JP2015056636A - 圧電体アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、インクジェット記録装置、及び圧電体アクチュエータの製造方法 - Google Patents

圧電体アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、インクジェット記録装置、及び圧電体アクチュエータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の高い圧電体アクチュエータを提供する。【解決手段】本実施形態の圧電体アクチュエータは、第1の電極と、下面が第1の電極に接して形成され、側面が外側へ凸に湾曲し、下面が上面より広い圧電体と、上面に接し、第1の電極と対向して形成される第2の電極と、第1の電極及び第2の電極を被覆する第1の保護膜と、第1の保護膜及び側面を被覆する第2の保護膜と、を有することにより上記課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、圧電体アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、インクジェット記録装置、及び圧電体アクチュエータの製造方法に関する。
インクジェット記録装置、液体カートリッジ及び液滴吐出ヘッドに関して、インク滴を吐出するノズルと、ノズルが連通する加圧液室と、加圧液室内のインクを加圧する圧電体アクチュエータとを有するものが知られている。圧電体アクチュエータは、例えば、下部電極上に圧電体及び上部電極が積層され、これらが保護膜で被覆される構造を有する。
圧電素子の上面と側面とが接する角部を、面取り形状とすることにより、配線不良を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
圧電体アクチュエータの信頼性を高めるためには、製造時、各工程において発生する不具合を、できるだけ低減させることが望まれる。
例えば、電極形成時のエッチング工程において生成する導電性残渣物(図1参照)が、圧電体表面(電極非形成面)に付着すると、電極間にリーク電流が発生してしまう。
又、例えば、圧電体形成時のエッチング工程において生成するエッチングダメージ層(図1参照)が、圧電体側面(傾斜面)に残存すると、圧電体の素子性能が劣化してしまう。
特許文献1において、圧電素子は、連続する保護膜(SiOx膜)で覆われる。このため、例えば、配線及び層間絶縁膜形成時のエッチング工程において、保護膜に欠損が生じ易くなるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、信頼性の高い圧電体アクチュエータを提供することを目的とする。
本実施の形態の圧電体アクチュエータは、第1の電極と、下面が第1の電極に接して形成され、側面が外側へ凸に湾曲し、下面が上面より広い圧電体と、上面に接し、第1の電極と対向して形成される第2の電極と、第1の電極及び第2の電極を被覆する第1の保護膜と、第1の保護膜及び側面を被覆する第2の保護膜と、を有することを要件とする。
本実施の形態によれば、信頼性の高い圧電体アクチュエータを提供することができる。
従来の圧電素子を例示する模式図である。 実施の形態1に係る圧電体アクチュエータを例示する図である。 実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドを例示する図である。 実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドを例示する図である。 実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドを例示する図である。 実施の形態2に係る圧電体アクチュエータの製造方法を例示する図である。 実施の形態2に係る圧電体アクチュエータの製造方法を例示する図である。 実施の形態2に係る圧電体アクチュエータの製造方法を例示する図である。 実施の形態2に係る圧電体を例示する写真である。 実施の形態2に係る圧電体アクチュエータを例示する図である。 実施の形態3に係る液体カートリッジを例示する図である。 実施の形態4に係るインクジェット記録装置を例示する斜視図である。 実施の形態4に係るインクジェット記録装置の、機構部を例示する側面図である。
以下、図面及び表を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態では、図2乃至図5を用いて、本実施の形態に係る圧電体アクチュエータ及び液滴吐出ヘッドの構成の一例について説明する。圧電体アクチュエータは、インクジェット記録装置等において使用される液滴吐出ヘッドの構成部品として用いられる。
なお、圧電体アクチュエータは、例えば、圧電スピーカ、μポンプ、2軸ミラー、HDDヘッド用微調整装置、強誘電体メモリ素子、加速度センサ、偏向ミラー、角速度センサ等の構成部品として用いることもできる。
[圧電体アクチュエータの構成]
図2は、圧電体アクチュエータ100の構成の一例を示す断面図である。図2に示す様に、圧電体アクチュエータ100は、圧電体101、上部電極102、下部電極103、第1の保護膜104、第2の保護膜105を含む。
下部電極103に接して圧電体101が形成され、圧電体101に接して上部電極102が形成され、下部電極103と上部電極102とは対向して形成される。圧電体101の下面S1と下部電極103とは接し、圧電体101の上面S2と上部電極102とは接する。上部電極102及び下部電極103を被覆する様に、第1の保護膜104が形成され、圧電体101の側面S3及び第1の保護膜104を被覆する様に、第2の保護膜105が形成される。
圧電体101は、上部電極102及び下部電極103より印加される電位に基づき、圧力を発生し、機械的に変位する。圧電体101の機械的変位に伴って、振動板303が駆動し、加圧液室(インク流路、加圧室、吐出室、液室等と称される場合もある)内のインクが加圧され、液滴吐出ヘッドは、ノズル孔よりインク滴を吐出する。
圧電体101は、側面S3が外側へ凸に湾曲し、下面S1が上面S2より広い形状を有する。詳細は後述するが、圧電体101を該形状とする際に、等方性エッチングを行う。該エッチングにより、電極形成時のエッチング工程において生成する圧電体の側面S3に付着する導電性残渣物、及び圧電体形成時のエッチング工程において生成する圧電体の傾斜面に残存するエッチングダメージ層を除去することが可能である。
圧電体101は、側面S3が外側へ凸に湾曲するため、圧電体101の側面S3を被覆する第2の保護膜105に欠損が生じ難い。又、圧電体101は、第1の保護膜104、及び第2の保護膜105により被覆されるため、配線及び層間絶縁膜形成時のエッチング工程において、これらの保護膜に欠損が生じ難く、該工程後であっても、圧電体101は、第1の保護膜104及び第2の保護膜105により完全に保護される。更に、圧電体101は、側面S3を介して2つの保護膜により被覆されるため、圧電体101は、比較的自由に駆動(機械的変位)することができる。
圧電体101は、スパッタ法、ゾルゲル法等の溶液塗布法を用いて形成される圧電体層に対して、公知のフォトリソグラフィ工程及びドライエッチング工程を施し、該工程を経て形成される順テーパ形状の圧電体に対して、等方性エッチング工程を施すことで、形成できる。
圧電体101の膜厚は、約0.5μm〜5μmであることが好ましく、約1μm〜2μmであることが、より好ましい。この範囲より小さいと圧電体101は、十分に変位することができない。この範囲より大きいと工程数が煩雑化し、工程時間が長くなる。
圧電体101の比誘電率は、600以上2000以下であることが好ましく、200以上1600以下であることが、より好ましい。
圧電体101の材料としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等を用いることができる。PZTとはジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)の固溶体である。例えば、PbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53、Ti0.47)O、一般にはPZT(53/47)と示されるPZTを使用しても良い。PZTは、PbZrOとPbTiOの比率によって特性が変化する。
圧電体101としてPZTを使用する場合、出発材料に酢酸鉛三水和物、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物を使用しても良い。これらの出発材料を、共通溶媒に溶解させることで、PZT前駆体ゾルゲル溶液を作製する。酢酸鉛三水和物、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物の混合量は、所望のPZTの組成(PbZrOとPbTiOの比率)に応じて、当業者が適宜選択できるものである。なお、金属アルコキシド化合物は、大気中の水分により容易に分解する。そのため、PZT前駆体ゾルゲル溶液に、安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミン等を添加してもよい。
圧電体101の材料として、チタン酸バリウム等を用いても構わない。この場合、バリウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体ゾルゲル溶液を作製することが可能である。又、チタン酸バリウムとビスマスペロブスカイトの固溶体等を用いても構わない。
これら材料は一般式ABOで記述され、A=Pb、Ba、Sr、Bi B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb1−x、Ba)(Zr、Ti)O、(Pb1−x、Sr)(Zr、Ti)O、と表され、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
上部電極102は、ICチップ等から個別に電位が供給される個別電極となっている。下部電極103は、電気的に接地される共通電極となっている。
上部電極102及び下部電極103の材料としては、低抵抗材料を用いることが好ましく、例えば、プラチナ(Pt)、金(Au)、インジウム(In)等が挙げられる。
上部電極102の膜厚は、約100nm〜約200nmであることが好ましく、約120nm〜約160nmであることが、より好ましい。下部電極103の膜厚は、約100nm〜約200nmであることが好ましく、約120nm〜約160nmであることが、より好ましい。
上部電極102及び下部電極103は、金属膜と酸化物膜とが積層される積層構造を有していても良い。金属膜及び酸化物膜は、スパッタ法や真空蒸着法等の真空成膜法を用いて形成することができる。
この場合、金属材料としては、高い耐熱性を有し、低い反応性を有するルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、プラチナ(Pt)等の白金族金属や、これら白金族金属を含む合金材料等を用いることができる。酸化物材料としては、具体的に、化学式Sr(x)(1−x)Ru(y(1−y))で記述され、A=Ba、Ca、 B=Co、Ni、 (y=0〜0.5)等の材料を用いることができる。又、化学式ABOで記述され、A=Sr、Ba、Ca、La、 B=Ru、Co、Ni、を主成分とする複合酸化物があり、SrRuOやCaRuO、これらの固溶体である(Sr1−x Ca)Oのほか、LaNiOやSrCoO、更には、これらの固溶体である(La, Sr)(Ni1−y Co)O (y=1でも良い)等の材料を用いることができる。又、これら以外の酸化物材料として、IrO、RuO等も挙げられる。
第1の保護膜104は、圧電体101の側面S3を介して隔離し、上部電極102及び下部電極103を被覆する。第2の保護膜105は、連続して第1の保護膜104及び圧電体101の側面S3を被覆する。即ち、第1の保護膜104の下部電極103の被覆箇所と第1の保護膜104の上部電極102の被覆箇所とが圧電体101の側面S3を介して隔離している。
第1の保護膜104及び第2の保護膜105の材料としては、大気中の水分が透過し難く、緻密な無機材料等を用いることが好ましい。このような材料を用いることで、成膜工程、及びエッチング工程中における、圧電体101へのダメージを防ぐことができる。又、高い保護性能を有する酸化物、窒化物、炭化物、等の材料を用いることが好ましい。例えば、酸化物材料としては、Al、ZrO、Y、Ta、TiO等が挙げられる。酸化物材料を用いることで、ALD(Atomic Layer Deposition)法による工程中のダメージを抑制し、膜密度の高い保護膜を形成できる。
第1の保護膜104及び第2の保護膜105の膜厚は、圧電体101の保護膜としての機能を、十分に確保できる程度に厚くする必要があり、且つ、圧電体101及び振動板の機械的変位を阻害しない程度に薄くする必要がある。このため、膜厚は、約20nm〜約100nmであることが好ましく、約40nm〜約60nmであることがより好ましい。
本実施の形態に係る圧電体アクチュエータ100によれば、圧電体101の側面が外側へ凸に湾曲するため、該側面を被覆する第2の保護膜105に欠損が生じ難い。又、圧電体101の側面には、導電性残渣物が付着していないため、電極間に発生するリーク電流を低減できる。又、圧電体101の側面には、エッチングダメージ層が残存していないため、圧電体101の性能を高められる。従って、信頼性の高い圧電体アクチュエータ100を実現できる。
[液滴吐出ヘッドの構成]
次に、本実施の形態に係る圧電体アクチュエータ100を構成部品として用いる液滴吐出ヘッドについて説明する。図3は、液滴吐出ヘッド200の構成の一例を示す斜視図である。図4は、図3における鎖線A−A矢視断面を反転させた図である。
図3及び図4に示す様に、液滴吐出ヘッド200は、ノズルカバー201、ノズル板202、アクチュエータ基板203、FPC(Flexible Printed Circuits)204、バッキンプレート205、ダンパープレート206、フレーム207等を含む。アクチュエータ基板203は、保護基板301、圧電素子302、振動板303、流路基板304、ICチップ305等を含む。
圧電素子302は、アクチュエータ基板203に多数形成され、マトリクス状に配置される。ノズル孔208(インク滴214を吐出する微細孔)は、ノズル板202に多数形成され、各圧電素子(各加圧液室210の先端部分)に対応して配置される。ノズル孔208の径は、10μm〜35μmであることが好ましい。ノズル板202の材料としては、例えば、ポリイミド等の樹脂フィルム、Ni等の金属材料、シリコン等を用いることができる。樹脂フィルムを用いる場合、レーザー加工等の方法により、ノズル孔208を形成することができる。又、金属材料を用いる場合、電鋳工法等の方法により、ノズル孔208を形成することができる。なお、ノズル板202におけるインク吐出面Sには、撥水性の表面処理膜を成膜することが好ましい。
図4に示す矢印は、インク209の流路を示している。インクジェット記録装置から供給されるインク209は、フレーム207、ダンパープレート206、バッキンプレート205、アクチュエータ基板203等を経由し、インク供給孔213へと流れる。更に、インク209は、インク供給部212、流体抵抗211を経由して、加圧液室210へ流入する。加圧液室210内に充填されたインク209は、圧電体101の機械的変位に伴って、ノズル孔208から、インク滴214として吐出する。
保護基板301は、アクチュエータ基板に形成される圧電素子302を保護する。保護基板301には、インク供給孔213が形成される。保護基板301は、接着剤等により、圧電素子302に固定される。
保護基板301は、公知のフォトリソグラフィ工程、及びICP(Inductively Coupled Plasma)ドライエッチング等のエッチング工程を組み合わせることにより形成できる。例えば、ICPドライエッチング装置により、F系ガスを使用して、Si基板をエッチングすることで、保護基板301を形成できる。
保護基板301の材料としては、例えば、Si、SiO等が挙げられる。保護基板301の厚さは、約300μm〜約600μmであることが好ましく、約400μmであることがより好ましい。
振動板303は、圧電体101に発生する圧力を加圧液室210内のインク209に加える。振動板303の駆動に依存して、加圧液室210内のインク209の圧力は制御される。
振動板303は、例えば、CVD法、スパッタ法等の方法により形成できる。振動板303の厚さは、約0.1μm〜10μmであることが好ましく、約0.5μm〜3.0μmであることが、より好ましい。なお、振動板303の表面に、シリコン酸化膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、これらの積層膜等を形成し、絶縁処理してもよい。
振動板303の材料としては、ある程度の強度を有する材料を用いることが好ましく、例えば、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si)、ポリシリコン等が挙げられる。又、熱膨張係数を考慮して、適宜、材料を選択しても良い。具体的には、熱膨張係数が1.0×10−7[1/K]〜9.0×10−5[1/K]の範囲を満たす材料を用いることが好ましく、1.0×10−6[1/K]〜5.0×10−5[1/K]の範囲を満たす材料を用いることがより好ましい。これらの材料として、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等が挙げられる。
流路基板304は、インク209の流路の壁面の一部となっており、流路基板304には、ノズル孔208に連通する個別の加圧液室210、流体抵抗211、インク供給部212が形成される。
流路基板304は、アクチュエータ基板203表面に、圧電素子302を形成した後に、アクチュエータ基板203の裏面を研磨し、研磨面に対して、公知のフォトリソグラフィ工程及びドライエッチング工程を施すことにより形成できる。なお、流路基板304は、保護基板301と同様の方法により形成しても良い。
流路基板304の材料としては、例えば、Si、SiO等が挙げられる。流路基板304の厚さは、約100μmであることが好ましい(約100μmとなるまで、アクチュエータ基板203の裏面を研磨することが好ましい)。
ICチップ305は、通電制御のために備えられる。ICチップ305は、FPC204を介して、外部とコンタクトする。ICチップ305から出力する電位は、配線を介して上部電極102に印加される。下部電極103が接地される場合、該電位に基づき、圧電体アクチュエータ100は、駆動するため、該電位を適宜制御することが好ましい。ICチップ305は、例えば、スタッドバンプ方式により、アクチュエータ基板203に実装することが可能である。
[圧電素子]
図5は、図3及び図4に示す液滴吐出ヘッド200に含まれる圧電素子の構成の一例を、詳細に示す断面図である。図5は、図3におけるノズル板202及びアクチュエータ基板203の鎖線B−B矢視断面を反転させた図である。
図5に示す様に、圧電素子302は、圧電体アクチュエータ100、層間絶縁膜106、配線107、パッシベーション膜108を含む。
層間絶縁膜106は、配線107と下部電極103とを電気的に絶縁し、圧電体101を保護する。
層間絶縁膜106には、配線107と上部電極102とを電気的に接続するためのコンタクトホール109が形成される。コンタクトホール109における上部電極102と配線107との接触抵抗は、10Ω以下であることが好ましく、5Ω以下であることがより好ましい。
なお、圧電体101が駆動しない領域(機械的変位が発生しない領域)において、層間絶縁膜106は、ドライエッチング等の方法により除去される。例えば、圧電体101の側面S3に対応して形成される層間絶縁膜106は、外側へ凸に湾曲する。このため、層間絶縁膜106は、均等に除去され、層間絶縁膜106に接する第2の保護膜105に欠損は生じない。
層間絶縁膜106は、プラズマCVD法、スパッタリング法等の方法により形成することができる。電極形成面と電極非形成面との間に生じる段差を考慮した場合、等方的な成膜が可能であるCVD法を用いることが、より好ましい。
層間絶縁膜106の材料としては、酸化物、窒化物、炭化物、又はこれらの複合化合物等を用いることができる。特に、酸化シリコンを用いることが好ましい。層間絶縁膜106の膜厚は、約0.3μm〜約1.5μmであることが好ましく、約0.5μm〜約1.0μmであることが、より好ましい。
配線107は、コンタクトホール109を介して上部電極102と電気的に接続し、ICチップ等から出力される電位を上部電極102に供給する。
配線107は、スパッタ法、スピンコート法等の方法により形成することができる。
配線107の材料としては、安価且つ導電性の高い金属材料を用いることが好ましい。具体的には、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、プラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)等の金属や、銀(Ag)を含む合金材料、アルミニウム(Al)を主成分とする合金材料等が挙げられる。配線107の膜厚は、約0.5μm〜約5.0μmであることが好ましく、約1.0μm〜約3.0μmであることが、より好ましい。なお、膜厚が、薄すぎると配線抵抗が大きくなり、液滴吐出ヘッド200の吐出信頼性を低下させてしまうため、十分な電流を流すことができる程度に、適宜、膜厚を調整することが好ましい。
パッシベーション膜108は、上部電極102、下部電極103、配線107等を被覆し保護する。又、パッシベーション膜108は、アクチュエータ基板203を、外気より遮断する。なお、パッシベーション膜108により、上部電極102及び下部電極103が保護されるため、電極材料として、安価なAl、Alを主成分とする合金材料等を選択することが可能になる。
パッシベーション膜108は、プラズマCVD法、スパッタリング法等の方法により形成することができる。
パッシベーション膜108の材料としては、透湿性の低い、無機材料又は有機材料を用いることができる。膜厚が薄い場合であっても、十分な配線保護機能を有する無機材料を用いることが、より好ましい。無機材料として、具体的には、酸化物、窒化物、炭化物等が挙げられる。特に、Siを用いることが好ましい。有機材料として、具体的には、ポリイミド、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
パッシベーション膜108の膜厚は、約0.5μm〜約3.0μmであることが好ましく、約0.7μm〜約1.5μmであることが、より好ましい。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、図6乃至図10を用いて、第1の実施の形態に示す圧電体アクチュエータ100の製造方法の一例について説明する。
まず、図6(A)に示す様に、下部電極103に接する様に圧電体101kを形成し、圧電体101kに接する様に上部電極102を形成する。
下部電極103は、スパッタ法や真空蒸着法等の真空成膜法を用いて形成される導電層に対して、フォトリソグラフィ工程、及びドライエッチング工程を施すことにより形成される。
圧電体101kは、スパッタ法、ゾルゲル法等の溶液塗布法を用いて形成される圧電体層に対して、フォトリソグラフィ工程、及びドライエッチング工程を施すことにより形成される。
圧電体101kを形成する際に行うドライエッチング工程におけるエッチングレートは、圧電体層とレジスト層との、選択比(エッチングしたい層のエッチング速度/エッチングしたくない層のエッチング速度)により定まる。圧電体層のエッチング速度は、レジスト層のエッチング速度と比較して速い。このため、圧電体101kの側面の形状は、順テーパ形状(下面が上面より広い形状)となる。
なお、圧電体101kを形成する際に行うドライエッチング工程において、エッチング速度を速くするためにバイアス電圧を印加する。この際、エッチング面に対する垂直方向のエッチングが強くなるため、圧電体101kの傾斜面に、エッチングダメージ層501が、残存してしまう。エッチングダメージ層501は、層間絶縁層の絶縁特性を劣化させる、保護膜に欠損を生じさせる、圧電体の性能を低下させる等、圧電体アクチュエータ100の信頼性を低下させる原因となる。しかし、本実施の形態に係る製造方法によれば、エッチングダメージ層501は、後の工程(図6(C)参照)である等方性エッチング工程により除去されるため、このような不具合を低減させることができる。
上部電極102は、下部電極103と同様に、スパッタ法や真空蒸着法等の真空成膜法を用いて形成される導電層に対して、フォトリソグラフィ工程、及びドライエッチング工程を施すことにより形成される。
下部電極103、圧電体101k、及び上部電極102形成後、図6(A)に示す様に、圧電体101kの表面(電極非形成面)には、電極形成時のエッチング工程により生成する導電性残渣物500が、付着する。導電性残渣物500は、電極間(上部電極102と下部電極103との間)にリーク電流を生じさせる原因となる。しかし、本実施の形態に係る製造方法によれば、導電性残渣物500は、後の工程(図6(C)参照)である等方性エッチング工程により除去されるため、このような不具合を低減させることができる。
次に、図6(B)に示す様に、保護膜104kを形成する。保護膜104kは、例えば、蒸着法、ALD法等の方法を用いて、圧電体101kの表面、上部電極102及び下部電極103を被覆する様に形成される。
次に、図6(C)に示す様に、保護膜104k及び圧電体101kに対して、バイアス電圧を印加しない等方性エッチング工程を施す。等方性エッチング工程により、側面が外側へ凸に湾曲する圧電体101が形成され、又、圧電体101の側面を介して隔離する第1の保護膜104が形成される。この工程により、圧電体101の電極非形成面に付着する導電性残渣物500、及び圧電体101の傾斜面に残存するエッチングダメージ層501が除去される。なお、等方性エッチング工程では、エッチングダメージ層を生成する原因となるバイアス電圧を印加しないため、圧電体101kに対して等方性エッチング工程を施しても圧電体101に新たなエッチングダメージ層が形成されることは無い。
等方性エッチング工程のエッチング条件は、圧電体101及び第1の保護膜104を形成できる様に、適宜、調整することが好ましい。等方性エッチング工程のエッチング条件としては、例えば、圧力0.5Pa、RF(Radio Frequency)パワー300W、Ar流量30sccm、O流量30sccmとすることができる。
なお、圧電体101k及び保護膜104kに対して、等方性エッチング工程を施す際、同一のマスク膜を使用することが可能である。従って、専用装置が不要であり、工程を簡略化できる。又、フォトリソグラフィ工程を、省略できるため、低コスト化が図れる。
図8を用いて、図6(C)に示す等方性エッチング工程について説明する。図8に示す矢印は、擬似的なエッチングの方向を示している。
図8(A)に示す様に、領域α、領域γにおいて、エッチングは、エッチング面に対して、垂直方向に進行する。一方、領域βにおいて、エッチングは、エッチング面に対して、あらゆる方向(例えば、垂直方向、水平方向等)に進行する。つまり、領域α、領域γに形成される保護膜104kに施されるエッチングの速度は、領域βに形成される保護膜104kに施されるエッチングの速度と比較して遅くなる。従って、図8(B)に示す様に、領域βでは、保護膜104kがエッチングされるだけでなく、圧電体101kもエッチングされる。これにより、保護膜104kが隔離する。
更に、領域βでは、保護膜104kのエッチング速度と圧電体101kのエッチング速度との差に基づき、圧電体101kが、エッチングされる。保護膜104kのエッチング速度は、圧電体101kのエッチング速度と比較して遅い。従って、図8(B)に示す様に、領域βでは、側面が外側へ凸に湾曲する圧電体101が形成される。
一方、図8(B)に示す様に、領域α、領域γでは、保護膜104kのみ、エッチングされる。領域α、領域γにおける保護膜104kは、エッチングされることにより薄くされ、第1の保護膜104が形成される。
この結果、圧電体101k及び保護膜104kから、圧電体101及び第1の保護膜104が形成される。圧電体101は、側面が圧電体101の外側へ凸に湾曲し、下面が上面より広くなる(図9参照)。
次に、図7(A)に示す様に、第2の保護膜105を形成する。第2の保護膜105は、例えば、蒸着法、ALD法等の方法を用いて、圧電体101の側面、及び第1の保護膜104を被覆する様に形成される。
次に、図7(B)に示す様に、層間絶縁膜106kを形成する。層間絶縁膜106kは、例えば、プラズマCVD法、スパッタリング法等の方法を用いて、第2の保護膜105を被覆する様に形成される。次に、層間絶縁膜106kを被覆する様に配線層107kを形成する。配線層107kは、例えば、スパッタ法等の方法を用いて、層間絶縁膜106を被覆する様に形成される。次に、配線層107kに対して、フォトリソグラフィ工程、及びドライエッチング工程を施すことにより、配線107を形成する(図7(D)参照)。
次に、図7(C)に示す様に、圧電体101が駆動する領域に形成される層間絶縁膜106kに対して、フォトリソグラフィ工程、及びドライエッチング工程を施すことにより、層間絶縁膜106kの一部を除去し、層間絶縁膜106を形成する(図7(D)参照)。
圧電体101の側面に対応して形成される層間絶縁膜106kは、外側へ凸に湾曲する。層間絶縁膜106kの湾曲面に対してドライエッチング工程を施すと、均等な方向にエッチングが進行する。このため、第2の保護膜105に欠損が生じ難い。又、圧電体101の側面以外の面に対応して形成される層間絶縁膜106kに対してドライエッチング工程を施すと、垂直方向にエッチングが進行する。圧電体101の側面以外の面には、保護膜が2層(第1の保護膜104及び第2の保護膜105)で形成されるため、積層される保護膜にも欠損が生じ難い。
なお、圧電体101が駆動しない領域に形成される層間絶縁膜106は、除去する必要がない。従って、この場合は、図7(D)に示す様に、層間絶縁膜106形成後、第1の保護膜104、第2の保護膜105及び層間絶縁膜106に対して、フォトリソグラフィ工程、及びドライエッチング工程を施し、一部を除去することにより、コンタクトホール109を形成し、その後、配線107を形成すれば良い。
ここで、図10を用いて第1の保護膜104及び第2の保護膜105について説明する。図10(A)は、図6(C)の工程後に対応する断面図及び上面図を模式的に示す図である。図10(B)は、図7(C)の工程後に対応する断面図及び上面図を模式的に示す図である。
図10(A)に示す上面図より、第1の保護膜104は、圧電体101の側面S3を介して隔離し、図10(A)に示す断面図より、第1の保護膜104は、上部電極102及び下部電極103を被覆することがわかる。つまり、第1の保護膜104は、圧電体101の側面S3に形成されず、側面S3を介して隔離することがわかる。
図10(B)に示す上面図より、第2の保護膜105は、圧電体101全体を連続して被覆し、図10(B)に示す断面図より、第2の保護膜105は、圧電体101の側面S3、及び第1の保護膜104を被覆することがわかる。
第1の保護膜104は、圧電体101の側面S3を介して隔離し、第2の保護膜105は、圧電体101の側面S3を被覆する。このため、圧電体101の駆動は、阻害され難く、圧電体アクチュエータチュータ100の駆動特性は、向上する。又、第1の保護膜104及び第2の保護膜105という2つの保護膜により、圧電体101を被覆することで、製造時の各種エッチング工程において、第1の保護膜104及び第2の保護膜105に生じる欠損を低減できる(圧電体101は、完全に第1の保護膜104及び第2の保護膜105により保護される)。
以上の工程を経ることにより、圧電体アクチュエータ100が完成する。該工程を経て形成される圧電体アクチュエータ100は、信頼性が高い。従って、圧電体アクチュエータ100適用した液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、インクジェット記録装置等の性能を高めることができる。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、液滴吐出ヘッド200(図3乃至図5参照)を搭載した液体カートリッジ500の一例について、図11を用いて説明する。
図11に示す様に、液体カートリッジ500は、ノズル501、液滴吐出ヘッド200、液体タンク502を含む。
液体カートリッジ500は、液滴吐出ヘッド200と液体タンク502とが一体化された、一体型の液体カートリッジである。なお、液体カートリッジ500は、一体型に特に限定されるものではない。
液体タンク502は、液滴吐出ヘッド200へインクを供給する。液体タンク502から供給されるインクは、液滴吐出ヘッド200に備えられるフレーム、ダンパープレート、バッキンプレート、アクチュエータ基板等を経由し、インク供給孔へと流れる。その後、加圧液室へ流入し、加圧液室には、インクが充填される。
アクチュエータ基板に実装されたICチップ等から、圧電体アクチュエータ100の上部電極に、配線等を経由して電位が供給される。下部電極の電位を、例えばGNDとすると、該電極間に電位差が生じる。該電位差に基づき、圧電体101に機械的変位が発生し、加圧液室内のインクに圧力が加わり、液滴吐出ヘッド200は、ノズル孔から、インクを吐出する。
一体型の液体カートリッジ500においては、液滴吐出ヘッド200の性能が、液体カートリッジ500の性能に直結する。信頼性の高い圧電体アクチュエータ100を、液滴吐出ヘッド200に適用することで、液滴吐出ヘッド200の吐出信頼性を高めることができる。吐出信頼性の高い液滴吐出ヘッド200を、一体型の液体カートリッジ500に適用することで、液体カートリッジ500の性能を高めることができる。従って、高画質、及び高速駆動が可能であり、且つ低コストな液体カートリッジ500を実現できる。
〈第4の実施の形態〉
第4の実施の形態では、液滴吐出ヘッド200(図3乃至図5参照)を搭載したインクジェット記録装置の例を示す。図12は、インクジェット記録装置を例示する斜視図である。図13は、インクジェット記録装置の機構部を例示する側面図である。
図12及び図13を参照するに、インクジェット記録装置4は、記録装置本体81の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ93、キャリッジ93に搭載した液滴吐出ヘッド200の一実施形態であるインクジェット記録ヘッド94、インクジェット記録ヘッド94へインクを供給するインクカートリッジ95等で構成される印字機構部82等を収納する。
記録装置本体81の下方部には、多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット84(或いは給紙トレイでもよい)を抜き差し自在に装着することができる。又、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができる。給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド94を、複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。又、キャリッジ93は、インクジェット記録ヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95を交換可能に装着している。
インクカートリッジ95は、上方に大気と連通する図示しない大気口、下方にはインクジェット記録ヘッド94へインクを供給する図示しない供給口を、内部にはインクが充填された図示しない多孔質体を有している。多孔質体の毛管力によりインクジェット記録ヘッド94へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。又、インクジェット記録ヘッド94としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドを用いてもよい。
キャリッジ93は、用紙搬送方向下流側を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、用紙搬送方向上流側を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト600を張装し、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。タイミングベルト600は、キャリッジ93に固定されている。
又、インクジェット記録装置4は、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ601、フリクションパッド602、用紙83を案内するガイド部材603、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ604、この搬送ローラ604の周面に押し付けられる搬送コロ605、搬送ローラ604からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ606、を設けている。これにより、給紙カセット84にセットした用紙83を、インクジェット記録ヘッド94の下方側に搬送される。搬送ローラ604は副走査モータ607によってギヤ列を介して回転駆動される。
用紙ガイド部材である印写受け部材609は、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ604から送り出された用紙83をインクジェット記録ヘッド94の下方側で案内する。この印写受け部材609の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ611、拍車612を設けている。更に、用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ613及び拍車614と、排紙経路を形成するガイド部材615、616とを配設している。
画像記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じてインクジェット記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、インクジェット記録ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置617を有する。回復装置617はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有する。キャリッジ93は、印字待機中に回復装置617側に移動されてキャッピング手段でインクジェット記録ヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。又、記録途中等に、記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でインクジェット記録ヘッド94の吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。又、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。更に、吸引されたインクは、本体下部に設置された図示しない廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、インクジェット記録装置4においては、上述の製造方法により製造された圧電体アクチュエータ100を適用した液滴吐出ヘッド200の一実施形態であるインクジェット記録ヘッド94を搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られるため、画像品質を向上できる。又、インクジェット記録装置4は、圧電体アクチュエータ100を適用することで、高画質、高速での記録を行うことができ、この結果、インクジェット記録装置4全体の消費電力の低減化を図れる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
4 インクジェット記録装置
100 圧電体アクチュエータ
101 圧電体
102 第2の電極(上部電極)
103 第1の電極(下部電極)
104 第1の保護膜
105 第2の保護膜
200 液滴吐出ヘッド
500 液体カートリッジ
特開2006−256048号公報

Claims (7)

  1. 第1の電極と、
    下面が前記第1の電極に接して形成され、側面が外側へ凸に湾曲し、前記下面が上面より広い圧電体と、
    前記上面に接し、前記第1の電極と対向して形成される第2の電極と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極を被覆する第1の保護膜と、
    前記第1の保護膜及び前記側面を被覆する第2の保護膜と、を有する圧電体アクチュエータ。
  2. 前記第1の保護膜の前記第1の電極の被覆箇所と前記第1の保護膜の前記第2の電極の被覆箇所とが前記側面を介して隔離している、請求項1記載の圧電体アクチュエータ。
  3. 請求項1又は2記載の圧電体アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項3記載の液滴吐出ヘッドを備えた液体カートリッジ。
  5. 請求項3記載の液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置。
  6. 基板に接して、第1の電極を形成する工程と、
    下面が前記第1の電極に接し、前記下面が上面より広い圧電体を形成する工程と、
    前記上面に接して、第2の電極を形成する工程と、
    前記第1の電極、前記圧電体、及び前記第2の電極を被覆する第1の保護膜を形成する工程と、
    前記圧電体及び前記第1の保護膜に対して等方性エッチングを施すことにより、前記圧電体の側面を介して隔離する前記第1の保護膜を形成し、前記側面を外側へ凸に湾曲させる等方性エッチング工程と、
    前記側面及び前記第1の保護膜を被覆する第2の保護膜を形成する工程と、を有する圧電体アクチュエータの製造方法。
  7. 前記等方性エッチング工程にて前記圧電体の側面の導電性残渣物を除去することを特徴とする請求項6記載の圧電体アクチュエータの製造方法。
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