融樹脂と第二溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。 本発明に係るホットランナーノズルの第一の例を用いた金型での第一溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。 同じく本発明の第一の例を用いた金型での第一溶融樹脂と第二溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。 本発明に係るホットランナーノズルの第二の例を用いた金型での第一溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。 同じく本発明の第二の例を用いた金型での第一溶融樹脂と第二溶融樹脂の送り込みを示す説明図である。
つぎに本発明に至るに際して検討した検討技術を図1から図9に示す例に基づいて詳細に説明する。検討技術に係るホットランナーノズル1は、図1に示すようにカップ状の成形品を成形する型内空間2を固定型3と移動型4と間に形成している金型5での前記固定型3に取り付けられていて、前記型内空間2のゲート6の部分にノズルゲート7が直接に臨むようにしてこのホットランナーノズル1が配置されている。
(金型)
金型5は上述したようにカップ状として縞模様の文様を備える成形品を成形するためのものであり、成形品の主要部分を成す第一樹脂部とこの第一樹脂部との並びで縞模様を形成するための部分を成す第二樹脂部とが一体的にして成形されるようにしているものである。そのため、前記金型5には、固定型3に取り付けのホットランナーノズル1側に前記第一樹脂部を得るための第一溶融樹脂を送り込む第一射出装置Aと、色彩を前記第一溶融樹脂の色彩に相違することで異種となって前記第二樹脂部を得るための第二溶融樹脂を送り込む第二射出装置Bとが接続されている。これによって、図1に示すようにこれらの第一、第二射出装置A、Bから第一、第二溶融樹脂の二種の溶融樹脂をホットランナーノズル1側に送り込み、このホットランナーノズル1から型内空間2に前記第一、第二溶融樹脂を送り込んで成形品を得る射出成形機を構成している。
(ノズルの検討技術の第一の例 非回転)
図2から図5は検討技術に係るホットランナーノズル1の第一の例が取り付けられた金型5にて成形を行なう点が示されている。このホットランナーノズル1では、ノズルゲート7の位置が該ノズル1の軸中心が通る位置とされ、そのノズルゲート7に連続するようにしてシャットピン用孔8を設けてこのシャットピン用孔8も軸中心が通る位置としている。前記シャットピン用孔8にはシャットピン9が進退移動可能にして位置し、シャットピン9が金型5の固定部分に取り付けられたピン駆動手段10に支持され、駆動手段10の動作の下でノズル1の長手方向に進退移動するようにしている。
さらに、ホットランナーノズル1には、上記第一射出装置Aから固定型のランナー部分を経て第一溶融樹脂が送り込まれて、その第一溶融樹脂をノズルゲート7側に向けて送り込みできるようした第一樹脂流路11と、上記第二射出装置Bから固定型のランナー部分を経て第二溶融樹脂が送り込まれて、その第二溶融樹脂を前記第一溶融樹脂と合流した状態でノズルゲート7側に向けて送り込みできるようにした第二樹脂流路12とを備えている。
上記第一樹脂流路11は、ノズルゲート7があるノズル先端側をテーパー状に絞り込んだ内面形状の外筒体13の内部に内芯体14を入れて、その外筒体13と内芯体14との間で形成されているものである。そして、図示されているようにノズルゲート7の後端側にして上記シャットピン用孔8の周面位置に揃う位置にして吐出口15を配しているとともに、その吐出口15が対応位置している前記ノズルゲート7を求心位置にして吐出口15から傘状に開く形状にして連続する漏斗部16(即ち、漏斗部16の凸となる中心部分がノズルゲート7に連続している)と、この漏斗部16のノズルゲート側とは反対側の端部に連続する筒状部17とからなり、第一射出装置からの第一溶融樹脂を漏斗部16の求心位置であるノズルゲート7側に集合させてから型内空間2側へと送り込むための流路である。
上記第二樹脂流路12は、上記芯体14の内部において上記軸中心周りに五か所の通路数で等間隔の配置で構成されている。そして、上記第一樹脂流路11の漏斗部16にそれぞれの吐出口17を臨ませて連通していて、図3に示すように五つの吐出口17が求心位置(軸中心の位置)の周りに等間隔にして配置されている。
このように第二樹脂流路12は、その吐出口17が第一樹脂流路11の前記漏斗部16に臨んで連通しているので、第二射出装置Bから送り込まれてノズルゲート7側に向かう第二溶融樹脂を、漏斗部16での吐出口17が対応する位置で第一溶融樹脂と合流させるための流路であり、第一溶融樹脂と第二溶融樹脂とが合流した状態を保ったままノズルゲート7に送り込まれ、さらに合流状態のままノズルゲート7を通って型内空間2へ送り込まれるようにしている。
(成形方法)
上記ホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂と第二溶融樹脂とを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、まず、駆動手段10の動作にてノズルゲート7をシャットピン9が閉鎖している段階(シャットピン9で第一樹脂流路11の吐出口15を閉鎖している状態)で第一射出装置Aにより第一溶融樹脂aに送り込みの圧力を加えておく。そして、成形の開始では、シャットピン9が吐出口15を開く位置まで後退してノズルゲート7を開放し、第一溶融樹脂aをこのホットランナーノズル1から型内空間2へと送り込むようにする。図4参照
所要量の第一溶融樹脂aが型内空間2に送り込まれてから、第二射出装置Bの動作によって第二溶融樹脂bに送り込みの圧力を加えて、その第二溶融樹脂bを吐出口17から送り込むようにする。これによって前記吐出口17から出る第二溶融樹脂bは第一樹脂流路11の漏斗部16を流れる第一溶融樹脂aと合流し、第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとが合流した状態でノズルゲート7を経て型内空間2に送り込まれる。
第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとが圧を加えられて型内空間2に送り込まれるので、この合流した流れがコア側製品面でのゲート対応部位に達すると、そのゲート対応部位を中心とするようにして第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとが広がって、型内空間2のコア側製品面とキャビティ側製品面との間を通りながら伸展することとなる。
これによって型内空間2には第一溶融樹脂からなる第一樹脂部a1と第二溶融樹脂bからなる第二樹脂部b1とが、成形品周り方向に交互に並んだ配置として成形される。図5参照
第一溶融樹脂と第二溶融樹脂との所要量の送り込みが完了すれば、駆動手段10の動作によってシャットピン9が前進してノズルゲート7を閉鎖(吐出口15を閉鎖)し、その後に型開きすることで、上述したように第一樹脂部a1と第二樹脂部b1とが成形品胴周り方向に交互に並んで縞模様を形成した成形品が得られ、その成形品では交互配置パターンが表出しているものとなる。
第一溶融樹脂と第二溶融樹脂との所要量の送り込みが完了した時点では、第二射出装置のみの送り込みの動作を停止すればよく、第一射出装置の第一溶融樹脂に対しては送り込みの圧力を継続的に加えておいてシャットピン9による送り込みの停止を行なっておけばよい。この例において成形品はカップ状の形態にした薄肉のカップを例示したが、成形品はこの例に限定されるものではなく、他の例を挙げるとすれば、PETボトルをストレッチブロー成形して得るためのプリフォームをこの成形品として成形することも可能である。
検討技術のノズルの第二の例 非回転)
上記検討技術における第一の例のホットランナーノズル1は、それぞれに第二溶融樹脂が通る五つの第二樹脂流路12を内芯体14に設けているが、前記内芯体14に対して更に他種の溶融樹脂が通る流路を設けるようにしてもよい。その例が図6から図9に示されている。
なお、上記検討技術の第一の例で第二溶融樹脂は、第一溶融樹脂と色彩の点で相違する一種類の樹脂を用いた例を挙げているが、第二溶融樹脂としては、成形品の成形に際して第一溶融樹脂に合流させて型内空間に送り込みでき、成形品を得る上で支承が生じないものであれば一種類に限定されるものではなく、成形品に縞模様からなるデザインを付与する上で採用できるものであれば、第二溶融樹脂を複数種としてもよい。そして、検討技術におけるこの第二の例で示す縞模様形成用の他種の溶融樹脂は、先に示した二種の溶融樹脂と色彩が相違しているものを使用している。
第二の例のホットランナーノズル1では、芯体14に、上記第二射出装置Bと対応する第二樹脂流路12の外側となるようにして、色彩が上記第二溶融樹脂bの色彩及び上記第一溶融樹脂aの色彩と相違する第二溶融樹脂b′が流れる第二樹脂流路12′が五通路にして設けられている。そして、それぞれの前記流路12′は、上記第二樹脂流路12と同様に第二溶融樹脂b′を上記第一溶融樹脂bと合流した状態でノズルゲート7側に向けて送り込みできるようにするために、吐出口18が漏斗部16に臨んでおり、これによって漏斗部16と各流路12′とが連通している。
また、前記吐出口18は図7に示すように吐出口17の外側であって求心位置の周りに等間隔にして配置され、さらには漏斗部16で第二溶融樹脂bと第二溶融樹脂b′とが重なり合わないようにするために、前記求心位置から吐出口17を結ぶ線上に吐出口18が位置しないようにずらして配置されている。
(成形方法 検討技術の第二の例)
第二の例のホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂b、b′とを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、ノズルゲート7を閉じた状態で第一射出装置Aにより第一溶融樹脂aに送り込みの圧力を加えておく。そして、成形の開始では、ノズルゲート7を開放し、第一溶融樹脂aをこのホットランナーノズル1から型内空間2へと送り込むようにする(図8)。なお、この時点で、第一溶融樹脂a以外の溶融樹脂には送り込みの圧力が加えられておらず、この点は上記例と同じである。
所要量の第一溶融樹脂aが型内空間2に送り込まれてから、第二射出装置B及び第二溶融樹脂b′を送り込む図示しないもう一つ第二射出装置の動作によって第二溶融樹脂b、b′に送り込みの圧力を加えて、その第二溶融樹脂b、b′を吐出口17、18から送り込むようにする。これによって吐出口17、18から出る第二溶融樹脂b、b′は第一樹脂流路11の漏斗部16を流れる第一溶融樹脂aと合流し、第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂b、b′とが合流した状態でノズルゲート7を経て型内空間2に送り込まれる。
第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂b、b′とが圧を加えられて型内空間2に送り込まれるので、この合流した流れがコア側製品面でのゲート対応部位に達すると、そのゲート対応部位を中心とするようにして第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂b、b′とが広がって、型内空間2のコア側製品面とキャビティ側製品面との間を通りながら伸展する。
これによって型内空間2には、第二溶融樹脂bからなる第二樹脂部b1と第二溶融樹脂b′からなる第二樹脂部b2との間に第一溶融樹脂からなる第一樹脂部a1が位置した配置として成形される(図9)。
第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂b、b′との所要量の送り込みが完了すればノズルゲート7を閉鎖し、その後に型開きすることで、上述したようにそれぞれ色違いの第二樹脂部b1と第二樹脂部b2との間に第一樹脂部a1が位置したパターンでの縞模様を有した成形品が得られ、その成形品では交互配置パターンが表出しているものとなる。
検討技術の上記第二の例において、互いに異なる第二溶融樹脂b,b′はこれを送り込む二台の第二射出装置が同様に動作することで、同時に送り込みされるが、第二射出装置の動作はこの例に制限されるものではない。即ち、この第二の例では、異なる溶融樹脂が供給できるように第二樹脂流路を複数とし、この複数の第二樹脂流路に複数の第二射出装置を対応させているが、これら複数の第二射出装置は、それぞれが単独でその射出タイミング、射出の断続回数(一回の成形中での射出の断続回数)、溶融樹脂の送り込み速度などの射出条件を選択、変更できるものである。
(本発明)
本発明のノズルの第一の例 回転)
つぎに縞模様の縞それぞれが同一方向に湾曲した成形品を成形する本発明の例を以下に示す。本発明では、縞模様の縞となる樹脂部が、型内空間での溶融樹脂伸展方向に対して湾曲する形状で成形されるようにするためには、ホットランナーノズル1の内部で、上記漏斗部の求心位置、即ちノズルゲートの位置を通るノズル1の軸中心を中心にしてその周りに第二樹脂流路を回転させ、第二樹脂流路の各吐出口が漏斗部の求心位置を中心にしてその求心位置の周りに移動するようにしているものである。
本発明の第一の例でのホットランナーノズル1を取り付けた金型5による成形が図10と図11とに示されていて、この例でのホットランナーノズル1は上述した検討技術における第一の例と同じように第一溶融樹脂aを送り出す第一樹脂流路11と、上記軸中心の周りに五通路にして第二溶融樹脂bを送り出す第二樹脂流路12とを備えているものである。そして、第二樹脂流路12を設けている内芯体14が前記軸中心を回転中心にして回転可能に設けられている。
そして、回転可能とされた上記内芯体14は、図10に示されているように固定型3側に位置する回転駆動手段19に連結されており、この回転駆動手段19の動作によって内芯体14が回転するように設けられている。なお、内芯体14の中心に位置するシャットピンは回転することはなく、内芯体14回転動作の影響を受けることなしに所定の動作を行なうように設けられている。
(成形方法)
本発明における第一の例でのホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、まず、ノズルゲート7を閉鎖している段階で第一射出装置Aにより第一溶融樹脂aに送り込みの圧力を加えておく。そして、成形の開始では、シャットピン9が吐出口15を開く位置まで後退してノズルゲート7を開放し、第一溶融樹脂aをこのホットランナーノズル1から型内空間2へと送り込むようにする。図10参照
所要量の第一溶融樹脂aが型内空間2に送り込まれると、上記内芯体14を回転させる。この内芯体14が回転してから、第二射出装置Bの動作によって第二溶融樹脂bに送り込みの圧力を加えて、その第二溶融樹脂bを、上記求心位置を中心としてその周りを移動する各吐出口17から送り込むようにする。
これによって吐出口17から出る各第二溶融樹脂bは螺旋状となるカーブを描く形で第一樹脂流路11の漏斗部16を流れる第一溶融樹脂aと合流し、その合流した状態でノズルゲート7を経て型内空間2に送り込まれる。
第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとが圧を加えられて型内空間2に送り込まれるので、この合流した流れがコア側製品面でのゲート対応部位に達すると、そのゲート対応部位を中心とするようにして第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとが共に螺旋状の縞筋が並ぶパターンで広がって、型内空間2のコア側製品面とキャビティ側製品面との間を通りながら伸展することとなる。
型内空間2には、第一溶融樹脂からなる第一樹脂部a1と第二溶融樹脂bからなる第二樹脂部b1とが共に螺旋状の縞筋のパターンとなった配置として成形される。図11参照
第一溶融樹脂と第二溶融樹脂との所要量の送り込みが完了すれば、駆動手段10の動作によってシャットピン9が前進してノズルゲート7を閉鎖するとともに内芯体14の回転も停止し、その後に型開きすることで、上述したように第一樹脂部a1と第二樹脂部b1とが螺旋状の縞模様となって並んだ成形品が得られ、この成形品では、成形品周方向に、第一樹脂部a1と第二樹脂部b1とが交互に配置されて第一樹脂部a1と第二樹脂部b1とが同方向に傾斜し、その交互配置パターンがねじれて表出しているものとなる。
第一溶融樹脂と第二溶融樹脂との所要量の送り込みが完了した時点では、第二射出装置のみの送り込みの動作及び内芯体14の回転の動作を停止すればよく、第一射出装置の第一溶融樹脂に対しては送り込みの圧力を継続的に加えておいてシャットピン9による送り込みの停止を行なっておけばよい。
本発明のノズルの第二の例 回転)
図12と図13とは、上述した本発明の第一の例と同様に螺旋状の縞模様を呈する成形品を得るための本発明の第二の例のホットランナーノズルを取り付けた金型よりなる成形を示している。この第の例でのホットランナーノズル1は図12に示されているように、シャットピン及びシャットピン用孔を有していない。即ち、溶融樹脂の送り出しとその停止とはシャットピンによるノズルゲートの閉鎖開放によって行なうものではなく、第一射出装置と第二射出装置との各射出装置での送り込み圧力の調整によって行なったり、既存の方法により溶融樹脂の送り込みとその停止を行なうことができる。なお、本発明のこの第二の例においては、第一射出装置と第二射出装置との各射出装置での送り込み圧力の調整によって行なう。
本発明のの例でのホットランナーノズル1においても、図12に示されているように内芯体14が回転駆動手段19に連結され、この回転駆動手段19の動作によって回転する。さらに、内芯体14には、その軸中心の位置に沿ってノズルゲート側を除いて第二樹脂流路12が設けられ、ノズルゲート側の部分で五通路に枝分かれして上述の本発明の第一の例と同じように五つの吐出口17が、当路部16の求心位置に対応する軸中心を中心にしてその周りに等間隔にして配置されている。
(成形方法)
本発明のの例でのホットランナーノズル1を取り付けた金型5に第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとを送り込んで縞模様のある成形品を成形するには、第二射出装置Bでの送り込みを停止した状態で第一射出装置Aでの第一溶融樹脂aの送り込みを開始し、ノズルゲート7を経て第一溶融樹脂aを型内空間2に送り込む。図12参照
所要量の第一溶融樹脂aが型内空間2に送り込まれると、上記内芯体14を回転させる。そして、本発明の第一の例と同じように前記内芯体14が回転してから、第二射出装置Bの動作によって第二溶融樹脂bに送り込みの圧力を加えて、その第二溶融樹脂bを第二樹脂流路12での上記各吐出口17から漏斗部16に送り込む。
本発明の第一の例と同じように吐出口17から出る各第二溶融樹脂bは螺旋状となるカーブを描く形で第一樹脂流路11の漏斗部16を流れる第一溶融樹脂aと合流し、その合流した状態でノズルゲート7を経て型内空間2に送り込まれる。この合流した流れがコア側製品面でのゲート対応部位に達し、そのゲート対応部位を中心とするようにして第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bとが共に螺旋状の縞筋が並ぶパターンで広がり、型内空間2のコア側製品面とキャビティ側製品面との間を通りながら伸展する。
その結果、本発明の第一の例と同じように第一溶融樹脂からなる第一樹脂部a1と第二溶融樹脂bからなる第二樹脂部b1とは、共に螺旋状の縞筋のパターンとなった配置として成形される。図13参照
第一溶融樹脂と第二溶融樹脂との所要量の送り込みが完了すれば、第一、第二射出装置A、Bからの第一溶融樹脂aと第二溶融樹脂bの送り込みを停止するとともに、内芯体14の回転も停止させ、その後に型開きすることで、上述したように第一樹脂部a1と第二樹脂部b1とが螺旋状の縞模様となって並んだ成形品が得られ、この成形品では、成形品周方向に、第一樹脂部a1と第二樹脂部b1とが交互に配置されて第一樹脂部a1と第二樹脂部b1とが同方向に傾斜し、その交互配置パターンがねじれて表出しているものとなる。
本発明における第一の例、第二の例それぞれでは第二樹脂流路には一つの第二射出装置により第二溶融樹脂を送り込むようにしているが、一成形当たりでの樹脂送り込み中にその送り込みが一定で行なわれる必要は必ずしもなく、送り込みをする第二射出装置での射出タイミング、射出の断続回数、溶融樹脂の送り込み速度などの射出条件を選択、変更できるようにすることも可能である。
1…ホットランナーノズル
2…型内空間
3…固定型
4…移動型
5…金型
7…ノズルゲート
8…シャットピン用孔
9…シャットピン
11…第一樹脂流路
12、12′…第二樹脂流路
14…内芯体
15…第一樹脂流路の吐出口
16…漏斗部
17、18…第二樹脂流路の吐出口
A…第一射出装置
B…第二射出装置
a1…第一樹脂部
b1、b2…第二樹脂部

Claims (3)

  1. 複数種の溶融樹脂を用いて成形品を成形する金型の型内空間のゲートにノズルゲートを対応させて取り付けられるホットランナーノズルであり、
    ノズルゲートを求心位置にして連続する漏斗部を有し、第一溶融樹脂を前記漏斗部の求心位置に集合させて前記ノズルゲートへ送り込む第一樹脂流路と、
    第一樹脂流路における前記漏斗部に複数の吐出口を臨ませて連通していて、その吐出口それぞれが前記求心位置の周りに配置され、前記第一溶融樹脂とは異なる第二溶融樹脂を前記漏斗部に送り込む複数の第二樹脂流路とを
    備え
    漏斗部に臨む前記第二樹脂流路の吐出口が、前記求心位置を中心にして該求心位置の周りに移動可能とされていることを特徴とするホットランナーノズル。
  2. 上記ノズルゲートを閉鎖開放可能なシャットピンを備える請求項1に記載のホットランナーノズル。
  3. 請求項1または2に記載のホットランナーノズルが、該ホットランナーノズルのノズルゲートが成形品を成形する型内空間のゲートに対応して取り付けられていることを特徴とする金型。
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