JP2015055581A - タイヤの耐久試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの耐ブレーカーエッジルース(耐BEL)の評価方法の提供。
【解決手段】この耐久性試験方法は、劣化工程、走行工程及び判定工程を備えている。この判定工程では、劣化工程及び走行工程を経たタイヤのブレーカーエッジルースの発生の有無が判定される。この劣化工程前のタイヤのベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとし、この劣化工程後のベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとする。この劣化工程の試験条件である室内温度、酸素濃度、タイヤ空気圧、保持期間は、きに、この劣化工程前後の複素弾性率の比(E/E)及び比(E/E)と損失正接の比(tanδb/tanδb)及び比(tanδt/tanδt)とがそれぞれ所定の範囲になうように設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの耐久試験方法に関する。詳細には、本発明は、空気入りタイヤのベルトの耐久性試験の方法に関する。
空気入りタイヤは長期間の使用により劣化する。この劣化は、発熱、ゴムの酸化、繰り返し歪み等により促進される。この劣化により発生する不具合の一つに、ブレーカーエッジルース(以下、BELという)がある。このBELは、ベルトの端部が繰り返し歪みと熱により疲労して、トップゴム(ゴム部材)が破壊される現象である。この耐BELの評価も、劣化させられたタイヤを用いて評価される。この劣化させられたタイヤを得るために実際に使用してタイヤを劣化させることは、長時間の走行を必要とし効率的でない。
このため、タイヤを劣化させる方法として、タイヤに高い酸素濃度のガスを充填する方法や、高温雰囲気中に曝す方法等の擬似的な劣化方法が用いられている。この様にして劣化させたタイヤを評価することで、耐久性の評価がされている。
特開2006−337100公報 特開2004−233218公報
しかしながら、擬似的に劣化させたタイヤでは、市場のタイヤで発生する損傷を同様に再現することは容易ではい。擬似的に劣化させたタイヤによる耐BELの評価試験では、BELの発生以前にビード部の損傷やトレッドの損傷が発生することが多々ある。市場でタイヤに発生するBELを、試験的に再現させることは容易ではない。
本発明の目的は、タイヤの耐ブレーカーエッジルース(耐BEL)の評価方法の提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤの耐久性試験方法は、劣化工程、走行工程及び判定工程を備えている。この劣化工程では、タイヤが常温より高い温度の雰囲気で劣化させられている。この走行工程では、劣化工程を経たタイヤが走行させられる。この判定工程では、走行工程を経たタイヤのブレーカーエッジルースの発生の有無が判定される。
このタイヤは、トレッドとベルトとを備えている。この劣化工程前のタイヤのベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとし、この劣化工程後のベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとし、この走行工程後のベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとする。
この劣化工程の試験条件である室内温度、酸素濃度、タイヤ空気圧、保持期間は、ベルトの比(E/E)が1.25以上1.35以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.88以上0.92以下になり、トレッドの比(E/E)が1.15以上1.25以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.83以上0.87以下になるように設定されている。
好ましくは、この走行工程の試験条件である室内温度、タイヤ空気圧、荷重及びスリップ角は、ベルトの比(E/E)が1.15以上1.20以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.80以上0.86以下になり、トレッドの比(E/E)が1.25以上1.30以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.79以上0.85以下になるように設定されている。
好ましくは、上記劣化工程の試験条件は、以下の範囲にされている。
室内温度:65℃以上75℃以下
酸素濃度:85%以上95%以下
タイヤ空気圧:180kPa以上220kPa以下
保持期間:12日以上16日以下
好ましくは、上記走行工程では、タイヤがドラム路面に接地して走行させられる。この走行工程の試験条件は、以下の範囲にされている。
室内温度:25℃以上35℃以下
タイヤ空気圧:220kPa以上260kPa以下
荷重:最大付加能力80%以上100%以下
速度:80km/h以上120km/h以下
スリップ角:1.3°以上1.7°以下
本発明に係るタイヤの耐久性試験方法では、市場で発生するBELが精度良く再現されうる。これにより、擬似的に劣化させたタイヤを用いて、タイヤの耐BELが、精度よく評価しうる。
図1は、本発明に係るタイヤの耐久性試験方法で評価される空気入りタイヤが示された断面図である。 図2は、本発明に係るタイヤの耐久性試験方法のフローチャートである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、空気入りタイヤ2の一部が示された断面図である。このタイヤ2を例に、本発明の耐久性評価方法が説明される。
図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。図1の一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、赤道面に対してほぼ左右対称の形状を呈する。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、バンド14、インナーライナー16及びチェーファー18を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、スポーツ多目的車(Sports Utility Vehicle、SUV)に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面20を備えている。このトレッド面20は、路面と接地する。トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア22と、このコア22から半径方向外向きに延びるエイペックス24とを備えている。コア22は、リング状である。コア22は、周方向に巻回された非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス24は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス24は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、第一カーカスプライ26及び第二カーカスプライ28からなる。第一カーカスプライ26及び第二カーカスプライ28は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。第一カーカスプライ26及び第二カーカスプライ28は、コア22の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。図示されていないが、第一カーカスプライ26及び第二カーカスプライ28は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。バイアス構造のカーカス10が採用されてもよい。
ベルト12は、トレッド4の内側に位置している。このベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、内側層30及び外側層32からなる。この外側層32は、内側層30の半径方向外側に位置する。このタイヤ2では、内側層30の軸方向幅は、外側層32の軸方向幅よりも大きい。図示されていないが、内側層30及び外側層32のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、10°以上35°以下である。内側層30のコードの傾斜方向は、外側層32のコードの傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。
バンド14は、トレッド4とベルト12との間に位置している。このバンド14は、一対のエッジバンド34からなる。これらのエッジバンド34は、軸方向に離間して配置される。エッジバンド34は、半径方向においてベルト12の外側に位置している。なお、このバンド14が、トレッド4の軸方向一端側からセンターを通って軸方向他端側まで延在するフルバンドから構成されてもよい。
図示されていないが、このエッジバンド34は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。バンド14は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このコードが周方向に対してなす角度の絶対値は、2.0°未満である。
インナーライナー16は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー16は、架橋ゴムからなる。インナーライナー16には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を保持する。チェーファー18は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー18がリムと当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。チェーファー18は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファー18が用いられてもよい。
図2は、本発明に係る耐久性評価方法が示されたフローチャートである。この図2を参照しつつ、タイヤ2を例に、本発明に係る耐久性評価方法が説明される。この耐久性評価方法は、劣化工程(STEP1)、走行工程(STEP2)及び判定工程(STEP3)を備えている。この方法では、BELの発生の有無が評価されるタイヤ2が準備される。このタイヤ2は、未使用タイヤである。
図2の劣化工程では、タイヤ2が劣化処理される。この劣化工程では、このタイヤ2が正規リムに組み込まれて、タイヤ組立体が得られる。このタイヤ組立体に空気が充填される。タイヤ組立体は、空気が充填された状態で、温度及び酸素濃度が管理された室内に置かれる。タイヤ組立体は、所定の保持期間、この室内に置かれる。この劣化工程では、室内温度、室内の酸素濃度、タイヤの空気圧及び室内での保持期間が、主にタイヤ2の劣化促進に寄与する。
この劣化工程の劣化処理により、タイヤ2は、市場走行後のタイヤ2の劣化レベルに近づけられる。本発明でいう市場走行後のタイヤ2の劣化レベルとは、タイヤとして使用可能な限度レベルを意味する。即ち、この劣化工程では、タイヤとして使用可能な限度レベルに達しないがそのレベルに近いレベルまで、タイヤ2が劣化させられる。
この劣化工程前のタイヤ2のベルト12の複素弾性率をEとし、損失正接をtanδbとする。トレッド4の複素弾性率をEとし、損失正接をtanδtとする。この劣化工程後のベルト12の複素弾性率Eとし、損失正接をtanδbとする。トレッド4の複素弾性率をEとし、損失正接をtanδtとする。このとき、室内温度、室内の酸素濃度、タイヤの空気圧及び室内での保持期間は、比(E/E)が1.25以上1.35以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.88以上0.92以下になり、比(E/E)が1.15以上1.25以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.83以上0.87以下になるように設定されている。
このタイヤ2が、例えば以下の条件で劣化処理がされる。
室内温度:65℃以上75℃以下
酸素濃度:85%以上95%以下
タイヤ空気圧:180kPa以上220kPa以下
保持期間:12日以上16日以下
図2の走行工程では、劣化工程を経たタイヤ組立体が、ドラム試験機に取り付けられる。このタイヤ2がドラム試験機のドラム上を走行させられる。このドラムの直径は、一般に1707.6mmである。この走行工程では、室内温度、タイヤ空気圧、タイヤ組立体に負荷する荷重、走行速度及びスリップ角が、主にBELの発生に寄与する。
この走行工程後のベルト12の複素弾性率をEとし、損失正接をtanδbとする。トレッド4の複素弾性率をEとし、損失正接をtanδtとする。このとき、室内温度、タイヤ空気圧、荷重及びスリップ角が、比(E/E)が1.15以上1.20以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.80以上0.86以下になり、比(E/E)が1.25以上1.30以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.79以上0.85以下になるように設定されている。これにより、タイヤ2は、市場走行後のタイヤ2の劣化レベルにされる。
この走行工程では、タイヤ2が例えば以下の条件で劣化処理される。
室内温度:25℃以上35℃以下
タイヤ空気圧:220kPa以上260kPa以下
荷重:最大付加能力80%以上100%以下
速度:80km/h以上120km/h以下
スリップ角:1.3°以上1.7°以下
この判定工程では、走行工程を得たタイヤ2が検査される。ベルト12の損傷が検査される。市場走行後のタイヤ2の劣化レベルで、このベルト12に損傷が認められない場合、良好判定がされる。ベルト12に損傷が認められる場合、不良判定がされる。この判定結果を基に、タイヤ2が更に改良されて、耐久性に優れたタイヤが開発されうる。
この方法では、劣化工程の劣化条件が、劣化処理前後の複素弾性率及び損失正接の比が所定の範囲になるように設定されているので、タイヤ2は、市場走行後のタイヤ2の劣化レベルに近づけられる。これにより、走行工程及び判定工程で耐BELを評価するためのタイヤが短期間で得られる。この劣化工程を経ることで、BELの発生が精度良く再現されうる。更に、BELの発生が、走行工程の比較的短時間の走行試験で再現しうる。
走行工程の走行条件が、走行前後の複素弾性率及び損失正接の比が所定の範囲になるように設定されているので、タイヤ2は、市場走行後のタイヤ2の劣化レベルにされる。これにより、タイヤ2の市場でのBELの発生の有無を精度良く評価しうる。
この劣化工程の劣化処理条件と、走行工程の走行条件の決定方法が、このタイヤ2を例に説明される。
未使用のタイヤ2のベルト12のゴム試験片と、トレッド4のゴム試験片とが準備される。ベルト12の複素弾性率E及び損失正接tanδb が測定される。この複素弾性率E及び損失正接tanδbは、このゴム試験片を用いて求められる。このゴム試験片の大きさは、40mm×4mm×2mmである。このゴム試験片に正弦波振幅を与えて、その応力からベルト12の複素弾性率E及び損失正接tanδbが求められる。同様にして、トレッド4のゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδtが求められる。
このゴム試験片が劣化工程で劣化処理される。ゴム試験片では、空気圧に代えて応力が負荷されて劣化処理される。劣化工程後のベルト12のゴム試験片と、トレッド4のゴム試験片とが準備される。ベルト12のゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδb が測定される。トレッド4のゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδtが測定される。
得られた複素弾性率E及び損失正接tanδbと、複素弾性率E及び損失正接tanδbとから、比(E/E)と比(tanδb/tanδb)が算出される。比(E/E)が1.25以上1.35以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.88以上0.92以下になっているかが判定される。
得られた複素弾性率E及び損失正接tanδtと、複素弾性率E及び損失正接tanδtとから、比(E/E)と比(tanδt/tanδt)が算出される。比(E/E)が1.15以上1.25以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.83以上0.87以下になっているかが判定される。
この比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)、比(tanδt/tanδt)が前述の範囲内にあれば、この劣化工程の室内温度、室内の酸素濃度、タイヤの空気圧及び室内での保持期間がタイヤ2の劣化処理条件とされる。
この比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)及び比(tanδt/tanδt)のいずれかが前述の範囲にない場合には、劣化工程の劣化処理条件が変更される。変更後の劣化処理条件で、同様にして、比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)及び比(tanδt/tanδt)が求められる。この比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)及び比(tanδt/tanδt)が前述の範囲になるまで、劣化処理条件を変更して、これらの比が求められる。これらの比が前述の範囲になれば、その劣化処理条件が劣化工程の処理条件に決定される。
走行工程の走行条件も、劣化処理条件の決定と同様にして、決定される。具体的には、劣化工程後のタイヤ2のベルト12のゴム試験片と、トレッド4のゴム試験片とが準備される。ベルト12のゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδb が測定される。トレッド4のゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδtが測定される。走行工程後のタイヤ2から切り出されて、ベルト12のゴム試験片とトレッド4のゴム試験片とが準備される。ベルト12のゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδb が測定される。トレッド4のゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδtが測定される。
ベルト12の比(E/E)が1.15以上1.20以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.80以上0.86以下になり、トレッド4の比(E/E)が1.25以上1.30以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.79以上0.85以下になっているかが判定される。
この比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)、比(tanδt/tanδt)が前述の範囲内にあれば、その走行工程での室内温度、タイヤ空気圧、荷重及びスリップ角がタイヤ2の走行条件に決定される。これらの比が前述の範囲に無ければ、これらの比が前述の範囲に入るまで走行条件の変更が繰り返される。これらの比が前述の範囲になれば、その走行条件がタイヤ2の走行条件に決定される。
この様にして決定された劣化工程の劣化処理条件と、走行工程の走行条件とにより、タイヤ2の耐BELの評価がされる。
ここでは、トレッド4と同じ材質のゴム試験片と、ベルト12のトッピングゴムと同じ材質のゴム試験片とを用いて、劣化処理条件が定められる方法が例示された。このゴム試験片に代えて、走行条件と同様にタイヤ2が用いられても良い。タイヤ2が複数準備されて、未使用のタイヤ2と、劣化工程を経たタイヤ2とから、ゴム片が切り出されて、複素弾性率及び損失正接が測定されてもよい。
本発明において、複素弾性率及び損失正接は、「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
この発明において、室内の全気体の圧力Pt(Pa)とし、室内の酸素の分圧Ps(Pa)としたときに、酸素濃度(%)は、以下の数式で計算される。
(Ps/Pt)×100
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[テスト1]
[実施例1]
図1に示されるタイヤが準備された。このタイヤサイズは、「305/50R20 120H S/TZ04」であった。このタイヤが劣化工程で劣化させられた。この劣化工程の劣化条件は、室内温度70℃、酸素濃度90%、タイヤ空気圧200kPa及び保持期間14日であった。
[比較例1−5]
保持期間、室内温度及び酸素濃度を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、劣化工程を経たタイヤを得た。
これらのタイヤから、ベルトのゴム試験片とトレッドのゴム試験片とが切り出された。このベルトのゴム試験片から、劣化工程後の複素弾性率E及び損失正接tanδbとが測定された。トレッドのゴム試験片から、複素弾性率E及び損失正接tanδtとが測定された。これらのタイヤの劣化工程前の複素弾性率E、損失正接tanδb、複素弾性率E及び損失正接tanδtとから、比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)及び比(tanδt/tanδt)が算出された。その結果が表1に示されている。
Figure 2015055581
実施例1と同型のタイヤであり、市場走行後のタイヤが準備された。このタイヤについて、比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)及び比(tanδt/tanδt)が算出された。後述する走行工程での劣化を考慮して、市場走行後のタイヤの比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)及び比(tanδt/tanδt)から、劣化処理後のタイヤの比(E/E)、比(tanδb/tanδb)、比(E/E)及び比(tanδt/tanδt)の標準値が設定される。これらの標準値を全て満たす劣化処理条件が探索される。このテスト1では、劣化処理条件として、実施例1の劣化条件が探索されて選定された。
[テスト2]
[実施例2]
実施例1のタイヤが準備された。このタイヤが走行工程で走行させられた。この走行条件は、室内温度30℃、タイヤ空気圧240kPa、速度100km/h、スリップ角1.5°とされた。この走行では、タイヤに最大付加能力の90%の荷重が負荷された。この走行工程では、このタイヤが損傷が生じうるまで走行させられた。その結果が表2に示されている。
[実施例3−4]
走行工程のスリップ角を下記の表2に示される通りとした他は実施例2と同様にして、走行工程後のタイヤを得た。このタイヤが損傷が生じうるまで走行させられた。その結果が表2に示されている。
[実施例5−7]
劣化工程の保持期間と走行工程のスリップ角とを下記の表2に示される通りとした他は実施例2と同様にして、走行工程後のタイヤを得た。このタイヤが損傷が生じうるまで走行させられた。その結果が表2に示されている。
Figure 2015055581
表2に示されるように、実施例4及び実施例7では、BELの発生前に、トレッドのショルダー部に欠けが生じた。所謂チャッキングが発生した。実施例5及び実施例6では、ベルトとカーカスとの間のベルトの端部で亀裂が発生した。実施例2及び実施例3では、ベルトの内側層と外側層との間のベルトの端部で亀裂が発生した。実施例2及び実施例3では、市場走行後のタイヤに見られるBELが再現された。なお、実施例3では、走行距離が長く、実施例2の方が走行工程の時間が短縮されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、耐BELの評価方法として広く空気入りタイヤに適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・バンド
16・・・インナーライナー
18・・・チェーファー
20・・・トレッド面
22・・・コア
24・・・エイペックス
26・・・第一カーカスプライ
28・・・第二カーカスプライ
30・・・内側層
32・・・外側層
34・・・エッジバンド

Claims (4)

  1. 劣化工程、走行工程及び判定工程を備えており、
    この劣化工程では、タイヤが常温より高い温度の雰囲気で劣化させられており、
    この走行工程では、劣化工程を経たタイヤが走行させられており、
    この判定工程では、走行工程を経たタイヤのブレーカーエッジルースの発生の有無が判定されており、
    このタイヤがトレッドとベルトとを備えており、
    この劣化工程前のタイヤのベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとし、この劣化工程後のベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとし、この走行工程後のベルトの複素弾性率E、損失正接tanδb、トレッドの複素弾性率E及び損失正接tanδtとしたときに、
    この劣化工程の試験条件である室内温度、酸素濃度、タイヤ空気圧、保持期間が、ベルトの比(E/E)が1.25以上1.35以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.88以上0.92以下になり、トレッドの比(E/E)が1.15以上1.25以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.83以上0.87以下になるように設定されている空気入りタイヤの耐久性試験方法。
  2. 上記走行工程の試験条件である室内温度、タイヤ空気圧、荷重及びスリップ角が、ベルトの比(E/E)が1.15以上1.20以下になり、比(tanδb/tanδb)が0.80以上0.86以下になり、トレッドの比(E/E)が1.25以上1.30以下になり、比(tanδt/tanδt)が0.79以上0.85以下になるように設定されている請求項1に記載の耐久性試験方法。
  3. 上記劣化工程の試験条件が以下の範囲にされている請求項1又は2に記載の耐久性試験方法。
    室内温度:65℃以上75℃以下
    酸素濃度:85%以上95%以下
    タイヤ空気圧:180kPa以上220kPa以下
    保持期間:12日以上16日以下
  4. 上記走行工程の試験条件が以下の範囲にされて、タイヤがドラム路面に接地して走行させられる請求項2又は3に記載の耐久試験方法。
    室内温度:25℃以上35℃以下
    タイヤ空気圧:220kPa以上260kPa以下
    荷重:最大付加能力80%以上100%以下
    速度:80km/h以上120km/h以下
    スリップ角:1.3°以上1.7°以下
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