JP2014073982A - 新規ベンズイミダゾール誘導体からなる医薬 - Google Patents

新規ベンズイミダゾール誘導体からなる医薬 Download PDF

Info

Publication number
JP2014073982A
JP2014073982A JP2012221092A JP2012221092A JP2014073982A JP 2014073982 A JP2014073982 A JP 2014073982A JP 2012221092 A JP2012221092 A JP 2012221092A JP 2012221092 A JP2012221092 A JP 2012221092A JP 2014073982 A JP2014073982 A JP 2014073982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkoxy
optionally substituted
halogen
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012221092A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiro Nishio
幸博 西尾
Keisuke Kakiguchi
慶介 柿口
Osamu Ichikawa
治 市川
貴士 ▲高▼田
Takashi Takada
Hiroki Yamaguchi
洋輝 山口
Yoshihito Tatamiya
嘉人 畳谷
Yusuke Sawayama
裕介 澤山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharma Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd filed Critical Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd
Priority to JP2012221092A priority Critical patent/JP2014073982A/ja
Publication of JP2014073982A publication Critical patent/JP2014073982A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】α7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節作用を有し、中枢神経系(CNS)及び/又は末梢神経系(PNS)のコリン作動性に関する疾患、平滑筋収縮に関する疾患、内分泌疾患、神経変性に関する疾患等の治療薬として有用な化合物からなる医薬の提供。
【解決手段】式(I)

[式中、AおよびXは、窒素などを表し、R、YおよびZはそれぞれ置換基を表し、nは、1又は2を表す]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、α7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節物質である新規なベンズイミダゾール誘導体からなる医薬に関する。それらの薬理学的特性から、本発明の化合物は、中枢神経系(CNS)及び/又は末梢神経系(PNS)のコリン作動性に関する疾患、平滑筋収縮に関する疾患、内分泌疾患、神経変性に関する疾患、炎症又は痛み等の疾患及び常習性の薬物乱用から引き起こされる禁断症状に関する疾患等の治療に有用であり得る。
近年、ニコチンの潜在的な神経保護効果が示されており、興奮毒性傷害、栄養欠乏、虚血、外傷、アミロイドベータ(Aβ)媒介神経細胞死およびタンパク質凝集媒介神経変性を伴う動物および培養細胞の様々な神経変性モデルが提唱されている。ニコチンが神経保護効果を呈する多くの例において、α7サブタイプ含有ニコチン性アセチルコリン受容体が活性化されていることが明らかになっている。これらは、ニコチンが神経保護効果を媒介するために役立つことが示唆され、α7サブタイプを含む受容体の直接的関与が想起されてきた。これらデータから、α7ニコチン性アセチルコリン受容体が、神経保護として妥当な分子標的の代表であることが示唆される。つまり、該受容体の活性なアゴニスト/正のモジュレーター(ポジティブアロステリックモジュレーター:PAM)を開発することにより、神経保護が達成され得る。実際に、α7ニコチン性受容体アゴニストはすでに同定され、神経保護薬の開発のために可能性ある手がかりとして評価されている。また、近年α7ニコチン性アセチルコリン受容体の炎症への関与も、報告されている。以上のことから、該受容体の新規モジュレーターの開発は、神経系疾患、精神疾患及び炎症性疾患の新規な治療が想定される。
これまでに、α7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節物質に関する開示はあるが、本願発明の化合物とは構造が異なる(特許文献1及び特許文献2)。
国際公開第2003/093250号パンフレット 国際公開第2006/138510号パンフレット
本発明の課題は、強力なα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節作用を有し、神経系疾患、精神疾患及び炎症性疾患の新規な治療剤及び/又は予防剤として有用な新規化合物からなる医薬を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、下記式(I)で表される新規化合物が強力なα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節作用を有することを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば、下記式(I)で表されるベンズイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩(以下、「本発明の化合物」と称することもある)からなる医薬が提供される。
[項1]下記式(I):
[式中、
Aは、CR1D又は窒素原子を表し、
X−Y−Zは、N−CO−NR4A、CR−CO−NR4A、CR−NR−CONR4A、CR−NR−COR4B、CR−NR−アリール、CR−NR−ヘテロアリール又はCR−CR−NR4Aを表し、
1A、R1B、R1C及びR1Dは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル及び−NR1011からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(但し、R1Bが−NR1011で置換された該基を除く);水素原子;水酸基;ハロゲン;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルコキシ;4〜10員の飽和複素環;ニトロ;−NR1011;シアノ;−COOR10;−CONR1011;−NR10COR11;−SONR1011;又は−NR10SO11を表し、ここにおいて、(1)X−Y−Zが、N−CO−NR4Aのとき、R1A、R1B、R1C及びR1Dは、少なくとも1つは、水素原子以外の基であり(但し、R1A、R1C及びR1Dが共に水素原子であり、R4Aがベンジルであり、Rが水素原子であるとき、R1Bがフッ素原子ではない)、又は、(2)AがCR1Dであり、X−Y−ZがCR−CO−NR4Aであり、R4Aが1−(2−フルオロフェニル)−ピラゾ−3−イルであり、Rが水素原子であるとき、R1A、R1B、R1C及びR1Dのうち、少なくとも1つは、水素原子以外の基であり、
は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;水素原子;C1−6アルコキシで置換されていてもよいアリール;又は4〜10員の飽和複素環を表し、
3A、R3B、R3C及びR3Dは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;水素原子;ハロゲン;水酸基;又はC1−6アルコキシを表し、
4A、R及びRは、同一又は異なって、アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール(該基は、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール、又は、同一又は異なる1〜5個のハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル又は−NR1415で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;ヘテロアリール;又は水素原子を表し、ここにおいて、R4A及びRは一緒になって4〜10員の含窒素飽和複素環(但し、該環は、(1)モルフォリンではなく、(2)水酸基で置換されていてもよい)を形成していてもよく、
4Bは、アリール、ヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し、
、R及びRは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1617からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1617からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;4〜10員の飽和複素環;水素原子;ハロゲン;水酸基;又はC1−6アルコキシを表し、
10〜R17は、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキルを表し、
nは、1又は2を表す]
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
[項2]Aが、CR1D又は窒素原子であり、
X−Y−Zが、N−CO−NR4A、CR−CO−NR4A、CR−NR−CONR4A、CR−NR−COR4B、CR−NR−アリール、CR−NR−ヘテロアリール又はCR−CR−NR4Aであり、
1A、R1B、R1C及びR1Dが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(但し、R1Bが−NR1011で置換された該基を除く);水素原子;水酸基;ハロゲン;アリール;ヘテロアリール;4〜10員の飽和複素環;ニトロ;−NR1011;シアノ;−COOR10;−CONR1011;−NR10COR11;−SONR1011;又は−NR10SO11であり、ここにおいて、(1)X−Y−Zが、N−CO−NR4Aのとき、R1A、R1B、R1C及びR1Dは、少なくとも1つは、水素原子以外の基であり(但し、R4Aが、ベンジルであり、Rが、水素原子であるとき、R1A、R1C及びR1Dが共に水素原子であって、R1Bがフッ素原子ではなく)、又は、(2)Aが、CR1Dであり、X−Y−Zが、CR−CO−NR4Aであり、R4Aが、1−(2−フルオロフェニル)−ピラゾ−3−イルであり、Rが、水素原子であるとき、R1A、R1B、R1C及びR1Dのうち、少なくとも1つは、水素原子以外の基であり、
が、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1213からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1213からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;水素原子;C1−6アルコキシで置換されていてもよいアリール;又は4〜10員の飽和複素環であり、
3A、R3B、R3C及びR3Dが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1415からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;水素原子;ハロゲン;水酸基;又はC1−6アルコキシであり、
4A、R及びRが、同一又は異なって、アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、1〜5個のハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル又は−NR1415で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;又は水素原子であり、ここにおいて、R4A及びRは一緒になって4〜10員の含窒素飽和複素環(該環は、水酸基で置換されていてもよい)を形成していてもよく、
4Bが、アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1415からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;又はハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールであり、
、R及びRが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1617からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1617からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;4〜10員の飽和複素環;水素原子;ハロゲン;水酸基;又はC1−6アルコキシであり、
10〜R17が、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキルであり、
nは、1又は2である、
項1に記載の医薬。
[項3]AがCR1Dであり、X−Y−ZがN−CO−NR4Aであり、R1A、R1C及びR1Dが共に水素原子であり、R4A及びRの一方が水素原子であるとき、以下のR1B並びにR4A及びRのもう一方の組み合わせの化合物群又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬を除く、
項1又は項2に記載の医薬:
1Bが、フッ素であり、R4A及びRのもう一方が、フェニル、2−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、シクロヘキシル、4−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、4−クロロ−3−トリフルオロフェニル、3−メトキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−メチルフェニル、2−クロロフェニル、アダマンチル、2−メチルフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル及び4−メチルフェニルからなる群から選択される基である化合物、
1Bが、ジメチルアミノカルボニルであり、R4A及びRのもう一方が、4−エトキシフェニル、3,4−ジフルオロフェニル及び4−メチルベンジルからなる群から選択される基である化合物、
1Bが、メチルであり、R4A及びRのもう一方が、2,6−ジメチルフェニル、アダマンチル及び2−フルオロフェニルからなる群から選択される基である化合物、
1Bが、トリフルオロメチルであり、R4A及びRのもう一方が、2−フルオロフェニル、4−メトキシフェニル及びフェニルからなる群から選択される基である化合物。
[項4]
Aが窒素原子であるとき、R1B及びR1Cの一方が置換されていてもよいフェニルであり、もう一方が水素原子の組み合わせでない、
項1又は項2に記載の医薬。
[項5]X−Y−Zが、N−CO−NR4A、CR−NR−CONR4A、CR−NR−COR4B、CR−NR−アリール、CR−NR−ヘテロアリール又はCR−CR−NR4Aである、
項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
[項6]X−Y−Zが、N−CO−NR4A又はCR−NR−COR4Bである、
項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
[項7]X−Y−Zが、CR−NR−COR4Bである、
項1〜4のいずれか一項に記載の医薬。
[項8]R4Bが、アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成してもよく);同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、
項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
[項9]R4Bが、アリール、ヘテロアリール、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成しても良く);同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、
項1〜7のいずれか一項に記載の医薬。
[項10]Aが、CR1Dである、
項1〜9のいずれか一項に記載の医薬。
[項11]Rが、水素原子である、
項1〜10のいずれか一項に記載の医薬。
[項12]nが、1である、
項1〜11のいずれか一項に記載の医薬。
[項13]R3A、R3B、R3C及びR3Dが、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン、水酸基又はC1−6アルコキシである、
項1〜12のいずれか一項に記載の医薬。
[項14]R1A、R1B、R1C及びR1Dが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC3−6シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;水素原子;水酸基;ハロゲン;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルコキシ;4〜10員の飽和複素環;−NR1011;シアノ;−COOR10;又は−CONR1011である、
項1〜13のいずれか一項に記載の医薬。
[項15]R1A、R1B、R1C及びR1Dが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−7シクロアルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC3−6シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;水素原子;ハロゲン;4〜7員の飽和複素環;シアノ;−COOR10;又は−CONR1011である、
項1〜13のいずれか一項に記載の医薬。
[項16]R4A、R及びRが、同一又は異なって、アリール、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−9シクロアルキル;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;ヘテロアリール;又は水素原子である、
項1〜15のいずれか一項に記載の医薬。
[項17]R、R及びRが、同一又は異なって、C1−6アルキル、水酸基又は水素原子である、
項1〜16のいずれか一項に記載の医薬。
[項18]R4Bが、アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成しても良く);同一または異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、
項1〜17のいずれか一項に記載の医薬。
[項19]AがCR1Dであり、X−Y−ZがN−CO−NR4Aであるとき、R4A及びRが、同一又は異なって、アリール(該基は、1〜5個のハロゲン、水酸基、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;又は水素原子である、
項1〜18のいずれか一項に記載の医薬。
[項20]R4A及びRが、一緒になって4〜10員の含窒素飽和複素環を形成し該環を構築する窒素原子以外のヘテロ原子が存在するとき、該へテロ原子が1〜2個の窒素原子及び/又は1個の硫黄原子である、
項1〜19のいずれか一項に記載の医薬。
[項21]AがCR1Dであり、R1A、R1C及びR1Dが共に水素原子であり、R1Bがフッ素原子又はメチルであり、X−Y−ZがN−CO−NR4Aであるとき、R4A及びRが、同一又は異なって、アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール(該基は、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−9シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよく、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい);C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;又は水素原子である、
項1〜20のいずれか一項に記載の医薬。
[項22]AがCR1Dであり、R1A、R1C及びR1Dが共に水素原子であり、R1Bがフッ素原子又は−NR1011であり、X−Y−ZがN−CO−NR4Aであるとき、R4A及びRが、同一又は異なって、アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール(該基は、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール、又は、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、−NR1415又は同一又は異なる1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(但し、無置換シクロヘキシルは除き、該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;ヘテロアリール;又は水素原子である、項1〜21のいずれか一項に記載の医薬。
[項23]X−Y−ZがCR−NR−COR4Bであり、nが1であり、形成されるシクロヘキサン環の1位と4位の立体がシスの関係である、
項1〜22のいずれか一項に記載の医薬。
[項24]Rが、水素原子である、
項1〜23のいずれか一項に記載の医薬。
[項25]X−Y−ZがCR−CR−NR4Aであり、R4A及びRの一方が(1)ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり、もう一方が(2)水素原子の組み合わせである、
項1〜24のいずれか一項に記載の医薬。
[項26]以下の化合物から選択される、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬:
2,2−ジメチル−N−{cis−4−[6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}プロパンアミド(実施例192)、
N−[cis−4−(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロヘキシル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(実施例202)、
N−{cis−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}シクロブタンカルボキサミド(実施例150)、
2−フルオロ−2−メチル−N−{cis−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}プロパンアミド(実施例165)、
1−(トリフルオロメチル)−N−{cis−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}シクロプロパンカルボキサミド(実施例220)、
2,2−ジメチル−N−{cis−4−[6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル]シクロヘキシル}プロパンアミド(実施例239)、
2−フルオロ−2−メチル−N−{cis−4−[5−(トリフルオロメトシキ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}プロパンアミド(実施例238)、
N−{cis−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}シクロペンタンカルボキサミド(実施例236)、
N−[cis−4−(6−ブロモ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキシル]−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミド(実施例225)、
2,2−ジメチル−N−{cis−4−[5−(トリフルオロメトシキ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}プロパンアミド(実施例228)、及び、
N−[cis−4−(6−ブロモ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)シクロヘキシル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(実施例211)。
[項27]以下の化合物から選択される、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬:
2,2−ジメチル−N−{cis−4−[6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}プロパンアミド(実施例192)、
N−[cis−4−(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロヘキシル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(実施例202)、
N−{cis−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}シクロブタンカルボキサミド(実施例150)、
2−フルオロ−2−メチル−N−{cis−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}プロパンアミド(実施例165)、及び、
1−(トリフルオロメチル)−N−{cis−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロヘキシル}シクロプロパンカルボキサミド(実施例220)。
[項28]項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及び医薬的に許容される担体を含有する医薬組成物。
[項29]アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療剤又は予防剤である、項1〜27のいずれか一項に記載の医薬。
[項30]アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患が、CIAS(統合失調症に伴う認知機能障害)、アルツハイマー病、ダウン症、認知障害、記憶障害・学習障害、軽度認知障害、注意欠陥・多動性障害又は脳血管アンギオパチーである、項29に記載の医薬。
[項31]項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩と、非定型抗精神病薬に分類される薬剤から選択される少なくとも1種以上の他の薬剤とを備える医薬。
本発明化合物は神経系疾患、精神疾患、および炎症性疾患(例えば老人性認知症、注意力欠陥障害、アルツハイマー病、および統合失調症)の新規な治療剤及び/又は予防剤として有用である。また、本発明化合物は、非定型抗精神病薬に分類される薬剤との併用剤として、統合失調症などの神経系疾患、精神疾患の治療及び/又は予防に有用である。
本発明の化合物は、水和物及び/又は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物及び/又は溶媒和物もまた本発明の化合物に包含される。
式(I)の化合物は、1個又は場合によりそれ以上の不斉炭素原子を有する場合があり、また幾何異性や軸性キラリティを生じることがあるので、数種の立体異性体として存在することがある。本発明においては、これらの立体異性体、それらの混合物及びラセミ体は本発明の式(I)で表される化合物に包含される。
また、一般式(I)で表される化合物のいずれか1つまたは2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も一般式(I)で表される化合物に包含される。
また、本発明には、式(I)で表される化合物またはその製剤学的に許容される塩の水和物、エタノール溶媒和物等の溶媒和物も一般式(I)で表される化合物に包含される。
つぎに、本明細書における用語について以下に説明する。
「アルキル」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、「C1−6アルキル」とは炭素原子数が1〜6のアルキルを意味する。その具体例として、「C1−6アルキル」の場合には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ぺンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
「シクロアルキル」とは、単環又は多環式飽和炭化水素を意味し、例えば「C3−6シクロアルキル」又は「C3−10シクロアルキル」とは炭素原子数が3〜6又は3〜10の環状アルキルを意味し、一部架橋された構造のもの又はアリール若しくはヘテロアリールと縮環を形成したものも含まれる。その具体例として、「C3−6シクロアルキル」の場合には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル等が挙げられる。「C3−10シクロアルキル」の場合には、前記に加え、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル等が挙げられる。
「アルコキシ」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基が酸素原子を介している基を意味し、例えば、「C1−6アルコキシ」とは炭素原子数が1〜6のアルコキシを意味する。その具体例として、「C1−6アルコキシ」の場合には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。中でも好ましくは、フッ素原子または塩素原子である。
「アリール」としては、具体的にはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセン等が挙げられる。中でも好ましくは、フェニルが挙げられる。
「ヘテロアリール」としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から独立して選ばれる1から4個の原子を含む、単環の5〜7員環の芳香族複素環基、2環の8〜11員の芳香族複素環基又は3環の12〜16員の芳香族複素環基が挙げられる。具体的にはピリジル、ピリダジニル、イソチアゾリル、ピロリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インダゾリル、クロメニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、チオキサンテン、6,11−ジヒドロジベンゾ[B,E]チエピニル等が挙げられる。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジル、ピリミジニル、キノリル、及びイソキノリルが挙げられる。
「4〜10員の飽和複素環」とは、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から独立して選択される1〜2個の原子を含む4〜10個の原子で構成される飽和複素環を意味する。例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ホモピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
「4〜10員の含窒素飽和複素環」とは、炭素原子以外に1〜2個の窒素原子を含む4〜10個の原子で構成される飽和複素環を意味する。例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ホモピペリジン等が挙げられる。
「CR−NR−アリール」とは、CR−NRの窒素原子にアリールが置換した基を意味する。「CR−NR−アリール」と同様に、「CR−NR−ヘテロアリール」等も後者に置換した基を意味する。
式(I)で表される本発明の化合物の中でも、A、X−Y−Z、R1A〜R1D、R、R3A〜R3D、R4A、R4B、R〜R17及びnで、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
Aとして好ましくは、CR1Dが挙げられる。
X−Y−Zとして好ましくは、N−CO−NR4A、CR−NR−CONR4A、CR−NR−COR4B、CR−NR−アリール、CR−NR−ヘテロアリール又はCR−CR−NR4Aが挙げられ、より好ましくは、N−CO−NR4A、CR−NR−COR4B、CR−NR−アリール又はCR−NR−ヘテロアリールが挙げられる。さらに好ましくは、N−CO−NR4A又はCR−NR−COR4Bが挙げられる。最も好ましくは、CR−NR−COR4Bが挙げられる。
1A〜R1Dとして好ましくは、同一又は異なって、ハロゲン、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、水素原子、ハロゲン、C3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルコキシ、−NR1011、シアノ、−COOR10、−CONR1011、−NR10COR11、−SONR1011又は−NR10SO11が挙げられる。より好ましくは、ハロゲン及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、水素原子、ハロゲン、C3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ又はC3−10シクロアルコキシが挙げられる。
として好ましくは、ハロゲン、水酸基及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、水素原子、C1−6アルコキシ又は4〜10員の飽和複素環が挙げられ、より好ましくは、1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、水素原子又はC1−6アルコキシが挙げられる。最も好ましくは、水素原子が挙げられる。
3A、R3B、R3C及びR3Dとして好ましくは、同一又は異なって、ハロゲン及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、水素原子又はハロゲンが挙げられ、より好ましくは、C1−6アルキル、水素原子又はハロゲンが挙げられる。
4A、R及びRとして好ましくは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;4〜10員の飽和複素環又は水素原子が挙げられ、より好ましくは、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル又は水素原子が挙げられる。
4Bとして好ましくは、アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成してもよく);同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールが挙げられる。より好ましくは、アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成してもよく);又は同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環が挙げられる。さらに好ましくは、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;又は4〜10員の飽和複素環が挙げられる。
、R及びRとして好ましくは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシが挙げられ、より好ましくは、水素原子、ハロゲンが挙げられる。
10〜R17としては、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキルが挙げられ、好ましくは、水素原子が挙げられる。
nとしては、1又は2が挙げられ、好ましくは、1が挙げられる。
式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩とは、構造中に酸付加塩を形成しうる基を有する式(I)の化合物の製薬学的に許容される酸付加塩を意味する。酸付加塩の具体例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩、又はグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。
式(I)で表される本発明化合物がカルボキシル基などの酸性官能基を有する場合、各種の塩基と塩を形成しうる。この場合の薬学的に許容される塩としては、ナトリウム塩もしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム塩などが挙げられる。これらの塩は、式(I)で表される本発明化合物を塩基と混合した後、再結晶などの常法により得ることができる。
なお、本明細書において記載の簡略化のために、次に挙げる略号を用いることもある。o−:ortho−、m−:meta−、p−:para−、t−:tert−、s−:sec−、THF:テトラヒドロフラン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、d−DMSO:重ジメチルスルホキシド、PAM:ポジティブアロステリックモジュレーター、HEPES:N−2−ヒドロキンエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸、BSA:bovine serum albumin、牛血清アルブミン、FDSS:Functional Drug Screening System、Boc:tert−ブトキシカルボニル、CBz:ベンジルオキシカルボニル、c−Hex:シクロヘキシル、Ns:2-ニトロベンゼンスルホニル、EDCI:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HBTU:2−(1H−7−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ燐酸塩、DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
本発明の化合物の製造方法について以下に述べる。式(I)で表される本発明の化合物は、例えば下記の製造法A〜Dにより製造することができる。
製造法A
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、N−CO−NR4Aである式A1で表される化合物(以下、化合物A1とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
(式中、A、R1A〜R1D、R、R3A〜R3D、R4A、R及びnは項1に定義されるとおりであり、Pはアミノ基の保護基、Xはハロゲン等の脱離基、Rはメチル基又はフェニル基を意味する)
AがCR1Dの化合物a1である2−ハロニトロベンゼンは、例えば、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2003, 13(10), 1725-1728、Tetrahedron 1999, 55(25), 7725-7738、Synth. Commun. 1998, 28(23), 4295-4301などに記載されている方法により合成できるか、または市販品として購入できる。
Aが窒素原子の化合物a1である2−ハロニトロピリジンは、例えば、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2003, 13(10), 525-527、J. Heterocyclic Chem. 2000, 37(5), 1253-1256、Tetrahedron Lett. 1993, 34(18), 2937-2940、J. Heterocyclic Chem. 1996, 33(6), 1815-1821、J. Org. Chem. 1991, 56(9), 3006-3009などに記載されている方法により合成できるか、または市販品として購入できる。
[A−1工程]
本工程は化合物a1に、種々の塩基存在下、適当な溶媒中、化合物a6を反応させることにより、化合物a2を得る工程である。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン又は炭酸カリウムである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランである。類似反応として、例えば、Tetrahedron Lett. 1994, 35(31), 5649-5652、Tetrahedron Lett. 2002, 43(43), 7707-7710などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[A−2工程]
本工程は上記A−1工程で得られた化合物a2を触媒存在下又は非存在化で還元し化合物a3を得ることができる。還元剤としては水素、蟻酸アンモニウムなどの蟻酸の塩、ヒドラジン、亜鉛、鉄、2塩化スズを用いることができる。触媒としては、パラジウム、ニッケル、ロジウム、コバルトもしくは白金などの遷移金属やその塩、その錯体、ポリマーなどの担体に担持させたものを挙げることができる。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはテトラヒドロフラン又はメタノールである。類似反応として、例えば、Org. Lett. 2005, 7(8), 1549-1552、Tetrahedron Lett. 2006, 47(6), 969-972、Tetrahedron Lett. 2010, 51(10), 1380-1382、Synth. Commun. 2010, 40(5), 661-665などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[A−3工程]
が水素原子である化合物a4は、上記A−2工程で得られた化合物a3に、適当な溶媒中、トリメトキシメタン又はトリエトキシエタン又は蟻酸を反応させることにより得ることができる。類似反応として、例えば、Tetrahedron Lett. 2006, 47(30), 5359-5361、国際公開第2010/012121号パンフレット、国際公開第2010/027500号パンフレットなどに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
がベンズイミダゾール環と炭素−炭素で結合している化合物a4は、上記A−2工程で得られた化合物a3に、適当な溶媒中、対応するカルボン酸(RCOH)あるいは酸塩化物(RCOCl)を反応させることにより得ることができる。類似反応として、例えば、Chemistry and Biodiversity 2008, 714-728、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2007, 17(23), 6633-6637、国際公開第2008/108958号パンフレット、米国公開特許公報US2008/0249101などに記載されている方法により合成することもできる。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択される。
[A−4工程]
本工程は上記A−3工程で得られた化合物a4のアミノ基の保護基Pを、脱保護することにより、化合物a5を得る工程である。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[A−5工程]
本工程は上記A−4工程で得られた化合物a5に、種々の塩基存在下、適当な溶媒中、化合物a7又はa8又はa9を反応させることにより、化合物A1を得る工程である。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはテトラヒドロフラン又はエタノールある。類似反応として、例えば、Tetrahedron Lett.1998, 39(21), 3609-3612、J. Org. Chem. 1995, 60(25), 8262-8266、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14(3), 727-779、Tetrahedron Lett.2001, 42(8), 1445-1447などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
(式中、A、R1A〜R1D、R、R3A〜R3D、R4A、R及びnは項1に定義されるとおりであり、Lは脱離基を意味する)
[A−6工程]
本工程は上記A−4工程で得られた化合物a5に脱離基Lを導入する工程である。種々の塩基存在下、適当な溶媒中、1,1’−カルボニルジイミダゾール又は置換されたあるいは無置換のフェニルクロロホルメートを反応させることにa10を得る工程である。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくは塩化メチレン又はジクロロエタンある。類似反応として、例えば、国際公開第2003/103669号パンフレットに記載されている方法により合成することもできる。
[A−7工程]
本工程は上記A−6工程で得られた化合物a10に、種々の塩基存在下、適当な溶媒中、アミンを反応させることにより、化合物A1を得る工程である。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されが、好ましくはテトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミドである。類似反応として、例えば、国際公開第2003/103669号パンフレットに記載されている方法により合成することもできる。
製造法B
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、CR−CO−NR4Aである式[B1]で表される化合物(以下、化合物B1とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
(式中、A、R1A〜R1D、R、R3A〜R3D、R4A、R、R及びnは項1に定義されるとおりであり、RxはC1−4アルキル基、Xはハロゲン等の脱離基を意味する)
[B−1工程]
本工程は化合物a1に、上記A−1工程に準じた条件で、化合物b5を反応させることにより、化合物b1を得る工程である。化合物b5は例えば、国際公開第2007/127382号パンフレットに記載されている方法により合成できるか、または市販品として購入できる。
[B−2工程]
本工程は上記B−1工程で得られた化合物b1を、上記A−2工程に準じた条件で化合物b2へ変換する工程である。
[B−3工程]
本工程は上記B−2工程で得られた化合物b2を、上記A−3工程に準じた条件で化合物b3へ変換する工程である。
[B−4工程]
本工程は上記B−3工程で得られたエステル化合物b3を、対応するカルボン酸化合物b4に変換する工程である。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[B−5工程]
本工程は上記B−4工程で得られた化合物b4に、種々の縮合剤存在下、適当な溶媒中、化合物b6を反応させることにより、化合物B1を得る工程である。本工程において使用される縮合剤は、好ましくはEDCI(塩酸塩を含む)又はHBTUである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択される。
製造法C
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、CR−CR−NR4Aである式[C1]で表される化合物(以下、化合物C1とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
(式中、A、R1A〜R1D、R、R3A〜R3D、R4A、R、R、R、R及びnは項1に定義されるとおりであり、Rxは、C1−4アルキル基を意味する)
[C−1工程]
本工程は上記B−3工程で得られたエステル化合物b3をジイソブチルアルミニウムヒドリド又は水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素リチウム等の還元剤を用いて、対応するアルデヒド化合物c1に変換する工程である。類似反応として、例えば、Chem. Pharm. Bull. 1993, 41(5), 882-888、Tetrahedron Lett.1996, 37(14), 2467-2470、Chem. Lett. 2007, 36(7), 886-887、Tetrahedron 2001, 57(14), 2701-2710などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。また、同様の変換は水素化リチウムアルミニムなどの還元剤を用いてアルコール化合物に変換した後、Swern酸化などによりアルデヒドに変換することでも可能である。類似反応として、例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2001, 11(16), 2177-2180、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1998, 8(24), 3615-3620などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[C−2工程]
本工程は上記C−1工程で得られたアルデヒド化合物c1に対し、NaBH(OAc)又はNaBHCN等の還元剤存在下、化合物c2を還元的アミノ化することにより、対応するアミン化合物C1に変換する工程である。類似反応として、例えば、J. Org. Chem. 1996, 61(11), 3849-3862、J. Org. Chem. 1991, 56(17), 5192-5196、Carbohydr. Res. 1999, 315(3-4), 339-344などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
製造法D
式(I)で表される化合物のうち、X−Y−Zが、CR−NR−COR4Bである式[D1、D2]又は、CR−NR−CONR4Aである式[D3、D4]で表される化合物(以下、化合物D1、D2、D3、D4とも称する)は、例えば下記の製法により製造することができる。
(式中、A、R1A〜R1D、R、R3A〜R3D、R4B、R〜R及びnは項1に定義されるとおりであり、Pはアミノ基の保護基、Xはハロゲン等の脱離基を意味する)
[D−1工程]
本工程は化合物a1に、上記A−1工程に準じた条件で、化合物d6を反応させることにより、化合物d1を得る工程である。化合物d6は例えば、国際公開第2010/022159号パンフレット又は国際公開第2007/08669号パンフレットに記載されている方法により合成できるか、または市販品として購入できる。
[D−2工程]
本工程は上記D−1工程で得られた化合物d1を、上記A−2工程に準じた条件で化合物d2へ変換する工程である。
[D−3工程]
本工程は上記D−2工程で得られた化合物d2を、上記A−3工程に準じた条件で化合物d3へ変換する工程である。
[D−4工程]
本工程は上記D−3工程で得られた化合物d3のアミノ基の保護基Pを、脱保護することにより、化合物d4を得る工程である。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[D−5工程]
本工程は上記D−4工程で得られた化合物d4に、種々の縮合剤又は塩基存在下、適当な溶媒中、化合物d7又はd8を反応させることにより、化合物D1を得る工程である。本工程において使用される縮合剤は、好ましくはEDCI(塩酸塩を含む)又はHBTUである。また使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランある。
[D−6工程]
本工程は上記D−4工程で得られた化合物d4を化合物d5へ変換する工程である。Rがアルキル又はシクロアルキルの場合、化合物d4を対応するNsアミド又はトリフルオロアセタミドに誘導し、種々の塩基存在下、適当な溶媒中、化合物d8を反応させ、脱保護を行うことにより、化合物d5が合成できる。類似の変換として、例えば、Chem. Commun. 2004, 353-359、J. Comb. Chem. 2006, 8(6), 834-840、J. Org. Chem. 1994, 59(7), 1771-1778、J. Org. Chem. 1995, 60(10), 2989-2999、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15(5), 1467-1470などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。また、同様の変換は上記C−2工程に準じた条件で対応するケトン又はアルデヒドと反応させることでも可能である。Rがアリール又はヘテロアリールの場合、化合物d4にパラジウム錯体やヨウ化銅などの触媒や塩基の存在又は非存在下、適当な溶媒中、化合物d8を反応させることにより、化合物d5が合成できる。類似反応として、例えば、J. Am. Chem. Soc. 1996, 118(30), 7217-7218、J. Org. Chem. 2004, 69(9), 3173-3180、Coordination Chemistry Reviews 2004, 248, 2337-2364、Eur. J. Org. Chem. 2010, 19, 3621-3630、Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44(9), 1371、Synth. Commun. 2004, 34(5), 759-766などに記載されている方法が既知であり、同様に合成することができる。
[D−7工程]
本工程は上記D−6工程で得られた化合物d5を、上記D−5工程に準じた条件で化合物d7又はd8を反応させることにより、化合物D2へ変換する工程である。
(式中、A、R1A〜R1D、R、R3A〜R3D、R4A、R〜R及びnは項1に定義されるとおりであ、Xはハロゲン等の脱離基、Rはメチル基又はフェニル基を意味する)
[D−8工程]
本工程は上記D−4工程で得られた化合物d4を、上記A−5工程に準じた条件で化合物D3へ変換する工程である。
[D−9工程]
本工程は上記D−6工程で得られた化合物d5を、上記A−5工程に準じた条件で化合物D4へ変換する工程である。
上記の各工程において使用される塩基は、反応や原料化合物の種類等によって適時選択されるべきであるが、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸アルカリ類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸アルカリ類、水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドのような有機金属塩基類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機塩基類が挙げられる。
上記の各工程において使用される溶媒は、反応や原料化合物の種類等によって適宜選択されるべきであるが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、アセトン、メチルケトンのようなケトン類、塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンのようなエーテル類、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドンのようなアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類、アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられ、これらの溶媒は単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。また反応の種類によっては、有機塩基類を溶媒として用いてもよい。
式(I)で表される本発明化合物またはその中間体は、当業者に公知の方法で分離、精製することができる。例えば、抽出、分配、再沈殿、カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィーもしくは分取液体クロマトグラフィー)または再結晶などが挙げられる。再結晶溶媒としては例えば、メタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ベンゼンもしくはトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、ジクロロメタンもしくはクロロホルムなどのハロゲン系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、水、またはこれらの混合溶媒などを用いることができる。その他の精製方法としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)1巻などに記載された方法などを用いることができる。また、本発明化合物の分子構造の決定は、それぞれの原料化合物に由来する構造を参照して、核磁気共鳴法、赤外吸収法、円二光スペクトル分析法などの分光学的手法、および質量分析法により容易に行える。
式(I)で表される本発明化合物またそれらの薬学的に許容される塩には、不斉が生じる場合または不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、そのような化合物にあっては光学異性体が存在する。本発明化合物にはこれらの各異性体の混合物や単離されたものも含まれ、通常の方法に従って製造することができる。製造方法としては例えば、不斉点を有する原料を用いる方法か、または途中の段階で不斉を導入する方法が挙げられる。例えば、光学異性体の場合、光学活性な原料を用いるか、製造工程の適当な段階で光学分割などを行うことで、光学異性体を得ることができる。光学分割法としては例えば、式(I)で表される化合物またはその中間体が、塩基性官能基を有する場合には、不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、またはこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N−ベンジルオキシアラニンもしくは乳酸などのモノカルボン酸、酒石酸、o−ジイソプロピリデン酒石酸もしくはリンゴ酸などのジカルボン酸、カンファースルフォン酸もしくはブロモカンファースルホン酸などのスルホン酸)を用いて塩を形成させるジアステレオマー法が挙げられる。式(I)で表される本発明化合物の中間体が、カルボキシル基などの酸性官能基を有する場合には、光学活性なアミン(例えば1−フェニルエチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニンもしくはストリキニーネなどの有機アミン)を用いて、塩を形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
塩を形成させる温度としては、室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し、収率を向上させることができる。光学活性な酸またはアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、またはこれらの混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸または塩基で処理し、フリー体として得ることもできる。
あるいは式(I)で表される本発明化合物の中間体が、カルボキシル基を有する場合には、学活性なアミン(例えば、1−フェニルエチルアミンなど)を用いてアミドを形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
本発明の化合物は、神経系疾患、精神疾患、および炎症性疾患(例えば老人性認知症、注意力欠陥障害、アルツハイマー病、および統合失調症)の新規な治療剤及び/又は予防剤となり得る。本発明の化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与又は直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なる。例えば、経口投与の場合は、通常、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01〜1000mg、更に好ましくは約0.1〜500mgを1〜数回に分けて投与することができる。静注等の非経口投与の場合は、通常、例えば、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01mg〜300mg、更に好ましくは約1mg〜100mgを投与することができる。
剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、点眼剤、軟膏剤、塗布剤、貼付剤、吸入剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用時、水、適当な水溶液又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また、錠剤及び顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。更に、これらの製剤は治療上価値ある他の成分を含有してもよい。本明細書において、「医薬的に許容される担体」とは上記に挙げる種々の剤型において使用されうる製剤化成分を意味する。
本発明の化合物は、非定型抗精神病薬に分類される薬剤と併用することができる。非定型抗精神病薬としては、例えば、オランザピン、リスペリドン、パリペリドン、ケチアピン、ジプラシドン、アリピプラゾール、アセナピン、イロペリドン、クロザピン、セルティンドール、ブロナンセリン及びルラシドンが挙げられる。
以下に参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、化合物の同定は元素分析値、マス・スペクトル、高速液体クロマト質量分析計;LCMS、IRスペクトル、NMRスペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行った。
明細書の記載を簡略化するために参考例、実施例及び実施例中の表において以下に示すような略号を用いることもある。置換基として用いられる略号としては、Meはメチル基、Phはフェニル基を意味する。TFAはトリフルオロ酢酸を意味する。NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、tdは三重線の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brdは幅広い二重線、brtは幅広い三重線及びJは結合定数を意味する。
高速液体クロマト質量分析計;LCMSの測定条件は、以下の通りであり、観察された質量分析の値[MS(m/z)]をMH+で、保持時間をRt(分、min)で示す。なお、各実測値においては、測定に用いた測定条件をA〜Gで付記する。
測定条件A
検出機器:Perkin-Elmer Sciex API 150EX Massspectrometer (40 eV)
HPLC:Shimadzu LC 10ATVP
Column:Shiseido CAPCELL PAK C18 ACR (S-5μm, 4.6 mm×50 mm)
Solvent:A液:0.035 % TFA/MeOH、B液:0.05 % TFA/H2O
Gradient Condition:
0.0-0.5分;A/B=10:90
0.5-5.9分;A/B=10:90〜99:1(linear gradient)
5.9-6.4分;A/B=99:1
Flow rate:2.8 mL/分
UV:220 nm
カラム温度:40℃
測定条件B
検出機器:Perkin-Elmer Sciex API 150EX Massspectrometer (40 eV)
HPLC:Shimadzu LC 10ATVP
Column:Shiseido CAPCELL PAK C18 ACR (S-5μm, 4.6 mm×50 mm)
Solvent:A液:0.035 % TFA/CH3CN、B液:0.05 % TFA/H2O
Gradient Condition:
0.0-0.5分;A/B=1:99
0.5-4.8分;A/B=1:99〜99:1(linear gradient)
4.8-5.0分;A/B=99:1
Flow rate:3.5 mL/分
UV:220 nm
カラム温度:40℃
測定条件C
検出機器:APIシリーズ用Agilent 1100シリーズ (applied Biosystems社製)
HPLC:API 150EX LC/MS system (applied Biosystems社製)
Column:YMC CombiScreen Hydrosphere C18 (S-5μM, 12 nm, 4.6×50 mm)
Solvent:A液:0.05 % TFA/H2O、B液:0.05 % TFA/MeOH
Gradient Condition:
0.0-6.0分;A/B=90:10〜1:99(linear gradient)
Flow rate:3.5 mL/分
UV:254、220 nm
測定条件D
検出機器:APIシリーズ用Agilent 1100シリーズ (applied Biosystems社製)
HPLC:API 150EX LC/MS system (applied Biosystems社製)
Column:YMC CombiScreen Hydrosphere C18 (S-5μM, 12 nm, 4.6×50 mm)
Solvent:A液:0.05 % TFA/H2O、B液:0.05 % TFA/MeOH
Gradient Condition:
0.0-6.0分;A/B=75:25〜1:99(linear gradient)
Flow rate:3.5 mL/分
UV:254 nm
測定条件E
検出機器:Agilent 6110 single quadrupole mass spectrometer, and Agilent G1315C diode array detector Agilent G1367C injector
HPLC:Agilent G1367C injector, an Agilent G1322A binary pump, an Agilent G1316B column oven
Column:Agilent TC-C18, 2.1 x 50 mm, 5 mm
Solvent:A液:0.038 % TFA/H2O、B液:0.019 % TFA/CH3CN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=90:10
0.0-1.35分;A/B=90:10〜20:80(linear gradient)
1.35-2.25分;A/B=20:80
2.25-2.26分;A/B=90:10
2.26-3.00分;A/B=90:10
Flow rate:0.8 mL/分
UV:220 nm
カラム温度:50℃
測定条件F
検出機器:Waters ACQUITY UPLC
column:ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×50 mm column
Solvent:A液:0.05% HCOOH/H2O、B液:CH3CN
Gradient Condition:
0.0-1.3分;A/B=90:10〜1:99(linear gradient)
1.35-1.5分;A/B=1:99
1.5-2分;A/B=90:10
Flow Rate:0.75 mL/分
UV:220 nm, 254 nm
カラム温度:50℃
測定条件G
検出機器:Shimadzu LCMS-2010EV
Column:Ximate C18 3.0μm 2.1 mm×30 mm
Solvent:A液:0.019 %TFA/H2O, B液:0.038 % TFA/CH3CN
Gradient condition:
0 min: A/B= 90:10
0-1.35 min: A/B=20:80
1.35-2.25 min: A/B=20:80
2.25-2.26 min: A/B=90:10
2.26-3.00 min: A/B=90:10
Flow Rate:0.8 ml/min.
UV:220 nm
カラム温度:50℃
参考例1
tert−ブチル 4−(2−アミノ−4−フルオロフェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート
a)tert−ブチル 4−(4−フルオロ−2−ニトロフェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート(化合物A2)の製造
1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン(1.59 g)のDMF溶液(10 ml)にtert−ブチル 4−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(2.00 g)を加え、次いで、炭酸カリウム(1.60 g)を加えて、80℃で7時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。得られた残査を短いシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で粗製することにより化合物A2(2.1 g)を取得し、そのまま次反応を行った。
b)tert−ブチル 4−(2−アミノ−4−フルオロフェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート(参考例1)の製造
化合物A2(2.1 g)のメタノール/酢酸エチル溶液(20/5 ml)にパラジウム−カーボン(20 mg)を加え、室温で4時間、水素接触還元した。反応終了後、濾過し、ろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、参考例1を濃紫色結晶として得た(1.7 g)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 1.30-1.40 (2H, m), 1.46 (9H, s), 1.97 (2H, d, J = 7.1 Hz), 2.89 (2H, t, J = 12 Hz), 3.26 (1H, m), 3.68 (1H, brs), 4.03 (2H, brs), 6.40-6.50 (2H, m), 6.61-6.68 (1H, m).
参考例2
cis−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンカルボン酸 蟻酸塩
a)tert−ブチル cis−4−[(4−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]シクロへキサンカルボキシラート(化合物B2)の製造
4−フルオロ−3−ニトロトルエン(1.07 g)のDMF溶液 (10 ml)にtert−ブチル cis−4−アミノシクロへキサンカルボキシラートを加え、次いで、炭酸カリウム(1.0 g)を加えて80℃下、5時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水を用いて順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で粗製することによりB2を赤色の油状物質として得た(1.10 g)。
b)cis−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンカルボン酸 蟻酸塩(参考例2)の製造
上記の実験で得られた化合物B2(1.10 g)のメタノール−酢酸エチル混合溶液(50 ml/15 ml)に、50% wetパラジウム−カーボン(50 mg)を加え、室温下で4時間、水素接触還元した。反応終了後、セライト濾過し、ろ液を減圧留去した。
得られた残渣に蟻酸(5 ml)を加え、60℃で、3時間攪拌した。反応終了後、蟻酸を減圧留去し、更に、トルエン(20 ml)とメタノール(5 ml)で共沸して完全に蟻酸を留去することによって参考例2を蟻酸塩として得た(630 mg)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d):1.68-1.78 (2H, m), 1.90-2.00 (4H, m), 2.14-2.20 (2H, m), 2.40 (3H, s), 2.68-2.72 (1H, m), 3.31-3.34 (1H, m), 4.33-4.41 (1H, m), 7.05 (1H, dd, J = 8.3, 1.4 Hz), 7.41-7.46 (2H, m), 8.18 (1H, s).
参考例3
cis−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンカルバルデヒド(参考例3)
参考例2と同様の方法で得られたC2(8.2 g)のTHF溶液(20 ml)に、氷冷下で水素化リチウムアルミニム(1.5 g)を加えた。得られた懸濁溶液を一晩、室温で撹拌した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした後にセライトろ過を行った。ろ過後の溶液からTHFを除いた後にクロロホルムで2回抽出し、飽和食塩水で洗浄した。クロロホルム層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮すると固体が得られた(3.5 g)。得られた残渣(860 mg)をトルエン/THF溶液(5/20 ml)に溶かした。DMSO(0.33 ml)のトルエン溶液(5 ml)にオキサリルクロライド(0.31 ml)を−78℃で加えて、10分間撹拌して得られた溶液に、上記で調整した溶液を加えた。得られた溶液を−78℃で1時間撹拌した後に、トリエチルアミン(2.0 ml)を加えて室温まで戻した。減圧下で濃縮した後に、得られた残渣に酢酸エチルを加えて、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=10/1)で精製することで参考例3を得た(500 mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):1.48-1.61 (2H, m), 1.70-1.98 (2H, m), 2.10-2.50 (5H, m), 2.48 (3H, s), 4.13-4.27 (1H, m), 7.13 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.21-7.32 (1H, m), 7.60 (1H, s), 7.98 (1H, s), 9.72 (1H, s).
参考例4
cis−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンアミン 2塩酸塩
a)ベンジル {cis−4−[(4−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]シクロへキシル}カルバマート(化合物D5)の製造
1−フルオロ−4−メチル−2−ニトロベンゼン(1.55 g)のジメチルホルムアミド溶液(10 ml)にベンジル (cis−4−アミノシクロへキシル)カルバメート(2.48g)を加え、次いで、炭酸カリウム(1.72 g)を加えて80℃下、5時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水を用いて順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより化合物D5を 赤色油状物質として得た(1.84 g)。
b)ベンジル {cis−4−[(2−アミノ−4−メチルフェニル)アミノ]シクロへキシル}カルバメート(化合物D6)の製造
化合物D5(1.84 g)のメタノール−酢酸エチル混合溶液(5 ml/10 ml)に、50% wetパラジウム−カーボン(50 mg)を加え、室温下で4時間、水素接触還元した。反応終了後、セライト濾過し、ろ液を減圧留去した、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製することにより化合物D6を濃紫色結晶として得た(1.52 g)。
c)cis−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンアミン 2塩酸塩(参考例4)の製造
化合物D6(1.52 g)に蟻酸(5 ml)を加え、60℃で、3時間攪拌した。反応終了後、蟻酸を減圧留去し、更に、トルエン(20 ml)とメタノール(5 ml)で4回共沸して完全に蟻酸を留去した。次に残渣のメタノール溶液(5 ml)に、4N塩酸−メタノール溶液(10 ml)を加えた後、溶媒を留去した。更にトルエン(20 ml)で3回共沸して参考例4を得た(1.12 g)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): 1.83-2.08 (6H, m), 2.48 (3H, s), 3.30-3.60 (3H, m), 4.81-4.87 (1H, m), 7.46 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.67 (1H, s), 8.06 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.50-8.60 (3H, brs), 9.96 (1H, s).
参考例5
2−ニトロ−4−トリフルオロメトキシフェニル トリフルオロスルホナート
4−トリフルオロメトキシフェノール(1.0 g)の酢酸溶液(6 ml)に、氷冷下濃硝酸(0.51 g)の酢酸溶液(2.5 ml)を滴下した。滴下後、室温まで戻し3時間攪拌した。反応混合物を氷水にゆっくり注ぎ、トルエンで3回抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をピリジン(5 ml)に溶解し、触媒量のDMAPを加え、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1 ml)を0℃で滴下した。0℃で1時間、室温で2時間攪拌した後、減圧下濃縮した。水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を5%硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、参考例5(1.53g)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):7.54(1H, d, J= 9.2 Hz), 7.59-7.63(1H, m), 8.04(1H, d, J= 2.8 Hz).
参考例6
cis−4−[5−(トリフルオロメトキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロへキサンアミン 塩酸塩
a)tert−ブチル (cis−4−{[2−ニトロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}シクロへキシル)カルバメート(化合物D7)の製造
参考例5(500 mg)をDMF(5 ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.48ml)とtert−ブチル (cis−4−アミノシクロへキシル)カルバメート(300 mg)を加えた。反応混合物を80℃で2.5時間攪拌した。室温に冷却後、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、オレンジ色の固体D7(390 mg)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):1.45 (9H, d, J= 2.7 Hz), 1.51-1.65(2H, m), 1.66-1.74(1H, m), 1.74-1.90(5H, m), 3.55-3.78(3H, m), 4.57(1H, brs), 6.87(1H, d, J= 9.3 Hz), 7.32(1H, dd, J= 9.4 Hz, 2.8 Hz), 8.08(1H, d, J= 2.9 Hz), 8.31(1H, d, J= 6.8 Hz).
b)cis−4−[5−(トリフルオロメトキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロへキサンアミン 塩酸塩(参考例6)の製造
D7(390 mg)をEtOH(3 ml)に懸濁させ、水(0.3ml)、鉄粉(280 mg)と塩化アンモニウム(58.8 mg)を加えた。反応混合物を90℃で4時間攪拌した。不溶物をろ過で除き、ろ液を濃縮後、残渣をオルトギ酸トリメチル(2 ml)に懸濁した。触媒量のp−トルエンスルホン酸1水和物を加え、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、白色の固体(250 mg)を得た。得られた固体をクロロホルム(2 ml)/メタノール(1 ml)に溶解し、4N塩酸/ジオキサン(0.63 ml)を加え、数時間攪拌した。減圧濃縮することで参考例6(250 mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):1.85-1.92(2H, m), 1.98-2.00(4H, m), 2.38-2.46(2H, m), 3.49(1H, brs), 4.72-4.77(1H, m), 7.51(1H, d, J= 8.8 Hz), 7.83(1H, s), 8.13(1H, d, J= 9.2 Hz), 8.37(3H, brs), 9.47(1H, brs).
参考例7
tert−ブチル [cis−4−(5−シクロプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキシル]カルバメート
参考例6と同様の方法で得られたtert−ブチル [cis−4−(5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキシル]カルバメート(200 mg)の1,4-ジオキサン−水混合溶液(2.0 ml/0.50 ml)に炭酸セシウム(413 mg)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(37 mg)、シクロプロピルボロン酸(87 mg)を加えて100℃下、2時間撹拌した。反応終了後そのまま反応溶液を減圧留去し、得られた残渣をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム:メタノール = 1:1)で精製することで参考例7を得た (88 mg)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):0.71 (2H, m), 0.95 (2H, m), 1.46 (9H, s), 1.70-2.15 (8H, m), 3.90 (1H, m), 4.21 (1H, m), 4.72 (1H, m), 7.06 (1H, dd, J = 9, 2 Hz), 7.26 (1H, d, J = 9 Hz), 7.48 (1H, d, J = 2Hz), 7.97 (1H, s).
実施例1
N−シクロへキシル−4−(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
参考例1(300 mg)を蟻酸(10 ml)に溶かし、得られた溶液を60℃で、3時間攪拌
した。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた残査に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、2%メタノール含有クロロホルムで3回抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。得られた残渣をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、得られたアモルファス(130 mg)をテトラヒドロフラン(2 ml)に溶かし、シクロヘキシルイソシアナート(0.08 ml)を加え、濃縮した。生じた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製することにより実施例1をアモルファスとして得た(220 mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 1.07-1.20 (3H, m), 1.30-1.43 (2H, m), 1.59-1.78 (3H, m), 1.90-2.11 (4H, m), 2.17-2.22 (2H, m), 2.98 (2Hm t, J = 13 Hz), 3.66 (1H, m), 4.17 (2H, d, J = 12 Hz), 4.30-4.42 (2H, m), 7.09 (1H, td, J = 9, 2.4 Hz), 7.32-7.38 (1H, m), 7.49 (1H, dd, J = 12, 2.4 Hz), 8.07 (1H, s).
実施例2
cis−N−シクロへキシル−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンカルボキサミド
参考例2(110 mg)、EDCI塩酸塩(152 mg)とHOBt(110 mg)のTHF懸濁溶液(3 ml)にトリエチルアミン(150 mg)とシクロヘキシルアミン(150 mg)を加えて、室温で一晩撹拌した。THFを減圧下で除いた後に、酢酸エチルを加えて、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム:メタノール=10:1)で精製することで実施例2を得た(102 mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):1.08-1.21 (3H, m), 1.32-1.43 (2H, m), 1.59-1.83 (5H, m), 1.90-2.05 (4H, m), 2.11-2.20 (2H, m), 2.32-2.50 (3H, m), 2.47 (3H, s), 3.79-3.85 (1H, m), 4.19-4.27 (1H, m), 4.42 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.11 (1H, dd, J = 8.2, 1.2 Hz), 7.35 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.59 (1H, s), 8.00 (1H, s).
実施例3
trans−N−シクロへキシル−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンカルボキサミド
参考例2と同様の方法で得られたtrans−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンカルボン酸 蟻酸塩(60 mg)を用いて実施例2と同様にして実施例3を合成した(42 mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):1.08-1.21 (3H, m), 1.32-1.43 (2H, m), 1.59-2.00 (7H, m), 2.11-2.35 (7H, m), 2.48 (3H, s), 3.77-3.83 (1H, m), 4.19-4.27 (1H, m), 5.38 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.13 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.30 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.60 (1H, s), 8.05 (1H, s).
実施例4
4−クロロ−N−{[cis−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキシル]メチル}アニリン
参考例3のメタノール溶液(0.2 ml,1.0 M)に4−クロロアニリン(30 mg)と酢酸(0.1 ml)を加えて、一時間撹拌した後に、NaBHCN(15 mg)を加えて室温で一晩撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。得られたクロロホルム溶液を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=10 :1)で洗浄し、実施例4を得た(20 mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):1.20-1.34 (2H, m), 1.70-1.90 (3H, m), 2.00-2.10 (2H, m), 2.21-2.30 (2H, m), 2.48 (3H, s), 3.04 (2H, d, J = 6.6 Hz), 4.13-4.27 (1H, m), 6.53 (2H, d, J = 12 Hz), 7.10-7.15 (3H, m), 7.29 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.59 (1H, s), 7.94 (1H, s).
実施例5
N−[cis−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキシル]シクロへキサンカルボキサミド
参考例4(20 mg)のDMF溶液(1.0 ml)にトリエチルアミン(37.8μl)、HOAt(13.5 mg)とEDCI塩酸塩(17.3 mg)を加えて、室温で一時間撹拌した後に、シクロヘキサンカルボン酸(13 μl)を加えて、室温で一晩撹拌した。THFを減圧下で除いた後に、酢酸エチルを加えて、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に、濃縮し、得られた残渣をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することで実施例5を得た(18 mg)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):1.18-1.21 (3H, m), 1.40-1.51 (2H, m), 1.72-1.90 (6H, m), 1.90-2.20 (8H, m), 2.47 (3H, s), 4.19-4.31 (2H, m), 6.16 (1H, brs), 7.12 (1H, dd, J = 8.3, 1.2 Hz), 7.27 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.57 (1H, s), 7.96 (1H, s).
実施例6〜79(実施例1類似化合物)
対応する原料化合物を用いて実施例1と同様に反応・処理し、表1に示す化合物を得た。
実施例80〜91(実施例2類似化合物)
対応する原料化合物を用いて実施例2と同様に反応・処理し、表2に示す化合物を得た。
実施例92〜98(実施例4類似化合物)
対応する原料化合物を用いて実施例4と同様に反応・処理し、表3に示す化合物を得た。
実施例99〜413(実施例5類似化合物)
対応する原料化合物を用いて実施例5と同様に反応・処理し、表4に示す化合物を得た。
実施例414
tert−ブチル(trans−4−アミノシクロへキシル)カルバマートを用いて参考例4と同様の方法でtrans−4−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロへキサンアミン 2塩酸塩を合成し、これと対応するカルボン酸に実施例5と同様の反応・処理を施して表5に示す化合物を得た。
実施例415および416
対応する原料化合物を用いて実施例1と同様に反応・処理し、表6に示す化合物を得た。
以上の実施例の他に以下に示す化合物が想定される。
これらは、各種アミン(cis−4−[5−(シクロプロポキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロへキサンアミン、cis−4−[5−(シクロブトキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロへキサンアミン又はcis−4−[5−(ジフルオロメトキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]シクロへキサンアミン)と対応するカルボン酸を用いて実施例5と同様に反応・処理することで合成できる。また、上記の各種アミンは4−フルオロ−3−ニトロフェノールをアルキル化し、得られる4−アルコキシ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼンを参考例4と同様に反応・処理することで合成できる。上記のシクロプロピル化の類似反応として、例えば、国際公開第2011/079102号パンフレット、国際公開第2010/105179号パンフレット、国際公開第2008/101939号パンフレットなどに記載されている方法で、同様に合成することができる。また、上記のシクロブチル化の類似反応として、例えば、国際公開第2011/0065691号パンフレット、国際公開第2011/023812号パンフレット、国際公開第2010/030954号パンフレットなどに記載されている方法で、同様に合成することができる。さらに、ジフルオロメチル化の類似反応として、例えば、J. Med. Chem. 2009, 52(23), 7653-7668、Tetrahedron 2009, 65, 5278-5283などに記載されている方法で、同様に合成することができる。
試験例
以下に、本発明の代表的化合物の薬理試験結果を示し、該化合物についての薬理作用を説明するが、本発明にこれらの試験例に限定されるものではない。
試験例1.ヒトα7 nACh受容体安定発現細胞を用いたPAM活性評価
(1)ヒトα7 nAChR安定発現細胞
ヒトα7 nAChR安定発現細胞を作製し、培養に供した。具体的には、宿主細胞としてラット下垂体由来GH4C1細胞(cat CCL-82.2, ATCC, USA)を用いた。GenBank BAC81731の蛋白をコードする塩基配列を挿入したpcDNA3.1Zeoベクターの導入、およびヒトα7 nAChR遺伝子を挿入したpcDNA3.1ベクター(cat V790-20, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)の導入によりエクオリンおよびヒトα7 nAChR安定発現細胞を得た。選別にはそれぞれZeocin(cat R25001, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)およびGeneticin(cat 10131-027, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を用いた。
培地には2.5%ウシ胎児血清(cat 2917354, ICN Biomedicals, Inc, USA)、15%非働化ウマ血清(cat 26050-088, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)、1μg/mL Geneticin、5μg/mL Puromycin(cat 14861-84, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を含むF-10 Nutrient Mixture(Ham)培地(cat 11550-043, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を用い、コラーゲンType1コートディッシュ(cat 4030-010, iwaki, Tokyo, Japan)にて培養を行った。培養中、2−3日毎に培地交換を行い、7日毎にTrypLE Express(cat 45604-021, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)処理にて細胞を回収し、継代培養を行った。
継代から7日後、約80%コンフルエントな状態でTrypLE Express処理にて細胞を回収し、Hanks(cat 14065-056, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)/20mM Hepes(cat 15630-080, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)Buffer(pH 7.4)、F-10 Nutrient Mixture(Ham)、0.1mg/mL Geneticinからなる反応培地にて20000 cells/25μL/wellとなるように懸濁し、384wellプレート(cat 781090, Greiner,Germany)に播種した。播種翌日、Viviren(cat E649X, Promega, Madison,WI,USA)を終濃度4μMとなるように添加し(15μL/well)、遠心後4時間室温、遮光下で静置した。
(2)試験化合物の調製
試験化合物は最終濃度の1000倍濃度のDMSO溶液を作製し、この溶液をHanks/20 mM HEPES/0.2% BSA(cat A3803, Sigma,St.Louis, MO, USA)にて最終濃度の6倍濃度に調製した。
(3)PAM活性評価
α7 nAChR刺激による発光シグナルの検出にはFDSS7000(浜松ホトニクス)を用いた。細胞および発光基質を添加したプレートに試験化合物を添加し、150秒後に単独処置でEC20を示す濃度のAChを添加した。ACh添加後138秒間発光シグナル(中心波長:465 nm)を測定してRLU(Max−Min)を算出し、コントロールwellと試験化合物添加wellとのRLU(Max−Min)の比をPAM活性とした。
代表的化合物のα7 PAM活性のデータを表7に示す。
表7に示すように、本発明の化合物はPAM活性評価試験においてα7 nAChRのPAM活性を有した。特に、実施例2、5、6、9、20、36、54、103、106、108、137、150、157、159、168、172,174、180、181、202、212、217、221、222、224、244、245、247、280、282、283は、より強いPAM活性を示した。
試験例2.マウス新奇物体認識試験を用いた認知機能評価(以下、mORTという)
25−30gのSlc:ddYマウス(雄性、日本エスエルシー)を用いた新奇物体認識試験において、第一試行(トレーニング)と第二試行(テスト)の間隔時間依存的に、既知物体に対する記憶低下が認められ、24時間後に第二試行を行った場合、顕著な忘却が認められる。そこで本発明化合物を第一試行前に投与し、第二試行における記憶増強作用を評価した。その結果、実施例9及び実施例192は、ともに10mg/kg(経口)において有意な記憶増強作用が確認された。
試験例3.ラットY字型迷路試験を用いた認知障害の改善評価(以下、Y−maze試験とする)
280−300gのSlc:Wistarラット(雄性、日本エスエルシー)を用いたY字型迷路試験において、0.6mg/kgのScopolamine HBr(cat S0929, Sigma Aldrich, Japan)皮下投与により記憶障害が惹起され、自発交替行動率の低下が認められる。そこで本発明化合物を前処置し、記憶障害改善作用を評価する。その結果、実施例9及び実施例192は、それぞれ3又は10mg/kg(経口)において有意な記憶障害改善作用が確認された。
製剤実施例1:錠剤の製造
実施例1の化合物(250g)、コーンスターチ(54g)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(40g)、結晶セルロース(50g)及びステアリン酸マグネシウム(6g)を、常法により混合、造粒し、1錠あたり400mgで打錠し、1000錠を製する。
製剤実施例2:散剤の製造
実施例1の化合物(500g)、乳糖(470g)、ヒドロキシプロピルセルロース(25g)及び軽質無水ケイ酸(5g)を、常法により混合した後、散剤に製する。
以上で説明したように、式(I)で表される誘導体、またはその製薬学上許容される塩は、強いα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7 nAChR)の調節作用を有し、中枢神経系(CNS)及び/又は末梢神経系(PNS)のコリン作動性に関する疾患、平滑筋収縮に関する疾患、内分泌疾患、神経変性に関する疾患、炎症又は痛み等の疾患及び常習性の薬物乱用から引き起こされる禁断症状に関する疾患等の治療に有用である。

Claims (22)

  1. 式(I):
    [式中、
    Aは、CR1D又は窒素原子を表し、
    X−Y−Zは、N−CO−NR4A、CR−CO−NR4A、CR−NR−CONR4A、CR−NR−COR4B、CR−NR−アリール、CR−NR−ヘテロアリール又はCR−CR−NR4Aを表し、
    1A、R1B、R1C及びR1Dは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1011からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキル及び−NR1011からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(但し、R1Bが−NR1011で置換された該基を除く);水素原子;水酸基;ハロゲン;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルコキシ;4〜10員の飽和複素環;ニトロ;−NR1011;シアノ;−COOR10;−CONR1011;−NR10COR11;−SONR1011;又は−NR10SO11を表し、ここにおいて、(1)X−Y−Zが、N−CO−NR4Aのとき、R1A、R1B、R1C及びR1Dは、少なくとも1つは、水素原子以外の基であり(但し、R1A、R1C及びR1Dが共に水素原子であり、R4Aがベンジルであり、Rが水素原子であるとき、R1Bがフッ素原子ではない)、又は、(2)AがCR1Dであり、X−Y−ZがCR−CO−NR4Aであり、R4Aが1−(2−フルオロフェニル)−ピラゾ−3−イルであり、Rが水素原子であるとき、R1A、R1B、R1C及びR1Dのうち、少なくとも1つは、水素原子以外の基であり、
    は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1213からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;水素原子;C1−6アルコキシで置換されていてもよいアリール;又は4〜10員の飽和複素環を表し、
    3A、R3B、R3C及びR3Dは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;水素原子;ハロゲン;水酸基;又はC1−6アルコキシを表し、
    4A、R及びRは、同一又は異なって、アリール(該基は、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール(該基は、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール、又は、同一又は異なる1〜5個のハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル又は−NR1415で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);C1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;ヘテロアリール;又は水素原子を表し、ここにおいて、R4A及びRは一緒になって4〜10員の含窒素飽和複素環(但し、該環は、(1)モルフォリンではなく、(2)水酸基で置換されていてもよい)を形成していてもよく、
    4Bは、アリール、ヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基、C1−6アルキル及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ、C3−10シクロアルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール(該アリール及び該ヘテロアリールは、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン、水酸基、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び−NR1415からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基は、アリール又はヘテロアリールと縮環を形成してもよい);同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し、
    、R及びRは、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1617からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及び−NR1617からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;4〜10員の飽和複素環;水素原子;ハロゲン;水酸基;又はC1−6アルコキシを表し、
    10〜R17は、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキルを表し、
    nは、1又は2を表す]
    で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬。
  2. AがCR1Dであり、X−Y−ZがN−CO−NR4Aであり、R1A、R1C及びR1Dが共に水素原子であり、R4A及びRの一方が水素原子であるとき、以下のR1B並びにR4A及びRのもう一方の組み合わせの化合物群又はその製薬学的に許容される塩からなる医薬を除く、
    請求項1に記載の医薬:
    1Bが、フッ素であり、R4A及びRのもう一方が、フェニル、2−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、シクロヘキシル、4−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、4−クロロ−3−トリフルオロフェニル、3−メトキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−メチルフェニル、2−クロロフェニル、アダマンチル、2−メチルフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル及び4−メチルフェニルからなる群から選択される基である化合物、
    1Bが、ジメチルアミノカルボニルであり、R4A及びRのもう一方が、4−エトキシフェニル、3,4−ジフルオロフェニル及び4−メチルベンジルからなる群から選択される基である化合物、
    1Bが、メチルであり、R4A及びRのもう一方が、2,6−ジメチルフェニル、アダマンチル及び2−フルオロフェニルからなる群から選択される基である化合物、
    1Bが、トリフルオロメチルであり、R4A及びRのもう一方が、2−フルオロフェニル、4−メトキシフェニル及びフェニルからなる群から選択される基である化合物。
  3. Aが窒素原子であるとき、R1B及びR1Cの一方が置換されていてもよいフェニルであり、もう一方が水素原子の組み合わせでない、
    請求項1に記載の医薬。
  4. X−Y−Zが、N−CO−NR4A、CR−NR−CONR4A、CR−NR−COR4B、CR−NR−アリール、CR−NR−ヘテロアリール又はCR−CR−NR4Aである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
  5. X−Y−Zが、N−CO−NR4A又はCR−NR−COR4Bである、
    項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
  6. X−Y−Zが、CR−NR−COR4Bである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
  7. 4Bが、アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成してもよく);同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬。
  8. 4Bが、アリール、ヘテロアリール、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成しても良く);同一又は異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬。
  9. Aが、CR1Dである、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬。
  10. が、水素原子である、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬。
  11. nが、1である、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬。
  12. 3A、R3B、R3C及びR3Dが、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン、水酸基又はC1−6アルコキシである、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬。
  13. 1A、R1B、R1C及びR1Dが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC3−6シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;水素原子;水酸基;ハロゲン;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;ハロゲン、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルコキシ;4〜10員の飽和複素環;−NR1011;シアノ;−COOR10;又は−CONR1011である、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬。
  14. 1A、R1B、R1C及びR1Dが、同一又は異なって、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−7シクロアルキル;ハロゲン、水酸基、C1−6アルコキシ及びC3−6シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ;水素原子;ハロゲン;4〜7員の飽和複素環;シアノ;−COOR10;又は−CONR1011である、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬。
  15. 4A、R及びRが、同一又は異なって、アリール、ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;ハロゲン、水酸基及びC1−6アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−9シクロアルキル;ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該基は、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール;ヘテロアリール;又は水素原子である、
    請求項1〜14のいずれか一項に記載の医薬。
  16. 、R及びRが、同一又は異なって、C1−6アルキル、水酸基又は水素原子である、
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬。
  17. 4Bが、アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、C1−6アルコキシ及びC3−10シクロアルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル;アリール、ヘテロアリール、水酸基、フッ素、1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(該基はアリールと縮環を形成しても良く);同一または異なる1〜5個のC1−6アルキルで置換されていてもよい4〜10員の飽和複素環;又はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキル(該アルコキシ及びアルキルは、1〜5個のフッ素で置換されていてもよい)からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の医薬。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及び医薬的に許容される担体を含有する医薬組成物。
  19. アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療剤又は予防剤である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の医薬。
  20. アセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患が、CIAS(統合失調症に伴う認知機能障害)、アルツハイマー病、ダウン症、認知障害、記憶障害・学習障害、軽度認知障害、注意欠陥・多動性障害又は脳血管アンギオパチーである、
    請求項19に記載の医薬。
  21. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩と、非定型抗精神病薬に分類される薬剤から選択される少なくとも1種以上の他の薬剤とを備える医薬。
  22. 治療が必要な患者に、治療上の有効量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を投与することを特徴とするアセチルコリンが関与する細胞内シグナル伝達の異常に起因する疾患の治療または予防方法。
JP2012221092A 2012-10-03 2012-10-03 新規ベンズイミダゾール誘導体からなる医薬 Pending JP2014073982A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012221092A JP2014073982A (ja) 2012-10-03 2012-10-03 新規ベンズイミダゾール誘導体からなる医薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012221092A JP2014073982A (ja) 2012-10-03 2012-10-03 新規ベンズイミダゾール誘導体からなる医薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014073982A true JP2014073982A (ja) 2014-04-24

Family

ID=50748439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012221092A Pending JP2014073982A (ja) 2012-10-03 2012-10-03 新規ベンズイミダゾール誘導体からなる医薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014073982A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015152253A1 (ja) * 2014-04-01 2015-10-08 大日本住友製薬株式会社 4-アリールイミダゾール誘導体
US10696666B2 (en) 2016-10-18 2020-06-30 CellCentric Limited Pharmaceutical compounds
US11453662B2 (en) 2018-04-18 2022-09-27 Cellcentric Ltd Process for preparing modulators of p300 and/or CBP

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015152253A1 (ja) * 2014-04-01 2015-10-08 大日本住友製薬株式会社 4-アリールイミダゾール誘導体
US10696666B2 (en) 2016-10-18 2020-06-30 CellCentric Limited Pharmaceutical compounds
US11377443B2 (en) 2016-10-18 2022-07-05 CellCentric Limited Pharmaceutical compounds
US11453662B2 (en) 2018-04-18 2022-09-27 Cellcentric Ltd Process for preparing modulators of p300 and/or CBP

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012133509A1 (ja) 新規ベンズイミダゾール誘導体
CA3079617A1 (en) Antagonists of the muscarinic acetylcholine receptor m4
JP5586632B2 (ja) 5員の複素環式化合物のアザスピラニル−アルキルカルバメートの誘導体、この調製およびこの治療的使用
WO2012176763A1 (ja) 新規インダゾール誘導体
WO2014054635A1 (ja) イミダゾール誘導体
JP6088491B2 (ja) 新規1位置換インダゾール誘導体
TW201720796A (zh) 作為apj促效劑之2,4-二羥基菸鹼醯胺
WO2014134774A1 (en) Compounds inhibiting leucine-rich repeat kinase enzyme activity
EP3681877B1 (en) Pyrazole derivative compound and use thereof
JP2014073982A (ja) 新規ベンズイミダゾール誘導体からなる医薬
WO2014054634A1 (ja) ピリミジン誘導体
JP2015199722A (ja) イミダゾール誘導体からなる医薬
WO2015037716A1 (ja) 含窒素飽和複素環化合物
JP2015054844A (ja) シクロアルカン誘導体
JP6088476B2 (ja) 新規1位置換インダゾール誘導体からなる医薬
JP2015214492A (ja) 3−(4−ピペリジル)−インダゾール誘導体
WO2015152254A1 (ja) 5員環ヘテロアリール誘導体
WO2015152253A1 (ja) 4-アリールイミダゾール誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150128