JP2015052769A - 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】LWR性能及び解像性に優れる感放射線性樹脂組成物の提供。
【解決手段】式(1)で表される構造単位を有する重合体、及び感放射線性酸発生体を含有する感放射線性樹脂組成物。式(1)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。下記式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。
Figure 2015052769

【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンのさらなる微細化が要求されており、そのため、種々の感放射線性樹脂組成物が検討されている。このような感放射線性樹脂組成物は、露光光の照射により、露光部に酸を生成させ、この酸の触媒作用により露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成させる。
かかる感放射線性樹脂組成物には、単に解像性等に優れるだけでなく、レジストパターンの線幅のばらつきを表すLWR(Line Width Roughness)性能にも優れることが求められる。この要求に対しては、感放射線性樹脂組成物に含有される重合体の構造が種々検討されており、ブチロラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造を有することで、レジストパターンの基板への密着性を高めると共に、解像性を向上させることができるとされている(特開平11−212265号公報、特開2003−5375号公報及び特開2008−83370号公報参照)。
しかし、レジストパターンの微細化が線幅45nm以下のレベルまで進展している現在にあっては、上記性能の要求レベルはさらに高まり、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの要求を満足させることはできていない。
特開平11−212265号公報 特開2003−5375号公報 特開2008−83370号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能及び解像性に優れる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)を含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2015052769
(式(1)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
Figure 2015052769
(式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、上記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、下記式(i)で表される化合物(以下、「化合物(i)」ともいう)である。
Figure 2015052769
(式(i)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
Figure 2015052769
(式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。)
ここで「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。また、Rにおける「環員数」とは、芳香環構造、芳香族複素環構造、脂環構造及び脂肪族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の環構造の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、LWRが小さく解像度が高いレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。本発明の化合物は、当該重合体の単量体として好適に用いることができる。従って、これらは、半導体デバイスや液晶デバイス等の各種電子デバイスのリソグラフィー工程における微細なレジストパターン形成に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[C]酸拡散制御体、[D]溶媒を含有してもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有してもよい。
以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、LWR性能及び解像度に優れる。
当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。すなわち、構造単位(I)は、上記式(1)に示されるように、重合体鎖と炭素原子を共有するラクトン環を有しており、このラクトン環のRの位置に環構造と上記式(a)で表される基(以下、「基(a)」ともいう)を有する特定構造を有している。従って、上記のラクトン環と上記環構造との相乗効果により、[A]重合体の剛直性が高くなり、その結果としてガラス転移温度が高くなっていると考えられる。このような[A]重合体により、[B]酸発生体等から発生する酸拡散長を適度に調整することができる。また、[A]重合体はさらに上記基(a)を有しているので、[B]酸発生体等から発生する酸拡散長をより適度に調整することができる。また、上記基(a)が存在することにより、当該感放射線樹脂組成物の現像液への溶解性を適度に調整することができる。酸拡散長と現像液への溶解性を適度に調整することにより、LWR性能及び解像性が向上する。このように、当該感放射線性樹脂組成物によれば、LWR性能及び解像性を向上させることができる。
また、[A]重合体は、構造単位(I)を有するので、特にEUV露光等に必要とされる、レジスト膜等からのアウトガスの揮散を抑制することができると考えられる。
[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、後述する下記式(2−1)又は(2−2)で表される構造単位(II)を有することが好ましく、下記式(3−1)又は(3−2)で表される構造単位(III)をさらに有することも好ましい。また、構造単位(I)及び構造単位(III)以外の構造単位であってラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造及びヒドロキシ基を含む構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位(IV)をさらに有することも好ましい。[A]重合体は構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体は、上記構造単位をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、下記式(1)で表される。
Figure 2015052769
上記式(1)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
Figure 2015052769
上記式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。
上記Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。上記環員数3〜20の環構造としては、例えば、環員数3〜20の脂環構造、環員数3〜20の脂肪族複素環構造、炭素数6〜20の芳香環構造、炭素数6〜20の芳香族複素環構造等が挙げられる。
上記脂環構造としては、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロペンテン構造、シクロペンタジエン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造、シクロデカン構造等単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。
上記脂肪族複素環構造は、環構造中に2価以上のヘテロ原子又は2価以上のヘテロ原子を有する2価の有機基(以下、「ヘテロ原子含有基」ともいう)を少なくとも1個有していれば特に限定されない。上記ヘテロ原子含有基は、ヘテロ原子を1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。
上記ヘテロ原子含有基が有する2価以上のへテロ原子としては、2価以上の原子価を有するヘテロ原子であれば特に限定されず、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子等が挙げられる。これらの中で、[A]重合体の極性がより適度になる観点及び合成容易性の観点から、非金属元素の原子が好ましく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子がさらに好ましく、酸素原子が特に好ましい。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば、
−SO−、−SO−、−SOO−、−SO−等の2個以上のヘテロ原子を組み合わせた基;
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。これらの中で−COO−、−CONH−、−SO−、−SO−、−SOO−が好ましく、−COO−、−SOO−がより好ましい。
上記脂肪族複素環構造としては、例えば、オキシラン構造、オキセタン構造、オキソラン構造、チアン構造等の単環の構造;
オキサノルボルナン構造、アザノルボルナン構造、チアノルボルナン構造、ノルボルナンラクトン構造、オキサノルボルナンラクトン構造、ノルボルナンスルトン構造等の多環の構造が挙げられる。
上記芳香環構造としては、例えば、
ベンゼン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、フェナントレン構造、テトラセン構造、トリフェニレン構造、クリセン構造等が挙げられる。
上記芳香族複素環構造としては、ピロール構造、ピリジン構造、フラン構造、チオフェン構造、ナフチリジン構造等が挙げられる。
が含む環構造としては、[A]重合体の剛直性及びガラス転移温度の観点から、脂環構造、脂肪族複素環構造、芳香環構造が好ましく、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造、オキサノルボルナン構造、ノルボルナンラクトン構造、ノルボルナンスルトン構造、ベンゼン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造が好ましく、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造、オキサノルボルナン構造、ベンゼン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造がより好ましく、多環であるノルボルナン構造、アダマンタン構造、オキサノルボルナン構造、ノルボルナンラクトン構造、オキサノルボルナンラクトン構造、ノルボルナンスルトン構造、ナフタレン構造がさらに好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基、これらの基の水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基等が挙げられる。
上記1価の炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などの鎖状炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などの脂環式炭化水素基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、上記Rの脂肪族複素環構造が含むヘテロ原子含有機として例示したものと同様のものが挙げられる。上記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
としては、[A]重合体の現像液への溶解性をより適度に調整する観点から、水素原子が好ましい。
上記Rf1及びRf2で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
上記Rf1及びRf2で表される炭素数1〜5のフッ素化アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
f1及びRf2としては、これらの中で、[A]重合体の現像液への溶解性をより適度に調整する観点から、メチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
上記式(1)におけるRとしては、下記式(b)で表される基(以下「基(b)」ともいう)が好ましい。
Figure 2015052769
上記式(b)中、Rは、置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。Zは、上記式(a)で表される基である。rは、1〜4の整数である。rが2以上の場合、複数のL及びZは同一でも異なっていてもよい。**は、上記式(1)のラクトン環を構成する酸素原子及びRへの結合部位を示す。
上記Rで表される置換又は非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の単環のシクロアルカン;
シクロプロペン、シクロブテン等の単環のシクロアルケン;
ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の多環のシクロアルカン;
ノルボルネン、トリシクロデセン等の多環のシクロアルケン等から(r+2)個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記Rで表される置換又は非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂肪族複素環基としては、例えば、オキシラン、オキセタン、オキソラン、チアン等の単環の脂肪族複素環化合物;
オキサノルボルナン、アザノルボルナン、チアノルボルナン、ノルボルナンラクトン、オキサノルボルナンラクトン、ノルボルナンスルトン等の多環の脂肪族複素環化合物から(r+2)個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記基が有していても良い置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、脂肪族複素環化合物から(r+2)個の水素原子を除いた基が好ましく、多環であるノルボルナン、オキサノルボルナン、ノルボルナンラクトン、オキサノルボルナンラクトン、ノルボルナンスルトンから(r+2)個の水素原子を除いた基がより好ましい。
上記Lで表される炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基としては、例えば、
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基等が挙げられる。
としては、現像液への溶解性を適度に調整する観点から、単結合、メタンジイル基、エタンジイル基が好ましく、単結合、メタンジイル基がより好ましい。
rとしては、現像液への溶解性を適度に調整する観点から、1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
上記式(1)におけるRとしては、下記式(c−1)又は(c−2)で表される基(以下「基(c−1)、基(c−2)」ともいう)も好ましい。
Figure 2015052769
上記式(c−1)及び(c−2)中、Zは、上記式(a)で表される基である。**は、式(1)のラクトン環を構成する酸素原子及びRへの結合部位を示す。
上記式(c−1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜20の1価の鎖状の有機基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。
上記式(c−2)中、Rは、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の鎖状の有機基としては、例えば、上記Rの1価の有機基として例示した基のうち、鎖状のもの等が挙げられる。
上記R、L及びLで表される炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基としては、例えば、上記Lとして例示したものと同じ基等が挙げられる。
上記R及びRで表される炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記R及びRで表される環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記R及びRで表される環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基としては、例えば、オキシラニル基、オキセタニル基、オキソラニル基、チアニル基等の単環の基;
オキサノルボルニル基、アザノルボルニル基、チアノルボルニル基、ノルボルナンラクトニル基、オキサノルボルナンラクトニル基、ノルボルナンスルトニル基等の多環の基が挙げられる。
上記Rで表される炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基等のアレーンジイル基;
ベンゼンジイルメタンジイル基、ナフタレンジイルシクロヘキサンジイル基等のアレーンジイル(シクロ)アルカンジイル基等が挙げられる。
上記Rで表される環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の単環のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基等の単環のシクロアルケンジイル基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等の多環のシクロアルカンジイル基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の多環のシクロアルケンジイル基等が挙げられる。
上記Rで表される環員数3〜20の2価の脂肪族複素環基としては、例えば、オキシランジイル基、オキセタンジイル基、オキソランジイル基、チアンジイル基等の単環の基;
オキサノルボルナンジイル基、アザノルボルナンジイル基、チアノルボルナンジイル基、ノルボルナンラクトンジイル基、オキサノルボルナンラクトンジイル基、ノルボルナンスルトンジイル基等の多環の基が挙げられる。
上記基が有していても良い置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。これらの中で、メチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基が好ましい。
としては、[A]重合体の剛直性及びガラス転移温度の観点から、アルキル基、多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の脂肪族複素環基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
としては、[A]重合体の剛直性及びガラス転移温度の観点から、芳香族炭化水素基、多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の脂肪族複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基がより好ましく、ベンゼンジイル基、ベンゼンジイルメタンジイル基がさらに好ましい。
としては、[A]重合体の剛直性及びガラス転移温度の観点から、フェニル基、ナフチル基、多環の脂環式炭化水素基、単環又は多環の脂肪族複素環基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、多環の脂環式炭化水素基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基がさらに好ましい。
、L及びLとしては、LWR性能及び解像性の観点から、単結合、アルカンジイル基が好ましく、単結合、メタンジイル基、エタンジイル基がより好ましい。
上記Rで表されるアルカンジイル基としては、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基が挙げられる。これらの基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜20の有機基が挙げられる。炭素数1〜20の有機基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、Rが有する異なる炭素原子に結合するアルカンジイル基等が挙げられる。
としては、非置換のメタンジイル基、非置換のエタンジイル基が好ましく、非置換のメタンジイル基がより好ましい。
上記Rとしては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、7モル%がさらに好ましく、9モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、50モル%がより好ましく、35モル%がさらに好ましく、25モル%が特に好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び解像性を向上させることができる。上記含有割合が上記下限未満だと、上記効果が十分に発揮されない場合がある。上記含有割合が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。
構造単位(I)としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−24)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)〜(I−24)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(1−1)〜(1−24)中、Rは、上記式(1)と同義である。
これらの中で、構造単位(I−1)、構造単位(I−5)、構造単位(I−10)、構造単位(I−11)、構造単位(I−15)、構造単位(I−16)、構造単位(I−17)、構造単位(I−18)、構造単位(I−22)、構造単位(I−24)が好ましく、構造単位(I−1)、構造単位(I−10)がより好ましい。
構造単位(I)を与える化合物としては、例えば、化合物(i)等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(i)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
Figure 2015052769
上記式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。
化合物(i)としては、例えば、下記式(i−1)〜(i−3)で表される化合物(以下、「化合物(i−1)〜(i−3)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(i−1)〜(i−3)中、Rは、上記式(i)と同義である。Rは、置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。Zは、上記式(a)で表される基である。rは、1〜4の整数である。rが2以上の場合、複数のL及びZは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、炭素数1〜20の1価の鎖状の有機基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。
は、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。
化合物(i−1)〜(i−3)としては、例えば、下記式(1m−1)〜(1m−24)で表される化合物(以下、「化合物(1m−1)〜(1m−24)」ともいう)等が挙げられる。化合物(1m−12)〜(1m−21)及び(1m−24)は上記式(i−1)に、化合物(1m−5)及び(1m−6)は上記式(i−2)に、化合物(1m−1)〜(1m−4)、(1m−7)〜(1m−11)、(1m−22)及び(1m−23)は上記式(i−3)に該当する。
Figure 2015052769
これらの中で、化合物(1m−1)、化合物(1m−5)、化合物(1m−10)、化合物(1m−11)、化合物(1m−15)、化合物(1m−16)、化合物(1m−17)、(1m−18)、化合物(1m−22)、化合物(1m−24)が好ましく、化合物(1m−1)、化合物(1m−10)がより好ましい。
上記式(i)で表される化合物の合成方法としては、上記化合物(i−1)〜(i−3)の場合、例えば、下記式(d−1)〜(d−3)で表される化合物と下記式(e)で表される化合物とを亜鉛の存在下で反応させる工程を有する製造方法により、下記スキームに従い簡便かつ収率よく製造することができる。
Figure 2015052769
上記式(d−1)〜(d−3)及び(i−1)〜(i−3)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。Zは、上記式(a)で表される基である。rは、1〜4の整数である。rが2以上の場合、複数のL及びZは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、炭素数1〜20の1価の鎖状の有機基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。
は、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。
上記式(e)中、Xはハロゲン原子であり、R’は1価の炭化水素基である。
上記式(d−1)〜(d−3)で表される化合物と、上記式(e)で表される化合物とを、亜鉛の存在下、テトラヒドロフラン等の溶媒中で反応させることにより、上記式(i−1)〜(i−3)で表される化合物がそれぞれ得られる。この反応液を濃縮後、分液操作、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィーなど適切に処理することにより化合物(i−1)〜(i−3)を単離することができる。なお、上記化合物(d−3)において、Rがメタンジイル基であり、かつLが単結合であり、かつRが水素原子の場合、化合物(d−3)は、リチウムジイソプロピルアミド等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン等の溶媒中で反応させることにより、式(f)で表される下記スキームに従い製造することができる。
Figure 2015052769
上記式(f)中、Rは、上記式(d−3)と同義である。Rf1及びRf2は、上記式(a)と同義である。
上記式(i−1)〜(i−3)で表される化合物以外の化合物(i)についても、上記同様の方法により製造することができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、酸解離性基を含む構造単位である。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、フェノール性水酸基等が有する水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、構造単位(II)が酸解離性基を有することにより、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト膜において、この酸解離性基は、露光又はその後の加熱の際に[B]酸発生体から生じる酸の作用により解離してカルボキシ基又はフェノール性水酸基を生じるため、パターン形成性を向上させることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び解像性を向上させることができる。構造単位(II)としては、例えば、下記式(2−1)又は(2−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)又は(II−2)」ともいう)等が挙げられる。
(構造単位(II−1))
構造単位(II−1)は、下記式(2−1)で表される構造単位である。構造単位(II−1)の−CRで表される基は、酸解離性基である。
Figure 2015052769
上記式(2−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基又は炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造を表す。
上記R、R及びRで表される炭素数1〜10の1価の鎖状の炭化水素基としては、例えば、上記Rの1価の炭化水素基として例示した基のうち、鎖状のもの等が挙げられる。
上記R、R及びRで表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、上記R及びRにおいて例示したものと同様の基が挙げられる。
上記R及びRで表される基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成され表す炭素数3〜20の脂環構造としては、例えば、
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。
上記Rとしては、構造単位(II−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記Rとしては、パターン形成性を向上させる観点から、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基がさらに好ましい。
上記R及びRとしては、パターン形成性を向上させる観点から、アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、これらの基が互いに合わせられ構成されるシクロペンタン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造が好ましく、アダマンチル基、アダマンタン構造がより好ましい。
構造単位(II)としては、下記式(2−1−a)〜(2−1−d)で表される構造単位(以下「構造単位(II−1−a)〜(II−1−d)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(2−1−a)〜(2−1−d)中、R〜Rは、上記式(2−1)と同義である。i及びjは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
構造単位(II)としては、例えば、下記式(2−1−1)〜(2−1−24)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1−1)〜(II−1−24)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015052769
Figure 2015052769
上記式(2−1−1)〜(2−1−24)中、Rは、上記式(2−1)と同義である。
構造単位(II−1)としては、構造単位(II−1−a)、(II−1−b)、(II−1−d)、(II−1−1)、(II−1−14)が好ましく、構造単位(II−1−1)、(II−1−3)、(II−1−14)、(II−1−16)、(II−1−22)がより好ましく、構造単位(II−1−3)、(II−1−22)がさらに好ましく、構造単位(II−1−3)が特に好ましい。
構造単位(II−2)は、下記式(2−2)で表される構造単位である。構造単位(II−2)の−CR101112で表される基は、酸解離性基である。
Figure 2015052769
上記式(2−2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Lは、単結合、−COO−又は−CONH−である。R10は、炭素数1〜20の1価の有機基である。R11及びR12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基若しくは炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の環構造を表す。但し、R11がオキシ炭化水素基の場合、R12は水素原子であってもよい。
上記R10で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記Rで例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R11及びR12で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、上記Rの1価の炭化水素基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R11及びR12で表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、エテニルオキシ基等の炭素数1〜20の1価のオキシ鎖状炭化水素基;
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、シクロヘキシルエチルオキシ基、シクロヘキセニルオキシ基等の炭素数3〜20の1価のオキシ脂環式炭化水素基;
フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜20の1価のオキシ芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記これらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の環構造としては、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造等のシクロアルカン構造、オキサシクロブタン構造、オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造等のオキサシクロアルカン構造等が挙げられる。
上記Rとしては、構造単位(II−2)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記Lとしては、現像液への溶解性を適度に調整する観点から、単結合、−COO−が好ましく、単結合がより好ましい。
上記R10及びR11としては、酸解離性を適度にする観点から、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記R12としては、酸解離性を適度にする観点から、メチル基、オキシ鎖状炭化水素基、オキシ脂環式炭化水素基が好ましく、メチル基、シクロヘキシルエトキシ基がより好ましい。
構造単位(II−2)としては、例えば、下記式(2−2−1)〜(2−2−6)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−2−1)〜(II−2−6)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(2−2−1)〜(2−2−6)中、Rは上記式(2−2)と同義である。
構造単位(II−2)としては、構造単位(II−2−1)、(II−2−5)が好ましく、構造単位(II−2−1)がより好ましい。
構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜80モル%が好ましく、20モル%〜70モル%がより好ましく、25モル%〜65モル%がさらに好ましく、30モル%〜65モル%が特に好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の露光部と未露光部の現像液への溶解コントラストを十分に確保することができ、結果として、LWR性能及び解像性が向上する。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、下記式(3−1)又は(3−2)で表される構造単位である。[A]重合体が構造単位(III)を有することで、[A]重合体が適度な極性を有し、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び解像性が向上する。またEUV露光等に対する当該感放射線性樹脂組成物の感度を高めることができる。
Figure 2015052769
上記式(3−1)及び(3−2)中、R14は、炭素数1〜20の1価の有機基である。kは、0〜9の整数である。kが2以上の場合、複数のR14は同一でも異なっていてもよい。mは、1〜3の整数である。pは、0〜2の整数である。但し、k+mは9以下である。
上記式(3−1)中、R13は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
上記式(3−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。
上記R13としては、構造単位(III)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。Rとしては、水素原子が好ましい。
上記Lで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
上記2価の鎖状炭化水素基としては、例えば、Lにおいて例示したものと同じ基等が挙げられる。上記2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、Rにおいて例示したものと同じ基等が挙げられる。
上記Lとしては、現像液への溶解性を適度に調整する観点から、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。
上記R14及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記Rにおいて例示したものと同じ基等が挙げられる。これらの中でアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記kとしては、0〜7の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましく、0〜3の整数がさらに好ましく、0が特に好ましい。上記mとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。上記pは、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
構造単位(III)としては、例えば、下記式(3−1−1)〜(3−2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(III−1−1)〜(III−2−1)」ともいう。)等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(3−1−1)〜(3−2−1)中、R13及びRは上記式(3−1)及び(3−2)と同義である。これらの中で、構造単位(III−1−1)、(III−1−2)、(III−2−1)が好ましく、構造単位(III−1−2)がより好ましい。
構造単位(III)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%〜70モル%が好ましく、10モル%〜60モル%がより好ましく、20モル%〜55モル%がさらに好ましく、25モル%〜50モル%が特に好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び解像性をより向上させることができる。上記含有割合が上記下限未満だと、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。パターンの基板への密着性が低下する場合がある。上記含有割合が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)は、構造単位(I)及び構造単位(III)以外の構造単位であってラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造及びヒドロキシ基を含む構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(I)に加えて、構造単位(IV)をさらに有することで、現像液への溶解性をさらに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び解像度を向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(IV)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015052769
Figure 2015052769
Figure 2015052769
Figure 2015052769
上記式中、R15は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記R15としては、構造単位(IV)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
構造単位(IV)としては、これらの中で、ノルボルナンラクトン構造を含む構造単位オキサノルボルナンラクトン構造を含む構造単位、γ−ブチロラクトン構造を含む構造単位、エチレンカーボネート構造を含む構造単位、ノルボルナンスルトン構造を含む構造単位、アダマンタン構造を含む構造単位が好ましく、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、オキサノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シアノ置換ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンラクトン−イルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、γ−ブチロラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、エチレンカーボネート−イルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンスルトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンスルトン−イルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(IV)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜70モル%が好ましく、10モル%〜65モル%がより好ましく、20モル%〜60モル%がさらに好ましく、25モル%〜55モル%が特に好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性をより向上させることができる。上記含有割合が上記下限未満だと、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性が低下する場合がある。上記含有割合が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位の含有割合としては、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
[A]重合体の含有量としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分中、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1,000以上50,000以下が好ましく、2,000以上30,000以下がより好ましく、3,000以上20,000以下がさらに好ましく、5,000以上15,000以下が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性及び現像欠陥抑制性が向上する。[A]重合体のMwが上記下限未満だと、十分な耐熱性を有するレジスト膜が得られない場合がある。[A]重合体のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
GPCカラム:G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本(以上、東ソー社)
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[A]重合体が含む低分子量成分とは、分子量1,000未満の成分をいう。低分子量成分の含有量(質量%)は、[A]重合体のガラス転移温度上昇の観点から、0.5質量%未満が好ましく、0.2質量%未満がさらに好ましく、0.1質量%未満がより好ましい。
本明細書における低分子量成分の含有量(質量%)は、以下の条件による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定される値である。
HPLCカラム:Intersil ODS−25μm、4.6mmφ×250mm(ジーエルサイエンス社)
溶出溶媒:アクリロニトリル/0.1質量%リン酸水溶液
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、[A]重合体の有機溶媒を含有する現像液への溶解性が低下するため、当該感放射線性樹脂組成物から、ネガ型のレジストパターンを形成することができる、当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1スルホネート等が挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等を挙げることができる。
[B]酸発生剤としては、これらの中でも、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1スルホネートがさらに好ましい。
[B]酸発生体の含有量としては、[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.5質量部以上25質量部以下がより好ましく、1質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性が向上し、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び解像性が向上する。[B]酸発生体は、1種又は2種以上を用いることができる。
<[C]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[C]酸拡散制御体を含有してもよい。
[C]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[C]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[C]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[C]酸拡散制御剤としては、例えば、下記式(4)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(4)中、R16、R17及びR18は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えば、n−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデシルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
また上記含窒素有機化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
また、[C]酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば、下記式(5−1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(5−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記式(5−1)及び式(5−2)中、R19〜R23は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rβ−COO、Rβ−SO 又は下記式(5−3)で表されるアニオンである。但し、Rβは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 2015052769
上記式(5−3)中、R24は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基である。uは、0〜2の整数である。
上記光崩壊性塩基としては、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015052769
上記光崩壊性塩基としては、これらの中で、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウムサリチレート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートがさらに好ましい。
[C]酸拡散制御体の含有量としては、[C]酸拡散制御体が[C]酸拡散制御剤である場合、[A]重合体100質量部に対して、0質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜15質量部がより好ましく、0.3質量部〜10質量部がさらに好ましい。[C]酸拡散制御剤の含有量が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物の感度が低下する場合がある。
<[D]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、通常、[D]溶媒を含有する。[D]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体及び所望により含有される[C]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[D]溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸iso−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル等の酢酸エステル系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒;
γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;
ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒、環状ケトン系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンがさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[D]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[D]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば、フッ素原子含有重合体、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
(フッ素原子含有重合体)
当該感放射線性樹脂組成物は、フッ素原子含有重合体をさらに含有していてもよい(但し、[A]重合体に該当するものを除く)。当該感放射線性樹脂組成物がフッ素原子含有重合体を含有すると、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中のフッ素原子含有重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍に偏在化する傾向があり、液浸露光等の際における酸発生体、酸拡散制御体等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、このフッ素原子含有重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制することができる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように、当該感放射線性樹脂組成物は、フッ素原子含有重合体をさらに含有することで、ArF露光等の場合に、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
上記フッ素原子含有重合体としては、フッ素原子を有する重合体である限り特に限定されないが、当該感放射線性樹脂組成物の[A]重合体よりも、フッ素原子含有率(質量%)が高いことが好ましい。上記フッ素原子含有重合体としては、例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジフルオロ−1−エトキシカルボニルブタン−2−イル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を含む(メタ)アクリレート等に由来する構造単位を有するもの等が挙げられる。
上記フッ素原子含有重合体の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜15質量部がより好ましく、1質量部〜10質量部がさらに好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
(脂環式骨格含有化合物)
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常5質量部以下である。
(増感剤)
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における増感剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば、[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、必要に応じて含有されるその他の任意成分及び[D]溶媒を所定の割合で混合することにより調製できる。当該感放射線性樹脂組成物は、混合後に、例えば、孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度としては、通常0.1質量%〜50質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、
当該感放射線性樹脂組成物でレジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を備える。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述の当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、LWRが小さく、解像性に優れたレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物でレジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば、回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm〜1,000nmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましい。
液浸露光を行う場合で、当該感放射線性樹脂組成物が撥水性重合体添加剤を含有していない場合等には、上記形成したレジスト膜上に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を避ける目的で、液浸液に不溶性の液浸用保護膜を設けてもよい。液浸用保護膜としては、(3)工程の前に溶媒により剥離する溶媒剥離型保護膜(例えば特開2006−227632号公報参照)、現像工程の現像と同時に剥離する現像液剥離型保護膜(例えばWO2005−069076号公報、WO2006−035790号公報参照)のいずれを用いてもよい。但し、スループットの観点からは、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
[露光工程]
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介するなどして(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)露光光を照射し、露光する。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、EUV、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV、電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、電子線、EUVがさらに好ましい。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば、水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[B]酸発生体から発生した酸による[A]重合体等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差が生じる。PEB温度としては、通常50℃〜180℃であり、80℃〜130℃が好ましい。PEB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。
上記現像に用いる現像液としては、
アルカリ現像の場合、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば、上述の感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
<重合体>
本発明の重合体は、上記式(1)で表される構造単位を有する。当該重合体は、上述の当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。
<化合物>
本発明の化合物は、上記式(i)で表される。当該化合物は、上述の当該重合体の単量体として好適に用いることができる。
当該重合体及び当該化合物は、上述の当該感放射線性樹脂組成物における[A]重合体の項で説明している。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[Mw及びMn]
重合体のMw及びMnは、GPCにより、明細書に記載の方法に従い測定した。
[低分子量成分の含有量]
重合体の低分子量成分の含有量(質量%)は、HPLCにより、明細書に記載の方法に従い測定した。
13C−NMR分析]
13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を使用し、測定溶媒として、重クロロホルムを用いて行った。
<化合物の製造>
[実施例1](化合物(S−1)の合成)
窒素置換した500mLの3つ口フラスコにアセトフェノン24.0g(200mmol)、テトラヒドロフラン200mLを加えて−78℃に冷却した。その後リチウムジイソプロピルアミドのヘキサン溶液(1.6mol/L)138mLを滴下した。1時間撹拌後、ドライアイスクーラーを用いてヘキサフルオロアセトンを39.8g(240mmol)加えた。室温に戻して3時間撹拌し、水を加えて反応をクエンチした。過剰のヘキサフルオロアセトンを留去し、1mol/Lの塩酸で中和した。反応溶液を2回純水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥濃縮することにより無色透明油状の(S−a)を41.2g得た(収率72%)。次に、窒素置換した500mLの3つ口フラスコに亜鉛10.3g(158mmol)、テトラヒドロフラン100mL及びトリメチルシリルクロリド1.6mLを加え、室温で1時間撹拌した。そこに(S−a)41.2g(144mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させた溶液を添加した。その後、エチル(2−ブロモメチル)メタクリレート29.1g(151mmol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解させた溶液を滴下し室温で4時間撹拌した。次に、飽和の塩化アンモニウム水溶液を加え反応をクエンチした。生成した塩を濾過し、溶液を約30%まで濃縮した。その後、酢酸エチル300mLを加え、水層と分離した。水層を酢酸エチル100mLで2回抽出し、有機層を飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液100mL、純水100mL及び飽和の食塩水100mLで順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した後、ヘキサン:酢酸エチル10:1で再結晶することで無色結晶(S−1)を43.8g得た(収率86%)。
Figure 2015052769
[実施例2〜21](化合物(S−2)〜(S−21)の合成)
カルボニル化合物を適宜選択し、実施例1と同様の操作をすることにより化合物(S−2)〜(S−21)を合成した。
Figure 2015052769
<[A]重合体の合成>
[A]重合体の合成に用いた単量体のうち、上記(S−1)〜(S−21)以外のものを以下に示す。
Figure 2015052769
なお、化合物(M−1)〜(M−7)は構造単位(II)を、化合物(M−10)〜(M−12)は構造単位(III)を、化合物(M−9)、(M−13)及び(M−14)は構造単位(IV)をそれぞれ与える。化合物(M−8)はその他の構造単位である。化合物(M−15)〜(M−18)は下記の合成例において構造単位(I)の代わりに用いる単量体である。
化合物(M−11)及び(M−12)は、これが与えるアセトキシスチレン等に由来する構造単位をN,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の塩基の存在下で加水分解することにより構造単位(III)となる。
[[A]重合体の合成]
[実施例22](重合体(A−1)の合成)
上記化合物(M−1)7.97g(50モル%)、化合物(M−13)5.83g(30モル%)及び化合物(S−1)6.20g(20モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.72g(化合物の合計モル数に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。100mLの3つ口フラスコに20gの2−ブタノンを投入し、30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱した。そこへ、上記調製した単量体溶液を3時間かけて滴下し、さらに3時間熟成した。重合終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。この重合反応液を400gのメタノール中に投入し、析出した固形分をろ別した。ろ別した固形分を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を14.6g(収率73%)得た。重合体(A−1)のMwは7,200、Mw/Mnは1.52であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)、(M−13)及び(S−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ49.3モル%、30.2モル%、及び20.5モル%であった。
[実施例23](重合体(A−8)の合成)
化合物(M−1)6.99g(40モル%)、化合物(M−11)6.22g(40モル%)及び化合物(S−1)6.79g(20モル%)をプロピレングリコールモノメチルエーテル40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.79g(化合物の合計モル数に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。100mLの3つ口フラスコに20gのプロピレングリコールモノメチルエーテルを投入し、30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱した。そこへ、上記調製した単量体溶液を3時間かけて滴下し、さらに3時間熟成した。重合終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。この重合反応液を400gのヘキサン中に投入し、析出した固形分をろ別した。ろ別した固形分を80gのヘキサンで2回洗浄した後、さらにろ別し、50℃で17時間乾燥させた。プロピレングリコールモノメチルエーテル20gを入れた100mLのナスフラスコにこの固形分を投入し、溶解させた。さらに、トリエチルアミン3.49g、純水0.56gを加えて80℃に加熱し、6時間反応させて加水分解した。加水分解終了後、反応液を水冷して30℃以下に冷却した。この反応液を400gのヘキサン中に投入し、析出した固形分をろ別した。ろ別した固形分を80gのヘキサンで2回洗浄した後、さらにろ別し、50℃で17時間乾燥させ重合体(A−8)を12.2g(収率61%)得た。重合体(A−8)のMwは7,500、Mw/Mnは1.52であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)、(M−11)及び(S−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ40.0モル%、39.8モル%、及び20.2モル%であった。
[実施例24〜57及び合成例1〜16]
下記表1に示す種類及び使用量の各単量体を用いた以外は、実施例22又は実施例23と同様にして、重合体(A−2)〜(A−7)、重合体(A−9)〜(A−36)及び重合体(a−1)〜(a−16)を合成した。これらの重合体の各構造単位の含有割合、収率(%)、低分子量成分の含有割合(質量%)、Mw及びMw/Mnを表1、表2及び表3に合わせて示す。なお、これらの重合体のうち、重合体(A−4)及び(a−4)は酸発生体が組み込まれた重合体である。
Figure 2015052769
Figure 2015052769
Figure 2015052769
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
[[B]酸発生剤]
各構造式を下記に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタン−1−スルホネート
Figure 2015052769
[[C]酸拡散制御剤]
C−1:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
C−2:トリフェニルスルホニウムサリチレート
C−3:トリn−ペンチルアミン
Figure 2015052769
[[D]溶媒]
D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
D−2:シクロヘキサノン
[実施例58]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)3.6質量部、並びに[D]溶媒としての(D−1)4,280質量部及び(D−2)1,830質量部を混合し、この混合液を0.2μmメンブレンフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[実施例59〜95及び比較例1〜18]
下記表4及び表5に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例58と同様にして感放射線性樹脂組成物(J−2)〜(J−38)及び(CJ−1)〜(CJ−18)を調製した。
Figure 2015052769
Figure 2015052769
<レジストパターンの形成>
8インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後23℃で30秒間冷却し、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」)を用い、出力=50KeV、電流密度=5.0A/cmの条件にて露光した。露光後、90℃で50秒間PEBを行った。その後、2.38質量%TMAH水溶液を用い、23℃で30秒間パドル現像を行い、次いで、超純水を用いて7秒間リンスし、その後、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることによりレジストパターンを形成した。
<評価>
上記形成したレジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物の下記性能について評価した。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。評価結果を表4に示す。
[LWR性能]
上記形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど、ラインのがたつきが小さく良好である。実施例のLWR性能の値を表6に示す評価基準の比較例の組成物のものと比べて10%以上の向上(LWR性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(LWR性能の値が90%を超え100%未満)の場合は「同等」と、向上がない又は悪化した場合(LWR性能の値が100%以上)には「不良」と評価した。
[解像性]
上記形成したレジストパターンのうち最小のものの寸法を測定し、この測定値を解像性(nm)とした。解像性は、測定値が小さいほど良いことを示す。実施例の解像性の値を表6に示す評価基準の比較例の組成物のものと比べて10%以上の向上(解像性の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(解像性の値が90%を超え100%未満)の場合は「同等」と、向上がない又は悪化した場合(解像性の値が100%以上)には「不良」と評価した。
Figure 2015052769
なお、一般的に電子線露光では、EUV露光の場合と同様のパターン形成の傾向を示すことが知られている。
表6の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、LWR性能及び解像性に優れた微細なレジストパターンを形成することができる。これに対し、合成例の感放射線性樹脂組成物ではLWR性能及び解像性は不十分であった。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、LWRが小さく解像度が高いレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。本発明の化合物は、当該重合体の単量体として好適に用いることができる。従って、これらは、半導体デバイスや液晶デバイス等の各種電子デバイスのリソグラフィー工程における微細なレジストパターン形成に好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を有する重合体、及び
    感放射線性酸発生体
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015052769
    (式(1)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
    Figure 2015052769

    (式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。)
  2. 上記式(1)におけるRが、下記式(b)で表される請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015052769
    (式(b)中、Rは、置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の(r+2)価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。Zは、上記式(a)で表される基である。rは、1〜4の整数である。rが2以上の場合、複数のL及びZは同一でも異なっていてもよい。**は、上記式(1)のラクトン環を構成する酸素原子及びRへの結合部位を示す。)
  3. 上記式(1)におけるRが、下記式(c−1)又は(c−2)で表される請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015052769
    (式(c−1)及び(c−2)中、Zは、上記式(a)で表される基である。**は、式(1)のラクトン環を構成する酸素原子及びRへの結合部位を示す。
    式(c−1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜20の1価の鎖状の有機基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の2価の脂肪族複素環基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。
    式(c−2)中、Rは、置換若しくは非置換の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の鎖状の有機基である。)
  4. 上記環構造が、炭素数3〜20の脂環構造又は−O−、−COO−及び−SOO−からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む環員数4〜20の脂肪族複素環構造である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 上記環構造が多環式の脂環構造、多環式の芳香環構造又は多環式の脂肪族複素環構造である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 上記式(a)におけるRf1及びRf2がトリフルオロメチル基であり、Rが水素原子である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 上記重合体が、下記式(3−1)又は(3−2)で表される構造単位をさらに有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015052769
    (式(3−1)及び(3−2)中、R14は、炭素数1〜20の1価の有機基である。kは、0〜8の整数である。kが2以上の場合、複数のR14は同一でも異なっていてもよい。mは、1〜3の整数である。pは、0〜2の整数である。但し、k+mは9以下である。
    式(3−1)中、R13は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
    式(3−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  8. 上記重合体が、酸解離性基を含む構造単位をさらに有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. レジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備え、
    上記レジスト膜を請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
  10. 上記露光工程で用いる放射線が、極端紫外線(EUV)又は電子線である請求項9に記載のレジストパターン形成方法。
  11. 下記式(1)で表される構造単位を有する重合体。
    Figure 2015052769
    (式(1)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)

    Figure 2015052769
    (式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。)
  12. 下記式(i)で表される化合物。
    Figure 2015052769
    (式(i)中、Rは、環員数3〜20の環構造と下記式(a)で表される基とを含む炭素数6〜30の置換メタンジイル基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
    Figure 2015052769
    (式(a)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Rf1及びRf2のうちの少なくともいずれかはフッ素化アルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。*は、Rを構成する炭素原子への結合部位を示す。)
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