JP2015199722A - イミダゾール誘導体からなる医薬 - Google Patents

イミダゾール誘導体からなる医薬 Download PDF

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光貴 岩田
Mitsutaka Iwata
光貴 岩田
聖 末次
Sei Suetsugu
聖 末次
裕介 澤山
Yusuke Sawayama
裕介 澤山
中井 陽子
Yoko Nakai
陽子 中井
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Abstract

【課題】α7ニコチン性アセチルコリン受容体の調節作用を有し、中枢神経系、末梢神経系のコリン作動性に関する疾患、内分泌疾患等に有用な化合物、医薬の提供。【解決手段】式(I)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬。[X−Y−ZはCR6−CO−NR4AR4B等;R1はフェニル等;R2A及びR2BはH、ハロゲン等;R3A〜R3D及びR6は各々独立にH、Cl、フッ素化アルキルで、前記の2つはフッ素化アルキル等;R4A又はR4BはH、放香環、複素放香環、4〜10の飽和複素環等;nは、1又は2]【選択図】なし

Description

本発明は、α7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節物質である新規なイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬ならびに医薬組成物に関する。それらの薬理学的特性から、本発明の医薬は、中枢神経系(CNS)及び/又は末梢神経系(PNS)のコリン作動性に関する疾患、平滑筋収縮に関する疾患、内分泌疾患、神経変性に関する疾患、炎症又は痛み等の疾患及び常習性の薬物乱用から引き起こされる禁断症状に関する疾患等の治療に有用であり得る。
近年、ニコチンの潜在的な神経保護効果が示されており、興奮毒性傷害、栄養欠乏、虚血、外傷、アミロイドベータ(Aβ)媒介神経細胞死及びタンパク質凝集媒介神経変性を伴う動物及び培養細胞の様々な神経変性モデルが提唱されている。ニコチンが神経保護効果を呈する多くの例において、α7サブタイプ含有ニコチン性アセチルコリン受容体が活性化されていることが明らかになっている。これらは、ニコチンが神経保護効果を媒介するために役立つことが示唆され、α7サブタイプを含む受容体の直接的関与が想起されてきた。これらデータから、α7ニコチン性アセチルコリン受容体が、神経保護として妥当な分子標的の代表であることが示唆される。つまり、該受容体の活性なアゴニスト/正のモジュレーター(ポジティブアロステリックモジュレーター:PAM)を開発することにより、神経保護が達成され得る。実際に、α7ニコチン性受容体アゴニストはすでに同定され、神経保護薬の開発のために可能性ある手がかりとして評価されている。また、近年α7ニコチン性アセチルコリン受容体の炎症への関与も、報告されている。以上のことから、該受容体の新規モジュレーターの開発は、神経系疾患、精神疾患及び炎症性疾患の新規な治療が想定される。
これまでに、α7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節物質に関する開示はあるが、本願発明にかかわる化合物とは構造が異なる(特許文献1及び特許文献2)。
国際公開第2003/093250号 国際公開第2006/138510号
本発明の課題は、強力なα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節作用を有し、神経系疾患、精神疾患及び炎症性疾患の新規な治療剤及び/又は予防剤として有用な新規化合物からなる医薬を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、下記式(I)で表される新規化合物が強力なα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節作用を有することを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物又はその製薬学的に許容される塩(以下、「本発明にかかわる化合物」と称することもある)からなる医薬が提供される。すなわち本発明は以下のとおりである。
[項1]式(I):
Figure 2015199722
[式中、
X−Y−Zは、N−CO−NR4A4B、N−COR、CR−CO−NR4A4B、CR−NR−COR、CR−NR−CONR4A4B又はCR−NR−Qを表し、
は、フェニル又はヘテロアリール(該フェニル及び該ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、シアノ、−NR、−COOR、−CONR及び−NRCORからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
2A及びR2Bは、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン;シアノ;−COOR10;−CONR1011;−NR1011;−NR10COR11;ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;又はハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキルを表し、ここにおいて、X−Y−ZがN−CO−NHEtであって、n=1のとき、R2Aは、上記置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
3A、R3B、R3C、R3D及びRは、同一又は異なって、水素原子;フッ素;水酸基;1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;又は1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、ここにおいて、R3A、R3B、R3C、R3D及びRのいずれかの2つが1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルのとき、2個のアルキルが一緒になって該アルキルが結合している環と別の環を形成していてもよく、
4A、R4B、R及びRは、同一又は異なって、アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);又は水素原子を表し、ただし、Rは水素原子ではなく、R4A及びR4Bは同時に水素原子ではなく、ここにおいて、R4A及びR4Bが共にC1−6アルキルのとき、一緒になってフッ素、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよく、
Qは、窒素原子を1つ又は2つ含む6員環ヘテロアリール[該ヘテロアリールは、フッ素、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、−NR1011、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルコキシ若しくは4〜10員の飽和複素環(該シクロアルキル、該シクロアルコキシ及び該飽和複素環は、それぞれフッ素、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−NR1415、−CONR1415及び−NR14COR15からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);フッ素、水酸基、C1−6アルコキシ、−NR1415、−CONR1415及び−NR14COR15からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;ハロゲン;シアノ;−CONR1415;−NR14COR15;又は−NR1415からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい]を表し、
〜R15は、同一又は異なって、また複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し、ここにおいて、R及びR、R10及びR11、R12及びR13又はR14及びR15の各組は、(1)一方が水素原子のときは、もう一方が水素原子ではなく、かつ、(2)共に該C1−6アルキルであるとき、それぞれ一緒になって4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよく、
nは、1又は2を表す]
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
[項2] 式(I):
Figure 2015199722
[式中、
X−Y−Zは、N−CO−NR4A4B、N−COR、CR−CO−NR4A4B、CR−NR−COR、CR−NR−CONR4A4B又はCR−NR−Qであり、
は、フェニル又は単環ヘテロアリール(該フェニル及び該単環ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、シアノ、−NR、−COOR、−CONR及び−NRCORからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
2A及びR2Bは、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン;シアノ;−COOR10;−CONR1011;−NR1011;−NR10COR11;ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;又はハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキルを表し、ここにおいて、X−Y−ZがN−CO−NHEtであって、n=1のとき、R2Aは、水素原子;ハロゲン;シアノ:又は上記置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
3A、R3B、R3C、R3D及びRは、同一又は異なって、水素原子;フッ素;
水酸基;1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;又は1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルであり、ここにおいて、R3A、R3B、R3C、R3D及びRのいずれかの2つが1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルのとき、2個のアルキルが一緒になって該アルキルが結合している環と別の環を形成していてもよく、
4A、R4B、R及びRは、同一又は異なって、アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);又は水素原子であり、ただし、Rは水素原子ではなく、R4A及びR4Bは同時に水素原子ではなく、ここにおいて、R4A及びR4Bが共にC1−6アルキルのとき、一緒になってフッ素、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよく、
Qは、窒素原子を1つ又は2つ含む6員環ヘテロアリール[該ヘテロアリールは、フッ素、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、−NR1011、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルコキシ若しくは4〜10員の飽和複素環(該シクロアルキル、該シクロアルコキシ及び該飽和複素環は、それぞれフッ素、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−NR1415、−CONR1415及び−NR14COR15からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);フッ素、水酸基、C1−6アルコキシ、−NR1415、−CONR1415及び−NR14COR15からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;ハロゲン;シアノ;−CONR1415;−NR14COR15;又は−NR1415からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい]であり、
〜R15は、同一又は異なって、また複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルであり、ここにおいて、R及びR、R10及びR11、R12及びR13又はR14及びR15の各組は、(1)一方が水素原子のときは、もう一方が水素原子ではなく、かつ、(2)共に該C1−6アルキルであるとき、それぞれ一緒になって4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよく、
nは、1又は2である]
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
[項3]nが1である、
項1または項2に記載の医薬。
[項4]X−Y−Zが、N−CO−NR4A4B、N−COR、CR−CO−NR4A4B又はCR−NR−CORである、
項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
[項5]Rが、フェニル又は単環ヘテロアリール(該フェニル及び該単環ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及びシアノからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)である、
項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
[項6]Rが、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、シアノ、−NR、−COOR、−CONR及び−NRCORからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニルである、
項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
[項7]Rが、ハロゲン、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニルである、
項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
[項8]R2A及びR2Bが、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン;シアノ;ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;又はハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキルであり、ここにおいて、X−Y−ZがN−CO−NHEtであって、n=1のとき、R2Aは、水素原子;ハロゲン;シアノ:又は上記置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルである、
項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
[項9]R2A及びR2Bが、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン;シアノ;又はハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ及び4〜10員の飽和複素環からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルであり、ここにおいて、X−Y−ZがN−CO−NHEtであって、n=1のとき、R2Aは、水素原子;ハロゲン;シアノ:又は上記置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルである、項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
[項10]R2A及びR2Bが、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン又はシアノである、
項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
[項11]R2Aがハロゲン又はシアノであって、R2Bが水素原子である、
項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
[項12]R2Bが、水素原子である、
項1〜10のいずれか一項に記載の医薬。
[項13]R3A、R3B、R3C、R3D及びRが、同一又は異なって、水素原子、又はC1−6アルキルであり、ここにおいて、R3A、R3B、R3C及びR3Dのいずれかの2つがC1−6アルキルのとき、2個のアルキルは、該アルキルが結合する炭素原子又はそれら炭素原子を含む環と一緒になって別の環を形成していてもよい、
項1〜12のいずれか一項に記載の医薬。
[項14]R3A、R3B、R3C、R3D及びRが、すべて水素原子である、
項1〜12のいずれか一項に記載の医薬。
[項15]R4A、R4B、R及びRが、同一又は異なって、アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル並びに1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;又は水素原子であり、ただし、Rは水素原子ではなく、R4A及びR4Bは共に水素原子ではなく、ここにおいて、R4A及びR4Bが共にC1−6アルキルのとき、一緒になってフッ素、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよい、
項1〜14のいずれか一項に記載の医薬。
[項16]R4A、R4B、R及びRが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);又は水素原子であり、ここにおいて、Rは水素原子ではなく、R4A及びR4Bが共にC1−6アルキルのとき、一緒になってフッ素、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよい、
項1〜14のいずれか一項に記載の医薬。
[項17]R4A、R4B、R及びRが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル又は−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;又は水素原子であり、ただし、Rは水素原子ではない、項1〜14のいずれか一項に記載の医薬。
[項18]R4B及びRが、水素原子である、
項1〜17のいずれか一項に記載の医薬。
[項19]X−Y−Zが、N−CO−NR4A4Bである、
項1〜18のいずれか一項に記載の医薬。
[項20]X−Y−Zが、N−CORである、
項1〜18のいずれか一項に記載の医薬。
[項21]X−Y−Zが、CR−CO−NR4A4Bである、
項1〜18のいずれか一項に記載の医薬。
[項22]X−Y−Zが、CR−NR−CORである、
項1〜18のいずれか一項に記載の医薬。
[項23]X−Y−Zが、CR−NR−Qである、
項1〜18のいずれか一項に記載の医薬。
[項24]X−Y−Zが、CR−NR−Qであり、Qが、ピリミジニル(該ピリミジニルは、ハロゲン、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)である、
項1、2又は4〜18のいずれか一項に記載の医薬。
[項25]以下の化合物から選択される、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬:
N−シクロヘキシル−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例1)、
1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例7)、
N−シクロヘキシル−4−[4−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例66)、
4−{5−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例94)、
N−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−4−(5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例105)、
1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例154)、
1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例156)、
N−{シス−4−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例183)、
N−[シス−4−(5−シアノ−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)シクロヘキシル]−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例197)、
N−(シス−4−{5−シアノ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル}シクロヘキシル)−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例201)、
シス−4−{5−クロロ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル}−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(実施例224)、
N−{シス−4−[4−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例280)、
N−{シス−4−[4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例283)、
N−{シス−4−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例300)、
N−{シス−4−[5−シアノ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例332)、
シス−4−[5−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(実施例370)、及び、
{(3−エキソ)−3−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メタノン(実施例452)。
[項26]以下の化合物から選択される、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬:
N−シクロヘキシル−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例1)、
1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例7)、
N−シクロヘキシル−4−[4−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例66)、
1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例154)、
N−{シス−4−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例183)、
シス−4−[5−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(実施例370)、及び、
{(3−エキソ)−3−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メタノン(実施例452)。
[項27]項1〜26のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
[項28]アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療剤である、項1〜26のいずれか一項に記載の医薬。
[項29]アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患が、CIAS(統合失調症に伴う認知機能障害)、アルツハイマー病、ダウン症、認知障害、軽度認知障害、記憶障害・学習障害、注意欠陥・多動性障害又は脳血管アンギオパチーである、項28に記載の医薬。
[項30]項1〜26のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及び非定型抗精神病薬から選択される少なくとも1種以上の薬剤を含有する医薬。
[項31]アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療のための、項1〜26のいずれか一項に記載の医薬。
[項32]アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療及び/又は予防に使用するための、項1〜26のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
[項33]アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療及び/又は予防に使用するための、項1〜26のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
[項34]項1〜26のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する、少なくとも1種以上の非定型抗精神病薬と併用して、アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患を治療及び/又は予防するための医薬組成物。
なお、本願明細書において「式(I)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬」とは、「式(I)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬」と同義である。同様に、「○○に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬」とは、「○○に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬」と同義である。同様に、「〜からなる医薬」は、「〜を含有する医薬」と書き換えることもできる。
本発明にかかわる化合物は神経系疾患、精神疾患、及び炎症性疾患(例えば老人性認知症、注意力欠陥障害、アルツハイマー病、及び統合失調症)の新規な治療剤として有用である。また、本発明にかかわる化合物は、非定型抗精神病薬との併用剤として、統合失調症などの神経系疾患、精神疾患の治療に有用である。
本発明にかかわる化合物は、水和物及び/又は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物及び/又は溶媒和物もまた本発明にかかわる化合物に包含される。
式(I)の化合物は、1個又は場合によりそれ以上の不斉炭素原子を有する場合があり、また幾何異性や軸性キラリティを生じることがあるので、数種の立体異性体として存在することがある。本発明にかかわる化合物においては、これらの立体異性体、それらの混合物及びラセミ体は本発明にかかわる化合物である式(I)で表される化合物に包含される。
また、一般式(I)で表される化合物のいずれか1つ又は2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も一般式(I)で表される化合物に包含される。
また、本発明には、式(I)で表される化合物又はその製剤学的に許容される塩の水和物、エタノール溶媒和物等の溶媒和物も一般式(I)で表される化合物に包含される。
つぎに、本明細書における用語について以下に説明する。
「アルキル」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、「C1−4アルキル」又は「C1−6アルキル」とは炭素原子数が1〜4又は1〜6のアルキルを意味する。その具体例として、「C1−4アルキル」の場合には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。「C1−6アルキル」の場合には、前記に加えて、ぺンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
「シクロアルキル」とは、単環又は多環式飽和炭化水素を意味し、例えば「C3−10シクロアルキル」とは炭素原子数が3〜10の環状アルキルを意味し、一部架橋された構造のもの又はアリール若しくはヘテロアリールと縮環を形成したものも含まれる。その具体例として、「C3−10シクロアルキル」の場合には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル等が挙げられる。
「アルコキシ」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基が酸素原子を介して結合している基を意味し、例えば、「C1−6アルコキシ」とは炭素原子数が1〜6のアルコキシを意味する。その具体例として、「C1−6アルコキシ」の場合には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。中でも好ましくは、フッ素原子又は塩素原子である。
「アリール」としては、具体的にはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アンスリル等が挙げられる。中でも好ましくは、フェニルが挙げられる。
「ヘテロアリール」としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から独立して選ばれる1から4個の原子を含む、単環の5〜7員環の芳香族複素環基、2環の8〜11員の芳香族複素環基又は3環の12〜16員の芳香族複素環基が挙げられる。具体的にはピリジル、ピリダジニル、イソチアゾリル、ピロリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インダゾリル、クロメニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、チオキサンテン、6,11−ジヒドロジベンゾ[B,E]チエピニル等が挙げられる。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジル、ピリミジニル、キノリル、及びイソキノリルが挙げられる。
「単環ヘテロアリール」とは、ピリジル、ピリダジニル、イソチアゾリル、ピロリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル等が挙げられる。中でも好ましくは、ピリジル、ピリダジニル、チエニル、イミダゾリル、ピリミジニル等が挙げられる。もっとも好ましくは、ピリジル及びチエニルが挙げられる。
「窒素原子を1つ又は2つ含む6員環ヘテロアリール」とは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル等が挙げられる。中でも好ましくは、ピリミジニルが挙げられる。
「4〜10員の飽和複素環」とは、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から独立して選択される1〜2個の原子を含む4〜10個の原子で構成される飽和複素環を意味する。例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ホモピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
「4〜10員の含窒素飽和複素環」とは、炭素原子以外に少なくとも1〜2個の窒素原子を含む4〜10個の原子で構成される飽和複素環を意味する。例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ホモピペリジン等が挙げられる。
式(I)で表される本発明にかかわる化合物の中でも、X−Y−Z、Q、R、R2A、R2B、R3A〜R3D、R4A、R4B、R〜R15及びnで、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明にかかわる化合物の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
X−Y−Zとして好ましくは、N−CO−NR4A4B、N−COR、CR−CO−NR4A4B、CR−NR−CORが挙げられる。
Qとして好ましくは、窒素原子を1つ又は2つ含む6員環ヘテロアリール[該ヘテロアリールは、フッ素、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;C3−8シクロアルキル若しくはC3−8シクロアルコキシ(該シクロアルキル及び該シクロアルコキシは、それぞれフッ素、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);フッ素、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;又はハロゲンからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい]が挙げられる。より好ましくは、窒素原子を2つ含む6員環ヘテロアリール(該ヘテロアリールは、フッ素及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル;C3−8シクロアルコキシ;1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;塩素;又はフッ素からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。さらに好ましくは、ピリミジニル(該ピリミジニルは、フッ素及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル;C3−8シクロアルコキシ;1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;塩素;又はフッ素からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。さらに好ましくは、ピリミジニル(該ピリミジニルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル;又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。
として好ましくは、フェニル又は単環ヘテロアリール(該フェニル及び該単環ヘテロアリールはそれぞれハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、ハロゲン、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニルが挙げられる。さらに好ましくは、フッ素、塩素、1から3個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニルが挙げられる。最も好ましくは、フッ素、C1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニルが挙げられる。
2A及びR2Bとして好ましくは、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン;シアノ;ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ又は4〜10員の飽和複素環からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルが挙げられる。より好ましくは、R2A及びR2Bが、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン又はシアノが挙げられる。さらに好ましくは、R2Aがハロゲン又はシアノであって、R2Bは水素原子が挙げられる。もっとも好ましくは、R2Aが塩素又はシアノであって、R2Bは水素原子が挙げられる。
3A、R3B、R3C、R3D及びRとして好ましくは、同一又は異なって、水素原子、フッ素、水酸基又はC1−6アルキルが挙げられる。より好ましくは、水素原子が挙げられる。
また、R3A、R3B、R3C、R3D及びRのいずれかの2つが該C1−6アルキルのとき、2個のアルキルが一緒になって該アルキルが結合している環と別の環を形成していてもよく、具体的には以下の環が挙げられる。ここで新たに形成された環上の炭素は1から5個のフッ素で置換されていてもよい。より好ましくは、r-1及びr-2が挙げられる。
Figure 2015199722
4A、R4B、R及びRとして好ましくは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又は水素原子が挙げられる。より好ましくは、同一又は異なって、ハロゲン、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;又は水素原子が挙げられる。さらに好ましくは、同一又は異なって、フッ素、4〜10員の飽和複素環及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;フッ素、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;又は水素原子が挙げられる。最も好ましくは、同一又は異なって、フッ素及び4〜10員の飽和複素環からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;又は水素原子が挙げられる。
〜R15として好ましくは、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキルが挙げられる。より好ましくは、C1−6アルキルが挙げられる。
nとしては1又は2が挙げられ、好ましくは、1が挙げられる。
式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩とは、式(I)の化合物に製薬学的に許容される酸又は塩基で形成された塩を意味する。式(I)で表される本発明にかかわる化合物がアミノ基などの塩基性官能基を有する場合、各種の酸と塩を形成しうる。酸付加塩の具体例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩、又はグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。
式(I)で表される本発明にかかわる化合物がカルボキシル基などの酸性官能基を有する場合、各種の塩基と塩を形成しうる。この場合の製薬学的に許容される塩としては、ナトリウム塩もしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩などが挙げられる。これらの塩は、式(I)で表される本発明にかかわる化合物を塩基と混合した後、再結晶などの常法により得ることができる。
なお、本明細書において記載の簡略化のために、次に挙げる略号を用いることもある。o−:ortho−、m−:meta−、p−:para−、t−:tert−、s−:sec−、THF:テトラヒドロフラン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、NMP:N−メチルピロリドン、DMSO:ジメチルスルホキシド、d−DMSO:重ジメチルスルホキシド、HEPES:N−2−ヒドロキンエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸、BSA:bovine serum albumin、牛血清アルブミン、FDSS:Functional Drug Screening System、Boc:tert−ブトキシカルボニル、c−Hex:シクロヘキシル、EDCI:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HBTU:2−(1H−7−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、TFA:トリフルオロ酢酸
本発明にかかわる化合物の製造方法について以下に述べる。式(I)で表される本発明にかかわる化合物は、例えば下記の製造法A〜Gにより製造することができる。
製造法A(合成中間体の製法)
式(I)で表される化合物の合成中間体となるa3〜a5は、例えば下記の製法により製造することができる。
Figure 2015199722
(式中、R、R3A〜R3D、R、R及びnは項1に定義されるとおりであり、Pはアミノの保護基、Rはアルキル又はフェニルを意味する)
化合物a1は対応するアルコールの酸化反応やエステルの還元反応などの既知の方法により合成できるか、又は市販品として購入できる。
[A−1工程]
本工程は化合物a1に、化合物a6を反応させることにより、化合物a2を得る工程である。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはエタノール又はテトラヒドロフランである。その際の反応温度は−78℃から100℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。類似反応として、例えば、Heterocycles, 1994, Vol. 39, 139-154などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[A−2工程]
本工程は上記A−1工程で得られた化合物a2と化合物a7を反応させることにより、化合物a3を得ることができる。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはキシレン又はトルエンである。その際の反応温度は室温から150℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。類似反応として、例えば、Heterocycles, 1994, Vol. 39, 139-154などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[A−3工程]
本工程は上記A−1工程で得られた化合物a2に、上記A−2工程に準じた条件で、化合物a8を反応させることにより、化合物a4を得る工程である。
[A−4工程]
本工程は上記A−1工程で得られた化合物a2に、上記A−2工程に準じた条件で、化合物a9を反応させることにより、化合物a5を得る工程である。
製造法B(合成中間体の製法)
式(I)で表される化合物の合成中間体となるb2〜b4は、例えば下記の製法により製造することができる。
Figure 2015199722
(式中、R、R2A、R3A〜R3D、R、R及びnは項1に定義されるとおりであり、Pはアミノの保護基、Rはアルキル又はフェニルを意味する。)
化合物b1は対応するアルコールの酸化反応やエステルの還元反応などの既知の方法により合成できるか、又は市販品として購入できる。
化合物b5は、例えばTetrahedron. Lett. 1996, 37, 8113-8116、Organic Synthesis, 2000, 77, 198などに記載されている方法により合成できるか、又は市販品として購入できる。
[B−1工程]
本工程は化合物b1と化合物a7及び化合物b5を適当な溶媒中、適当な塩基の存在化で反応させることにより、化合物b2を得ることができる。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくは炭酸カリウム又はピペラジンである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランである。その際の反応温度は−78℃から150℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。類似反応として、例えば、J. Org. Chem. 2000, 65, 1516-1524などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[B−2工程]
本工程は化合物b1に、上記B−1工程に準じた条件で、化合物a8及び化合物b5を反応させることにより、化合物b3を得る工程である。
[B−3工程]
本工程は化合物b1に、上記B−1工程に準じた条件で、化合物a9及び化合物b5を反応させることにより、化合物b4を得る工程である。
製造法C
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、N−CO−NR4A4Bである式[C1][C2][C3]で表される化合物(以下、化合物C1、C2、C3とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
Figure 2015199722
(式中、R、R2A、R3A〜R3D、R4A、R4B及びnは項1に定義されるとおりであり、RおよびRは、水素原子、ニトロ、フッ素原子又はトリフルオロメチルを表し、R2AXは塩素、臭素又はヨウ素、Pはアミノの保護基を意味する。)
[C−1工程]
本工程は上記製造法Aで得られた化合物a3のアミノの保護基Pを、脱保護することにより、化合物c1を得る工程である。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[C−2工程]
本工程は上記C−1工程で得られた化合物c1に、適当な塩基存在下、適当な溶媒中、化合物c3又はc4を反応させることにより、化合物C1を得る工程である。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはテトラヒドロフラン又は塩化メチレンある。その際の反応温度は−78℃から100℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。類似反応として、例えば、J. Org. Chem. 1995, 60(25), 8262-8266、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14(3), 727-779、Tetrahedron Lett.2001, 42(8), 1445-1447などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[C−3工程]
本工程は上記C−2工程で得られた化合物C1に、適当な溶媒中、適当な酸の存在下で、種々のハロゲン化剤を反応させることにより、化合物C2を得る工程である。本工程において使用されるハロゲン化剤は、好ましくはN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミドである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくは塩化メチレン又はジクロロエタンある。本工程において使用される酸は、後記に例示する酸等から選択されるが、好ましくはトリフルオロ酢酸又は塩酸ある。その際の反応温度は−78℃から100℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。類似反応として、例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2008, 18(5), 1702-1707、J. Org. Chem. 2002, 67(17), 5913-5918、などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[C−4工程]
本工程は上記C−3工程で得られた化合物C2に、適当な溶媒中、適当な金属試薬の存在下で反応させることにより、化合物C3を得る工程である。その際の反応温度は−78℃から150℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。類似反応として、例えば、Tetrahedron Lett. 2003, 44(7), 1379-1382、J. Med. Chem. 2009, 52(14), 4370-4379、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2012, 20(9), 3009-3015、J. Org. Chem. 2002, 67(10), 3365-3373、Tetrahedron Lett. 2007, 48(13), 2339-2343などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[C−5工程]
本工程は上記製造法Bで得られた化合物b2に、上記C−1工程に準じた条件で反応させることにより、化合物c2を得る工程である。
[C−6工程]
本工程は上記C−5工程で得られた化合物c2に、上記C−2工程に準じた条件で、化合物c3又はc4を反応させることにより、化合物C3を得る工程である。
製造法D
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、N−CORである式[D1][D2][D3]で表される化合物(以下、化合物D1、D2、D3とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
Figure 2015199722
(式中、R、R2A、R3A〜R3D、R及びnは項1に定義されるとおりであり、R2AXは塩素、臭素又はヨウ素を意味する。)
[D−1工程]
本工程は製造法Cで得られた化合物c1に、適当な縮合剤存在下又は非存在下、適当な塩基存在下、適当な溶媒中、化合物d1又はd2を反応させることにより、化合物D1を得る工程である。本工程において使用される縮合剤は、好ましくはEDCI(塩酸塩を含む)又はHBTUである。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又は塩化メチレンある。その際の反応温度は−78℃から100℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。
[D−2工程]
本工程は上記D−1工程で得られた化合物D1に、上記C−3工程に準じた条件で反応させることにより、化合物D2を得る工程である。
[D−3工程]
本工程は上記D−2工程で得られた化合物D2に、上記C−4工程に準じた条件で反応させることにより、化合物D3を得る工程である。
[D−4工程]
本工程は製造法Cで得られた化合物c2に、上記D−1工程に準じた条件で、化合物d1又はd2を反応させることにより、化合物D3を得る工程である。
製造法E
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、CR−NR−COR又はCR−NR−Qある式[E1]、[E2]又は[E3]で表される化合物(以下、化合物E1、E2又はE3とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
Figure 2015199722
(式中、Q、R、R2A、R3A〜R3D、R、R6、R及びnは項1に定義されるとおりであり、R2AXは塩素、臭素又はヨウ素、Pはアミノの保護基、LGはハロゲン等の脱離基を意味する。)
化合物Q−LGは、例えばEP1333029 (A1)、European Journal of Organic Chemistry, 6, 1593-1598 (2006)、US2004/2507 A1, 2004、Tetrahedron Letters, 46, 3977-3979 (2005)、国際公開第2011/063272号パンフレットなどに記載されている方法により製造できるか、又は市販品として購入できる。
[E−1工程]
本工程は製造法Aで得られた化合物a4に、上記C−3工程に準じた条件で反応させることにより、化合物e1を得る工程である。
[E−2工程]
本工程は上記E−1工程で得られた化合物e1に、上記C−1工程に準じた条件で反応させることにより、化合物e2を得る工程である。
[E−3工程]
本工程は上記E−2工程で得られた化合物e2に、上記D−1工程に準じた条件で、化合物d1又はd2を反応させることにより、化合物E1を得る工程である。
[E−4工程]
本工程は上記E−3工程で得られた化合物E1に、上記C−4工程に準じた条件で反応させることにより、化合物E2を得る工程である。
[E−5工程]
本工程は製造法Bで得られた化合物b3に、上記C−1工程に準じた条件で反応させることにより、化合物e3を得る工程である。
[E−6工程]
本工程は上記E−5工程で得られた化合物e3に、上記D−1工程に準じた条件で、化合物d1又はd2を反応させることにより、化合物E2を得る工程である。
[E−7工程]
本工程は上記E−2工程で得られた化合物e2に、触媒の存在下又は非存在下、塩基存在下、無溶媒下又は適当な溶媒中で化合物Q−LGとカップリングし化合物E3を得る工程である。触媒としては、パラジウムなどの遷移金属やその塩、その錯体、ポリマーなどの担体に担持させたものを挙げることができる。本工程において使用される塩基は、後記に例示される塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン又は炭酸カリウムが挙げられる。本工程において使用される溶媒は、原料化合物の種類等に従って選択されるべきであるが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル又は水が挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ単独として、又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。反応温度は室温から200℃、反応時間は数分から数日間が好ましく、マイクロウェーブ照射下での反応も実施可能である。
[E−8工程]
本工程は上記E−5工程で得られた化合物e3に、上記E−7工程に準じた条件で、化合物Q−LGを反応させることにより、化合物E3を得る工程である。
製造法F
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、CR−CO−NR4A4Bである式[F1][F2]で表される化合物(以下、化合物F1、F2とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
Figure 2015199722
(式中、R、R2A、R3A〜R3D、R4A、R4B、R及びnは項1に定義されるとおりであり、R2AXは塩素、臭素又はヨウ素、Rはアルキル、フェニル又はベンジルを意味する。)
[F−1工程]
本工程は製造法Aで得られた化合物a5に、上記C−3工程に準じた条件で反応させることにより、化合物f1を得る工程である。
[F−2工程]
本工程は上記F−1工程で得られたエステル化合物f1を、対応するカルボン酸化合物f2に変換する工程である。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[F−3工程]
本工程は上記F−2工程で得られた化合物f2に、適当な縮合剤、適当な塩基存在下、適当な溶媒中、化合物f4を反応させることにより、化合物F1を得る工程である。本工程において使用される縮合剤は、好ましくはEDCI(塩酸塩を含む)又はHBTUである。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又は塩化メチレンある。その際の反応温度は−78℃から100℃、反応時間は数分から数日間が好ましい。
[F−4工程]
本工程は上記F−3工程で得られた化合物F1に、上記C−4工程に準じた条件で反応させることにより、化合物F2を得る工程である。
[F−5工程]
本工程は製造法Bで得られた化合物b4に、上記F−2工程に準じた条件で反応させることにより、化合物f3を得る工程である。
[F−6工程]
本工程は上記F−5工程で得られた化合物f3に、上記F−3工程に準じた条件で、化合物f4を反応させることにより、化合物F2を得る工程である。
製造法G
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、CR−NR−CONR4A4Bある式[G1]又は[G2]で表される化合物(以下、化合物G1又はG2とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
Figure 2015199722
(式中、R、R2A、R3A〜R3D、R4A、R4B、R、R及びnは項1に定義されるとおりであり、RおよびRは、水素原子、ニトロ、フッ素原子又はトリフルオロメチルを表し、R2AXは塩素、臭素又はヨウ素を意味する。)
[G−1工程]
本工程は製造法Eで得られた化合物e2に、上記C−2工程に準じた条件で、化合物c3又はc4を反応させることにより、化合物G1を得る工程である。
[G−2工程]
本工程は上記G−1工程で得られた化合物G1に、上記C−4工程に準じた条件で反応させることにより、化合物G2を得る工程である。
[G−3工程]
本工程は製造法Eで得られた化合物e3に、上記C−2工程に準じた条件で、化合物c3又はc4を反応させることにより、化合物G2を得る工程である。
2Bが水素原子である製造法A〜Gで製造されるイミダゾール誘導体に、通常の求核置換反応などを行うことで、R2Bに水素原子以外の置換基を有する式(I)の化合物が製造できる。
上記の各工程において使用される塩基は、反応や原料化合物の種類等によって適時選択されるべきであるが、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸アルカリ類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸アルカリ類、水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドのような有機金属塩基類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機塩基類が挙げられる。
上記の各工程において使用される溶媒は、反応や原料化合物の種類等によって適宜選択されるべきであるが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、アセトン、メチルケトンのようなケトン類、塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンのようなエーテル類、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドンのようなアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類、アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられ、これらの溶媒は単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。また反応の種類によっては、有機塩基類を溶媒として用いてもよい。
式(I)で表される本発明にかかわる化合物又はその中間体は、当業者に公知の方法で分離、精製することができる。例えば、抽出、分配、再沈殿、カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィーもしくは分取液体クロマトグラフィー)又は再結晶などが挙げられる。再結晶溶媒としては例えば、メタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ベンゼンもしくはトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、ジクロロメタンもしくはクロロホルムなどのハロゲン系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、水、又はこれらの混合溶媒などを用いることができる。その他の精製方法としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)1巻などに記載された方法などを用いることができる。また、本発明にかかわる化合物の分子構造の決定は、それぞれの原料化合物に由来する構造を参照して、核磁気共鳴法、赤外吸収法、円二光スペクトル分析法などの分光学的手法、及び質量分析法により容易に行える。
式(I)で表される本発明にかかわる化合物またそれらの製薬学的に許容される塩には、不斉が生じる場合又は不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、そのような化合物にあっては光学異性体が存在する。本発明にかかわる化合物にはこれらの各異性体の混合物や単離されたものも含まれ、通常の方法に従って製造することができる。製造方法としては例えば、不斉点を有する原料を用いる方法か、又は途中の段階で不斉を導入する方法が挙げられる。例えば、光学異性体の場合、光学活性な原料を用いるか、製造工程の適当な段階で光学分割などを行うことで、光学異性体を得ることができる。光学分割法としては例えば、式(I)で表される化合物又はその中間体が、塩基性官能基を有する場合には、不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、又はこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N−ベンジルオキシアラニンもしくは乳酸などのモノカルボン酸、酒石酸、o−ジイソプロピリデン酒石酸もしくはリンゴ酸などのジカルボン酸、カンファースルフォン酸もしくはブロモカンファースルホン酸などのスルホン酸)を用いて塩を形成させるジアステレオマー法が挙げられる。式(I)で表される本発明にかかわる化合物の中間体が、カルボキシル基などの酸性官能基を有する場合には、光学活性なアミン(例えば1−フェニルエチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニンもしくはストリキニーネなどの有機アミン)を用いて、塩を形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
塩を形成させる温度としては、−50℃から溶媒の沸点までの範囲、より好ましくは室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し、収率を向上させることができる。光学活性な酸又はアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、又はこれらの混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸又は塩基で処理し、フリー体として得ることもできる。
あるいは式(I)で表される本発明にかかわる化合物の中間体が、カルボキシル基を有する場合には、光学活性なアミン(例えば、1−フェニルエチルアミンなど)を用いてアミドを形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
本発明にかかわる化合物は、アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患、具体的には、CIAS(統合失調症に伴う認知機能障害)、アルツハイマー病、ダウン症、認知障害、軽度認知障害、記憶障害・学習障害、注意欠陥・多動性障害又は脳血管アンギオパチー等の新規な治療剤及び/又は予防剤となり得る。
また、本発明にかかわる化合物は、神経系疾患、精神疾患、及び炎症性疾患(例えば老人性認知症、注意力欠陥障害、アルツハイマー病、及び統合失調症)の新規な治療剤及び/又は予防剤となり得る。本発明にかかわる化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与又は直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なる。例えば、経口投与の場合は、通常、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01〜1000mg、更に好ましくは約0.1〜500mgを1〜数回に分けて投与することができる。静注等の非経口投与の場合は、通常、例えば、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01mg〜300mg、更に好ましくは約1mg〜100mgを投与することができる。
剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、点眼剤、軟膏剤、塗布剤、貼付剤、吸入剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用時、水、適当な水溶液又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また、錠剤及び顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。更に、これらの製剤は治療上価値ある他の成分を含有してもよい。
本発明にかかわる化合物は、非定型抗精神病薬と併用することができる。非定型抗精神病薬としては、例えば、オランザピン、リスペリドン、パリペリドン、ケチアピン、ジプラシドン、アリピプラゾール、アセナピン、イロペリドン、クロザピン、セルティンドール、ブロナンセリン及びルラシドンが挙げられる。
従って、「本発明にかかわる化合物と、非定型抗精神病薬に分類される薬剤から選択される少なくとも1種以上の薬剤とを組み合わせてなる医薬」、「非定型抗精神病薬に分類される薬剤から選択される少なくとも1種以上の薬剤、および本発明にかかわる化合物を含有する医薬」、「非定型抗精神病薬に分類される薬剤から選択される少なくとも1種以上の薬剤と併用して神経系疾患、精神疾患または炎症性疾患を治療するための、本発明にかかわる化合物を含有する医薬」なども、本発明に含まれる。
以下に参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない(後述において、実施例を製造例と読み替える)。なお、化合物の同定は元素分析値、マス・スペクトル、高速液体クロマト質量分析計;LCMS、IRスペクトル、NMRスペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行った。
明細書の記載を簡略化するために参考例、実施例及び実施例中の表において以下に示すような略号を用いることもある。置換基として用いられる略号としては、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基、Tsはトシル基を意味する。TFAはトリフルオロ酢酸を意味する。NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、tdは三重線の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brdは幅広い二重線、brtは幅広い三重線及びJは結合定数を意味する。
高速液体クロマト質量分析計;LCMSの測定条件は、以下の通りであり、観察された質量分析の値[MS(m/z)]をMH+で、保持時間をRt(分、min)で示す。なお、各実測値においては、測定に用いた測定条件をA〜Gで付記する。
測定条件A
検出機器:Waters ACQUITY UPLC
Column:ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×50 mm column
Solvent:A液:0.05% HCOOH/H2O、B液:CH3CN
Gradient Condition:
0.0-1.3分;A/B=90:10〜1:99(linear gradient)
1.35-1.5分;A/B=1:99
1.5-2分;A/B=90:10
Flow Rate:0.75 mL/分
UV:220 nm, 254 nm
カラム温度:50℃
測定条件B
検出機器:Shimadzu LCMS-2020
Column:Phenomenex Kinetex 1.7μm C18 2.1 mm×50 mm
Solvent:A液:MeOH, B液 : 0.05% TFA/H2O
Gradient condition:
0 min: A/B= 30:70
0-1.90 min: A/B=99:1
1.91-3.00 min: A/B=30:70
Flow Rate:0.5 ml/min.
UV:220 nm
カラム温度:40℃
測定条件C
検出機器:APIシリーズ用Agilent 1100シリーズ (applied Biosystems社製)
HPLC:API 150EX LC/MS system (applied Biosystems社製)
Column:YMC CombiScreen Hydrosphere C18 (S-5μM, 12 nm, 4.6×50 mm)
Solvent:A液:0.05 % TFA/H2O、B液:0.05 % TFA/MeOH
Gradient Condition:
0.0-6.0分;A/B=75:25〜1:99(linear gradient)
Flow rate:3.5 mL/分
UV:254 nm
測定条件D
検出機器:Shimadzu, LC:20A, MS:2010
Column:Xtimate C18 2.1*30 mm, 3μm
Solvent:A液:1.5 mL/4L TFA/H2O、B液:0.75 mL/4L TFA/MeCN
Gradient Condition:
Using the elution gradient 10%-80% (solvent B) over 2.2 minutes and holding at 80% for 0.3 minutes
Flow rate:0.8 mL/分
UV:220 nm
測定条件E
検出機器:Shimadzu, LC:20A, MS:2010
Column:Xtimate C18 2.1*30 mm, 3μm
Solvent:A液:1.5 mL/4L TFA/H2O、B液:0.75 mL/4 L TFA/MeCN
Gradient Condition:
Using the elution gradient 30%-90% (solvent B) over 2.2 minutes and holding at 90% for 0.3 minutes
Flow rate:0.8 mL/分
UV:220 nm
測定条件F
検出機器:Shimadzu, LC:20A, MS:2010
Column:Xtimate C18 2.1*30 mm, 3μm
Solvent:A液:1.5 mL/4 L TFA/H2O、B液:0.75 mL/4 L TFA/MeCN
Gradient Condition:
Using the elution gradient 0%-60% (solvent B) over 2.2 minutes and holding at 60% for 0.3 minutes
Flow rate:0.8 mL/分
UV:220 nm
測定条件G
検出機器:Agilent, LC:1200, MS:6110
Column:Xbrige RP-18 2.1*50 mm, 5μm
Solvent:A液:0.5 mL/1 L NH3・H2O/H2O、B液:MeCN
Gradient Condition:
Using the elution gradient 10%-80% (solvent B) over 2.0 minutes and holding at 80% for 0.5 minutes
Flow rate:1.0 mL/分
UV:220 nm
参考例1
tert−ブチル 4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例1)
Figure 2015199722
a)5−(3−フルオロフェニル)−4−[(4−メチルフェニル)スルフォニル]−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール(化合物cmp−1)の製造
3−フルオロベンズアルデヒド(6.68 g)のエタノール(200 ml)、テトラヒドロフラン(60 ml)溶液に、室温にてp−トルエンスルホニルメチルイソシアニド(10 g)を加えて、さらに少量の水に溶かしたシアン化ナトリウム(252 mg)を滴下した後、室温で3時間攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残渣に酢酸エチルを加えた。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下留去し、化合物cmp−1(15.8 g)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(320 / 1.02 : A)
b)tert−ブチル 4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例1)の製造
化合物cmp−1(15.8 g)に、室温にてtert−ブチル 4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(15.4 g)とキシレン(100 ml)を加え、窒素雰囲気下135℃で13時間加熱攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、参考例1(5.63 g)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(346 / 0.70 : A)
参考例2
4−(5−ブロモ−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン(参考例2)
Figure 2015199722
参考例1と同様の方法にて得られるtert−ブチル 4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1 g)の塩化メチレン溶液(10 ml)に、室温にてN−ブロモスクシンイミド(816 mg)、トリフルオロ酢酸(1.18 ml)を加えた後に、50℃で3時間加熱還流した。反応液に氷冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてクエンチした後に、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより、参考例2(900 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(306 / 0.18 : A)
参考例3
tert−ブチル 4−(5−シアノ−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例3)
Figure 2015199722
a)tert−ブチル 4−(5−ホルミル−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物cmp−2)の製造
40%グリオキサール水溶液(1.52 g)のジメチルホルムアミド溶液(50 ml)に、室温にてtert−ブチル 4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(2.8 g)を加えて、室温で8時間攪拌した後に、(1−フェニル−1−トシル)メチルイソシアニド(2 g)と炭酸カリウム(2.41 g)を加えて、室温にて18時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加えてクエンチした後に、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより、化合物cmp−2(549 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(356 / 1.58 : B)
b)tert−ブチル 4−(5−シアノ−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例3)の製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩(754 mg)の水溶液(10 ml)に、室温にて炭酸水素ナトリウム(916 mg)を加えた後に、化合物cmp−2(549 mg)のエタノール溶液(5 ml)を加えて、室温で15時間攪拌した。その後、析出した固体をろ取して水で洗浄した後に、60℃で乾燥して固体(298 mg)を取得した。その後、室温にて無水酢酸(15 ml)を加えて、加熱還流下15時間攪拌した。反応液を減圧留去した後に、クロロホルムで抽出、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより、参考例3(254 mg)を取得した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.03-7.99 (m, 2H), 7.69 (s, 1H), 7.50-7.40 (m, 3H), 4.38-4.24 (m, 3H), 2.94-2.86 (m, 2H), 2.24-2.20 (m, 2H), 2.01-1.88 (m, 2H), 1.49 (s, 9H).
参考例4
tert−ブチル 4−(5−フルオロ−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例4)
Figure 2015199722
参考例1と同様の方法により得られるtert−ブチル 4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(250 mg)のテトラヒドロフラン溶液(5 ml)を−78℃に冷却した後に、n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(2.69 mol/l : 0.30 ml)を加えて、−78℃にて20分攪拌した。その後、−78℃にてtert−ブチルジメチルクロロシラン(121 mg)のテトラヒドロフラン溶液(5 ml)を滴下した後に、室温まで昇温して4時間攪拌した。再び−78℃まで冷却した後に、n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(2.69 mol/l : 0.30 ml)を加えて、−78℃にて1時間攪拌した。その後、−78℃にてN―フルオロベンゼンスルホンイミド(252 mg)のテトラヒドロフラン溶液(5 ml)を滴下した後に、−78℃で1時間、室温で1時間攪拌した。反応液に氷冷下で1mol/L塩酸を加えてクエンチした後に、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより、参考例4(18 mg)を取得した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.78-7.76 (m, 2H), 7.43-7.38 (m, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.27-7.22 (m, 1H), 4.35-4.31 (m, 2H), 4.14-4.03 (m, 1H), 2.90-2.82 (m, 2H), 2.13-2.08 (m, 2H), 1.96-1.83 (m, 2H), 1.49 (s, 9H).
参考例5
tert−ブチル 4−(2−フルオロ−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例5)
Figure 2015199722
参考例1と同様の方法により得られるtert−ブチル 4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(160 mg)のテトラヒドロフラン溶液(5 ml)を−78℃に冷却した後に、n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(2.69 mol/l : 0.19 ml)を加えて、−78℃にて30分攪拌した。その後、−78℃にてN―フルオロベンゼンスルホンイミド(161 mg)のテトラヒドロフラン溶液(5 ml)を滴下した後に、−78℃で1時間、室温で15時間攪拌した。反応液に氷冷下で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチした後に、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより、参考例5(10 mg)を取得した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.90-7.76 (m, 2H), 7.42-7.36 (m, 3H), 7.23 (s, 1H), 4.35-4.31 (m, 2H), 4.13-4.02 (m, 1H), 2.90-2.82 (m, 2H), 2.13-2.09 (m, 2H), 1.96-1.82 (m, 2H), 1.49 (s, 9H).
参考例6
シス−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸(参考例6)
Figure 2015199722
参考例1と同様の方法により得られるメチル シス−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(280 mg)のメタノール/テトラヒドロフラン溶液(2.5 ml/5 ml)に、室温にて2mol/l水酸化ナトリウム水溶液(2.5 ml)を加えた後に、室温で3時間攪拌した。減圧留去した後に、得られた残渣にクロロホルムと1mol/l塩酸を加えて、クロロホルムで5回抽出した後に、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去して参考例6(146 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(271 / 0.39 : B)
実施例1
N−シクロヘキシル−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例1)
Figure 2015199722
a)4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン塩酸塩(化合物cmp−3)の製造
参考例1(5.63 g)に、室温にて4mol/L塩化水素/酢酸エチル溶液(50 ml)を加えて、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧留去して、化合物cmp−3(4.06 g)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(246 / 0.18 : A)
b)N−シクロヘキシル−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例1)の製造
化合物cmp−3(1 g)のテトラヒドロフラン(15 ml)溶液に、室温にてイソシアン酸シクロヘキシル(0.48 ml)とトリエチルアミン(1.3 ml)を加え、室温下にて18時間攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)にて精製することにより、実施例1(960 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(371 / 0.63 : A)
1H-NMR (400 MHz, MeOD) δ : 7.62 (s, 1H), 7.52-7.45 (m, 2H), 7.33 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.73 (s, 1H), 4.36 (s, 1H), 4.15-4.11 (m, 3H), 3.67 (s, 1H), 2.96-2.89 (m, 2H), 2.15-2.13 (m, 2H), 1.97-1.90 (m, 2H), 1.71-1.62 (m, 4H), 1.40-1.37 (m, 2H), 1.14-1.11 (m, 4H)
実施例2
N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例2)
Figure 2015199722
エキソ−2−アミノノルボルネン(0.027 ml)のテトラヒドロフラン(0.5 ml)溶液にトリホスゲン(27mg)とトリエチルアミン(0.064 ml)を氷冷下で加え、1時間氷冷下にて攪拌した。その後、化合物cmp−3(53 mg)のテトラヒドロフラン(0.5 ml)溶液とトリエチルアミン(0.082 ml)を氷冷下にて加え、さらに均一溶媒になるまで少量の水を添加した後、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、実施例2(14 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(383 / 0.65 : A)
実施例3
4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−N−[トランス−4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例3)
Figure 2015199722
トランス−4−トリフルオロメチルシクロヘキサンカルボン酸(0.045 ml)のトルエン(5 ml)溶液にジフェニルリン酸アジド(0.137 ml)とトリエチルアミン(0.096 ml)を加えて95℃で3時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却して化合物cmp−3(53 mg)のテトラヒドロフラン溶液とトリエチルアミン(0.082 ml)を加え、さらに均一溶媒になるまで少量の水を添加した後、室温下にて2時間攪拌した。反応溶液を減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、実施例3(22 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(439 / 0.70 : A)
実施例4
N−(トランス−4−メトキシシクロヘキシル)−4−{4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル}ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例4)
Figure 2015199722
参考例1、実施例1a)と同様の方法により得られる4−{4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル}ピペリジン塩酸塩(200 mg)のジメチルホルムアミド溶液(6 ml)に、室温にてジイソプロピルエチルアミン(0.47 ml)、フェニル(トランス−4−メトキシシクロヘキシル)カルバメート(136 mg)を加えて、70℃で60時間加熱攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより、実施例4(11 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(451 / 1.27 : B)
実施例5
N−tert−ブチル−4−[5−クロロ−4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例5)
Figure 2015199722
実施例1と同様の方法により得られるN−tert−ブチル−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(48 mg)の塩化メチレン溶液(3 ml)に、室温にてN−クロロスクシンイミド(29 mg)、トリフルオロ酢酸(0.06 ml)を加えた後に、50℃で40時間加熱還流した。反応液に氷冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてクエンチした後に、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより、実施例5(9 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(379 / 1.59 : B)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.76-7.73 (m, 1H), 7.70-7.65 (m, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.41-7.34 (m, 1H), 7.02-6.98 (m, 1H), 4.37 (brs, 1H), 4.26-4.09 (m, 3H), 2.96-2.87 (m, 2H), 2.18-2.13 (m, 2H), 1.96-1.83 (m, 2H), 1.38 (s, 9H).
実施例6
[4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル](4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メタノン(実施例6)
Figure 2015199722
参考例1、実施例1a)と同様の方法により得られる4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン塩酸塩(300 mg)の塩化メチレン溶液(10 ml)に、室温にて4,4−ジフルオロシクロヘキシルカルボン酸(246 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.87 ml)、HBTU(569 mg)を加え、室温下で5時間攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより実施例6(370 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(374 / 0.54 : A)
実施例7
1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例7)
Figure 2015199722
実施例6(370 mg)の塩化メチレン溶液(12 ml)に、室温にてN−ヨードスクシンイミド(391 mg)、トリフルオロ酢酸(0.52 ml)を加えた後に、室温で遮光下18時間攪拌した。反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてクエンチした後に、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、減圧留去した後に、室温にてジメチルホルムアミド(6 ml)、ヨウ化銅(67 mg)、シアン化カリウム(113 mg)を加えて、150℃で15時間加熱攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより実施例7(269 mg)を取得した。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(399 / 1.49 : B)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.03-7.99 (m, 2H), 7.68 (s, 1H), 7.50-7.38 (m, 3H), 4.92-4.89 (m, 1H), 4.41-4.36 (m, 1H), 4.11-4.07 (m, 1H), 3.30-3.26 (m, 1H), 2.69-2.60 (m, 2H), 2.30-1.67 (m, 12H).
実施例8
2−フルオロ−N−{シス−4−[4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−メチルプロパンアミド(実施例8)
Figure 2015199722
参考例1と同様の方法で得られるtert−ブチル{シス−4−[4−(4−フロオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}カルバメート(2.89 g)のメタノール溶液(20 ml)に、室温にて4mol/L塩化水素・ジオキサン溶液(5 ml)を加えた後に、室温で5時間攪拌した。反応液を減圧留去した後に、室温にてジクロロメタン溶液(40.2 ml)、ジイソプロピルエチルアミン(7.00 ml)、HBTU(4.57 g)、2−フルオロ−2−メチルプロピオン酸(1.28 g)を加えて、室温で3時間攪拌した。反応液を減圧留去した後に、得られた残査をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:クロロホルム=20:80〜0:100)で精製することにより実施例8(2.86 g)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.70 (dd, J = 9, 5.5 Hz, 2H), 7.56 (s, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.03 (t, J = 9 Hz, 2H), 6.46 (br, 1H), 4.00-4.12 (m, 2H), 2.01-2.10 (m, 2H), 1.74-1.98 (m, 6H), 1.58 (s, 3H), 1.52 (s, 3H).
実施例9
シス−N−シクロヘキシル−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(実施例9)
Figure 2015199722
参考例6(49 mg)のジメチルホルムアミド溶液(3 ml)に、室温にてシクロヘキシルアミン(41 mg)、WSC・HCl(69 mg)、HOBt(49 mg)、トリエチルアミン(0.15 ml)を加えた後に、室温で72時間攪拌した。減圧留去した後に、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製することにより実施例9(23 mg)を取得した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.78-7.75 (m, 2H), 7.59-7.58 (m, 1H), 7.39-7.19 (m, 4H), 5.35-5.32 (m, 1H), 4.06-3.97 (m, 1H), 3.84-3.73 (m, 1H), 2.44-2.42 (m, 1H), 2.31-2.18 (m, 2H), 2.13-1.06 (m, 16H).
実施例10〜137
対応する原料化合物を用いて、参考例1〜5及び実施例1〜5又は7に準ずる方法により、表1に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例138〜160
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は3、及び実施例5〜7に準ずる方法により、表2に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例161〜203
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は5及び実施例5、7又は8に準ずる方法により、表3に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例204〜207
対応する原料化合物を用いて、参考例1及び実施例5又は8に準ずる方法により、表4に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
実施例208〜230
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は6及び実施例5、7又は9に準ずる方法により、表5に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例231〜234
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は6、及び実施例5又は9に準ずる方法により、表6に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
実施例235
N−[シス−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)シクロヘキシル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン(実施例235)
Figure 2015199722
参考例1、実施例1a)と同様の方法により得られるシス−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)シクロヘキサンアミン塩酸塩(55mg)及びジイソプロピルエチルアミン(122μl)のNMP(2ml)溶液に4−クロロ−6−トリフルオロメチルピリミジン(35mg)を加え、50℃にて4時間攪拌した。反応液に水(50ml)を加え酢酸エチル(80ml×2回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=50:50〜0:100)で精製して標記化合物39mgを得た。
LCMS; [M+H]+ / Rt (min): 測定条件(388 / 0.62 : A)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.71-2.37 (8H, m), 3.20-3.54 (1H, m), 3.85-4.42 (1H, m), 5.58-5.89 (1H, m), 6.65 (1H, s), 7.09-7.39 (3H, m), 7.53 (1H, s), 7.60-7.80 (3H, m), 8.61 (1H, s)
実施例236〜239
対応する原料化合物を用いて、実施例235に準ずる方法により、表7に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
実施例240及び241
対応する原料化合物を用いて、参考例1及び実施例1〜5に準ずる方法により、表8に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
実施例242〜243
対応する原料化合物を用いて、参考例1及び実施例5又は6に準ずる方法により、表9に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
実施例244〜259
対応する原料化合物を用いて、参考例1〜5及び実施例1〜5又は7に準ずる方法により、表10に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例260〜276
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は3及び実施例5〜7に準ずる方法により、表11に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例277〜354
対応する原料化合物を用いて、参考例1及び実施例5、7又は8に準ずる方法により、表12に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例355〜381
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は6及び実施例5、7又は9に準ずる方法により、表13に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例382〜404
対応する原料化合物を用いて、参考例1〜5及び実施例1〜5又は7に準ずる方法により、表14に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例405〜424
対応する原料化合物を用いて、参考例1〜5及び実施例1〜5又は7に準ずる方法により、表15に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例425〜445
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は3及び実施例5〜7に準ずる方法により、表16に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
実施例446〜464
対応する原料化合物を用いて、参考例1又は3及び実施例5〜7に準ずる方法により、表17に示す化合物を得た。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
試験例
以下に、本発明にかかわる代表的化合物の薬理試験結果を示し、該化合物についての薬理作用を説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
試験例1.ヒトα7 nACh受容体安定発現細胞を用いたPAM活性評価
(1)ヒトα7 nAChR安定発現細胞
ヒトα7 nAChR安定発現細胞を作製し、培養に供した。具体的には、宿主細胞としてラット下垂体由来GH4C1細胞(cat. no. CCL-82.2, ATCC, USA)を用いた。GenBank BAC81731の蛋白をコードする塩基配列を挿入したpcDNA3.1Zeoベクターの導入、及びヒトα7 nAChR遺伝子を挿入したpcDNA3.1ベクター(cat. no. V790-20, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)の導入によりエクオリン及びヒトα7 nAChR安定発現細胞を得た。選別にはそれぞれZeocin (cat. no. R25001, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)及びGeneticin(cat. no. 10131-027, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を用いた。
培地には2.5%ウシ胎児血清(cat. no. 2917354, ICN Biomedicals, Inc, USA)、15%非働化ウマ血清(cat. no. 26050-088, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)、1μg/mL Geneticin、5μg/mL Puromycin(cat. no. 14861-84, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を含むF-10 Nutrient Mixture(Ham)培地(cat. no. 11550-043, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を用い、コラーゲンType1コートディッシュ(cat. no. 4030-010, iwaki, Tokyo, Japan)にて培養を行った。培養中、2−3日毎に培地交換を行い、7日毎にTrypLE Express(cat. no. 45604-021, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)処理にて細胞を回収し、継代培養を行った。
継代から7日後、約80%コンフルエントな状態でTrypLE Express処理にて細胞を回収し、Hanks (cat. no. 14065-056, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)/20mmol/L Hepes(cat. no. 15630-080, invitrogen, Carlsbad,CA,USA) Buffer (pH7.4)、F-10 Nutrient Mixture (Ham)、0.1mg/mL Geneticinからなる反応培地にて20000 cells/25μL/wellとなるように懸濁し、384 wellプレート(cat. no. 781090, Greiner,Germany)に播種した。
播種翌日、Viviren(cat. no. E649X, Promega, Madison,WI,USA)を終濃度4μmol/Lとなるように添加し(15μL/well)、遠心後4時間室温、遮光下で静置した。
(2)試験化合物の調製
試験化合物は最終濃度の1000倍濃度のDMSO溶液を作製し、この溶液をHanks/20 mM HEPES/0.2% BSA(cat. no. A3803, Sigma,St.Louis, MO, USA)にて最終濃度の6倍濃度に調製した。
(3)PAM活性評価
α7 nAChR刺激による発光シグナルの検出にはFDSS7000(浜松ホトニクス)を用いた。細胞及び発光基質を添加したプレートに試験化合物を添加し、150秒後に単独処置でEC20を示す濃度のAChを添加した。ACh添加後138秒間発光シグナル(中心波長:465 nm)を測定してRLU(Max−Min)を算出し、コントロールwellと試験化合物添加wellとのRLU(Max−Min)の比をPAM活性とした。
代表的化合物のα7 PAM活性のデータを表18〜25に示す。
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
Figure 2015199722
表18〜25に示すように、本発明にかかわる化合物はPAM活性評価試験においてα7 nAChRのPAM活性を有した。特に、実施例18、19、22、25、72、73、85、93、98、99、118、218、230, 362、363、380、391及び416は、より強いPAM活性を示した。
試験例2.マウス新奇物体認識試験を用いた認知機能評価(以下、mORTという)
25−30gのSlc:ddYマウス(雄性、日本エスエルシー)を用いた新奇物体認識試験において、第一試行(トレーニング)と第二試行(テスト)の間隔時間依存的に、既知物体に対する記憶低下が認められ、24時間後に第二試行を行った場合、顕著な忘却が認められる。そこで本発明にかかわる化合物を第一試行前に投与し、第2試行における記憶増強作用を評価した。その結果、実施例1、183、280、370及び452は、3mg/kg(経口)において有意な記憶増強作用が確認された。
試験例3.ラットY字型迷路試験を用いた認知障害の改善評価(以下、Y−maze試験とする)
280−300gのSlc:Wistarラット(雄性、日本エスエルシー)を用いたY字型迷路試験において、0.6mg/kgのScopolamine HBr(cat#S0929, Sigma Aldrich, Japan)皮下投与により記憶障害が惹起され、自発交替行動率の低下が認められる。そこで本発明にかかわる化合物を前処置し、記憶障害改善作用を評価する。その結果、実施例1及び183の化合物は、3mg/kg(経口)において有意な記憶障害改善作用が確認された。
製剤実施例1:錠剤の製造
実施例370の化合物(250g)、コーンスターチ(54g)、カルボキシメチルセルロールカルシウム(40g)、結晶セルロース(50g)及びステアリン酸マグネシウム(6g)を、常法により混合、造粒し、1錠あたり400mgで打錠し、1000錠を製する。
製剤実施例2:散剤の製造
実施例452の化合物(500g)、乳糖(470g)、ヒドロキシプロピルセルロース(25g)及び軽質ケイ酸(5g)を、常法により混合した後、散剤に製する。
以上で説明したように、式(I)で表される化合物、又はその製薬学上許容される塩は、強いα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節作用を有し、中枢神経系(CNS)及び/又は末梢神経系(PNS)のコリン作動性に関する疾患、平滑筋収縮に関する疾患、内分泌疾患、神経変性に関する疾患、炎症又は痛み等の疾患及び常習性の薬物乱用から引き起こされる禁断症状に関する疾患等の治療に有用である。

Claims (21)

  1. 式(I):
    Figure 2015199722
    [式中、
    X−Y−Zは、N−CO−NR4A4B、N−COR、CR−CO−NR4A4B、CR−NR−COR、CR−NR−CONR4A4B又はCR−NR−Qであり、
    は、フェニル又は単環ヘテロアリール(該フェニル及び該単環ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、シアノ、−NR、−COOR、−CONR及び−NRCORからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
    2A及びR2Bは、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン;シアノ;−COOR10;−CONR1011;−NR1011;−NR10COR11;ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;又はハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、−NR1011、−COOR10、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキルを表し、ここにおいて、X−Y−ZがN−CO−NHEtであって、n=1のとき、R2Aは、水素原子;ハロゲン;シアノ:又は上記置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
    3A、R3B、R3C、R3D及びRは、同一又は異なって、水素原子;フッ素;
    水酸基;1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;又は1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルであり、ここにおいて、R3A、R3B、R3C、R3D及びRのいずれかの2つが1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルのとき、2個のアルキルが一緒になって該アルキルが結合している環と別の環を形成していてもよく、
    4A、R4B、R及びRは、同一又は異なって、アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);又は水素原子であり、ただし、Rは水素原子ではなく、R4A及びR4Bは同時に水素原子ではなく、ここにおいて、R4A及びR4Bが共にC1−6アルキルのとき、一緒になってフッ素、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよく、
    Qは、窒素原子を1つ又は2つ含む6員環ヘテロアリール[該ヘテロアリールは、フッ素、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル、−NR1011、−CONR1011及び−NR10COR11からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルコキシ若しくは4〜10員の飽和複素環(該シクロアルキル、該シクロアルコキシ及び該飽和複素環は、それぞれフッ素、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−NR1415、−CONR1415及び−NR14COR15からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);フッ素、水酸基、C1−6アルコキシ、−NR1415、−CONR1415及び−NR14COR15からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;ハロゲン;シアノ;−CONR1415;−NR14COR15;又は−NR1415からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい]であり、
    〜R15は、同一又は異なって、また複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子又は1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルであり、ここにおいて、R及びR、R10及びR11、R12及びR13又はR14及びR15の各組は、(1)一方が水素原子のときは、もう一方が水素原子ではなく、かつ、(2)共に該C1−6アルキルであるとき、それぞれ一緒になって4〜10員の含窒素飽和複素環を形成していてもよく、
    nは、1又は2である]
    で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
  2. nが1である、
    請求項1に記載の医薬。
  3. X−Y−Zが、N−CO−NR4A4B、N−COR、CR−CO−NR4A4B又はCR−NR−CORである、
    請求項1又は請求項2に記載の医薬。
  4. が、フェニル又は単環ヘテロアリール(該フェニル及び該単環ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、水酸基、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及びシアノからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
  5. 2A及びR2Bが、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン;シアノ;又はハロゲン、水酸基、C1−6アルキル、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ及び4〜10員の飽和複素環からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキルであり、ここにおいて、X−Y−ZがN−CO−NHEtであって、n=1のとき、R2Aは、水素原子;ハロゲン;シアノ:又は上記置換基で置換されていてもよいC1−4アルキルである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
  6. 3A、R3B、R3C、R3D及びRが、同一又は異なって、水素原子、又はC1−6アルキルであり、ここにおいて、R3A、R3B、R3C及びR3Dのいずれかの2つがC1−6アルキルのとき、2個のアルキルは、該アルキルが結合する炭素原子又はそれら炭素原子を含む環と一緒になって別の環を形成していてもよい、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬。
  7. 4A、R4B、R及びRが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C3−10シクロアルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;アリール若しくはヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、それぞれハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);又は水素原子であり、ただし、Rは水素原子ではない、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の化医薬。
  8. 4B及びRが、水素原子である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
  9. X−Y−Zが、N−CO−NR4A4Bである、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬。
  10. X−Y−Zが、N−CORである、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬。
  11. X−Y−Zが、CR−CO−NR4A4Bである、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬。
  12. 以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬:
    N−シクロヘキシル−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例1)、
    1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例7)、
    N−シクロヘキシル−4−[4−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例66)、
    4−{5−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例94)、
    N−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−4−(5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例105)、
    1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例154)、
    1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例156)、
    N−{シス−4−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例183)、
    N−[シス−4−(5−シアノ−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)シクロヘキシル]−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例197)、
    N−(シス−4−{5−シアノ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル}シクロヘキシル)−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例201)、
    シス−4−{5−クロロ−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−1−イル}−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(実施例224)、
    N−{シス−4−[4−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例280)、
    N−{シス−4−[4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例283)、
    N−{シス−4−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例300)、
    N−{シス−4−[5−シアノ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例332)、
    シス−4−[5−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(実施例370)、及び、
    {(3−エキソ)−3−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メタノン(実施例452)。
  13. 以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬:
    N−シクロヘキシル−4−[4−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例1)、
    1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例7)、
    N−シクロヘキシル−4−[4−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド(実施例66)、
    1−{1−[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)カルボニル]ピペリジン−4−イル}−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル(実施例154)、
    N−{シス−4−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例183)、
    シス−4−[5−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(実施例370)、及び、
    {(3−エキソ)−3−[5−クロロ−4−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メタノン(実施例452)。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
  15. アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療剤である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医薬。
  16. アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患が、CIAS(統合失調症に伴う認知機能障害)、アルツハイマー病、ダウン症、認知障害、軽度認知障害、記憶障害・学習障害、注意欠陥・多動性障害又は脳血管アンギオパチーである、請求項15に記載の医薬。
  17. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及び非定型抗精神病薬から選択される少なくとも1種以上の薬剤を含有する医薬。
  18. アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療のための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医薬。
  19. アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
  20. アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
  21. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する、少なくとも1種以上の非定型抗精神病薬と併用して、アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患を治療及び/又は予防するための医薬組成物。
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