JP2015054213A - 椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】荷重支持体は、骨格部を成す基板13と、基板13の表面側に配置されるクッション材14と、クッション材14の外側面と基板13の外周縁部とにかけて覆う張材15と、張材15の周縁部に挿通され、張材15がクッション材14の外側面と基板13の外周縁部を覆った状態で、基板13の裏面側で引き締められて端部同士を結束される締付紐条18と、を有する。基板13には、締付紐条18の基板中心方向の変位を規制する第1側壁24及び第1突出壁26と、締付紐条18の基板外側方向の変位を規制する第2側壁25及び第2突出壁27を設ける。
【選択図】図3
Description
この種の椅子の張材の取り付けに際しては、汚損時等に張材を交換性し易いことや、張材の全域に安定した張力を付与し易いことから、締付紐条を用いて張材の周縁部を基板の下面側で窄め、それによって張材をクッション材と基板に固定する手法が多く用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
この椅子においては、締付紐条を基板の下面側でループ状に締め込んで端部同士を結束することにより、張材をクッション材と基板に容易に取り付けることができ、しかも、締付紐条の結束部の長さを管理することにより、張材に作用する張力のばらつきを少なくできるという利点がある。
この原因としては、例えば、基板やクッション材が平面視略矩形状である場合に、張材の周縁部が締付紐条によって締め込まれると、張材の周縁部上の基板やクッション材の角部付近に対応する部位が締付紐条によって最も強く引っ張られるが、張材の周縁部上の隣接する角部間の直線部付近に対応する部位では引っ張り力が相対的に弱くなることから、その部位が張材の張力によって部分的に外側に拡がろうとするように変位するものと予測される。
骨格部を成す基板と、該基板の表面側に配置されるクッション材と、少なくとも前記クッション材の外側面と前記基板の外周縁部とにかけて覆う張材と、該張材の周縁部に挿通され、該張材が前記クッション材の外側面と前記基板の外周縁部を覆った状態で、前記基板の裏面側で引き締められて端部同士を結束される締付紐条と、を有する荷重支持体を備えた椅子において、前記基板には、引き締められた前記締付紐条の基板中心方向の変位を規制する第1の係止手段と、引き締められた前記締付紐条の基板外側方向の変位を規制する第2の係止手段と、が設けられていることを特徴とするものである。
これにより、張材がクッション材の外側面と基板の外周縁部を覆った状態で、張材の周縁部に挿通された締付紐条が基板の裏面側で引き締められると、締付紐条の基板中心方向の変位が第1の係止手段によって規制されるとともに、締付紐条の基板外側方向の変位が第2の係止手段によって規制される。したがって、張材の周縁部の内側に窄まろうとする変位だけでなく、外側に拡がろうとする変位も規制されるようになる。
この場合、張材がクッション材の外側面と基板の外周縁部を覆った状態で、張材の周縁部に挿通された締付紐条が基板の裏面側で引き締められると、基板の角部では締付紐条が内側に窄まる方向に変位しようとし、基板の直線部の一部では張材が外側に拡がる方向に変位しようとする。このとき、締付紐条の各変位が第1の係止手段と第2の係止手段によって規制される。したがって、基板のどの部位においても張材の捲れを適正に防止することができる。
この場合、締付紐条や張材の周縁部は、第1突出壁と第2突出壁によって確実に抜けを規制される。また、締付紐条や張材の周縁部が、第1突出壁や第2突出壁に直接当接していない場合にも、締付紐条や張材の変位は第1側壁や第2側壁によって規制される。
この場合、張材の取付時には、締付紐条や張材の周縁部を基板の周方向に連続する凹溝内に押し込みながら、締付紐条や張材の周縁部を第1突出壁や第2突出壁の内側に配置することができる。したがって、張材の取り付けを容易に行うことができる。また、締付紐条や張材の周縁部が基板の周方向に連続する凹溝内に配置されるため、張材はより捲れにくくなる。
この場合、第1突出壁と第2突出壁の延出長さを延ばしても第1突出壁と第2突出壁の先端部同士が接触しなくなる。このため、第1突出壁と第2突出壁の延出長さを充分に延ばし、締付紐条や張材の周縁部を取り付けるときに、第1突出壁と第2突出壁を撓み変形させ易くすることができる。したがって、これによって張材の取り付けを容易にすることができる。
この場合、張材の周縁部と締付紐条の配置される領域の抜け方向の広い範囲が第1突出壁と第2突出壁によって覆われるため、張材の周縁部の脱落を有効に防止することができる。また、張材を第1側壁と第2側壁の間に入れ込む作業も、第1突出壁や第2突出壁によって阻害されにくくなる。
この場合、第1突出壁と第2突出壁の先端部が対向して配置されるため、締付紐条や張材の周縁部の変位方向が変化することがあっても、締付紐条や張材の周縁部は第1突出壁と第2突出壁のいずれか一方によって変位を確実に規制される。
この場合、締付紐条や張材の周縁部の変位方向が変化することがあっても、締付紐条や張材の周縁部は第1突出壁と第2突出壁のいずれか一方によって変位を確実に規制される。また、第1突出壁と第2突出壁は先端部の一部のみが相互に対向し、残余の一部が締付紐条の延出方向に離間するように設けられているため、第1突出壁と第2突出壁が締付紐条の延出方向に沿って長く延出することになる。このため、締付紐条や張材の周縁部を取り付けるときに、第1突出壁と第2突出壁を撓み変形させ易くなる。したがって、これによって張材の取り付けを容易にすることができる。
図1は、この実施形態の椅子1の全体構成を示す側面図であり、図2は、一部部品を取り去った椅子1を斜め下方から見た斜視図である。
これらの図に示すように、この実施形態の椅子1は、フロアF上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、着座者が着座する座体4と、支基3の上面に取り付けられ座体4を支持する座受部材5と、支基3から後部上方側に延出して座体4に着座した着座者の背中を支持する背凭れ部6と、を備えている。
脚部2は、キャスタ7a付きの多岐脚7と、多岐脚7の中央部より起立し昇降機構であるガススプリングを内蔵する脚柱8と、を備え、脚柱8の上端部に支基3が水平方向に回転可能に取り付けられている。支基3には、脚柱8の昇降調整機構と背凭れ部6の傾動調整機構が内蔵されている。背凭れ部6は、側面視略L字状の背凭れ支持フレーム9と、背凭れ支持フレーム9の後上部の前面に取り付けられ座体4に着座した着座者の背中を直接支持する背凭れ本体10と、を備え、背凭れ支持フレーム9の前部下端が支基3内の傾動調整機構に連結されている。
なお、図1,図2中符号11は、支基3上における背凭れ支持フレーム9の枢支軸であり、符号12は、支基3の側面に突設された傾動調整機構の操作ノブである。また、図1中の符号90は、追加部品として座体4の左右両側の下面に取り付けられる肘掛けである。
座体4は、骨格部を成す基板13と、基板13の上部に取り付けられるウレタン等から成るクッション材14と、クッション材14の外側面から基板13の外周縁部に掛けてを覆う張材15と、を備えている。なお、図3においては、張材15は図示の都合上仮想線で記載してある。
基板13は、弾性を有する合成樹脂によって形成され、上面視では四隅が丸みを帯びた略長方形状とされている。即ち、基板13は、四隅に丸みを帯びた角部13aが設けられ、隣接する角部13a同士の間にそれぞれ直線部13bが配置された外形形状とされている。基板13は、後辺の中央領域を除く周縁部の下面に、補強リブを兼ねる連続した遮蔽壁16が下方に向かって突設されている。この遮蔽壁16は、基板13の下面が側方から見えるのを隠すとともに、基板13全域の過大な撓み変形を規制するように機能する。また、基板13の下面の遮蔽壁16よりも内側領域には、前後方向に延出する突出高さの低い複数の補強リブ23…がほぼ等間隔に突設されている。
基板13の周縁部の下面側に回り込んで配置される張材15の周縁部15aには、周域方向に沿う袋状の挿通孔部17が設けられている。挿通孔部17は、張材15の周縁部15aの周方向の一部で破断され、その破断部分から締付紐条18が挿通されている。締付紐条18は、張材15がクッション材14の外側面から基板13の外周縁部に掛けてを包み込んだ状態において、張材15の周縁部15aを基板13の下面側で締め込み、その状態で両端部18a,18aが所定の張力で結束される。
この実施形態においては、第1側壁24と第1突出壁26が、引き締められた締付紐条18の基板中心方向の変位を規制する第1の係止手段を構成し、第2側壁25と第2突出壁27が、引き締められた締付紐条18の基板外側方向の変位を規制する第2の係止手段を構成している。
ここで、左右両側の直線部13bと前部側の直線部13bに対応する領域に隣接して設けられる第1突出壁26と第2突出壁27とは、図5に示すように、凹溝19の溝幅のほぼ半分の長さとなる位置まで各先端部が延出している。
ただし、基板13の下面には必ずしも連続した凹溝19を形成しなければならないものではなく、図8に示す第2の実施形態のように、幅の狭い第1側壁124と第2側壁125とを、締付紐条18の延出方向に沿うように基板113の下面に間欠的に突設し、第1側壁124と第2側壁125の各突出端の近傍に第1突出壁126と第2突出壁127をそれぞれ連設するようにしても良い。
この実施形態では、直線部に設けられる第1突出壁226と第2突出壁227が、先端部が相互に対向する位置に配置されている。
この実施形態の場合、第1突出壁226と第2突出壁227の先端部が対向して配置されるため、締付紐条18や張材15の周縁部15aの変位方向が変化することがあっても、第1突出壁226と第2突出壁227のいずれか一方によって締付紐条18や張材15の周縁部15aの変位を確実に規制される。
この実施形態では、直線部に設けられる第1突出壁326と第2突出壁327が、先端部の一部が相互に対向しかつ残余の一部が締付紐条18の延出方向に離間するように配置されている。
この実施形態では、締付紐条18や張材15の周縁部15aの変位方向が変化することがあっても、第1突出壁326と第2突出壁327のいずれか一方によって締付紐条18や張材15の周縁部15aの変位を確実に規制することができる。
また、第1突出壁326と第2突出壁327は先端部の一部のみが相互に対向し、残余の一部が締付紐条18の延出方向に離間しているため、第1突出壁326と第2突出壁327が締付紐条18の延出方向に沿って長く延出することになる。このため、締付紐条18や張材15の周縁部15aを取り付けるときに、第1突出壁326と第2突出壁327を容易に撓み変形させることができる。このため、張材15の取り付けを容易にすることができる。
4 座体(荷重支持体)
13 基板
14 クッション材
15 張材
18 締付紐条
19 凹溝
24 第1側壁
25 第2側壁
26 第1突出壁
27 第2突出壁
Claims (8)
- 骨格部を成す基板と、
該基板の表面側に配置されるクッション材と、
少なくとも前記クッション材の外側面と前記基板の外周縁部とにかけて覆う張材と、
該張材の周縁部に挿通され、該張材が前記クッション材の外側面と前記基板の外周縁部を覆った状態で、前記基板の裏面側で引き締められて端部同士を結束される締付紐条と、を有する荷重支持体を備えた椅子において、
前記基板には、引き締められた前記締付紐条の基板中心方向の変位を規制する第1の係止手段と、引き締められた前記締付紐条の基板外側方向の変位を規制する第2の係止手段と、が設けられていることを特徴とする椅子。 - 前記基板は、四隅に角部を、角部同士の間に直線部を有する略矩形状に形成され、
前記角部には前記第1係止手段が設けられ、
少なくとも一部の前記直線部には、前記第2の係止手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。 - 前記第1の係止手段は、前記基板の裏面から裏方に突出する第1側壁と、該第1側壁の突出端の近傍から前記基板の外側方向に突出する第1突出壁と、を備え、
前記第2の係止手段は、前記基板の裏面から裏方に突出する第2側壁と、該第2側壁の突出端の近傍から前記基板の内側方向に突出する第2突出壁と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の椅子。 - 前記基板の裏面には、当該基板の周方向に連続する凹溝が形成され、前記第1側壁は前記凹溝の内側の壁によって構成され、前記第2側壁は前記凹溝の外側の壁によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
- 前記第1突出壁と前記第2突出壁とは、前記締付紐条の延出方向に離間して相互に隣り合って配置されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
- 隣接して設けられる前記第1突出壁と前記第2突出壁とは、前記第1側壁と前記第2側壁の前記締付紐条の延出方向と交差する方向の離間幅のほぼ半分の長さとなる位置まで各先端部が延出していることを特徴とする請求項5に記載の椅子。
- 前記第1突出壁と前記第2突出壁とは、先端部が相互に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
- 前記第1突出壁と前記第2突出壁とは、先端部の一部が相互に対向しかつ残余の一部が前記締付紐条の延出方向に離間して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
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