JP2006041792A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 MFP機(多機能を搭載したデジタルカラー複写機)は、原稿画像データにスキャナ入力過程で、黒文字像域に、C=M=Y=0(白)とする処理を行い印刷出力用のCMYKで画像蓄積する。MFP機から外部PCへの配信時に、蓄積した画像をPC用のRGBに変換するが、RGBに黒文字コードを埋め込むことで、データを引き継ぎ画質の維持を図る。配信時に行う色変換1003では、送信対象のCMYK1100から第1抽出部1101で黒文字像域を抽出し、抽出した黒文字像域の画素に対し、色空間変換部1102でCMYK→RGBとした、RGBに黒文字コード融合部1103でR=G=Bの黒文字コードを埋め込む。R=G=Bを色空間変換部1102で行っても良い。
【選択図】 図11
Description
MFPでは、入力される画像データを、通常、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置に蓄積し、電子ソート等の画像処理機能の拡張、バックアップデータ或いは再コピーへの使用を図るために利用するほか、蓄積データを配信機能及びキャプチャ機能を用いて入出力される画像データの対象にしている。従って、対象となる画像には、コピー機能等の利用時にスキャナ読み取りによって入力した画像データや、プリンタ機能等を利用するためにネットワーク経由で入力されてくる画像データ等、多様な画像データが含まれる。
多くのデジタルカラー複写機は、スキャナ入力画像をCMYK信号へ変換する過程に像域分離機能を持っており、黒文字、色文字、網点部、写真部等、画像の属性による像域分離によって、分離した夫々の像域に適した画像処理を行うことにより、異なる属性が混在する原稿においても、高画質な出力画像が得られるようにしている(無彩色に対する処理については、下記特許文献1、参照)。
カラー画像においては、黒文字部を高品質に再生する黒文字処理への要求が高く、像域分離で識別した黒文字部に対してK単色で再生される処理は必須になっている。CMYで黒文字を再生した場合、C,M,Y間に生じる少しのバランスのずれでも色付いて見えたり、プリンタ出力時に色ずれが生じて黒文字の周りにが色付いて、非常に目に付きやすい劣化につながるが、K単色で再生すればC,M,Yのバランスは関係なく、位置ずれの影響もない(RGBからYMCKへの変換の過程でグレーをK単色で再現する処理については、下記特許文献2、参照)。
また、像域分離は一方で、同じ黒色であっても、黒文字部をK単色で再生するのに対して、写真部は階調性や粒状性を考慮して多くのCMYを使用して黒を再生する。このように、同じ黒を再生する場合でも、大きく異なる処理を像域分離結果によって行うため、黒文字部の識別を誤り、本来同じ属性の像域であるのに、異なる色使いの処理をすると大きな画質の劣化につながる。
クライアントPCからの要求に応えて、外部インターフェースを介してクライアントPCに画像を送信する際、HDDに蓄積された画像がCMYKデータである場合、PC側で画像データを利用するのに都合が良いということから、多くの場合、汎用フォーマットであるRGBデータに変換して送信する(下記特許文献3、参照)。
ここに、HDDには、蓄積するメモリ量を節約するために、スキャナ入力画像をCMYK信号へ変換する過程で用いる像域分離信号を、普通蓄積しない。また、HDDに像域分離信号を蓄積したとしても、CMYKデータに像域分離信号を付けて送信すると、データ量が増える上に汎用性がなくなるといった問題がある。このため、黒文字処理がなされたCMYKデータを、汎用フォーマットであるRGBデータに変換して、外部クライアントPCに送信した後、再び外部クライアントPCから受信して再出力をするときに、黒文字処理がなされず、黒文字の色付きが生じ、画質が劣化する、といった問題を起こす。
なお、像域分離結果を保持するCMYKデータを送受信する際の問題として、画像データに加えて像域分離結果を送信すると、送信情報量が増大するという問題に対し、この解決を図るために、C,M,Yのデータ値に特定の値を設定(それぞれ“0”を設定)することにより送信情報量を増大させることなく、画像データと像域分離結果を送信可能とする方法が上記特許文献4で、提案されている。しかしながら、特許文献4の提案は、情報量の増大を抑えるという問題の解決に留まっており、画像データの入力の過程で黒文字処理を施し、処理後のCMYKデータを、汎用フォーマットであるRGBデータに変換して、外部クライアントPCに送信した後、再び外部クライアントPCから受信して再出力をするという一連の過程で、黒文字処理の結果を利用可能にして、画質の劣化を防ぐ、ということを意図してなされたものではない。
請求項3の発明は、請求項2に記載された画像処理装置において、前記画像処理手段が、入力された原稿画像データをCMYK表色系のデータに処理するとともに、前記黒文字処理として、黒文字の属性を持つ像域に、C=M=Y=0、の処理を施す手段であることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載された画像処理装置において、前記第1の属性抽出手段が、C=M=Y=0のデータ値を持つ像域を黒文字の像域として抽出する手段であり、前記第1の属性抽出手段によって抽出した黒文字の像域に対する、前記データ形式変換手段の変換条件の設定を、R=G=Bとすることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項7に記載された画像処理装置において、前記第2の属性抽出手段によって抽出した黒文字の像域に対する、前記データ形式変換手段の変換条件の設定を、CMYK表色系の黒文字処理とすることを特徴とするものである。
また、原稿画像データをCMYK表色系とし、黒文字の属性を持つ像域を“C=M=Y=0”として黒文字処理の結果を画像データに挿入するようにしたので、情報量を増加させること無く容易に黒文字情報の挿入ができ(請求項3)、また、送信の対象となる蓄積されたCMYK表色系データを送信データとしてRGB表色系データに変換する際に、送信RGBデータにおいて、“R=G=B”の黒文字情報の埋め込みが可能となる(請求項6)。
また、黒文字の属性を持つ像域を“C=M=Y=0”として黒文字処理の結果を画像データに挿入したRGBデータを受信画像データから抽出するようにしたので、容易に黒文字情報の抽出ができ(請求項7)、また、抽出結果に基づいて受信したRGB表色系データのCMYK表色系データへの変換を通して、CMYK表色系の黒文字処理が可能となる(請求項8)。
図1は、本実施形態のデジタルカラー複写機に係わる画像データ処理システムの構成を概略的に示すブロック図である。
コピー機能に用いる要素として、原稿からカラー画像データをスキャナ読み取りする読み取りユニット1、読み取りユニット101が読み取った画像データに対し補正・変換処理を施す、シェーディング補正処理102、RGBγ補正処理103、フィルタ処理105、色補正処理106及び変倍処理107を備える。フィルタ処理105及び色補正処理106では、画像種に応じて処理条件を変えるので、入力画像を各画像種の像域に分離する像域分離処理104(後記で詳述)を設ける。また、補正・変換処理後のカラー・モノクロデータ多値データを圧縮するデータ固定長の圧縮器108、圧縮後のデータを蓄積するHDD114を有する。
プリンタコントローラ113は、原稿読み取りから、読み取り画像データの蓄積、蓄積画像データを用いた印刷出力といったコピー機能を始め、複合機能全体の動作を制御するコントローラとして動作する。従って、動作に必要なデータを格納するための半導体メモリ119を制御下に持つ。なお、半導体メモリ119には、図示のように、カラー画像データの処理の際に色毎に処理領域を独立して確保する。
蓄積された入力画像データの配信機能に用いる要素として、外部インターフェース116の外、上記したコピー、プリンタの各機能を用いる際に生成され、HDD114に蓄積されたデータを、送信先の外部機器(本例では外部PC117)で使用可能な汎用データ形式への変換や、指示された設定による画像データの処理をするデータ形式変換装置115を有する。
また、上記各機能を用いて生成される画像データを用いて印刷出力(画像形成処理)をする場合には、本例では、HDD114に蓄積されたデータを用いる。このために、蓄積した圧縮データを元のデータに戻すために、画像データ種に応じた伸張器を用いる。コピー機能の場合には多値のカラー・モノクロデータを伸張する多値データ固定長伸張器109を、又プリンタ機能の場合にはプリンタコントローラ113にモノクロ用、カラー用の各可変長可逆圧縮データ伸張器を設ける。また、画像形成処理を行うための手段として、伸張後のデータに補正を施すプリンタγ補正処理110及び中間調処理111と、GAVD(書き込みユニット)112を有する。
先ず、原稿読み取り時の処理フローを説明する。
原稿を読み取る場合、原稿台にセットされた原稿を読み取りユニット101のスキャナなどの読み取り装置によって読み取る。読み取られた画像データは、R,G,Bに色分解されたデータとして、シェーディング補正処理102に送られる。
シェーディング補正処理102では、撮像素子(CCDイメージセンサ)の感度ムラ、光源の照明ムラなどを補正する。RGBγ補正処理103では、スキャナからの読取り信号が反射率データから明度データに変換される。
シェーディング補正後のデータに対し、像域分離処理104では、文字部と写真部の判定、及び有彩色、無彩色判定を行う。
そこで、この構成を実現するために必要になる要素である像域分離処理104について、その内部構成を示す図2を参照して、より詳細に説明する。
ここでは、像域を3つの画像種、即ち、“エッジ”、“網点”及び“色”に分離するためにそれぞれの分離部を持つ。エッジ分離部301は、原稿中から文字エッジを検出し、網点分離部302は、原稿中から網点領域を検出し、色分離部303は原稿中から有彩部分を検出し、また、総合判定部304は上記各分離部301〜303の検出結果を受けて、像域分離結果を出力する。
エッジ分離部301と網点分離部302は、此の種の画像処理における公知の方法を適用することが可能で、例えば、特開平10−108012に記載された方法が採用可能である。以下にその概要を説明する。
図3に示す様に、エッヂ分離部301は、3値化処理部401、黒画素連続性検出部402、白画素連続性検出部403及び近傍検出部404よりなる。3値化処理部401は、2種の閾値TH1,TH2を用い、入力画像信号400に対する3値化(白画素<TH1、TH1≦中間調画素<TH2、TH2≦黒画素)を行う。閾値TH1,TH2は、例えば、入力画像信号が0から255までの256階調(0=白)で表される場合に、TH1=20、TH2=80に選ぶことができる。
3値化後の画像信号に対し、黒画素連続性検出部402は、黒画素が連続する箇所を、白画素連続性検出部403は白画素が連続する箇所を、それぞれパターンマッチングにより検出する。このパターンマッチングには、本実施形態では、図4に示す3×3画素のパターンが用いられる。黒画素連続性検出部402は図4の(a)に示したいずれかのパターンにマッチングした注目画素(この例では、3×3画素の中央画素)を黒連続画素とし、同様に、白画素連続性検出部403は図4の(b)に示したいずれかのパターンにマッチングした注目画素(3×3画素の中央画素)を白連続画素とする。
近傍検出部404では、黒画素連続性検出部402及び白画素連続性検出部403の検出結果について、黒連続画素と白連続画素が近傍にあるか否かを調べることにより、エッジ領域と非エッジ領域を判定する。より具体的には、5×5画素単位のサイズのブロック毎に、その内部に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、そのブロックをエッジ領域と判定し、そうでないときに、そのブロックを非エッジ領域と判定する。ここでは、エッジ領域と判定したブロック内の画素に対応して“1”を出力し、非エッジ領域と判定したブロック内の画素に対応して“0”を出力する。
図5を参照して、網点分離回路302を説明すると、極値画素検出部601は、演算により極値画素を検出する。本実施形態では、図6に示すように、3×3画素の中心画素を注目画素として、次の条件A,Bを同時に満たすときに、注目画素を極値画素として検出する。
条件A:中心画素の濃度レベル(L)が周囲のどの画素と比較しても、濃度レベルが高いか、又は低い。
条件B:中心画素の濃度レベル(L)と、中心画素を挟んで対角線上にあるペア画素の濃度レベル(a,b)が、2ペア全てについて、
|2×L−a−b|>TH3
の関係にある。ただし、TH3は固定の閾値である。
網点領域検出部602は、4×4画素を1単位とするブロックにおいて、極値画素検出部601で検出された極値画素が1つ以上存在するならば、同ブロックを網点候補領域と判定し、極値画素が1つも存在しなければ、同ブロックを非網点候補領域と判定する。
さらに、ブロック単位での網点候補領域の判定結果を受けて、最終的な網点/非網点の判定を網点領域補正部603で行う。本実施形態では、図7に示すように、注目ブロック(4×4画素)を中心とした3×3のブロックにおいて、4ブロック以上が網点候補領域であれば、注目ブロックを網点領域と判定し、そうでなけれぱ、注目ブロックを非網点領域と判定する。このとき、網点領域と判定されたフロック内の画素に対応して“1”を出力し、非網点領域とされたブロック内の画素に対応して“0”を出力する。
図8は、色分離部303を示し、同図を参照すると、入力されたRGB画像データ500を色相分割する色相分割部501と、色相分割出力C,M,Yそれぞれを5ライン蓄積する5×5ラインメモリ502C,M,Yと、ラインメモリ502C,M,Yの蓄積データに基づいて無彩(黒画素)か、有彩(色画素)かを判定する色画素判定部503とからなる。色画素判定部503は、C,M,Yのプレーンを独立にカウントしたカウント値と、5×5ラインメモリ502のC,M,Yの全てが“1”或いは全てが“0”以外の画素(色画素)の部分に対して所定のパターンマッチングを行い、得た結果を基に、色画素の判定を行い、有彩(色画素)と判定された画素に対応して“1”を出力し、無彩(黒画素)と判定された画素に対応して“0”を出力する。
総合判定部307は、上記した3つの画像特徴を示す各分離部301〜303から得られた分離結果(1、0)を受けて、総合的な判断を行う。この判定は、図9に示すような規則に従って行う。
つまり、エッジ分離“1”&網点分離“0”&色分離“0”により黒文字領域信号を発生し、エッジ分離“1”&網点分離“0”&色分離“1”により色文字領域信号を発生し、それ以外は、全て絵柄領域信号を発生する。
また、色補正処理106では、RGBデータをCMYKデータへ変換する。このとき像域分離データは、黒文字処理やUCR率の制御に用いられる。
本実施形態では、色補正処理106によって、黒文字と判定された像域の画像データに対する黒文字処理を、“C=M=Y=0”とする、色変換により行う。なお、“C=M=Y=0”とする、この色変換処理は、公知技術を適用することにより実施することができる。
次いで、色補正処理106後のCMYKデータに対し、変倍処理部107で変倍処理を施し、変倍後のCMYK各色データは固定長の圧縮器108によって圧縮される。
固定長の圧縮機108の出力は汎用バスI/F118につながっている。圧縮後のCMYKの画像データは汎用バスI/F118を通って、プリンタコントローラ113に送られる。プリンタコントローラ113は、各色毎に独立した半導体メモリ119を持ち、スキャナ側から送信されてくる圧縮後のCMYKデータをこのメモリに一旦格納し、随時HDD114に蓄積する。
印刷出力をする場合、HDD114内の画像データは、一旦半導体メモリ119に展開され、次に汎用バス118を通してエンジン部に送られる。エンジン部ではカラー・多値データ固定長伸張器109により再びCMYK8ビットの画像データに伸張され、プリンタγ補正110に送られる。プリンタγ補正110では、CMYK各色に対するγ補正を行う。次いで、中間調処理111に渡され、そこで設定に従った処理を行う。
中間調処理111から出力されたデータはGAVD112にてLD(レーザダイオード)による書き込みに用いるデータに変換し、作像ユニットに出力される。作像ユニットでは、潜像、現像、転写、定着といった一連の画像形成プロセスを経て、転写紙出力がなされる。
RIP処理されたCMYKやKの画像はプリンタコントローラ113上の専用の圧縮器によって順次圧縮される。これはRIP後のデータサイズが大きいため圧縮せずにメモリ上に蓄積すると非常にたくさんのメモリを消費するからである。この圧縮後のデータが、HDD114に蓄積される。
此の種のMFP機においては、ネットワークを介してHDD5に蓄積された画像データを外部PC117等に送信し、また、送信した画像データを、例えば印刷出力を要求して再びネットワークを介して戻す、という動作を可能としている。こうした動作を行うときに、原稿画像のスキャナ入力の処理過程で黒文字処理等の像域の属性に応じた画像処理を画像データに施し、蓄積した画像が送信の対象になる場合あるが、このような場合に、従来、黒文字処理の結果が保存されずに画質が劣化する、という問題が発生した(上記[発明が解決しようとする課題]の項、参照)。
以下には、こうした問題を解決するために、ネットワークを介して行われる蓄積画像データの入出力時に画像データに対して施すデータ変換において、黒文字処理の結果が失われない処理方法を用いて画像のデータ形式を変換することにより、その実施を可能とした例を示す。
HDD114に蓄積された画像データを、クライアントとしての外部PC117等で取得し、閲覧、加工といった利用を図るために、HDD114に蓄積されたデータの色空間を、外部PC117等のクライアントで閲覧可能、または、クライアントが要求しているフォーマットに合わせる必要がある。
コピー要求のように、スキャナ入力した画像を印刷出力するためのデータとして蓄積した場合、このデータ変換処理には、図1で示すデータ形式変換装置115内にて「伸張→dpi変換→色空間変換→圧縮」という順で、解像度変換及び色空間変換を施すことが必要になる。こうした処理を施すことで、印刷出力要求に従って処理し、HDD114に蓄積されたデータを、外部PC117等のクライアントで取得し閲覧、加工することが可能となる。
図10は、データ形式変換装置115内の構成を示すブロック図である。データ形式変換装置115は、画像データ伸張器1001と、dpi変換器1002と、色変換部1003と、画像データ圧縮器1004を構成要素とする。
図10に示すデータ形式変換装置115の処理を説明すると、本例では、HDD114に蓄積された画像データは、印刷出力するためのデータとして、CMYKの固定長圧縮データとして蓄積しているので(図1を参照して示した、上記スキャナ入力画像データの処理過程の説明、参照)、まず、画像データ伸張器1001によって固定長圧縮されていた画像データを伸張する。その後、dpi変換器1002によって、外部PC117等のクライアントから要求された解像度への変換を行う。
解像度変換後の画像データに色変換1003を施す。ここでは、蓄積画像データがCMYK表色系で汎用の表色系ではないため、汎用の表色系であるRGB表色系のデータに変換する。
図11を参照して、本例の色変換部1003を説明すると、ここでは、変換の際に、画像データに黒文字の像域を示すコードの埋め込み(融合)を行う。即ち、HDD114に蓄積されたCMYKデータは、上述した様に、黒文字処理が施されており、黒文字像域である場合に、“C=M=Y=0(白)”とすることにより、その像域データが示される。従って、蓄積画像の送信CMYKデータ1100から黒文字像域を抽出する第1抽出部1101を設け、第1抽出部1101によって、画像データ1100から“C=M=Y=0(白)”が検出されたときは、黒文字像域と判断することで、HDDに画像データと別に像域分離信号を蓄積しておかなくても、容易に黒文字領域を抽出することができる。
また、送信CMYKデータ1100は、色空間変換部1102に送られCMYK表色系からRGB表色系に変換がなされる。色空間変換部1102は、例えばテーブル補間法による四次元補間よって色空間変換を行う。ここに用いる色空間変換部1102は、公知技術を適用することにより実施が可能である。
また、色空間変換1102にテーブル補間法などを用いる場合、“C=M=Y=0”の格子点のパラメータは“R=G=B”となるようにパラメータを設定することで、第一抽出部1101や黒文字コード融合部1103を設けなくても、黒文字コードを融合することが可能である。
コード埋め込み後の画像データは、図10中の画像データ圧縮器1004によってJPEG等の汎用圧縮処理を施した後、汎用バス118から外部インターフェース116を介して外部PC117等のクライアントに送信される。
黒文字コード埋め込み画像を外部PC117等のクライアントに送信した後、送信した画像データを、例えば印刷出力を要求して再びネットワークを介して戻す、という動作が行われた場合に、この画像データを受け取るMFP機側で、外部PC117に送信したときのデータへの復元を可能にし、再出力の画像データにおける黒文字処理の画質を保証するようにする。
外部PC117等のクライアントに配信した画像データに対し、クライアントPC側では、画像中のパンチ穴やゴミをマスクしたり、コメント文の追記がなされる。このような編集を受けた画像データは、印刷出力を要求して、クライアントPC側から外部インターフェース116を介して送られてくる。
MFP機側では、受信した画像データを印刷出力処理が可能な形式にデータを変換するために、データ形式変換装置115(図10)を通す。クライアントPC側から送られてくる画像データのフォーマットは、汎用のRGB表色系の画像データで、JPEG等の汎用の圧縮がかけられている。従って、データ形式変換装置115では、図10中の伸張器1001によって画像データにJPEG等の汎用の伸長処理を行う。伸張器1001は、前述したように、送信時には固定長圧縮での伸張や、受信時には、JPEG等の伸張器を行うなど、入力によって、伸張器を切り替えることで対応できるようにする。
伸張器1001によって圧縮されていたデータを伸張した後、dpi変換器1002によって、GAVD112の出力解像度に適合する変換が行われる。
図12は、図10のRGB→CMYK変換を行う色変換部1003内の構成を示すブロック図である。色変換部1003は、黒文字コードを抽出する第2抽出部1201と、色空間変換部1202と、UCR(Under Color Removal)/UCA(Under Color Addition)1203と、黒文字処理部1204を構成要素とする。
図12を参照して、本例の色変換部1003の動作を説明すると、ここでは、変換の際に、黒文字コードの埋め込まれた画像データに黒文字処理を行う。
即ち、受信したRGBデータには、上述した様に、黒文字の画素を、“R=G=B”とすることにより、黒文字コードが埋め込まれている。従って、受信画像データから黒文字コードを抽出する第2抽出部1201で“R=G=B”の抽出をおこない、黒文字像域の判定を行う。
また、受信RGBデータは、色空間変換部1202に入力されて、RGB表色系からCMYK表色系への変換がなされる。色空間変換部1202で変換されたCMYKデータは、さらにUCR/UCA処理1203がなされ、、黒文字処理部1204で黒文字コードにより第2抽出部1201で抽出した像域のCMYKデータを黒文字とする処理を行う。
黒文字処理後のCMYKデータ1205は、図10中の圧縮器1004を固定長の圧縮処理に切り替えて、その圧縮処理を行った後、汎用バスI/F118を介してプリンタコントローラ113に送られる。プリンタコントローラ113は、各色毎に独立した半導体メモリ119に一旦画像データを格納した後、送られたデータを随時HDD114に蓄積する。
蓄積された画像データは、コピー動作時の印刷出力におけると同様に、HDD114内のCMYKの圧縮データを一旦半導体メモリ119に展開し、次に汎用バス118を通して、エンジン部に送られる。エンジン部では、受け取った圧縮データを固定長の伸張器109により再びCMYK8bitの画像データに伸張する。プリンタγ補正部110ではCMYKの各色に対してプリンタγ補正を行い、エンジン部の特性に合わせた補正を行う。次に、中間調処理部111で、GAVD112および作像ユニットに合わせた中間調処理111を行い、GAVD112で書き込みに用いるデータに変換し、作像ユニットに送り込み、転写紙への出力に用いる。
以上のとおり、本実施形態によれば、NIC等の外部インターフェース116を介してクライアントとしての外部PC117等に画像を送信した画像データを、再びクライアントから受信して再出力をおこなう場合でも、簡単な処理で黒文字領域を判定して黒文字処理を施すことで、画質劣化のない黒文字画像が保証される。
113・・プリンタコントローラ、 114・・HDD、
115・・データ形式変換装置、 116・・外部インターフェース
117・・外部PC、 1003・・色変換部。
Claims (8)
- 入力された原稿画像データを画像の属性に従う像域に分離する像域分離手段と、前記像域分離手段により分離された像域の原稿画像データにその属性に応じた画像処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段によって画像処理が施された画像データを蓄積する画像蓄積手段と、ネットワークを介して送受信する画像データに対し、可変の設定条件に従って変換を施すデータ形式変換手段とを有する画像処理装置であって、前記データ形式変換手段が、送信の対象となる前記画像蓄積手段に蓄積された画像データから画像の属性情報を抽出する第1の属性抽出手段と、受信した画像データから画像の属性情報を抽出する第2の属性抽出手段と、送信画像データに対し前記第1の属性抽出手段によって抽出した属性に応じた変換条件を設定し、受信画像データに対し前記第2の属性抽出手段によって抽出した属性に応じた変換条件を設定する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1に記載された画像処理装置において、前記像域分離手段が、黒文字の属性を持つ像域を分離する手段であり、前記画像処理手段が、黒文字の属性を持つ像域に黒文字処理を施す手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項2に記載された画像処理装置において、前記画像処理手段が、入力された原稿画像データをCMYK表色系のデータに処理するとともに、前記黒文字処理として、黒文字の属性を持つ像域に、C=M=Y=0、の処理を施す手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、第1の属性抽出手段、第2の属性抽出手段それぞれが抽出する画像の属性情報を黒文字としたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置において、前記データ形式変換手段が、送信の対象となる前記画像蓄積手段に蓄積されたCMYK表色系のデータをRGB表色系のデータに変換する手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項5に記載された画像処理装置において、前記第1の属性抽出手段が、C=M=Y=0のデータ値を持つ像域を黒文字の像域として抽出する手段であり、前記第1の属性抽出手段によって抽出した黒文字の像域に対する、前記データ形式変換手段の変換条件の設定を、R=G=Bとすることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載された画像処理装置において、前記第2の属性抽出手段が、RGB表色系の画像データにおけるR=G=Bのデータ値を持つ像域を黒文字の像域として抽出する手段であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項7に記載された画像処理装置において、前記第2の属性抽出手段によって抽出した黒文字の像域に対する、前記データ形式変換手段の変換条件の設定を、CMYK表色系の黒文字処理とすることを特徴とする画像処理装置。
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