JP2015054485A - 不具合検出システムと画像形成装置及び不具合検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1に開示された画像形成装置におけるシリアル通信装置は、チップセレクト信号をアクティブ側に論理確定した上で、ハーネスが断線したときに異常を検出し、不適切のまま通信を継続して不具合を拡大させることを防止するようにしている。
すなわち、シリアル通信によりハーネスで接続された各デバイスのレジスタを読み取って、期待値と整合することにより、ハーネスの不具合を検知する構成が開示されている。
さらに、不具合の有無を判断するために、電装品に対して不具合検出用信号の送受信処理を行った上で、受信信号値と期待値を比較する必要があり、複雑な処理の追加が必要になるという問題があった。
さらに、各デバイスのレジスタにそれぞれ不具合検出のための値を順次書き込み、その後各デバイスのレジスタ内の値を順に読み出す処理が必要となる。
図1は、この発明を適用する画像形成装置の一例を示す模式的な構成図である。
この図1に示す画像形成装置1は、タンデム型中間転写方式のカラープリンタであり、駆動ローラである二次転写対向ローラ8と、間隔を置いて平行に配置された従動ローラ9とによって、中間転写ベルト2が略水平に張り渡されている。その中間転写ベルト2は、二次転写対向ローラ8が回転駆動されると、矢示方向に周回移動(回動という)する。
各作像ユニット10K,10C,10M,10Yと中間転写ベルト2を挟んで反対側には、それぞれ転写バイアス電圧が印加される一次転写ローラ17が配置されている。
その静電潜像を現像器13によって各色のトナーで現像して、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナー画像を順次形成する。
その各色のトナー画像を、一次転写ローラ17の作用によって、中間転写ベルト2上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー画像を形成する。
その後、中間転写ベルト2上に形成されたトナー画像と用紙4の位置とが二次転写ローラ7と二次転写対向ローラ8とのニップ部である二次転写部で重なり合うタイミングで、位置決めローラ対6の駆動を開始する。
位置決めローラ対6に到達した用紙4は、その後、所定のタイミングで再び位置決めローラ対6によって搬送され、二次転写ローラ7によって、前回と反対側の面(裏面)に中間転写ベルト2上のトナー画像が転写される。その用紙が再び定着器20に搬送されて、トナー画像が熱および圧力によって定着された後、排紙ローラ対23によって、画像形成装置1の排紙口24を通して上面に形成された排紙受け部1aに排紙される。
また、排紙受け部1a上の排紙口24付近には、排紙満杯検知センサ34が配置されており、排紙満杯検知センサ34によって用紙4が排紙受け部1a上に排紙されたことを検知すると共に、排紙受け部1a上に積載された用紙の満杯を検知する。
両面搬送路25における両面ローラ対26の下流側近傍には用紙の通過を検知する両面センサ35が配置されている。
そして、中間転写ベルト2上に形成された濃度調整や位置ズレ調整用のパターンの使用済みトナーや、二次転写部で用紙に転写されずに残ったトナーを、ベルトクリーニングユニット18によって除去して、廃トナーボックス19へ搬送して回収する。
廃トナーボックス19には、ボックスが廃トナーで満杯か否かを検知するための廃トナーボックス満杯検知センサ36が配置されている。
この実施形態では、省エネルギーを目的とする構成の制御基板40を、電装品50及びハーネス60における不具合検出に利用している。その不具合とは、電装品50の内部での短絡や断線等の故障又はハーネス60の線間短絡等の物理的故障である。
ここで、電装品50は、例えば図1に示した画像形成装置1に設けられた排紙センサ33、用紙先端検知センサ(レジストセンサ)31、両面センサ35、廃トナーボックス満杯検知センサ36等のセンサ類である。あるいは、給紙ローラ5、位置決めローラ対6、排紙ローラ対23、両面ローラ対26、定着器20等を駆動させるための各モータ(図1には図示せず)のような画像形成装置1の構成要素である。
制御基板40は、電装品50を制御するための制御部41、および電源43の供給/停止切替回路42等が搭載された基板である。
その制御部41は、電装品50と制御基板40上に搭載されている電子部品の制御を行う回路である。図1に示した画像形成装置1であれば、その各部を統括制御するマイクロコンピュータを備えた図示していない制御部が兼ねることができる。
ハーネス60は、電源線61、信号線62、およびGND線(アース線)63からなり、制御基板40と電装品50とを接続する電線である。
供給/停止切替回路42は、制御部41から入力される制御信号により、ハーネス60の電源線61を通して電装品50へ供給する電源の供給と停止を切り替える供給/停止切替手段である。したがって、制御部41は、この供給/停止切替回路42による電装品50へ供給する電源の供給と停止の切り替えを制御する制御手段でもある。
制御部41の入力端子41sに接続される信号線62は、制御基板40上で抵抗45を介して電源43に接続(プルアップ)されている。
この制御基板40の制御部41は、電源43からの給電がOFFのときに、信号線62を接続する入力端子41sの信号値が制御基板40側の端子処理によって一意に決定する。この回路構成を利用して、給電がOFFのときに信号線62の信号値と端子処理により一意に決定した値(期待値)とが一致していれば正常、不一致であれば異常と判断する。これにより、専用回路や複雑な制御を追加することなく、電装品50及びハーネス60における不具合を検出することが可能になる。
図3は、不具合検出が可能な制御基板40によって、電装品50に電源を供給する動作を説明する図である。
制御部41により供給/停止切替回路を「供給」に切り替えた場合、電装品50には制御基板40からハーネス60の電源線61とGND線63を通して電源が供給される。それによって、電装品50の状態に応じて信号線62に出力されるハイレベル“H”又はローレベル“L”の信号値が、制御部41の入力端子41sに入力される。
制御部41により供給/停止切替回路42を「停止」に切り替えた場合、電装品50への電源供給は停止し、電装品50の出力信号は不定となる。しかし、制御部41の入力端子41sは、制御基板40上で抵抗45を介して電源43に接続(プルアップ)されているため、制御部41にはハイレベル“H”の信号値が入力される。
なお、電装品50への電源供給停止は電装品50が動作しないタイミングで行う。例えば、排紙センサ33、用紙先端検知センサ31、両面センサ35等の搬送系センサのように、待機中に動作しない電装品は、図5に示すように、待機に移行したタイミングで電源供給を停止することによって、省エネルギー効果がある。
この実施形態では、このような省エネルギーを目的とした構成を不具合検出に利用する。なお、図5における縦軸は消費電力を意味する。
制御部41が図6に示す処理を開始すると、まず、ステップ1で電装品50への電源供給が停止中であるか否かを判定する。電源が供給されている場合は、不具合検出処理を実行せずに、そのまま処理を終了する。電源供給が停止している場合は、ステップ2へ進んで電装品信号値読込み処理を実行する。
そして、ステップ3でその読込んだ信号値を前述した期待値と比較する。制御部41の入力端子41sは、抵抗45を介して電源43にプルアップされているため、その期待値は“H”である。
ステップ4では、不具合が発生した電装品50の動作を止めて、正常な電装品のみで限定的な動作が可能であるか否かを判定する。
その後、ステップ6で不具合表示処理を行なって、処理を終了する。不具合表示処理は、不具合の内容及び復旧不可であることを、操作パネルの液晶表示器などによる表示部に表示する処理である。制御部41によるこのステップ6の不具合表示処理を行う機能が、不具合発生を表示する手段に相当する。
その後、ステップ8で不具合&限定動作可表示処理を行なって、処理を終了する。その不具合&限定動作可表示処理は、不具合内容及び使用可能な限定動作を操作パネルの表示部に表示する処理である。制御部41によるこのステップ8のこの不具合&限定動作可表示処理が、不具合が発生したが限定的な動作が可能であることを表示する手段に相当する。
従来は、電装品に電源を供給して、エラーを検知するまで不具合が発生しているかどうか不明であった。しかし、この実施形態によれば、電装品に電源を供給する前に、不具合が発生していればその不具合を検出し、それを表示することができるので、エラーの発生を回避できる可能性がある。
定着器20を駆動するモータに不具合が発生した場合は、二次転写部を通して搬送される用紙に対してトナー画像を定着することができないため、印刷動作ができない。
同様に、印刷動作に必須の電装品のいずれかに不具合が発生した場合は、限定動作は不可能と判断する。
両面センサ35に不具合が発生した場合には、両面印刷はできないが、両面印刷動作を止めて片面印刷のみで動作の継続が可能なため、限定動作可能と判断する。
図9は、排紙満杯検知センサ34に不具合が発生した場合の例であり、限定動作が可能である。
排紙満杯検知センサ34に不具合が発生した場合は、通常通り印刷は可能であるが、図1に示した排紙受け部1a上に排紙された印刷済み用紙を、定期的に取り除くように操作パネルの表示部に注意を表示するとよい。このようにすれば継続動作が可能になる。
制御部41が電装品への電源供給中に図10に示す処理を開始し、まず、ステップ11でエラーが発生しているか否かをチェックする。エラーが発生していない場合は、繰り返しエラーの発生を監視する。このエラーには、用紙ジャム検知や満杯検知等の電装品が正常に動作して検知したエラーと、電装品の故障などによるシステムの異常状態等が含まれる。制御部41によるステップ11のエラーが発生しているか否かをチェックする機能が、エラー検出手段に相当する。
次いで、ステップ13で、電源供給を停止した状態での電装品からの信号の信号値が該信号の期待値と一致するか否かを判定する。この判断は図6におけるステップ3の判断と同様である。
電装品の信号値が期待値と一致している場合は、不具合により発生したエラーではないため、ステップ15へ進んで、電装品への電源供給開始処理を行ない、ステップ16でエラー表示をして、処理を終了する。そのエラー表示は、「用紙ジャム発生箇所」や「排紙満杯」、「廃トナーボックス満杯」などを、操作パネルの液晶表示器などによる表示部に表示することである。
ステップ14では、不具合が発生した電装品の動作を止めた状態で、正常な電装品のみで限定的な動作が可能であるか否かを判定する。
その結果、限定的な動作が不可能な場合は、ステップ17へ進んで復旧禁止処理を行い、ステップ18で不具合表示処理を行なって、処理を終了する。これらの処理は、図6のステップ5及びステップ6の処理と同じである。
制御基板40内に不具合が発生してエラーになり、ステップ13の判断で電装品の信号値と期待値が不一致となることもあり得る。その場合は、限定的な動作も不可能になるため、ステップ17の復旧禁止処理とステップ18の不具合表示処理を行うことになる。
この実施形態によれば、電装品への電源供給中にエラーが発生した時に、そのエラー発生原因を短時間で特定できる可能性がある。また、不具合発生時にユーザのダウンタイムを減らすことができる可能性がある。
図12は、正論理の電装品の不具合検出動作例を説明するための図である。ここでは、排紙センサ33を正論理の電装品の例とし、用紙有りの場合に“H”、用紙無しの場合に“L”の信号を出力する場合の例である。
また、電源供給中に不具合が発生した場合、排紙センサ33の信号値は“L“(用紙無しを検知した状態)のままであるため、制御部41は用紙が正常に搬送されていないエラー発生と判断する。しかしこのとき、排紙センサ33への電源供給を停止し、その後も排紙センサ33の信号値が“L”のままであれば、期待値“H“と不一致であるため、それを確認することによってエラーではなく不具合が発生していると判断できる。
定着入口センサ32への電源供給停止中に、定着入口センサ32又はハーネス60あるいは制御基板40上で信号値が“L”に固定される不具合が発生した場合、期待値“H”に対して定着入口センサ32の信号値は“L”になる。したがって、信号値が期待値と不一致のため、不具合を検出することが可能である。
ここでは、廃トナーボックス満杯検知センサ36は、満杯の場合に“H“、非満杯の場合に“L“の信号を出力する場合の例である。
廃トナーボックス満杯検知センサ36が上記のように正論理であり、廃トナーボックス満杯検知センサ36又はハーネス60あるいは制御基板40上に信号値が“L“に固定される不具合が発生した場合を想定する。その場合、廃トナーボックス19が満杯になっても廃トナーボックス満杯検知センサ36の信号値は非満杯のときの“L“のままになる。
このような電装品に対しても、電装品への電源供給停止中に、電装品の信号値を読込んで期待値と比較することによって、期待値“H“と不一致であることを確認して不具合を検出できるため、不具合の拡大を未然に防ぐことができる。
同様に、不具合が発生してもエラーが発生しない他の電装品に対しても、この発明による不具合検出方法は有効である。
この発明による画像形成装置の実施形態は、図1に示した画像形成装置1に、上述した不具合検出システムを備えたものである。しかし、画像形成装置は、図1に示したタンデム型中間転写方式のカラープリンタに限るものではなく、他の種々のタイプのプリンタ、複写機、ファクシミリ装置や、それらの複数の機能を備えた複合機等でもよい。
さらに、この発明による不具合検出システム及び不具合検出方法は、画像形成装置に限らず、他のOA機器をはじめ、種々の電装品を備えた家庭用及び業務用の各種電子機器などにも適用可能である。
また、この発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載された技術的特徴を有する以外は、何ら限定されるものではないことは言うまでもない。
さらに、以上説明してきた実施形態の構成例、動作例及び変形例等は、適宜変更又は追加したり、一部を削除してもよく、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施することも可能であることは勿論である。
4:用紙 5:給紙ローラ 6:位置決めローラ対(レジストローラ対)
7:二次転写ローラ 8:二次転写対向ローラ(駆動ローラ) 9:従動ローラ
10K,10C,10M,10Y:作像ユニット 11:感光体ドラム
12:帯電ローラ 13:現像器 14:トナー容器
15:ドラムクリーニングユニット 16:露光装置 17:一次転写ローラ
18:ベルトクリーニングユニット 19:廃トナーボックス 20:定着器
21:給紙搬送路 22:定着搬送路 23:排紙ローラ対 24:排紙口
25:両面搬送路 26:両面ローラ対
31:用紙先端検知センサ(レジストセンサ) 32:定着入口センサ
33:排紙センサ 34:排紙満杯検知センサ 35:両面センサ
36:廃トナーボックス満杯検知センサ 40:制御基板 41:制御部
41s:入力端子 42:供給/停止切替回路 43:電源 45:抵抗
60:ハーネス 61:電源線 62:信号線 63:GND線(アース線)
Claims (12)
- ハーネスを通して電装品へ供給する電源の供給と停止を切り替える供給/停止切替手段と、
該手段による切り替えを制御する制御手段と、
前記電装品への電源の供給を停止中に、前記電装品から前記ハーネスを介して入力される信号の信号値と、前記電装品及び前記ハーネスが正常な場合の該信号の期待値とを比較して、その結果が不一致であった場合は前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断する判定手段と
を有することを特徴とする不具合検出システム。 - 請求項1に記載の不具合検出システムにおいて、
前記電装品への電源の供給停止中に、前記判定手段が前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断したときに、不具合発生を表示する手段を有することを特徴とする不具合検出システム。 - 請求項1又は2に記載の不具合検出システムにおいて、
前記制御手段の制御によって前記電装品への電源供給中にエラーの発生を検出するエラー検出手段を有し、
該エラー検出手段がエラーを検出したきに、前記制御手段の制御によって前記電装品への電源供給を停止させ、前記判定手段によって前記信号値と前記期待値とを比較して、その結果が不一致であった場合は前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断することを特徴とする不具合検出システム。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の不具合検出システムにおいて、
前記判定手段が、前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断した場合には、該電装品への電源供給を再開しないことを特徴とする不具合検出システム。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の不具合検出システムにおいて、
前記判定手段が前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断した場合に、該電装品を除く正常な電装品のみで限定的な動作が可能であるか否かを判断する手段と、該手段によって限定的な動作が可能であると判断された場合に、不具合が発生したが限定的な動作が可能であることを表示する手段とを有することを特徴とする不具合検出システム。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の不具合検出システムを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- ハーネスを通して電装品へ供給する電源の供給と停止を切り替え制御し、
前記電装品への電源の供給を停止中に、前記電装品から前記ハーネスを介して入力される信号の信号値と、前記電装品及び前記ハーネスが正常な場合の該信号の期待値とを比較して、その結果が不一致であった場合は前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断することを特徴とする不具合検出方法。 - 請求項7に記載の不具合検出方法において、
前記電装品への電源の供給停止中に、前記判断によって前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断したときに、不具合発生を表示することを特徴とする不具合検出方法。 - 請求項7又は8に記載の不具合検出方法において、
前記電装品への電源供給中にエラーの発生を検出したきには、前記電装品への電源供給を停止させ、前記信号値と前記期待値とを比較して、その結果が不一致であった場合は前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断することを特徴とする不具合検出方法。 - 請求項7から9のいずれか一項に記載の不具合検出方法において、
前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断した場合には、該電装品への電源供給を再開しないことを特徴とする不具合検出方法。 - 請求項7から10のいずれか一項に記載の不具合検出方法において、
前記判断によって前記電装品又は前記ハーネスに不具合があると判断した場合に、該電装品を除く正常な電装品のみで限定的な動作が可能であるか否かを判断し、限定的な動作が可能であると判断した場合には、不具合が発生したが限定的な動作が可能であることを表示することを特徴とする不具合検出方法。 - 画像形成装置における各電装品に対して、請求項7から11のいずれか一項に記載の不具合検出方法によって、前記各電装品の不具合を検出することを特徴とする不具合検出方法。
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