JP2015054844A - シクロアルカン誘導体 - Google Patents

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暁 房野
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Kyoji Ishida
恭次 石田
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Abstract

【課題】アルツハイマー病の症状改善を目的とした治療及び/又は予防剤として有用なソマトスタチン受容体サブタイプ4選択的アゴニスト活性を有する新規シクロアルカン誘導体の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物又はその薬学上許容される塩。
Figure 2015054844

[式中、R及びRは、それぞれ同一又は異なって、置換されていてもよいC1−4アルキル等を表し、nは、1〜3の整数を表し、Rは、置換されていてもよいC1−4アルキル、水素原子等を表し、Rは、置換されていてもよいC1−4アルキル等を表し、R5a及びR5bは、それぞれ同一又は異なって、置換されていてもよいC6−14アリール、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいC1−3アルコキシ等を表し、Aは、置換されていてもよいC6−14アリール又は置換されていてもよい5〜11員のヘテロアリールを表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、ソマトスタチン受容体サブタイプ4(以下、「SSTR4」ともいう)選択的なアゴニスト活性を有する内科的疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用な新規シクロアルカン誘導体に関する。さらには、本発明は、アルツハイマー病などのアミロイドβペプチド(以下、「Aβ」ともいう)が関与する神経変性疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用な新規なシクロアルカン誘導体に関する。
アルツハイマー病は、神経細胞の変性、脱落とともに老人斑の形成と神経原繊維変化を特徴とする神経変性疾患であり、認知機能の低下、人格変化を引き起こす認知症の一種である。現在、アルツハイマー病の治療は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤等を用いた症状改善を目的とした薬剤による対症療法に限られている。アルツハイマー病の原因に対する治療及び/又は予防のための有効な方法は見出されていない。
ネプリライシンはAβの分解酵素として知られている。ネプリライシンは、認知機能低下の原因であると考えられている可溶性Aβオリゴマーを分解することが可能である。
一方、ソマトスタチン受容体の内因性リガンドであるソマトスタチンは、ネプリライシンを活性化することが報告されている。しかしながら、ソマトスタチンは、非常に短い生物学的半減期を有しているため、医薬としての使用には適していない。そこで、非ペプチド型ソマトスタチン受容体アゴニストとして、SSTR4に対する親和性を有するチオウレア誘導体(特許文献2、3)やピロリジン誘導体(特許文献1)が開示されている。
特許文献1に開示されているピロリジン誘導体は、下記式で表される構造を有する。当該化合物は、ピロリジン−3−イルカルボキサミド構造を必ず有しているため、シクロアルカンが必須構造である本発明化合物とは構造が明らかに異なる。
Figure 2015054844
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はC1−6アルキルであり、又はRとRが一緒になってC3−6シクロアルキルを形成しており、Rは、水素原子又はC1−6アルキルであり、Rは、置換されていてもよいヘテロ環又は置換されていてもよいアリールであり(ただし、Rはp−シアノフェニルではない)、Rは、置換されていてもよいヘテロ環又は置換されていてもよいアリールであり(ただし、Rはp−メトキシフェニル若しくはp−クロロフェニルではない、又はRがピリジニル若しくはピリミジニルである場合は、Rは、C1−6アルキルである)]
また、特許文献2、3に開示されているチオウレア誘導体についても、本発明化合物とは構造が明らかに異なる。
国際公開第2010/059922号 国際公開第1997/043278号 国際公開第2011/047165号
本発明の課題は、従来の問題点を克服し、SSTR4選択的アゴニスト活性を有する新規な化合物を提供することにある。また、上記化合物のSSTR4への作用を経たネプリライシンの活性化及びアセチルコリンの遊離促進作用により、アルツハイマー病等の神経変性疾患の症状改善を目的とした治療及び/又は予防剤として有用な新規化合物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、下記式(I)で表される化合物がSSTR4結合作用及びアゴニスト活性を有することを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば、下記式(I)で表される化合物又はその薬学上許容される塩(以下、「式(I)で表される化合物」、「本発明の化合物」又は「式(I)の化合物」ともいう)が提供される。
[項1]下記式(I):
Figure 2015054844
[式中、
及びRは、それぞれ同一又は異なって、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、ここにおいて、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、1個の−O−、−NR−、−SO−又は−SO−を含んでいてもよい3〜6員の飽和複素環を形成していてもよく、該飽和複素環は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシ及びシアノからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
nは、1〜3の整数を表し、
は、フッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル又は水素原子を表し、
は、フッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一または異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、ここにおいて、RがC1−4アルキルであるとき、R及びRは、それらが結合する炭素原子と共に一緒になって、1個の−O−、−NR−、−SO−又は−SO−を含んでいてもよい3〜6員の飽和環を形成していてもよく、該飽和環は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、CO及びCONR10からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
5a及びR5bは、それぞれ同一又は異なって、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ及びシアノからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール;フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル;1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ;水素原子;フッ素原子;又はCO11を表し、ここにおいて、R5a及びR5bが置換されていてもよいC1−4アルキルであるとき、R5a及びR5bは、それらが結合する1個又は複数の炭素原子と共に一緒になって、4〜7員の飽和炭素環を形成してもよく、該飽和炭素環は、フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、ただし、nが3で、B環上の−NR及び−C(O)NHCRAが、1,4位に置換するとき、R5a及びR5bはいずれも水素原子であり、
Aは、C6−14アリール又は5〜11員のヘテロアリールを表し、該C6−14アリール及び該5〜11員のへテロアリールは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、C6−14アリール、C6−14アリールオキシ、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、CO12、CONR1314、NR12COR12、NR12CONR1314、SOR15、SO16、SONR1314及びNR1314からなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
及びRは、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、CONR1718、COR19又はCO20を表し、
及びR11は、水素原子又はC1−4アルキルを表し、
及びR10は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、ここにおいて、R及びR10がC1−4アルキルであるとき、R及びR10は、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、3〜6員の飽和複素環を形成してもよく、
12は、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールを表し、
13及びR14は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールを表し、ここにおいて、R13及びR14がC1−4アルキルであるとき、R13及びR14は、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、3〜6員の飽和複素環を形成してもよく、
15は、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールを表し、
16は、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C6−14アリールオキシ又はC6−14アリールを表し、
17及びR18は、それぞれ同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを表し、ここにおいて、R17及びR18がアルキルであるとき、R17及びR18は、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、3〜6員の飽和複素環を形成してもよく、
19は、水素原子、C1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、
20は、C1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルを表す]
で表される化合物又はその薬学上許容される塩。
[項2]
及びRが、それぞれ同一又は異なって、1〜5個のフッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一または異なる1〜5個の置換基で置換されてもよいC1−4アルキル、又は、R及びRが、それらが結合する炭素原子と共に一緒になって、1個の−O−又は−SO−を含んでいてもよい3〜6員の飽和環を形成してもよい、
項1に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項3]
及びRが、それぞれ同一又は異なって、C1−3アルキルである、
項1又は2に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項4]
5a及びR5bが、それぞれ同一又は異なって、フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル;1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ;水素原子;フッ素原子;又はCO11である、
項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項5]
及びRが、それぞれ同一又は異なって、C1−3アルキルであり、
及びRが、それぞれ同一又は異なって、C1−4アルキルである、
項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項6]
Aが、C6−14アリールであり、
該C6−14アリールが、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、シアノ、CO12、CONR1314、SONR1314及びNR1314からなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい、
項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項7]
Aが、C6−14アリールであり、
該C6−14アリールが、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ及びシアノからなる群から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい、
項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項8]
Aが、フェニル又はナフチルであり、
該フェニル及び該ナフチルが、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子及び1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい、
項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項9]
nが2である、
項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項10]
5a及びR5bがいずれも水素原子である、
項9に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項11]
nが1である、
項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項12]
5a及びR5bがいずれも水素原子である、
項11に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項13]
nが3であり、
B環上の−C(O)NHCRAが置換する炭素原子を1位とした場合に−NRが3位に置換しており、
5a及びR5bがいずれも水素原子である、
項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
[項14]
以下の化合物から選択される、項1に記載の化合物又はその薬学上許容される塩:
(1S,2S)−N−[2−(2,3−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例2)、
(1S,2S)−N−[2−(2−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例3)、
(1S,2S)−N−[2−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例4)、
(1S,2S)−N−[2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例5)、
(1S,2S)−N−[2−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例6)、
(1S,3S)−N−[2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−3−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例7)、
トランス−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロブタンカルボキサミド (実施例12)
(1S,3S)−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−3−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例16)、及び
(1S,2S)−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例18)。
[項15]
項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩を含有する医薬組成物。
[項16]
請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩を含有する、ソマトスタチン受容体サブタイプ4の活性化剤;
[項17]
項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、ソマトスタチン受容体サブタイプ4を活性化することによって治療又は予防が可能な疾患の治療剤又は予防剤。
[項18]
前記疾患が、癲癇、うつ病、行動障害、記憶障害、学習障害、注意欠陥障害、疼痛、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病若しくは多発性硬化症)又は神経因性膀胱である、項17に記載の治療剤又は予防剤。
[項19]
前記疾患が、過増殖性障害、先端巨大症、黒色腫、乳がん、前立腺腺腫、前立腺がん、肺がん、腸がん又は皮膚がんである、項17に記載の治療剤又は予防剤。
[項20]
前記疾患が、関節炎、関節リウマチ又はリウマチ性脊椎炎である、項17に記載の治療剤又は予防剤。
[項21]
前記疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎又は喘息である、項17に記載の治療剤又は予防剤。
[項22]
前記疾患が、グレーブス病、炎症性腸疾患、糖尿病性網膜症、腎症、糖尿病性血管障害、虚血性疾患又は良性前立腺肥大である、項17に記載の治療剤又は予防剤。
[項23]
前記疾患が、加齢性黄斑変性、緑内障又は糖尿病性網膜症である、項17に記載の治療剤又は予防剤。
[項24]
ソマトスタチン受容体サブタイプ4を活性化することによって治療又は予防が可能な疾患の治療剤又は予防剤を製造するための、項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩の使用。
[項25]
ソマトスタチン受容体サブタイプ4を活性化することによって治療又は予防が可能な疾患を治療又は予防するための、項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩の使用。
本発明の化合物は、SSTR4選択的アゴニスト活性を有しており、アルツハイマー病、認知障害、記憶障害、学習障害、軽度認知障害、老年性痴呆、アミロイドーシス、脳血管アンギオパチー等のAβに起因する疾患、疼痛、ガン、うつ病などに対する治療剤及び/又は予防剤として有用である。
本発明の式(I)で表される化合物は、水和物及び/又は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物及び/又は溶媒和物も式(I)で表される化合物に包含される。該溶媒和物としては、例えば、エタノール和物が挙げられる。
式(I)で表される化合物は、1個又は複数の不斉炭素原子を有する場合があり、また幾何異性や軸性キラリティを生じることがある。したがって、式(I)で表される化合物は、数種の立体異性体として存在することがある。本発明においては、これらの立体異性体、それらの混合物及びラセミ体は本発明の式(I)で表される化合物に包含される。また、式(I)で表される化合物のいずれか1つ又は2つ以上のHをH(DはHと同義である)又はH(TはHと同義である)に変換した重水素変換体も式(I)で表される化合物に包含される。
つぎに、本明細書中で用いられる用語について以下に説明する。
「アルキル」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、具体的には、「C1−3アルキル」とは炭素原子数が1〜3の直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味する。例えば、「C1−3アルキル」の場合には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられ、「C1−4アルキル」の場合には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルが挙げられる。
「シクロアルキル」とは、単環又は多環式飽和炭化水素基を意味し、飽和炭素環も同義である。具体的には、「C3−6シクロアルキル」とは、炭素原子数が3〜6の単環又は多環式飽和炭化水素基を意味し、一部架橋された構造又はアリール若しくはヘテロアリールと縮環した構造も含まれる。「C3−6シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロへキシルが挙げられる。
「飽和複素環」とは、炭素原子以外に1〜2個の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含む単環の基を意味する。具体的には、「3〜6員の飽和複素環」とは、3〜6個の原子で構成される飽和複素環を意味し、例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン及びピペリジン等が挙げられる。
「飽和環」とは、上記「シクロアルキル」又は上記「飽和複素環」を意味する。
「アルコキシ」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基が酸素原子を介している基を意味し、具体的には、「C1−3アルコキシ」とは炭素原子数が1〜3のアルキルが酸素原子を介している基を意味する。例えば、「C1−3アルコキシ」としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシが挙げられ、「C1−4アルコキシ」としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びブトキシが挙げられる。
「アルキルチオ」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基が硫黄原子を介している基を意味し、具体的には、「C1−4アルキルチオ」とは炭素原子数が1〜4のアルキルが硫黄原子を介している基を意味する。例えば、「C1−4アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ及びブチルチオが挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。好ましくは、フッ素原子又は塩素原子である。
「アリール」とは、単環又は多環式芳香族炭化水素基を意味し、具体的には、「C6−14アリール」とは、芳香環を構成する炭素原子数が6〜14の単環又は多環式芳香族炭化水素基を意味する。例えば、「C6−14アリール」としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラセニルが挙げられ、好ましくは1−ナフチル又はフェニルである。
「アリールオキシ」とは、単環又は多環式芳香族炭化水素基が酸素原子を介している基を意味する。例えば、「アリールオキシ」としては、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシが挙げられ、好ましくはフェニルオキシが挙げられる。
「ヘテロアリール」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から独立して選択される1〜4個の原子を含む、単環の5〜7員環の芳香族複素環基又は2環の8〜11員の芳香族複素環基を意味する。「ヘテロアリール」としては、例えば、ピリジル、ピリダジニル、イソチアゾリル、ピロリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インダゾリル、クロメニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリルが挙げられる。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジニル、チエニル、ピリミジニル、キノリル及びイソキノリルが挙げられる。
本明細書中、一実施形態の式(I)で表される化合物において、nが3であり、B環がシクロヘキサン環を示すとき、「−NR(アミノ基)及び−C(O)NHCRA(アミド基)が互いにB環の1,3位又は1,4位に置換する」とは、シクロヘキサン環上のアミド基の置換位置を1位としたときに、アミノ基が3位又は4位に置換することを意味する。例えば「シクロヘキサン環の1,3位に置換する」とは、下記に示すように、アミド基が1位になるように番号を付与し、アミノ基の位置をその番号が最小となるように付与したとき、3番目に位置する炭素原子にアミノ基が置換していることを意味する。
Figure 2015054844
式(I)で表される化合物の中でも、R、R、R、R、R5a、R5b、R〜R20、A及びnで、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
及びRとして好ましくは、それぞれ同一又は異なってC1−4アルキルが挙げられ、より好ましくはC1−3アルキルが挙げられる。さらに好ましくは、メチル、エチル又はイソプロピルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
及びRが、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって形成する飽和複素環として好ましくは、4〜6員の無置換の飽和複素環が挙げられる。さらに好ましくは、ピロリジン又はピペリジンが挙げられ、もっとも好ましくはピロリジンが挙げられる。
として好ましくは、フッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されてもよいC1−4アルキルが挙げられ、より好ましくは無置換のC1−4のアルキルが挙げられる。さらに好ましくは、メチル、エチル又はイソプロピルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
として好ましくは、無置換のC1−4のアルキルが挙げられる。より好ましくは、メチル、エチル及びイソプロピルが挙げられ、さらに好ましくはメチルが挙げられる。
及びRが、それらが結合する炭素原子と共に一緒になって形成する3〜6員の飽和環として好ましくは、1個の−O−を含んでいてもよい無置換の飽和環が挙げられ、さらに好ましくは3〜6員のシクロアルキルが挙げられる。もっとも好ましくは、シクロプロピル又はシクロへキシルが挙げられる。
5a及びR5bとして好ましくは、同一又は異なって、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、ハロゲン原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ及びシアノからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC6−11アリール;フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル;1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ;水素原子;フッ素原子;又はCO11、又は、該アルキルは、それらが結合する1個又は複数の炭素原子と共に一緒になって4〜7員の飽和炭素環を形成してもよい。より好ましくは、R5a及びR5bが、同一又は異なって、フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル;1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ;フッ素原子;水素原子;又はCO11が挙げられる。さらに好ましくは、R5a及びR5bが、同一又は異なって、C1−4アルキル又は水素原子であり、もっとも好ましくは、R5a及びR5bが、すべて水素原子である組み合わせが挙げられる。
Aとして好ましくは、C6−14アリールが挙げられ、より好ましくはフェニル又は1−ナフチルが挙げられる。さらに好ましくはフェニルが挙げられる。Aに置換基が存在するとき、置換基として好ましくは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、シアノ、CO12、CONR1314、SONR1314及びNR1314が挙げられる。より好ましくは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ及びシアノが挙げられ、さらに好ましくは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、フッ素原子、塩素原子及び1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシが挙げられる。もっとも好ましくはメチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、フッ素原子及び塩素原子が挙げられる。Aに置換する置換基の数として、好ましくは1〜4個が挙げられ、より好ましくは1〜3個が挙げられ、さらに好ましくは1又は2個が挙げられ、もっとも好ましくは2個が挙げられる。
nが表す数として、好ましくは1又は2が挙げられ、より好ましくは、2が挙げられる。
アミノ基とアミド基の置換位置として、シクロアルカンを形成する炭素原子のうち、アミド基を有する炭素原子を1位としたときに、好ましくは2位又は3位にアミノ基を有する化合物であり、より好ましくは2位にアミノ基を有する化合物である。
及びRとして好ましくは、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、CONR1718又はCOR19が挙げられ、より好ましくは、水素原子、C1−3アルキル又はCOR19が挙げられ、さらに好ましくはC1−3アルキルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
及びR11として好ましくは、それぞれ同一又は異なって、C1−4アルキルが挙げられ、より好ましくはメチル、エチル又はtert−ブチルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
及びR10として好ましくは、それぞれ同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルが挙げられ、より好ましくはC1−4アルキルが挙げられ、さらに好ましくはメチル、エチル又はイソプロピルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。R及びR10が、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって形成する飽和複素環としては、好ましくはピロリジン又はピペリジンが挙げられ、より好ましくはピロリジンが挙げられる。
12としては、好ましくはC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルが挙げられ、より好ましくはC1−4アルキルが挙げられ、さらに好ましくはメチル、エチル又はtert−ブチルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
13及びR14として好ましくは、同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルが挙げられ、より好ましくはC1−4アルキルが挙げられ、さらに好ましくはメチル、エチル又はイソプロピルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。R13及びR14が、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって形成する飽和複素環として好ましくは、ピロリジン又はピペリジンが挙げられ、より好ましくはピロリジンが挙げられる。
15として好ましくは、C1−4のアルキル又はC3−6のシクロアルキルが挙げられ、より好ましくはC1−4のアルキルが挙げられ、さらに好ましくはメチル、エチル又はイソプロピルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
16として好ましくは、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールが挙げられ、より好ましくはC1−4アルキル又はC6−14アリールが挙げられ、さらに好ましくはメチル、エチル、イソプロピル又はフェニルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
17及びR18として好ましくは、同一又は異なって、C1−4アルキルが挙げられ、より好ましくはメチル、エチル又はイソプロピルが挙げられ、さらに好ましくはメチル又はイソプロピルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。R17及びR18が、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって形成する飽和複素環として好ましくは、ピロリジン又はピペリジンが挙げられ、より好ましくはピロリジンが挙げられる。
19として好ましくは、水素原子又はC1−4アルキルが挙げられ、より好ましくは水素原子又はメチルが挙げられる。
20として好ましくは、C1−4アルキルが挙げられ、より好ましくはメチル、エチル又はtert−ブチルが挙げられる。さらに好ましくはメチル又はエチルが挙げられ、もっとも好ましくはメチルが挙げられる。
本発明の化合物において、好ましい化合物としては、例えば、以下の化合物Aが挙げられ、さらに好ましい化合物としては、例えば、化合物Bが挙げられる。
[化合物A]
及びRが、それぞれ同一又は異なって、C1−3アルキルであるか、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、1個の−O−を含んでいてもよい3〜6員の飽和複素環を形成していてもよく、
nが、1〜2の整数であり、
及びRが、それぞれ同一又は異なって、フッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルであるか、R及びRが、それらが結合する炭素原子と共に一緒になって、1個の−O−又は−SO−を含んでいてもよい3〜6員の飽和環を形成し、
5a及びR5bが、それぞれ同一又は異なって、フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル;1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ;水素原子;フッ素原子;又はCO11であり、
Aが、C6−14アリールであり、該C6−14アリールは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、シアノ、CO12、CONR1314、SONR1314及びNR1314からなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
11が、C1−4アルキルであり、
12は、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールを表し、
13及びR14は、それぞれ同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルである化合物又はその薬学上許容される塩。
[化合物B]
及びRが、それぞれメチルであるか、それらが結合する窒素原子と共に一緒になってピロリジン環、ピペリジン環又はモルホリン環を形成し、
nが、1〜2の整数であり、
及びRが、それぞれメチルであり、
5a及びR5bが、それぞれ水素原子であり、
Aが、同一又は異なって、フッ素原子又は塩素原子を1〜2個置換されていてもよいフェニル又は1−ナフチルである化合物又はその薬学上許容される塩。
式(I)で表される化合物としては、
(1S,2S)−N−[2−(2,3−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例2)、
(1S,2S)−N−[2−(2−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例3)、
(1S,2S)−N−[2−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例4)、
(1S,2S)−N−[2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例5)、
(1S,2S)−N−[2−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例6)、
トランス−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロブタンカルボキサミド (実施例12)、
(1S,3S)−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−3−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例16)、及び
(1S,2S)−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド (実施例18)、
からなる群から選択される化合物又はその薬学上許容される塩が特に好ましい。
式(I)で表される化合物の薬学上許容される塩とは、構造中に酸付加塩を形成しうる基を有する場合、式(I)の化合物の薬学上許容される酸付加塩を意味する。酸付加塩の具体例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩、又はグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。
式(I)で表される化合物がカルボキシなどの酸性置換基を有する場合、各種の塩基と塩を形成しうる。この場合の薬学上許容される塩としては、ナトリウム塩もしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩などが挙げられる。これらの塩は、式(I)で表される化合物を酸又は塩基と混合した後、晶析などの常法により得ることができる。
なお、本明細書において記載の簡略化のために、次に挙げる略号を用いることもある。 o−:ortho−、m−:meta−、p−:para−、t−:tert−、s−:sec−、Me:メチル、TMS:トリメチルシリル、THF:テトラヒドロフラン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DME:1,2−ジメトキシエタン、DMA:N,N−ジメチルアセトアミド、NMP:N−メチルピロリドン、DMSO:ジメチルスルホキシド、DMSO−d:重ジメチルスルホキシド、Boc:tert−ブトキシカルボニル、HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HATU:2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、DCC:N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、PyBOP:ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、DMAP:4−ジメチルアミノピリジン、BocO:二炭酸ジ−tert−ブチル、WSCD:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、CIP:2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、L−Selectride:水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム、TFA:トリフルオロ酢酸。
本発明の化合物の製造方法について以下に述べる。式(I)で表される化合物は、例えば下記の製造法により製造することができる。
式(I)の化合物は、下記製造法[1]によって製造することができる。
Figure 2015054844
式中、A、R、R、R、R、R5a、R5b及びnは項1に定義されるとおりであり、Pはアミノ基の保護基、Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ等の脱離基を意味する。
化合物a−1は、市販品として購入できるか、例えば、Tetrahedron Letters, 1987, 28, 6513−6516、Bioorganic and Medicinal Chemistry, 2011, 19, 5238−5246、国際公開第1999/19301号、Journal of Medicinal Chemistry, 2011, 54, 1836−1846などに記載されている方法により合成することができる。
化合物a―5は、市販品として購入できるか、例えば、国際公開第2004/041795号、Tetrahedron Asymmetry,2011,22,69−100、Chirality,2011,23,245−249、Journal of Organic Chemistry,2009,4,3414−3423、国際公開第2008/153027、Tetrahedron Asymmetry,2008,19,2296−2303、国際公開第2007/121124号、国際公開第1995/07022号、国際公開第2011/080562号、国際公開第2011/005608号、国際公開第2011/007230号、Tetrahedron Asymmetry,2008,19,302−308、European Journal of Organic Chemistry,2007,408−4430、Tetrahedron,1997,38,1681−1684などに記載されている方法により合成することができる。
工程[1―1]
本工程は、化合物a−1と化合物a−5との縮合反応を行うことで、化合物a−2を得る工程である。本反応は常法に従って行うことができる。例えば、この反応は化合物a−5を反応性誘導体(例えば、低級アルキルエステル、活性エステル、酸無水物、酸ハライド等)に変換し、化合物a−1と反応させることによって達成される。活性エステルの具体例としては、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル等が挙げられる。酸無水物の具体例としては、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチル、イソ吉草酸、ピバリン酸等との混合酸無水物が挙げられる。
また、化合物a−2は、化合物a−1と化合物a−5とを縮合剤の存在下で反応させることによっても製造される。縮合剤の具体例としては、DCC、WSCD、HATU、PyBOP等が挙げられる。これらの縮合剤は単独で、又は、これら縮合剤と、N−ヒドロキシコハク酸イミド、HOBt、DMAP等のペプチド合成試薬とを組み合わせて用いることができる。
化合物a−1と化合物a−5との反応は、溶媒中又は無溶媒下で行われる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類等に従って適宜選択することができ、例えばトルエン、THF、ジオキサン、DME、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、DMF、DMSO等が挙げられ、単独又は混合溶媒として使用することができる。なお、化合物a−1は、水溶液又は塩酸塩等の酸付加塩の形で使用され、反応系中で遊離塩基を生成させてもよい。本反応は通常、塩基の存在下で行われることもあり、使用される塩基の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基が挙げられる。反応温度は、用いられる原料化合物の種類等により異なるが、通常、約−30℃〜約150℃、好ましくは約−10℃〜約70℃である。反応時間は、用いられる原料化合物の種類等により異なるが、通常、約30分〜72時間、好ましくは約1時間〜12時間である。
工程[1−2]
本工程は、上記工程[1−1]で得られた化合物a−2のアミノ基の保護基Pを、脱保護することにより、化合物a−3を得る工程である。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
工程[1−3]
本工程は、上記工程[1−2]で得られた化合物a−3のアミノ基を、例えば還元的アミノ化反応によりアルキル化することで、化合物a−4を得る工程である。本反応は常法に従って行うことができる。例えば、この反応は適当な溶媒中又は無溶媒下で、化合物a−3をRに対応する各種ケトン又はアルデヒド等と、還元剤等を共存させて反応を行うことで達成される。還元剤等の具体例としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類等に従って選択されるべきであるが、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、THF、1,4−ジオキサン、DME、アセトニトリル、DMF、DMA、NMP、DMSO、酢酸、水又はメタノール、エタノール、イソプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール等のアルコール類が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することができる。反応温度は、用いられる原料化合物及び試薬の種類等によって異なるが、通常−20℃〜200℃、好ましくは0℃〜100℃である。反応時間は、用いられる原料化合物の種類等により異なるが、通常、30分〜72時間、好ましくは約1時間〜12時間である。
また、化合物a−4は、適当な溶媒中又は無溶媒下で、各種アルキルハライド等と化合物a−3を反応させることによっても得られる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類等によって適宜選択することができ、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、THF、1,4−ジオキサン、DME、アセトニトリル、DMF、DMA、NMP、DMSO等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することができる。なお、化合物a−3は、塩酸塩等の酸付加塩の形で使用され、反応系中で遊離塩基を生成させてもよい。本反応は通常塩基の存在下で行われることもあり、使用される塩基の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、又は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基が挙げられる。反応温度は、用いられる原料化合物及び試薬の種類等によって異なるが、通常−20℃〜200℃、好ましくは0℃〜100℃である。反応時間は、用いられる原料化合物の種類等により異なるが、通常、30分〜72時間、好ましくは約1時間〜12時間である。
工程[1−4]
本工程は、上記工程[1−3]で得られた化合物a−4を用いて、工程[1−3]と同様の反応を行うことにより、式(I)の化合物又はその薬学上許容される塩を得る工程である。
式(I)で表される化合物は、下記製造法[2]によっても製造することができる。
Figure 2015054844
式中、A、R、R、R、R、R5a、R5b及びnは項1に定義されるとおりであり、Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ等の脱離基を意味する。また、b−2及びb−5におけるB環の一部は、オキソによって置換されていることを意味する。
化合物b−1は、市販品として購入できるか、例えば、Tetrahedron Letters, 1987, 28, 6513−6516、Bioorganic and Medicinal Chemistry, 2011, 19, 5238−5246、国際公開第1999/19301号、Journal of Medicinal Chemistry, 2011, 54, 1836−1846などに記載されている方法により合成することができる。
化合物b−5は、市販品として購入できるか、例えば、国際公開第2009/152133号、Helvetica Chimica Acta,2005,88,3174−3199、Journal of the American Chemical Society,2004,126,12353−12362、Synthesis,1997,356−365、Helvetica Chimica Acta,1980,63,2230−2257、Canadian Journal of Chemistry,2005,83,68−76、Science of Synthesis,2006,23,271−349、国際公開第2007/010387号などに記載されている方法により合成することができる。
工程[2−1]
本工程は、化合物b−1と化合物b−5との縮合反応を行うことで、化合物b−2を得る工程である。本反応は製造法[1]の工程[1−1]に記載の方法に従い行うことができる。
工程[2−2]
本工程は、上記工程[2−1]で得られた化合物b−2のカルボニル基を、還元することにより、化合物b−3を得る工程である。本工程はComprehensive Organic transformation(R.C.ラロック著, VCH publisher Inc.発行、1989年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
工程[2−3]
本工程は、上記工程[2−2]で得られた化合物b−3のヒドロキシを、例えばハロゲン化反応により脱離基へと変換することで、化合物b−4を得る工程である。本工程はComprehensive Organic transformation(R.C.ラロック著, VCH publisher Inc.発行、1989年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
工程[2−4]
本工程は、上記工程[2−3]で得られた化合物b−4の脱離基を、適当な溶媒中又は無溶媒下、化合物b−6との置換反応によりアミノ基へと変換することで、式(I)の化合物又はその薬学上許容される塩を得る工程である。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類等によって適宜選択することができ、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、THF、1,4−ジオキサン、DME、アセトニトリル、DMF、DMA、NMP、DMSO等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することができる。なお、化合物b−6は、塩酸塩等の酸付加塩の形で使用され、反応系中で遊離塩基を生成させてもよい。本反応は通常塩基の存在下で行われることもあり、使用される塩基の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、又は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基が挙げられる。反応温度は、用いられる原料化合物及び試薬の種類等によって異なるが、通常−20℃〜200℃、好ましくは0℃〜100℃である。反応時間は、用いられる原料化合物の種類等により異なるが、通常、30分〜72時間、好ましくは約1時間〜12時間である。
本実施形態の式(I)で表される化合物又はその中間体は、当業者に公知の方法で分離及び精製することができる。精製方法としては、例えば、抽出、分配、再沈殿、カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィーもしくは分取液体クロマトグラフィー)又は晶析などが挙げられる。晶析溶媒としては例えば、メタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ベンゼンもしくはトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、ジクロロメタンもしくはクロロホルムなどのハロゲン系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルなどの非プロトン性溶媒、水、及びこれらの混合溶媒などを用いることができる。その他の精製方法としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)1巻などに記載された方法などを用いることができる。また、本発明化合物の分子構造の決定は、それぞれの原料化合物に由来する構造を参照して、核磁気共鳴スペクトル分析法、赤外吸収スペクトル分析法、円二色性スペクトル分析法などの分光学的手法、及び質量スペクトル分析法により容易に行える。
本実施形態の式(I)で表される化合物又はその薬学上許容される塩には、不斉炭素原子が生じる場合又は不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、そのような化合物においては光学異性体が存在しうる。本発明の化合物にはこれらの各異性体の混合物や単離されたものも含まれ、通常の方法に従って製造することができる。製造方法としては例えば、不斉炭素を有する原料を用いる方法か、又は途中の段階で不斉を導入する方法が挙げられる。例えば、光学異性体の場合、光学活性な原料を用いるか、製造工程の適当な段階で光学分割などを行うことで、光学異性体を得ることができる。光学分割法としては例えば、式(I)で表される化合物又はその中間体が、塩基性置換基を有する場合には、不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン性溶媒、又はこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N−ベンジルオキシアラニンもしくは乳酸などのモノカルボン酸、酒石酸、o−ジイソプロピリデン酒石酸もしくはリンゴ酸などのジカルボン酸、カンファースルホン酸もしくはブロモカンファースルホン酸などのスルホン酸)を用いて塩を形成させるジアステレオマー法が挙げられる。式(I)で表される本発明化合物の中間体が、カルボキシ基などの酸性置換基を有する場合には、光学活性なアミン(例えば1−フェニルエチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニンもしくはストリキニーネなどの有機アミン)を用いて、塩を形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
塩を形成させる温度としては、室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し、収率を向上させることができる。光学活性な酸又はアミンの使用量は、基質に対し0.5〜2.0化学当量の範囲、好ましくは0.8〜1.2化学当量の範囲が適当である。必要に応じて結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン性溶媒、又はこれらの混合溶媒)で晶析し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸又は塩基で処理し、フリー体として得ることもできる。
あるいは、式(I)で表される化合物の中間体が、カルボキシ基を有する場合には、光学活性なアミン(例えば、1−フェニルエチルアミンなど)を用いてアミドを形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
本発明の化合物は、ソマトスタチン受容体サブタイプ4の活性化剤として有用である。さらに、本発明の化合物は、ソマトスタチン受容体サブタイプ4を活性化することによって治療又は予防が可能な疾患に対して有用な治療薬又は予防薬となり得る。このような疾患としては、例えば、アルツハイマー病、認知障害、記憶障害、学習障害、軽度認知障害、老年性痴呆、アミロイドーシス及び脳血管アンギオパチー等のAβに起因する疾患、パーキンソン病及び多発性硬化症等の神経変性疾患、癲癇、うつ病、行動障害、注意欠陥障害、疼痛、神経因性膀胱、過増殖性障害、先端巨大症、黒色腫、乳がん、前立腺腺腫、前立腺がん、肺がん、腸がん及び皮膚がん等の癌、関節炎、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、グレーブス病、炎症性腸疾患、腎症、糖尿病性血管障害、虚血性疾患、良性前立腺肥大、加齢性黄斑変性、緑内障、並びに、糖尿病性網膜症が挙げられる。特に、アルツハイマー病の治療薬をはじめ種々の精神神経疾病に対して有用な治療薬となり得る。
本発明の化合物は、後述のとおり、アルツハイマー治療薬をはじめ種々の精神神経疾病に対して有用な治療薬となり得る。本発明の化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与又は直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なる。例えば、経口投与の場合は、通常、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01mg〜1000mg、更に好ましくは約0.1mg〜500mgを1〜数回に分けて投与することができる。静注等の非経口投与の場合は、通常、例えば、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01mg〜300mg、更に好ましくは約1mg〜100mgを投与することができる。
本発明の化合物は、上記のごとき医薬用途に使用する場合、通常、製剤用担体と混合して調製された製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明の化合物と反応しない無毒性の物質が用いられる。具体的には、例えばクエン酸、グルタミン酸、グリシン、乳糖、イノシトール、ブドウ糖、マンニトール、デキストラン、ソルビトール、シクロデキストリン、デンプン、部分アルファー化デンプン、白糖、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、カルボキシビニルポリマー、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、プロピレングリコール、エタノール、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、水等が挙げられる。
剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、点眼剤、軟膏剤、塗布剤、貼付剤、吸入剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また、錠剤及び顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。更に、これらの製剤は治療上価値ある他の成分を含有してもよい。
以下に参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、化合物の同定は元素分析値、質量スペクトル(MS)、高速液体クロマト質量分析計(LCMS)、赤外吸収(IR)スペクトル、核磁気共鳴(NMR)スペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行った。
高速液体クロマト質量分析計(LCMS)の測定条件は、以下のとおりであり、観察された質量分析の値(m/z)を[M+H]で、保持時間をRt(分)で示す。なお、各実測値においては、測定に用いた測定条件をA〜Dで付記する。
測定条件A
検出機器:Waters ACQUITY UPLC
column:ACQUITY UPLC BEH C18 (1.7μm, 2.1mm×50mm)
Solvent:
A液:0.05v/v% HCOOH/HO、B液:CHCN
Gradient Condition:
0.0−1.3分;A/B=90:10〜1:99(linear gradient)
1.3−1.5分;A/B=1:99
1.5−2.0分;A/B=90:10
Flow Rate:0.75 mL/分
UV:220nm、254nm
カラム温度:50℃
測定条件B
検出機器:APIシリーズ用Agilent 1100シリーズ (applied Biosystems社製)
HPLC:API 150EX LC/MS system (applied Biosystems社製)
Column:YMC CombiScreen Hydrosphere C18 (S−5μM, 12nm, 4.6mm×50mm)
Solvent:
A液:0.05v/v% TFA/HO、B液:0.05v/v% TFA/MeOH
Gradient Condition:
0.0−6.0分;A/B=90:10〜1:99(linear gradient)
Flow rate:3.5mL/分
UV:254nm、220nm
カラム温度:40℃
測定条件C
検出機器:Shimadzu LCMS−2020
Column:Phenomenex Kinetex C18 (1.7μm, 2.1mm×50mm)
Solvent:
A液:MeOH、B液:0.05v/v% TFA/H
Gradient Condition:
0.0分;A/B=30:70
0.0−1.9分;A/B=99:1
1.9−3.0分;A/B=30:70
Flow Rate:0.5mL/分
UV:220nm
カラム温度:40℃
測定条件D
検出機器:Perkin−Elmer Sciex API 150EX Massspectrometer (40 eV)
HPLC:Shimadzu LC 10ATVP
Column:Shiseido CAPCELL PAK C18 ACR (S−5μm, 4.6mm×50mm)
Solvent:
A液:0.035v/v% TFA/MeOH、B液:0.05v/v% TFA/H
Gradient Condition:
0.0−0.5分;A/B=10:90
0.5−5.9分;A/B=10:90〜99:1(linear gradient)
5.9−6.4分;A/B=99:1
Flow rate:2.8mL/分
UV:220nm
カラム温度:40℃
NMRスペクトルの測定は、テトラメチルシラン(TMS)を内標準物質として用い、TMSのピークを0ppmとしたときの各ピークの化学シフト値(δ)を記載した。なお、カップリング定数は単位をヘルツ(Hz)として記載し、分裂パターンの表記について、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、mは多重線を意味する。
参考例1
2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−オール
Figure 2015054844
2−クロロ−4−フルオロ安息香酸(5.10g)のアセトン(30mL)溶液へ炭酸カリウム(6.46g)、ヨウ化メチル(7.07g)を加え、加熱還流下、終夜攪拌した。室温まで冷却後、減圧濃縮し、酢酸エチルと水を加えて抽出した。水層を酢酸エチルで2回抽出後、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、反応混合物をろ過し、減圧濃縮することで2−クロロ−4−フルオロ安息香酸メチルを得た。
得られた2−クロロ−4−フルオロ安息香酸メチルのTHF溶液(25mL)を氷浴で冷却し、攪拌下に3mol/L メチルマグネシウムブロミド/ジエチルエーテル溶液(25mL)を滴下した。室温にて4時間攪拌後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、次いで水を加えた。酢酸エチルで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、反応混合物をろ過し、減圧濃縮して目的化合物をオイルとして得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3)δ1.57 (s, 6H), 2.46 (s, 1H), 6.97-6.95(m, 1H), 7.11 (dd, J = 8.3, 2.7 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 8.8, 6.4 Hz, 1H).
参考例2
2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−アミン
Figure 2015054844
2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−オールのトルエン溶液(30mL)に、攪拌下トリメチルシリルアジド(3.72mg)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(4.61g)を順次滴下し、室温にて1時間攪拌した。原料の消失を確認後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、反応混合物をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をTHF(10mL)に溶かし、得られたTHF溶液を水素化リチウムアルミニウム(1.10g)のTHF懸濁液(30mL)に室温下滴下した。反応液を終夜攪拌後、水(1.1mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(1.1mL)及び水(3.3mL)を順次滴下した。反応混合物をセライトでろ過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=92/8〜85/15)で精製し、目的化合物(3.40g)をオイルとして得た。
LC-MS: [M+H]+ / Rt (min) /condition = 188 / 1.84 / B
参考例3〜7
対応する原料化合物を用いて参考例2と同様に反応及び処理し、表1に示す参考例2〜7を得た。
Figure 2015054844
参考例8
tert−ブチル [(1S,3S)−3−{[2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]カルバモイル}シクロペンチル]カルバメート
Figure 2015054844
(1S,3S)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロペンタンカルボン酸(120.1mg)、WSCD(102.7mg)、2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)プロパン−2−アミン(参考例7の化合物、80.0mg)、HOBt(82.4mg)、及びトリエチルアミン(0.12mL)のジクロロメタン溶液(3mL)を室温下、終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物(145.3mg)を固体として得た。
LC-MS: [M+H]+ / Rt (min) /condition = 399 / 4.84 / B
参考例9
N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−3−オキソシクロペンタンカルボキサミド
Figure 2015054844
3−オキソシクロペンタンカルボン酸(0.19g)、2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−アミン(0.29g)、トリエチルアミン(0.65mL)のジクロロメタン溶液(5mL)へCIP(0.47g)を加え、室温にて終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで目的化合物を得た。
LC-MS: [M+H]+ / Rt (min) /condition = 296 / 4.44 / B
参考例10
シス−3−ヒドロキシ−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]シクロペンタンカルボキサミド
Figure 2015054844
N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−3−オキソシクロペンタンカルボキサミド(347mg)のTHF(12mL)溶液を0℃に冷却し、1mol/L L−セレクトリド/THF溶液(2.35mL)を滴下し、0℃において1時間撹拌した。水(5mL)を滴下した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)で精製し、目的化合物(392mg)をアモルファスとして得た。
LC-MS: [M+H]+ / Rt (min) /condition = 298 / 1.66 / C
参考例11
シス−3−クロロ−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]シクロペンタンカルボキサミド
Figure 2015054844
シス−3−ヒドロキシ−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]シクロペンタンカルボキサミド(120mg)のジクロロメタン(4mL)溶液に対しDMF(0.1mL)、及び塩化チオニル(0.087mL)を加え室温で23時間撹拌した後、反応液を0.1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸水素ナトリウムで乾燥後、反応混合物をろ過し、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1〜97/3)で精製し、目的化合物(70mg)を結晶として得た。
LC-MS: [M+H]+ / Rt (min) /condition = 316 / 1.93 / C
実施例1
(1S,3S)−N−[2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−3−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド
Figure 2015054844
参考例8で得られたtert−ブチル[(1S,3S)−3−{[2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]カルバモイル}シクロペンチル]カルバメート(145.3mg)に、4mol/L 塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(5mL)を加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を2,2,2−トリフルオロエタノール(5mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(300mg)、及び水素化ホウ素ナトリウム(60mg)を加え、80℃で3時間攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、減圧濃縮して得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物(42.4mg)を固体として得た。
LC-MS: [M+H]+ / Rt (min) /condition = 327 / 3.22 / B
実施例2〜9
対応するカルボン酸化合物とアミン化合物(参考例2〜6)とを用いて、実施例1と同様に反応及び処理をし、表2に示す実施例2〜9を得た。
Figure 2015054844
実施例10〜24
対応するカルボン酸化合物と2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−アミンとを用いて、実施例1と同様に反応及び処理をし、表3に示す実施例10〜24を得た。
Figure 2015054844
実施例25
シス−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−3−(ピペリジン−1−イル)シクロペンタンカルボキサミド
Figure 2015054844
参考例11で得られたシス−3−クロロ−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]シクロペンタンカルボキサミド(15mg)、及びピペリジン(0.5mL)のDMF(0.5mL)溶液を85℃で3日間撹拌した。反応溶液に水(3mL)を加え、酢酸エチル(3mL)で二回抽出した。有機層を無水硫酸水素ナトリウムで乾燥後、反応混合物をろ過し、減圧濃縮して得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=30/70〜0/100)で精製し、目的化合物(11mg)をオイルとして得た。
LC-MS: [M+H]+ / Rt (min) /condition = 365 / 1.10 / C
実施例26及び27
参考例11で得られたシス−3−クロロ−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]シクロペンタンカルボキサミド及び対応するアミン化合物を用いて、実施例25と同様に反応及び処理をし、表4に示す実施例26及び27の化合物を得た。
Figure 2015054844
試験例
以下に、本発明の代表的化合物の薬理試験結果を示し、該化合物についての薬理作用を説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
試験例1.ヒトSSTR4安定発現細胞を用いたアゴニスト活性評価
(1)ヒトSSTR4安定発現細胞
ヒトSSTR4安定発現細胞を作製し、培養に供した。具体的には、宿主細胞としてヒト腎臓由来細胞であるHEK293細胞を用いた。ヒトSSTR遺伝子を挿入したpcDNA3.1(cat. No. V79020 , invitrogen, Carlsbad, CA,USA)をHEK293細胞に導入することによってヒトSSTR4安定発現細胞株を得た。選別にはG418(cat. No. 16513−84, Nacalai tesque, Japan)を用いた。
培地には10%FBS、200μg/mL G418を含むD−MEM培地(cat. No.11995,GIBCO, USA)を用い、225cmフラスコ(cat. No. 11−006−010, Iwaki, Japan)にて培養を行った。
約80%コンフルエントな状態で20倍希釈した0.25%Trypsin−EDTA(cat. No. 35554−64, Nacalai tesque, Japan)処理にて細胞を回収した。回収した細胞は、Hanks buffer(cat. No. 14065−056, invitrogen, Carlsbad, CA,USA)/20mM Hepes(cat. No. 15630−080, invitrogen, Carlsbad, CA,USA)、0.1% BSA(cat. No. A7906, Sigma Aldrich, USA)からなる反応培地にて70000 cells/mLに調製した。回収した細胞にGα16, apoaequorinを一過的に導入し、約2000 cells/30μL/wellとなるように384wellプレート(cat. No. 781090, Greiner, Germany)に播種した。播種した翌日に、セレンテラジンH(cat. No. S2011, Promega, USA)を終濃度0.5μmol/Lとなるように各wellに添加し(10μL/well)、プレートを遠心した後、4時間室温、遮光下で静置した。
(2)試験化合物の調製
試験化合物を用いて終濃度の1000倍の濃度となるようにDMSO溶液を作製した。得られたDMSO溶液をHanks/20mmol/L Hepes/0.1% BSAにて終濃度の10倍の濃度となるように調製した。
(3)アゴニスト活性評価
SSTR4刺激による発光シグナルの検出にはFDSS7000(浜松ホトニクス社製、製品名)を用いた。細胞及び発光基質を添加したプレートに試験化合物の溶液を添加し、90秒間発光シグナルを測定して相対発光量(RLU:Relative light unit)を算出した。試験化合物としてソマトスタチンを用い、終濃度を1μmol/Lとしたときの発光量を100%として、50%の発光量を示すときの試験化合物の濃度をアゴニスト活性EC50として評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2015054844
表5に示すように、実施例1〜27の化合物はSSTR4アゴニスト活性評価試験においてアゴニスト活性を示した。特に、実施例2、3、4、5、6、7、12、16及び18で得られた化合物は、より強いSSTR4アゴニスト活性を示した。なお、表5中、「>100」という記載は、EC50値が100nmol/Lより高い濃度であることを示すものであり、詳細な数値は省略する。EC50値が>100nmol/Lである試験化合物も同様に、アゴニスト活性を示すことを確認した。
以上説明したように、式(I)で表される化合物、又はその薬学上許容される塩は、SSTR4アゴニスト活性を有し、中枢神経系及び/又は末梢神経系に関する疾患、内分泌疾患、神経変性に関する疾患、炎症又は痛み等の疾患、眼性疾患及び腫瘍疾患の治療に有用である。

Claims (24)

  1. 下記式(I):
    Figure 2015054844

    [式中、
    及びRは、それぞれ同一又は異なって、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、ここにおいて、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、1個の−O−、−NR−、−SO−又は−SO−を含んでいてもよい3〜6員の飽和複素環を形成していてもよく、該飽和複素環は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシ及びシアノからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    nは、1〜3の整数を表し、
    は、フッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル又は水素原子を表し、
    は、フッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一または異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルを表し、ここにおいて、RがC1−4アルキルであるとき、R及びRは、それらが結合する炭素原子と共に一緒になって、1個の−O−、−NR−、−SO−又は−SO−を含んでいてもよい3〜6員の飽和環を形成していてもよく、該飽和環は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、フッ素原子、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、CO及びCONR10からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    5a及びR5bは、それぞれ同一又は異なって、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ及びシアノからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール;フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル;1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ;水素原子;フッ素原子;又はCO11を表し、ここにおいて、R5a及びR5bが置換されていてもよいC1−4アルキルであるとき、R5a及びR5bは、それらが結合する1個又は複数の炭素原子と共に一緒になって、4〜7員の飽和炭素環を形成してもよく、該飽和炭素環は、フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、ただし、nが3で、B環上の−NR及び−C(O)NHCRAが、1,4位に置換するとき、R5a及びR5bはいずれも水素原子であり、
    Aは、C6−14アリール又は5〜11員のヘテロアリールを表し、該C6−14アリール及び該5〜11員のへテロアリールは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、C6−14アリール、C6−14アリールオキシ、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、CO12、CONR1314、NR12COR12、NR12CONR1314、SOR15、SO16、SONR1314及びNR1314からなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    及びRは、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、CONR1718、COR19又はCO20を表し、
    及びR11は、水素原子又はC1−4アルキルを表し、
    及びR10は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、ここにおいて、R及びR10がC1−4アルキルであるとき、R及びR10は、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、3〜6員の飽和複素環を形成してもよく、
    12は、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールを表し、
    13及びR14は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールを表し、ここにおいて、R13及びR14がC1−4アルキルであるとき、R13及びR14は、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、3〜6員の飽和複素環を形成してもよく、
    15は、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル又はC6−14アリールを表し、
    16は、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C6−14アリールオキシ又はC6−14アリールを表し、
    17及びR18は、それぞれ同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを表し、ここにおいて、R17及びR18がアルキルであるとき、R17及びR18は、それらが結合する窒素原子と共に一緒になって、3〜6員の飽和複素環を形成してもよく、
    19は、水素原子、C1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、
    20は、C1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルを表す]
    で表される化合物又はその薬学上許容される塩。
  2. 及びRが、それぞれ同一又は異なって、フッ素原子及びヒドロキシからなる群から選択される同一または異なる1〜5個の置換基で置換されてもよいC1−4アルキルであり、ここにおいて、R及びRが、それらが結合する炭素原子と共に一緒になって、1個の−O−又は−SO−を含んでいてもよい3〜6員の飽和環を形成してもよい、
    請求項1に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  3. 及びRが、それぞれ同一又は異なって、C1−3アルキルである、
    請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  4. 5a及びR5bが、それぞれ同一又は異なって、フッ素原子、ヒドロキシ及びC1−3アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル;1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルコキシ;水素原子;フッ素原子;又はCO11である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  5. 及びRが、それぞれ同一又は異なって、C1−3アルキルであり、
    及びRが、それぞれ同一又は異なって、C1−4アルキルである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  6. Aが、C6−14アリールであり、
    該C6−14アリールが、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、シアノ、CO12、CONR1314、SONR1314及びNR1314からなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  7. Aが、C6−14アリールであり、
    該C6−14アリールが、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ及びシアノからなる群から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  8. Aが、フェニル又はナフチルであり、
    該フェニル及び該ナフチルが、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、フッ素原子、塩素原子及び1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  9. nが2である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  10. 5a及びR5bがいずれも水素原子である、
    請求項9に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  11. nが1である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  12. 5a及びR5bがいずれも水素原子である、
    請求項11に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  13. nが3であり、
    B環上の−C(O)NHCRAが置換する炭素原子を1位とした場合に−NRが3位に置換しており、
    5a及びR5bがいずれも水素原子である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩。
  14. 以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学上許容される塩:
    (1S,2S)−N−[2−(2,3−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド、
    (1S,2S)−N−[2−(2−クロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド、
    (1S,2S)−N−[2−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド、
    (1S,2S)−N−[2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド、
    (1S,2S)−N−[2−(2−クロロ−3−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド、
    (1S,3S)−N−[2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)プロパン−2−イル]−3−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド、
    トランス−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロブタンカルボキサミド、
    (1S,3S)−N−[2−(ナフタレン−1−イル)プロパン−2−イル]−3−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド、及び
    (1S,2S)−N−[2−(ナフタレン−1イル)プロパン−2−イル]−2−(ジメチルアミノ)シクロペンタンカルボキサミド。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩を含有する医薬組成物。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩を含有する、ソマトスタチン受容体サブタイプ4の活性化剤。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、ソマトスタチン受容体サブタイプ4を活性化することによって治療又は予防が可能な疾患の治療剤又は予防剤。
  18. 前記疾患が、癲癇、うつ病、行動障害、記憶障害、学習障害、注意欠陥障害、疼痛、神経変性疾患又は神経因性膀胱である、請求項17に記載の治療剤又は予防剤。
  19. 前記疾患が、過増殖性障害、先端巨大症、黒色腫、乳がん、前立腺腺腫、前立腺がん、肺がん、腸がん又は皮膚がんである、請求項17に記載の治療剤又は予防剤。
  20. 前記疾患が、関節炎、関節リウマチ又はリウマチ性脊椎炎である、請求項17に記載の治療剤又は予防剤。
  21. 前記疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎又は喘息である、請求項17に記載の治療剤又は予防剤。
  22. 前記疾患が、グレーブス病、炎症性腸疾患、糖尿病性網膜症、腎症、糖尿病性血管障害、虚血性疾患又は良性前立腺肥大である、請求項17に記載の治療剤又は予防剤。
  23. 前記疾患が、加齢性黄斑変性、緑内障又は糖尿病性網膜症である、請求項17に記載の治療剤又は予防剤。
  24. ソマトスタチン受容体サブタイプ4を活性化することによって治療又は予防が可能な疾患の治療剤又は予防剤を製造するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学上許容される塩の使用。
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WO2021065985A1 (ja) 2019-09-30 2021-04-08 株式会社理研バイオ-アルツハイマー病の発症前診断と予防的治療のために ソマトスタチン受容体
WO2022012534A1 (zh) * 2020-07-13 2022-01-20 广州费米子科技有限责任公司 含氮杂环化合物、药物组合物和应用

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