JP2004098315A - 故障診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路モジュールや基板の故障を判断する故障診断装置において、モニタする信号線数を低減することができるようにする。
【解決手段】信号送出側の内部回路202,302の信号線に対して3ステート型の出力バッファ204,304を設ける。信号受信側の内部回路202,302の信号線に対して入力バッファ206,306を設ける。出力バッファ204,304および入力バッファ206,306の各出力に、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを、互い違い(一方にはプルダウン、他方にはプルアップ)にして設ける。故障診断部100は、出力バッファ204,304の出力をモニタせず、入力バッファ206,306の出力信号のみをモニタすることで、故障の有無を検知する。必要に応じて、3ステート型の出力バッファ204,304をディセーブルにする。
【選択図】 図3
【解決手段】信号送出側の内部回路202,302の信号線に対して3ステート型の出力バッファ204,304を設ける。信号受信側の内部回路202,302の信号線に対して入力バッファ206,306を設ける。出力バッファ204,304および入力バッファ206,306の各出力に、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを、互い違い(一方にはプルダウン、他方にはプルアップ)にして設ける。故障診断部100は、出力バッファ204,304の出力をモニタせず、入力バッファ206,306の出力信号のみをモニタすることで、故障の有無を検知する。必要に応じて、3ステート型の出力バッファ204,304をディセーブルにする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電子回路モジュールを連結した構成の装置、たとえばプリンタ装置、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を有する複合機などの装置における、前記電子回路モジュールの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理に関する各種装置の開発が活発に行なわれるようになっており、画像をデジタル的に処理するプリンタ装置やデジタル複写機、ファクシミリ装置、原稿の読み取りを行なうスキャナ装置、あるいはそれらの機能を有する複合機などがオフィスなどに広く普及している。これとともに、これらの装置の画像記録や読取りに関する処理速度の向上や、より大きなサイズの原稿を処理したいという要求が高まっている。このような要求を満たすためには、より高速の画像処理や制御が必要とされる。
【0003】
このように高速の画像処理や制御が要求されるようになると、各種の処理をソフトウェアに頼る従来の処理では、このような装置の実現が困難となる。そこで、メカの駆動用や画像処理用あるいはシステム全体の制御用といった様々な目的の処理を行なう各部分をハードウェア(回路モジュール)で構成し、しかも処理を並列化して実質的な処理速度を高めるといった工夫がなされている。これに伴って、ハードウェアの規模がますます増大し、メカ駆動用や画像処理用あるいは制御用といった様々な目的のための各種回路モジュールやこの回路モジュールを搭載した回路基板の数も増加するといった傾向にある。
【0004】
ところで、このような装置では、膨大な数の回路の一部にでも何らかの故障が発生すると画質の低下を招いたり装置そのものが動作しないといったような障害が発生する。また、故障が発生した場合、その発生個所を特定するのに多くの手間と時間を要することがある。また、故障発生箇所として各基板のインタフェース部に用いられる入出力バッファの故障頻度が高い。一般的にはテスターなどの測定装置を用いて主要な個所の電圧や信号波形を監視(モニタ)しながら故障個所の特定を行なうが、このような診断方法では様々な個所の測定を行なわなければならず、故障診断に手間がかかってしまい、作業効率が悪いという問題があった。
【0005】
そこで、より効率のよい診断手法として、装置の起動時などに装置自身が各基板の診断を行なうようにした自己診断システム(Diagnostics system)がある。この自己診断システムでは、たとえば、装置が動作しているときの信号パターンを回路モジュールごとあるいは基板ごとにモニタして予め記憶してある期待値と比較し、故障発生の有無を診断し、故障箇所を特定するようにしている。
【0006】
たとえば、特開2001−111754号には、複数の処理部を有する装置を診断する時、第1の基板から自己診断用の信号を発生し、複数の処理部を通って最後の基板に処理済の信号を格納して正常値と比較し、値が一致しない場合には何れかの基板が故障していると判断し、この場合には、最後の処理部から順に基板の既存の素子をパターンジェネレータとして使用し、個別に基板の診断を行なう方法が開示されている。この方法によれば、個々の測定個所を手作業で計測する必要なく、全体を診断してから故障が発見された場合に個別の診断を行なうので、効率的な自己診断が行なえる。
【0007】
しかしながら、特開2001−111754号に記載の方法では、回路モジュールや基板のインタフェース部に故障が発生した場合、信号の入力側および出力側の何れに故障が発生したかを切り分けることができない。
【0008】
この問題を解消する方法としては、たとえば、図11に示すような方法が考えられる。図11は、相互に接続される基板間のインタフェース部に故障診断システムを適用し、基板ごとに入出力信号のパターンを期待値比較して何れの基板のインタフェース部に故障が発生したかを特定する一例を示す図である。
【0009】
図11に示すように、この故障診断システムは、2つの基板200,300が相互接続されており、この2つの基板200,300の故障の有無を判断する故障診断部100を備えている。
【0010】
一方の基板200(基板A)には、メカ駆動用や画像処理用あるいは制御用といった様々な目的のための各種電子回路である内部回路202、基板200から他方の基板300(基板B)に出力される内部回路202の信号をドライブする出力バッファ204、基板300から基板200に入力される信号を受け取り内部回路202に渡す入力バッファ206が設けられている。出力バッファ204,304や入力バッファ206,306の内部には、信号線に対応して個々のバッファが設けられているのはいうまでもない。
【0011】
同様に、他方の基板300(基板B)には、内部回路302、基板300から基板200(基板A)に出力される内部回路302の信号をドライブする出力バッファ304、基板200から基板300に入力される信号を受け取り内部回路302に渡す入力バッファ306が設けられている。
【0012】
故障診断部100は、2つの基板200,300における入出力信号をモニタしてそれぞれ期待値比較することで、どちらの基板側に故障が発生したかを診断する。この故障診断部100では、基板200,300間の入出力信号を基板200側と基板300側のそれぞれで一定期間取り込み、予め記憶してある期待値と比較することで故障発生の有無および故障発生時はどちらの基板が故障したかを特定する。たとえば、基板200の出力バッファ204から出力された信号パターンが期待値と一致しなかった場合は基板200側の出力バッファ204または内部回路202に故障が発生したと診断する。
【0013】
一方、基板200の出力バッファ204から出力された信号パターンは期待値と一致し、基板300の入力バッファ306から出力された信号パターンが期待値と一致しなかった場合は基板300側の入力バッファ306またはワイヤハーネス(ケーブル)に故障が発生したと診断する。このように、相互接続されている基板のインタフェース部における各バッファの出力部をモニタして期待値比較することにより、故障発生の有無および故障発生時はどちらの基板が故障したかを知ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示したような方式では、両回路モジュールや基板のインタフェース部からモニタ用の信号線を配線する必要があるため、配線数の増加と基板面積の増大を招き、それに伴って診断部の回路規模も増大するという問題がある。配線数を削減するために、一方の基板の出力バッファから出力された信号パターンのみをモニタする場合は、この信号が入力されるもう一方の基板での入力バッファの故障が検出できず、また一方の基板の入力バッファから出力される信号パターンのみをモニタする場合は、もう一方の基板の対応する出力バッファとの故障切分けができない。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、相互接続された回路モジュールや基板間のインタフェース部の故障を、より簡易な構成で検出できる故障検出装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る故障診断装置は、相互接続された複数の回路モジュールを備えた装置における回路モジュールの故障を診断する故障診断装置であって、先ず、信号送出側の回路モジュールの出力に対して、プルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の何れか一方を設けた。そして、これに対応するように、信号送出側の回路モジュールからの信号を受信する信号受信側の回路モジュールの入力に対して、プルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の他方を設けた。つまり、出力バッファおよび入力バッファの各出力にプルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを互い違いにして設ける構成とした。
【0017】
また、回路モジュールの故障を診断する故障診断部は、信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの両出力を監視するのではなく、信号受信側の回路モジュールの入力信号を監視することにより回路モジュールの故障の有無を診断する構成とする。故障の有無を診断する際には、監視した入力信号の値と予め記憶してある期待値とを比較すればよい。
【0018】
ここで、「信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの両出力を監視するのではなく信号受信側の回路モジュールの入力信号を監視する」というのは、信号送出側の回路モジュールの出力信号をモニタする出力側モニタ線と信号受信側の回路モジュールの入力信号をモニタする受信側モニタ線とを独立(専用)に設けるのではなく、受信側モニタ線(事実上受信側モニタ線のみ)による監視を行なうことを意味する。なお、装置構成によっては、出力側モニタ線と受信側モニタ線とを共用する構成となり得るが、このような構成は、各モニタ線を独立(専用)に設けた構成ではなく、事実上受信側モニタ線のみで監視を行なう上記の定義に含まれる。
【0019】
また、従属項に記載された発明は、本発明に係る故障診断装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0020】
【作用】
上記構成の故障診断装置において、プルダウン抵抗やプルアップ抵抗は、回路モジュールが故障した際、信号送出側の回路モジュールの出力や信号受信側の入力を固定するように作用する。
【0021】
この結果、信号受信側の入力のみを監視して得た信号の値と予め記憶してある期待値とを比較することで、回路モジュールの故障の有無を判断することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る故障診断装置の一実施形態を備えた画像形成装置の概略を示す図である。
【0024】
画像形成装置7は、大まかに、画像読取装置10、画像形成装置30、および給紙装置80から構成されている。この画像出力端末7は、たとえば複写装置能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
【0025】
たとえば、画像形成装置7は、接続ケーブル90を介してネットワークに接続可能になっている。接続ケーブル90は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LAN8という)により、パソコン3a、カラースキャナ3b、デジタルカメラ3c、またはハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置3dなど、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを作成したり編集などの処理をする画像入力端末3に接続される。
【0026】
あるいは、一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )9を介してFAX装置3eなどの画像入力端末3に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
【0027】
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像形成装置7で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。またたとえば、パソコン3aで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像形成装置7に送られる。
【0028】
PDLで作成されているデータ(PDLデータ)は、ページ内の任意位置の画像、図形、文字を表現する描画命令およびデータを任意の順で配置した命令およびデータ列で構成されている。このPDLデータを受け取った画像形成装置7は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してからプリンタエンジン部にそのラスタデータを出力する。
【0029】
また、画像形成装置7は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイス3gなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3f,3gからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3f,3gを介してリモートで画像形成装置7を制御することもできるようになっている。
【0030】
このように、画像形成装置7は、装置外の画像入力端末3からデータを受け取って印刷出力するため、画像入力端末3のそれぞれとの間で通信する回路部材を搭載したインタフェース基板を装置内部に装着可能となっている。このインタフェース基板は常に本体に搭載されている必要はなく、必要に応じて取り付け得るよう着脱自在な構成となっている。
【0031】
また、装置内の回路モジュールは、所定ブロックごとの基板単位で他の回路モジュールと交換自在に構成されている。性能向上や機能変更に柔軟に対応するためである。
【0032】
画像読取装置10は、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙するドキュメントフィーダ12と、タッチパネルが設けられ表示機能も備えた操作パネル(ユーザインタフェース)14と、装置に対する種々の設定をする操作キー16とを含む。
【0033】
画像形成装置30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板38とを含む。画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像処理システム1をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
【0034】
処理基板38には、画像形成装置30用の処理部(特に画像処理部)だけでなく、画像形成装置7全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、画像形成装置7内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル14、図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82など制御する回路が搭載される。この処理基板38には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
【0035】
たとえば、画像読取装置10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表すアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、画像形成装置30へ送る。この画像読取装置10の読み取りに同期して、用紙が複数(A4,B4,A3)の給紙トレイ82の内の何れかから画像形成装置30へ給紙されると、画像形成装置30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に画像読取装置10が読み取った画像を形成する。両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取装置10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的に、あるいは1ページごとにソートされる。
【0036】
なお、画像形成装置7は、画像読取装置10にて読み取った画像の印刷機能すなわち複写装置能に限らず、接続ケーブル90を介してパソコン3aなどの画像入力端末3から取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線9および接続ケーブル90を介して受信したFAXデータに基づいて印刷出力するFAX機能も備える。
【0037】
図2は、画像形成装置7における画像処理機能を示すブロック図である。図示するように、画像形成装置7は、画像読取装置10や画像形成装置30の他に、装置の起動時などに装置自身が各回路モジュールやこの回路モジュールが搭載された基板の診断を行なう故障診断部100を備えている。この故障診断部100の機能については、後で詳しく説明する。
【0038】
画像読取装置10は、スキャナ部20と読取信号処理部22とを有する。スキャナ部20は、たとえばCCD(電荷転送型の固体撮像素子)からなるラインセンサ(イメージセンサ)で読取台上に載置された原稿を読み取り、この読み取った入力画像を赤R、緑G、青Bの各色成分のデジタル画像データに変換し読取信号処理部22に送る。
【0039】
読取信号処理部22は、たとえばシェーディング補正部24や入力階調補正部26、あるいは図示しない増幅部やA/D変換部などを有している。ラインセンサからの赤、緑、青のアナログ画像信号は増幅部で所定のレベルまで増幅され、A/D変換回路でデジタル画像データに変換される。シェーディング補正部24は、このデジタル画像データに対し、ラインセンサの画素感度バラツキの補正や光学系の光量分布特性に対応したシェーディング補正を施す。入力階調補正部26は、シェーディング補正されたデジタル画像データに対し階調特性を調整した後画像形成装置30の前段色信号処理部40に入力する。
【0040】
画像形成装置30は、プリント出力信号処理系統として、前段色信号処理部40と、イメージ圧縮伸張処理部(イメージ圧縮伸長プロセッサ)50と、後段色信号処理部60と、画像形成ユニット32の主要部であるプリントエンジン70とを有する。前段色信号処理部40と、イメージ圧縮伸張処理部50と、後段色信号処理部60とが処理基板38(図1参照)上に電気回路として構成される。
【0041】
前段色信号処理部40は、たとえば入力色変換部42、画像受取部の一例である外部インタフェース部43、画像情報領域分離部44、出力色変換部46、および下色除去部48を有する。この前段色信号処理部40においては、先ず画像読取装置10の読取信号処理部22からの赤、緑、青のデジタル画像データ(色信号)を一旦図示しないページメモリに記憶する。そして、画像形成ユニット32にて使用する色材の分光特性に対する色補正処理(これを特に前段階の色補正処理という)を施すことで、色濁りを防止する。入力色変換部42は、デジタル画像データを、外部機器との色情報交換に適した色信号、たとえば均等色空間の明度信号L*並びに彩度および色相を表す色度信号a*,b*(以下纏めてLab信号ともいう)に変換する。
【0042】
画像形成装置7をプリンタとして使う場合には、外部インタフェース部43は、画像入力端末3側にて用意されたドキュメントDOCを表すPDLデータを、出力単位ごと(1ページごと)にLab信号でレンダリング(描画展開)する。同様に、画像形成装置7をカラーFAX装置として使用する場合には、外部インタフェース部43は、FAX装置3eからFAXデータを受信し、FAX画像をLab信号にてラスタライズする。次いで、このLab信号に基づいて、たとえば画像情報領域分離部44は画像領域(絵文字)分離処理を施し、編集処理部45は色編集処理やモアレを除去したり中間調データを平滑化する平滑化処理あるいは画像拡大や画像縮小などの画像編集処理を施す。
【0043】
その後、出力色変換部46は、Lab信号を、減法混色用に適した色信号に変換する。たとえば、出力色変換部46は、Lab信号で表されるLab表色系から、たとえばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色信号で表されるYMC表色系、あるいはこれにブラック(K)を加えたCMYK表色系へのマッピング処理をし、プリント出力用に色分解されたラスタデータを生成する。また、下色除去部48は、このようなラスタデータ化の処理に際して、カラー画像のCMY成分を減色するアンダーカラー除去処理(UCR;Under Color Removal )をする。なお、下色除去部48は、さらに減色されたCMY成分を部分的にK成分と交換するグレー成分交換(墨生成)処理(GCR;Gray Component Replacement)をする。また、下色除去部48は、入力画像の下地濃度に応じて、YMCKの各色の画像データのうちの所定の下地濃度以下の画像データをカット(無効化)する下地除去処理を施す。そして、これら一連の処理(前段色信号処理)が施されたデジタル画像データは、イメージ圧縮伸張処理部50に入力される。
【0044】
イメージ圧縮伸張処理部50は、印刷イメージをたとえばJPEGなどの圧縮画像フォーマットで圧縮し、不揮発性の記憶媒体の一例であるハードディスク装置(HDD;Hard Disc Device)54に一時的に格納(圧縮保存)したり、圧縮保存された印刷イメージを伸長するために使用する。このため、イメージ圧縮伸張処理部50は、たとえば、符号化部52および復号化部56を備える。
【0045】
符号化部52は、図示しないパラメータ設定部により設定された符号化パラメータを用い、たとえばDCT(Discrete Cosine Transform )などの直行変換符号化やベクトル量子化などの方法により符号化して非可逆圧縮して符号化画像データ(符号化色信号)を生成する。符号化部52により非可逆圧縮されたY,M,C,Kの各色の符号化画像データは、画像格納部の一例であるハードディスク装置54に略同時に書き込まれる。
【0046】
次いで、プリントエンジン70の図示しない先端検出器からの先端検出信号(副走査方向の印字始点を示す信号)に同期して、ハードディスク装置54からY,M,C,Kの各色の符号化画像データが順次一定間隔をおいて読み出され復号化部56に入力される。復号化部56は、このY,M,C,Kの各色の符号化画像データを、図示しないパラメータ設定部により設定された符号化パラメータを用い、符号化部52における符号化に対応する復号化をして、元の画像データ(復号化色信号)に戻す。
【0047】
後段色信号処理部60は、イメージ圧縮伸張処理部50からのデジタル画像データに対して印刷出力用の色補正処理を施し(これを特に後段の色補正処理という)、この色補正処理が施されたデジタル画像データに基づいて、印刷用の2値化データを生成し画像形成ユニット32に渡す。このため、後段色信号処理部60は、画像編集部62、MTF補正部64、出力階調補正部66、および中間調生成部68を有する。
【0048】
画像編集部62は、イメージ圧縮伸張処理部50からのデジタル画像データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をする。また、画像編集部62は、エッジ強調用空間フィルタを用いて、復号化部56から順次一定間隔をおいて読み出されたY,M,C,Kの各色の復号化画像データをエッジ強調処理することで、画像のシャープネスを調整する。
【0049】
MTF補正部64は、画像の空間周波数特性を補正する。出力階調補正部66は、エッジ強調およびMTF補正されたY,M,C,Kの各色のデジタル画像データを、たとえばルックアップテーブルを参照しガンマ補正する。また、出力階調補正部66は、プリント出力信号処理系統の内部の特性値である濃度あるいは明度を表す各色の画像データY,M,C,Kを、プリントエンジン70の特性値の面積率に応じて、色補正処理(TRC処理;Tone Reproduction Correction)する。
【0050】
中間調生成部68は、前述の各処理が施されたデジタル画像データに基づいて、ハーフトーニング処理をして疑似中間調画像を表す2値化データを得、この2値化データを画像形成ユニット32に渡す。
【0051】
なお、後段色信号処理部60の全体もしくは画像形成ユニット側の一部(たとえば中間調生成部68)は、エンジン側の信号処理部(後述する図5の信号処理部820に相当)として画像形成ユニット32に組み込まれることもある。この場合、外部入力系統の画像データが、前段色信号処理部40やイメージ圧縮伸張処理部50などを介さずに、図示しないビデオセレクタなどを介してプリントエンジン70すなわち画像形成ユニット32に入力される構成となる。この場合、従来であれば、予め外部で画像形成ユニット32(詳しくはプリントエンジン70)の特性に合わせた色調合わせなどの処理を事前に行なってから、画像形成ユニット32に画像データを渡さなければならなかった。
【0052】
画像形成ユニット32は、その主要部であるプリントエンジン70と、このプリントエンジン70の主にメカニカルな動作を制御するためのIOTコントローラ72とを有する。プリントエンジン70は、たとえば電子写真プロセスを利用するものであるのがよい。なお、プリントエンジン70は、前述のように、電子写真方式のものに限らず、たとえば感熱式プリンタやインクジェットプリンタまたは粒子線写真プリンタなどで実施することもできる。
【0053】
電子写真プロセスを利用するものの場合、プリントエンジン70は、光走査装置を備える。たとえばプリントエンジン70は、光ビームを発するレーザ光源74と、後段色信号処理部60から出力された印刷用の2値化データに従ってレーザ光源74を制御すなわち変調するレーザ駆動部76と、レーザ光源74から発せられた光ビームを感光性部材(たとえば感光体ドラム)79に向けて反射させるポリゴンミラー(回転多面鏡)78とを有する。
【0054】
この構成により、プリントエンジン70は、レーザ光源74が発生する光ビームをポリゴンミラー78上の複数の面で反射させて感光性部材79を露光し、スキャン走査によって感光性部材79上に潜像を形成する。潜像が形成されると、当該技術分野で公知の多数の方法のうち任意の方法に従って像を現像し、さらに所定の印刷媒体に転写してカラー画像を可視像として出力する。得られた印刷物は、図示しない定着器により定着され、印刷用紙は両面複写のために両面複写ユニット34(図1参照)により裏返されるか、または直ぐに排紙ユニット36(図1参照)へ引き渡され排紙される。
【0055】
上述した画像読取装置10や画像形成装置30の各機能部分(電子回路モジュール)は、それぞれ独立の回路基板に配されていてもよいし、電気信号的に連続した複数の回路モジュールを単位として回路基板に配されてもよい。たとえば、読取信号処理部22、前段色信号処理部40、イメージ圧縮伸張処理部50、後段色信号処理部60を単位として、それぞれ独立した回路基板に配されるような形態である。
【0056】
図3は、図1に示した画像形成装置7における故障診断機能の第1実施形態を説明する図であり、全体として、本発明に係る故障診断装置1のブロック図を示している。
【0057】
画像形成装置7には、先ず本発明に係る故障診断装置1の主要部である故障診断部100が備えられるとともに、2つの基板200,300が相互接続されている。2つの基板200,300は、図2に示した回路モジュール(機能部)の何れかが搭載されている。
【0058】
2つの基板200,300は、先ず従来技術の図11で示したものと同様に、信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの間を出力バッファや入力バッファを介して接続する構成としている。すなわち、基板200(基板A)には、目的に応じた回路モジュールを有する内部回路202、この基板200から基板300(基板B)に出力される内部回路202の信号をドライブする出力バッファ204、基板300から基板200に入力される信号を受け取り内部回路202に渡す入力バッファ206が設けられている。同様に、基板300(基板B)には、内部回路302、この基板300から基板200(基板A)に出力される内部回路302の信号をドライブする出力バッファ304、基板200から基板300に入力される信号を受け取り内部回路302に渡す入力バッファ306が設けられている。
【0059】
2つの出力バッファ204,304としては、図11に示したものと異なり、出力をハイインピーダンス状態(ディセーブル;disenable )に切替設定することが可能な3ステート型のものを用いる。この3ステート型の出力バッファ204,304の出力イネーブル(enable)端子OEのそれぞれには、イネーブル信号線を介して故障診断部100からイネーブル信号CN1,CN2が印加されている。たとえば、出力バッファ204,304は、イネーブル信号CN1,CN2がハイ(High)のときには能動状態(イネーブル)となり入力信号をそのまま出力する一方で、ロー(Low )のときには入力信号に拘わらずハイインピーダンス状態(ディセーブル)となる。
【0060】
また、この第1実施形態の故障診断装置1は、基板200において、出力バッファ204の出力信号線と接地端子GNDとを接続するプルダウン抵抗212と、入力バッファ206の出力信号線と電源端子VDDとを接続するプルアップ抵抗214とを備える。同様に、基板300において、出力バッファ304の出力信号線と接地端子GNDとを接続するプルダウン抵抗312と、入力バッファ306の出力信号線と電源端子VDDとを接続するプルアップ抵抗214とを備える。プルダウン抵抗212,312やプルアップ抵抗214,314の内部には、信号線に対応して個々の抵抗素子が設けられているのはいうまでもない。
【0061】
故障診断部100は、図11に示した構成と異なり、モニタ(監視)する信号線数を削減する目的で、2つの基板200,300における入力バッファ206,306からの出力信号、つまり内部回路202,302の信号入力側からの信号だけを入力側モニタ線を介して一定期間取り込み、予め記憶してある期待値と比較することにより、故障発生の有無および故障発生時はどちらの基板や内部回路202,302が故障したかを特定する。この際、必要に応じて、イネーブル信号CN1,CN2をハイ/ローに切り替えることで、3ステート型の出力バッファ204,304をイネーブル(能動状態)にしたりディセーブル(出力をハイインピーダンス状態)にしたりする。
【0062】
図4は、第1実施形態の故障診断装置1における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【0063】
先ず、故障診断部100は、入力バッファ206,306からの出力信号パターンを一定期間取り込み(S100)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なう(S102)。信号パターン取込タイミングは、図示しない電子機器全体のメイン制御システムのプログラムから指示される。また、取込期間は、この期間中に各信号線の出力は必ず一度はローからハイへ、またはハイからローへ変化するように設定する。
【0064】
故障診断部100は、取り込んだ各信号パターンと期待値とが異なっている場合、故障発生と判定し、その故障時の信号パターンに応じてさらにどの部分に故障が発生しているのかを特定する。たとえば、期待値と異なっている信号線の値が全てローならば、出力バッファ204,304側の故障か、これに対応する出力バッファ204,304に信号を入力する内部回路202,302(つまり信号送出側の内部回路)に“Stack−at−0”の故障が発生していると判定する(S110)。この場合、少なくても、故障発生箇所が、信号送出側の基板であるのか信号受信側の基板であるのかを特定(峻別)することができる。
【0065】
一方、期待値と異なっている信号線の値が全てハイならば、入力バッファ206,306の故障か、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に“Stack−at−1”の故障が発生していると判定する(S120)。この場合、入力バッファ206,306側の基板か出力バッファ204,304側の基板のどちらが故障しているかを切り分けることができない。そこで、故障診断部100は、期待値と異なっている信号線をドライブしている出力バッファ204,304のイネーブル信号CN1,CN2をローにして出力バッファ204,304をディセーブル状態にし(S122)、この時の信号パターンを再度取り込む(S124)。
【0066】
そして、故障診断部100は、信号パターンから故障場所を特定する(S126)。たとえば、取り込んだ値が全てローであれば、出力バッファ204,304に接続されるプルダウン抵抗212,312によるローレベルが入力バッファ206,306に入力されて、それが入力バッファ206,306より出力されたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306が正常動作していると判定することができる。そこで、故障診断部100は、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に“Stack−at−1”の故障が発生していたと判定する(S128)。一方、取り込んだ値が全てハイであれば、入力バッファ206,306の故障により入力バッファ206,306に接続されるプルアップ抵抗214,314によりハイレベルが取り込まれたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306に故障が発生していたと判定する(S129)。
【0067】
一方、ステップS102の判定において、期待値と異なっている信号線の値が上記以外であれば、故障診断部100は、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に故障が発生して正しい論理値が出力されていないと判定する(S130)。
【0068】
以上説明したように、第1実施形態の故障診断装置1によれば、入力バッファ206,306および出力バッファ204,304の出力をそれぞれモニタすることなく、入力バッファ206,306の出力信号線側(つまり信号受信側の内部回路の入力側)だけをモニタするという簡易な構成で、相互接続された基板間のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)の故障を検出することができる。つまり、図11に示したような構成に比べて、配線数を低減することができ、その分だけ基板面積や診断部の回路規模を低減することができる。
【0069】
また、信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの間を出力バッファや入力バッファを介して接続しつつ、故障診断のためにモニタする信号線数を上述のように削減した構成においても、出力バッファ204,206をイネーブル/ディセーブルに切り替えることと組み合わせることで、故障時の信号パターンの違いに拘わらず、何れの基板で故障が生じているのかを切り分けることや、基板内のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)での故障なのか内部回路202,302の故障なのかを切り分けること、つまり基板内の故障個所を特定することを確実に実現することができる。
【0070】
出力バッファ204,206をディセーブルに切り替えることは、基板を接続しているワイヤハーネスを取り外すことと等価であるが、このことを出力イネーブル端子OEを電子的に制御することで実現することができるので、ワイヤハーネスを取り外す作業が不要で作業効率がよく、故障診断の自動化に適する構成となる。
【0071】
図5は、故障診断装置1の第2実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の構成では、出力バッファ204,304にプルダウン抵抗212,312を、入力バッファ206,306にプルアップ抵抗214,314を接続したものであったが、この第2実施形態は、出力バッファ204,304にプルアップ抵抗214,314を、入力バッファ206,306にプルダウン抵抗212,312を接続した構成である。なお、故障診断部100による出力パターン取込み方法については、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0072】
この第2実施形態の構成は、プルアップとプルダウンの配置が第1実施形態と異なるものの、出力信号線に対して出力バッファを介して出力し、かつ入力バッファを介して入力信号線に信号を取り込む構成としつつ、出力バッファおよび入力バッファの各出力に前記のプルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを互い違い(一方にはプルダウン、他方にはプルアップ)にして配する構成である点では、第1実施形態と共通する。
【0073】
図6は、第2実施形態の故障診断装置1における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【0074】
先ず、故障診断部100は、入力バッファ206,306からの出力信号パターンを一定期間取り込み(S200)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なう(S202)。故障診断部100は、取り込んだ各信号パターンと期待値とが異なっている場合、故障発生と判定し、その故障時の信号パターンに応じてさらにどの部分に故障が発生しているのかを特定する。たとえば、期待値と異なっている信号線の値が全てハイならば、出力バッファ204,304側の故障か、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に“Stack−at−1”の故障が発生していると判定する(S210)。この場合、少なくても、故障発生箇所が、信号送出側の基板であるのか信号受信側の基板であるのかを特定(峻別)することができる。
【0075】
一方、期待値と異なっている信号線の値が全てローならば、入力バッファ206,306の故障か、出力バッファ204,304に信号を入力する内部回路202,302に“Stack−at−0”の故障が発生していると判定する(S220)。この場合、入力バッファ206,306側の基板か出力バッファ204,304側の基板のどちらが故障しているか切り分けができない。そこで、故障診断部100は、期待値と異なっている信号線をドライブしている出力バッファ204,304のイネーブル信号CN1,CN2をローにして出力バッファ204,304をディセーブル状態にし(S222)、この時の信号パターンを再度取り込む(S224)。
【0076】
そして、故障診断部100は、信号パターンから故障場所を特定する(S226)。たとえば、取り込んだ値が全てハイであれば、出力バッファ204,304に接続されるプルアップ抵抗214,314によるハイレベルが入力バッファ206,306に入力されて、それが入力バッファ206,306より出力されたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306が正常動作していると判定できるので、出力バッファ204,304に信号を入力する内部回路202,302に“Stack−at−0”の故障が発生していたと判定する(S228)。一方、取り込んだ値が全てローであれば、入力バッファ206,306の故障により入力バッファ206,306に接続されるプルダウン抵抗212,312によるローレベルが取り込まれたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306に故障が発生していたと判定する(S229)。
【0077】
一方、ステップS202の判定において、期待値と異なっている信号線の値が上記以外であれば、故障診断部100は、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に故障が発生して正しい論理値が出力されていないと判定する(S230)。
【0078】
以上説明したように、第2実施形態の故障診断装置1によれば、ステップS202,S226における信号パターンの判定極性が第1実施形態と逆ではあるものの、第1実施形態と同様に、入力バッファ206,306および出力バッファ204,304の出力をそれぞれモニタすることなく、入力バッファ206,306の出力信号線側(つまり信号受信側の内部回路の入力側)だけをモニタするという簡易な構成で、相互接続された基板間のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)の故障を検出することができる。
【0079】
また、出力バッファ204,206をイネーブル/ディセーブルに切り替えることと組み合わせることで、故障時の信号パターンの違いに拘わらず、何れの基板で故障が生じているのかや、基板内のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)での故障なのか内部回路202,302の故障なのかをも、つまり基板内の故障個所を特定することも、確実に実現できる。
【0080】
図7は、故障診断装置1の第3実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の構成では、出力バッファ204,304にプルダウン抵抗212,312を、入力バッファ206,306にプルアップ抵抗214,314を接続したものであったが、この第3実施形態は、基板の入力側に入力バッファ206,306を備えておらず、入力信号線にプルアップ抵抗214,314のみを接続した構成である。なお、この第3実施形態のように、基板の入力側に入力バッファ206,306を備えない構成は、第1実施形態の変形に限らず、第2実施形態に対する変形として構成することもできる。
【0081】
この第3実施形態の構成では、入力バッファ206,306を備えていないので、第1あるいは第2実施形態で示したような、入力バッファ206,306とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法を活用することができない。しかしながら、判定処理の一例をフローチャートで示すことは割愛するが、少なくても、信号を送出する回路側の内部回路202,302と出力バッファ204,304の故障を峻別して特定することは可能である。
【0082】
図8は、故障診断装置1の第4実施形態を示すブロック図である。第3実施形態の構成では、出力バッファ204,304として3ステート型のものを使用していたが、この第4実施形態では、3ステート型のものではないとともに、入力が不定のとき出力がローもしくはハイという固定した値を出力するものを使用する。なお、この第4実施形態のように、3ステート型のものではなく、かつ入力が不定のとき固定した値を出力するものを使用する構成は、第3実施形態と組み合わせることに限らず、第1や第2実施形態と組み合わせることもできる。
【0083】
この第4実施形態の構成では、第3実施形態の構成と同様に、入力バッファ206,306を備えていないので、入力バッファ206,306とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法を活用することができない。また、出力バッファ204,304をディセーブルにして判定する手法を用いることもできない。
【0084】
しかしながら、少なくても、信号を送出する回路側の故障の有無を検出することは可能である。また、出力信号パターンを一定期間取り込み(S100,S200)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なったとき(S102)、取り込んだ信号パターンが前記の固定した値のままであれば、出力バッファ204,304に信号を送り込む内部回路202,302の故障の可能性が高いと判定することができる。また、取り込んだ信号パターンが前記の固定した値と逆極性であれば、出力バッファ204,304に故障がある可能性が高いと判定することができる。
【0085】
図9は、故障診断装置1の第5実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の構成では、出力バッファ204,304にプルダウン抵抗212,312を、入力バッファ206,306にプルアップ抵抗214,314を接続したものであったが、この第5実施形態は、基板の出力側に出力バッファ204,304を備えておらず、出力信号線にプルダウン抵抗212,312のみを接続した構成である。なお、この第5実施形態のように、基板の出力側に出力バッファ204,304を備えない構成は、第1実施形態の変形に限らず、第2実施形態に対する変形として構成することもできる。
【0086】
この第5実施形態の構成では、出力バッファ204,304を備えていないので、第1あるいは第2実施形態で示したような、出力バッファ204,304とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法や、出力バッファ204,304をディセーブルにして判定する手法を用いることができない。しかしながら、判定処理の一例をフローチャートで示すことは割愛するが、少なくても、信号を受け取る回路側の内部回路202,302と入力バッファ206,306の故障を峻別して特定することは可能である。
【0087】
図10は、故障診断装置1の第6実施形態を示すブロック図である。この第5実施形態の構成は、第3および第5実施形態を組み合わせたもので、基板の出力側の出力バッファ204,304を備えておらず、さらに基板の入力側の入力バッファ206,306も備えていない構成である。プルダウン抵抗212,312とプルアップ抵抗214,314の抵抗比(大小のどちらでもかまわない)は、たとえばできるだけ大きくする、あるいはほぼ等しい値とするなど、判定のアルゴリズムと対応させたものとすればよい。
【0088】
この第6実施形態の構成では、出力バッファ204,304も入力バッファ206,306も備えていないので、第1あるいは第2実施形態で示したような、出力バッファ204,304とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法や出力バッファ204,304をディセーブルにして判定する手法を用いることができないし、入力バッファ206,306とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法を活用することもできない。
【0089】
しかしながら、判定処理の一例をフローチャートで示すことは割愛するが、出力信号パターンを一定期間取り込み(S100,S200)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なったとき(S102)、取り込んだ信号パターンが、プルダウン抵抗212,312とプルアップ抵抗214,314の抵抗比で定まる信号として得られた場合には、内部回路202,302がともにオープンモードの故障であると判定することができる。また、取り込んだ信号パターンが、プルダウン抵抗212,312とプルアップ抵抗214,314の抵抗比で定まる信号として得られない場合には、内部回路202,302がともにショートもしくは比較的低インピーダンス状態の故障であると判定することができる。何れの故障の場合でも、基板を接続しているワイヤハーネスを取り外すことで、何れの基板側の内部回路202,302の故障であるのかを特定することができる。
【0090】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0091】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0092】
たとえば、上記実施形態では、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録する画像形成装置に対して本発明に係る故障診断装置を適用した事例を説明したが、本発明に係る故障診断装置の適用範囲は、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に限るものではない。たとえば感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいはその他の同様な従来の画像形成機構を備えたエンジンにより普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する構成の画像形成装置を備えた画像形成システムに本発明を適用し得る。
【0093】
また、画像形成装置に限らず、一般的にある情報を複数の回路モジュールや回路基板を用いて順次処理していく装置におけるこれら回路モジュールや回路基板の故障診断についても、上述した各実施形態の故障診断装置仕組みを同様に適用することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、出力信号線やこの出力信号線からの信号を受け取る入力信号線に対して、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗とをペアにして配するとともに、内部回路の入力側からの信号だけを取り込み、予め記憶してある期待値と比較する構成とした。好ましくは、出力信号線に対して3ステート型の出力バッファを介して出力し、かつ入力バッファを介して入力信号線に信号を取り込む構成としつつ、出力バッファおよび入力バッファの各出力に前記のプルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを互い違い(一方にはプルダウン、他方にはプルアップ)にして設ける構成とした。
【0095】
これにより、2つの回路モジュールや回路基板を接続した構成において回路モジュールや回路基板の故障を判定する場合に、内部回路の出力側からの信号を取り込まなくてもよくなるので、配線数を低減することができ、その分だけ基板面積や診断部の回路規模を低減することができる。
【0096】
加えて、回路モジュールや回路基板に故障が生じた場合に、その故障の存在を確実に検知することができるとともに、故障が2つの回路モジュールや回路基板の何れで生じているのかを特定することもできる。特に、入力バッファや出力バッファを介した構成では、ワイヤハーネスを取り外すことなく故障が何れで生じているのかを特定することができるので、作業効率がよく、故障診断の自動化に適する構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る故障診断装置の一実施形態を備えた画像形成装置の概略を示す図である。
【図2】画像形成装置における画像処理機能を示すブロック図である。
【図3】故障診断装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の故障診断装置における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】故障診断装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態の故障診断装置における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】故障診断装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【図8】故障診断装置の第4実施形態を示すブロック図である。
【図9】故障診断装置の第5実施形態を示すブロック図である。
【図10】故障診断装置の第6実施形態を示すブロック図である。
【図11】故障診断システムの一構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…故障診断装置、7…画像形成装置、10…画像読取装置、22…読取信号処理部、30…画像形成装置、40…前段色信号処理部、50…イメージ圧縮伸張処理部、60…後段色信号処理部、80…給紙装置、100…故障診断部、200,300…基板、202,302…内部回路、204,304…出力バッファ、206,306…入力バッファ、212,312…プルダウン抵抗、214,314…プルアップ抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電子回路モジュールを連結した構成の装置、たとえばプリンタ装置、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を有する複合機などの装置における、前記電子回路モジュールの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理に関する各種装置の開発が活発に行なわれるようになっており、画像をデジタル的に処理するプリンタ装置やデジタル複写機、ファクシミリ装置、原稿の読み取りを行なうスキャナ装置、あるいはそれらの機能を有する複合機などがオフィスなどに広く普及している。これとともに、これらの装置の画像記録や読取りに関する処理速度の向上や、より大きなサイズの原稿を処理したいという要求が高まっている。このような要求を満たすためには、より高速の画像処理や制御が必要とされる。
【0003】
このように高速の画像処理や制御が要求されるようになると、各種の処理をソフトウェアに頼る従来の処理では、このような装置の実現が困難となる。そこで、メカの駆動用や画像処理用あるいはシステム全体の制御用といった様々な目的の処理を行なう各部分をハードウェア(回路モジュール)で構成し、しかも処理を並列化して実質的な処理速度を高めるといった工夫がなされている。これに伴って、ハードウェアの規模がますます増大し、メカ駆動用や画像処理用あるいは制御用といった様々な目的のための各種回路モジュールやこの回路モジュールを搭載した回路基板の数も増加するといった傾向にある。
【0004】
ところで、このような装置では、膨大な数の回路の一部にでも何らかの故障が発生すると画質の低下を招いたり装置そのものが動作しないといったような障害が発生する。また、故障が発生した場合、その発生個所を特定するのに多くの手間と時間を要することがある。また、故障発生箇所として各基板のインタフェース部に用いられる入出力バッファの故障頻度が高い。一般的にはテスターなどの測定装置を用いて主要な個所の電圧や信号波形を監視(モニタ)しながら故障個所の特定を行なうが、このような診断方法では様々な個所の測定を行なわなければならず、故障診断に手間がかかってしまい、作業効率が悪いという問題があった。
【0005】
そこで、より効率のよい診断手法として、装置の起動時などに装置自身が各基板の診断を行なうようにした自己診断システム(Diagnostics system)がある。この自己診断システムでは、たとえば、装置が動作しているときの信号パターンを回路モジュールごとあるいは基板ごとにモニタして予め記憶してある期待値と比較し、故障発生の有無を診断し、故障箇所を特定するようにしている。
【0006】
たとえば、特開2001−111754号には、複数の処理部を有する装置を診断する時、第1の基板から自己診断用の信号を発生し、複数の処理部を通って最後の基板に処理済の信号を格納して正常値と比較し、値が一致しない場合には何れかの基板が故障していると判断し、この場合には、最後の処理部から順に基板の既存の素子をパターンジェネレータとして使用し、個別に基板の診断を行なう方法が開示されている。この方法によれば、個々の測定個所を手作業で計測する必要なく、全体を診断してから故障が発見された場合に個別の診断を行なうので、効率的な自己診断が行なえる。
【0007】
しかしながら、特開2001−111754号に記載の方法では、回路モジュールや基板のインタフェース部に故障が発生した場合、信号の入力側および出力側の何れに故障が発生したかを切り分けることができない。
【0008】
この問題を解消する方法としては、たとえば、図11に示すような方法が考えられる。図11は、相互に接続される基板間のインタフェース部に故障診断システムを適用し、基板ごとに入出力信号のパターンを期待値比較して何れの基板のインタフェース部に故障が発生したかを特定する一例を示す図である。
【0009】
図11に示すように、この故障診断システムは、2つの基板200,300が相互接続されており、この2つの基板200,300の故障の有無を判断する故障診断部100を備えている。
【0010】
一方の基板200(基板A)には、メカ駆動用や画像処理用あるいは制御用といった様々な目的のための各種電子回路である内部回路202、基板200から他方の基板300(基板B)に出力される内部回路202の信号をドライブする出力バッファ204、基板300から基板200に入力される信号を受け取り内部回路202に渡す入力バッファ206が設けられている。出力バッファ204,304や入力バッファ206,306の内部には、信号線に対応して個々のバッファが設けられているのはいうまでもない。
【0011】
同様に、他方の基板300(基板B)には、内部回路302、基板300から基板200(基板A)に出力される内部回路302の信号をドライブする出力バッファ304、基板200から基板300に入力される信号を受け取り内部回路302に渡す入力バッファ306が設けられている。
【0012】
故障診断部100は、2つの基板200,300における入出力信号をモニタしてそれぞれ期待値比較することで、どちらの基板側に故障が発生したかを診断する。この故障診断部100では、基板200,300間の入出力信号を基板200側と基板300側のそれぞれで一定期間取り込み、予め記憶してある期待値と比較することで故障発生の有無および故障発生時はどちらの基板が故障したかを特定する。たとえば、基板200の出力バッファ204から出力された信号パターンが期待値と一致しなかった場合は基板200側の出力バッファ204または内部回路202に故障が発生したと診断する。
【0013】
一方、基板200の出力バッファ204から出力された信号パターンは期待値と一致し、基板300の入力バッファ306から出力された信号パターンが期待値と一致しなかった場合は基板300側の入力バッファ306またはワイヤハーネス(ケーブル)に故障が発生したと診断する。このように、相互接続されている基板のインタフェース部における各バッファの出力部をモニタして期待値比較することにより、故障発生の有無および故障発生時はどちらの基板が故障したかを知ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示したような方式では、両回路モジュールや基板のインタフェース部からモニタ用の信号線を配線する必要があるため、配線数の増加と基板面積の増大を招き、それに伴って診断部の回路規模も増大するという問題がある。配線数を削減するために、一方の基板の出力バッファから出力された信号パターンのみをモニタする場合は、この信号が入力されるもう一方の基板での入力バッファの故障が検出できず、また一方の基板の入力バッファから出力される信号パターンのみをモニタする場合は、もう一方の基板の対応する出力バッファとの故障切分けができない。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、相互接続された回路モジュールや基板間のインタフェース部の故障を、より簡易な構成で検出できる故障検出装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る故障診断装置は、相互接続された複数の回路モジュールを備えた装置における回路モジュールの故障を診断する故障診断装置であって、先ず、信号送出側の回路モジュールの出力に対して、プルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の何れか一方を設けた。そして、これに対応するように、信号送出側の回路モジュールからの信号を受信する信号受信側の回路モジュールの入力に対して、プルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の他方を設けた。つまり、出力バッファおよび入力バッファの各出力にプルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを互い違いにして設ける構成とした。
【0017】
また、回路モジュールの故障を診断する故障診断部は、信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの両出力を監視するのではなく、信号受信側の回路モジュールの入力信号を監視することにより回路モジュールの故障の有無を診断する構成とする。故障の有無を診断する際には、監視した入力信号の値と予め記憶してある期待値とを比較すればよい。
【0018】
ここで、「信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの両出力を監視するのではなく信号受信側の回路モジュールの入力信号を監視する」というのは、信号送出側の回路モジュールの出力信号をモニタする出力側モニタ線と信号受信側の回路モジュールの入力信号をモニタする受信側モニタ線とを独立(専用)に設けるのではなく、受信側モニタ線(事実上受信側モニタ線のみ)による監視を行なうことを意味する。なお、装置構成によっては、出力側モニタ線と受信側モニタ線とを共用する構成となり得るが、このような構成は、各モニタ線を独立(専用)に設けた構成ではなく、事実上受信側モニタ線のみで監視を行なう上記の定義に含まれる。
【0019】
また、従属項に記載された発明は、本発明に係る故障診断装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0020】
【作用】
上記構成の故障診断装置において、プルダウン抵抗やプルアップ抵抗は、回路モジュールが故障した際、信号送出側の回路モジュールの出力や信号受信側の入力を固定するように作用する。
【0021】
この結果、信号受信側の入力のみを監視して得た信号の値と予め記憶してある期待値とを比較することで、回路モジュールの故障の有無を判断することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る故障診断装置の一実施形態を備えた画像形成装置の概略を示す図である。
【0024】
画像形成装置7は、大まかに、画像読取装置10、画像形成装置30、および給紙装置80から構成されている。この画像出力端末7は、たとえば複写装置能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
【0025】
たとえば、画像形成装置7は、接続ケーブル90を介してネットワークに接続可能になっている。接続ケーブル90は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LAN8という)により、パソコン3a、カラースキャナ3b、デジタルカメラ3c、またはハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置3dなど、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを作成したり編集などの処理をする画像入力端末3に接続される。
【0026】
あるいは、一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )9を介してFAX装置3eなどの画像入力端末3に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
【0027】
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像形成装置7で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。またたとえば、パソコン3aで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像形成装置7に送られる。
【0028】
PDLで作成されているデータ(PDLデータ)は、ページ内の任意位置の画像、図形、文字を表現する描画命令およびデータを任意の順で配置した命令およびデータ列で構成されている。このPDLデータを受け取った画像形成装置7は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してからプリンタエンジン部にそのラスタデータを出力する。
【0029】
また、画像形成装置7は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイス3gなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3f,3gからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3f,3gを介してリモートで画像形成装置7を制御することもできるようになっている。
【0030】
このように、画像形成装置7は、装置外の画像入力端末3からデータを受け取って印刷出力するため、画像入力端末3のそれぞれとの間で通信する回路部材を搭載したインタフェース基板を装置内部に装着可能となっている。このインタフェース基板は常に本体に搭載されている必要はなく、必要に応じて取り付け得るよう着脱自在な構成となっている。
【0031】
また、装置内の回路モジュールは、所定ブロックごとの基板単位で他の回路モジュールと交換自在に構成されている。性能向上や機能変更に柔軟に対応するためである。
【0032】
画像読取装置10は、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙するドキュメントフィーダ12と、タッチパネルが設けられ表示機能も備えた操作パネル(ユーザインタフェース)14と、装置に対する種々の設定をする操作キー16とを含む。
【0033】
画像形成装置30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板38とを含む。画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像処理システム1をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
【0034】
処理基板38には、画像形成装置30用の処理部(特に画像処理部)だけでなく、画像形成装置7全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、画像形成装置7内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル14、図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82など制御する回路が搭載される。この処理基板38には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
【0035】
たとえば、画像読取装置10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表すアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、画像形成装置30へ送る。この画像読取装置10の読み取りに同期して、用紙が複数(A4,B4,A3)の給紙トレイ82の内の何れかから画像形成装置30へ給紙されると、画像形成装置30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に画像読取装置10が読み取った画像を形成する。両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取装置10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的に、あるいは1ページごとにソートされる。
【0036】
なお、画像形成装置7は、画像読取装置10にて読み取った画像の印刷機能すなわち複写装置能に限らず、接続ケーブル90を介してパソコン3aなどの画像入力端末3から取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線9および接続ケーブル90を介して受信したFAXデータに基づいて印刷出力するFAX機能も備える。
【0037】
図2は、画像形成装置7における画像処理機能を示すブロック図である。図示するように、画像形成装置7は、画像読取装置10や画像形成装置30の他に、装置の起動時などに装置自身が各回路モジュールやこの回路モジュールが搭載された基板の診断を行なう故障診断部100を備えている。この故障診断部100の機能については、後で詳しく説明する。
【0038】
画像読取装置10は、スキャナ部20と読取信号処理部22とを有する。スキャナ部20は、たとえばCCD(電荷転送型の固体撮像素子)からなるラインセンサ(イメージセンサ)で読取台上に載置された原稿を読み取り、この読み取った入力画像を赤R、緑G、青Bの各色成分のデジタル画像データに変換し読取信号処理部22に送る。
【0039】
読取信号処理部22は、たとえばシェーディング補正部24や入力階調補正部26、あるいは図示しない増幅部やA/D変換部などを有している。ラインセンサからの赤、緑、青のアナログ画像信号は増幅部で所定のレベルまで増幅され、A/D変換回路でデジタル画像データに変換される。シェーディング補正部24は、このデジタル画像データに対し、ラインセンサの画素感度バラツキの補正や光学系の光量分布特性に対応したシェーディング補正を施す。入力階調補正部26は、シェーディング補正されたデジタル画像データに対し階調特性を調整した後画像形成装置30の前段色信号処理部40に入力する。
【0040】
画像形成装置30は、プリント出力信号処理系統として、前段色信号処理部40と、イメージ圧縮伸張処理部(イメージ圧縮伸長プロセッサ)50と、後段色信号処理部60と、画像形成ユニット32の主要部であるプリントエンジン70とを有する。前段色信号処理部40と、イメージ圧縮伸張処理部50と、後段色信号処理部60とが処理基板38(図1参照)上に電気回路として構成される。
【0041】
前段色信号処理部40は、たとえば入力色変換部42、画像受取部の一例である外部インタフェース部43、画像情報領域分離部44、出力色変換部46、および下色除去部48を有する。この前段色信号処理部40においては、先ず画像読取装置10の読取信号処理部22からの赤、緑、青のデジタル画像データ(色信号)を一旦図示しないページメモリに記憶する。そして、画像形成ユニット32にて使用する色材の分光特性に対する色補正処理(これを特に前段階の色補正処理という)を施すことで、色濁りを防止する。入力色変換部42は、デジタル画像データを、外部機器との色情報交換に適した色信号、たとえば均等色空間の明度信号L*並びに彩度および色相を表す色度信号a*,b*(以下纏めてLab信号ともいう)に変換する。
【0042】
画像形成装置7をプリンタとして使う場合には、外部インタフェース部43は、画像入力端末3側にて用意されたドキュメントDOCを表すPDLデータを、出力単位ごと(1ページごと)にLab信号でレンダリング(描画展開)する。同様に、画像形成装置7をカラーFAX装置として使用する場合には、外部インタフェース部43は、FAX装置3eからFAXデータを受信し、FAX画像をLab信号にてラスタライズする。次いで、このLab信号に基づいて、たとえば画像情報領域分離部44は画像領域(絵文字)分離処理を施し、編集処理部45は色編集処理やモアレを除去したり中間調データを平滑化する平滑化処理あるいは画像拡大や画像縮小などの画像編集処理を施す。
【0043】
その後、出力色変換部46は、Lab信号を、減法混色用に適した色信号に変換する。たとえば、出力色変換部46は、Lab信号で表されるLab表色系から、たとえばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色信号で表されるYMC表色系、あるいはこれにブラック(K)を加えたCMYK表色系へのマッピング処理をし、プリント出力用に色分解されたラスタデータを生成する。また、下色除去部48は、このようなラスタデータ化の処理に際して、カラー画像のCMY成分を減色するアンダーカラー除去処理(UCR;Under Color Removal )をする。なお、下色除去部48は、さらに減色されたCMY成分を部分的にK成分と交換するグレー成分交換(墨生成)処理(GCR;Gray Component Replacement)をする。また、下色除去部48は、入力画像の下地濃度に応じて、YMCKの各色の画像データのうちの所定の下地濃度以下の画像データをカット(無効化)する下地除去処理を施す。そして、これら一連の処理(前段色信号処理)が施されたデジタル画像データは、イメージ圧縮伸張処理部50に入力される。
【0044】
イメージ圧縮伸張処理部50は、印刷イメージをたとえばJPEGなどの圧縮画像フォーマットで圧縮し、不揮発性の記憶媒体の一例であるハードディスク装置(HDD;Hard Disc Device)54に一時的に格納(圧縮保存)したり、圧縮保存された印刷イメージを伸長するために使用する。このため、イメージ圧縮伸張処理部50は、たとえば、符号化部52および復号化部56を備える。
【0045】
符号化部52は、図示しないパラメータ設定部により設定された符号化パラメータを用い、たとえばDCT(Discrete Cosine Transform )などの直行変換符号化やベクトル量子化などの方法により符号化して非可逆圧縮して符号化画像データ(符号化色信号)を生成する。符号化部52により非可逆圧縮されたY,M,C,Kの各色の符号化画像データは、画像格納部の一例であるハードディスク装置54に略同時に書き込まれる。
【0046】
次いで、プリントエンジン70の図示しない先端検出器からの先端検出信号(副走査方向の印字始点を示す信号)に同期して、ハードディスク装置54からY,M,C,Kの各色の符号化画像データが順次一定間隔をおいて読み出され復号化部56に入力される。復号化部56は、このY,M,C,Kの各色の符号化画像データを、図示しないパラメータ設定部により設定された符号化パラメータを用い、符号化部52における符号化に対応する復号化をして、元の画像データ(復号化色信号)に戻す。
【0047】
後段色信号処理部60は、イメージ圧縮伸張処理部50からのデジタル画像データに対して印刷出力用の色補正処理を施し(これを特に後段の色補正処理という)、この色補正処理が施されたデジタル画像データに基づいて、印刷用の2値化データを生成し画像形成ユニット32に渡す。このため、後段色信号処理部60は、画像編集部62、MTF補正部64、出力階調補正部66、および中間調生成部68を有する。
【0048】
画像編集部62は、イメージ圧縮伸張処理部50からのデジタル画像データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をする。また、画像編集部62は、エッジ強調用空間フィルタを用いて、復号化部56から順次一定間隔をおいて読み出されたY,M,C,Kの各色の復号化画像データをエッジ強調処理することで、画像のシャープネスを調整する。
【0049】
MTF補正部64は、画像の空間周波数特性を補正する。出力階調補正部66は、エッジ強調およびMTF補正されたY,M,C,Kの各色のデジタル画像データを、たとえばルックアップテーブルを参照しガンマ補正する。また、出力階調補正部66は、プリント出力信号処理系統の内部の特性値である濃度あるいは明度を表す各色の画像データY,M,C,Kを、プリントエンジン70の特性値の面積率に応じて、色補正処理(TRC処理;Tone Reproduction Correction)する。
【0050】
中間調生成部68は、前述の各処理が施されたデジタル画像データに基づいて、ハーフトーニング処理をして疑似中間調画像を表す2値化データを得、この2値化データを画像形成ユニット32に渡す。
【0051】
なお、後段色信号処理部60の全体もしくは画像形成ユニット側の一部(たとえば中間調生成部68)は、エンジン側の信号処理部(後述する図5の信号処理部820に相当)として画像形成ユニット32に組み込まれることもある。この場合、外部入力系統の画像データが、前段色信号処理部40やイメージ圧縮伸張処理部50などを介さずに、図示しないビデオセレクタなどを介してプリントエンジン70すなわち画像形成ユニット32に入力される構成となる。この場合、従来であれば、予め外部で画像形成ユニット32(詳しくはプリントエンジン70)の特性に合わせた色調合わせなどの処理を事前に行なってから、画像形成ユニット32に画像データを渡さなければならなかった。
【0052】
画像形成ユニット32は、その主要部であるプリントエンジン70と、このプリントエンジン70の主にメカニカルな動作を制御するためのIOTコントローラ72とを有する。プリントエンジン70は、たとえば電子写真プロセスを利用するものであるのがよい。なお、プリントエンジン70は、前述のように、電子写真方式のものに限らず、たとえば感熱式プリンタやインクジェットプリンタまたは粒子線写真プリンタなどで実施することもできる。
【0053】
電子写真プロセスを利用するものの場合、プリントエンジン70は、光走査装置を備える。たとえばプリントエンジン70は、光ビームを発するレーザ光源74と、後段色信号処理部60から出力された印刷用の2値化データに従ってレーザ光源74を制御すなわち変調するレーザ駆動部76と、レーザ光源74から発せられた光ビームを感光性部材(たとえば感光体ドラム)79に向けて反射させるポリゴンミラー(回転多面鏡)78とを有する。
【0054】
この構成により、プリントエンジン70は、レーザ光源74が発生する光ビームをポリゴンミラー78上の複数の面で反射させて感光性部材79を露光し、スキャン走査によって感光性部材79上に潜像を形成する。潜像が形成されると、当該技術分野で公知の多数の方法のうち任意の方法に従って像を現像し、さらに所定の印刷媒体に転写してカラー画像を可視像として出力する。得られた印刷物は、図示しない定着器により定着され、印刷用紙は両面複写のために両面複写ユニット34(図1参照)により裏返されるか、または直ぐに排紙ユニット36(図1参照)へ引き渡され排紙される。
【0055】
上述した画像読取装置10や画像形成装置30の各機能部分(電子回路モジュール)は、それぞれ独立の回路基板に配されていてもよいし、電気信号的に連続した複数の回路モジュールを単位として回路基板に配されてもよい。たとえば、読取信号処理部22、前段色信号処理部40、イメージ圧縮伸張処理部50、後段色信号処理部60を単位として、それぞれ独立した回路基板に配されるような形態である。
【0056】
図3は、図1に示した画像形成装置7における故障診断機能の第1実施形態を説明する図であり、全体として、本発明に係る故障診断装置1のブロック図を示している。
【0057】
画像形成装置7には、先ず本発明に係る故障診断装置1の主要部である故障診断部100が備えられるとともに、2つの基板200,300が相互接続されている。2つの基板200,300は、図2に示した回路モジュール(機能部)の何れかが搭載されている。
【0058】
2つの基板200,300は、先ず従来技術の図11で示したものと同様に、信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの間を出力バッファや入力バッファを介して接続する構成としている。すなわち、基板200(基板A)には、目的に応じた回路モジュールを有する内部回路202、この基板200から基板300(基板B)に出力される内部回路202の信号をドライブする出力バッファ204、基板300から基板200に入力される信号を受け取り内部回路202に渡す入力バッファ206が設けられている。同様に、基板300(基板B)には、内部回路302、この基板300から基板200(基板A)に出力される内部回路302の信号をドライブする出力バッファ304、基板200から基板300に入力される信号を受け取り内部回路302に渡す入力バッファ306が設けられている。
【0059】
2つの出力バッファ204,304としては、図11に示したものと異なり、出力をハイインピーダンス状態(ディセーブル;disenable )に切替設定することが可能な3ステート型のものを用いる。この3ステート型の出力バッファ204,304の出力イネーブル(enable)端子OEのそれぞれには、イネーブル信号線を介して故障診断部100からイネーブル信号CN1,CN2が印加されている。たとえば、出力バッファ204,304は、イネーブル信号CN1,CN2がハイ(High)のときには能動状態(イネーブル)となり入力信号をそのまま出力する一方で、ロー(Low )のときには入力信号に拘わらずハイインピーダンス状態(ディセーブル)となる。
【0060】
また、この第1実施形態の故障診断装置1は、基板200において、出力バッファ204の出力信号線と接地端子GNDとを接続するプルダウン抵抗212と、入力バッファ206の出力信号線と電源端子VDDとを接続するプルアップ抵抗214とを備える。同様に、基板300において、出力バッファ304の出力信号線と接地端子GNDとを接続するプルダウン抵抗312と、入力バッファ306の出力信号線と電源端子VDDとを接続するプルアップ抵抗214とを備える。プルダウン抵抗212,312やプルアップ抵抗214,314の内部には、信号線に対応して個々の抵抗素子が設けられているのはいうまでもない。
【0061】
故障診断部100は、図11に示した構成と異なり、モニタ(監視)する信号線数を削減する目的で、2つの基板200,300における入力バッファ206,306からの出力信号、つまり内部回路202,302の信号入力側からの信号だけを入力側モニタ線を介して一定期間取り込み、予め記憶してある期待値と比較することにより、故障発生の有無および故障発生時はどちらの基板や内部回路202,302が故障したかを特定する。この際、必要に応じて、イネーブル信号CN1,CN2をハイ/ローに切り替えることで、3ステート型の出力バッファ204,304をイネーブル(能動状態)にしたりディセーブル(出力をハイインピーダンス状態)にしたりする。
【0062】
図4は、第1実施形態の故障診断装置1における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【0063】
先ず、故障診断部100は、入力バッファ206,306からの出力信号パターンを一定期間取り込み(S100)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なう(S102)。信号パターン取込タイミングは、図示しない電子機器全体のメイン制御システムのプログラムから指示される。また、取込期間は、この期間中に各信号線の出力は必ず一度はローからハイへ、またはハイからローへ変化するように設定する。
【0064】
故障診断部100は、取り込んだ各信号パターンと期待値とが異なっている場合、故障発生と判定し、その故障時の信号パターンに応じてさらにどの部分に故障が発生しているのかを特定する。たとえば、期待値と異なっている信号線の値が全てローならば、出力バッファ204,304側の故障か、これに対応する出力バッファ204,304に信号を入力する内部回路202,302(つまり信号送出側の内部回路)に“Stack−at−0”の故障が発生していると判定する(S110)。この場合、少なくても、故障発生箇所が、信号送出側の基板であるのか信号受信側の基板であるのかを特定(峻別)することができる。
【0065】
一方、期待値と異なっている信号線の値が全てハイならば、入力バッファ206,306の故障か、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に“Stack−at−1”の故障が発生していると判定する(S120)。この場合、入力バッファ206,306側の基板か出力バッファ204,304側の基板のどちらが故障しているかを切り分けることができない。そこで、故障診断部100は、期待値と異なっている信号線をドライブしている出力バッファ204,304のイネーブル信号CN1,CN2をローにして出力バッファ204,304をディセーブル状態にし(S122)、この時の信号パターンを再度取り込む(S124)。
【0066】
そして、故障診断部100は、信号パターンから故障場所を特定する(S126)。たとえば、取り込んだ値が全てローであれば、出力バッファ204,304に接続されるプルダウン抵抗212,312によるローレベルが入力バッファ206,306に入力されて、それが入力バッファ206,306より出力されたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306が正常動作していると判定することができる。そこで、故障診断部100は、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に“Stack−at−1”の故障が発生していたと判定する(S128)。一方、取り込んだ値が全てハイであれば、入力バッファ206,306の故障により入力バッファ206,306に接続されるプルアップ抵抗214,314によりハイレベルが取り込まれたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306に故障が発生していたと判定する(S129)。
【0067】
一方、ステップS102の判定において、期待値と異なっている信号線の値が上記以外であれば、故障診断部100は、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に故障が発生して正しい論理値が出力されていないと判定する(S130)。
【0068】
以上説明したように、第1実施形態の故障診断装置1によれば、入力バッファ206,306および出力バッファ204,304の出力をそれぞれモニタすることなく、入力バッファ206,306の出力信号線側(つまり信号受信側の内部回路の入力側)だけをモニタするという簡易な構成で、相互接続された基板間のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)の故障を検出することができる。つまり、図11に示したような構成に比べて、配線数を低減することができ、その分だけ基板面積や診断部の回路規模を低減することができる。
【0069】
また、信号送出側の回路モジュールと信号受信側の回路モジュールとの間を出力バッファや入力バッファを介して接続しつつ、故障診断のためにモニタする信号線数を上述のように削減した構成においても、出力バッファ204,206をイネーブル/ディセーブルに切り替えることと組み合わせることで、故障時の信号パターンの違いに拘わらず、何れの基板で故障が生じているのかを切り分けることや、基板内のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)での故障なのか内部回路202,302の故障なのかを切り分けること、つまり基板内の故障個所を特定することを確実に実現することができる。
【0070】
出力バッファ204,206をディセーブルに切り替えることは、基板を接続しているワイヤハーネスを取り外すことと等価であるが、このことを出力イネーブル端子OEを電子的に制御することで実現することができるので、ワイヤハーネスを取り外す作業が不要で作業効率がよく、故障診断の自動化に適する構成となる。
【0071】
図5は、故障診断装置1の第2実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の構成では、出力バッファ204,304にプルダウン抵抗212,312を、入力バッファ206,306にプルアップ抵抗214,314を接続したものであったが、この第2実施形態は、出力バッファ204,304にプルアップ抵抗214,314を、入力バッファ206,306にプルダウン抵抗212,312を接続した構成である。なお、故障診断部100による出力パターン取込み方法については、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0072】
この第2実施形態の構成は、プルアップとプルダウンの配置が第1実施形態と異なるものの、出力信号線に対して出力バッファを介して出力し、かつ入力バッファを介して入力信号線に信号を取り込む構成としつつ、出力バッファおよび入力バッファの各出力に前記のプルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを互い違い(一方にはプルダウン、他方にはプルアップ)にして配する構成である点では、第1実施形態と共通する。
【0073】
図6は、第2実施形態の故障診断装置1における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【0074】
先ず、故障診断部100は、入力バッファ206,306からの出力信号パターンを一定期間取り込み(S200)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なう(S202)。故障診断部100は、取り込んだ各信号パターンと期待値とが異なっている場合、故障発生と判定し、その故障時の信号パターンに応じてさらにどの部分に故障が発生しているのかを特定する。たとえば、期待値と異なっている信号線の値が全てハイならば、出力バッファ204,304側の故障か、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に“Stack−at−1”の故障が発生していると判定する(S210)。この場合、少なくても、故障発生箇所が、信号送出側の基板であるのか信号受信側の基板であるのかを特定(峻別)することができる。
【0075】
一方、期待値と異なっている信号線の値が全てローならば、入力バッファ206,306の故障か、出力バッファ204,304に信号を入力する内部回路202,302に“Stack−at−0”の故障が発生していると判定する(S220)。この場合、入力バッファ206,306側の基板か出力バッファ204,304側の基板のどちらが故障しているか切り分けができない。そこで、故障診断部100は、期待値と異なっている信号線をドライブしている出力バッファ204,304のイネーブル信号CN1,CN2をローにして出力バッファ204,304をディセーブル状態にし(S222)、この時の信号パターンを再度取り込む(S224)。
【0076】
そして、故障診断部100は、信号パターンから故障場所を特定する(S226)。たとえば、取り込んだ値が全てハイであれば、出力バッファ204,304に接続されるプルアップ抵抗214,314によるハイレベルが入力バッファ206,306に入力されて、それが入力バッファ206,306より出力されたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306が正常動作していると判定できるので、出力バッファ204,304に信号を入力する内部回路202,302に“Stack−at−0”の故障が発生していたと判定する(S228)。一方、取り込んだ値が全てローであれば、入力バッファ206,306の故障により入力バッファ206,306に接続されるプルダウン抵抗212,312によるローレベルが取り込まれたことになるので、故障診断部100は、入力バッファ206,306に故障が発生していたと判定する(S229)。
【0077】
一方、ステップS202の判定において、期待値と異なっている信号線の値が上記以外であれば、故障診断部100は、出力バッファ204,304に信号を入力する信号送出側の内部回路202,302に故障が発生して正しい論理値が出力されていないと判定する(S230)。
【0078】
以上説明したように、第2実施形態の故障診断装置1によれば、ステップS202,S226における信号パターンの判定極性が第1実施形態と逆ではあるものの、第1実施形態と同様に、入力バッファ206,306および出力バッファ204,304の出力をそれぞれモニタすることなく、入力バッファ206,306の出力信号線側(つまり信号受信側の内部回路の入力側)だけをモニタするという簡易な構成で、相互接続された基板間のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)の故障を検出することができる。
【0079】
また、出力バッファ204,206をイネーブル/ディセーブルに切り替えることと組み合わせることで、故障時の信号パターンの違いに拘わらず、何れの基板で故障が生じているのかや、基板内のインタフェース部(出力バッファ204,304や入力バッファ206,306)での故障なのか内部回路202,302の故障なのかをも、つまり基板内の故障個所を特定することも、確実に実現できる。
【0080】
図7は、故障診断装置1の第3実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の構成では、出力バッファ204,304にプルダウン抵抗212,312を、入力バッファ206,306にプルアップ抵抗214,314を接続したものであったが、この第3実施形態は、基板の入力側に入力バッファ206,306を備えておらず、入力信号線にプルアップ抵抗214,314のみを接続した構成である。なお、この第3実施形態のように、基板の入力側に入力バッファ206,306を備えない構成は、第1実施形態の変形に限らず、第2実施形態に対する変形として構成することもできる。
【0081】
この第3実施形態の構成では、入力バッファ206,306を備えていないので、第1あるいは第2実施形態で示したような、入力バッファ206,306とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法を活用することができない。しかしながら、判定処理の一例をフローチャートで示すことは割愛するが、少なくても、信号を送出する回路側の内部回路202,302と出力バッファ204,304の故障を峻別して特定することは可能である。
【0082】
図8は、故障診断装置1の第4実施形態を示すブロック図である。第3実施形態の構成では、出力バッファ204,304として3ステート型のものを使用していたが、この第4実施形態では、3ステート型のものではないとともに、入力が不定のとき出力がローもしくはハイという固定した値を出力するものを使用する。なお、この第4実施形態のように、3ステート型のものではなく、かつ入力が不定のとき固定した値を出力するものを使用する構成は、第3実施形態と組み合わせることに限らず、第1や第2実施形態と組み合わせることもできる。
【0083】
この第4実施形態の構成では、第3実施形態の構成と同様に、入力バッファ206,306を備えていないので、入力バッファ206,306とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法を活用することができない。また、出力バッファ204,304をディセーブルにして判定する手法を用いることもできない。
【0084】
しかしながら、少なくても、信号を送出する回路側の故障の有無を検出することは可能である。また、出力信号パターンを一定期間取り込み(S100,S200)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なったとき(S102)、取り込んだ信号パターンが前記の固定した値のままであれば、出力バッファ204,304に信号を送り込む内部回路202,302の故障の可能性が高いと判定することができる。また、取り込んだ信号パターンが前記の固定した値と逆極性であれば、出力バッファ204,304に故障がある可能性が高いと判定することができる。
【0085】
図9は、故障診断装置1の第5実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の構成では、出力バッファ204,304にプルダウン抵抗212,312を、入力バッファ206,306にプルアップ抵抗214,314を接続したものであったが、この第5実施形態は、基板の出力側に出力バッファ204,304を備えておらず、出力信号線にプルダウン抵抗212,312のみを接続した構成である。なお、この第5実施形態のように、基板の出力側に出力バッファ204,304を備えない構成は、第1実施形態の変形に限らず、第2実施形態に対する変形として構成することもできる。
【0086】
この第5実施形態の構成では、出力バッファ204,304を備えていないので、第1あるいは第2実施形態で示したような、出力バッファ204,304とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法や、出力バッファ204,304をディセーブルにして判定する手法を用いることができない。しかしながら、判定処理の一例をフローチャートで示すことは割愛するが、少なくても、信号を受け取る回路側の内部回路202,302と入力バッファ206,306の故障を峻別して特定することは可能である。
【0087】
図10は、故障診断装置1の第6実施形態を示すブロック図である。この第5実施形態の構成は、第3および第5実施形態を組み合わせたもので、基板の出力側の出力バッファ204,304を備えておらず、さらに基板の入力側の入力バッファ206,306も備えていない構成である。プルダウン抵抗212,312とプルアップ抵抗214,314の抵抗比(大小のどちらでもかまわない)は、たとえばできるだけ大きくする、あるいはほぼ等しい値とするなど、判定のアルゴリズムと対応させたものとすればよい。
【0088】
この第6実施形態の構成では、出力バッファ204,304も入力バッファ206,306も備えていないので、第1あるいは第2実施形態で示したような、出力バッファ204,304とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法や出力バッファ204,304をディセーブルにして判定する手法を用いることができないし、入力バッファ206,306とプルダウン抵抗212,312あるいはプルアップ抵抗214,314を備えていることによる判定手法を活用することもできない。
【0089】
しかしながら、判定処理の一例をフローチャートで示すことは割愛するが、出力信号パターンを一定期間取り込み(S100,S200)、予め記憶してある期待値と逐次比較を行なったとき(S102)、取り込んだ信号パターンが、プルダウン抵抗212,312とプルアップ抵抗214,314の抵抗比で定まる信号として得られた場合には、内部回路202,302がともにオープンモードの故障であると判定することができる。また、取り込んだ信号パターンが、プルダウン抵抗212,312とプルアップ抵抗214,314の抵抗比で定まる信号として得られない場合には、内部回路202,302がともにショートもしくは比較的低インピーダンス状態の故障であると判定することができる。何れの故障の場合でも、基板を接続しているワイヤハーネスを取り外すことで、何れの基板側の内部回路202,302の故障であるのかを特定することができる。
【0090】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0091】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0092】
たとえば、上記実施形態では、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録する画像形成装置に対して本発明に係る故障診断装置を適用した事例を説明したが、本発明に係る故障診断装置の適用範囲は、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に限るものではない。たとえば感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいはその他の同様な従来の画像形成機構を備えたエンジンにより普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する構成の画像形成装置を備えた画像形成システムに本発明を適用し得る。
【0093】
また、画像形成装置に限らず、一般的にある情報を複数の回路モジュールや回路基板を用いて順次処理していく装置におけるこれら回路モジュールや回路基板の故障診断についても、上述した各実施形態の故障診断装置仕組みを同様に適用することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、出力信号線やこの出力信号線からの信号を受け取る入力信号線に対して、プルダウン抵抗とプルアップ抵抗とをペアにして配するとともに、内部回路の入力側からの信号だけを取り込み、予め記憶してある期待値と比較する構成とした。好ましくは、出力信号線に対して3ステート型の出力バッファを介して出力し、かつ入力バッファを介して入力信号線に信号を取り込む構成としつつ、出力バッファおよび入力バッファの各出力に前記のプルダウン抵抗とプルアップ抵抗とを互い違い(一方にはプルダウン、他方にはプルアップ)にして設ける構成とした。
【0095】
これにより、2つの回路モジュールや回路基板を接続した構成において回路モジュールや回路基板の故障を判定する場合に、内部回路の出力側からの信号を取り込まなくてもよくなるので、配線数を低減することができ、その分だけ基板面積や診断部の回路規模を低減することができる。
【0096】
加えて、回路モジュールや回路基板に故障が生じた場合に、その故障の存在を確実に検知することができるとともに、故障が2つの回路モジュールや回路基板の何れで生じているのかを特定することもできる。特に、入力バッファや出力バッファを介した構成では、ワイヤハーネスを取り外すことなく故障が何れで生じているのかを特定することができるので、作業効率がよく、故障診断の自動化に適する構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る故障診断装置の一実施形態を備えた画像形成装置の概略を示す図である。
【図2】画像形成装置における画像処理機能を示すブロック図である。
【図3】故障診断装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の故障診断装置における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】故障診断装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態の故障診断装置における故障診断判定手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】故障診断装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【図8】故障診断装置の第4実施形態を示すブロック図である。
【図9】故障診断装置の第5実施形態を示すブロック図である。
【図10】故障診断装置の第6実施形態を示すブロック図である。
【図11】故障診断システムの一構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…故障診断装置、7…画像形成装置、10…画像読取装置、22…読取信号処理部、30…画像形成装置、40…前段色信号処理部、50…イメージ圧縮伸張処理部、60…後段色信号処理部、80…給紙装置、100…故障診断部、200,300…基板、202,302…内部回路、204,304…出力バッファ、206,306…入力バッファ、212,312…プルダウン抵抗、214,314…プルアップ抵抗
Claims (7)
- 相互接続された複数の回路モジュールを備えた装置における、前記回路モジュールの故障を診断する故障診断装置であって、
信号送出側の前記回路モジュールの出力に対して設けられたプルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の何れか一方と、
前記信号送出側の回路モジュールからの信号を受信する信号受信側の前記回路モジュールの入力に対して設けられた、前記プルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の他方と、
前記信号受信側の回路モジュールの入力信号を監視することにより、前記回路モジュールの故障の有無を診断する故障診断部と
を備えたことを特徴とする故障診断装置。 - 前記信号送出側の回路モジュールの出力側に、当該信号送出側の回路モジュールからの出力信号に基づいて駆動される出力バッファを備え、前記信号送出側の回路モジュールの出力に対して設けられた前記プルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の一方は、前記出力バッファの出力に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。 - 前記出力バッファは、当該出力バッファの出力をハイインピーダンス状態に設定可能な3ステート型のものであり、
前記故障診断部は、前記故障を診断する際に前記出力バッファの出力をハイインピーダンス状態に切替設定することで、前記出力バッファおよび当該出力バッファを駆動する前記信号送出側の回路モジュールの何れに故障が発生したかを特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障診断装置。 - 前記信号受信側の回路モジュールの入力側に、前記信号送出側の回路モジュールからの出力信号に基づいて駆動される入力バッファを備え、前記信号受信側の回路モジュールの入力に対して設けられた前記プルダウン抵抗およびプルアップ抵抗の他方は、前記入力バッファの出力に設けられており、前記故障診断部は、前記入力バッファの出力信号を監視することにより、前記故障の有無を診断する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の故障診断装置。 - 前記信号送出側の回路モジュールと前記信号受信側の回路モジュールとが、それぞれ独立した回路基板に搭載されていることを特徴とする請求項1から4のうちの何れか1項に記載の故障診断装置。
- 前記信号送出側の回路モジュールと前記信号受信側の回路モジュールとが、それぞれ独立した回路基板に搭載されており、
前記出力バッファは、前記信号送出側の回路モジュールが搭載されている前記回路基板に搭載されている
ことを特徴とする請求項2または3に記載の故障診断装置。 - 前記信号送出側の回路モジュールと前記信号受信側の回路モジュールとが、それぞれ独立した回路基板に搭載されており、
前記入力バッファは、前記信号受信側の回路モジュールが搭載されている前記回路基板に搭載されている
ことを特徴とする請求項4に記載の故障診断装置。
Priority Applications (1)
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JP2002259590A JP2004098315A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 故障診断装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006058076A (ja) * | 2004-08-18 | 2006-03-02 | Sharp Corp | 接続判定機構,印刷装置,接続判定方法,接続判定プログラムおよび接続判定プログラムを記録した記録媒体 |
JP2015054485A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-23 | 株式会社リコー | 不具合検出システムと画像形成装置及び不具合検出方法 |
JP2018198364A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | 株式会社リコー | 制御システム、画像形成装置、及び方法 |
-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002259590A patent/JP2004098315A/ja active Pending
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